JPH06908B2 - 球状粉末接着剤およびその製造方法 - Google Patents

球状粉末接着剤およびその製造方法

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JPH06908B2
JPH06908B2 JP1044788A JP1044788A JPH06908B2 JP H06908 B2 JPH06908 B2 JP H06908B2 JP 1044788 A JP1044788 A JP 1044788A JP 1044788 A JP1044788 A JP 1044788A JP H06908 B2 JPH06908 B2 JP H06908B2
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郁夫 萩原
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、実質的に球状であるエポキシ樹脂を主成分と
してなる粉末接着剤およびその製造方法に関する。
さらには、配向膜が設置された液晶ディスプレイパネル
の接着など、精密な接着が要求される電子材料関係の接
着などに好適に用いられる。
[従来の技術] 従来のエポキシ系粉末接着剤として、主成分がエポキシ
樹脂からなり、潜在型硬化剤を粒子内部に含むという球
状粒子状接着剤が、特開昭62-174284号公報に開示され
ている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、実用上、特に液晶ディスプレイパネルの
接着などに用いる場合、さらに強力な接着力を有する粉
末接着剤が望まれている。
本発明は、かかる課題を解決しようとするものであり、
高い接着力が付与された球状粉末接着剤およびその製造
方法を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために本発明は下記の構成を有す
る。
「(1)少なくとも下記A,B成分を粒子内部に相溶部に
含有し、表面に下記一般式(I)で示される有機ケイ素
化合物を担持していることを特徴とする平均粒子径が
0.3〜500μmの球状粉末接着剤。
A:一分子中に少なくとも二個以上のエポキシ基を有す
るエポキシ化合物。
B:潜在型硬化剤 一般式(I):R−Si−X4−n (式中、Rはアルキル基、アルケニル基、アリール基、
ビニル基、アミノ基、エポキシ基、グリシドキシ基、メ
ルカプト基、ハロゲン基、メタクリルオキシ基あるいは
シアノ基を有する炭化水素基であり、Xはメトキシ基、
エトキシ基、メトキシエトキシ基、プロポキシ基、ブト
キシ基、フェノキシ基あるいはアセトキシ基であり、n
は0,1あるいは2である。) (2)少なくとも請求項(1)記載のA,B成分が相溶してな
る組成物を、水中に懸濁させて球状粉末状に調製後、表
面に請求項(1)記載の一般式(I)で示される有機ケイ
素化合物を担持させることを特徴とする球状粉末接着剤
の製造方法。
以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明のエポキシ化合物は、一分子中に少なくとも二個
以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂が用いられる。
具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキ
シ樹脂、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエー
テル、ダイマー酸ジグリシジルエステル、フェノールノ
ボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂、トリグリシジル−p−アミノフェノール、テ
トラグリシジルアミノジフェニルメタン、テトラグリシ
ジルメタキシレンジアミン、トリグリシジルイソシアヌ
レート、トリグリシジルエーテルトリフェニルメタンお
よびテトラグリシジルエーテルテトラフェニルエタンな
どが挙げられ、単独あるいは二種以上を混合して用いら
れる。さらに必要に応じて分子内にエポキシを一個有す
るエポキシ化合物を用いることも可能である。
上記のエポキシ化合物を微小な球状の粒子状物にするに
先立ち、エポキシ化合物に潜在型硬化剤を加える。ここ
で用いる潜在型硬化剤とは、ビスフェノールAジグリシ
ジルエーテルとの最適混合比組成(最も硬化速度の速い
組成)の常温における可使時間が1日以上を示す硬化型
のことである。
このような硬化剤の例を挙げると、ジシアンジアミド、
イミダゾール類、ルイス酸コンプレックス類、フェノー
ル類、ビスフェノール類、フェノールノボラツク類、ポ
リビニルフェノール類、カルボン酸類、酸無水類、酸性
ポリエステル類、スチレンマレイン酸コポリマなどカル
ボキシル基含有ポリマ類、ポリアミン及び変性ポリアミ
ン類がある。中でも本発明に好ましい潜在型硬化剤とし
ては、フェノールノボラック類、ポリビニルフェノール
類およびビスフェノール類およびビスフェノール類とそ
の縮合物などのフェノール系硬化剤が本発明に適する。
本発明において、エポキシ化合物と潜在型硬化剤とは少
なくとも部分相溶姓を示す組み合せが必要であり、好ま
しくは完全相溶姓を示す組み合せが用いられる。エポキ
シ化合物と潜在型硬化剤とを相溶させるためには、本発
明を損わない範囲で両者を加熱混合するか、両者の共通
の溶剤に溶解して混合し、必要に応じて減圧乾燥等の手
段で脱溶剤する。
本発明を達成するために用いる潜在型硬化剤の量は、エ
ポキシ化合物のエポキシ基1当量に対して通常は0.0
5〜1当量が好ましいが、後述するようにアミン系硬化
剤で上記エポキシ化合物のエマルジヨン、サスペンジヨ
ン粒子を部分硬化させて球状粒子状化する場合には、か
なり少ない量に最適値があることもある。また触媒型の
潜在型硬化剤を用いる場合には、エポキシ化合物の重量
に対しておおむね20%以下を用いる。
潜在型硬化剤は、アミン系硬化剤で粒子状に部分硬化す
る場合などでは、重合度が増加するにつれてエポキ化合
物から島状に分離されることもあるが、分離状態はいず
れも微細であるため、潜在型硬化剤による硬化作用には
それほど影響がなく、本発明ではこのような状態も含め
て「相溶的」と定義し、本発明の好ましい範囲に含むも
のである。
本発明の有機ケイ素化合物とは、下記一般式(I)で示
されるものが好ましく用いられる。
Rn−Si−X4-n (I) (式中、Rはアルキル基、アルケニル基、アリール基、
ビニル基、アミノ基、エポキシ基、グリシドキシ基、メ
ルカプト基、ハロゲン基、メタクリルオキシ基あるいは
シアノ基を有する炭化水素基であり、Xはメトキシ基、
エトキシ基、メトキシエトキシ基、プロポキシ基、ブト
キシ基、フエノキシ基あるいはアセトキシ基であり、n
は0,1あるいは2である。) かかる一般式(I)で示される有機ケイ素化合物の具体
的な例としては、メチルシリケート、エチルシリケー
ト、n−プロピルシリケート、イソプロピルシリケー
ト、n−ブチルシリケート、sec-ブチルシリケートおよ
びtert-ブチルシリケートなどのテトラアルコキシシラ
ン類、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシ
シラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、メチルト
リアセトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチ
ルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシエト
キシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルト
リエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ
−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリアセ
トキシシラン、3,3,3-トリフロロプロピルトリメトキシ
シラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリ
エトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、β−シアノエチルトリ
エトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、クロロ
メチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシ
シラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリ
シドキシメチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシ
エチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルト
リエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキ
シシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラ
ン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキ
シプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
エトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポ
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシエトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラ
ン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−
グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシド
キシブチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシブチ
ルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシ
ラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ
−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、(3,4-エポ
キシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,
4-エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラ
ン、β−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメ
トキシシラン、β−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリエトキシシラン、β−(3,4-エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリプロポキシシラン、β−(3,4-エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、β−
(3,4-エポシシクロヘキシル)エチルトリメトキシエト
キシシラン、β−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチ
ルトリフェノキシシラン、γ(3,4-エポキシシクロヘキ
シル)プロピルトリメトキシシラン、γ−(3,4-エポキ
シシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、δ−
(3,4-エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシ
ラン、δ−(3,4-エポキシシクロヘキシル)ブチルトリ
エトキシシランなどのトリアルコキシシラン、トリアシ
ルオキシシランまたはトリフェノキシシラン類およびジ
メチルメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラ
ン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジエト
キシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ジメ
チルジアセトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピ
ルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロ
ピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチ
ルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメト
キシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラ
ン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエ
トキシシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシ
ラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α
−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グ
リシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシ
ドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキ
シエチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシプ
ロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロ
ピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピ
ルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシプロピル
メチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメ
チルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチ
ルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチル
ジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチル
ジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジ
メトキシエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメ
チルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエ
チルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチ
ルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチル
ジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニル
ジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルエ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロイルフェニルジエ
トキシシランなどジアルコキシシラン、ジフェノキシシ
ランまたはジアルシルオキシシラン類などを挙げること
ができる。これらの有機ケイ素化合物は二種以上を併用
することも可能である。さらに、これらの有機ケイ素化
合物は加水分解して用いることも可能である。
また前記一般式(I)で示される有機ケイ素化合物の中
でも、特に、接着性、耐熱性などの点からRとして炭素
数1〜4のアルキル基、アルケニル基あるいはフェニル
基、さらにはエポキシ基、グリシドキシ基を有する有機
基が好ましい。
本発明を達成するために、上記したエポキシ化合物と潜
在型硬化剤の相溶的混合物を球状の粒子状にするための
代表的な方法について以下に示す。
エポキシ化合物と潜在型硬化剤の混合物が常温付近で非
粘着性の固体である場合には、その機械的粉砕粒子を加
熱筒の中を浮遊または重力落下させるなどの方法で球状
化する方法がある(第1方法とする)。
他の方法として、エポキシ化合物と潜在型硬化剤の混合
物を水主体の液体中に懸濁させて球状化する方法がある
(第2方法とする)。
本発明では上記した第1方法、第2方法について特に限
定しないが、粒子の均一性、真球性などから第2方法が
好ましい。
第2の方法でエポキシ化合物と潜在型硬化型の混合物を
水性液体中に懸濁させる方法は色々ある。次に代表的な
方法を挙げるが、本発明ではこれらの方法について特に
限定するものではない。
空中あるいは液中で振動するノズルから該混合物また
はその溶液を連続吐出させることによって液滴状に切断
し、それを液中に捕集する方法。
空中あるいは液中のノズルから該混合物またはその溶
液をパルス状に吐出させ、それを液中に捕集する方法。
該混合物を乳化剤を用いて乳化する方法。
上記方法のうち、生産性の点からの方法が本発明に特
に好ましく用いられるが、〜の方法を組合せること
も本発明では好ましく用いられる。
第2方法で重要なことは、エポキシ化合物と潜在型硬化
剤の混合物が常温で液体であり、且つ製品を乾燥粉末で
使用する場合は必ず、エポキシ化合物を部分硬化させる
ことにより、少なくとも常温において固体の球状粒子の
状態にしておくことである。
この目的のために、潜在型硬化剤以外の硬化剤を使用す
ることがある。このための硬化剤及び硬化方法について
は特に限定するものではないが、 あらかじめ硬化剤を加えておいたエポキシ化合物と潜
在型硬化剤の混合物を水主体の液体中に懸濁(エマルジ
ョン、またはサスペンジョン)させてそのまま部分硬化
する方法と、 エポキシ化合物と潜在型硬化剤の混合物の水主体のエ
マルジョン、またはサスペンジョンに水溶性アミン系硬
化剤を加えて部分硬化する方法などがある。
上記のいずれの方法をとるにしても、懸濁状態(エマル
ジョン、またはサスペンジョン)にある粒子を相互に接
合させることなく硬化するためには、常温の硬化である
ことが好ましく、したがつて常温硬化型硬化剤、中でも
アミン系硬化剤が好ましい結果を与えることが多い。
アミン系硬化剤は、化学量論的に計算される当量のアミ
ンをエポキシ化合物と常温で混合し、常温で8時間放置
後の混合体のショアA硬度が50以上となるアミン系化
合物であることが好ましい。
もしショアA硬度が50よりも小さくなると、懸濁粒子
の硬化性が低下し、良好な粒子状硬化物が得られにくく
なる傾向がある。なおここでいう常温とは20℃のこと
を指す。
かかる特性を満足するアミン系硬化剤としては、ピペラ
ジン、ヒドラジン、エチレンジアミン、ジエチレントリ
アミン、トリエチレンテトラミン、モノエタノールアミ
ンN(2−アミノエチル)ピペラジンなどを挙げること
ができるが、これらに限定されるものではない。
上記硬化剤の使用量は、目的とする粒子の平均粒子径や
硬化剤を加える時期や懸濁液濃度などにより異なるが、
少なすぎると常温固体の粒子が得られず、また多すぎる
と融点(軟化点)が高くなつて接着力を示さなくなる傾
向がある。一般的にはエポキシ化合物に対して0.1〜
0.6当量程度用いるのが好ましいが、水性液体の懸濁
液に加える場合には、硬化反応が不均一反応とるため反
応効率が悪く、1当量あるいはそれ以上を用いても良好
な結果を得られることがある。
水性液体の懸濁液にアミン系硬化剤を加える方法として
は、硬化剤を直接あるいは水溶液にして加えるのが一般
的である。
前記した球状の粒子状にするための第2方法で、 硬化剤を予めエポキシ化合物と潜在型硬化剤の混合物
に加えてから水性懸濁体にする場合は水性懸濁後、該
混合物を水性懸濁体にしてから硬化剤を加える場合は硬
化剤添加後に静置あるいはゆるやかな攪拌状態で硬化反
応を起こさせるのが好ましい。
このようにアミン系硬化剤で部分硬化することによつ
て、粒子内にアミン基が導入される。潜在型硬化剤の中
にはアミノ基、特に3級アミノ基が硬化促進剤となるこ
とがあり、特にフェノール系潜在型硬化剤を使用してい
る場合には低温キュアを達成し易い。
また、エポキシ化合物と潜在型硬化剤の混合物が常温で
固体である場合には、該混合物を加熱して液体状態で
水性液体中に懸濁後、冷却することによつて固体球状の
粒子状にする方法、該混合物の有機溶剤溶液を水性液
体中に懸濁後、脱溶媒する方法で固体球状の粒子状にす
る方法などがある。後者の方法では、水性液体に難溶な
有機溶媒を使用する場合に好ましい結果を得られやす
い。エポキシ化合物と潜在型硬化剤の混合物が常温で固
体の場合にも必要に応じて上記アミン系硬化剤を用いる
ことも可能である。
水性懸濁体として粒子が調製される場合には、必要に応
じて鉱酸などによつて中和した後、過などの方法で粒
子を水性液体から分離し、取り出すことができる。
上述の方法によつて球状粉末状として調製された粒子の
表面に有機ケイ素化合物を担持させる。表面に担持させ
る方法としては乾式法、湿式法、スプレー法などを適用
することができるが、粉末接着剤としての機能および製
造工程を考慮すると、特に、粒子を水に分散させ、スラ
リー状となったところに有機ケイ素化合物の水溶液を添
加し、粒子の表面に担持させる方法が好ましい。また、
有機ケイ素化合物の量は、粒子使用量(g)×粒子の比
表面積(m/g)/有機ケイ素化合物の比濡れ面積
(m/g)で求められるが、通常は粒子に対し、1wt
%程度が好ましい。
本発明では、粒子の平均粒子径が0.3〜500μmで
あり、好ましくは0.5〜300μmの場合に接着剤と
して好適な結果を与える傾向がある。平均粒子径が0.
3μmより小さいものは実質的に調製が困難であり、ま
た接着剤としての機能が低下する。一方、500μmを
越えると塗布性が低下するなど実用上問題がある。
本発明で得られる粒子は、液晶表示セルの点接着剤とし
て好適に使用される。このような用途では、大きな粒子
は液晶表示セル内でその存在が目立つために好ましくな
い。また液晶表示セルの基板間隙よりも小さい粒子は接
着に寄与しないので存在しない方が好ましい。この目的
に好適に使用される粒子径は1〜20μm、さらには2
〜16μmである。すべての粒子がこの範囲に入る粉末
を直接調製するのは一般には困難であり、また粒子径分
布としてシャープな方がより望まれているので、通常球
状微粒子化後の粒子は分級することによつて使用適性が
整えられている。
この目的のために使用する分級技術については、特に限
定するものでないが、一般には風選、液体あるいは乾式
サイクロン、湿式あるには乾式ふるい分け、水ひ分級法
などが挙げられる。
本発明の球状粉末接着剤の製造に際し、原料組成物中に
顔料、染料、酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤などを分散
・溶解させてもよく、顔料および染料などは球状粉末状
に調製した後に物理的あるいは化学的に吸着させること
によつて暗色系統などの着色粒子を得ることも可能であ
る。また、粒子径分布のシャープな微粉末、例えばガラ
ス繊維粉砕品、ガラス球、アルミナ球、シリカ球、架橋
ポリスチレン球などを同様に含んでいてもよく、この方
法によつてスペーサを含む粉末接着剤が得られる。ま
た、水性懸濁状態および/または乾燥状態の粒子の表面
にシリカやアルミナなどの超微粉末を吸着あるいはまぶ
して分散性や流動性を向上させることも可能である。さ
らに、有機溶媒を用いる場合には、有機溶媒に可溶な熱
可塑性樹脂、具体的には、アクリル系樹脂、ビニル系樹
脂、ポリエステル樹脂、ナイロン、ポリカーボネート、
ポリアセタール、ポリフェニレンオキサイドおよびセル
ロース誘導体などを本発明を損わない範囲で用いること
もできる。
[実施例] 以下に本発明の実施例を挙げるが、本発明はこれに限定
されるものでない。
実施例1 ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるエピコート82
8(油化シェルエポキシ(株)製)100重量部および
フェノール系潜在型硬化剤であるエピキュア171N
(油化シェルエポキシ(株)製)20重量部を混合し、
加熱して均一な相溶体にした。室温に冷却後、600rp
mで攪拌しながら4%濃度のポリビニルアルコール(商
品名「ゴーセノールGL−05」、日本合成化学(株)
製)水溶液70重量部を10分間で連続的に添加してエ
ポキシ樹脂エマルジョンを得た。該エマルジョンにエポ
キシ樹脂に対し0.45当量のピペラジンを60重量部
の水に溶解した硬化液を添加し、25℃で4日間ゆるや
かに攪拌し部分硬化させた。その後、脱水、洗浄し、1
0%の水スラリーとして調製し、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン(粒子に対し1重量%)水溶液
を添加し、室温で1時間攪拌した。最後に過脱水し、
乾燥して平均粒子径が10.3μmの球状粉末を得た。
実施例2 ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるエピコート82
8およびエピコート1001(油化シェルエポキシ
(株)製)をそれぞれ50重量部およびフェノール系潜
在型硬化剤であるエピキュア171N15重量部を混合
し、加熱して均一な相溶体とした。該相溶体を55℃に
保持し、700rpmで攪拌しながら4%濃度のポリビニ
ルアルコール水溶液(55℃)80重量部を10分間で
連続的に添加してエポキシ樹脂エマルジョンを得た。該
エマルジョンを室温まで冷却した後エポキシ樹脂に対し
0.4当量のヒドラジンを50重量部の水に溶解した硬
化液を添加し、25℃で6日間ゆるやかに攪拌し部分硬
化させた。その後、脱水、洗浄して10%の水スラリー
として調製し、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン(粒子に対し1重量%)水溶液を添加して室温で
1時間攪拌した。最後に過脱水、乾燥して平均粒子径
が9.8μmの球状粉末を得た。
実施例3 ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるエピコート82
8を65重量部、ダイマー酸変性エポキシ樹脂であるエ
ピコート872(油化シェルエポキシ(株)製)を35
重量部および潜在型硬化剤であるエピキュア171を1
5重量部秤量し、加熱して均一な相溶体とした。該相溶
体を40℃に保持し、600rpmで攪拌しながら4%濃
度のポリビニルアルコール水溶液(40℃)60重量部
を10分間で連続的に添加してエポキシ樹脂エマルジヨ
ンを得た。該エマルジヨンにエポキシ樹脂に対し0.7
当量のピペラジンを80重量部の水に溶解した硬化液を
添加し、25℃で5日間ゆるやかに攪拌し部分硬化させ
た。その後、脱水、洗浄して10%の水スラリーとして
調製し、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(粒子
に対し1重量%)水溶液を添加して室温で1時間攪拌し
た。最後に過脱水、乾燥して平均粒子径が10.9μ
mの球状粉末を得た。
実施例4 ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるエピコート10
02(油化シェル(株)製)を75重量部および潜在型
硬化剤であるエピキュア171を25重量部秤量し、塩
化メチレン70重量部を添加して溶解し、均一な溶液を
得た。該溶液を室温で600rpmで攪拌しながら5%濃
度のポリビニルアルコール水溶液100重量部を10分
間で連続的に添加してエマルジョンを得た。該エマルジ
ョンを攪拌しながら40℃に昇温し塩化メチレンを揮散
除去した。その後、脱水、洗浄して10%の水スラリー
として調製し、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン
(粒子に対し1.5重量%)水溶液を添加して30℃で
2時間攪拌した。最後に過脱水、乾燥して平均粒子径
が10.3μmの球状粉末を得た。
実施例5 ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるエピコート82
8を33重量部、エピコート1001を42重量部、ア
クリル共重合体(商品名「テイサンレジンNT−85
0」、帝国化学産業(株)製)を25重量部および潜在
型硬化剤であるエピキュア171Nを10重量部秤量
し、酢酸エチル100重量部を添加、溶解して均一な溶
液を得た。該溶液を室温で700rpmで攪拌しながら
6%濃度のポリビニルアルコール水溶液110重量部を
11分間で連続的に添加してエマルジョンを得た。該エ
マルジョンを攪拌しながら75℃に昇温し酢酸エチルを
揮散除去した。室温まで冷却し、エポキシ樹脂に対し
0.8当量のピペラジンを30重量部の水に溶解した硬
化液を添加し、25℃で5日間ゆるやかに攪拌しエポキ
シ樹脂を部分効果させた。その後、脱水、洗浄して10
%の水スラリーとして調製し、γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン(粒子に対し1重量%)水溶液を
添加して室温で1時間攪拌した。最後に過脱水、乾燥
して平均粒子径が8.7μmの球状粉末を得た。
比較例1 実施例1において、有機ケイ素化合物を担持させなかっ
た以外は全て実施例1と同様の操作を行なって、平均粒
子径が10.3μmの球状粉末を得た。
(接着性の評価) 実施例1〜5、および比較例1で得られた球状粉末接着
剤について、JIS K−6853「割裂接着強さ試験
法」に準じて以下に示す手順で接着力を測定した。
(イ) ポリイミド配向膜(商品名「サンエバー」、日
産化学(株)製)が塗接されたガラス基板(25×25
×1mm)の中央部(15×15mm)に測定用試料を1mg
均一に散布する。
(ロ) ポリイミド配向膜が塗設された別のガラス基板
を重ね、荷重600g/cm2、温度180℃で2時間熱圧
処理を行なう。
(ハ) この試験片にアルミブロックを接着剤で両側か
ら固定し、測定用試験片とする。
(ニ) 引張試験機に上記試験片をセットし、引張スピ
ード0.5mm/分で測定(23℃、60%RH中)を行
なう。
測定結果を表1に示すが、本発明の球状粉末接着剤は、
良好な接着力を有することがわかつた。
[発明の効果] 本発明によって高い接着力を有し、かつ取扱いの良好な
球状粉末接着剤を提供することができる。
特に、本発明の球状粉末接着剤は電子材料関係の接着剤
として好適であり、例えば液晶ディスプレーの基板間の
点接着剤として高い接着力を示し、間隙を一定に維持す
る高い性能を有する。
また、本発明の方法によつて、高性能の球状粉末接着剤
を安定性、経済性よく製造することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも下記A,B成分を粒子内部に相
    溶的に含有し、表面に下記一般式(I)で示される有機
    ケイ素化合物を担持していることを特徴とする平均粒子
    径が0.3〜500μmの球状粉末接着剤。 A:一分子中に少なくとも二個以上のエポキシ基を有す
    るエポキシ化合物 B:潜在型硬化剤 一般式(I):R−Si−X4-n (式中、Rはアルキル基、アルケニル基、アリール基、
    ビニル基、アミノ基、エポキシ基、グリシドキシ基、メ
    ルカプト基、ハロゲン基、メタクリルオキシ基あるいは
    シアノ基を有する炭化水素基であり、Xはメトキシ基、
    エトキシ基、メトキシエトキシ基、プロポキシ基、ブト
    キシ基、フェノキシ基あるいはアセトキシ基であり、n
    は0,1あるいは2である。)
  2. 【請求項2】潜在型硬化剤が、フェノール系化合物であ
    ることを特徴とする請求項(1)記載の球状粉末接着剤。
  3. 【請求項3】少なくとも請求項(1)記載のA,B成分が
    相溶してなる組成物を、水中に懸濁させて球状粉末状に
    調製後、表面に請求項(1)記載の一般式(I)で示され
    る有機ケイ素化合物を担持させることを特徴とする球状
    粉末接着剤の製造方法。
  4. 【請求項4】A,B成分が相溶してなる組成物に、さら
    に水溶性アミン系硬化剤を含むことを特徴とする請求項
    (3)記載の球状粉末接着剤の製造方法。
  5. 【請求項5】潜在型硬化剤がフェノール系化合物である
    ことを特徴とする請求項(3)記載の球状粉末接着剤の製
    造方法。
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