JPH0690479B2 - カブリを低減したハロゲン化銀カラ−写真感光材料 - Google Patents

カブリを低減したハロゲン化銀カラ−写真感光材料

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JPH0690479B2 JP25317886A JP25317886A JPH0690479B2 JP H0690479 B2 JPH0690479 B2 JP H0690479B2 JP 25317886 A JP25317886 A JP 25317886A JP 25317886 A JP25317886 A JP 25317886A JP H0690479 B2 JPH0690479 B2 JP H0690479B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明はハロゲン化銀カラー写真感光材料に関し、特に
感光材料の経時保存中あるいは発色現像時におけるカブ
リの発生を低減したハロゲン化銀カラー写真感光材料に
関する。
【発明の背景】
ハロゲン化銀写真感光材料(以下、感光材料という)
は、露光されなくても現像し得る核の存在に基因してカ
ブリを生じる傾向があり、特に経時保存中にカブリの発
生によって感度の減少、或は階調の劣化などを招く場合
が極めて多い。 このような好ましくない現象をできるだけ少なくするこ
とが望ましいことから、従来からカブリ防止剤、あるい
は安定剤等をハロゲン化銀乳剤に添加することが知られ
ている。例えば米国特許2,403,927号、同3,804,633号、
特公昭39-2825号などに記載の1−フェニル−5−メル
カプトテトラゾール類、或は4−ヒドロキシ−6−メチ
ル−1,3,3a,7−テトラザインデンなどがカブリ抑制剤と
して用いられてきた。 しかしながら、これらの化合物は経時保存時のカブリ抑
制効果が必らずしも充分でなく、また感度低下や、階調
の軟化をまねくなどの欠点があって満足するまでに至っ
ていない。 また、カラー感光材料の場合には、経時保存性の改良を
意図して用いるカブリ抑制剤が、ハロゲン化銀乳剤に必
要以上に強く吸着して、その結果分光増感性を阻害した
り、或は現像処理過程での脱銀性を遅らせたりする弊害
が少なくなかった。
【発明の目的】 従って、本発明は上記の実情に鑑みてなされたものであ
り、その第1の目的は、カラー感光材料の経時保存中に
おける写真性能の劣化を防止し、特にカブリの発生を抑
制したカラー感光材料を提供することにある。 本発明の第2の目的は、現像抑制にもとづく感度の低下
や階調の軟化を招く恐れの少ないカブリ抑制剤を含有し
たカラー感光材料を提供することである。 更に第3の目的は、高温現像処理、特に30℃以上で発色
現像した時にカブリの発生が著しく抑制されたカラー感
光材料を提供することである。
【発明の構成】
上記目的は、下記一般式〔I〕で表される化合物の存在
下に30℃以上で発色現像されるカラー感光材料により達
成される。 一般式〔I〕 表し、R1およびR2は各々、水素原子、カルボキシル基、
アルコキシカルボニル基、アルキル基、アリール基また
は複素環基を表す。また、R1とR2は互いに結合してベン
ゼン環を形成してもよい。 以下、本発明をより具体的に説明する。 本発明に用いられる上記一般式〔I〕で表されるカブリ
防止剤は、1,2,−ジチオール−3−チオンまたは1,3−
ジチオール−2−チオン誘導体であり、下記一般式〔I
I〕または〔III〕で表される。 一般式〔II〕 一般式〔III〕 一般式〔II〕および〔III〕におけるR1およびR2は、そ
れぞれ一般式〔I〕のR1およびR2と同義である。 R1およびR2で表されるアルコキシカルボニル基として
は、好ましくは炭素数2〜11のアルコキシカルボニル基
で、具体的にメトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ル、ブトキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル、
ドデシルオキシカルボニル等の基が挙げられる。 R1およびR2で表されるアルキル基としては、好ましくは
炭素数1〜20のアルキル基で、直鎖、分岐のいずれでも
よく、具体的にメチル、エチル、イソプロピル、ブチ
ル、t−ブチル、sec−ペンチル、オクチル、ドデシ
ル、ペンタデシル、オクタデシル、エイコシル等の基が
挙げられる。 R1およびR2で表されるアリール基は、フェニル基、ナフ
チル基が好ましく、置換されていてもよい。 R1およびR2で表される複素環基としては、5または6員
の複素環基が好ましく、具体的に2−チオニル、2−イ
ミダゾリル、2−ピリジル、4−ピリジル等の基を挙げ
ることができる。 またR1およびR2は互いに結合してベンゼン環を形成して
もよいが、このベンゼン環は更に置換基を有してもよ
く、具体的にはハロゲン原子(例えば塩素、臭素原子
等)、アルキル基(例えばメチル、エチル、ブチル、2
−エチルヘキシル、デシル基等)、アリール基(例えば
フェニル基)、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキ
シ、ブトキシ、オクチルオキシ基等)、ヒドロキシル
基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基およびその塩
等を挙げることができる。 本発明に用いて最良のカブリ抑制効果を示す化合物は前
記一般式〔II〕で表される化合物で、その中でも特にR1
とR2でベンゼン環を形成した1,2−ベンゾジチオール−
3チオン誘導体が好ましい。 次に本発明に用いられる一般式〔I〕で表される化合物
(以下、本発明の化合物という)の具体的代表例を示す
が、本発明はこれに限定されない。 これらの化合物はデイビッド・エス・ブレスロウ,ハー
マン・スコルニク(David S.Breslow,Herman Skolnik)
共編:マルチ−サルファ・アンド・サルファ・アンド・
オキシジェン・ファイブ・アンド・シックス−メンバー
ド・ヘテロサイクルズ(MULTI-SULFUR AND SULFUR AND
OXYGEN FIVE-AND SIX-MEMBERED HETEROCYCLES),Part
1,インターサイエンス・パブリッシャーズ(INTERSCIEN
CE PUBLISHERS)刊(1966)に記載されている合成法に
準じて合成することができる。 本発明の化合物を添加することのできるカラー感光材料
の層としては、ハロゲン化銀乳剤層を始めとして、保護
層、中間層、フィルター層、ハレーション防止層、下塗
り層など通常の感光材料に設けられる構成層のいずれで
もよい。特に好ましい層としてはハロゲン化銀乳剤層お
よび乳剤層に隣接する親水性コロイド層である。 本発明の化合物を添加することのできる処理液として
は、発色現像液または発色現像液に先立つ工程(例えば
前硬膜液、第1現像液、中和浴など)等が挙げられる。 本発明の化合物の添加量は、感光材料や化合物の種類な
どにより一様ではないが、ハロゲン化銀乳剤に用いる場
合、ハロゲン化銀1モル当り1×10-5〜10-1モルが好ま
しく、より好ましくは1×10-4〜1×10-2モルである。
乳剤層に隣接する親水性コロイド層に対しては、1m2
り10〜1000mgが好ましく、より好ましくは100〜700mgの
範囲で用いられる。 処理液に添加する場合は処理液1当り0.1mg〜10gが好
ましく、より好ましくは5mg〜1gである。 本発明の化合物を感光材料中に添加するには適当な水混
和性有機溶媒(例えばメタノール、エタノール、エチレ
ングリコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルム
アミド等)に溶解せしめて用いることができる。 また、本発明の効果を妨げない範囲において、公知のカ
ブリ抑制剤を併用することもできる。 また、ハロゲン化銀乳剤に添加する場合の添加時期は、
化学熟成中、化学熟成終了後、及び/又は化学熟成終了
後の乳剤塗布前が好ましく、より好ましいのはハロゲン
化銀乳剤の化学熟成終了時である。 本発明のカラー感光材料は、例えばカラーのネガ及びポ
ジフィルム、ならびにカラー印画紙などであることがで
きるが、とりわけカブリの影響が大きいカラーネガフィ
ルムを用いた場合に本発明方法の効果が有効に発揮され
る。 このカラーフィルムをはじめとする本発明のカラー感光
材料は、単色用のものでも多色用のものでもよい。多色
用ハロゲン化銀写真感光材料の場合には、通常は写真用
カプラーとしてマゼンタ、イエロー及びシアンの各カプ
ラーを含有するハロゲン化銀乳剤層ならびに非感光性層
が支持体上に適宜の層数及び層順で積層した構造を有し
ているが、該層数及び層順は重点性能、使用目的によっ
て適宜変更してもよい。 本発明のカラー感光材料に用いられるハロゲン化銀乳剤
には、ハロゲン化銀として臭化銀、沃臭化銀、沃塩化
銀、塩臭化銀、及び塩化銀等の通常のハロゲン化銀乳剤
に使用される任意のものを用いることができる。 ハロゲン化銀乳剤は、常法により化学増感される。ま
た、所望の波長域に光学的に増感できる。 本発明のカラー感光材料には、通常感光材料に用いられ
る色カブリ防止剤、色素画像安定化剤、紫外線防止剤、
帯電防止剤、マット剤、界面活性剤等を用いることがで
きる。 これらハロゲン化銀乳剤の製造、各種添加剤および添加
方法等に関してはリサーチ・ディスクロジャー(Resear
ch Disclosure),176巻(1978年),17643項に記載され
ている技術を適用することができる。 本発明のカラー写真感光材料は、当業界公知の発色現像
処理を行うことにより画像を形成することができる。 本発明に係るカラー写真感光材料は、親水性コロイド層
中に発色現像主薬を発色現像主薬そのものとして、ある
いはそのプレカーサーとして含有し、アルカリ性の活性
化浴により処理することもできる。 本発明のカラー写真感光材料は、発色現像後、漂白処
理、定着処理を施される。漂白処理は定着処理と同時に
行ってもよい。 定着処理の後は、通常は水洗処理が行われる。また水洗
処理の代替として安定化処理を行ってもよいし、両者を
併用してもよい。 〔実施例〕 以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。 実施例−1 沃化銀7モル%を含む平均粒径1.2μの沃臭化銀乳剤を
金および硫黄増感剤で最高感度まで化学熟成した。 次いで、緑感性増感色素として、5,5′−ジフェニル−
9−エチル−3,3′−ジ−γ−スルホプロピルオキサカ
ルボシアニンナトリウム塩の適量を加え、緑感性ハロゲ
ン化銀等乳剤を作成した。 次いで、ハロゲン化銀1モル当り、マゼンタカプラーと
して、1−(2,4,6−トリクロロフェニル)−3−[3
−(2,4−ジ−t−アミノフェノキシアセトアミド)ベ
ンツアミド]−5−ピラゾロンを80g、カラードマゼン
タカプラーとして、1−(2,4,6−トリクロフェニル)
−4−(1−ナフチルアゾ)−3−(2−クロロ−5−
オクタデセニルサクシンイミドアニリノ)−5−ピラゾ
ロンを2.5gそれぞれ秤量してからトリクレジルホスフェ
ート120g、酢酸エチル240mlを混合して加温溶解し、次
いでトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム
5gと7.5%ゼラチン水溶液550mlの溶液中に乳化分散した
カプラー溶液を前記の乳剤に添加した。 この乳剤を13分割して下記第1表に示したように本発明
に係る化合物あるいは比較化合物をそれぞれ添加し、充
分に吸着せしめたのちに、ゼラチン硬膜剤として2−ヒ
ドロキシ−4,6−ジクロロトリアジンナトリウムの適量
を一律に添加してハロゲン化銀乳剤とした。 この乳剤を銀が3.0g/m2になるように下引済みのトリア
セテートフィルム上に均一塗布乾燥して試料とした(N
o.1〜13)。 以上のように作成した単色カラー写真材料をフレッシュ
試料として室温下で3日間放置したもの及び温度65℃相
対湿度7%、温度50℃相対湿度80%下に、それぞれ3日
間放置した強制劣化経時試料を作成した。この後、通常
の方法でウェッジ露光し、下記のカラー用処理工程に従
いカラー現像した。得られたピースから求めたカラーセ
ンシトメトリー結果を次の第1表に示す。 なお表中のカブリはベース濃度を差し引いた値で、感度
はブランク試料の自然放置3日のもの(試料No.1)を10
0として表した場合の相対感度である。又、ガンマは直
線部の傾きで表示してある。 処理工程〔処理温度38℃〕 処理時間 発色現像 3分15秒 漂 白 6分30秒 水 洗 3分15秒 定 着 6分30秒 水 洗 3分15秒 安定化 1分30秒 乾 燥 各処理工程において使用した処理液組成は下記の如くで
ある。 〔発色現像液〕 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒド
ロキシエチル)アニリン硫酸塩 4.75g 無水亜硫酸ナトリウム 4.25g ヒドロキシルアミン1/2硫酸塩 2.0g 無水炭酸カリウム 37.5g 臭化ナトリウム 1.3g ニトリロ三酢酸・3ナトリウム塩(1水塩) 2.5g 水酸化カリウム 1.0g 水を加えて1とし、pH10.6に調整する。 〔漂白剤〕 エチレンジアミン四酢酸鉄アンモニウム塩 100.0g エチレンジアミン四酢酸2アンモニウム塩 10.0g 臭化アンモニウム 150.0g 氷酢酸 10.0ml 水を加えて1とし、アンモニウム水を用いてpH6.0に
調整する。 〔定着液〕 チオ硫酸アンモニウム 175.0g 無水亜硫酸ナトリウム 8.6g メタ亜硫酸ナトリウム 2.3g 水を加えて1とし、酢酸を用いてpH6.0に調整する。 〔安定化液〕 ホルマリン(37%水溶液) 1.5ml コニダックス(小西六写真工業株式会社製) 7.5ml 水を加えて1とする。 上記第1表は高温・高湿下におけるカラー感光材料の生
保存性が、本発明に係るカブリ抑制剤の併用によって改
良され、特に高温下での耐熱性(カブリ抑制性)が大巾
に改良されることを示している。 実施例−2 セルローストリアセテートフィルム支持体上に下記に示
す組成の各層を順に設けて多層カラー感光材料試料(比
較)を作成した。 第1層:ハレーション防止層 黒色コロイド銀を含むゼラチン層 第2層:中間層 ゼラチン層 第3層:赤感性低感度乳剤層 沃臭化銀乳剤 沃化銀:5モル% (平均粒径0.5μm) 銀塗布量…1.79g/m2 増感色素I……銀1モルに対して 6×10-5モル 増感色素II……銀1モルに対して 2×10-5モル カプラーA……銀1モルに対して0.06モル カプラーC……銀1モルに対して0.003モル カプラーD……銀1モルに対して0.003モル トリクレジルホスフェート塗布量 0.3ml/m2 第4層:赤感性高感度乳剤層 沃臭化銀乳剤 沃化銀:4モル% 平均粒径0.7μm 銀塗布量……1.4g/m2 増感色素I……銀1モルに対して 3×10-5モル 増感色素II……銀1モルに対して 1.2×10-5モル カプラーF……銀1モルに対して 0.0125モル カプラーC……銀1モルに対して 0.0016モル トリクレジルホスフェート塗布量 0.2ml/m2 第5層:中間層 第2層と同じ 第6層:緑感性低感度乳剤層 沃臭化銀乳剤 沃化銀:4モル% 平均粒径0.5μm 銀塗布量……1.0g/m2 増感色素III……銀1モルに対して 3×10-5モル 増感色素IV……銀1モルに対して 1×10-5モル カプラーB……銀1モルに対して 0.08モル カプラーM……銀1モルに対して 0.008モル カプラーD……銀1モルに対して 0.0015モル トリクレジルホスフェート塗布量 1.4ml/m2 第7層:緑感性高感度乳剤層 沃臭化銀乳剤 沃化銀:5モル% 平均粒径0.75μm 銀塗布量……1.6g/m2 増感色素III……銀1モルに対して 2.5×10-5モル 増感色素IV……銀1モルに対して 0.8×10-5モル カプラーB……銀1モルに対して 0.02モル カプラーM……銀1モルに対して 0.003モル トリクレジルホスフェート塗布量 0.8ml/m2 第8層:イエローフィルター層 ゼラチン水溶液中に黄色コロイド銀を含むゼラチン層。 第9層:青感性低感度乳剤層 沃臭化銀乳剤 沃化銀:6モル% 平均粒径0.7μm 銀塗布量……0.5g/m2 カプラーY……銀1モルに対して 0.125モル トリクレジルホスフェート塗布量 0.3ml/m2 第10層:青感性高感度乳剤層 沃臭化銀乳剤 沃化銀:6モル% 平均粒径0.8μm 銀塗布量……0.6g/m2 カプラーY……銀1モルに対して 0.04モル トリクレジルホスフェート塗布量 0.1ml/m2 第11層:保護層 ポリメチルメタクリレート粒子(直径1.5μm)を含む
ゼラチン層を塗布。 各層のカプラーはトリクレジルホスフェートと酢酸エチ
ルの溶液にカプラーを添加し、乳化剤としてp−ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウムを加えて加熱溶解後、
加熱した10%ゼラチン溶液と混合し、コロイドミルで乳
化したものを使用した。 各層には上記組成物の他にゼラチン硬化剤や界面活性剤
を添加した。 以上の如くして作成した試料を試料14とした。試料を作
るのに用いた化合物。 増感色素I:アンヒドロ−5,5′−ジクロロ−3,3′−ジ−
(γ−スルホプロピル)−9−エチル−チアカルボシア
ニンヒドロキシド・ピリジウム塩 増感色素II:アンヒドロ−9−エチル−3,3′−ジ(γ−
スルホプロピル)−4,5,4′,5′−ジベンゾチアカルボ
シアニンヒドロキシド・トリエチルアミン塩 増感色素III:アンヒドロ−9−エチル−5,5′−ジクロ
ロ−3,3′−ジ−(γ−スルホプロピル)オキサカルボ
シアニンヒドロキシド・ナトリウム塩 増感色素IV:アンヒドロ−5,6,5′,6′−テトラクロロ−
1,1′−ジエチル−3,3′−ジ(β−〔β−(γ−スルホ
プロポキシ)エトキシ〕エチルイミダゾロカルボシアニ
ンヒドロキシド・ナトリウム塩 更に前記のハロゲン化銀乳剤である第3層と第4層の赤
感性層、第6層と第7層の緑感性層及び第9層と第10層
の青感性層に、いずれも増感色素を添加して後に下記第
2表に示す如く本発明の化合物あるいは比較化合物を添
加してから調整して重層塗布し、比較試料も含めて15種
の試料を作成した(No.14〜28)。 得られた多層カラー感光材料試料を実施例−1と同様条
件でフレッシュ及び強制劣化処理を行ってから、通常の
ウェッジ露光をした後、実施例−1と同様のカラー処理
を行った。 得られたピースからのカラーセンシトメトリー結果を第
2表に示す。 なお表中の感度は、青、緑および赤感性層それぞれの比
較試料の自然放置3日のもの(試料No.14)を100として
表した場合の相対感度で表示してある。 第2表の各層に及ぼす強制劣化経時試験の結果からも、
本発明の化合物を添加することによって、高温・高湿下
でのカブリの発生が抑えられ、写真特性の変動も少ない
ことが判る。 実施例−3 実施例−1の発色現像液(ブランク)に本発明の化合物
(9)、(13)、(15)および(26)をそれぞれ第3表
に示すように添加して4種類の現像液を調製した。 実施例−2で比較用として塗布した多層カラー感光材料
試料14(本発明の化合物の添加なし)をウェッジ露光し
た後、それぞれの発色現像液を用いてカラー現像を行
い、得られたピースから実施例−1と同様にカブリ、感
度およびガンマを測定した。結果を第3表に示す。 なお表中の感度は、実施例−1の発色現像液(比較)を
用い25℃で処理したピースの感度を100とした場合の相
対感度である。 第3表から比較現像液(ブランク)では高温迅速処理に
おいて、全層のカブリが著しく増大し、かつガンマが軟
調化しカラーバランスが失われてしまうが、本発明の化
合物を含む現像液では高温迅速処理にしてもカブリが充
分に抑えられ、しかもカラーバランスを失うことなくク
リアーな色画像が得られることが判る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式〔I〕で表される化合物の存在
    下に30℃以上で発色現像されることを特徴とするハロゲ
    ン化銀カラー写真感光材料。 一般式〔I〕 を表し、R1およびR2は各々、水素原子、カルボキシル
    基、アルコキシカルボニル基、アルキル基、アリール基
    または複素環基を表す。また、R1とR2は互いに結合して
    ベンゼン環を形成してもよい。〕
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