JP2717714B2 - ハロゲン化銀写真用カブリ抑制剤 - Google Patents

ハロゲン化銀写真用カブリ抑制剤

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JP2717714B2 JP28767489A JP28767489A JP2717714B2 JP 2717714 B2 JP2717714 B2 JP 2717714B2 JP 28767489 A JP28767489 A JP 28767489A JP 28767489 A JP28767489 A JP 28767489A JP 2717714 B2 JP2717714 B2 JP 2717714B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はハロゲン化銀写真用カブリ抑制剤に関し、更
に詳しくはハロゲン化銀写真感光材料に使用してカブリ
の発生を防止する写真用カブリ抑制剤に関する。
[発明の背景] 感光性ハロゲン化銀乳剤を含むハロゲン化銀写真感光
材料(以下、感光材料という。)で特に化学的に増感さ
れたものは、露光されなくても現像し得る核の存在に起
因するカブリを生じる傾向があり、このカブリは高温ま
たは長時間で現像された場合、あるいは感光材料の保存
中、特に高温・高湿下での経時保存中に発生し易いこと
がよく知られている。
カブリの増大は感度の減少と階調の劣化を招き、画像
再現性を著しく阻害するので、カブリ防止の目的で多年
に亘って多くの物質をハロゲン化銀乳剤に添加する試み
がなされてきた。
代表的なものとしては、例えばリサーチ・ディスクロ
ージャー(Research Disclosure),176巻,1978年12月,1
743(VI)に詳しく記載されている。また、特に有効な
カブリ抑制剤としては、T.H.James著ザ・セオリィ・オ
ブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス(The Theory o
f the Photographic Process)第4版,Macmillan社刊
(1977年)393〜399頁に記載され作用機構も説明されて
いる。
しかし、これら多くのカブリ抑制技術も近年の感光材
料の高感度化、高活性化ならびに高迅速処理化に対して
充分対応することは難しく、特に高温下(約45℃以上)
に放置されたり、高温・高湿下(約50〜80℃、相対湿度
約50〜90%)で保存されたりする苛酷な条件下でのカブ
リ抑制性および写真特性安定性に欠けるのが実状であ
る。すなわち、前述の多くの公知化合物を上記の条件に
適応させるための有効濃度を使用すると、感度の低下お
よび階調の劣化が著しく、カブリ抑制剤の必須要素であ
るところの感度(階調):カブリのバランスを維持する
ことができない。
従って、苛酷な条件下においてもカブリ発生による感
度の損失、階調の劣化など写真特性を悪化させることの
ないカブリ抑制技術の開発が強く望まれている。
[発明の目的] 本発明は上記の実状に鑑みてなされたものであり、そ
の第1の目的は、感光材料を高温下あるいは高温・高湿
下で経時保存した場合にも安定した写真特性を維持し、
カブリの発生を防止するハロゲン化銀写真用カブリ抑制
剤を提供することにある。
本発明の第2の目的は、現像抑制に基づき感度の低下
や階調の劣化を招く恐れのないハロゲン化銀写真用カブ
リ抑制剤を提供することにある。
更に第3の目的は、高温迅速処理、特に30℃以上で現
像した時のカブリ発生を著しく軽減するハロゲン化銀写
真用カブリ抑制剤を提供することにある。
[発明の構成] 本発明の上記目的は、少なくとも1層のハロゲン化銀
乳剤層を有する感光材料において、該ハロゲン化銀乳剤
層およびそれに隣接する親水性コロイド層の少なくとも
1層に一般式[I]で表される化合物の少なくとも1つ
を含有させて使用する写真用カブリ抑制剤によって達成
される。
一般式[I] [式中、R1は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテ
ロ環基を表し、R2、R3はそれぞれ水素原子、メルカプト
基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリール
オキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカ
ルボニル基、カルボキシル基を表す。但し、R2、R3の少
なくとも一方はメルカプト基である。] 以下、本発明を更に具体的に説明する。
本発明に係る一般式[I]で表される化合物におい
て、R1で表されるアルキル基としては、炭素数1〜20の
アルキル基(好ましくは炭素数1〜8のアルキル基)、
例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘ
キシル基、ドデシル基、オクタデシル基等が挙げられ
る。
R1で表されるアリール基としては、フェニル基及びナ
フチル基が挙げられる。
R1で表されるヘテロ環基は、ピロリル基、イミダゾリ
ル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、チアゾリル基、
イソチアゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリ
ル基、ピリジル基、キノリル基、キノキサリル基等があ
げられる。
またR2、R3で表される基のうち、アルキル基、アリー
ル基は、前記Rと同じものが挙げられ、またアルコキシ
基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ
基等が挙げられる。
アリールオキシ基としては、例えばフェノキシ基、ナ
フチルオキシ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニ
ル基、エトキシカルボニル基等が挙げられる。
更にアリールオキシカルボニル基としては、フェノキ
シカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等が挙げ
られる。これらの置換基は、それぞれ更に置換基を有し
ていてもよい。
本発明に係る一般式[I]で表される化合物は、互変
異性関係を有するので、何れも一般式[II]又は一般式
[III]で表されるチオン型化合物としても表すことが
できる。
[式中、R4は前記R1と同じものを表し、R5は、前記R2
たはR3と同じものを表す。] 次に本発明に用いられる一般式[I]で表される化合
物(以下、本発明の化合物という。)の具体的代表例を
示すが、本発明はこれに限定されない。
上記の一般式[I]で表される化合物は、ビュレティ
ン・オブ・ザ・ケミカルソサエティー・オブ・ジャパ
ン、第59巻、第2017頁〜第2018頁(1986年)、同第60
巻、第2686頁〜第2688頁(1987年)等に記載されている
方法によって容易に合成することができる。
以下に本発明の一般式[I]で表される化合物の合成
例を示す。
[合成例1]例示化合物No.10の合成 (I)5−アミノ−(1,3,4−チアジアゾール−2−イ
ル)イミダゾール−4−カルボン酸エチルの合成 α−アミノシアノ酢酸エチル10.4g(81mmol)、オル
トギ酸エチル12g(81mmol)および2−アミノ,3,4−チ
アジアゾール8.2g(81mmol)をアセトニトリル150ml
中、4時間還流した。放冷後析出した結晶を濾取、乾燥
して目的物12.8gを得た。
融点181℃〜183℃ (II)5−クロロ−(1,3,4−チアジアゾール−4−カ
ルボン酸エチルの合成 5−アミノ−(1,3,4−チアジアゾール−2−イル)
イミダゾール−4−カルボン酸エチル13.1g(55mmol)
を濃塩酸200mlに溶解し、−15℃に冷却した。次に亜硝
酸ナトリウム6.0g(87mmol)を水20mlに溶解し、−10℃
以下に保ちながら滴下した。−20℃〜−10℃にて1時間
撹拌後、この溶液を塩化第一銅2gおよび二酸化イオウ39
gを含むクロロホルム溶液300mlに5℃前後で滴下した。
室温にて0.5時間撹拌後、水500mlを加え、有機層を分離
した。水層をクロロホルムにて抽出し、前の有機層と合
せ、水洗、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒留去し
た。得られた固体をエーテルにて洗浄、乾燥して目的物
7.6gを得た。
融点184℃〜185℃ (III)1−(1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−5
−メルカプトイミダゾール−4−カルボン酸エチル(例
示化合物No.10)の合成 5−クロロ−(1,3,4−チアジアゾール−2−イル)
イミダゾール−4−カルボン酸エチル7.4g(29mmol)を
N,N−ジメチルホルムアミド30mlに溶解し、水硫化ナト
リウム(70%含有)5.7g(71mmol)を加え60℃にて0.5
時間過熱した。放冷後氷水100mlを加え、濃塩酸にて酸
性にした。析出した固体を濾取、水洗、乾燥して目的物
6.3gを得た。
融点182℃〜185℃ [合成例2]例示化合物No.12の合成 (I)5−アミノ−(4−メチルピリジン−2−イル)
イミダゾール−4−カルボン酸の合成 実施例1に準じ、α−アミノシアノ酢酸エチル、オル
トギ酸エチルおよび2−アミノ−4−メチルピリジンを
原料として合成し、目的物13.4gを得た。
融点163℃〜164℃ (II)5−クロロ(4−メチルピリジン−2−イル)イ
ミダゾール−4−カルボン酸エチルの合成 実施例1に準じ、5−アミノ−(4−メチルピリジン
−2−イル)イミダゾール−4−カルボン酸エチルを原
料として合成し、目的物8.1gを得た。
融点100℃〜101℃ (III)1−(4−メチルピリジン−2−イル)−5−
メルカプトイミダゾール−4−カルボン酸エチル(例示
化合物No.12)の合成 実施例1に準じ、5−クロロ−(4−メチルピリジン
−2−イル)イミダゾール−4−カルボン酸エチルを原
料として合成し、目的物4.9gを得た。
融点85℃〜88℃ [合成例3]例示化合物No.18の合成 (I)5−アミノ−(4−メチルチアゾール2−イル)
イミダソール−4−カルボン酸エチルの合成 実施例1に準じ、α−アミノシアノ酢酸エチル、オル
トギ酸エチルおよび2−アミノ−4−メチルチアゾール
を原料として合成し、目的物11.5gを得た。
融点152℃〜155℃ (II)5−クロロ(4−メチルチアゾール2−イル)イ
ミダゾール−4−カルボン酸エチルの合成 実施例1に準じ、5−アミノ−(4−メチルチアゾー
ル2−イル)イミダゾール−4−カルボン酸エチルを原
料として合成し、目的物7.8gを得た。
融点98℃〜101℃ (III)1−(4−メチルチアゾール−2−イル)−5
−メルカプトイミダゾール−4−カルボン酸エチル(例
示化合物No.18)の合成 実施例1に準じ、5−クロロ(4−メチルチアゾール
−2−イル)イミダゾール−4−カルボン酸エチルを原
料として合成し、目的物5.7gを得た。
融点193℃〜195℃ 本発明の化合物はカブリ抑制剤として使用することが
でき、感光材料のハロゲン化銀乳剤層および隣接する親
水性コロイド層(中間層、フィルター層、ハレーション
防止層、保護層、下塗り層等)の少なくとも1層に含有
される。特に好ましい層としてはハロゲン化銀乳剤層で
ある。
本発明の化合物の添加量は、感光材料や化合物の種類
などにより一様ではないが、一般式[I]で表される化
合物は、ハロゲン化銀1モル当り0.01mg〜1,000mgの範
囲で用いるのが好ましく、より好ましくは0.05mg〜500m
gである。親水性コロイド層に対する添加量は塗布1m2
り0.1mg〜2,000mgの範囲で用いるのが好ましく、より好
ましくは10mg〜1,000mgである。
これらの化合物は水または親水性有機溶剤(例えばメ
タノール、ジメチルホルムアミド等)に溶解して所要の
構成層に添加される。
また、本発明の化合物の添加時期はハロゲン化銀乳剤
の場合、化学熟成中、化学熟成終了後、及び/又は乳剤
塗布直後に添加されるが、より好ましいのはハロゲン化
銀乳剤の化学熟成終了時である。
本発明に用いられる感光材料は、次の様々な種々のタ
イプの感光材料に適用できる。
例えば、汎用黒白用、X線記録用、製版用、カラーポ
ジ用、カラーネガ用、カラーペーパー用、反転カラー
用、直接ポジ用、熱現像用などの感光材料、あるいは表
面潜像型ハロゲン化銀粒子と内部カブリ核を有するハロ
ゲン化銀粒子とを用いた米国特許2,996,382号、同3,17
8,282号明細書に記載の方法による感光材料に用いるこ
とができるが、特に多層構成のカラー感光材料への適用
が有利である。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、ハロゲン化
銀として臭化銀、沃臭化銀、沃塩化銀、塩臭化銀、およ
び塩化銀等の通常のハロゲン化銀乳剤に使用される任意
のものを用いることができる。
ハロゲン化銀乳剤に用いられるハロゲン化銀粒子は、
粒子内において均一なハロゲン化銀組成分布を有するも
のでも、粒子の内部と表面層とでハロゲン化銀組成が異
なるコア/シェル粒子であってもよい。
ハロゲン化銀粒子は、潜像が主として表面に形成され
るような粒子であってもよく、また主として粒子内部に
形成されるような粒子でもよい。
ハロゲン化銀乳剤は、いかなる粒子サイズ分布を持つ
ものを用いても構わない。粒子サイズ分布の広い乳剤
(多分散乳剤と称する)を用いてもよいし、粒子サイズ
分布の狭い乳剤(単分散乳剤と称する)を単独又は数種
類混合してもよい。また、多分散乳剤と単分散乳剤を混
合して用いてもよい。
ハロゲン化銀乳剤は、別々に形成した2種以上のハロ
ゲン化銀乳剤を混合して用いてもよい。
該乳剤は常法により化学増感することができ、また、
増感色素を用いて所望の波長域に光学的に増感できる。
ハロゲン化銀乳剤には、カブリ防止剤、安定剤等を加
えることができる。該乳剤のバインダーとしては、ゼラ
チンを用いるのが有利である。
乳剤層、その他の親水性コロイド層は、硬膜すること
ができ、また、可塑剤、水不溶性または難溶性合成ポリ
マーの分散物(ラテックス)を含有させることができ
る。
カラー感光材料の乳剤層には、カプラーが用いられ
る。更に色補正の効果を有している競合カプラーおよび
現像主薬の酸化体とのカップリングによって現像促進
剤、漂白促進剤、現像剤、ハロゲン化銀溶剤、調色剤、
硬膜剤、カブリ剤、カブリ防止剤、化学増感剤、分光増
感剤および増感剤のような写真的に有用なフラグメント
を放出する化合物を用いることができる。
イエロー色素形成カプラーとしては、公知のアシルア
セトアニリド系カプラーを好ましく用いることができ
る。これらのうち、ベンゾイルアセトアニリド系及びピ
バロイルアセトアニリド系化合物は有利である。
マゼンタ色素形成カプラーとしては、5−ピラゾロン
系カプラー、ピラゾロアゾール系カプラー、ピラゾロベ
ンツイミダゾール系カプラー、閉鎖アシルアセトニトリ
ル系カプラー、インダゾロン系カプラー等を用いること
ができる。
シアン色素形成カプラーとしては、フェノールまたは
ナフトール系カプラーが一般的に用いられる。
感光材料には、フィルター層、ハレーション防止層、
イラジエーション防止層等の補助層を設けることができ
る。これらの層中および/または乳剤層中には現像処理
中に感光材料から流出するか、もしくは漂白される染料
が含有されてもよい。
感光材料には、マット剤、滑剤、画像安定剤、ホルマ
リンスカベンジャー、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、界面
活性剤、現像促進剤、現像遅延剤や漂白促進剤を添加で
きる。
支持体としては、ポリエチレン等をラミネートした
紙、ポリエチレンテレフタレートフィルム、バライタ
紙、三酢酸セルロース等を用いることができる。
本発明に用いられる感光材料を現像処理するには、公
知の方法が用いられる。処理温度は18℃から50℃の間で
用いられ、目的に応じて、黒白写真処理、リス型現像処
理あるいは色素像を形成すべきカラー写真処理のいずれ
も適用できる。また、熱現像用感光材料においては100
℃以上の温度で処理される。
[本発明の効果] カブリ抑制剤として用いられる本発明の化合物から選
ばれる少なくとも1つを、ハロゲン化銀乳剤層または隣
接する親水性コロイド層に添加含有させることにより、
経時保存中高温下あるいは高温・高湿下で貯蔵されても
カブリの発生が抑制されると共に、感度の低下や階調の
軟化をきたす恐れが少ない優れた写真感光材料が得られ
る。
[実施例] 以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する
が、これは本発明を説明するための一例であって、本発
明は、これらに限定されるものではない。
実施例−1 沃化銀3.0モル%を含む高感度ネガ用沃臭化銀乳剤を
金および硫黄増感法により最高感度まで化学熟成したの
ち、ハロゲン化銀1モル当り4−ヒドロキシ−6−メチ
ル−1,3,3a,7−テトラザインデン1.0gを添加して熟成を
停止させた。
得られた乳剤を13分割して1部をそのままブランク試
料とし、他の試料に下記第1表の如く本発明の化合物お
よび比較化合物を添加し、充分に吸着せしめたのち、塗
布助剤としてサポニンの適量および硬膜剤としてホルマ
リンの適量を添加して塗布用乳剤を調製した。
塗布用乳剤を下引済みのポリエステルベース上に銀量
が3g/m2になるように均一塗布してから乾燥して13種の
試料を作成した(No.1〜13)。
以上のように作製した写真材料をフレッシュ試料とし
て室温下で3日間放置したもの、温度55℃下に3日間お
よび温度50℃相対湿度80%下に3日間、それぞれ放置し
た強制劣化経時試料を作製した。
この後、通常のセンシトメトリー用ウェッジを用いて
露光を行い、次いで下記処理液[A]にて35℃で30秒の
現像を行い定着したのち、水洗乾燥して感度を測定し
た。
処理液[A](黒白写真感光材料用現像液) 1−フェニル−3−ピラゾリドン 1.5 g ハイドロキノン 30 g 5−ニトロインダゾール 0.25g 臭化カリウム 5 g 無水亜硫酸ナトリウム 55 g 水酸化カリウム 30 g 硼 酸 10 g グルタルアルデヒド(25%) 5 g 水を加えて全量を1とする。
得られた結果を第1表に示す。
但し、カブリ値はベース濃度を差し引いた値を示し、
感度値はカブリ値+0.5の位置の感度から、本発明の乳
剤のブランク試料(No.1)の自然放置3日のものを100
として表した相対感度で表し、ガンマは特性曲線上にお
ける直線部の傾斜で示してある。
上記第1表からも明らかな如く、本発明に係る試料
は、いずれも苛酷な保存条件下にも拘らず、カブリの発
生が抑えられ、フィルム保存下での安定性が改良されて
いることが判る。
実施例−2 実施例−1の方法に準じて高感度ネガ用沃臭化銀乳剤
を金および硫黄増感剤で最高感度まで化学熟成した。
次いで、緑感性増感色素として、アンヒドロ−5,5′
−ジフェニル−9−エチル−3,3′−ジ−γ−スルホプ
ロピルオキサカルボシアニンヒドロキシド・ナトリウム
塩の適量を加え、緑感性ハロゲン化銀乳剤を作製した。
次いで、ハロゲン化銀1モル当り、マゼンタカプラー
として、1−(2,4,6−トリクロロフェニル)−3−
[3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシアセトアミ
ド)ベンツアミド]−5−ピラゾロンを80g、カラード
マゼンタカプラーとして、1−(2,4,6−トリクロフェ
ニル)−4−(1−ナフチルアゾ)−3−(2−クロロ
−5−オクタデセニルサクシンイミドアニリノ)−5−
ピラゾロンを2.5gそれぞれ秤量してからトリクレジルホ
スフェート120g、酢酸エチル240mgを混合して加温溶解
し、次いでトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナト
リウム5gと7.5%ゼラチン水溶液550mlの溶液中に乳化分
散したカプラー溶液を前記の乳剤に添加した。
乳剤を分割して1部をそのままブランク試料とし、他
に下記第2表に示すように比較化合物及び本発明に係る
化合物を、それぞれ添加し、充分に吸着せしめたのち
に、ゼラチン硬膜剤として2−ヒドロキシ−4,8−ジク
ロロトリアジンナトリウムの適量を一律に添加して塗布
乳剤とした。
この塗布乳剤を銀が3.0g/m2になるように下引済みの
トリアセテートフィルム上に均一塗布乾燥して試料とし
た(No.14〜24)。
得られたフィルム試料は実施例−1と同様の強制劣化
試験を施してから、通常の方法でウェッジ露光し、下記
のカラー用処理工程に従いカラー現像した。
得られたピースから求めたカラーセンシトメトリー結
果を次の第2表に示す。
なお、表中のカブリはベース濃度を差し引いた値で、
感度はブランク試料の自然放置2日のもの(試料No.1
4)を100として表した場合の相対感度である。また、ガ
ンマは特性曲線上における直線部の傾斜で示した。
処理工程[処理温度38℃] 処理時間 発色現像 3分15秒 漂 白 6分30秒 水 洗 3分15秒 定 着 6分30秒 水 洗 3分15秒 安定化 1分30秒 乾 燥 各処理工程において使用した処理液組成は下記の如く
である。
[発色現像液] 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒ
ドロキシエチル)−アニリン硫酸塩 4.75g 無水亜硫酸ナトリウム 4.25g ヒドロキシルアミン1/2硫酸塩 2.0 g 無水炭酸カリウム 37.5 g 臭化ナトリウム 1.3 g ニトリロ三酢酸・3ナトリウム塩(1水塩) 2.5 g 水酸化カリウム 1.0 g 水を加えて1とし、水酸化ナトリウムを用いてpH1
0.6に調整する。
[漂白液] エチレンジアミン四酢酸鉄アンモニウム塩 100.0 g エチレンジアミン四酢酸2アンモニウム塩 10.0 g 臭化アンモニウム 150.0 g 氷酢酸 10.0 g 水を加えて1とし、アンモニア水を用いてpH6.0に
調整する。
[定着液] チオ硫酸アンモニウム 175.0 g 無水亜硫酸ナトリウム 8.6 g メタ亜硫酸ナトリウム 2.3 g 水を加えて1とし、酢酸を用いてpH6.0に調整す
る。
[安定化液] ホルマリン(37%水溶液) 1.5ml コニダックス(コニカ株式会社製) 7.5ml 水を加えて1とする。
第2表の結果から、本発明の化合物が、従来知られて
いる化合物と比べて、高温または高湿下での強制劣化試
験に対し感度低下のないカブリ抑制性が得られることが
判る。
実施例−3 セルローストリアセテートフィルム支持体上に下記に
示す組成の各層を順に設けて多層カラー感光材料試料を
作製した。ただし、第3層、第4表、第6層、第7層、
第9層および第10層のハロゲン化銀乳剤層には、下記に
示すような沃化銀含量の沃臭化銀乳剤を使用した。
第1層:ハレーション防止層 黒色コロイド銀を含むゼラチン層 第2層:中間層 ゼラチン層 第3層:赤感性低感度乳剤層 沃臭化銀乳剤 銀塗布量…179g/m2 増感色素I…銀1モルに対して 6×10-5モル 増感色素II…銀1モルに対して 3×10-5モル カプラーA…銀1モルに対して 0.06 モル カプラーC…銀1モルに対して 0.003モル カプラーD…銀1モルに対して 0.003モル トリクレジルホスフェート塗布量 0.3cc/m2 第4層:赤感性高感度乳剤層 沃臭化銀乳剤 銀塗布量…1.4g/m2 増感色素I…銀1モルに対して 3×10-5モル 増感色素II…銀1モルに対して 1.2×10-5モル カプラーF…銀1モルに対して 0.0125モル カプラーC…銀1モルに対して 0.0016モル トリクレジルホスフェート塗布量 0.2cc/m2 第5層:中間層 第2層と同じ 第6層:緑感性低感度乳剤層 沃臭化銀乳剤 銀塗布量…1.0g/m2 増感色素III…銀1モルに対して 3×10-5モル 増感色素VI…銀1モルに対して 1×10-5モル カプラーB…銀1モルに対して 0.08 モル カプラーM…銀1モルに対して 0.008 モル カプラーD…銀1モルに対して 0.0015モル トリクレジルホスフェート塗布量 1.4cc/m2 第7層:緑感性高感度乳剤層 沃臭化銀乳剤 銀塗布量…1.6g/m2 増感色素III…銀1モルに対して 2.5×10-5モル 増感色素VI…銀1モルに対して 0.8×10-5モル カプラーB…銀1モルに対して 0.02 モル カプラーM…銀1モルに対して 0.003モル トリクレジルホスフェート塗布量 0.8cc/m2 第8層:イエローフィルター層 ゼラチン水溶液中に黄色コロイド銀を含むゼラチン
層。
第9層:青感性低感度乳剤層 沃臭化銀乳剤 銀塗布量…0.5g/m2 カプラーY…銀1モルに対して 0.125モル トリクレジルホスフェート塗布量 0.3cc/m2 第10層:青感性高感度乳剤層 沃臭化銀乳剤 銀塗布量…0.6g/m2 カプラーY…銀1モルに対して 0.04モル トリクレジルホスフェート塗布量 0.1cc/m2 第11層:保護層 ポリメチルメタクリレート粒子(直径1.5μm)を含
むゼラチン層を塗布。
各層のカプラーはトリクレジルホスフェートと酢酸エ
チルの溶液にカプラーを添加し、乳化剤としてp−ドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウムを加えて加熱溶解
後、加熱した10%ゼラチン溶液と混合し、コロイドミル
で乳化したものを使用した。
各層には上記組成物の他に、ゼラチン硬化剤や界面活
性剤を添加した。
以上の如くして作製した試料をブランク試料(No.2
5)とした。
試料を作製するのに用いた化合物 増感色素I:アンヒドロ−5,5′−ジクロロ−3,3′−ジ−
(γ−スルホプロピル)−9−エチル−チアカルボシア
ニンヒドロキシド・ピリジウム他 増感色素II:アンヒドロ−9−エチル−3,3′−ジ(γ−
スルホプロピル)−4,5,4′,5′−ジベンゾチアカルボ
シアニンヒドロキシド・トリエチルアミン塩 増感色素III:アンヒドロ−9−エチル−5,5′−ジクロ
ロ−3,3′−ジ−(γ−スルホプロピル)オキサカルボ
シアニンヒドロキシド・ナトリウム塩 増感色素IV:アンヒドロ−5,6,5′,6′−テトラクロロ−
1,1′−ジエチル−3,3′−ジ(β−[β−(γ−スルホ
プロポキシ)エトキシ]エチルイミダゾロカルボシアニ
ンヒドロキシド・ナトリウム塩 前記の本発明に用いられるブランク試料の乳剤層は、
いずれも前記の増感色素を添加して後に熟成停止剤とし
て公知の4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テト
ラザインデンをハロゲン化銀1モル当り1g添加し、これ
をブランク乳剤としたものである。
次いで、本発明および比較用のカブリ防止剤を、それ
ぞれ第3表の如く添加してから、充分に吸着せしめた
後、前記の如くカプラー、トリクレジルホスフェート等
を添加して後に硬膜剤として2−ヒドロキシ−4,6−ジ
クロロトリアジンナトリウムの適量を加え調整して7種
の試料を重層塗布した。(No.26〜32) 得られた多層のカラー感光材料を実施例−2と同様の
強制劣化試験を施してから、通常のウェッジ露光をして
のち実施例−2と同様のカラー処理を行った。
得られたカラーセンシトメトリー結果を下記第3表に
示す。
なお表中のカブリはベース濃度を差引いた値を示し、
感度値はブランク試料(No.25)の赤感層、緑感層およ
び青感層の、それぞれの自然放置2日における感度を10
0として表した場合の相対感度で示している。
第3表の結果から、本発明に係る試料は、多層カラー
感光材料においても苛酷な保存ならびに30℃以上の高温
現像条件下にも拘らず各感光層のバランスも良く、感度
低下のないカブリ抑制性が得られることが明らかであ
る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[I]で表される化合物であること
    を特徴とするハロゲン化銀写真用カブリ抑制剤。 一般式[I] [式中、R1は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテ
    ロ環基を表し、R2、R3はそれぞれ水素原子、メルカプト
    基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリール
    オキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカ
    ルボニル基、カルボキシル基を表す。但し、R2、R3の少
    なくとも一方はメルカプト基である。]
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