JPH0692548A - ルームワインダーにおける糸案内装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 織機に付設されたルームワインダーにおい
て、細番手強撚糸等の特殊糸を緯糸に用いた場合、巻取
途中でスナールが発生する。本発明はこれの防止を目的
とする。 【構成】 原糸チーズ（１）と緯糸コップ（２）間に、
糸案内筒（５），Ａテンション皿（６），テンションブ
ロック（７），糸ガイド（９）を設け、テンションブロ
ック（７）を弾発体（１３）を介して機枠（１４）に固
着し、更に該テンションブロック（７）に、複数のＢテ
ンション皿（８），案内筒（５），Ａテンション皿
（６）を取り付ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はルームワインダーにおい
て、原糸チーズから解舒された糸条を緯糸コップへ導く
ための案内装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】有ひ織機の側方に緯糸巻返し用のワイン
ダーを設け、緯糸原糸として直接チーズを用いるルーム
ワインダー方式は、織布準備工程に使用する緯糸用管巻
機が不要となり、又緯糸木管に付着した残糸条の整理も
機台自体で連続的に行うので、織機１台当りの緯糸用木
管の数も少なくてすみ、残糸整理および木管集配の手間
が省略できる利点がある。更に連続して原糸チーズより
緯糸を供給するので、番手混合の恐れがなく、又テンシ
ョン管理が容易であり、得られる織布の品質面にも良好
な結果をもたらしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが前記原糸チー
ズから解舒された糸条の糸道構成について検討してみる
と、実公昭４６−２０８６３号公報に開示されている通
り、原糸チーズより機台固着のテンション装置を通って
直接緯糸コップに巻着される形態であり、供給糸の種類
に応じた細かいテンション管理は考慮されておらなかっ
た。この様な糸道構成にあっては、糸条解舒時に、機台
固着のテンション装置と原糸チーズ間に弛みが発生し、
これが縒れて直接緯糸コップに巻き込まれることがあ
り、前記縒れが製織段階で織り込まれてスナール発生の
要因となっていた。

【０００４】前記スナールの発生を阻止するため、シャ
ットルテンションあるいはルームワインダー張力を調整
することが従来より行われているが、供給原糸が細番手
の強撚糸であり、且つ原糸チーズが大型の場合、従来機
構においては時にスナールの発生をみることがあり、こ
れの改善が要望されていた。本発明はかかるスナールの
発生阻止を課題とするもので、原糸チーズ〜緯糸木管間
に新規な構造の糸案内装置を設置し、以ってスナール発
生の完全防止を図ろうとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は次のような構成を採用している。すなわち
緯糸を巻着する原糸チーズと緯糸コップ間の糸走行路
に、糸が中空部を通る糸案内筒，一対の円盤でもって糸
を挟持するＡテンション皿，弾発体によりルームワイン
ダーの機枠に支承された平盤体を主体とするテンション
ブロック，糸ガイドの四者を順次設け、前記平盤体の下
面に複数のＢテンション皿を列状に設置し、前記糸案内
筒とＡテンション皿の両者を、平盤体に設けた取付金具
により支持したことを特徴とするものである。

【０００６】

【作用】上記構成からなる本発明の糸案内装置によれ
ば、原糸チーズから解舒された緯糸は、糸案内筒，Ａテ
ンション皿，テンションブロックの下面に列状に配列す
る複数のＢテンション皿，糸ガイドを順次経由して緯糸
木管に巻き取られるが、その間糸走行路の大部分に糸条
張力を制御するテンション皿が配列されているので、糸
条の縒れを生ずることがなく、これによりスナールの発
生を完全に押さえることが出来る。特に本発明において
は、多数の糸張力制御手段の先頭に糸案内筒を設け、バ
ルーニングを画きながら解舒される原糸チーズの緯糸を
最初にこれで受取るので、糸走行のバルーニング運動か
ら直線運動への移行が円滑に実施され糸に異常な張力変
動を生ずることがない。又ルームワインダーは織機の側
方に付設されるものであるから、往復運動する杼の作動
を強烈に受け、運転中常時振動している。ところが本発
明においては糸張力制御の中核となる糸案内筒，Ａテン
ション皿，Ｂテンション皿の三者が共にテンションブロ
ックに固着し、且つ該テンションブロックが弾発体で支
承されているので織機振動の各糸案内装置への波及を和
らげることが出来る。

【０００７】

【実施例】以下図１に示す実施例により本発明を具体的
に説明する。図１は緯糸を巻着する原糸チーズ（１）か
ら緯糸コップ（２）に至る糸走行路に設けた本発明の糸
案内装置（３）を示す概略説明図であり、図中（４）は
原糸チーズ（１）から解舒された緯糸を示す。

【０００８】実施例の糸案内装置（３）は、緯糸（４）
の進行方向に向かって順次、糸案内筒（５），Ａテンシ
ョン皿（６），テンションブロック（７）の下面に設置
され、下方に向かって突出するＢテンション皿（８）
群，及び糸ガイド（９）を設けてなるものである。

【０００９】前記原糸チーズ（１）は機台の所定位置に
固着するペッグ（１０）に挿着されており、図示の例に
おいては、直円柱体に巻き上げたストレートチーズを軸
線方向に解舒する形態を示しているが、チーズ形体とし
てはこれに限定されるものではなく、より好ましくはコ
ーンチーズであり、又解舒方向も糸ガイドを別に付設し
径方向に解舒しても良い。

【００１０】糸案内筒（５）は筒体本体（１１）と該本
体（１１）の原糸チーズ（１）側に設けた円盤体（１
２）からなっており、解舒された緯糸（４）は円盤体
（１２）の中央、及び筒体本体（１１）の中空部を通過
するようになっている。Ａテンション皿（６）は互に圧
接する上下一対の円盤からなる公知のテンション機構で
あり、前述の糸案内筒（５）の近傍に、好ましくはこれ
と一体に設置されており、糸案内筒（５）から出た緯糸
（４）を屈曲させ図上右側の挟持辺に接触させた後、図
上裏側（紙面の裏面側）を回って前方へ走行するように
なっている。

【００１１】テンションブロック（７）は４本の弾発体
（１３）、即ちスプリングによりルームワインダーの機
枠（１４）に支承された平盤体（１５）を主構成要素と
するもので、一方の側部の裏面に、下方に突出する複数
個のＢテンション皿（８）（８）…を略々直列に固着し
ており、最後のＢテンション皿（８）の緯糸進行方向側
の前方には平盤体（１５）に取付けられた金具（１７）
によって支承される糸ガイド（９）が設置されている。
尚図上（１６）は最初のＢテンション皿（８）とＡテン
ション皿（６）間に設けた糸案内用のスネールワイヤー
である。

【００１２】又図上（１９）はユニフルワインダーの本
体（１８）内に設けた巻取機構であって、糸ガイド
（９）を出た緯糸（４）は本体（１８）に設けたトラバ
ース機構（図示しない）によりトラバースされながら緯
糸木管（２０）に巻き取られ緯糸コップ（２）を形成す
る。

【００１３】本発明に係る実施例の装置は上述の如き構
成からなるもので、前述の通り、原糸チーズ（１）から
解舒された緯糸（４）は糸案内筒（５），スネールワイ
ヤー（１６），Ｂテンション皿（８），糸ガイド（９）
を経由して緯糸木管に巻き取られ緯糸コップ（２）を形
成するが、この間、先に述べた通り、糸走行路の随所に
テンション制御手段を設けているので、走行糸のたるみ
によるスラブの発生を見ることがない。

【００１４】

【発明の効果】本発明装置は上述の如く、細番手強撚糸
を織布の緯糸として用いる場合に生ずるルームワインダ
ーでのスラブによる欠点を完全に解消し、同ワインダー
の適用糸条を広範囲に拡大し得る効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の１実施例を表す構成説明図である。

【符号の説明】

１ 原糸チーズ ２ 緯糸コップ ５ 糸案内筒 ６ Ａテンション皿 ７ テンションブロック ８ Ｂテンション皿 ９ 糸ガイド １３ 弾発体 １４ 機枠 １５ 平盤体

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 緯糸を巻着する原糸チーズ（１）と緯糸
   コップ（２）間の糸走行路に、糸が中空部を通る糸案内
   筒（５），一対の円盤でもって糸を挟持するＡテンショ
   ン皿（６），弾発体（１３）によりルームワインダーの
   機枠（１４）に支承された平盤体（１５）を主体とする
   テンションブロック（７），糸ガイド（９）の四者を順
   次設け、前記平盤体（１５）の下面に複数のＢテンショ
   ン皿（８）を列状に設置し、前記案内筒（５），Ａテン
   ション皿（６）の両者を平盤体（１５）に設けた取付金
   具により支持したことを特徴とするルームワインダーの
   糸案内装置。
2. 【請求項２】 糸案内筒（５）とＡテンション皿（６）
   の両者が平盤体（１５）に設けた同一の取付金具により
   支持されている請求項１記載のルームワインダーの糸案
   内装置。
3. 【請求項３】 糸ガイド（９）が平盤体（１５）に設け
   た別の取付金具により支持されている請求項１記載のル
   ームワインダーの糸案内装置。