JPH0688859B2 - セラミックスのマーキング方法 - Google Patents

セラミックスのマーキング方法

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JPH0688859B2
JPH0688859B2 JP63198595A JP19859588A JPH0688859B2 JP H0688859 B2 JPH0688859 B2 JP H0688859B2 JP 63198595 A JP63198595 A JP 63198595A JP 19859588 A JP19859588 A JP 19859588A JP H0688859 B2 JPH0688859 B2 JP H0688859B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明はセラミックスのマーキング方法、特にレーザ
光を用いてジルコニアセラミックスにマークを施す方法
の改良に関する。
[従来の技術] 従来、セラミックスにマークを施す方法として、セラミ
ックスの表面にインクや塗料をスタンプすること等によ
ってマークを施す方法、バイト等でセラミックスの表面
に切込みを入れ、或いはサンドブラストにより、いわゆ
る機械的にマークを施す方法、及びセラミックスの表面
をフッ酸等でエッチングする、いわゆる化学的にマーク
を施す方法、更には未焼成のセラミックスの表面に予め
凹凸のマークを施した後にそのセラミックスを焼成して
マークを得るという方法が知られていた。
[発明が解決しようとする課題] インクや塗料をスタンプすること等によってセラミック
スにマーキングする方法では、セラミックスにマーキン
グしたインクや塗料は剥離しやすく又光に弱いというこ
とから、マークそのものが長い間保持されないという問
題がある。又、マーキングのインクや塗料が付着した部
分は、インクや塗料の分だけ厚さが増す。従って、セラ
ミックスでブロックゲージをつくり、そのセラミックス
製のブロックゲージに規格表示をインクや塗料でマーキ
ングし、しかも複数個のブロックゲージをそのマーキン
グした面に重ねて用いる場合には、インクや塗料の厚さ
が加わり正しい寸法が得られないという問題が生じて来
る。
一方、機械的にマーキングする方法では、セラミックス
に応圧力や摩擦力といった力が加わって破損する場合が
生じるという問題がある。又、セラミックス自体は硬度
が高く、従ってマーキングに用いるバイトといった工具
の摩耗が大きいという問題もある。更に、マーキングし
た部分、つまりマークとその周囲とのコントラストが不
十分で、マークが読取りにくいという問題がある。
化学的にマーキングする方法としては、例えば酸やアル
カリを用いてエッチングする方法が考えられる。しか
し、セラミックスは化学的に極めて安定しており、エッ
チングによるマーキングがむつかしかったり、エッチン
グ条件がきびしく実用的ではないという問題があった。
未焼成のセラミックスに凹凸状にマーキングしてから焼
成する方法では、焼成前にすでにマークの内容が決って
しまい、焼成後にマーキングする必要がある場合、例え
ばOEM製品であって製品出荷直前に先方からマークが指
定されてマーキングする場合には、この方法を用いるこ
とができないという問題がある。又、肉厚が極めて薄
く、かつ寸法精度の高いセラミックスの場合には、未焼
成のセラミックスに凹凸状のマークを施し、その後に焼
成することに極めて煩雑な工程が要求され歩留りも悪い
という問題がある。更に、コントラストが悪いという問
題がある。
なお、機械的にマーキングする方法、化学的にマーキン
グする方法及び未焼成のセラミックスに予めマーキング
する方法におけるコントラストが悪いという問題を解決
するために、マーク部分である凹部に墨入れする方法が
考えられるが、墨入れすると工程数が増え、又墨入れし
た墨がセラミックスの面を越えて盛上がった場合、その
盛上がり分を除去する必要があり、作業が煩雑になると
いう問題がある。
そこで、この発明の発明者は、上述した諸問題を解決す
べく、焼成したセラミックスにレーザ光を照射してセラ
ミックスにマーキングすることを試みた。つまり本発明
者は、安定剤として3mol%の酸化イットリウム(Y2O3
等を含み表面が研磨されたジルコニア(ZnO2-Y2O3)に
レーザ光を照射してマーキングを試みた。このレーザ光
照射は、最初に連続波照射(CW照射)の出力が1Wで周波
数が8KHzであるレーザ光をQスイッチモードで、レーザ
光照射点の移動速さを22mm/secにして、被レーザ光照射
物上にレーザ光スポットの直径を約0.07mmとなるよう収
束させ、出力を徐々に増加させておこなった。連続照射
の出力を2Wに増加し、レーザ光をQスイッチモードに切
換えて照射したときにはじめて、ジルコニアの被レーザ
光照射面にところどころが薄茶色である凹状のマークを
認めることができた。連続照射の出力を更に増加して4W
にし、Qスイッチモードに切換えて照射すると線の太さ
と発色(薄茶色)が一様のマークを認めることができ
た。しかし、マークの刻印状態は一様であっても、発色
が薄茶色であって素地とのコントラストは不十分でマー
クとして満足できるといえるものではなかった。そこ
で、出力を増加してマークとして満足のできる素地との
コントラストがよくなる場合を求めると、Qスイッチモ
ードに切換えてレーザ光を照射すると連続照射で10W以
上の出力を必要とした。しかし、更に出力を30Wまで段
階的に増加してQスイッチモードでレーザ光を照射して
も不安定でマークの発色にムラが生じ、よいコントラス
ト状態は得られなかった。
又、出力が20W以上で連続的に使用すると、レーザ光照
射装置、殊に発光ランプに大きな負荷をかけ寿命を短く
するという問題がある。加えて、レーザ光照射の出力が
大きいことは消費電力が大きくなることを意味し、コス
ト高になるという点からも問題があった。
この発明は上述してきた事情に鑑みてなされたものであ
り、レーザ光照射の出力をより小さく、しかも素地に対
してコントラストの大きいマーキングが行ない得、これ
によってレーザ光照射装置、殊に発光ランプの寿命を長
もちさせ、又消費電力が小さくて済むセラミックスのマ
ーキング方法を提供するものである。
[課題を解決するための手段] この発明の発明者は、レーザ光照射の出力が小さくて済
むように、レーザ光照射の条件を種々設定しジルコニア
セラミックスへのレーザ光照射によるマーキングの実験
を行なった。その結果、ジルコニアセラミックスのマー
クを施すべき部位を特定の雰囲気にしてレーザ光を照射
すると、特定の雰囲気にしなかった場合に比べて、より
小さい出力で、しかも素地に対してよりコントラストが
十分であってマークとして満足といえるマーキングが得
られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかるセラミックスのマーキング方
法は、ジルコニアセラミックスのマークを施すべき部位
を不活性ガス雰囲気内に置く状態に保ち、前記マークを
施すべき部位にレーザ光を照射して該部位に暗色のマー
クを施すことを特徴とする。
又、本発明にかかるセラミックスのマーキング方法は、
ジルコニアセラミックスのマークを施すべき部位を減圧
の状態に保ち、前記マークを施すべき部位にレーザ光を
照射して該部位に暗色のマークを施すことを特徴とす
る。
そして、前記不活性ガス雰囲気下又は減圧下でのジルコ
ニアセラミックスに照射するレーザ光出力は数W〜20W
が好適である。
ここで、不活性ガスとしては、常温の窒素ガス(N2)、
ヘリウム(He)又はアルゴン(Ar)、又はこれらの混合
ガスが好適であり、経済性、入手の容易さ、取扱い易さ
からはN2がより好ましい。又、不活性ガスによる雰囲気
とは、具体的にはこれらのガスを被マーキング面に吹き
つけることにより得られる。この他の不活性ガスによる
雰囲気を得る手段として、被マーキング部位をガスで覆
う手段が考えられる。具体的には、密封チェンバ内に被
マーキング物であるセラミックスを入れ、この密封チェ
ンバに特定ガスを流込むことが挙げられる。
なお、被レーザ光照射物を特定雰囲気内に置き、レーザ
光を照射してレーザ加工を行なうものとして、ドライ方
式のレーザアシストエッチングが知られている。しか
し、レーザアシストエッチングはCl2,HClガス,HBrガ
ス,CF3Br,CF4などの反応性ガス中に被レーザ光加工物
を置き、しかも100〜数1000Paの圧力下でレーザ光照射
を行なうものであり、又加工目的はSi単結晶基板等のエ
ッチングである。つまり、Cl2、HClガス、HBrガスは、
そのままでは極めて危険であり、不活性ガス下に置く場
合に比較し特別な装置を必要とし、しかもエッチングを
加工目的としており、簡便にセラミックスにマーキング
する方法はまったく知られていない。
もう一つの雰囲気である減圧について、その程度は5〜
46cmHgが好適であり、取扱い上25〜35cmHgがより好まし
い。減圧下での具体的な加工方法としては、透明容器内
に被加工物のセラミックスを入れ、その透明容器内を真
空ポンプで約30cmHgに減圧してからレーザ光をセラミッ
クスに照射する手段が考え得る。
レーザ光は、CO2レーザ光、YAGレーザ光のいずれでもよ
い。しかし、レーザ光の発生装置について装置自体が大
掛かりではなくコンパクトであって、操作及び取扱いの
簡便性を考慮すると、YAGレーザ光発生装置をQモード
スイッチで用いるのが好ましい。
[実施例] 次に本発明のより具体的な実施例を図面に基づき説明す
る。しかし、この実施例によってこの発明が限定される
ものではない。
(実施例1) 第1図に、この発明に用いるマーキング装置1の構成を
示す。マーキング装置1は、Qスイッチ(図示省略)を
備えたYAGレーザ発生装置2からのレーザ光が、ミラー
3,4を経て被マーキング物(被加工物)であるセラミッ
クス5のマークを施すべき面6にほぼ垂直に照射するよ
うになっている。又、N2ガスを吹付けるノズル7は、セ
ラミックス5の面6に対して角度が約30〜60度の範囲で
可変に位置し、ノズル7の先端とセラミックス5の面6
との距離8は約3cmである。そして、送り手段9は、多
数のセラミックスをレーザ光照射位置に順次搬送し、レ
ーザ光照射によるセラミックスのマーキングを自動化さ
せるためのものである。
セラミックス5はセラミックス製ゲージブロックとさせ
るものであり、使用時に紛れることのない色彩というこ
とから白色で、且つ比較測定の主な対象となる鋼とほぼ
同じ熱線膨張係数を持たせるという目的から、3mol%の
酸化イットリウム(Y2O3)等を安定剤として含むジルコ
ニア(酸化ジルコニウム,ZrO2‐Y2O3)からできてい
る。なお、鋼の熱による線膨張係数は11.7×10-6/℃で
あり、セラミックス5のそれは約10.0×10-6/℃であ
る。なお、ゲージブロックがセラミックスからつくられ
ている場合には、錆びることがないことより防錆処理が
不用で素手で取扱えることより管理取扱いが簡便であ
り、又耐摩耗性が優れていることより信頼性が維持さ
れ、均一で緻密な組織であることより高い密着力が得ら
れ、更に打ち傷等を受けてもカエリが出にくいことより
ゲージブロック同士の密着に支障がない等の利点が得ら
れる。
以下、マーキング装置1を用いて、セラミックス5のマ
ーキング方法を説明する。送り手段9を作動して、セラ
ミックス5をレーザ光の照射位置に位置決めした。次
に、操作部10で、YAGレーザ発生装置2の出力を約3.8W
で周波数8KHzに、ミラー3,4によるレーザ光照射点の移
動の速さつまりスポットの移動速さを22mm/secにそれぞ
れセットした。又ノズル7をセラミックス5の面6に対
し約45度で位置させて、面6にノズル7の先端部分で約
0.50kg/cm2の圧力のN2ガスを吹付けた。この状態で、操
作部10を操作してYAGレーザ発生装置2をQスイッチモ
ードにして出力させてセラミックス5の面6にレーザ光
を照射し、途中からN2ガスの吹付けを停止した。なお、
マーキング装置1のレーザ光のスポット径は、0.07mmで
ある。
この時、セラミックス5の面6ではN2ガスを吹きつけな
がらレーザ光を照射した部分には黒色で素地の色である
白色に対して十分なコントラストを持った所定のマーク
が施され、N2ガスの吹付けのない部分には薄茶色で素地
に対して不十分なコントラストを持ったマークが施され
ていた。
ここで、セラミックスのマークを施すべき部分にN2ガス
を吹付けせずにYAGレーザ発生装置2の出力を増加させ
るだけで、前述のN2ガスを吹きつけることで黒色で素地
に対して十分なコントラストを持ったマークが施される
場合を求めてみた。セラミックスはYAGレーザ発生装置
2の出力を10Wにし、周波数を8KHzでレーザ光照射点の
移動の速さを22mm/secにして、Qスイッチモードでセラ
ミックスにレーザ光を照射したとき、幾分くすんだ黒色
で、素地に対して十分なコントラストのあるマークが得
られた。なお、YAGレーザ発生装置2の出力を8W以下に
し、他の条件を同じにしてセラミックスにQスイッチモ
ードでレーザ光を照射した場合には、薄茶色でそのごく
一部でところどころが黒色であるマークが得られた。
又、YAGレーザ発生装置2の出力を12〜32Wに切換え、他
の条件を全て同じにしてセラミックスにQスイッチモー
ドでレーザ光照射した場合には、一部が黒色で素地に対
してコントラストはよいが、他の一部が薄茶色であった
り或いは欠けた部分のあるマークが得られただけであっ
た。
加えて、セラミックスの面に吹付けるガスをN2からHe及
びArに変え、YAGレーザ発生装置2の出力を最初の3.8W
に戻しQスイッチモードとし、更に他の条件を同じにし
てセラミックスにレーザ光を照射したところ、同様に黒
色で素地に対してコントラストの十分なマークが得られ
た。セラミックスの被マーキング面に吹付けるガスをAr
とHeとの混合ガス、及びArとN2との混合ガスに変えてマ
ーキングを行なっても、得られたマークは黒色で素地に
対してコントラストの十分なものであった。
更に、N2ガスのセラミックスへの吹付けをノズル7の先
端部分での圧力を1.00kg/cm2にし、YAGレーザ発生装置
2の出力を徐々に低下させ、前半はセラミックスの被マ
ーキング面にN2ガスを吹付け、後半はN2ガスの吹付け停
止にしてQスイッチモードでレーザ光を複数個のセラミ
ックスに照射した。なおこの時、レーザの周波数は8KHz
でレーザ光照射点の移動の速さは22mm/secであった。こ
こで、YAGレーザ発生装置2の出力を3Wに低下させて
も、連続した黒色で素地に対して十分なコントラストを
持つマークが得られた。一方、全く同じ条件でN2ガスの
吹付けを停止した部分は、不連続でところどころが欠け
た薄茶色のマークが得られた。
YAGレーザ発生装置2の出力を10Wに保ち、N2ガスのセラ
ミックスへの吹付け圧力を徐々に低下させながら、複数
のセラミックスにQスイッチモードでレーザ光を照射し
た。ここで、N2ガスのセラミックスへの吹付けについ
て、ノズル7の先端部分での圧力が約0.40kg/cm2であっ
ても、所定通りの形状で黒色で素地に対して十分なコン
トラストのある理想的なマークが得られることがわかっ
た。
なお、この実施例で得られたマークにカーボンアーク燈
を用いた耐光試験(10年間相当分)を行なったが何ら変
化が生じず、マークはそのまま保たれた。
(実施例2) 第2図に、この実施例で用いるマーキング装置1aの構成
を示す。密封チェンバ11aには、ガスの供給口12aと排出
口13aが設けられている。上面には、透光性のガラス窓1
4aが備えられてある。
以下において、マーキング装置1aを用いたセラミックス
5aのマーキング方法を説明する。密封チェンバ11a内
に、実施例1で用いたと同じ種類のセラミックス(ZrO2
‐Y2O3)5aを置き、供給口12aからN2ガスを流した。こ
の状態で、操作部10aでYAGレーザ発生装置2aの出力を5W
で周波数を8KHzに、且つミラー3a,4aによるレーザ光照
射点の移動の速さを22mm/secにそれぞれセットした。こ
こでYAGレーザ発生装置2aをQスイッチモードにして出
力させて、セラミックス5aの面6aにレーザ光を照射し
た。密封チェンバ11a内からセラミックス5aを取出した
ところ、面6aには黒色で素地に対して十分なコントラス
トを持った所定のマークが認められた。
(実施例3) 第3図に、この実施例で用いる減圧装置15bの構成を示
す。広口ビン16bは、内側直径が50mmで肉厚が5mmのほぼ
円筒形の胴部を持ち、透光性ガラスからつくられてい
る。
以下において、セラミックス(ZrO2‐Y2O3)5b,5cのマ
ーキング方法を説明する。まず、広口ビン16b内で載置
台17bを組立てた後にセラミックス5bを載置台17bに載置
した。セラミックス5cは、そのまま広口ビン16b内の底
部に位置させた。この時、セラミックス5bのマークを施
すべき面6bは広口ビン16bの内側面上部からほぼ6mmに、
セラミックス5cのマークを施すべき面6cは広口ビン16a
の内側面上部からほぼ38mmの位置にあった。広口ビン 16bの口部(図示省略)を、減圧のためのパイプ18bの通
ったゴム栓19bで閉じた。次に、減圧ポンプ20bを作動さ
せバルブ21bを操作して広口ビン16b内の圧力を20cmHgに
減圧した。ここで、YAGレーザ発生装置(図示省略)の
出力を12.5Wで周波数8KHzとしレーザ光照射点の移動の
速さを20mm/secにセットして、Qスイッチモードにして
広口ビン16bのほぼ真上からセラミックス5cの面6cにレ
ーザ光を照射した。
更にYAGレーザ発生装置の出力を6Wにしてから、広口ビ
ン16bのほぼ真上からセラミックス5bの面6bにレーザ光
を照射した。この後、バルブ21bを操作して広口ビン16b
内の気圧を76cmHgにもどして、他の条件を全て同じにし
てセラミックス5bの面6bにレーザ光を照射した。
広口ビン16b内からセラミックス5b,5cを取出してみたと
ころ、セラミックス5cの面6cには、一部は欠けているが
黒色で素地に対してコントラストの十分なマークが認め
られた。
一方、セラミックス5bの面6bでは、20cmHgの減圧状態で
レーザ光を照射した部分には、ごく一部が欠けた黒色で
素地に対してコントラストの十分なマークが認められ
た。又、76cmHgの気圧状態でレーザ光を照射した部分に
は、薄茶色で素地に対してコントラストの不十分なマー
クが認められた。
減圧下でレーザ光照射されてできたマークの欠けた部分
を観察すると、広口ビン16bのレーザ光が透過してくる
部分に近く位置しているセラミックス5bの方が遠く位置
しているセラミックス5cよりマークの欠けた部分が少な
く、しかもそれぞれのマークの欠けている部分は筋状も
しくは島状となっていた。このことより、マークに欠け
た部分が生じたのは、広口ビン16bの肉厚が不均一であ
ること及びレーザ光が透過する広口ビン16bの胴部の曲
面形状が不均一であること等によって、セラミックス5
b,5cのそれぞれの面6b,6cに所定通りにレーザ光が到達
しなかったためと考えられる。
又、セラミックス5cの方がセラミックス5bよりマークの
欠けた部分が多いのは、広口ビン16bのレーザ光が透過
して来る部分から、セラミックス5cがより遠い位置にあ
るためにレーザ光の所定方向への進み方や集光性がより
大きくズレたためと考えられる。
従って、レーザ光の透過するガラス部分が例えば肉厚が
均一で極めてフラットなものであれば、上述した条件で
のレーザ光照射によって欠けた部分のない所定のマーク
が得られると考えられる。
この後、レーザ光の照射条件を出力が6Wで周波数が8KHz
でレーザ光照射点の移動の速さが20mm/secにして広口ビ
ン16b内の減圧の程度を変えてセラミックスに照射した
ところ、5〜46cmHgの気圧下においてもところどころ欠
けた部分はあるが黒色で素地に対して十分コントラスト
のあるマークを得ることができた。
なお、予めセラミックスを入れた広口ビン16b内を15cmH
gに減圧し、その後N2ガスを供給して広口ビン16b内を40
cmHgにしてから、上記セラミックスに出力が12.5Wで周
波数が8KHzでレーザ光照射点の移動の速さが20mm/secの
レーザ光をQスイッチモードで照射した。そのセラミッ
クスを広口ビン16bから取出してみたところ、セラミッ
クス5cの面6cに施されたマークと同様の黒色で素地に対
してコントラストのよいマークが認められた。
(実施例4) 実施例1で用いたマーキング装置1を用いて、安定化剤
として3mol%の酸化マグネシウムMgOを含むジルコニア
(酸化ジルコニウム、ZrO2‐MgO)にレーザ光を照射し
てマーキングすることを試みた。具体的には、送り手段
9に被加工物(被マーキング物)であるZrO2‐MgOの片
を載置し、YAGレーザ発生装置2の出力を6Wで周波数を8
KHzに、ミラー3,4によるレーザ光照射点の移動の速さを
22mm/secにそれぞれセットした。又、ノズル7をZrO2
MgOのマークを施すべき面(被加工面)に対して約45度
で位置させ、且つノズル7の先端部分と被加工面との距
離を3cmだけ隔てた状態にして、ノズル7の先端部分で
の圧力が約0.50kg/cm2のN2ガスを被加工面に吹付けた。
この状態で、YAGレーザ発生装置2をQモードスイッチ
にして出力させて、ZrO2‐MgOにレーザ光を照射し、途
中からN2ガスの吹付けを停止した。
ZrO2‐MgOをみたところ、被加工面に、N2ガスを吹付け
ながらレーザ光を照射した部分には黒色で素地の濃黄色
に対してコントラストの大きいマークが認められ、N2
スを吹付けずにレーザ光を照射した部分には素地と同色
のごくわずかに凹状筋のマークが認められた。
次に、N2ガスの吹付けのない状態でYAGレーザ発生装置
2の出力を増加させることだけで、簡単で十分に認めら
れるマークのできる条件を求めたところ、YAGレーザ発
生装置2の出力が23Wの時であった。しかし、ここでえ
られたマークは、幾分滲んだものであり、上記のN2ガス
の吹付けで得られたマークに比べて鮮明さは劣ってい
た。
更に、N2ガスを吹付けながらでのマーキングでは、YAG
レーザ発生装置2の出力が5Wであっても鮮明なマークが
得られた。
なお、実施例2〜4において本発明によって得られたマ
ークは全て、カーボンアーク燈を用いた耐光試験(10年
間相当分)で何の変化もなく、そのままの状態が保たれ
ていた。
以上のようにこの発明によって得られるマークはレーザ
光の照射によるものであってインクや塗料を用いるもの
ではないから、剥離したり光(熱線を含む)から影響を
受けることもなく、マークの分だけマークを施したもの
の肉厚が増すということはない。
同様に、この発明のマーキングはレーザ光を照射して行
なうものであるから、被マーキング物のセラミックスに
大きな応圧力や摩擦力が働くことがなく破損が生じると
いうことはない。
又、この発明は、焼成されたセラミックスに適応できる
ものであるから、所望時に適宜マークを付すことがで
き、加えて未焼成セラミックスの形状に条件を加えるも
のでないから歩留りがよくコストダウンが確保できる。
加えて、マーク部分にコントラストを得るため、墨入れ
をする必要がないことより、作業は簡便である。
この発明は、ジルコニアセラミックスのマークを施すべ
き部分を不活性ガスの雰囲気内に保つ、もしくは減圧さ
れた状態に保って、レーザ光を照射することによって、
単に大気圧下でレーザ光をセラミックスに照射しただけ
では、マークが得られなかったこと、或いはマークが得
られても、そのマークが素地に対して不十分なコントラ
ストであったり不完全であったことに対し、明瞭な色を
持ち、途切れた部分がなく、素地に対して十分なコント
ラストを有するマークが得られ、しかもレーザ発生装置
の出力が小さくて済むことにより、発光ランプの寿命が
確保できてコストが安価で済むセラミックスのマーキン
グ方法である。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明にかかるセラミックスのマ
ーキング方法によれば、ジルコニアセラミックスのマー
クを施すべき部位を不活性ガスの雰囲気下、或いは減圧
下に保ち、マークを施す部位にレーザ光を照射すること
としたので、レーザ光照射の出力を大きくすることな
く、ジルコニアセラミックス表面に明確なコントラスト
のマーキングを行なうことができる。
また、減圧の程度を5〜46cmHgとすることにより実用上
十分なコントラストを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の一実施例に用いるマーキング装置
にセラミックスをセットしたことを示す構成説明図、第
2図は、この発明の実施例2の第1図相当図、第3図
は、この発明の実施例3で用いる減圧装置にセラミック
スをセットしたことを示す構成説明図である。 1……マーキング装置、 2……YAGレーザ発生装置、 5……セラミックス、6……被マーキング面、 7……ノズル、11a……密封チェンバ、 12a……ガスの供給口、13a……ガスの排出口、 14a……ガラス窓、15b……減圧装置。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】略白色のジルコニアセラミックスのマーク
    を施すべき部位を不活性ガス雰囲気内に置く状態に保
    ち、前記マークを施すべき部位にレーザ光を照射して該
    部位に暗色のマークを施すことを特徴とするセラミック
    スのマーキング方法。
  2. 【請求項2】ジルコニアセラミックスのマークを施すべ
    き部位を減圧の状態に保ち、前記マークを施すべき部位
    にレーザ光を照射して該部位に暗色のマークを施すこと
    を特徴とするセラミックスのマーキング方法。
  3. 【請求項3】減圧の状態の度合いが5〜46cmHgであるこ
    とを特徴とする請求項2に記載のセラミックスのマーキ
    ング方法。
  4. 【請求項4】ジルコニアセラミックスのマークを施すべ
    き部位に照射するレーザ光の出力が数W〜20Wであるこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセラミッ
    クスのマーキング方法。
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