JPH0248485A - セラミックスのマーキング方法 - Google Patents

セラミックスのマーキング方法

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JPH0248485A
JPH0248485A JP19859588A JP19859588A JPH0248485A JP H0248485 A JPH0248485 A JP H0248485A JP 19859588 A JP19859588 A JP 19859588A JP 19859588 A JP19859588 A JP 19859588A JP H0248485 A JPH0248485 A JP H0248485A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明はセラミックスのマーキング方法、特にレーザ
光を用いてセラミックスにマークを施す方法の改良に関
する。
[従来の技術] 従来、セラミックスにマークを施す方法として、セラミ
ックスの表面にインクや塗料をスタンプすること等によ
ってマークを施す方法、バイト等でセラミックスの表面
に切込みを入れ、或いはサンドブラストにより、いわゆ
る機械的にマークを施す方法、及びセラミックスの表面
をフッ酸等でエツチングする、いわゆる化学的にマーク
を施す方法、更には未焼成のセラミックスの表面に予め
凹凸のマークを施した後にそのセラミックスを焼成して
マークを得るという方法が知られていた。
[発明が解決しようとする課題] インクや塗料をスタンプすること等によってセラミック
スにマーキングする方法では、セラミックスにマーキン
グしたインクや塗料は剥離しやすく又光に弱いというこ
とから、マークそのものが長い間保持されないという問
題がある。又、マーキングのインクや塗料が付着した部
分は、インクや塗料の分だけ厚さが増す。従って、セラ
ミックスでブロックゲージをつくり、そのセラミックス
製のブロックゲージに規格表示をインクや塗料でマーキ
ングし、しかも複数個のブロックゲージをそのマーキン
グした面に重ねて用いる場合には、インクや塗料の厚さ
が加わり正しい寸法が得られないという問題が生じて来
る。
一方、機械的にマーキングする方法では、セラミックス
に応圧力や摩擦力といった力が加わって破損する場合が
生じるという問題がある。又、セラミックス自体は硬度
が高く、従ってマーキングに用いるバイトといった工具
の摩耗が大きいという問題もある。更に、マーキングし
た部分、つまりマークとその周囲とのコントラストが不
十分で、マークが読取りにくいという問題かある。
化学的にマーキングする方法としては、例えば酸やアル
カリを用いてエツチングする方法が考えられる。しかし
、セラミックスは化学的に極めて安定しており、エツチ
ングによるマーキングがむつかしかったり、エツチング
条件がきびしく実用的ではないという問題があった。
未焼成のセラミックスに凹凸状にマーキングしてから焼
成する方法では、焼成前にすでにマークの内容が決って
しまい、焼成後にマーキングする必要がある場合、例え
ばOEM製品であって製品出荷直前に先方からマークが
指定されてマーキングする場合には、この方法を用いる
ことができないという問題がある。又、肉厚が極めて薄
く、力ぐつ寸法精度の高いセラミックスの場合には、未
焼成のセラミックスに凹凸状のマークを施し、その後に
焼成することに極めて煩雑な工程が要求され歩留りも悪
いという問題がある。更に、コントラストが悪いという
問題がある。
なお、機械的にマーキングする方法、化学的にマーキン
グする方法及び未焼成のセラミックスに予めマーキング
する方法におけるコントラストが悪いという問題を解決
するために、マーク部分である凹部に要人れする方法が
考えられるが、要人れすると工程数が増え、又要人れし
た墨かセラミックスの面を越えて盛上がった場合、その
盛上がり分を除去する必要があり、作業が煩雑になると
いう問題がある。
そこで、この発明の発明者は、上述した諸問題を解決す
べく、焼成したセラミックスにレーザ光を照射してセラ
ミックスにマーキングすることを試みた。つまり本発明
者は、安定剤として3m01%の酸化イツトリウム(Y
xOs)等を含み表面が研磨されたジルコニア(Z n
 O2−Y 203)にレーザ光を照射してマーキング
を試みた。このレーザ光照射は、最初に連続波照射(C
W照射)の出力がIWで周波数が8KHzであるレーザ
光をQスイッチモードで、レーザ光照射点の移動速さを
22 mm / secにして、被レーザ光照射物上に
レーザ光スポットの直径を約0.07mmとなるよう収
束させ、出力を徐々に増加させておこなった。連続照射
の出力を2Wに増加し、レーザ光をQスイッチモードに
切換えて照射したときにはじめて、ジルコニアの被レー
ザ光照射面にところどころが薄茶色である凹状のマーク
を認めることができた。
連続照射の出力を更に増加して4Wにし、Qスイッチモ
ードに切換えて照射すると線の太さと発色(薄茶色)が
−様のマークを認めることができた。
しかし、マークの刻印状態は一様であっても、発色が薄
茶色であって素地とのコントラストは不十分でマークと
して満足できるといえるものではなかった。そこで、出
力を増加してマークとして満足のできる素地とのコント
ラストがよくなる場合を求めると、Qスイッチモードに
切換えてレーザ光を照射すると連続照射でIOW以上の
出力を必要とした。しかし、更に出力を30Wまで段階
的に増加してQスイッチモードでレーザ光を照射しても
不安定でマークの発色にムラが生じ、よいコントラスト
状態は得られなかった。
又、出力が20W以上で連続的に使用すると、レーザ光
照射装置、殊に発光ランプに大きな負荷をかけ寿命を短
くするという問題がある。加えて、レーザ光照射の出力
か大きいことは消費電力が大きくなることを意味し、コ
スト高になるといつ点からも問題があった。
この発明は上述してきた事情に鑑みてなされたものであ
り、レーザ光照射の出力をより小さく、しかも素地に対
してコントラストの大きいマーキングが行ない得、これ
によってレーザ光照射装置、殊に発光ランプの寿命を長
もちさせ、又消費電力が小さくて済むセラミックスのマ
ーキング方法を提供するものである。
「課題を解決するための手段] この発明の発明者は、1ノーザ光照射の出力が小さくて
済むように、レーザ光照射の条件を種々設定しセラミッ
クスへのレーザ光照射によるマーキングの実験を行なっ
た。その結果、セラミックスのマークを施すべき部位を
特定の雰囲気にしてレーザ光を照射すると、特定の雰囲
気にしなかった場合に比べて、より小さい出力で、しか
も素地に対してよりコントラストが十分であってマーク
として満足といえるマーキングが得られることを見出し
、本発明に完成するに至った。
すなわち、本発明にかかるセラミックスのマーキング方
法は、セラミックスのマークを施すべき部位を不活性ガ
ス雰囲気内に置く状態に保ち、前記マークを施すべき部
位にレーザ光を照射することを特徴とする。
又、本発明にかかるセラミックスのマーキング方法は、
セラミックスのマークを施すべき部位を減圧の状態に保
ち、前記マークを施すべき部位にレーザ光を照射するこ
とを特徴とする。
ここで、不活性ガスとしては、常温の窒素ガス(N2)
、ヘリウム(He)又はアルゴン(A r)、又はこれ
らの混合ガスが好適であり、経済性、入手の容易さ、取
扱い易さからはN2がより好ましい。又、不活性ガスに
よる雰囲気とは、具体的にはこれらのガスを被マーキン
グ面に吹きつけることにより得られる。この他の不活性
ガスによる雰囲気を得る手段として、被マーキング部位
をガスで覆う手段が考えられる。具体的には、密封チェ
ンバ内に被マーキング物であるセラミックスを入れ、こ
の密封チェンバに特定ガスを流込むことが挙げられる。
なお、被レーザ光照射物を特定雰囲気内に置き、L/−
ザ光を照射してレーザ加工を行なうものとしで、ドライ
方式のレーザアシストエツチングが知られている。しか
し、レーザアシストエツチングはCI□、HCIガス、
HBrガス、CFaBr。
CF4などの反応性ガス中に被レーザ光加工物を置き、
しかも100〜数1000 P aの圧力下でレーザ光
照射を行なうものであり、又加工目的はSi単結晶基板
等のエツチングである。つまり、CI□、I(CIガス
、HBrガスは、そのままでは極めて危険であり、不活
性ガス下に置く場合に比較し特別な装置を必要とし、し
かもエツチングを加工目的としており、簡便にセラミッ
クスにマーキングする方法はまったく知られていない。
もう一つの雰囲気である減圧について、その程度は5〜
46cmHgが好適であり、取扱い上25〜35cmH
gがより好ましい。減圧下での具体的な加工方法として
は、透明容器内に被加工物のセラミックスを入れ、その
透明容器内を真空ポンプで約30emHHに減圧してか
らレーザ光をセラミックスに照射する手段が考え得る。
レーザ光は、CO2レーザ光、YAGレーザ光のいずれ
でもよい。しかし、レーザ光の発生装置について装置自
体が大掛かりではなくコンパクトであって、操作及び取
扱いの簡便性を考慮すると、YAGレーザ光発生装置を
Qモードスイッチで用いるのか好ましい。
[実施例] 次に本発明のより具体的な実施例を図面に基づき説明す
る。しかし、この実施例によってこの発明が限定される
ものではない。
(実施例1) 第1図に、この発明に用いるマーキング装置1の構成を
示す。マーキング装置1は、Qスイッチ(図示省略)を
備えたYAGレーザ発生装置2からのレーザ光が、ミラ
ー3,4を経て被マーキング物(被加工物)であるセラ
ミックス5のマークを施すべき面6にほぼ垂直に照射す
るようになっている。又、N2ガスを吹付けるノズル7
は、セラミックス5の面6に対して角度が約30〜60
度の範囲で可変に位置し、ノズル7の先端とセラミック
ス5の面6との距離8は約3cmである。そして、送り
手段9は、多数のセラミックスをレーザ光照射位置に順
次搬送し、レーザ光照射によるセラミックスのマーキン
グを自動化させるためのものである。
セラミックス5はセラミックス製ゲージブロックとさせ
るものであり、使用時に紛れることのない色彩というこ
とから白色で、且つ比較測定の主な対象となる鋼とほぼ
同じ熱線膨張係数を持たせるという目的から、3m01
%の酸化イツトリウム(Y2O2)等を安定剤として含
むジルコニア(酸化ジルコニウム、  Z r 02 
 Y20a)からできている。なお、鋼の熱による線膨
張係数は11.7xlO−’/’Cであり、セラミック
ス5のそれは約10.0xlO−’/℃である。なお、
ゲージブロックがセラミックスからつくられている場合
には、錆びることがないことより防錆処理が不用で素手
で取扱えることより管理取扱いが簡便であり、又耐摩耗
性が優れていることより信頼性が維持され、均一で緻密
な組織であることより高い密着力が得られ、更に打ち傷
等を受けてもカエリが出にくいことよりゲージブロック
同士の密着に支障がない等の利点が得られる。
以下、マーキング装置1を用いて、セラミックス5のマ
ーキング方法を説明する。送り手段9を作動して、セラ
ミックス5をレーザ光の照射位置に位置決めした。次に
、操作部10で、YAGレーザ発生装置2の出力を約3
,8Wで周波数8KHzに、ミラー3,4によるレーザ
光照射点の移動の速さつまりスポットの移動速さを22
w/secにそれぞれセットした。又ノズル7をセラミ
ックス5の面6に対し約45度で位置させて、面6にノ
ズル7の先端部分で約0.50kg/cm2の圧力のN
2ガスを吹付けた。この状態で、操作部10を操作して
YAGレーザ発生装置2をQスイッチモードにして出力
させてセラミックス5の面6にレーザ光を照射し、途中
からN2ガスの吹付けを停止した。なお、マーキング装
置1のレーザ光のスポット径は、0.07mmである。
この時、セラミックス5の面6ではN2ガスを吹きつけ
なからレーザ光を照射した部分には黒色で素地の色であ
る白色に対して十分なコントラストを持った所定のマー
クが施され、N2ガスの吹付けのない部分には薄茶色で
素地に対して不十分なコントラストを持ったマークが施
されていた。
ここで、セラミックスのマークを施すべき部分にN2ガ
スを吹付けせずにYAGレーザ発生装置2の出力を増加
させるだけで、前述のN、ガスを吹きつけることで黒色
で素地に対して十分なコントラストを持ったマークが施
される場合を求めてみた。セラミックスはYAGレーザ
発生装置2の出力をIOWにし、周波数を8KHzでレ
ーザ光照射点の移動の速さを22 mm/secにして
、Qスイッチモードでセラミックスにレーザ光を照射し
たとき、幾分くすんだ黒色で、素地に対して十分なコン
トラストのあるマークが得られた。なお、YAGレーザ
発生装置2の出力を8W以下にし、他の条件を同じにし
てセラミックスにQスイッチモードでレーザ光を照射し
た場合には、薄茶色でそのごく一部でところどころが黒
色であるマークが得られた。又、YAGレーザ発生装置
2の出力を12〜32Wに切換え、他の条件を全て同じ
にしてセラミックスにQスイッチモードでレーザ光照射
した場合には、一部が黒色で素地に対してコントラスト
はよいが、他の一部が薄茶色であったり或いは欠けた部
分のあるマークが得られたたけであった。
加えて、セラミックスの面に吹付けるガスをN2からH
e及びArに変え、YAGレーザ発生装置2の出力を最
初の3.8Wに戻しQスイッチモードとし、更に他の条
件を同じにしてセラミックスにレーザ光を照射したとこ
ろ、同様に黒色で素地に対してコントラストの十分なマ
ークが得られた。セラミックスの被マーキング面に吹付
けるガスをArとHeとの混合ガス、及びArとN2と
の混合ガスに変えてマーキングを行なっても、得られた
マークは黒色で素地に対してコントラストの十分なもの
であった。
更に、N2ガスのセラミックスへの吹付けをノズル7の
先端部分での圧力を1.00kg/cm2にし、YAG
レーザ発生装置2の出力を徐々に低下させ、前半はセラ
ミックスの被マーキング面にN2ガスを吹付け、後半は
N2ガスの吹付は停止にしてQスイッチモードでレーザ
光を複数個のセラミックスに照射した。なおこの時、レ
ーザの周波数は8KHzでレーザ光照射点の移動の速さ
は22 mm / secであった。ここで、YAGレ
ーザ発生装置2の出力を3Wに低下させても、連続した
黒色で素地に対して十分なコントラストを持つマークが
得られた。一方、全く同じ条件でN2ガスの吹付けを停
止した部分は、不連続でところどころが欠けた薄茶色の
マークが得られた。
YAGレーザ発生装置2の出力をIOWに保ち、N2ガ
スのセラミックスへの吹付は圧力を徐々に低下させなが
ら、複数のセラミックスにQスイッチモードでレーザ光
を照射した。ここで、N2ガスのセラミックスへの吹付
けについて、ノズル7の先端部分での圧力が約0.40
kg/Cm’であっても、所定通りの形状で黒色で素地
に対して十分なコントラストのある理想的なマークが得
られることがわかった。
なお、この実施例で得られたマークにカーボンアーク燈
を用いた耐光試験(10年間相当分)を行なったが何ら
変化が生じず、マークはそのまま保たれた。
(実施例2) 第2図に、この実施例で用いるマーキング装置1aの構
成を示す。密封チェンバllaには、ガスの供給口12
aと排出口13aが設けられている。上面には、透光性
のガラス窓14aが備えられである。
以下において、マーキング装置1aを用いたセラミック
ス5aのマーキング方法を説明する。密封チェンバll
a内に、実施例1で用いたと同じ種類のセラミックス(
ZrO2Y2Oり5aを置き、供給口12aからN2ガ
スを流した。この状態で、操作部10aでYAGレーザ
発生装置・2aの出力を5Wで周波数を8KHzに、且
つミラー3a、4aによるレーザ光照射点の移動の速さ
を22 mm/ secにそれぞれセットした。ここで
YAGレーザ発生装置2aをQスイッチモードにして出
力させて、セラミックス5aの面6aにレーザ光を照射
した。密封チェンバlla内からセラミックス5aを取
出したところ、面6aには黒色で素地に対して十分なコ
ントラストを持った所定のマークが認められた。
(実施例3) 第3図に、この実施例で用いる減圧装置15bの構成を
示す。広口ビン16bは、内側直径が50mmで肉厚が
5mmのほぼ円筒形の胴部を持ち、透光性ガラスからつ
くられている。
以下において、セラミックス(Z r 02  Y2O
3)5b、5cのマーキング方法を説明する。まず、広
口ビン16b内で載置台17bを組立てた後にセラミッ
クス5bを載置台17bに載置した。セラミックス5c
は、そのまま広口ビン16b内の底部に位置させた。こ
の時、セラミックス5bのマークを施すべき面6bは広
口ビン16bの内側面上部からほぼ6mmに、セラミッ
クス5cのマークを施すべき面6Cは広口ビン16aの
内側面上部からほぼ38mmの位置にあった。 広口ビ
ン16bの口部(図示省略)を、減圧のためのバイブ1
8bの通ったゴム栓19bで閉じた。次に、減圧ポンプ
20bを作動させバルブ21bを操作して広口ビン16
b内の圧力を20cmHgに減圧した。ここで、YAG
レーザ発生装置(図示省略)の出力を12.5Wで周波
数8KHzとしレーザ光照射点の移動の速さを20 m
m / seeにセットして、Qスイッチモードにして
広口ビン16bのほぼ真上からセラミックス5cの面6
cにレーザ光を照射した。
更にYAGレーザ発生装置の出力を6Wにしてから、広
口ビン16bのほぼ真上からセラミックス5bの面6b
にレーザ光を照射した。この後、バルブ21bを操作し
て広口ビン16b内の気圧を76cmHgにもどして、
他の条件を全て同じにしてセラミックス5bの面6bに
レーザ光を照射した。
広口ビン16b内からセラミックス5b、5cを取出し
てみたところ、セラミックス5Cの面6Cには、一部は
欠けているが黒色で素地に対j7てコントラストの十分
なマークが認められた。
一方、セラミックス5bの面6bでは、20cmHgの
減圧状態でレーザ光を照射した部分には、ごく一部が欠
けた黒色で素地に対してコントラストの十分なマークが
認められた。又、76cmHgの気圧状態でレーザ光を
照射した部分には、薄茶色で素地に対してコントラスト
の不十分なマークが認められた。
減圧下でレーザ光照射されてできたマークの欠けた部分
を観察すると、広口ビン16bのレーザ光が透過してく
る部分に近く位置しているセラミックス5bの方が遠く
位置しているセラミックス5cよりマークの欠けた部分
が少なく、しかもそれぞれのマークの欠けている部分は
筋状もしくは島状となっていた。このことより、マーク
に欠けた部分が生じたのは、広口ビン16bの肉厚が不
均一であること及びレーザ光が透過する広口ビン1、6
 bの胴部の曲面形状が不均一であること等によって、
セラミックス5b、5cのそれぞれの面6b、6cに所
定通りにレーザ光が到達しなかったためと考えられる。
又、セラミックス5Cの方がセラミックス5bよりマー
クの欠けた部分が多いのは、広口ビン16bのレーザ光
が透過して来る部分から、セラミックス5Cがより遠い
位置にあるためにレーザ光の所定方向への進み方や集光
性がより大きくズしたためと考えられる。
従って、レーザ光の透過するガラス部分が例えば肉厚が
均一で極めてフラットなものであれば、−ヒ述した条件
でのレーザ光照射によって欠けた部分のない所定のマー
クが得られると考えられる。
この後、レーザ光の照射条件を出力が6Wで周波数が8
KHzでレーザ光照射点の移動の速さが20 mm /
 secにして広口ビン16b内の減圧の程度を変えて
セラミックスに照射したところ、5〜46cmHgの気
圧下においてもところどころ欠けた部分はあるが黒色で
素地に対して十分コントラストのあるマークを得ること
ができた。
なお、予めセラミックスを入れた広口ビン16b内を1
5cmHgに減圧し、その後N2ガスを供給して広口ビ
ン16b内を40cmHgにしてから、上記セラミック
スに出力が12.5Wで周波数が8 K Hzでレーザ
光照射点の移動の速さが20 mm/ seeのレーザ
光をQスイッチモードで照射した。そのセラミックスを
広口ビン16bから取出してみたところ、セラミックス
5cの面6cに施されたマークと同様の黒色で素地に対
してコントラストのよい・マークが認められた。
(実施例4) 実施例1で用いたマーキング装置1を用いて、安定化剤
として3mo1%の酸化マグネシウムMg0を含むジル
コニア(酸化ジルコニウム、ZrO2Mg0)にレーザ
光を照射してマーキングすることを試みた。具体的には
、送り手段9に被加工物(被マーキング物)であるZr
O□−Mg00片を載置し、YAGレーザ発生装置2の
出力を6Wで周波数を8KHzに、ミラー3,4による
レーザ光照射点の移動の速さを22 mm / sec
にそれぞれセットした。又、ノズル7をZrO□−Mg
Oのマークを施すべき面(被加工面)に対して約45度
で位置させ、且つノズル7の先端部分と被加工面との距
離を3cmだけ隔てた状態にして、ノズル7の先端部分
での圧力が約0.50kg/Cm2のN2ガスを被加工
面に吹付けた。この状態で、YAGレーザ発生装置2を
Qモードスイッチにして出力させて、ZrO2MgOに
レーザ光を照射し、途中からN2ガスの吹付けを停止し
た。
Z r O2M g Oをみたところ、被加工面に、N
2ガスを吹付けなからレーザ光を照射した部分には黒色
で素地の濃黄色に対してコントラストの大きいマークが
認められ、N2ガスを吹付けずにレーザ光を照射した部
分には素地と同色のごくわずかに凹状筋のマークが認め
られた。
次に、N2ガスの吹付けのない状態でYAGレーザ発生
装置2の出力を増加させることだけで、簡単で十分に認
められるマークのできる条件を求めたところ、YAGレ
ーザ発生装置2の出力が23Wの時であった。しかし、
ここでえられたマークは、幾分滲んだものであり、上記
のN2ガスの吹付けで得られたマークに比べて鮮明さは
劣っていた。
更に、N2ガスを吹付けながらでのマーキングでは、Y
AGレーザ発生装置2の出力が5Wであっても鮮明なマ
ークが得られた。
(実施例5) 実施例1で用いたマーキング装置1を用いて、TPSS
 (S iC+S i)にレーザ光を照射してマーキン
グすることを試みた。
YAGレーザ発生装置2の出力を17.5Wで、周波数
を8KHzで、レーザ光照射点の移動の速さを10 m
m/secにそれぞれセットし、ノズル7の先端部分で
の圧力が約0 、 50 Kg/cm”であるN2ガス
を45度の角度で約3cm隔てているTPSSに吹付け
ながら、Qスイッチモードで出力させてTPSSにレー
ザ光を照射した。TPSSのレーザ光照射面を見たとこ
ろ、濃灰色の素地に対しても十分にコントラストがあっ
て、マークとして認められる黒色のマークが得られた。
N2ガスを吹付けずに、他の条件を全く同じにしてTP
SSにレーザ光を照射したところ、不明瞭な筋状のマー
クが得られた。N2ガスの吹付けなしで、YAGレーザ
発生装置2の出力を32.5Wまで上げて他の条件を同
一にしてQスイッチモードでTPSSにレーザ光照射を
試みたが不明瞭な筋状のマークが得られただけで、−見
して簡単にマークとして認められるものは得られなかっ
た。
(実施例6) 実施例1で用いたマーキング装置1を用いて、ニオブ酸
リチウム(LiNbOs)にレーザ光を照射してマーキ
ングすることを試みた。
YAGレーザ発生装置2の出力を3.5Wで、周波数を
8KHzでレーザ光照射点の移動の速さを10 mm/
secにそれぞれセットし、ノズル7の先端部分での圧
力が約0 、 50 Kg/cm2であるN2ガスを4
5度の角度で約3cm隔てているニオブ酸リチウムに吹
付けなからQスイッチモードで出力させてレーザ光を照
射した。次に、N2ガスの吹付けを停止し、他の条件を
全て同じにしてレーザ光を照射した。ニオブ酸リチウム
の被加工面(被マーキング面)でN2ガスの吹付は状態
でレーザ光を照射した部分には、黒色で素地のスリガラ
ス色に対して十分なコントラストのあるマークが認めら
れた。しかし、N2ガスの吹付けなしでレーザ光を照射
した部分には、灰色でところどころが途切れて不明瞭な
マークが認められた。
なお、実施例2〜6において本発明によって得られたマ
ークは全て、カーボンアーク燈を用いた射光試験(10
年間相当分)で何の変化もなく、そのままの状態が保た
れていた。
以上のようにこの発明によって得られるマークはレーザ
光の照射によるものであってインクや塗料を用いるもの
ではないから、剥離したり光(熱線を含む)から影響を
受けることもなく、マークの分だけマークを施したもの
の肉厚が増すということはない。
同様に、この発明のマーキングはレーザ光を照射して行
なうものであるから、被マーキング物のセラミックスに
大きな応圧力や摩擦力が働くことがなく破損が生じると
いうことはない。
又、この発明は、焼成されたセラミックスに適応できる
ものであるから、所望時に適宜マークを付すことができ
、加えて未焼成セラミックスの形状に条件を加えるもの
でないから歩留りがよくコストダウンが確保できる。
加えて、マーク部分にコントラストを得るため、墨入れ
をする必要がないことより、作業は簡便である。
この発明は、セラミックスのマークを施すべき部分を不
活性ガスの雰囲気内に保つ、もしくは減圧された状態に
保って、レーザ光を照射することによって、単に大気圧
下でレーザ光をセラミックスに照射しただけでは、マー
クが得られなかったこと、或いはマークが得られても、
そのマークが素地に対して不十分なコントラストであっ
たり不完全であったことに対し、明瞭な色を持ち、途切
れた部分がなく、素地に対して十分なコントラストを有
するマークが得られ、しかもレーザ発生装置の出力が小
さくて済むことにより、発光ランプの寿命が確保できて
コストが安価で済むセラミックスのマーキング方法であ
る。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明にかかるセラミックスのマ
ーキング方法によれば、セラミックスのマークを施すべ
き部位を不活性ガスの雰囲気下、或いは減圧下に保ち、
マークを施す部位にレーザ光を照射することとしたので
、レーザ光照射の出力を大きくすることなく、セラミッ
クス表面に明確なコントラストのマーキングを行なうこ
とができる。
また、減圧の程度を5〜46cmHgとすることにより
実用上十分なコントラストを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の一実施例に用いるマーキング装置
にセラミックスをセットしたことを示す構成説明図、第
2図は、この発明の実施例2の第1図相当図、第3図は
、この発明の実施例3で用いる減圧装置にセラミックス
をセットしたことを示す構成説明図である。 1・・・マーキング装置、 2・・・YAGレーザ発生装置、 5・・・セラミックス、   6・・・被マーキング面
、7・・・ノズル、     11a・・・密封チェン
バ、12a・・・ガスの供給口、13a・・・ガスの排
出口、14a・・・ガラス窓、 15b・・・減圧装置。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、セラミックスのマークを施すべき部位を不活性ガス
    雰囲気内に置く状態に保ち、前記マークを施すべき部位
    にレーザ光を照射することを特徴とするセラミックスの
    マーキング方法。 2、セラミックスのマークを施すべき部位を減圧の状態
    に保ち、前記マークを施すべき部位にレーザ光を照射す
    ることを特徴とするセラミックスのマーキング方法。 3、減圧の状態の度合いが5〜46cmHgであること
    を特徴とする請求項2に記載のセラミックスのマーキン
    グ方法。
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