JP3360975B2 - 熱硬化性複合材料の製造方法 - Google Patents

熱硬化性複合材料の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、ボイドレス、クラック
スレスで寸法安定性に優れた熱硬化性複合材料の製造方
法に関する。 【0002】 【従来の技術】熱硬化性複合材料は、無機繊維、有機繊
維、金属繊維、植物繊維などの強化材や、コイル、導
体、鉄心、電極など埋込み物を熱硬化性樹脂で含浸硬化
させた電気絶縁材料である。従来からあるボイドレス熱
硬化性複合材料の製造方法は、埋込み物を型に組み込み
予熱した後、真空下で低粘度熱硬化性樹脂組成物を注入
含浸し、大気圧下或いは加圧しながら硬化するのが一般
的である。加圧方法を大別すると、オートクレーブのよ
うな大型加圧タンクに上部開口型を入れ加圧する方法
と、型自体を密封して加圧する方法がある。 【0003】大型加圧タンクの加圧は、複数の型を一括
して加圧硬化できるため操作が簡便である。また通常、
圧力媒体は窒素ガス等の不活性ガスが使用され、かかる
媒体はクリーンで作業環境が汚れにくい。しかし、高圧
ガス法に適合する大型高圧ガス容器の製作費用が大き
く、メンテナンス費用も大きい。高圧ガス法を遵守する
ことで安全性は保てるが潜在的危険要因は排除できな
い。また、加圧力が30kg/cm2 を超えると含浸樹脂への
ガス媒体の溶解による影響がでるため、適用できる上限
圧力は概ね30kg/cm2 で制限される。圧力媒体をタービ
ン油や、シリコーン油等の液体を使用することで安全上
の問題と圧力限界の問題は解決できるが、油が製品や型
と直接接するため、油の製品への混入や作業環境の油汚
れ等の問題が生じる。さらに、大型加圧タンクの最大の
欠点は、温度コントロールが難しいことである。上部が
開口した型を理想的に硬化させるためには下側を固め順
次上に向けて固めつつ、ゲル化中に生じる収縮を遂次補
償して行き最上部の開口を最後に固めることが肝要であ
る。しかし、大型加圧タンクでは、媒体がガスでも液体
でも対流が起こり、タンク上部の温度が上昇して硬化の
順序付けに支障をきたす欠点がある。 【0004】一方、型自体を密封して加圧する方式で
は、圧力媒体は大型加圧タンク同様不活性ガスや油が使
用され、場合によっては型上部にプランジャーを取り付
け樹脂に直接圧力をかける方法もある。不活性ガスによ
る加圧では、型自体が各々高圧ガス容器となるため型の
個別管理が繁雑となるし、また、圧力限界の問題もあ
る。油媒体の使用は高圧ガス容器の管理と圧力限界の問
題を解決できる。油の製品への接触混入の対策として加
圧口に離型フィルムやシリコーンラバーシートを張り付
ける方法もあるが、フィルムやシートの耐久性、作業
性、コスト、油汚れ等の問題がある。型上部にプランジ
ャーを取り付け樹脂に直接圧力をかける方法は、媒体の
接触問題なしに高圧をかけることができるが、プランジ
ャー取付け作業、摺動部の樹脂詰まり除去作業の手間や
メンテナンス上の問題等がある。硬化温度のコントロー
ルは大型加圧タンクに比べ格段に易しく、型の形状に応
じ適当にヒーターを密着させて型単位で比較的精度良く
温度コントロールできる。しかし、大型で肉厚で樹脂量
の大きい製品では、やはり対流による上部の温度上昇や
中央部の蓄熱の影響で硬化の順序付けが制御できずに、
ヒケ、クラック、寸法不良などを引き起こしやすいとい
う問題があった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の目的
を解決するためになされたもので、圧力媒体が含浸樹脂
に接触することなく、作業性がよく、しかも経済的に高
圧をかけると同時に硬化の順序を確実に制御するととも
に硬化収縮を補償することにより、ボイドレス、クラッ
クレスで、寸法安定性に優れた大型肉厚の熱硬化性複合
材料の製造方法を提供しようとするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成しようと鋭意研究を重ねた結果、ダイヤフラム
を設け分割するなどしたヒーターを配置して温度コント
ロールをすることによって、上記目的が達成できること
を見いだし、本発明を完成したものである。 【0007】即ち、本発明は、圧力容器兼金型の底部に
弗素樹脂シートのダイヤフラムを設け、該ダイヤフラム
を介することにより加圧媒体が直接樹脂に触れない構造
にするとともにヒーターを密着配置した型に、被埋込み
物を埋め込み予熱した後、真空下で低粘度熱硬化性樹脂
組成物を注入含浸し、前記ダイヤフラムを介して液圧を
かけつつ、前記ヒーターを制御して上記低粘度熱硬化性
樹脂組成物を上部から順次硬化させて、樹脂収縮の補償
を確実に行うことを特徴とする熱硬化性複合材料の製造
方法である。 【0008】以下、本発明を詳細に説明する。 【0009】本発明に用いる型は、圧力容器兼金型で最
大液圧1,000 kg/cm2 に耐える構造とする。この底部に
はダイヤフラム(隔壁)の作動する空間を確保し、その
空間容積は熱硬化性樹脂の熱膨張量および硬化収縮量よ
り算出して決める。通常の熱硬化性樹脂では使用樹脂量
の 4%を見込めば十分である。ダイヤフラムは離型性、
耐熱性、耐久性の面から弗素樹脂のシートであることが
望ましい。その厚さは0.5〜 3.0mm程度であることが好
ましい。 【0010】圧力媒体としては、耐熱性液体であれば特
に制限はないが、油圧ユニットとの接続を考慮するとタ
ービン油で十分である。型のサイズは、使用する無機繊
維、有機繊維、金属繊維、植物繊維等の強化材や、コイ
ル、導体、鉄心、電極等埋込み物の大きさや形状に合わ
せて制作するのが望ましいが、できる限り無駄な空間を
排除し樹脂量を極力少なくすることが望ましい。空間を
充填する物の材質は、熱伝導の良好な金属に離型処理し
たものを使用する。 【0011】本発明に使用する熱硬化性樹脂としては、
低粘度、耐クラック性に優れたものであれば特に制限は
なく広く使用することができる。用いる熱硬化性樹脂の
仕様に合わせ型を予熱し、所定の真空条件を保ち熱硬化
性樹脂を注入含浸する。含浸終了後、樹脂液面を調整し
エアー抜きを行う。注入口はオーバーフローした樹脂が
流れ、エアーが逃げると同時に密封できる構造とし、極
力エアーが入らないようにする。 【0012】油圧ユニットをダイヤフラム部に接続し液
圧をかけると同時に樹脂を供給する。油圧ユニットは最
大で1,000 kg/cm2 まで加圧でき、かつ圧力を一定にコ
ントロールできるものとする。真空脱泡した低粘度の熱
硬化性樹脂をボイドレスにするには、通常100 kg/cm2
程度の加圧で十分であるが、強化材やコイルの密度や形
状に応じて適宜選択することができる。型に張り付ける
ヒーターは、できるだけ分割して制御した方が精度がよ
くなるが、製品の形状と経済性を考慮して適宜選択する
ことができる。分割したヒーターを上から順に昇温する
ようにプログラムを制御して熱硬化性樹脂を上から順に
硬化させ樹脂収縮を下部ダイヤフラムで樹脂供給して補
う。ダイヤフラム部が最後に固まるまで樹脂収縮に対す
る補償を確実に行うことができる。 【0013】上述のようにしてボイドレス、クラックレ
スで、寸法安定性に優れた大型肉厚の熱硬化性複合材料
を製造することができる。 【0014】 【作用】本発明の熱硬化性複合材料の製造方法は、型底
部にダイヤフラムを設けて圧力媒体が含浸樹脂に接触す
ることを防止するとともに樹脂収縮の補償を型底部から
行い、一方ヒーターを分割配置するなどして上部から順
次硬化させ、対流に起因する上部の温度上昇に制約され
ずむしろそれを利用することによって、ボイドレス、ク
ラックレス、寸法安定性に優れた大型肉厚の熱硬化性複
合材料を製造することができた。 【0015】 【実施例】本発明の実施例を図面を用いて説明するが、
本発明はこれらの実施例によって限定されるものではな
い。 【0016】実施例1 図1は、本発明に用いるダイヤフラム付き圧力容器兼金
型の縦断面図である。実施例1の様子を図1の左側半分
で示した。長さ 1150 mm、直径30φのマンドレルの中型
1に、ガラスクロス2を60φまで巻き付けた。これを外
型3に入れて80℃で15時間予熱し、真空度 0.3〜 0.8to
rrでエポキシ樹脂組成物4を注入口5から一定速度で注
入含浸した。含浸終了後、注入口5を密封して底部に設
けたダイヤフラム6に油圧ユニット7を接続し100 kg/
cm2 を加圧保持した。外型3に頭、上、中、下と分割し
て張り付けたヒーター8を図2に示した硬化プログラム
に沿って硬化した。離型してボイドレスで肉厚のGFR
Pパイプを製造した。このパイプはヒケやクラックがな
く寸法安定性が良好であった。さらに、超音波探傷試験
を行い全領域にボイド、クラックのないことを確認でき
た。 【0017】実施例2 図1と同様の金型を用い実施例2の様子を図1に右側半
分で示した。長さ700mm、外径80φ、内径70φのGFR
Pパイプ製ボビン9の表面に、線径 0.4φのポリエステ
ルエナメル被覆銅線を1500ターン密巻きし、両端面から
リードを取りその上層にさらに1500ターン密巻きしてコ
イル10をつくり同様にリードを取った。この外周にガ
ラスクロスを90φまで巻き付けた。この全体を外型3に
入れて真空下で予熱し、真空下でエポキシ樹脂組成物4
を注入口5から一定速度で注入含浸した。含浸終了後、
注入口5を密封して底部に設けたダイヤフラム6に油圧
ユニット7を接続し 100kg/cm2 を加圧保持した。外型
3に頭、上、中、下と分割して張り付けたヒーター8を
図2で示した硬化プログラムに沿って硬化した。離型し
て密巻きコイルを製造した。コイルの 1層目と 2層目に
AC電圧を印加し、20 kVまでコロナが発生しないこと
を確認した。さらに密巻部を切断調査した結果、内部ま
で樹脂が含浸していることを確認した。 【0018】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の熱硬化性複合材料の製造方法によれば、圧力媒体が含
浸樹脂に接触することなしに高圧をかけることができ、
作業性が良好で、しかも経済的にボイドレス、クラック
レスで、寸法安定性に優れた大型肉厚の熱硬化性複合材
料を製造することができた。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の熱硬化性複合材料の製造方法に用いる
ダイヤフラム付き圧力容器兼金型の縦断面図である。 【図2】本発明の熱硬化性複合材料の製造方法の硬化プ
ログラムの温度−時間曲線図である。 【符号の説明】 1 中型 2 ガラスクロス 3 外型 4 エポキシ樹脂組成物 5 注入口 6 ダイヤフラム 7 油圧ユニット 8 ヒーター 9 ボビン 10 コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−114862(JP,A) 特開 平7−272953(JP,A) 特開 平5−4249(JP,A) 特開 昭46−28662(JP,A) 特開 平5−135985(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 43/10 - 43/20 B29C 43/32 B29C 43/52 - 43/58 B29C 70/44 H01F 41/12

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 圧力容器兼金型の底部に弗素樹脂シート
    のダイヤフラムを設け、該ダイヤフラムを介することに
    より圧力媒体が直接樹脂に触れない構造にするとともに
    ヒーターを密着配置した型に、被埋込み物を埋め込み予
    熱した後、真空下で低粘度熱硬化性樹脂組成物を注入含
    浸し、前記ダイヤフラムを介して液圧をかけつつ、前記
    ヒーターを制御して上記低粘度熱硬化性樹脂組成物を上
    部から順次硬化させて、樹脂収縮の補償を確実に行うこ
    とを特徴とする熱硬化性複合材料の製造方法。
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