JPH0691676A - 高分子材料の成型装置 - Google Patents

高分子材料の成型装置

Info

Publication number
JPH0691676A
JPH0691676A JP24167392A JP24167392A JPH0691676A JP H0691676 A JPH0691676 A JP H0691676A JP 24167392 A JP24167392 A JP 24167392A JP 24167392 A JP24167392 A JP 24167392A JP H0691676 A JPH0691676 A JP H0691676A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin plate
resin
mold
polymer material
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP24167392A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3214090B2 (ja
Inventor
Yoshishige Fukushi
慶滋 福士
Shinei Fujioka
慎英 藤岡
Toru Koyama
小山  徹
Hirokazu Takasaki
寛和 高崎
Yasushi Kano
育志 狩野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP24167392A priority Critical patent/JP3214090B2/ja
Publication of JPH0691676A publication Critical patent/JPH0691676A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3214090B2 publication Critical patent/JP3214090B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】高分子材料、特に熱硬化性樹脂で生じる欠陥の
発生を防ぎながら極めて短時間に成形する装置を提供す
る。 【構成】金型1の内部にコイル導体2がセットされ、そ
の周囲にモールド樹脂3を充填して加熱硬化成型するも
のにおいて、金型内面に適度の剛性を有し且つ変形可能
な薄板4を気密に取り付け、樹脂の硬化進展に合わせ
て、加圧口6からの圧力を変えて薄板の変形を制御し、
樹脂の体積収縮に起因した欠陥の発生を防止した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分子材料の成型装置
に係り、特にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を用い
て、内部に導体巻線を有する場合の成型装置に関する新
たな提案である。
【0002】
【従来の技術】一般に高分子材料は、硬化反応を生じて
液状から固体になる際には、体積収縮を伴う。そのた
め、金型内に流動状態の高分子材料を注入し、金型空洞
と同一形状のものを成型しようとしても、前記の硬化反
応に伴う体積収縮により、局部的なヒケ等の欠陥の発生
を伴う場合が有る。この種の欠陥の発生は、樹脂の反応
性を高めて、短時間成型を指向する際に特に顕著にな
る。
【0003】これらの欠陥の発生を防止する目的で、高
分子材料の硬化を制御する手段及び前記の体積収縮分を
補う種々の工夫が為されている。これらの例として、エ
ポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を対象とした、特公昭53
−31904 号公報などがある。これは、樹脂温度よりも金
型温度を高く設定するとともに、注入口より樹脂を加圧
することによって、注入口よりも遠い部分から注入口に
向かって硬化反応を進展させ、且つその際に生じる硬化
収縮分を注入口側からの液状樹脂を押し込むことで対処
しようとするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな方法によっても成型品の厚みがかなり異なっている
場合などでは、前記したような欠陥の発生が防止できな
い。それは、熱硬化性樹脂が硬化する際には、体積収縮
するとともに硬化反応熱を放出することに起因してい
る。樹脂厚みがかなり異なっている場合などでは、この
反応熱による樹脂温度の上昇によって、前記したような
硬化反応進展の原則が崩れ、注入口側からの樹脂補給が
出来なくなるためである。樹脂補給が出来なくなると、
この取り残された部分の硬化体積収縮分は、その部分の
最後に固化する局所的範囲に集中して起こることになり
欠陥となってしまう。この現象は、より短時間で硬化を
進めようとすればするほど大きな問題となり、量産上の
障害となっている。
【0005】また、モールドコイル等のように金型内部
に宙ぶらりんの導体を有する場合においても欠陥を発生
することが多く見られる。これは、導体と金型と接触し
ている部分が少なく金型から導体への熱の供給が悪いこ
とに起因している。コイル導体の予熱温度が低かった
り、あるいは注入時に温度の低い樹脂と接して一旦温度
が低下するなどすると、その後金型の温度を制御しても
速やかに導体温度を上昇させることが困難となる。この
場合、導体近傍の硬化反応が遅れ、硬化体積収縮も導体
近傍が最後になるため、欠陥がコイル導体近傍を含む内
部に発生することになり、絶縁上、特に有害となる懸念
が有った。
【0006】このような欠点を防止する方法として導体
を通電する方法(特開平3−1901155号公報)などがある
が、この方法においてはコイル導体を完全に金型から絶
縁しなければならない、通電装置とその制御装置を必要
とするなど装置が複雑になる欠点があった。
【0007】本発明は、前記従来技術の欠点である短時
間成型における成型品内の欠陥発生をより簡便な装置の
改善で防止することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、前記従来技
術における欠陥の発生が、樹脂の硬化反応による体積収
縮が局所的に集中して起こったためであることに注目
し、これらを広範囲な部分に分散することで解決するこ
とを試みた。そのための手段として、本発明では金型の
必要な箇所(肉厚の変化が大きいなど前記の欠陥が発生
すると予想される箇所)に適度な剛性を有し、且つ変形
が可能な薄板を気密に取り付けるとともに、熱硬化性樹
脂の硬化反応の進展に対応して、その変形を制御できる
ような手段を設けた。
【0009】
【作用】このようにすると、前記の樹脂の体積収縮分が
広範囲な部分に制御された形状で、一様に分散されるた
め、成型品にとって欠陥とはならない。
【0010】
【実施例】以下、本発明を図面を用いて具体的に説明す
る。図1は、コイル導体を含む成型品に対する本発明の
一実施例である。
【0011】金型1は、図に示されるように3個の部分
に分割され、その間に本発明の主要素である適度の剛性
を有し、且つ変形可能な薄板4が設置される。金型の空
洞内には、コイル導体2が図示しない適宜の絶縁スペー
サを介して、空洞のほぼ中央に設置される。コイル導体
は、通常、銅あるいはアルミ線に絶縁層を被せるかある
いは層間絶縁層を介在させながら所定の回数を巻いて形
成される。金型と薄板との間は、Oリング5によって気
密に封止される。
【0012】図において、薄板の金型空洞側にあるOリ
ングは、樹脂の洩れ防止及び必要に応じて金型内を減圧
にする際の気密封止である。逆側のOリングは後述する
ように、加圧口6から気体あるいは液体を用いて圧力を
加え、薄板4の変形を制御する際の気体あるいは液体の
洩れ防止である。この洩れ防止をOリングの替わりに、
図2のように薄板を金型に直接溶接して気密を保つよう
にしても良い。
【0013】この場合は、図1のように金型を3分割す
る必要は無く、成型品を取り出すための分割で良い。熱
硬化性樹脂の成型では、金型に直接ヒータなどの加熱手
段を設けるか金型全体を加熱炉にいれるなどの手段によ
って適宜の温度に制御されるが、本実施例においては、
図1も含めて以下の図面でも加熱手段については図示を
省略した。前記のように金型及びコイル導体をセット
し、所定の温度に昇温した後、コイル導体の設置された
金型空洞内に、モールド樹脂が充填される。モールド樹
脂としては、通常、エポキシ樹脂に熱伝導率の向上,熱
膨張率及び硬化収縮率の低減、さらには原価低減などの
目的から、石英粉,アルミナ粉,炭酸カルシウム粉等の
無機質粉を混ぜ合わせたものが用いられる。その後、樹
脂の硬化反応によって体積収縮が生じる段階になると、
それを検出して加圧口からの圧力を変えて(通常、加圧
力を徐々に大きくする)薄板の制御を行う。このように
樹脂の体積収縮に応じて薄板を金型空洞内に押し込むよ
うに制御すると図3のように若干、外表面の樹脂厚みが
減少するが内部に生じる欠陥の発生を防止できる(図3
は、判り易くする目的から、薄板の変形を誇張して描い
ている)。通常のエポキシ樹脂単体の硬化収縮は2%程
度以下であるから、無機質粉が体積で50%程度混入さ
れているモールド樹脂では1%程度の体積収縮である。
そのため、他部分からの樹脂補給がまったく無かったと
しても薄板の押し込みによる樹脂厚みの減少は実際の樹
脂厚みの1%程度にしかならない。また、薄板は適度の
剛性を有しているため、その変形が局部的に集中するこ
とは無い。例えば、10mmの絶縁層厚みに対しては、
0.1mm 程度の滑らかな減少であり、多くの場合、問題
となることは無い。
【0014】図4,図5は、それぞれ本発明をレースト
ラックコイル及び厚肉樹脂部を有する円形コイルに適用
した場合の実施例である。本発明は、コイル導体の存在
する範囲全面に適用しても良いが図4,図5のように欠
陥の発生が予想される部分に限定して適用しても良い。
図4は、樹脂注入口14から、一番遠く樹脂補給の行わ
れにくいコイルの下部部分に適用した例である。
【0015】また、図5は樹脂層厚みが極端に厚くなっ
ているコイル脚部に適用した例である。いずれもコイル
導体を正面から見た場合の断面図で、コイル導体を輪切
りにした横断面構造は、ほぼ図1あるいは図3と同様で
ある。薄板4は図の紙面に対して垂直方向に押し込まれ
る。
【0016】これまでは、樹脂の硬化収縮の進行に合わ
せて薄板の外側から加圧制御する方法について述べた
が、薄板の寸法を適正に選び、且つ薄板の外側に大気圧
が加わるようにすれば、特に圧力を制御しなくても、前
記とほぼ同様の効果が得られる。
【0017】例えば図4で、薄板の板厚みをd,横方向
の長さをa,変形可能な部分の幅をb,薄板のヤング率
をE,薄板に加わる外圧をpとして、金型の空洞内を減
圧にしたとすると薄板の最大のたわみ量δmax は次式で
表せる(機械工学ハンドブックなど)。
【0018】
【数1】
【0019】βは前記の薄板の縦,横比a/bと材質で
決まる定数である。薄板を鋼板,aを500mm,bを1
00mm、pを大気圧として計算した薄板厚みと最大たわ
み量δmax との関係を図6に示す。図から板厚みを1.
5mm 程度に選べば、空洞内が減圧状態になれば、その
大きさに応じて0.4mm 程度まで変形することになる。
このような条件で製作された薄板を用いれば、従来技術
の項で述べた硬化反応進展の制御が崩れ、コイル下部に
対して注入口側からの樹脂補給が出来なくなった場合で
も、次の作用で欠陥の発生を抑制できる。即ち、樹脂補
給がされない状態で、樹脂の体積収縮が生じると空洞内
部が減圧状態となり、それに対応して薄板が内部に引き
込まれるため、図1で述べたと同様の薄板の変形が生じ
る。この場合も、体積収縮分が広範囲囲に分散し、且つ
絶縁層厚みの減少もわずかであるため欠陥とはならな
い。実際の場合の薄板の厚みは、前記の値よりも薄めに
選び、体積収縮で生じる小さな圧力変化に対しても追随
出来るようにする方が良い。薄く設計すると図6では、
過剰な変形が発生するように見えるが、実際には樹脂が
充満しているために、硬化収縮分しか変形は生じない。
しかしながら、板厚みを薄くし過ぎると薄板の剛性が不
足し、樹脂の局所的な体積変化に板の変形が追随してし
まうため、体積収縮分を広範囲に滑らかに分散するとい
う本発明の効果が失われてしまう。薄板部分の寸法,そ
の部分の絶縁厚み,樹脂補給が困難と見做される部分の
樹脂体積,樹脂の硬化収縮率などを考慮して、薄板の厚
み,材質を適正に選ぶ必要が有る。
【0020】図5においても、同様の原理で、厚肉部分
に対する注入口側からの樹脂補給が十分でない場合で
も、薄板の変形で表面層をわずかに滑らかに変形させる
のみで対処でき、内部に欠陥を発生させることは無い。
この場合の板の変形の程度は、次式で計算できる。
【0021】
【数2】
【0022】但し
【0023】
【数3】
【0024】上式において、Rは薄板の変形可能な部分
の半径、νは薄板のポアソン比である。他の記号は、
(1)と同様の記号である。これらの結果を参考に図4
と同様の手順で適正な薄板厚みを選定すれば良い。
【0025】次に、樹脂の硬化過程をモニターするため
の手段について、図7及び図8を用いて具体的に説明す
る。これらの図は、円形あるいは長円形のコイルを対象
としたもので、図におけるコイル導体及び樹脂は図示し
ない部分で連結されている。また、Oリング等の封止手
段については図示を省略している。図7は硬化過程のモ
ニターとして、樹脂自身の誘電特性の変化を測定利用す
るものである。図7の様にコイル導体を有している場合
には、コイル導体2を片側の電極として、また金型を他
の電極として誘電特性の測定が出来る。その場合、端子
部においてはリード端子14と金型2とを絶縁する絶縁
層21が必要となる。誘電特性はコイル導体及び金型か
らのリード線22,23を通じて測定器24に導かれ
る。樹脂の硬化をモニターする誘電特性としては、絶縁
抵抗Z,誘電損失tanδ,静電容量Cなどが有り、硬
化反応過程における絶縁抵抗及びtanδの変化を図9
に示す。図9は、初期値に対する変化の割合で示してい
る。tanδのピークは、ほぼ樹脂のゲル化(液体から
固体への変化)時点と一致する。絶縁抵抗の変化では、
数桁に及ぶ大きな変化が見られる。これらの特性は使用
する樹脂によって異なるため、それら特有の特性を事前
に把握しておき、それらと対比することで樹脂の硬化モ
ニターが可能となる。これらの処理は、最近ではパーソ
ナルコンピュータ等を用いて、容易にできる。
【0026】図8は、樹脂硬化モニターの指標として、
薄板の変形及び温度を用いた場合の例である。図におい
て、薄板と外側の金型との間に有る空洞は、図面を見や
すくする目的から大きめに書いたもので、センサの取り
付けさえ出来れば必ずしも大きなスペースは必要としな
い。薄板の変形は、図8に示すように薄板の樹脂と逆側
にひずみゲージ31を貼付けることで容易に測定でき
る。また、温度を計測する熱電対33は、樹脂温度の変
化をより良く反映する部分に取り付けるのが望ましく、
図の様に薄板に取り付けるのも一つの有力な方法であ
る。樹脂硬化過程における薄板の変形及び温度の変化を
図9に示す。薄板のひずみ変化は、前記したように樹脂
の硬化体積収縮分を補えなくなった時に内部が減圧状態
になることに起因して生じる。温度の変化は樹脂の硬化
反応熱によって生じる。図9における薄板の変形がほと
んど無くなる時点及び温度がピークを示す時点が樹脂の
ゲル化時点にほぼ対応する。誘電特性の場合と同様、事
前に把握した特性と比較しながら、これらの特性を測定
することで樹脂硬化進展のモニターが出来る。このよう
な樹脂硬化進展モニター手段からの情報をもとに、それ
に応じて薄板の変形を制御すれば良い。例えば、薄板の
変形が観測された時点から、薄板に圧力をかけるなどす
れば、欠陥発生の無い成型品が得られる。
【0027】以上の実施例は、薄板に加える圧力を硬化
収縮が始まった時点から加える場合のものであったが、
樹脂が空洞内を満たした後、樹脂注入口を密閉して最初
から加圧しても良い。
【0028】また、従来技術で述べた金型空洞内の樹脂
に圧力を加える手段と組み合わせて実施すれば、さらに
急速硬化が可能となる。図10は、そのような例につい
ての実施例である。図における金型及び対象としたコイ
ルなどは図7及び図8に記載したものとほぼ同じ構成で
ある。但し、薄板4の取り付けに関しては、図2の金型
に溶接する方法の例を示した。また、薄板4も部分的に
分割されて取り付けられている。それぞれの薄板4に
は、変形をモニターするためのひずみゲージ31が取り
付けられている。金型上部には、金型内の空洞部分を減
圧するための減圧口41が設けられ、バルブ53を介し
て、真空ポンプ43に連結される。但し、これらは樹脂
内部に小さな欠陥の発生をも許容しない高電圧用機器な
ど以外では必ずしも必要でない。その場合は、下部から
充填された樹脂のオーバーフロウを防止するための手段
を講じれば良い。モールド樹脂は、エポキシ樹脂と無機
質粉を混入した後、良く混練脱泡されたものが加圧タン
ク42に投じられる。加圧タンクには、バルブ50を介
して加圧装置44から供給される圧力が加えられる。金
型下部には注入口が設けられ配管で加圧タンクと結ばれ
る。減圧口41及び注入口近傍には、樹脂硬化後、金型
と配管とを分離するための図示しない手段が設けられ
る。また、それぞれの加圧口6は、制御信号を送ること
で遠隔操作が可能なバルブ52を介して一括連結され、
さらに遠隔操作可能なバルブ51を介して、加圧装置4
4につながれる。
【0029】薄板4に設けられたそれぞれのひずみゲー
ジの信号はリード線32によって、計測制御装置45に
導かれる。計測制御装置45には、ひずみゲージの信号
をひずみに返還する装置も含まれる。また、52以外の
各バルブも、計測制御装置からの制御信号で遠隔操作が
出来る構造であることが望ましい。55は、そのための
信号リード線である。
【0030】このような構成において、図示しない加熱
手段によって、金型温度を所定の温度に保った後、次の
手順で樹脂硬化が行われる。
【0031】:減圧口に設けられたバルブ53を開
き、コイル導体2がセットされている金型空洞内を真空
ポンプ43によって減圧にする。その場合、薄板に外側
からの大気圧が加わり、樹脂注入以前に変形が生じてし
まうため、バルブ52,54を開き(バルブ51は閉じ
る)薄板の外側も金型空洞内部と同圧力に保つ必要が有
る。
【0032】:バルブ50を開き、加圧タンク内の樹
脂に適当な圧力を加えることによって、金型空洞内に樹
脂が充填される。
【0033】:金型内に樹脂が充満した時点でバルブ
53を閉じるとともに、加圧タンクに加える圧力を上昇
し、金型内の樹脂に圧力を加える。薄板の外側にも、加
圧タンクと同圧力を加える。
【0034】:この状態で、ひずみゲージのひずみを
モニターしながら、硬化を進め図9に示したひずみ変動
が認められたならば、薄板の外側の圧力をさらに上昇
し、注入口から補給不可能な硬化収縮分を薄板の変形
(内部に押し込む)で補う。 :樹脂の機械強度が金型解体に必要な強度になる所定
の時間経過後,圧力を解除,金型を解体して成型を完了
する。
【0035】これらの成型における圧力調整は、原理上
は人手によるバルブ操作も可能であるが、図10の構成
が採用される場合は極めて早い短時間成型が要求される
場合であるから、上記のようなコンピューター制御を用
いた構成が不可欠である。このような方法によれば、欠
陥の発生の無いものが極めて短時間で成型可能となる。
【0036】これまでの説明は、エポキシ樹脂を用い、
且つコイル導体を有する場合を例に説明したが、他の熱
硬化性樹脂を用いてもあるいはコイル導体を有しない場
合でも本発明が適用できることは言うまでもない。ま
た、本発明の考え方は、熱可塑性樹脂の成型にも応用出
来る。
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、極めて
短時間で欠陥の発生の無い成型が可能で、少ない装置台
数で大量の生産が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す横断面図である。
【図2】図1と異なる封止構造を示す実施例の横断面図
である。
【図3】本発明の薄板の変形状態を示す説明図である。
【図4】本発明の具体的適用例を示す縦断面図である。
【図5】本発明の具体的適用例を示す縦断面図である。
【図6】本発明で述べる薄板の厚みを決定するための板
厚みとと最大たわみ量の関係を示す特性図である。
【図7】樹脂の硬化進展をモニターする手段を示す縦断
面図である。
【図8】樹脂の硬化進展をモニターする手段の他の例を
示す縦断面図である。
【図9】モニター諸量の経時変化を示す特性図である。
【図10】成型装置,制御装置を組み合わせてた本発明
の他の実施例を示す系統図である。
【符号の説明】
1…金型、2…コイル導体、3…モールド樹脂、4…薄
板、5…Oリング、6…加圧口、7…溶接部、13…端
子部、14…端子、15…注入口、21…端子絶縁物、
22及び23…計測リード線、24…誘電特性測定装
置、31…ひずみゲージ、32…リード線、33…熱電
対、40…注入口、41…減圧口、42…加圧タンク、
43…真空ポンプ、44…加圧装置、45…計測制御装
置、51〜55…バルブ、δmax …誘電損、d…薄板厚
み、Δ…変化量、t…経過時間、Z…絶縁抵抗、T…温
度、ε…薄板のひずみ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高崎 寛和 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 狩野 育志 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金型内に流動性高分子材料を流し込み、反
    応硬化させる高分子材料の成型装置において、前記高分
    子材料と接する金型表面の少なくとも一部に可変形性薄
    板を気密に取り付け、且つ高分子材料と接しない側に薄
    板の変形を制御する手段を設けたことを特徴とする高分
    子材料の成型装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の薄板の変形を制御する手段
    として、気体、あるいは液体の圧力を用いたことを特徴
    とする高分子材料の成型装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の高分子材料の成型装置にお
    いて、金型の一部に高分子材料の硬化反応をモニターす
    るセンサを設け、そのセンサから得られる高分子材料の
    硬化反応状態と連動させて、前記薄板の変形を制御した
    ことを特徴とする高分子材料の成型装置。
  4. 【請求項4】請求項1記載の薄板の厚みが、金型内を1
    0Torr以下の減圧状態にし、且つ薄板の外側(高分子材
    料と接しない側)に大気圧が加わった状態において、薄
    板の変形量が、薄板が長方形の場合その短辺の、あるい
    は薄板が楕円の場合その短径の、それぞれ0.0001
    〜0.1になるような薄板を有する金型を用いたことを
    特徴とする高分子材料の成型装置。
  5. 【請求項5】請求項3記載の硬化反応をモニターする手
    段として、前記薄板に設けたひずみセンサ出力、あるい
    は熱電対出力、あるいは金型内に充填された高分子材料
    の電気抵抗,誘電ロス等の誘電特性の変化分を用いたこ
    とを特徴とする高分子材料の成型装置。
JP24167392A 1992-09-10 1992-09-10 高分子材料の成型装置 Expired - Fee Related JP3214090B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24167392A JP3214090B2 (ja) 1992-09-10 1992-09-10 高分子材料の成型装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24167392A JP3214090B2 (ja) 1992-09-10 1992-09-10 高分子材料の成型装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0691676A true JPH0691676A (ja) 1994-04-05
JP3214090B2 JP3214090B2 (ja) 2001-10-02

Family

ID=17077822

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24167392A Expired - Fee Related JP3214090B2 (ja) 1992-09-10 1992-09-10 高分子材料の成型装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3214090B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010125666A (ja) * 2008-11-26 2010-06-10 Yokohama Rubber Co Ltd:The 繊維強化プラスチックパネル製造装置
CN102013773A (zh) * 2010-12-14 2011-04-13 湘潭电机力源模具有限公司 直线电机定子线圈浇注模

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010125666A (ja) * 2008-11-26 2010-06-10 Yokohama Rubber Co Ltd:The 繊維強化プラスチックパネル製造装置
CN102013773A (zh) * 2010-12-14 2011-04-13 湘潭电机力源模具有限公司 直线电机定子线圈浇注模

Also Published As

Publication number Publication date
JP3214090B2 (ja) 2001-10-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW299483B (ja)
US2856639A (en) Method of encasing electric coils
US4889668A (en) Fixed-volume, trapped rubber molding method
US4812115A (en) Fixed-volume trapped rubber molding apparatus
JP2001324302A (ja) コンクリート埋込型ひずみゲージおよびコンクリートのひずみ測定方法
JPH0691676A (ja) 高分子材料の成型装置
JP2000329719A (ja) コンクリートの断熱温度上昇試験装置
JP4672635B2 (ja) 樹脂封止方法及びモータ
JPS6136710B2 (ja)
JPS6362971B2 (ja)
JP3052673B2 (ja) モールドコイル
EP1074367B1 (en) Apparatus for producing casting products molded in epoxy resin
JP3469025B2 (ja) 高速注型装置
Harsch et al. Strain development in a filled epoxy resin curing under constrained and unconstrained conditions as assessed by Fibre Bragg Grating sensors
JP4673688B2 (ja) エポキシ樹脂注形品の製造方法
JP2005081560A (ja) 樹脂注型システム
JPS6013132B2 (ja) 樹脂封止体における樹脂硬化応力測定方法
JPH09330628A (ja) 樹脂碍子の製造方法およびその装置
JP3360975B2 (ja) 熱硬化性複合材料の製造方法
KR200288769Y1 (ko) 진공주형기의 몰드
JPS5858853A (ja) モ−ルド絶縁法
JP2005328615A (ja) 回転電機における絶縁コイルの製造装置及びこの装置を用いた製造方法
JP2000032717A (ja) 中空電線を用いたコイル絶縁層の硬化方法
JPS5853169A (ja) 口出線装置及びその製造方法
JPS6176048A (ja) 固定子コイルの絶縁方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees