JPH0691639B2 - 陰極線管の駆動方法 - Google Patents

陰極線管の駆動方法

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JPH0691639B2
JPH0691639B2 JP14518386A JP14518386A JPH0691639B2 JP H0691639 B2 JPH0691639 B2 JP H0691639B2 JP 14518386 A JP14518386 A JP 14518386A JP 14518386 A JP14518386 A JP 14518386A JP H0691639 B2 JPH0691639 B2 JP H0691639B2
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薫 冨井
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はカラーテレビジョン受像機、計算機の端末ディ
スプレイ等に用いられる陰極線管の駆動方法に関するも
のである。
従来の技術 電子ビームを静電偏向する偏向電極を有する陰極線管と
して第3図に示す構造の平板形陰極線管がある。実際は
真空外囲器(ガラス容器)によって各電極を内蔵した構
造がとられるが、図においては内部電極を明確にするた
め、真空外囲器は省略している。また画像・文字等を表
示する画面の水平および垂直方向を明確にするため、フ
エースプレート部に水平方向(H)、垂直方向(V)を
図示している。
10はタングステン線の表面に酸化物陰極材料が塗布され
たV方向に長い線状カソードであり、水平方向に等間隔
で独立して複数本配置されている。線状カソード10をは
さんでフエースプレート部28と反対側には、線状カソー
ド10と近接して絶縁支持体11上に垂直方向に等ピッチ
で、かつ電気的に分割されて水平方向に細長い垂直走査
電極12が配置される。これらの垂直走査電極12は、通常
のテレビジョン画像を表示するのであれば垂直方向に水
平走査線の数(NTSC方式であれば約480本)の1/2の独立
した電極として形成する。次に線状カソード10とフェー
スプレート部28との間には線状カソード10側より順次、
線状カソード10、垂直走査電極12に対応した部分に開孔
を有した面状電極を、隣接する線状カソード10間で互い
に分割し、個々の該電極に映像信号を印加してビーム変
調を行なう第1グリッド電極(以下G1)13、G1電極13と
同様の開孔を有し、水平方向に分割されていない第2グ
リッド電極(以下G2)14、第3グリッド(以下G3)15を
配置する。G2電極14は線状カソード10からの電子ビーム
発生用であり、G3電極15は後段の電極による電界とビー
ム発生電界とのシールド用である。次に第4グリッド電
極(以下G4)16が配置され、その開孔は垂直方向に比べ
水平方向に大きい。第4図〔A〕に第3図の水平方向断
面を、同図〔B〕には垂直方向断面を示す。G4電極16の
後段にはG4電極16の開孔と同様、垂直方向に比べて水平
方向には十分広い開孔を有する2枚の電極17,18を配置
し、第4図〔B〕に示すように該2枚の電極の開孔中心
軸を垂直方向にずらすことによって垂直偏向電極を形成
する。垂直偏向電極17,18の後段には、線状カソード10
の各間に垂直方向に長い電極がフェースプレート部28側
に向けて複数段設けられる。第3図には一例として3段
の場合を示し、それぞれの電極を第1水平偏向電極(以
下DH−1)19、第2水平偏向電極(以下DH−2)20、第
3水平偏向電極(以下DH−3)21とし、各水平偏向電極
19〜21は水平方向に1本おきに共通母線22,23,24に接続
されている。DH−3電極21にはフェースプレート部28の
メタルバック電極26に印加される直流電圧と同じ電圧が
印加され、DH−1電極19,DH−2電極20にはビームの水
平集束作用のための電圧が印加される。フェースプレー
ト部28の内面には螢光面27とメタルバック電極26からな
る発光層が形成されている。螢光面はカラー表示の際に
は水平方向に順次赤(R),緑(G),青(B)の螢光
体ストライプが黒色ガードバンドを介して形成されてい
る。
次に上記カラー陰極線管の動作について説明する。線状
カソード10に電流を流すことによってこれを加熱し、G1
電極13,垂直走査電極12にはカソード10の電位とほゞ同
じ電圧を印加する。この時G1,G2電極13,14に向ってカソ
ード10からビームが進行し、各電極開孔をビームが通過
するようにカソード10の電位よりも高い電圧(例えば10
0〜300V)をG2電極14に印加する。ここでビームがG1,G2
電極の各開孔を通過する量を制御するにはG1電極13の電
圧をかえることによって行なう。G2電極14の開孔を通過
したビームはG3電極15→G4電極16→垂直偏向電極17,18
→水平偏向電極19,20,21へと進むが、これらの電極には
螢光面26で電子ビームが小さいスポットとなるように所
定の電圧が印加される。ここで垂直方向のビームフォー
カスは、G3電極15,G4電極16,垂直偏向電極17,18の間で
形成される静電レンズで行なわれ、水平方向のビームフ
ォーカスはDH−1,DH−2,DH−3のそれぞれの間で形成さ
れる静電レンズで行なわれる。上記2つの静電レンズは
それぞれ垂直方向および水平方向のみに形成され、した
がってビームの垂直および水平方向のスポットの大きさ
を個々に調整することができる。
またDH−1(19),DH−2(20),DH−3(21)の接続さ
れている母線22,23,24には同じ電圧の水平走査周期の鋸
歯状波,三角波、あるいは階段波の偏向電圧が印加さ
れ、電子ビームを水平方向に所定の幅で偏向し、螢光面
26を電子ビーム走査することによって発光像を得る。
次に垂直走査について第5図を用いて説明する。前記し
たように、線状カソード10をとり囲む空間の電位を線状
カソード10の電位よりも正あるいは負の電位となるよう
に、垂直走査電極12の電圧を制御することにより、線状
カソード10からの電子の発生は制御される。この時、線
状カソード10と垂直走査電極12との距離が小さければカ
ソードからのビームの発生(以下ON),遮断(OFF)を
制御する電圧は小さくてよい。インターレース方式を採
用している現行のテレビジョン方式の場合、最初の1フ
ィールド目において垂直偏向電極18,19には所定の偏向
電圧を1フィールド間印加し、垂直走査電極12の12Aに
は1水平走査期間(以下1H)のみビームON電圧が印加さ
れ、その他の垂直走査電極12B〜12ZにはビームのOFF電
圧が印加される。1H経過後、垂直走査電極の12Bにのみ1
H間ビームON電圧が、以下順次、垂直走査電極に1H間の
みビームがONになる電圧が印加されて画面下部の12Zが
終了すると最初の1フィールドの垂直走査が完了する。
次の第2フィールド目は垂直偏向電極17,18に印加する
偏向電圧の極性を反転し、これを1フィールド間印加す
る。そして垂直走査電極12に印加する信号電圧は第1フ
ィールド目と同様に行なう。この時、第1フィールド目
の垂直走査によるビームの水平走査線位置の間に第2フ
ィールド目の水平走査線がくるように垂直偏向電極17,1
8に印加する偏向電圧の振幅が調整される。以上のよう
に、垂直走査電極12には第1,第2フィールドとも同じ垂
直走査用信号電圧が印加され、垂直偏向電極17,18に印
加する偏向電圧を第1フィールド目と第2フィールド目
で変えることにより、1フレームの垂直走査が完了す
る。
次に上記平板形陰極線管のように、水平方向に複数のビ
ーム発生源を有する陰極線管のビーム変調電極に映像信
号が印加されるまでの信号処理系統について、一般によ
く知られている方法を第6図を用いて説明する。
テレビ同期信号42をもとにタイミングパルス発生器44で
後述する回路ブロックを駆動させるタイミングパルスを
発生させる。まず、その中の1つのタイミングパルスで
復調されたR,G,Bの3原色信号(ER,EG,EB)41をA/Dコン
バーター43にてディジタル信号に変換し、1Hの信号を第
1のラインメモリー回路45に入力する。1H間の信号が全
て入力されると、その信号は第2のラインメモリー回路
46へ同時に転送され、次の1Hの信号がまた第1のライン
メモリー回路45に入力される。第2のラインメモリー回
路46に転送された信号は1H間、記憶保持されるととも
に、D/Aコンバーター(あるいはパルス幅変換器)47に
信号を送り、ここでもとのアナログ信号(あるいはパル
ス幅変調信号)に変換され、これを増幅して陰極線管の
変調電極G1に印加する。かかるラインメモリー回路は時
間軸変換のために用いられるものである。
発明が解決しようとする問題点 前記従来例においては、次の様な問題があった。すなわ
ち電子ビームの一部がG1電極13〜垂直偏向電極7,18の電
極群のいずれかの電極を掠ることにより生ずる散乱電子
等が水平偏向電極19〜21に流入することにより、水平偏
向電極19〜21の電位が変化し、かつその変化量は、水平
偏向電極19〜21の各電極への電子流入量が均一でないた
め水平偏向電極を構成する対向した電極板間で異なり、
電子ビームの水平ランディング位置にすれが生じ、かつ
そのずれ量は、ビーム電流量により変化するという問題
があった。以下にこの問題についてより詳しく説明す
る。
水平偏向電極19〜21には電子ビームを水平方向に偏向す
るための鋸歯状波等の水平偏向電圧信号を印加すると共
にビームを水平方向に集束させるためのバイアスを与え
る必要があり、そのバイアス電圧は、DH1.19およびDH2.
20においては、数100V〜数KV、DH3.21では、メタルバッ
ク電極26と同電圧すなわち数KV〜10数KVもの高電圧であ
る。この様な水平偏向電圧信号およびバイアスを水平偏
向電極19〜21に印加するための駆動方法として従来第7
図に示す様な方法を用いていた。第7図において一対の
水平偏向電圧信号50a,50bは、コンデンサ51a,51c,51e、
および51b,51d,51fを介してDH1.19,DH2.20,DH3.21の各
水平偏向電極の対向する電極板間に印加される。またDH
1.19のバイアス電圧は電源52aより抵抗53aおよび53bを
介して印加され、DH2.20のバイアス電圧は電源52aより
抵抗53cおよび53dを介して印加され、DH3.20のバイアス
電圧は電源52cより抵抗53e,53fを介して印加される。こ
こでコンデンサ51a,51b,51cは数KV〜10数KV以上の耐圧
が必要であり、実用上大容量のものを用いにくい。(具
体的には数100pF〜数1000pFのものを用いている)した
がって水平偏向電圧信号50a,50bを歪なく水平偏向電極1
9,20,21に伝達するためには、抵抗53a〜53fは充分に大
きな値とする必要がある。(具体的には数MΩ〜数10M
Ωとしている)このような駆動方法において、電子ビー
ムの一部がG1電極13〜垂直偏向電極17,18の電極群のい
ずれかの電極を掠ることにより生ずる散乱電子、二次電
子等の電子ビームの本来の軌道からはずれた電子が水平
偏向電極に流入することにより生ずる電流、および各水
平偏向電極と他電極との間のリークによる電流が、抵抗
53a〜53fを流れた場合、抵抗53a〜53fが大きな値(数M
Ω〜数10MΩ)であるので抵抗53a〜53f内に生ずる電圧
降下すなわち水平偏向電極電圧の変化量も大きな値(画
面サイズ、ビーム電流量により異なるが、例えば数V〜
数10V)となる。またこのような水平偏向電極の電圧変
化は、各水平偏向電極19,20,21の対向した電極板間で必
しも同一とはならず、その電圧差に相当する水平ランデ
ィング位置のずれ(画面サイズ,ビーム電流量により異
なるが、例えば数10μm〜数100μm)が発生し、かつ
その水平ランディング位置のずれ量はビーム電流の変化
等により、変化し、画質の劣化の原因となる。特にカラ
ー表示の際には、画質の劣化が著しく大きな問題となっ
ていた。本発明はかかる点に鑑みてなされたもので、簡
易な方法で水平偏向電極に電流が流れることにより生ず
る水平偏向電極の電圧変化を原因とする電子ビームの水
平ランディング位置ずれを解消するための駆動方法を提
供することを目的としている。
問題点を解決するための手段 本発明は上記問題点を解決するため、偏向電極への偏向
電圧信号の印加を、該偏向電極に接続したコンデンサー
を介して行ない、かつ該偏向電極へのバイアス電圧の印
加を、並列に接続したダイオードと抵抗の一端を該偏向
電極に接続し、他端に所定の電圧を印加することにより
行なうものである。
作 用 上記した技術的手段による作用は次のようになる。
すなわち、偏向電極に接続されたコンデンサ,ダイオー
ドおよび抵抗がクランプ回路として作用し前記コンデン
サを介して印加される偏向電圧信号に前記ダイオードお
よび抵抗を介して印加される所定電圧が付加され偏向電
極に印加される。すなわち偏向電極に電子ビームを偏向
するための偏向電圧信号および電子ビームを集束するた
めのバイアス電圧が印加される。
また偏向電極に電子が流入する場合、流入する電子の量
に相当する電流はダイオードを流れるため、従来のよう
な偏向電極に流入する電子の量に相当する電流が高抵抗
中を流れることによる偏向電極の電圧変化は発生しな
い。
実施例 本発明の実施例について第1図を用いて説明する。第1
図は水平偏向電極に電子ビームを水平方向に偏向するた
めの鋸歯状波等の水平偏向電圧信号および、電子ビーム
を水平方向に集束させるためのバイアス電圧を印加する
ための回路系統と示すものである。19,20,21は水平偏向
電極DH1,DH2,DH3,51(51a〜51f)はコンデンサ、52(52
a〜52c)は電源、53(53a〜53f)は抵抗であり従来例と
同様のものである。すなわちコンデンサ51は数KV〜10数
KV以上の耐圧が必要であり、実用上大容量のものは用い
にくく、例えば数100pF〜数1000pFのものを用いる。ま
た抵抗53はコンデンサ51を介して水平偏向電圧信号を歪
なく水平偏向電極19,20,21に伝達するために充分に大き
な値とする必要があり、例えば数MΩ〜数10MΩのもの
を用いる。また、電源52a,52b,52cは水平偏向電極DH1.1
9,DH2.20,DH3.21にバイアス電圧を与えるためのもので
その電圧値は、電源52a,52bが数100〜数KV、電源52cが
数KV〜10数KVが必要である。54はダイオードであり、抵
抗53並列に電源52から水平偏向電極19,20,21へ向う方向
を順方向として接続する。このような状態で一対の水平
偏向電圧信号(連続した鋸歯状波,三角波あるいは階段
波等の電圧信号)50a,50bがコンデンサ51の一端より印
加されると、コンデンサ51、抵抗53およびダイオード54
により形成される回路は基底値クランプ回路として作用
し、コンデンサ51、抵抗53、ダイオード54および水平偏
向電極19,20,21の接続点において水平偏向電圧信号50a,
50bの基底値が電源50の電圧値に固定される。すなわち
水平偏向電極に電子ビームを水平方向に偏向するための
水平偏向電圧信号および電子ビームと水平方向に集束さ
せるためのバイアス電圧が印加される。第2図は水平偏
向電極に印加される水平偏向電圧信号およびバイアス電
圧を図示したものであり、水平偏向電圧信号50の基底値
50Mが、電源52の電圧値V52に固定される。以上のような
駆動をなされる水平偏向電極19,20,21に電子ビームの一
部がG1電極13〜垂直偏向電極17,18の電極群のいずれか
の電極を掠ることにより生ずる散乱電子,二次電子等の
電子ビームの本来の軌道からはずれた電子が流入する場
合、流入する電子の量に相当する電流は電源52からダイ
オード54を介して水平偏向電極へ流れるため、従来のよ
うな水平偏向電極に流入する電子の量に相当する電流が
抵抗53を流れることにより生ずる抵抗53内の電圧降下を
原因とする水平偏向電極電圧の変化は発生しない。
なお本実施例は、水平偏向電極に散乱電子等の電子が流
入する場合についての例であるが、水平偏向電極より、
スクリーンなどの高電圧な電極による電界による電子の
電界放出あるいは電子ビームが水平偏向電極を掠ること
により水平偏向電極より二次電子放出等により電子が放
出する場合にはダイオード54の極性を逆にすればよい、
ただしこの場合、コンデンサ51,抵抗53、およびダイオ
ード54により形成される回路はせん頭値クランプ回路と
して作用し、水平偏向電圧信号50a,50bのせん頭値が電
源50の電圧値に固定される。
また本実施例における水平偏向電極は垂直偏向電極であ
ってもよい。
発明の効果 以上述べてきたように、本発明によれば、きわめて簡易
に、電子が偏向電極に流入することによる偏向電極電圧
の変化を原因とする電子ビームのランディング位置ずれ
を解消することができるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例における水平偏向電極を駆動す
るための回路系統図、第2図は本発明の実施例における
水平偏向電極に印加される電圧信号波形を示す図、第3
図は電子ビームを静電偏向する偏向電極を有する陰極線
管の一例としての平板形陰極線管の斜視図、第4図
(A),(B)は同平板形陰極線管の水平方向および垂
直方向の断面図、第5図(A),(B)は同平板形陰極
線管の垂直走査の説明図、第6図は同平板形陰極線管を
駆動するための信号系統図、第7図は同平形陰極線管の
従来の駆動方法における水平偏向電極を駆動するための
回路系統図である。 19,20,21……水平偏向電極、50a,50b……水平偏向電圧
信号、51……コンデンサ、52……電源、53……抵抗、54
……ダイオード、V52……電源52の電圧値、50M……水平
偏向電圧信号の基底値。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも電子源と前記電子源より得られ
    る電子ビームを変調するための変調電極と、電子ビーム
    を静電偏向するための偏向電極と、電子ビームの照射に
    より発光するスクリーンを有し、前記偏向電極への偏向
    電圧信号の印加を、該偏向電極に接続したコンデンサー
    を介して行ない、かつ該偏向電極へのバイアス電圧の印
    加を、並列に接続したダイオードと抵抗の一端を該偏向
    電極に接続し、他端に所定の電圧を印加することにより
    行なうことを特徴とする陰極線管の駆動方法。
JP14518386A 1986-06-20 1986-06-20 陰極線管の駆動方法 Expired - Lifetime JPH0691639B2 (ja)

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