JPH0690576A - インバータ装置により駆動される交流電動機の始動方法 - Google Patents

インバータ装置により駆動される交流電動機の始動方法

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JPH0690576A
JPH0690576A JP16660793A JP16660793A JPH0690576A JP H0690576 A JPH0690576 A JP H0690576A JP 16660793 A JP16660793 A JP 16660793A JP 16660793 A JP16660793 A JP 16660793A JP H0690576 A JPH0690576 A JP H0690576A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 駆動される負荷装置の不安定減少を抑制し、
ギヤ鳴りや振動等を発生させることなく、始動トルクを
急峻に立ち上げ安定に始動させること。 【構成】 PWM生成器24は比較器23より与えられ
るトルク偏差信号と、比較器21より与えられる励磁成
分電流偏差信号に基づきPWM信号を発生して図示しな
いインバータを駆動して交流電動機を駆動する。交流電
動機の始動時、タイマ201は所定時間スイッチS1〜
S4を側に切り換え、トルク・リミット値を上昇させ
る。また、励磁成分電流指令値を通常運転時より大きな
ψ1’側に切り換える。このため、始動時大きなトルク
を発生させることができ、発生トルクを制御しながら安
定に交流電動機を始動することができる。また、始動
時、速度指令値を通常運転時の速度指令値より大きな値
に切り換えることにより、同様にギヤ鳴りや振動等を発
生させることなく、安定に始動することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインバータ装置により駆
動される交流電動機の始動方法に関し、特に、本発明
は、始動時の特性を改善することができる交流電動機の
始動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インバータ装置により駆動される交流電
動機において部分的に静止摩擦トルクが大きな負荷を始
動する際、安定した速度制御を実現するため、従来か
ら、始動時に比例積分演算の係数を一時的に大きくしト
ルク応答を改善する方法が用いられていた。
【0003】図4はインバータ装置による交流電動機駆
動の一般的システム構成を示す図であり、同図におい
て、1は交流電源、2は交流電源1の交流出力を整流す
る整流部、3は整流部2において整流された直流出力を
平滑する平滑コンデンサ、4はトランジスタ・インバー
タ、5は交流電動機の電流を検出する電流検出器、6は
交流電動機に供給される電圧を検出する電圧検出器、7
はトランジスタ・インバータ4により駆動される交流電
動機、8は交流電動機7の回転速度を検出する速度検出
器、9はトランジスタ・インバータ4を制御する制御装
置、10は交流電動機7により駆動される負荷、11は
速度指令設定器である。
【0004】図5は図4に示す制御装置9の構成を示し
ており、同図は、部分的に静止摩擦トルクが大きな負荷
を始動する場合の第1の従来例を示している。同図にお
いて、図4に示した制御装置9は、三相可変電圧・可変
周波数を発生させるための指令信号を生成する指令信号
生成部9aと、速度指令信号と交流電動機の速度信号に
基づきトルク指令信号を生成するトルク指令生成部9b
より構成されている。
【0005】同図の指令信号生成部9aにおいて、5a
は図4の電圧検出器5の3相出力を2相に変換する3相
−2相電圧変換器、6aは図4の電流検出器6の3相出
力を2相に変換する3相−2相電流変換器、20は3相
−2相電圧変換器5aの出力と3相−2相電流変換器6
aの出力に基づき交流電動機7内の励磁量を演算する磁
束演算部、21は交流電動機内の励磁量を設定する励磁
量設定信号ψ1 と磁束演算部20の出力との偏差を求め
る比較手段である。
【0006】また、22は磁束演算部20の出力と3相
−2相電流変換器6aの出力に基づき交流電動機7の発
生トルクを算出するトルク演算部、23はトルク演算部
22の出力するトルク信号とトルク指令生成部9bが出
力するトルク指令値との偏差を求める比較手段、24は
比較手段23が出力するトルク偏差と、比較手段21が
出力する励磁量の偏差に基づきトランジスタ・インバー
タ4(図4)の駆動信号を生成するPWM信号生成部で
ある。
【0007】同図のトルク指令生成部9bにおいて、1
00は速度指令設定器11が発生する速度指令信号と、
図4の速度検出器8が出力する交流電動機7の回転速度
を比較する比較手段、101a,101bは比例・積分
制御における比例項の係数K1,K1’(但し、K1<
K1’)を掛ける係数乗算器、102a,102bは比
例・積分制御における積分項の係数K2,K2’(但
し、K2<K2’)を掛ける係数乗算器、103は積分
器、104は速度比較器であり、内部に予め設定してあ
る基準値と交流電動機7の速度とを比較し、交流電動機
7の速度が所定速度以下のとき、スイッチS1,S2を
側から側へ切り換える。
【0008】105は係数乗算器101a,101bが
出力する比例項と積分器103が出力する積分項とを加
算する加算器、106は出力リミッタである。図4、図
5において、図5の指令信号生成部9aにおける2−3
相電圧変換器5aおよび2−3相電流変換器6aは図4
の電流検出器5,電圧検出器6により検出される交流電
動機の電流、電圧信号を2相信号に変換し、磁束演算部
20およびトルク演算部22に与える。
【0009】磁束演算部20は2相信号に変換された交
流電動機7の電圧、電流信号より励磁量を演算する。ま
た、トルク演算部22は2相信号に変換された交流電動
機7の電流信号と磁束演算部20において求めた励磁量
信号よりトルクを演算する。比較手段21は磁束演算部
20が出力する励磁成分電流指令値ψ1 との偏差を求め
PWM信号生成部24に出力する。また、比較手段23
はトルク演算部22が出力するトルク信号とトルク指令
生成部9bが出力するトルク指令値との偏差を求めPW
M信号生成部24に出力する。
【0010】PWM信号生成部24は比較手段21が出
力する励磁量の偏差信号と比較手段23が出力するトル
クの偏差信号に基づきPWM信号を生成し、図示してい
ないがインバータ4にPWM信号を出力する。インバー
タ4はPWM信号生成部24の出力に基づき交流電動機
7に三相可変電圧・可変周波数を供給する。一方、図5
のトルク指令生成部9bにおいて、速度指令設定器11
が出力する速度指令値は比較手段100により交流電動
機7の速度信号と比較されて偏差が求められ、スイッチ
S1およびS2を介して係数乗算器101a,102
a,101b,102b、積分器103、加算器105
からなる比例・積分演算器に与えられ、比例、積分演算
が行われる。
【0011】ここで、交流電動機7の速度が大きい場
合、速度比較器104はスイッチS1およびスイッチS
2を通常運転側、すなわち、係数乗算器101a,10
2a側(図5の側)に切り換える。すなわち、交流電
動機7の速度が大きい通常運転時には、比例・積分演算
の比例項と積分項のゲインを低い値とする。加算器10
5が出力する比例・積分演算結果はトルク・リミッタ1
06に与えられてリミットされ、トルク指令値として指
令信号生成部9aに与えられる。
【0012】一方、交流電動機7の速度が低いとき、速
度比較器104はスイッチS1およびS2を係数乗算器
101b,102b側(図5の側)に切り換え、比例
・積分演算の比例項と積分項のゲインを大きくする。す
なわち、交流電動機7の始動の際には、通常運転時より
比例積分演算の係数を大きくし、制御系の応答速度を一
時的に早くする。このため、始動時のトルク立ち上げ応
答を改善することができ、前記したような静止摩擦トル
クが部分的大きい負荷を安定に始動させることができ
る。
【0013】図6は第2の従来例を示す図であり、同図
は、図5において、トルクリミタ106にバイパス回路
を設け、交流電動機の始動時、交流電動機の速度が小さ
いとき、速度比較器104の出力により、スイッチS3
を側に切り換え、トルクリミタ106をバイパスさせ
るようにしたものであり、その他の動作は図4に示した
ものと同一である。
【0014】この場合においても、交流電動機7の始動
の際には、通常運転時より比例積分演算の係数を大きく
し、また、トルクリミタ106をバイパスさせることに
より、制御系の応答速度を一時的に早くし、大きなトル
クを瞬時に発生させることができる。したがって、図5
の場合と同様 始動時のトルク立ち上げ応答を改善する
ことができ、前記したような静止摩擦トルクが部分的大
きい負荷を安定に始動させることができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した従来の始
動方法においては、始動時に、制御系の応答速度を一時
的に早くし、静止摩擦トルクが部分的大きい負荷を安定
に始動させている。すなわち、第1の従来例において
は、始動時、速度比較器104がスイッチS1,S2を
側に戻すまでの間、比例積分演算の係数を大きくして
制御系の応答速度を一時的に早くし、また、第2の従来
例においては、これに加えて、一時的に制御システムが
発生するトルクのリミット値を解除し、インバータ装置
4が交流電動機7に対して可能な限りの電力を供給でき
るようにしている。
【0016】しかしながら、電動機で駆動される多くの
負荷装置10の中で、バックラッシュを有する歯車を用
いてる機械装置等では、上記のように始動時に係数乗算
器の設定値を大きくするだけでは、バックラッシュのた
めにギヤ鳴りや振動が発生し、負荷装置の劣化を促進す
る可能性がある。したがって、このような場合には始動
時に係数乗算器の設定値をあまり大きくすることはでき
ないが、上記機械装置の中には始動時に急激にトルクを
立ち上げなければ始動できないものもある。従来におい
ては、このような場合、係数乗算器の設定値をあまり大
きくせずに駆動できるようにインバータ装置と電動機を
大型化することで対応していた。
【0017】また、一般に、始動時の静止摩擦トルクが
大きくなる部分を有する負荷装置を始動する際、始動後
に摩擦トルクは急激に減少する。したがって、摩擦トル
クが急激に減少したとき、交流電動機7の発生トルクも
減少させる必要があるが、従来方式では、トルク応答を
静止摩擦トルクの最大となる部分で調整するため、始動
後摩擦トルクが急激に減少する部分で、トルク制御系の
応答が遅れ、結果として速度制御系の追従遅れが発生す
る。
【0018】このため、このとき負荷10では、速度が
オーバー・シュートするという問題が発生することとな
る。これは、上記したように、始動時に速度制御系の比
例・積分ゲインを定める係数乗算器を係数の大きなもの
に切り換えて、応答を早めようとしたためであり、上記
係数を負荷10の速度だけで切り換えているため、負荷
の状態により微調整ができないことに起因している。
【0019】しかし、上記にような特殊な制御を行わな
いと、負荷を駆動できない場合もあり、ときには、上記
したように負荷装置が始動時にのみ要求するトルクに合
わせて駆動用のインバータ装置と交流電動機を大型化す
る必要がある場合も生じていた。本発明は上記した従来
技術の問題点に鑑みなされたものであって、始動時に、
負荷装置のギヤ鳴りを抑えてトルクを急峻に立ち上げる
ことができ、また、速度のオーバー・シュート等の不安
定現象を発生させることなく、交流電動機の始動トルク
を一時的に大きくして、負荷を安定に始動することがで
きるインバータ装置により駆動される交流電動機の始動
方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の請求項1の発明は、交流電動機に供給する
電流を励磁成分電流とトルク成分電流に分離して制御す
る制御装置と、制御装置の出力により駆動され可変電
圧、可変周波数の出力を発生するインバータ装置と、イ
ンバータ装置の出力により可変速駆動される交流電動機
とを備えたインバータ装置により駆動される交流電動機
の始動方法において、インバータ装置が始動したとき計
数を開始するタイマを設け、上記タイマにより設定され
た所定期間、通常運転時の励磁成分電流以上の励磁成分
電流を交流電動機に供給することにより、トルク成分電
流のリミットを解除することなく、交流電動機が大きな
トルクを出力できるようにして交流電動機を始動するよ
うにしたものである。
【0021】本発明の請求項2の発明は、交流電動機に
供給する電流を励磁成分電流とトルク成分電流に分離し
て制御する制御装置と、制御装置の出力により駆動され
可変電圧、可変周波数の出力を発生するインバータ装置
と、インバータ装置の出力により可変速駆動される交流
電動機とを備えたインバータ装置により駆動される交流
電動機の始動方法において、速度比較器を設け、速度比
較器により設定された速度に交流電動機の速度が上昇す
るまでの所定期間、通常運転時の励磁成分電流以上の励
磁成分電流を交流電動機に供給することにより、トルク
成分電流のリミットを解除することなく、交流電動機が
大きなトルクを出力できるようにして交流電動機を始動
するようにしたものである。
【0022】本発明の請求項3の発明は、交流電動機に
三相可変電圧可変周波数を供給するインバータ装置と、
交流電動機の速度と速度指令値との偏差を比例積分演算
し演算結果に基づき交流電動機の速度を制御する制御装
置と、交流電動機の速度が予め設定速度以下では上記比
例積分演算手段の係数を大きな値に切り換え制御する速
度比較器と、インバータ装置の出力により可変速駆動さ
れる交流電動機とを備えたインバータ装置により駆動さ
れる交流電動機の始動方法において、交流電動機の始動
時のみ、交流電動機の速度指令値を通常運転時の速度設
定値より大きな第2の速度指令値切り換えることによ
り、交流電動機の始動トルクを急峻に立ち上げるように
したものである。
【0023】
【作用】本発明の請求項1の発明においては、交流電動
機をインバータ装置により始動する際、タイマを作動さ
せてタイマにより予め設定された所定時間、トルク成分
電流のリミットを解除することなく、インバータ装置よ
り交流電動機に供給する励磁成分電流値を上昇させる。
【0024】交流電動機の始動時、トルク成分電流のリ
ミットを解除することなく、インバータ装置より交流電
動機に供給する励磁成分電流値を上昇させているので、
始動時、過大トルクを要求されている場合においても、
発生トルクを制御しながら安定に交流電動機を始動する
ことができる。本発明の請求項2の発明においては、速
度比較器を設け、速度設定器により設定された速度まで
交流電動機の速度が上昇するまでの所定期間、トルク成
分電流のリミットを解除することなく、通常運転時の励
磁成分電流以上の励磁成分電流を交流電動機に供給して
いるので、請求項1の発明と同様、始動時、過大トルク
を要求されている場合においても、発生トルクを制御し
ながら安定に交流電動機を始動することができる。
【0025】本発明の請求項3の発明においては、交流
電動機を始動するとき、始動と同時に交流電動機の速度
指令値を通常運転時の速度設定値より大きな第2の速度
指令値切り換えているので、始動時のみ速度偏差を大き
くすることができる。そして、速度偏差が大きくなるこ
とは、始動時の比例積分係数を大きくすることと等価と
なるので、始動時のトルクは急峻に立ち上がる。また、
この場合には、比例積分係数を大きくしているわけでは
ないので、交流電動機の速度が通常運転時の速度設定値
に近づけば、偏差は小さくなり制御装置の出力変動は小
さくなる。
【0026】その結果、負荷装置への影響が小さくな
り、ギヤ鳴りや振動等を抑制しながら、トルクの立ち上
がりを向上させることができる。なお、比例積分係数を
大きく設定してトルクの立ち上がりの向上を図った場合
には、偏差が小さくなっても比例積分係数が大きいた
め、制御装置の出力変動はあまり小さくならず、その変
動の影響により、ギヤ鳴りや振動が発生することとな
る。
【0027】
【実施例】図1は本発明の制御装置の第1の実施例を示
すブロック図であり、図5に示した従来例と同一のもの
には、同一の符号が付されており、本実施例において
は、従来例の速度比較器104に換え、始動スイッチ1
1により動作開始するタイマ201を設けるとともに、
トルク・リミッタ106bを追加し、また、スイッチS
4を設け励磁成分電流指令値を切り換えるようにしたも
のであり、その他の構成は図5に示した従来例と同じで
ある。なお、トルク・リミッタ106bにおける点線
は、トルク・リミッタ106aのトルク・リミット値を
示したものであり、同図に示すように、トルク・リミッ
タ106bのトルク・リミット値はトルク・リミッタ1
06aのトルク・リミット値より大きい。
【0028】同図において、タイマ201は始動時から
一定時間動作して、スイッチS1,S2,S3,S4を
同図の側に切り換える手段であり、タイマ201が動
作すると、前記したように、スイッチS1,S2が側
に切り換わり、比例・積分ゲインが高くなるともに、ス
イッチS3が側に切り換わり、トルク・リミッタ10
6aをトルク・リミット値が高いトルク・リミッタ10
6bに切り換える。また、スイッチS4が側に切り換
わり、励磁成分電流指令値がψ1からより大きな励磁成
分電流指令値ψ1’に切り換わる。
【0029】図2は本実施例の各部の動作状態を示す図
であり、同図において、(a)は始動スイッチ12の動
作状態、(b)はタイマ201の動作状態、(c)は励
磁成分電流指令値、(d)はトルク・リミッタのトルク
制限値を示している。次に、図1、図2により本実施例
により始動方法について説明する。インバータ装置が始
動すると、図2(a)に示すように始動スイッチ12が
オンとなり、図2(b)に示すようにタイマ201が計
測を開始する。同時に、図1に示すスイッチS1,S
2,S3,S4が同図側に切り換わる。
【0030】これによって、図2(c)、(d)に示す
ように、タイマ201の作動中、励磁成分電流指令値が
上昇するとともに、励磁成分電流指令値に対応した量だ
けトルク・リミッタ制限値が上昇する。また、前記した
ように、図1の係数乗算器101a,102a側から1
01b,102b側に切り換わり、制御系の比例・積分
ゲインが高くなる。
【0031】上記のように、始動時一時的に励磁成分電
流指令値が上昇するとともに、トルク・リミッタの制限
値が励磁成分電流指令値に対応した量だけ上昇するの
で、交流電動機7が発生するトルクは上昇する。この状
態は、タイマ201に負荷に合わせて予め設定してある
時間t1 が経過すると解除され、図1のスイッチS1,
S2,S3,S4は側に戻り、図2(c)、(d)に
示すように励磁成分電流指令値、トルク・リミッタの制
限値は通常の運転時の値に戻る。
【0032】なお、タイマ201のカウントはインバー
タ装置を停止させたとき零にクリアされ、次に始動スイ
ッチ12を動作させたとき再びカウントを開始し、運転
中にタイマ201によりスイッチS1ないしS4が切り
換わることはない。本実施例においては、上記のように
インバータ装置を始動させてから所定時間、励磁成分電
流指令値、トルク・リミッタの制限値を上昇させている
ので、過大トルクを要求する負荷を安定に始動でき、始
動時、負荷が急激に減少した場合においても、トルクが
トルク・リミッタにより制限されているので、トルク制
御が効かなくなり負荷の速度がオーバー・シュートする
等の不安定現象が発生することがない。
【0033】なお、上記実施例においては、タイマによ
りスイッチS1ないしS4を切り換える制御方式を示し
たが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、
タイマのかわりに、従来例に示したように負荷の速度に
より上記スイッチを切り換えることもできる。図3は本
発明の第2の実施例を示す図であり、本実施例は図5に
示した従来例において、第2の速度比較器204を付加
するとともに、第3のスイッチS5を設け、速度検出値
Nに応じて第2の速度比較器204によりスイッチS5
を切り換え、速度指令設定器11の出力N* と第2の速
度比較器が出力する第2の速度指令値N’を切り換える
ようにしたものであり、その他の構成は図5に示した従
来例と同じである。
【0034】同図において、インバータ装置を始動する
と、スイッチS5はインバータ装置が始動すると同時
に、第2の速度比較器204により、図中の方向へ動
作し、交流電動機の速度検出値Nが速度指令設定器の出
力N* に一致するまで図中の位置に保持される。これ
により、減算器100に送られる速度指令値は第2の速
度指令値N’となり、次段の比例積分制御系は送られた
第2の速度指令値N’と交流電動機の速度検出値Nとの
偏差により動作することとなる。
【0035】ここで、第2の速度比較器204は速度比
較器104とは独立して第3のスイッチの制御を行って
いるので、第3のスイッチS5が始動時のトルクの立ち
上がり特性を制御していることとなる。上記のような始
動制御を行うことにより、交流電動機の速度が立ち上が
り、速度検出値Nが第2の速度比較器204から出力さ
れているN* と一致する時刻になると、第3のスイッチ
S5は側から側に切り換わり、速度指令設定器の出
力N* が減算器100に与えられる。すなわち、交流電
動機の始動が完了すると同時に自動的に通常運転モード
に修正される。
【0036】ここで、第3のスイッチS5の動作をイン
バータ装置が一度始動した直後だけに限定されるように
構成しておけば、運転中に第3のスイッチS5が動作し
て第2の速度指令値N’が減算器100へ送られること
はない。以上のように、本実施例においては、始動時に
スイッチS5を制御し速度指令値N* を通常運転時の速
度指令値から第2の速度指令値N’に切り換え、交流電
動機の速度が速度指令値N* に一致する時刻に速度指令
値を速度指令器11の出力N* に戻しているので、その
時点で速度偏差(error)を小さくすることができ、ギヤ
鳴りや振動を抑制しながらトルクの立ち上がり特性を改
善することができる。
【0037】なお、上記実施例においては、インバータ
の制御装置をハードウェアにより実現する実施例を示し
たが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、
例えば、タイマ動作、スイッチの切り換え等をソフトウ
ェアにより実現することも可能である。
【0038】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明においては、交流電動機の始動時、トルク成分電
流のリミットを解除することなく、インバータ装置より
交流電動機に供給する励磁成分電流値を上昇させている
ので、始動時、一時的に発生トルクを大きくすることが
でき、過大トルクが要求されている場合においても不安
定現象を発生させることなく、発生トルクを制御しなが
ら安定に交流電動機を始動させることができる。
【0039】また、交流電動機を始動するとき、始動と
同時に交流電動機の速度指令値を通常運転時の速度設定
値より大きな第2の速度指令値切り換えることにより、
負荷装置にギヤ鳴りや振動を与えることなく始動トルク
を急峻に立ち上げることができ、インバータ装置により
駆動される交流電動機により負荷装置の安定した始動が
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制御装置の第1の実施例を示すブロッ
ク図である。
【図2】本発明の第1の実施例における各部の動作状態
図である。
【図3】本発明の制御装置の第2の実施例を示すブロッ
ク図である。
【図4】インバータ装置による交流電動機駆動システム
の構成を示す図である。
【図5】従来の制御装置の構成を示すブロック図(1)
である。
【図6】従来の制御装置の構成を示すブロック図(2)
である。
【符号の説明】
4 トランジスタ・インバータ 5 電流検出器 6 電圧検出器 7 交流電動機 8 速度検出器 9 制御装置 10 負荷 11 速度指令設定器 12 始動スイッチ 9a 指令信号生成部 9b トルク指令生成部 5a 3相−2相電圧変換器 6a 3相−2相電流変換器 20 磁束演算部 22 トルク演算部 24 PWM信号生成部 101a,101b,102a,102b 係数乗算器 103 積分器 106,106a,106b 出力リミッタ 104,204 速度比較器 201 タイマ S1,S2,S3,S4,S5 スイッチ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電動機に供給する電流を励磁成分電
    流とトルク成分電流に分離して制御する制御装置と、 制御装置の出力により駆動され可変電圧、可変周波数の
    出力を発生するインバータ装置と、 インバータ装置の出力により可変速駆動される交流電動
    機とを備えたインバータ装置により駆動される交流電動
    機の始動方法において、 インバータ装置が始動したとき計数を開始するタイマを
    設け、 上記タイマにより設定された所定期間、通常運転時の励
    磁成分電流以上の励磁成分電流を交流電動機に供給する
    ことにより、トルク成分電流のリミットを解除すること
    なく、交流電動機が大きなトルクを出力できるようにし
    て交流電動機を始動することを特徴とするインバータ装
    置により駆動される交流電動機の始動方法。
  2. 【請求項2】 交流電動機に供給する電流を励磁成分電
    流とトルク成分電流に分離して制御する制御装置と、 制御装置の出力により駆動され可変電圧、可変周波数の
    出力を発生するインバータ装置と、 インバータ装置の出力により可変速駆動される交流電動
    機とを備えたインバータ装置により駆動される交流電動
    機の始動方法において、 速度比較器を設け、速度比較器により設定された速度ま
    で交流電動機の速度が上昇するまでの所定期間、通常運
    転時の励磁成分電流以上の励磁成分電流を交流電動機に
    供給することにより、トルク成分電流のリミットを解除
    することなく、交流電動機が大きなトルクを出力できる
    ようにして交流電動機を始動することを特徴とするイン
    バータ装置により駆動される交流電動機の始動方法。
  3. 【請求項3】 交流電動機に三相可変電圧可変周波数を
    供給するインバータ装置と、 交流電動機の速度と速度指令値との偏差を比例積分演算
    し演算結果に基づき交流電動機の速度を制御する制御装
    置と、 交流電動機の速度が予め設定された速度以下では上記比
    例積分演算手段の係数を大きな値に切り換え制御する速
    度比較器と、 インバータ装置の出力により可変速駆動される交流電動
    機とを備えたインバータ装置により駆動される交流電動
    機の始動方法において、 交流電動機の始動時のみ、交流電動機の速度指令値を通
    常運転時の速度設定値より大きな第2の速度指令値に切
    り換えることにより、交流電動機の始動トルクを急峻に
    立ち上げることを特徴とするインバータ装置により駆動
    される交流電動機の始動方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010130784A (ja) * 2008-11-27 2010-06-10 Toyota Industries Corp 電動機の制御装置および制御方法

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JPH0186401U (ja) * 1987-11-25 1989-06-08
JP3080695U (ja) * 2001-03-26 2001-10-05 早田紙工業株式会社 冊子本の表紙保護装置

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