JPH0689406B2 - 磁気特性の良好な方向性けい素鋼板の製造方法 - Google Patents
磁気特性の良好な方向性けい素鋼板の製造方法Info
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- JPH0689406B2 JPH0689406B2 JP2512490A JP2512490A JPH0689406B2 JP H0689406 B2 JPH0689406 B2 JP H0689406B2 JP 2512490 A JP2512490 A JP 2512490A JP 2512490 A JP2512490 A JP 2512490A JP H0689406 B2 JPH0689406 B2 JP H0689406B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、圧延方向に優れた磁気特性を有する一方向
性けい素鋼板の製造方法に関し、とくに素材として連鋳
スラブを用いた場合に懸念された加熱から熱間圧延に至
るまでの問題点の有利な解決策についての開発成果を開
示するものである。
性けい素鋼板の製造方法に関し、とくに素材として連鋳
スラブを用いた場合に懸念された加熱から熱間圧延に至
るまでの問題点の有利な解決策についての開発成果を開
示するものである。
(従来の技術) 方向性けい素鋼板は変圧器その他の電気機器の鉄心材料
として使用され、板面に{110}面、圧延方向に〈001〉
軸が揃った2次再結晶粒によって構成される。このよう
な結晶方位の2次再結晶粒を発達させるためには、イン
ヒビターとよばれるMnS,MnSe,AlNなどの微細析出物を鋼
中に分散させることにより、仕上げ焼鈍中における他の
方位の結晶粒の成長を効果的に抑制することが必要であ
る。インヒビターの分散形態のコントロールは熱間圧延
工程で行われ、スラブ加熱中に前記析出物を一旦固溶さ
せた後、適当な冷却パターンの熱間圧延を施すことによ
って達成される。
として使用され、板面に{110}面、圧延方向に〈001〉
軸が揃った2次再結晶粒によって構成される。このよう
な結晶方位の2次再結晶粒を発達させるためには、イン
ヒビターとよばれるMnS,MnSe,AlNなどの微細析出物を鋼
中に分散させることにより、仕上げ焼鈍中における他の
方位の結晶粒の成長を効果的に抑制することが必要であ
る。インヒビターの分散形態のコントロールは熱間圧延
工程で行われ、スラブ加熱中に前記析出物を一旦固溶さ
せた後、適当な冷却パターンの熱間圧延を施すことによ
って達成される。
ここにスラブ加熱は、インヒビターの量いよって異なる
ものの、通常1300℃以上の高温で行われるが、スラブ中
心まで充分な加熱を実現するためには、通常のガス燃焼
型加熱炉の場合、スラブ表面温度は1300℃を超えるのが
通例で、その際、多量の溶融スケールが発生し、これが
加熱炉の操業性を損なうと共にへげ穴当の表面欠陥の原
因となる。またインヒビターの完全固溶のために高温で
長時間の加熱を行うと、スラブ結晶粒が粗大化し、これ
に起因して最終製品において2次再結晶不良が発生し、
コイル長手方向や幅方向において磁性にばらつきが生じ
るという問題もあった。
ものの、通常1300℃以上の高温で行われるが、スラブ中
心まで充分な加熱を実現するためには、通常のガス燃焼
型加熱炉の場合、スラブ表面温度は1300℃を超えるのが
通例で、その際、多量の溶融スケールが発生し、これが
加熱炉の操業性を損なうと共にへげ穴当の表面欠陥の原
因となる。またインヒビターの完全固溶のために高温で
長時間の加熱を行うと、スラブ結晶粒が粗大化し、これ
に起因して最終製品において2次再結晶不良が発生し、
コイル長手方向や幅方向において磁性にばらつきが生じ
るという問題もあった。
上記の問題に対する解決策として、発明者は先に特開昭
60−145368号公報や特開昭62−10213号公報において、
けい素鋼スラブの高温加熱を効率的に行い得る、不活性
ガス雰囲気に制御可能な誘導加熱炉を利用した加熱方法
を提案している。この方法は、磁性のばらつきが少なく
表面形状の良好な製品を得る上で有効であり、特に特開
昭63−109115号公報に示したようにスラブを短時間で急
速加熱して1400℃以上に高めた場合に良好な磁性が得ら
れている。
60−145368号公報や特開昭62−10213号公報において、
けい素鋼スラブの高温加熱を効率的に行い得る、不活性
ガス雰囲気に制御可能な誘導加熱炉を利用した加熱方法
を提案している。この方法は、磁性のばらつきが少なく
表面形状の良好な製品を得る上で有効であり、特に特開
昭63−109115号公報に示したようにスラブを短時間で急
速加熱して1400℃以上に高めた場合に良好な磁性が得ら
れている。
しかしながらこの方法では、連続鋳造スラブを加熱する
場合に時々発生する局所的なスラブ溶融が問題となる。
すなわち、連鋳スラブの中心偏析部ではCをはじめS,Se
などの濃厚偏析があり、この部分の融点は他より低い。
そのため中心偏析度の高いスラブにおいてはその部分の
温度が固相線温度を超えると局所的な融解が始まり、こ
の状態でスラブを熱間圧延すると溶融部分が押し出さ
れ、圧延トラブルを招くことになる。
場合に時々発生する局所的なスラブ溶融が問題となる。
すなわち、連鋳スラブの中心偏析部ではCをはじめS,Se
などの濃厚偏析があり、この部分の融点は他より低い。
そのため中心偏析度の高いスラブにおいてはその部分の
温度が固相線温度を超えると局所的な融解が始まり、こ
の状態でスラブを熱間圧延すると溶融部分が押し出さ
れ、圧延トラブルを招くことになる。
(発明が解決しようとする課題) この発明は、連鋳スラブを誘導加熱方式によって短時間
に1380℃以上に加熱した場合にしばしば発生が懸念され
た上記熱延トラブルを効果的に解消すると同時に、電磁
特性を損なわない効率的なスラブ加熱方法を提案するこ
とを目的とする。
に1380℃以上に加熱した場合にしばしば発生が懸念され
た上記熱延トラブルを効果的に解消すると同時に、電磁
特性を損なわない効率的なスラブ加熱方法を提案するこ
とを目的とする。
(課題を解決するための手段) 上記の問題を解決するためには、スラブ鋳造時に中心偏
析をつくらないことが第一であるが、連続鋳造の実操業
においては、これは極めて難しく、多かれ少なかれ中心
偏析が存在する。そこで発明者は、スラブ誘導加熱の昇
温パターンを種々変えることにより、熱延トラブルを生
じない条件を検討した。
析をつくらないことが第一であるが、連続鋳造の実操業
においては、これは極めて難しく、多かれ少なかれ中心
偏析が存在する。そこで発明者は、スラブ誘導加熱の昇
温パターンを種々変えることにより、熱延トラブルを生
じない条件を検討した。
その結果、連鋳スラブを熱間圧延に先立ち、先ず燃焼ガ
ス加熱炉で予備加熱したのち、誘導加熱炉で高温加熱を
施すに際し、スラブ温度が平均温度で1300℃に達するま
で平均昇温速度:150℃/h以下で徐熱すると中心偏析層に
析出する不純物が解離、拡散して中心偏析が大幅に緩和
され、その後1380℃以上の高温に急加熱してもスラブ最
大温度が融解の始まる固相線温度以下であれば熱延トラ
ブルが発生することはなく、また電磁特性も向上するこ
とを見出した。
ス加熱炉で予備加熱したのち、誘導加熱炉で高温加熱を
施すに際し、スラブ温度が平均温度で1300℃に達するま
で平均昇温速度:150℃/h以下で徐熱すると中心偏析層に
析出する不純物が解離、拡散して中心偏析が大幅に緩和
され、その後1380℃以上の高温に急加熱してもスラブ最
大温度が融解の始まる固相線温度以下であれば熱延トラ
ブルが発生することはなく、また電磁特性も向上するこ
とを見出した。
この発明は、上記の知見に立脚するものである。
すなわちこの発明は、含けい素鋼連続鋳造スラブを、均
熱後、熱間圧延ついで一回又は中間焼鈍をはさむ2回の
冷間圧延を施して最終板厚としたのち、脱炭・1次再結
晶焼鈍を施し、さらに最終仕上げ焼鈍を施す一連の工程
よりなる一方向性けい素鋼板の製造方法において、 熱間圧延に先立ち、まず燃焼ガス加熱炉にて1000〜1250
℃の温度範囲で30min以上の予備加熱を施したのち、誘
導加熱炉にて1380℃以上の温度に5min以上加熱する均熱
処理を施すに当り、 予備加熱終了後、スラブ平均温度が1300℃に達するま
で、平均昇温速度:150℃/h以下の速度で加熱すること、 スラブ内の最大温度を固相線温度以下とすること からなる磁気特性の良好な方向性けい素鋼板の製造方法
である。
熱後、熱間圧延ついで一回又は中間焼鈍をはさむ2回の
冷間圧延を施して最終板厚としたのち、脱炭・1次再結
晶焼鈍を施し、さらに最終仕上げ焼鈍を施す一連の工程
よりなる一方向性けい素鋼板の製造方法において、 熱間圧延に先立ち、まず燃焼ガス加熱炉にて1000〜1250
℃の温度範囲で30min以上の予備加熱を施したのち、誘
導加熱炉にて1380℃以上の温度に5min以上加熱する均熱
処理を施すに当り、 予備加熱終了後、スラブ平均温度が1300℃に達するま
で、平均昇温速度:150℃/h以下の速度で加熱すること、 スラブ内の最大温度を固相線温度以下とすること からなる磁気特性の良好な方向性けい素鋼板の製造方法
である。
以下、この発明を具体的に説明する。
さてスラブ昇温パターンの制御によって中心偏析部の局
所的な融解が避けられることは、次の実験によって確か
められた。
所的な融解が避けられることは、次の実験によって確か
められた。
C:0.060wt%(以下単に%で示す)、Si:3.40%、Mn:0.0
80%、S:0.025%およびAl:0.025%を含有する連続鋳造
スラブから、中心偏析を含む小スラブ片を切り出し、ガ
ス燃焼型加熱炉にて1200℃、3hの予備加熱を施した。つ
いで誘導加熱炉に移送し、1200〜1300℃間を種々の昇温
速度で加熱したのち、均熱温度まで1000℃/hの速度で昇
温し、その温度に30min保持した。
80%、S:0.025%およびAl:0.025%を含有する連続鋳造
スラブから、中心偏析を含む小スラブ片を切り出し、ガ
ス燃焼型加熱炉にて1200℃、3hの予備加熱を施した。つ
いで誘導加熱炉に移送し、1200〜1300℃間を種々の昇温
速度で加熱したのち、均熱温度まで1000℃/hの速度で昇
温し、その温度に30min保持した。
なおスラブ均熱温度は(1)式から求まる固相線温度前
後の4条件で行い、均熱後のスラブ片は切断し、中心偏
析部で局所的な融解が起こったか否かを結晶組織観察に
よって判定した。
後の4条件で行い、均熱後のスラブ片は切断し、中心偏
析部で局所的な融解が起こったか否かを結晶組織観察に
よって判定した。
T=1536−{415.5(%C)+12.3(%Si)+6.8(%M
n) +124.5(%P)+183.9(%S)+4.3(%Ni) +4.1(%Al)} ……(1) (1)式は偏析がない場合の固相線温度を表す式で、上
記の成分系ではT=1463℃であるが、中心偏析部におい
てはそれぞれの成分濃度が大きくなるので、固相線温度
はこれよりも低くなる。
n) +124.5(%P)+183.9(%S)+4.3(%Ni) +4.1(%Al)} ……(1) (1)式は偏析がない場合の固相線温度を表す式で、上
記の成分系ではT=1463℃であるが、中心偏析部におい
てはそれぞれの成分濃度が大きくなるので、固相線温度
はこれよりも低くなる。
第1図は、この結果を示したもので、1200℃まで加熱
後、誘導加熱炉での1200〜1300℃間の平均昇温速度が15
0℃/h以下であれば、代表成分から定まる固相線温度以
下の加熱で、中心偏析部においても局所的な溶解が生じ
ないことが確認された。
後、誘導加熱炉での1200〜1300℃間の平均昇温速度が15
0℃/h以下であれば、代表成分から定まる固相線温度以
下の加熱で、中心偏析部においても局所的な溶解が生じ
ないことが確認された。
第2図は、上記成分のスラブ片を熱間圧延して2.2mm厚
の熱延板にしたのち、中間焼鈍を含む冷延2回法で(最
終冷延圧下率85%)0.23mm厚に仕上げたのち、常法に従
って処理して得た製品の磁束密度について調べた結果
を、1200〜1300℃間における平均昇温速度との関係で均
熱温度毎に示したものである。
の熱延板にしたのち、中間焼鈍を含む冷延2回法で(最
終冷延圧下率85%)0.23mm厚に仕上げたのち、常法に従
って処理して得た製品の磁束密度について調べた結果
を、1200〜1300℃間における平均昇温速度との関係で均
熱温度毎に示したものである。
同図より明らかなように、局所溶解を生じる昇温速度で
加熱した場合には磁束密度が低くなる傾向がみられる。
加熱した場合には磁束密度が低くなる傾向がみられる。
(作用) この発明の素材である含けい素鋼としては、従来公知の
成分組成いずれもが適合するが、代表組成を掲げると次
のとおりである。
成分組成いずれもが適合するが、代表組成を掲げると次
のとおりである。
C:0.020〜0.10%、 Cの範囲を0.020〜0.10%としたのは、熱間圧延中にα
+γ領域を通過させることによって熱延組織の改善を図
ることを意図したからであり、その適正範囲として定め
たものである。
+γ領域を通過させることによって熱延組織の改善を図
ることを意図したからであり、その適正範囲として定め
たものである。
Si:2.0〜4.0% Siは、鋼板の比抵抗を高め鉄損低減に有効であるが、4.
0%を上回ると冷延性が損なわれ、一方2.0%を下回ると
鉄損改善効果が弱まるだけでなく、純化と2次再結晶の
ために行われる最終高温焼鈍でα−γ変態によって結晶
方位がランダム化し、十分な特性が得られなくなる。
0%を上回ると冷延性が損なわれ、一方2.0%を下回ると
鉄損改善効果が弱まるだけでなく、純化と2次再結晶の
ために行われる最終高温焼鈍でα−γ変態によって結晶
方位がランダム化し、十分な特性が得られなくなる。
Mn:0.02〜0.15% Mnは、熱間脆化を生じない下限の量として少なくとも0.
02%が必要であり、上限の0.15%は主に経済的理由から
定めたものである。
02%が必要であり、上限の0.15%は主に経済的理由から
定めたものである。
S,SeおよびAlのうちから選んだ少なくとも一種:0.010〜
0.080% 上記した各成分はいずれも方向性けい素鋼板の2次再結
晶を制御するインヒビターとして有力な元素であり、抑
制力確保の観点からは少なくとも0.010%を必要とする
が、0.080%を超えるとかえってその添加効果が損なわ
れるので、0.010〜0.080%の範囲で添加することが望ま
しい。
0.080% 上記した各成分はいずれも方向性けい素鋼板の2次再結
晶を制御するインヒビターとして有力な元素であり、抑
制力確保の観点からは少なくとも0.010%を必要とする
が、0.080%を超えるとかえってその添加効果が損なわ
れるので、0.010〜0.080%の範囲で添加することが望ま
しい。
なおインヒビターとしては、上記したS,Se,Alの他に、S
b,Sn,As,Pb,Bi,Cu,MoおよびB等の粒界偏析元素が知ら
れているが、これらが共存するとき中心偏析指数に若干
の影響があるとしても、この発明の条件を大幅に変える
ことはなく、この発明の範囲に含まれるものである。な
おAlNをインヒビターとする場合1にバランスするN量
が必要になるのはいうまでもない。
b,Sn,As,Pb,Bi,Cu,MoおよびB等の粒界偏析元素が知ら
れているが、これらが共存するとき中心偏析指数に若干
の影響があるとしても、この発明の条件を大幅に変える
ことはなく、この発明の範囲に含まれるものである。な
おAlNをインヒビターとする場合1にバランスするN量
が必要になるのはいうまでもない。
次にこの発明では、上記の好適成分に調整した連鋳スラ
ブを、通常のガス燃焼型加熱炉に装入し1000〜1250℃の
温度範囲にて30min以上予備加熱する。これは誘導加熱
炉で急速短時間加熱を行う際の温度均一性を高めるため
に予め行うものであるが、1250℃を超えると表面のノロ
が溶け、外観や操業性を損なうことの他、スラブの垂れ
を生じ、誘導加熱炉への装入が難しくなるため、上記の
温度範囲に限定した。
ブを、通常のガス燃焼型加熱炉に装入し1000〜1250℃の
温度範囲にて30min以上予備加熱する。これは誘導加熱
炉で急速短時間加熱を行う際の温度均一性を高めるため
に予め行うものであるが、1250℃を超えると表面のノロ
が溶け、外観や操業性を損なうことの他、スラブの垂れ
を生じ、誘導加熱炉への装入が難しくなるため、上記の
温度範囲に限定した。
ついでガス炉から抽出したスラブを、直ちに誘導加熱炉
に装入し、インヒビターを完全に固溶させるべく1380℃
以上の高温加熱に供するが、このときの昇温パターンが
この発明における最も重要な要点である。すなわち誘導
加熱の利点は短時間急速高温加熱が可能なことである
が、固相線直下の高温まで急速加熱を行うと中心偏析部
で局所的な溶解が生じ、磁性が損なわれると共に熱延時
にトラブルが発生する。これを回避するためには、前掲
第1図に示したとおり、1300℃まで150℃/h以下の速度
で昇温すること肝要である。なお昇温速度の下限は特に
設ける必要はないけれども、工業的生産効率を考えた場
合には10℃/h以上とするのが望ましい。
に装入し、インヒビターを完全に固溶させるべく1380℃
以上の高温加熱に供するが、このときの昇温パターンが
この発明における最も重要な要点である。すなわち誘導
加熱の利点は短時間急速高温加熱が可能なことである
が、固相線直下の高温まで急速加熱を行うと中心偏析部
で局所的な溶解が生じ、磁性が損なわれると共に熱延時
にトラブルが発生する。これを回避するためには、前掲
第1図に示したとおり、1300℃まで150℃/h以下の速度
で昇温すること肝要である。なお昇温速度の下限は特に
設ける必要はないけれども、工業的生産効率を考えた場
合には10℃/h以上とするのが望ましい。
ここに徐熱温度範囲の上限を1300℃に定めた理由は、こ
の温度域を超えて徐熱すると中心偏析の解離拡散には有
効であっても結晶粒の粗大化が起こり電磁特性が損なわ
れるからである。
の温度域を超えて徐熱すると中心偏析の解離拡散には有
効であっても結晶粒の粗大化が起こり電磁特性が損なわ
れるからである。
またスラブ加熱温度の上限を固相線温度以下に定めたの
は、この温度を超えると第2図に示したように電磁特性
が劣化すると共に、熱延トラブルの発生頻度が高まるこ
とによる。
は、この温度を超えると第2図に示したように電磁特性
が劣化すると共に、熱延トラブルの発生頻度が高まるこ
とによる。
加熱後のスラブは、熱間圧延によって1.5〜3.0mm厚の熱
延鋼帯に仕上げたのち、インヒビター成分系に応じ1回
または中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延を施して0.15〜0.
35mmの製品厚に仕上げ、ついで常法に従って脱炭・1次
再結晶焼鈍、2次再結晶焼鈍および純化焼鈍を施して製
品とする。
延鋼帯に仕上げたのち、インヒビター成分系に応じ1回
または中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延を施して0.15〜0.
35mmの製品厚に仕上げ、ついで常法に従って脱炭・1次
再結晶焼鈍、2次再結晶焼鈍および純化焼鈍を施して製
品とする。
(実施例1) C:0.040%、Si:3.45%、Mn:0.08%、Se:0.025%およびS
b:0.030%を含有する連続鋳造スラブを、まずガス炉に
て1230℃、3hの予備加熱を施したのち、直ちに誘導加熱
炉に装入してから1300℃までを100℃/hおよび1000℃/h
の2条件で昇温し、ついで1450℃の昇温に20min保持す
る均熱処理を行った。
b:0.030%を含有する連続鋳造スラブを、まずガス炉に
て1230℃、3hの予備加熱を施したのち、直ちに誘導加熱
炉に装入してから1300℃までを100℃/hおよび1000℃/h
の2条件で昇温し、ついで1450℃の昇温に20min保持す
る均熱処理を行った。
その後、熱間圧延によって2.4mm厚の熱延板としたの
ち、1次冷延で0.65mm厚に仕上げ、ついで900℃、3min
の中間焼鈍を施した後、2次冷延によって0.23mmの最終
板厚に仕上げた。その後湿水素中で800℃、3minの脱炭
・1次再結晶焼鈍を施したのち、MgOを塗布してからH2
中で1200℃、10hの採取仕上げ焼鈍を施した。
ち、1次冷延で0.65mm厚に仕上げ、ついで900℃、3min
の中間焼鈍を施した後、2次冷延によって0.23mmの最終
板厚に仕上げた。その後湿水素中で800℃、3minの脱炭
・1次再結晶焼鈍を施したのち、MgOを塗布してからH2
中で1200℃、10hの採取仕上げ焼鈍を施した。
かくして得られた製品板の磁気特性について調べた結果
を表1に示す。
を表1に示す。
〔実施例2〕 C:0.062%、Si:3.35%、Mn:0.078%、S:0.027%、Al:0.
027およびN:0.0090%を含有する連続鋳造スラブを、ま
ずガス炉にて1200℃、3.5hの予備加熱を施したのち、直
ちに誘導加熱炉に装入してから1300℃までを100℃/hお
よび1000℃/hの2条件で昇温し、ついで1440℃の温度に
20min保持する均熱処理を行った。
027およびN:0.0090%を含有する連続鋳造スラブを、ま
ずガス炉にて1200℃、3.5hの予備加熱を施したのち、直
ちに誘導加熱炉に装入してから1300℃までを100℃/hお
よび1000℃/hの2条件で昇温し、ついで1440℃の温度に
20min保持する均熱処理を行った。
その後、熱間圧延によって2.3mm厚の熱延板としたの
ち、1次冷延で1.3mm厚に仕上げ、ついで1000℃、2min
の中間焼鈍を施した後、2次冷延によって0.23mmの最終
板厚に仕上げた。その後湿水素中で800℃、3minの脱炭
・1次再結晶焼鈍を施したのち、MgOを塗布してからH2
中で1200℃、10hの最終仕上げ焼鈍を施した。
ち、1次冷延で1.3mm厚に仕上げ、ついで1000℃、2min
の中間焼鈍を施した後、2次冷延によって0.23mmの最終
板厚に仕上げた。その後湿水素中で800℃、3minの脱炭
・1次再結晶焼鈍を施したのち、MgOを塗布してからH2
中で1200℃、10hの最終仕上げ焼鈍を施した。
かくして得られた製品板の磁気特性について調べた結果
を表2に示す。
を表2に示す。
(発明の効果) かくしてこの発明によれば、連鋳スラブを素材として一
方向性けい素鋼板を製造する場合に従来懸念された熱延
トラブルを効果的に解消して、磁気特性の優れた一方向
性けい素鋼板を安定して得ることができる。
方向性けい素鋼板を製造する場合に従来懸念された熱延
トラブルを効果的に解消して、磁気特性の優れた一方向
性けい素鋼板を安定して得ることができる。
第1図は、スラブの局所溶解に及ぼす昇温速度と均熱温
度との関係を示したグラフ、 第2図は、磁束密度B10値に及ぼす昇温速度の影響を均
熱温度をパラメータとして示したグラフである。
度との関係を示したグラフ、 第2図は、磁束密度B10値に及ぼす昇温速度の影響を均
熱温度をパラメータとして示したグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】含けい素鋼連続鋳造スラブを、均熱後、熱
間圧延ついで1回又は中間焼鈍をはさむ2回の冷間圧延
を施して最終板厚としたのち、脱炭・1次再結晶焼鈍を
施し、さらに最終仕上げ焼鈍を施す一連の工程よりなる
一方向性けい素鋼板の製造方法において、 熱間圧延に先立ち、まず燃焼ガス加熱炉にて1000〜1250
℃の温度範囲で30min以上の予備加熱を施したのち、誘
導加熱炉にて1380℃以上の温度に5min以上加熱する均熱
処理を施すに当り、 予備加熱終了後、スラブ平均温度が1300℃に達するま
で、平均昇温速度:150℃/h以下の速度で加熱すること、 スラブ内の最大温度を固相線温度以下とすること を特徴とする磁気特性の良好な方向性けい素鋼板の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2512490A JPH0689406B2 (ja) | 1990-02-06 | 1990-02-06 | 磁気特性の良好な方向性けい素鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2512490A JPH0689406B2 (ja) | 1990-02-06 | 1990-02-06 | 磁気特性の良好な方向性けい素鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03229823A JPH03229823A (ja) | 1991-10-11 |
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