JPH0688791B2 - タップ密度の低い酸化ジルコニウム微粉末の製造方法 - Google Patents

タップ密度の低い酸化ジルコニウム微粉末の製造方法

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JPH0688791B2
JPH0688791B2 JP35549192A JP35549192A JPH0688791B2 JP H0688791 B2 JPH0688791 B2 JP H0688791B2 JP 35549192 A JP35549192 A JP 35549192A JP 35549192 A JP35549192 A JP 35549192A JP H0688791 B2 JPH0688791 B2 JP H0688791B2
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    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01GCOMPOUNDS CONTAINING METALS NOT COVERED BY SUBCLASSES C01D OR C01F
    • C01G25/00Compounds of zirconium
    • C01G25/02Oxides

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化ジルコニウム微粉
末の製造方法に係り、特にかさ密度、タップ密度の極め
て小さな分散性に優れた酸化ジルコニウム微粉末の製造
方法に関し、フアインセラミックス製造分野、特にエレ
クトロニクス用フアインセラミクス製造分野において広
く利用される。
【0002】
【従来の技術】酸化ジルコニウム粉は、エレクトロニク
ス用フアインセラミツクスなどの原料として使用され
る。このような用途に使用される酸化ジルコニウム粉
は、純度が高く、粒径が微小で、かつ粒度分布がシャ−
プであり、更にかさ密度、タップ密度が小さく、凝集粒
子が少なくて分散性の良いことが求められている。ジル
コニウム塩水溶液をアルカリ処理して水酸化ジルコニウ
ム沈殿を作り、これを仮焼して酸化ジルコニウムにする
方法等の従来技術で得られた酸化ジルコニウム粉は、一
般に一次粒子及び二次粒子が強く凝集した粗大粒子を含
んでいるので、そのままでは上記の用途に使用できな
い。そこで、このような凝集粒子を含む酸化ジルコニウ
ム粉を粉砕することによって微細な粉末を得ようとする
と、長時間の粉砕操作を要し、しかも粉砕装置から不純
物が混入する恐れがあるほか、粒度の分布幅が広く、か
つ凝集力が非常に強く分散が困難な粉末となってしま
う。更に、このような方法で得られた酸化ジルコニウム
粉末はかさ密度、タップ密度の高い粉になるのが通常で
ある。
【0003】これに対して2次粒子の凝集性を緩和させ
てソフトな粉を作る方法としてUSP-2564522が知られて
いる。これはジルコニウム塩水溶液に硫酸または硫酸塩
を溶解して加熱することにより不溶性の塩基性硫酸ジル
コニウム沈殿を生成させ、これを分離後に仮焼して酸化
ジルコニウムの微粉を得る方法である。ここで得られる
酸化ジルコニウムはジルコニウム塩水溶液のアルカリ中
和により得られた水酸化ジルコニウムを仮焼して得られ
た酸化ジルコニウムに比較すると数段凝集力が弱く、ボ
−ルミル等で数時間粉砕することにより1μm程度にす
ることは可能である。処がこれらの方法で得られた酸化
ジルコニウム粉はいずれも重く、タップ密度1g/mlを越
すものであった。かさ密度、タップ密度の低い酸化ジル
コニウムを製造する方法としては特開平1−27051
5が提案されている。すなわち、ジルコニウム塩水溶液
に硫酸アンモニウムを溶解し、この水溶液を撹拌せずに
加熱昇温して塩基性硫酸ジルコニウム沈殿を生成し、こ
のスラリ−を急速にアンモニア水で中和することにより
得られた水酸化ジルコニウムを分離して仮焼した後軽く
粉砕することにより、かさ密度0.28〜0.42g/ml
の酸化ジルコニウム微粉が得られ、この粉のタップ密度
を測定すると0.7〜1.0g/mlとなり、従来技術で得
られた酸化ジルコニウム粉よりかさ密度、タップ密度の
低い粉が得られている。
【0004】しかし技術の進歩に伴い特にタップ密度に
ついてはより低い水準の粉が求められるようになり、従
来これに応えることは困難であった。かくのごとく、従
来公知の方法では、かさ密度、タップ密度が著しく小さ
く、不純物が少なく、粒径が微小かつ粒度分布がシャ−
プな酸化ジルコニウム粉末を得ることが困難であった。
なお、ここで言う「かさ密度」はJISK5101顔料試験方法
に定められたカサ測定法により求められた値E(ml/g)の
逆数(単位g/ml)を指し、「タップ密度」は某製作所製
・振とう比重測定機KPS-409を使用して円筒シリンダ−
に入れた粉を5mmの高さから300回落下させたときの
密度(単位g/ml)を指すものとする。また粒径は特に断
らない限りマイクロトラックにより測定した平均粒径
(D50μm)を指すものとする。
【0005】〔発明が解決しようとする問題点〕本発明
の目的は、上記従来法の欠点を排除して、粒径が微小で
粒度分布がシャ−プで分散性が良く、不純物が少なく、
かつ、かさ密度、タップ密度の極めて低い酸化ジルコニ
ウム微粉末の効果的な製造方法を提供するにある。
【0006】〔問題点を解決するための手段および作
用〕本発明の要旨とするところは次のとおりである。す
なわち、 (1)水溶性ジルコニウム化合物を水に溶解し加熱昇温
する段階と、該溶液を撹拌しながら硫酸アンモニウム溶
液を添加して不溶性の塩基性硫酸ジルコニウム沈殿が懸
濁したスラリ−を得る段階と、当該スラリ−をアルカリ
性物質で処理した後水酸化ジルコニウムを分離する段階
と、前記水酸化ジルコニウムを仮焼した後粉砕する段階
と、を有して成る酸化ジルコニウム微粉末の製造方法に
おいて、前記水溶性ジルコニウム塩溶液濃度を硫酸アン
モニウム溶液添加後の全容に対してZrO2として20〜8
0g/l、溶液温度を70℃以上に調整する段階と、前記
硫酸アンモニウム溶液濃度が20〜600g/l,硫酸ア
ンモニウム溶液量がSO4として酸化ジルコニウム1モル
当り0.42〜0.55モルとなるように調整する段階
と、前記水溶性ジルコニウム化合物を撹拌しながら硫酸
アンモニウム水溶液を添加混合して塩基性硫酸ジルコニ
ウム沈殿スラリ−を生成させる段階と、前記スラリ−を
アルカリ性物質によって中和した後濾過、洗浄して塩基
性硫酸ジルコニウムから硫酸根を脱離して水酸化ジルコ
ニウムに変化させる段階と、を有することを特徴とする
タップ密度の低い酸化ジルコニウム微粉末の製造方法。 (2)前記水溶性ジルコニウム化合物を水に溶解し加熱
昇温した溶液を撹拌しながら硫酸アンモニウム溶液を添
加する工程に要する時間を2〜25分に調整することを
特徴とする上記(1)に記載のタップ密度の低い酸化ジ
ルコニウム微粉末の製造方法。
【0007】先ず、本発明を得るに至った経過ならびに
技術思想について説明する。一般にジルコニウム塩水溶
液を出発原料として酸化ジルコニウムの粉を生成する場
合、得られる酸化ジルコニウム粉の基本的性質であるタ
ップ密度、粒径及び粒度分布等は水溶液から得られる固
体ジルコニウム化合物沈殿の性質、すなわち構造に依存
するところが大きい。水溶液から沈殿分離したジルコニ
ウム化合物が微細であると、これを焼成して得られた酸
化ジルコニウムは微細な粉となり、また水溶液から沈殿
させるジルコニウム化合物の生成条件によりタップ密度
も変化するものである。本発明者らは、生成した酸化ジ
ルコニウム粉2次凝集粒子が微粒子で形が不均一である
と、タップ密度が小さくなるのではないかと推定して、
このような酸化ジルコニウム粉になるような水酸化ジル
コニウムを作る方法を研究した結果、上記要旨の如き方
法によりタップ密度の低い優れた酸化ジルコニウム微粉
末を得ることができた。
【0008】本発明の工程において70℃に加熱したジ
ルコニウム塩水溶液に硫酸アンモニウム水溶液を添加す
ると、溶液の混合が起こると同時に塩基性硫酸ジルコニ
ウムの沈殿が生成する。ここに生成する塩基性硫酸ジル
コニウムの組成、分子量は決まったものではない。水溶
液の中ではジルコニウムに対してSO4が結合しながら架
橋を作りZrO2が多数結合して次第に分子量が大きくな
り、限度を越えると不溶性の沈殿となる反応を行ってい
るのであり、溶解しているジルコニウム化合物も分子量
の比較的小さな様々な塩基性硫酸ジルコニウムを形成し
ており、分子量が大きくなって沈殿形成した塩基性硫酸
ジルコニウムでもその中に結合しているZrO2とSO4の比
率は様々に変化するのである。ジルコニウム塩水溶液と
硫酸アンモニウム水溶液の全量が瞬時に混合するとか、
予め均一に混合された溶液を均一に加熱していく場合、
例えば撹拌しながら加熱する場合にはジルコニウム塩と
硫酸アンモニウムとの反応は比較的均一に進行して温度
が上昇するに従い、反応速度が上昇して60℃を越える
と不溶性の塩基性硫酸ジルコニウム沈殿が発生する。し
かるに70℃以上に加熱したジルコニウム塩水溶液に硫
酸アンモニウム水溶液を添加すると、硫酸アンモニウム
水溶液が挿入された部分でまず混合が起こり、そこで塩
基性硫酸ジルコニウムの生成による沈殿生成が始まる。
【0009】溶液全体が混合されるには多少の時間を要
するため、最初の混合部分では硫酸アンモニウムのジル
コニウムに対するモル比(以下単にモル比という)が高
い状態で反応が進行して、SO4の大量に結合した塩基性
硫酸ジルコニウム沈殿が生成する。混合が進行するに従
い、塩基性硫酸ジルコニウムとジルコニウム塩の反応が
進行して、ジルコニウム塩は塩基性ジルコニウム沈殿か
らSO4を奪って新しい塩基性硫酸ジルコニウム化合物を
生成する。SO4を奪われた塩基性硫酸ジルコニウムは架
橋が切断して分子量が小さくなり、この時硫酸アンモニ
ウムのジルコニウムに対するモル比が小さいと沈殿は溶
解する。硫酸アンモニウム水溶液が全量一度に投入され
ない場合にはこの傾向は顕著になり、硫酸アンモニウム
の投入されている場所では塩基性硫酸ジルコニウムの沈
殿が生成し、撹拌によって混合されている場所では沈殿
が溶解する。投入の時間経過に伴い反応系のモル比は刻
々と変化し、生成する塩基性硫酸ジルコニウムの組成、
ひいては分子量も変化する。更にこれが再溶解する経過
と相俟って最終的に生成する塩基性硫酸ジルコニウムの
組成、分子量は多様なものと成ることが推定される。こ
のように不均一な反応生成物を得ることが最終的に得ら
れる酸化ジルコニウム微粉のタップ密度を極めて小さく
することができる原因であろうと考えられる。
【0010】以下本発明の詳細について説明する。本発
明で採用する最も特徴的な方法は、加熱したジルコニウ
ム塩水溶液を撹拌しながら、これに硫酸アンモニウム水
溶液を分散して時間をかけて添加することにより塩基性
硫酸ジルコニウム沈殿を生成して、これをアルカリで中
和して水酸化ジルコニウムに変換した後に常法で処理し
て酸化ジルコニウム粉を得るものである。ジルコニウム
塩水溶液に硫酸アンモニウムを溶解すると反応して水不
溶性の塩基性硫酸ジルコニウム沈殿が生成するが、60
℃以下では反応速度が極度に遅く、沈殿生成量も少ない
が、60℃を越すと反応速度が顕著に増大し、70℃を
越すとほとんど瞬時に沈殿が生成するのである。
【0011】(A)水溶性ジルコニウム化合物、例えば
オキシ塩化ジルコニウムを水に溶解する。次に別の容器
に硫酸アンモニウムをSO4として酸化ジルコニウム1モ
ル当り0.42〜0.55モルとなるように秤取り水に
溶解して(NH4)2SO4として20〜600g/lになるように
調整する。このときオキシ塩化ジルコニウム溶液濃度と
硫酸アンモニウム溶液濃度との関係はオキシ塩化ジルコ
ニウム溶液に硫酸アンモニウム溶液を添加した後のスラ
リ−溶液中のジルコニウム濃度がZrO2として20〜80
g/lになるように相互に調整する。この限定理由は次の
如くである。ZrO2濃度を限定するのは実験結果によるも
のであり、ZrO2濃度が高すぎるとタップ密度の高い酸化
ジルコニウムになり、タップ密度を0.6g/ml以下にす
るにはZrO2として80g/ml以下にする必要があり、好ま
しくは40〜60g/mlの範囲に設定すると最もタップ密
度の低い酸化ジルコニウムが得られる。ZrO220g/l以
下では生産性が低くなる。硫酸アンモニウム添加率につ
いても上記限定範囲を外れると、タップ密度が上昇する
本発明者らの実験結果から限定した。硫酸アンモニウム
濃度についても低すぎると生産性が低下し、高すぎると
硫酸アンモニウム添加時に部分的に不溶性の塩基性硫酸
ジルコニウムの大きなフロックが生成してタップ密度の
高い酸化ジルコニウムになるので20〜600g/lの範
囲に限定した。好ましくは40〜300g/lに調整する
のが望ましい。500g/lを越えると反応ロット毎のタ
ップ密度の値が変動する傾向がある。
【0012】(B)次に、オキシ塩化ジルコニウム水溶
液を加熱して70℃以上に昇温した後溶液を強く撹拌し
ながら硫酸アンモニウム水溶液を添加する。ここで塩化
ジルコニウム水溶液と添加する硫酸アンモニウム水溶液
は素早く混合しなければならない。混合速度が遅いと、
添加した硫酸アンモニウムが過度に不均一に反応してタ
ップ密度が上昇する。不均一反応させると言っても反応
パタ−ンは大量のジルコニウム塩に対して少量の硫酸ア
ンモニウムが反応して比較的SO4結合量の低い塩基性硫
酸ジルコニウムを生成し、次第にSO4結合力を多くして
行くことが必要である。硫酸アンモニウム濃度が過度に
高いと、部分的に硫酸アンモニウムのモル比が高い塩基
性硫酸ジルコニウムの大きなフロックが生じて、これが
原因でタップ密度が高くなるものと考えられる。撹拌混
合についても同様なことが言える。
【0013】ビ−カ−スケ−ルの反応では撹拌機で撹拌
すると混合が素早く行われるが、大容量の生産設備の場
合には撹拌機による撹拌のみでは混合が素早く行われず
タップ密度が上昇することがあるので、硫酸アンモニウ
ム水溶液を太い水流で添加することなく細い水流で添加
するか、もしくはスプレ−状で添加する等の分散した状
態で添加することが有効である。70℃以上に加熱する
のは、この温度ではオキシ塩化ジルコニウムと硫酸アン
モニウム中のSO4が直ちに反応して不溶性の塩基性硫酸
ジルコニウムを生成させることができる温度であるから
である。反応溶液温度を70℃以下に低下させないため
には硫酸アンモニウム水溶液を予め加熱して昇温してお
くことも時には有効である。ここでオキシ塩化ジルコニ
ウム水溶液温度を90℃以上に昇温した後に反応させる
とタップ密度がより低位に安定する傾向がある。
【0014】硫酸アンモニウム水溶液は2分〜25分の
時間で全量添加する必要がある。これは時間が長すぎる
と粒径が大きくなり過ぎ、短すぎるとタップ密度の大き
な酸化ジルコニウムになるからである。硫酸アンモニウ
ム水溶液を添加していくと全体の70〜80%添加で溶
液全体が白濁しジルコニウムは不溶性の塩基性硫酸ジル
コニウム沈殿として溶液中に懸濁した状態になる。この
後暫時撹拌を継続して反応を完結した後スラリ−をアン
モニア水で中和して塩基性硫酸ジルコニウムに結合して
いるSO4をOHで置換して水酸化ジルコニウムの沈殿に
変換し、濾過洗浄した後固形物をリパルプ、濾過、洗浄
を繰り返して塩基性硫酸ジルコニウムから硫酸根を離脱
して水酸化ジルコニウムに変化させる。得られた水酸化
ジルコニウムは常法により仮焼したあと乳鉢で軽く粉砕
してかさ密度、タップ密度の極めて低い酸化ジルコニウ
ム微粉末を得ることができる。上記の方法によって得ら
れた酸化ジルコニウム微粉末の物性はかさ密度、0.3
g/ml以下、タップ密度0.6g/ml以下、平均粒径1μm
である。次に実施例により本発明を説明する。
【0015】
【実施例】
実施例1 ZrO2として50gを含むオキシ塩化ジルコニウム水溶液
685mlをビ−カ−にいれウオタ−バス中で85℃に
加熱した。別に24gの硫酸アンモニウムを150ml
の水に溶解した水溶液を調整した。硫酸アンモニウムの
量はSO4としてZrO21モル当り0.45モルに相当す
る。またZrO2量はオキシ塩化ジルコニウム水溶液と硫酸
アンモニウム水溶液の合計量に対して60g/lに相当す
る。オキシ塩化ジルコニウム水溶液を撹拌機で撹拌しな
がら硫酸アンモニウム水溶液をビユレツトから少量ずつ
添加し全量添加するのに5分要した。硫酸アンモニウム
水溶液を殆ど添加し終えるころ溶液は白濁し不溶性の塩
基性硫酸ジルコニウム沈殿が大量に生成したことを示し
た。このときスラリ−温度は76℃に低下していた。更
に撹拌を30分継続した後アンモニア水で中和してから
ヌツチエで吸引濾過し、取り出した固形物を希薄アンモ
ニア水でリパルプ後再度吸引濾過、洗浄を繰り返し、SO
4を除去した水酸化ジルコニウム固形物を得た。これを
坩堝に入れ680℃に加熱しているマッフル炉に入れて
50分間仮焼した後めのう乳鉢で粉砕すると柔らかな微
粉末が得られた。この微粉末のかさ密度及びタップ密度
はそれぞれ0.24g/ml、0.50g/mlと極めて小さ
く、平均粒径は0.78μmと微粒子であった。
【0016】実施例2 ZrO2として290kg含有しているオキシ塩化ジルコニウ
ム水溶液5800lを撹拌しながら加熱して75℃に昇
温した。硫酸アンモニウム152kgを650lの純水に
溶解し70℃に加熱した後ポンプでスプレ−ノズルを通
してオキシ塩化ジルコニウム溶液に添加した。この添加
に9分要した。十分混合した後アンモニア水中にポンプ
で投入して全体を中和した後、フイルタ−プレスで濾
過、洗浄した。生成した水酸化ジルコニウムケ−クを仮
焼炉で750℃60分仮焼した後ジエツトミル粉砕して
分散性の良い酸化ジルコニウム微粉末を得た。生成した
酸化ジルコニウムは、かさ密度0.21g/ml、タップ密
度0.42g/ml、粒度分布はD500.89μmであり、
かさ密度タップ密度が極めて小さく粒度分布のシヤ−プ
な粉体であった。
【0017】実施例3 ZrO2として50g含有しているオキシ塩化ジルコニウム
水溶液を95℃に加熱して撹拌しながら硫酸アンモニウ
ム水溶液を7分かけて添加した。(NH42SO4量はモル
比0.42〜0.55の範囲で調整し、濃度は(NH42
SO4として250g/lとした。反応液の全量は1lになる
ようにオキシ塩化ジルコニウム水溶液量を計算して設定
した他は実施例1と同操作で行った。得られた酸化ジル
コニウム微粉末の粉体特性は表1に示すように極めてタ
ップ密度が低い値を示した。特にモル比0.45〜0.
49の間でタップ密度、粒径ともに安定して低い値を示
している。
【0018】実施例4 ZrO2として10Kg含有するオキシ塩化ジルコニウム水溶
液180lを95℃に昇温して、撹拌しながら(NH4)2SO
4として5.0Kg含有する硫酸アンモニウム水溶液20
lをスプレ−状に添加した。添加時間は7分、14分、
21分の3通りの時間で行った。ZrO2濃度は溶液全量に
対して50g/l、(NH4)2SO4濃度は250g/l、モル比は
0.47であった。生成した塩基性硫酸ジルコニウム沈
殿スラリ−をアンモニアで中和した後に濾過、洗浄して
得られた水酸化ジルコニウムをマッフル炉で680℃1
時間仮焼した後乳鉢で粉砕してタップ密度、粒径を測定
した。結果を表2に示す。
【0019】〔比較例1〕ZrO2濃度76.5g/lのオキ
シ塩化ジルコニウム水溶液200ml(ZrO215.3g)
に硫酸ナトリウム10.5gを溶解して撹拌しながら9
0℃迄加熱した。水不溶性の塩基性硫酸ジルコニウムの
白色沈殿をマツフル炉で700℃60分仮焼してZrO2
末を得た。これをめのう乳鉢で粉砕した後粉体特性を測
定して、かさ密度1.23g/mlタツプ密度1.61g/
ml、D503μmの値を得た。かさ密度、タツプ密度が極
めて大きく粒径も大きな粉末であつた。
【0020】〔比較例2〕ZrO2濃度60g/lのオキシ塩
化ジルコニウム水溶液を150mlをアンモニア水で中和
して得られた水酸化ジルコニウム白色沈殿を濾過、洗浄
して沈殿を分離した後にマッフル炉で750℃60分仮
焼した。得られたZrO2仮焼物はめのう乳鉢での微粉砕は
困難であった。これをボ−ルミルで8時間粉砕して得ら
れた粉末のかさ密度は1.20g/ml、タップ密度1.8
7g/mlと極めて重く、平均粒径は0.89μmであっ
た。
【0021】〔比較例3〕ZrO2として50gを含むオキ
シ塩化ジルコニウム水溶液455mlを1lビ−カに入
れ、ウオタ−バス中で撹拌しながら90℃に加熱した。
ここに硫酸アンモニウム25gを含む水溶液100ml
を7分かけて注入して塩基性硫酸ジルコニウムの白色沈
殿スラリ−を生成した。スラリ−中のZrO2濃度は90g/
l、(NH4)2SO4とZrO2のモル比は0.47であった。以下
実施例1と同一手順で処理して酸化ジルコニウム粉末を
得た。これのかさ密度は0.35g/ml、タップ密度0.
72g/ml、D503.2μm、D908.1μmであった。
【0022】
【発明の効果】エレクトロニクス用フアインセラミクス
などの原料として使用される酸化ジルコニウム粉の従来
の製造方法では、ジルコニウム塩類の水溶液に硫酸イオ
ンを共存させた溶液を加熱して不溶性の塩基性硫酸ジル
コニウム沈殿を生成させ、これを個液分離してそのまま
仮焼して酸化ジルコニウムにする方法、もしくはジルコ
ニウム塩水溶液をアルカリ処理して水酸化ジルコニウム
沈殿を作り、これを仮焼して酸化ジルコニウムにする方
法等であって、そのままでは上記の用途に使用できな
い。
【0023】本発明は上記従来法の欠点を排除して独特
の方法をとり、特に水溶性ジルコニウムを水に溶解した
後、添加する硫酸アンモニウムの添加率、濃度、温度お
よび添加時間を限定し、次にオキシ塩化ジルコニウム水
溶液を加熱して70℃以上に昇温した後、溶液を強く撹
拌しながら硫酸アンモニウム水溶液を添加した後のスラ
リ−中のZrの濃度をZrO2として20〜80g/l、溶液温
度を70℃以上に調整し、最後に得られた塩基性硫酸ジ
ルコニウムから硫酸根を除去して水酸化ジルコニウムに
する等の方法をとったので、次の如きエレクトロニクス
用フアインセラミクスの原料として好適な優れた酸化ジ
ルコニウム微粉末を得ることができた。 (イ)粒径が微小で粒度分布がシヤ−プである。 (ロ)不純物が少なく、かつかさ密度、タップ密度が極
めて低い。 (ハ)分散性が良好である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性ジルコニウム化合物を水に溶解し
    加熱昇温する段階と、該溶液を撹拌しながら硫酸アンモ
    ニウム溶液を添加して不溶性の塩基性硫酸ジルコニウム
    沈殿が懸濁したスラリ−を得る段階と、前記スラリ−を
    アルカリ性物質で処理した後水酸化ジルコニウムを分離
    する段階と、前記水酸化ジルコニウムを仮焼した後粉砕
    する段階と、を有して成る酸化ジルコニウム微粉末の製
    造方法において、前記水溶性ジルコニウム塩溶液濃度を
    硫酸アンモニウム溶液添加後の全容に対してZrO2として
    20〜80g/l、溶液温度を70℃以上に調整する段階
    と、前記硫酸アンモニウム溶液濃度が20〜600g/
    l,硫酸アンモニウム溶液量がSO4として酸化ジルコニ
    ウム1モル当り0.42〜0.55モルとなるように調
    整する段階と、前記水溶性ジルコニウム化合物を撹拌し
    ながら硫酸アンモニウム水溶液を添加混合して塩基性硫
    酸ジルコニウム沈殿スラリ−を生成させる段階と、前記
    スラリ−をアルカリ性物質によって中和した後濾過、洗
    浄して塩基性硫酸ジルコニウムから硫酸根を脱離して水
    酸化ジルコニウムに変化させる段階と、を有することを
    特徴とするタップ密度の低い酸化ジルコニウム微粉末の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 前記水溶性ジルコニウム化合物を水に溶
    解し加熱昇温した溶液を撹拌しながら硫酸アンモニウム
    溶液を添加する工程に要する時間を2〜25分に調整す
    ることを特徴とする請求項1に記載のタップ密度の低い
    酸化ジルコニウム微粉末の製造方法。
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