JPH0689046B2 - 重合用反応器 - Google Patents

重合用反応器

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JPH0689046B2 JP61129344A JP12934486A JPH0689046B2 JP H0689046 B2 JPH0689046 B2 JP H0689046B2 JP 61129344 A JP61129344 A JP 61129344A JP 12934486 A JP12934486 A JP 12934486A JP H0689046 B2 JPH0689046 B2 JP H0689046B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、高い重合体濃度をもつ系において重合反応を
実施するに適する新しい着想に基く反応器に係る。
さらに詳述すれば、本発明は、上部ヘッド及び下部ヘッ
ドを具備すると共に、垂直方向の軸線を有する円筒状本
体を包含してなる反応器に係る。かかる反応器では、円
筒体の母線に一致して、円筒体の内部と押出機の本体
(垂直方向の軸線を有すると共に、反応器と一体となっ
ている)とを連通させる開口が設けられている。
重合体が有機溶媒の溶液中又は懸濁液中で生成される反
応法の場合には、重合反応器をできるだけ高い重合体濃
度で稼動させることが極めて有利であることは公知であ
る。このような操作法では、特に、反応器出口での重合
体の濃度が上昇する場合、消費するエネルギをかなり節
約できる。
しかしながら、エネルギ消費の節約を目的として、でき
るかぎり高い値まで重合体濃度を上昇させるために、こ
れまで多くの方法が提案されているが、これらはいずれ
も有効な経済上の効果をもたらしてはおらず、従って、
重合体が有機溶媒の懸濁液又は溶液中で生成される従来
の方法が、現在でも依然として、30重量%を越えない濃
度範囲において実施されている。これに対し、理論上で
は、エネルギ節約の目的を満足する条件は重合濃度60−
70重量%にあることが示唆されている。
このように、高重合体濃度の系で操作することが経済的
に有利でないとの現在までの結果のため、流動床での重
合法又は水性溶媒のエマルジョン又は懸濁液中での方法
がもっぱら採用されている。
しかしながら、水性溶媒中での操作では、たとえば使用
する触媒の種類(チーグラー・ナッタ、アニオン系触
媒、カチオン系触媒)に関する理由から、流動床での操
作では、たとえば生成する重合体の特性により、あるい
はいずれの場合にも、生成するエラストマーが極めて高
い粘着性を有するため、これらの実施は必ずしも可能で
ない場合も多い。これらの場合には、工業的規模での生
成は、現在までのところ、重合反応を有機溶媒(重合体
は溶解又は懸濁した状態で存在する)中で行なうことに
より実施されているが、重合体は上述の如き低濃度で生
成されるため、前述した欠点をすべて有している。
共役ジオレフィンの如き特殊な場合では、重合は、重合
反応温度を制御し、これにより、ゲルを含有せず又は実
質的に含有せず、制御された分子量を有する可溶性の直
線状重合体を得ることを目的として、炭化水素溶液中で
主として行なわれている。
これに反して、共役ジオレフィンの塊重合は、希釈剤の
不存在下、又は実質的に不存在下で行なわれるため、溶
液中で行なわれる従来の方法に比べて明らかな利点を有
するにも拘わらず、工業的実施に関しては、あまり重要
な進歩は見られない。
その理由は、適切な触媒系が確立されていないこと及び
/又は高粘度重合体塊状物を取扱う際の技術上、レオロ
ジー上及び熱交換に関する問題によって生ずる困難性に
ある。すなわち、反応熱は反応溶媒の蒸発潜熱として除
去されなかればならず、反応中の系から発生する蒸気
は、これに伴われて、反応器の出口ノズルを遮断するよ
うな量の重合体塊状物が運ばれるのを防止するため、中
位の速度で系から放出されなければならない。さらに、
重合体生成の過程で例外とならないような方法で反応条
件の正確な制御が可能でなければならない。
発明者らは、本発明に係る反応器において、共役ジオレ
フィンの塊重合を行なうことにより、上記欠点の解消が
達成でき、しかも、かかる反応器は他の利点、たとえば
自浄性等の他の利点を示すことを見出した。
このように、本発明の目的は、重合反応、特に共役ジオ
レフィンの塊重合又は塊共重合を、高重合体濃度の系に
おいて実施できる反応器を提供することにある。
本発明による反応器は、上部ヘッド及び下部ヘッドを具
備する垂直方向の軸線を有する円筒状の本体(円筒体)
1を包含し、この円筒体の母線に一致して開口2が設け
られ、これにより、円筒体の内部は押出機の本体3と連
通する。この押出機の本体も垂直方向の軸線を有し、反
応器と一体となっている。
図面を参照して述べれば、反応器は垂直方向の撹拌機を
具備しており、この撹拌機の軸は反応器の底部又は頂部
から反応器内に伸長している。この軸に1又はそれ以上
のアーム4が直角方向で固着され、それらは一定数の垂
直方向のブレード5を支持している。
かかるブレードは上から下に向ってテーパが付けられて
おり、撹拌機の回転方向に応じて反応器の底部に向って
推力を与える。
さらに、反応器は、撹拌機のブレード5の間の自由空間
に一致して1セット以上の固定ブレード6を具備する。
回転ブレード5と固定ブレード6の相対位置は、回転ブ
レードが開口2に対面する時、反応器の中心に近い位置
にある回転ブレードが周辺位置にある固定ブレードより
も先に対応する固定ブレードに達するような位置関係に
ある(第1図参照)。このような配置により、回転の
際、回転ブレードが開口2に相対する位置にある固定ブ
レードに達する時、反応器の内容物に対し常に周辺に向
かう推力、従って開口2に向かう推力を与える。
反応器の他の域においても、固定ブレードは、周辺への
全体の移送率に基いて同時に又は上述の様式で回転ブレ
ードと係合する。
撹拌機の軸は、反応系と接触しながら軸が回転する際に
発生しうるWeissenberg効果を回避する目的で、反応器
の下部ヘッドに一体化されたパイプで構成される外部ジ
ャケット11を具備する。
反応器は、軸ジャケットの近くの位置に、重合反応に使
用される触媒を供給するためのノズル7を有すると共
に、単量体(又は単量体と可能であれば溶媒)を供給す
るためのノズル8を有している。
さらに、反応熱を除去する目的で気化した反応溶媒を排
出するため(又は塊重合の場合には、常時、温度を制御
する目的で単量体の蒸気を排出するため)の排出ノズル
9、及び濃縮単量体溶液又は溶媒との混合物の状態で重
合体を取出すための取出ノズル10を有する。
押出機は単一スクリュー又はツインスクリュー押出機で
ある。かかるスクリューは、反応器からの重合体入口に
一致して運び出し域(この域は開口2の長さに少なくと
も等しい)及び押上げ域を提供するものである。
もちろん、反応器には、通常の測定装置、たとえば温度
測定用装置、反応している系の最大レベルを測定するた
めの装置等が存在する。
上述の反応器は、高重合体濃度(60重量%以下又はそれ
以下)の系において各種の重合反応を行なうために使用
される。
特殊な使用法としては、共役ジオレフィンの塊重合の場
合であり、これによれば、触媒は1又はそれ以上の単量
体を含有する単一の均一系に添加される。
このような重合反応に関する実施例について後述する。
かかる実施例から、本発明による反応器の詳細につい
て、より明確になるであろう。下記実施例は、操作の間
に、反応器内部で生ずる事実関係を明らかにすることを
目的とし、本発明を詳しく説明するためのものであり、
本発明の精神はこれに限定されない。
実施例 回転ブレード3個を1セットとして2セット及び固定ブ
レード2個を1セットとして3セットを具備する内径25
0mmの反応器(各ブレードの長さ300mm)を使用し、連続
法に従って、テストを行なった。このテストの間に、下
記組成を有するネオジム系触媒を使用して、溶媒の不存
在下でブタジエンを重合させた。
(a)ネオジムの酸化物、アルコラート、フェネート及
びカルボキシラート又はこれと他の希土類成分との混合
物から選ばれる少なくとも1のネオジム化合物、 (b)アルコール、フェノール及びカルボン酸の中から
選ばれる水酸基(アルコール性又はフェノール性)又は
カルボキシ基を含有する少なくとも1の有機化合物、 (c)少なくとも1の有機アルミニウム化合物又はその
相当する水素化誘導体、 (d)第2又は第3アルキルハロゲン化物、アリール又
はアルキルアリールハロゲン化物、有機酸のハロゲン化
物、金属又は有機金属ハロゲン化物、ハロゲン化水素及
びハロゲンの中から選ばれる少なくとも1のハロゲン化
合物。
特に、以下の如く調製された組成物を使用した。
すなわち、撹拌機及び熱交換器を具備する容積5の容
器に、窒素雰囲気下で、 95%酸化ネオジム(Nd2O3) 220g(0.62モル) ナフテン酸(酸度230) 945g(3.9モル) 98%塩化第3ブチル 180g(1.9モル) ワセリン油 2.8Kg 37%(重量)HCl水溶液 10ml を充填した。
この混合物を、容器内において、窒素雰囲気下、温度60
℃で3時間撹拌した。この時間の経過後、油状の混合物
を得た。
このようにして得られた混合物を、撹拌機を具備する容
積120の容器に充填した。この容器に、ワセリン油中
にモノ水素化ジイブチルアルミニウム0.8モル/を含
有する溶液50を充填した。
反応塊状物を、窒素雰囲気下、室温(約20℃)で2時間
撹拌した。
この時間の経過後、ネオジム、アルミニウム及び塩素を
下記濃度で含有してなる触媒溶液が得られた。
ネオジム :0.023(g原子/) アルミニウム :0.74 塩素 :0.034 これを重合に使用した。
撹拌機の速度を20ないし80回転/分の範囲で変化させる
と共に、温度(60℃)及び排出押出機の速度(80g/分)
を一定に維持することにより、重合体4ないし20kg/分
の範囲の各種の生産量でテストを行なった。
代表的な操作は下記の条件に相当する。
ブタジエンの供給量 55kg/時間 凝縮後、再循環されるブタジエン 35kg/時間 触媒の供給量 8mM/時間(Nd) 生産量 11kg/時間(重合体) 重合体のムーニー粘度 41±2 押出機出口における重合体濃度 約62% ポリブタジエンは単量体に不溶である、安定状態条件下
では、反応器内において、底部から上に向って下記の状
態が確立される。
−撹拌ブレードが前述の如く、下方に向かう推力を有す
るため、反応器の最下部分に形成される平衡条件下にあ
る単量体−膨潤重合体の層(固層) −極微量の重合体が溶解する単量体の層 −ガス頂部層 軸ジャケットの近くで供給された触媒は、回転ブレード
による作用のため、かかるジャケットを包囲する固層内
に均一に分散される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による反応器の横断面図、第2図は縦断
面図、及び第3図は撹拌ブレードを示す図である。 1……円筒体、2……開口、3……押出機、4……アー
ム、5……回転ブレード、6……固定ブレード、7……
触媒供給ノズル、8……単量体供給ノズル、9……排出
ノズル、10……取出ノズル、11……ジャケット。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高重合体濃度の反応系で重合を行うための
    重合用反応器において、上部ヘッド及び下部ヘッドを具
    備しかつ母線上に形成された開口を介して押出機と連通
    する垂直方向の軸線を有する円筒状本体を包含すると共
    に、垂直方向の攪拌機を具備し、この攪拌機の軸は該軸
    に直交する1以上のアームを支持し、該アーム自体垂直
    方向の回転ブレードを支持し、さらに、これら回転ブレ
    ードが占める空間以外の空間に位置する1セット以上の
    固定ブレードを、前記回転ブレードに対して、回転ブレ
    ードが開口に対面する時、反応器の中心に近い位置にあ
    る回転ブレードが周辺位置にある固定ブレードよりも先
    に対応する固定ブレードに達するような位置関係で配置
    して、回転の際、回転ブレードが開口に相対する位置に
    ある固定ブレードに達する時、反応器の内容物に対し常
    に開口に向かう推力を与えるようにしたことを特徴とす
    る、重合用反応器。
JP61129344A 1985-06-05 1986-06-05 重合用反応器 Expired - Fee Related JPH0689046B2 (ja)

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