JPH0688992B2 - γ−ブチロラクトンの精製方法 - Google Patents

γ−ブチロラクトンの精製方法

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JPH0688992B2
JPH0688992B2 JP25341085A JP25341085A JPH0688992B2 JP H0688992 B2 JPH0688992 B2 JP H0688992B2 JP 25341085 A JP25341085 A JP 25341085A JP 25341085 A JP25341085 A JP 25341085A JP H0688992 B2 JPH0688992 B2 JP H0688992B2
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悦和 大島
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三菱化成株式会社
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はγ−ブチロラクトンの精製法に関するものであ
る。
γ−ブチロラクトンは各種モノマー及びポリマーに対す
る優れた溶解性等、特徴のある物性を有し、しかもその
取扱いが容易であることから各種溶剤及び改良剤等に用
いられている。また、γ−ブチロラクトンは化学反応性
に富み、アンモニア、アミン、イオウ化合物との反応生
成物の他、加水分解反応物、酸化反応物、還元反応生成
物等のγ−ブチロラクトン誘導体を導き、抽出溶剤、医
薬中間体、農薬中間体、特殊可塑剤などの原料に用いら
れる。更にγ−ブチロラクトンはそれ自体の電気特性だ
けでなく、各種溶剤との組合せにより種々の有機電解質
特性を有し、コンデンサー電解質溶剤等の用途にも有効
である。
〔従来の技術〕
従来よりγ−ブチロラクトンは工業的には無水マレイン
酸またはその部分水素化物である無水コハク酸、コハク
酸等の水素化反応によつて製造され、得られる粗γ−ブ
チロラクトン中には中間生成物である無水コハク酸、コ
ハク酸ならびに反応副生物であるプロピオン酸、酪酸、
エナント酸等の有機酸類、プロパノール、ブタノール等
のアルコール類およびそれらのエステル等が含まれてい
る。しかしながら、用途によつては極く微量の水分及び
酸分の存在をも嫌い、高純度のγ−ブチロラクトンが要
求され、特に酸分は悪臭及びγ−ブチロラクトン誘導体
製造に悪影響を及ぼすなどの問題を有する。従来かかる
γ−ブチロラクトンの精製には専ら蒸留による処理が行
なわれているが、蒸留のみでは極めて精密にこれを行つ
ても満足すべき精製効果が得られず、特に有機酸類等の
酸分及び水分の除去が困難である。
このため、粗γ−ブチロラクトンを鉱酸で処理し、次い
でこれにアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩等のアルカリ
を加えて中和した後、蒸留する方法が提案されている。
(特公昭33-8662号) 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、上記の提案方法ではアルカリによつてγ
−ブチロラクトンが副反応を生起し、γ−オキシ酪酸あ
るいは4,4′−オキシ−2−酪酸のアルカリ塩が生成す
るため、γ−ブチロラクトン中の酸分は実質的除去され
ず、且つγ−ブチロラクトン損失により回収率が低下す
るという問題があつた。すなわち、本発明は、γ−ブチ
ロラクトン中の酸分及び水分を工業的有利に除去し、高
純度のγ−ブチロラクトンを取得することを目的とする
ものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等はかかる目的を達成すべく鋭意検討した結
果、予め高沸物を分離除去して得られるγ−ブチロラク
トンをアルカリ土類金属の水酸化物または酸化物で処理
した後蒸留する場合にはγ−ブチロラクトンの副反応が
抑制され、酸分及び水分の著しく少ないγ−ブチロラク
トンが得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨はγ−ブチロラクトンを蒸留精
製するにあたり、γ−ブチロラクトンを蒸留処理するこ
とによつて予め高沸点物を分離除去し、次いでアルカリ
土類金属の酸化物または水酸化物から選ばれた少なくと
も一種の化合物を添加し、熱処理した後、蒸留すること
を特徴とするγ−ブチロラクトンの精製法に存する。
以下、本発明につき更に詳細に説明する。
本発明に適用されるγ−ブチロラクトンは無水マレイン
酸またはその部分水素化物の気相または液相接触水素化
法、1,4−ブタンジオールの環化脱水素法、γ−ヒドロ
キシブチルアルデヒド、γ−ヒドロキシ酪酸の環化等の
種々の方法で製造されるが、特に無水マレイン酸または
その部分水素化物の接触水素化反応によつて得られる比
較的高沸点の酸分を多く含有するγ−ブチロラクトンに
適用するのが好適である。該無水マレイン酸の部分水素
化物としては無水コハク酸、コハク酸等が挙げられ、こ
れらの原料は単独または混合物として用いられる。水素
化反応に用いられる触媒としては所期の水素化活性を持
つ任意のものが使用可能であり、各種の助触媒で改良さ
れたニツケル触媒、コバルト触媒、パラジウム触媒及び
銅触媒等が知られている。水素化反応は1〜150kg/cm2
の反応圧力、100〜350℃の反応温度の条件下に液相また
は気相で行なわれる。該反応によつて得られる反応生成
物中にはγ−ブチロラクトン以外に、テトラヒドロフラ
ン、中間生成物である無水コハク酸及びコハク酸、なら
びに反応副生物であるプロパノール、ブタノール等のア
ルコール類、プロピオン酸、酪酸、エナント酸等の有機
酸類およびこれらのエステル類、高沸物、生成水等が含
有されている。
本発明方法は上記反応生成物を蒸留処理によつて高沸点
物を分離除去し、得られたγ−ブチロラクトンにアルカ
リ土類金属の酸化物または水酸化物を添加して熱処理し
た後、蒸留することにより、酸分及び水分の著しく少な
いγ−ブチロラクトンを取得することを特徴とするもの
である。
上記反応生成物からの高沸点物の蒸留分離は理論段数3
段以上の蒸留塔を用いて、通常減圧下、望ましくは300
〜500mmHg圧力下で蒸留して高沸点物を缶出させて分離
し、一方γ−ブチロラクトン分は塔頂あるいはサイドカ
ツトにより留出させて抜出すことにより行なわれる。得
られたγ−ブチロラクトン分はそのまま或いはさらに低
沸点物を分離した後、アルカリ土類金属の酸化物または
水酸化物を添加して熱処理を行う。該熱処理は熱処理釜
あるいは蒸留塔の釜のいずれで行つてもよい。該熱処理
を蒸留塔の釜で実施する場合には上記γ−ブチロラクト
ン分を蒸留塔に供給し、釜にアルカリ土類金属の酸化物
または水酸化物を添加して熱処理し、塔頂より低沸物を
留出させ、供給段より下部の側流より製品γ−ブチロラ
クトンを抜出すことにより行なうか、または上記γ−ブ
チロラクトン分より低沸点物を分離したγ−ブチロラク
トンを蒸留塔に供給し、釜にアルカリ土類金属の酸化物
または水酸化物を添加して熱処理し、γ−ブチロラクト
ンを留出させることにより実施される。
本発明方法において用いられるアルカリ土類金属の酸化
物または水酸化物としてはマグネシウム、カルシウム、
バリウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属の酸化
物または水酸化物が挙げられ、具体的には酸化マグネシ
ウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、水酸化マグネシ
ウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等が好適であ
る。これらの化合物は単独またはこれらの混合物のいず
れで用いてもよい。該アルカリ土類金属の酸化物または
水酸化物の添加量はごく少量あればよく、例えばγ−ブ
チロラクトン中に含有されている酸分1当量(コハク酸
として換算した値)に対して、通常1当量以上好ましく
は1〜20当量の範囲が好適である。上記添加物の添加方
法としては上記添加物の粉末を直接処理釜に添加しても
よいが、該添加物をγ−ブチロラクトンに懸濁させたス
ラリー状態で処理釜に連続的に供給するのが望ましい。
本発明においてはγ−ブチロラクトンに上記添加物を添
加した後、100〜250℃、望ましくは120〜250℃の温度
で、滞留時間として数分以上、望ましくは10分〜3時
間、熱処理した後、蒸留して製品γ−ブチロラクトンを
取得する。蒸留は減圧または常圧下に、回分式または連
続式の蒸留により行うことができる。上記熱処理を蒸留
塔で実施する場合には釜にγ−ブチロラクトンと上記添
加物を供給し、処理温度120℃〜250℃で熱処理しなが
ら、蒸留を行つてもよい。上記釜内に添加した添加物は
γ−ブチロラクトン中の有機酸と反応して有機酸塩を形
成して液体状態となり釜内の底部に滞留する。従つて、
γ−ブチロラクトンと上記添加物を連続的に供給してい
る場合には連続的にγ−ブチロラクトン中の有機酸と反
応して生成した該添加物塩は底部より抜出しが可能であ
る。しかしながら、処理温度が120℃以下では上記生成
塩の粘度が著しく高くなり抜出しができなくなるので、
処理温度を120℃以上で行うのが望ましい。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本
発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定さ
れるものではない。
実施例1 無水マレインを接触水素化反応して得られたγ−ブチロ
ラクトンを含有する反応生成物をまず高沸点分離塔(実
段数10段、塔頂温度165℃及び塔頂圧力320mmHgの条件)
にて高沸点物を塔底より抜出し、一方、留出液を低沸点
分離塔(実段数32段、塔底温度207℃及び塔底圧力765mm
Hgの条件)にて塔頂より低沸点物を留出させ、一方段数
2段目の側流よりγ−ブチロラクトンを抜出した。得ら
れたγ−ブチロラクトンは純度99.57重量%、酸分(コ
ハク酸として)1820ppm及び水分270ppmであつた。
単蒸留装置を取付けた容量500mlの3つ口フラスコに上
記γ−ブチロラクトン200重量部を仕込み、これに酸化
カルシウム粉末を0.83重量部添加し(これはγ−ブチロ
ラクトン中の酸分(コハク酸として)に対して4倍当量
に相当する。)、攪拌しながら昇温すると分散していた
酸化カルシウムは沸騰状態で液状になりフラスコ底部に
滞留していた。沸点(206℃)で5分間熱処理した後、
γ−ブチロラクトンを単蒸留で追い出した。留出物の酸
分及び水分の量は第1表に示す通りであつた。
実施例2〜4及び比較例1〜4 実施例1において、添加剤の種類及び添加量を第1表の
ように変えたこと以外は実施例1と同様にして行つた。
結果を第1表に示す。
比較例5 無水マレイン酸を接触水素化反応して得られたγ−ブチ
ロラクトンを含有する反応生成物を軽沸分離塔(実段数
20段、塔底温度212℃塔底圧力765mmHgの条件)にて、塔
頂より低沸点物を留出させ、一方塔底抜き出し液を高沸
分離塔(実段数20段、塔頂圧力252mmHg、塔頂温度169.5
℃の条件)にて塔頂よりγ−ブチロラクトンを抜き出し
た。得られたγ−ブチロラクトンは純度99.15%、酸分8
10ppm及び水分6500ppmであつた。
単蒸留装置を取り付けた容量500mlの3つ口フラスコに
上記γ−ブチロラクトン200重量部を仕込み、これに酸
化カルシウム粉末0.36重量部添加し(これはγ−ブチロ
ラクトン中の酸分(無水コハク酸に換算した値)に対し
て4倍当量に相当する)攪拌しながら昇温し、分散して
いた酸化カルシウムは沸騰状態で液状になりフラスコ底
部に滞留していた。沸点(206℃)で5分間熱処理した
後、γ−ブチロラクトンを単蒸留で追い出した。留出物
の酸分は、留出率15%の留分は、78ppm、それ以降の留
出成分(15%〜80%留出率の留分)は31ppmで、かつ水
分は7000ppmであつた。
〔発明の効果〕
本発明によれば、γ−ブチロラクトン中の酸分及び水分
を工業的有利に除去し、高純度のγ−ブチロラクトンを
得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】γ−ブチロラクトンを蒸留精製するにあた
    り、γ−ブチロラクトンを蒸留処理することによつて予
    め高沸点物を分離除去し、次いでアルカリ土類金属の酸
    化物または水酸化物から選ばれた少なくとも一種の化合
    物を添加し、熱処理した後、蒸留することを特徴とする
    γ−ブチロラクトンの精製方法
  2. 【請求項2】γ−ブチロラクトンが、無水マレイン酸ま
    たはその部分水素化物を接触水素化して得られたγ−ブ
    チロラクトンであることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項記載のγ−ブチロラクトンの精製方法
JP25341085A 1985-11-12 1985-11-12 γ−ブチロラクトンの精製方法 Expired - Fee Related JPH0688992B2 (ja)

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GB8618890D0 (en) * 1986-08-01 1986-09-10 Davy Mckee Ltd Process
DE3938121A1 (de) * 1989-11-16 1991-05-23 Basf Ag Verfahren zur abtrennung von (alpha)-butyrolacton aus gemischen, die bernsteinsaeurediethylester enthalten
EP1317013B1 (en) * 2001-07-10 2017-03-15 Mitsubishi Chemical Corporation Non-aqueous electrolyte and secondary cell using the same

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