JPH0688751B2 - 伸縮自在ドア装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、エレベータに使用される自動伸縮自在ドアの
摺動用の回転装置に関し、詳しくは、各自動伸縮自在ド
アが各々の吊り具から吊り下げられ、これらの吊り具に
対応する回転装置自体が各吊り具に取り付けられる自動
伸縮自在ドア装置に関する。本発明は、少なくとも２つ
の隣接するドアを含み、これらのドアが同一方向に移動
することにより開き、反対方向に移動することにより閉
じるドア装置に適用される。一方のドアは高速ドア、他
方のドアは低速ドアと呼ばれ、高速ドアは開閉動作中に
最も遠い所まで移動しなければならない。ドアが開閉す
る場合には、これらのドアが伸縮、即ち、閉じるときに
互いに重なり合う。

［従来の技術］ 従来のエレベータ用伸縮自在２速度ドアは、２つのパネ
ルと、２つのトラックと、４つのローラと、４つのカウ
ンタローラとを使用している。４つのパネルを備えた２
速度中央開閉型ドアの場合でも、これらの要素が２倍に
なるだけで、その基本的構成は同じである。

［発明が解決しようとする課題］ このような２つのドア摺動用トラックを有するシステム
には、以下の点で様々な問題がある。

（１）両トラックの位置決めの正確さ （２）各トラックのフレームへの特殊な取付け （３）単一のトラックのシステムより高価なこと （４）通常、トラックが特殊な機械加工および溶接や特
殊な取付具を必要とすること （５）ローラおよびカウンタローラが、スペースおよび
コストの制限により、強度度の弱い支持軸を吊り下げて
取り付けられていること （６）垂直性および位置決めが非常に困難であり、常に
調整が必要であること （７）これらのシステムは、急激な動きを生じ、ローラ
およびカウンタローラ軸の垂直性に歪みが生ずること 上記のような問題点を解消するため、従来より多数の解
決方法があるが、現存する殆どの伸縮自在ドアは、２つ
の平行なトラックを使用し、あるいは、最も好ましくは
同一の部片に２つの平行なトラックが突き出した単一部
材（単一プロフィール）を使用している。

どのような場合でも、ユニットは複雑であり、重く、大
きく、不整合の問題を生じ、不安定な調整を必要とし、
一般的に、突出するローラ軸とドアの吊り具との間の連
結が極めて弱い。

これらの要因の各々が、ドアパネルの移動中に急激な動
きや騒音の発生の原因となり、最終的には、ローラおよ
びトラックの劣化の原因となる。

一方、トラックが取り付けられるドアのまぐさ（door l
intel）は、平らな支持点を有する必要があり、少くと
も３点でトラック用の正確な基準点を形成しなければな
らない。これらの位置に２つのトラックを取り付けるた
めにセパレータを使用する必要がある。

同様に、回転部は、ほこりから保護されておらず、これ
らの組立は非常に難しく、一般的に押上ローラの偏心軸
によって調整する必要がある。

上記のすべてのことが、品質の問題、調整の必要性、お
よび大型化の問題を生じ、システムの製造コストを非常
に高くしている。

［課題を解決するための手段］ 上記課題を解決するため、本発明では、高速パネル回転
部材および低速パネル回転部材が同一のトラック上を移
動できるようにする、様々な形状の単一トラックに基づ
いた回転装置を使用している。

一方、選択した単一のトラックに適合する様々な回転ユ
ニットの変形例又は実施例を提供することができ、回転
部材の軸又は支持体により大きな強度を与えることがで
きる。

対応するトラック上を回転又は摺動する部材自体は、ケ
ース又はボデイ内に配置されており、このケース又はボ
デイは、対向する２つのカップによって形成され、ねじ
山を有する横断ピンによって互いに取り付けられ、これ
らのピンは、両方のカップの取付手段のみならず、ドア
の吊り具へのユニットの取付手段として、同様にトラッ
ク上を回転する部材自体の組立手段として使用されてい
る。

一方、回転部材は、トラックの上部において案内され支
持されるローラ、底部のカウンタローラによって補足さ
れたローラ、あるいは、トラックの両側にある凸接触面
と平行な幾つかのサイドローラによって構成することが
できる。

また、回転部材は、円形の断面を有するトラックに取り
付けられた線形のボールベアリングによって構成するこ
ともできる。

［実施例］ 以下、添付図面を参照して、本発明の実施例を説明す
る。

第１図に示されているように、本発明による回転装置
は、エレベータドアに使用される。ドア１および２は、
それぞれ高速ドアおよび低速ドアであり、これらのドア
は対応する引張りケーブル３に連結され、この引張りケ
ーブル３から釣合重り４が吊り下げられている。

本発明の主な目的は、ドア１および２の摺動トラックを
単一部片５により構成し、高速パネル１および低速パネ
ル２の回転部材が同一のトラック５上を摺動できるよう
にすることであり、この単一部片５の断面は様々な形状
にすることができる。

一方、低速パネル又は低速ドア２の対応する吊り具６
は、トラック５の中央部に開放領域を形成して、その中
に高速パネル又は高速ドア１の吊り具７を配置させるこ
とができるように、吊り具７よりも長くなっており、唯
一の条件は、距離Ｄがドアの全自由開度の半分よりも長
いことである。

この単一トラック５の概念に基づいて、２速度ドアにお
いて典型的なすべてのセパレータおよび取付手段が除去
され、特に、トラック５が、機械化の全く必要のない非
常に簡単な摩擦装置内の端部の部品によって支持されて
いるに過ぎないということが特徴である。

回転ユニット自体については、第４図に示す円形断面の
トラック５′には線形ボールベアリング８を使用するこ
とができ、第２図、第３図および第５図に示す矩形断面
のトラック５には、異なった３つの手段を使用すること
ができる。

第２図は、矩形断面のトラック５および対応するドアの
吊り具７を示している。回転ユニットは、対向する２つ
の部片またはカップ９によって形成されたケースから構
成され、その中に、上部ローラ10および底部カウンタロ
ーラ11が配置されている。上部ローラ10は、トラック５
の側面に配置するサイドフランジを有し、これらのサイ
ドフランジは、トラック５の長手方向周縁部に支持され
たドアの横方向の移動に抵抗を与えている。底部カウン
タローラ11は、トラック５の長手方向および底部周縁部
に支持され、従来の突出形状をなくし、従って、抵抗を
増大させると同時に、ほこりなどが可動部材に付着する
のを防止している。

回転ユニットのケースを形成する２つのカップ又は部片
９は、ねじ12によって互いに締付けられており、これら
のねじ12は、ローラ10及びカウンタローラ11のための締
付手段を提供する以外に、吊り具７へのユニットの締付
手段を形成している。

第３図は、回転ユニットの他の実施例を示している。こ
の実施例では、対向する半エンベロープケース又はカッ
プ９′によってケースが形成され、両カップ９′は、ね
じ12′によって互いに締め付けされるとともに、吊り具
７に締め付けられている。この場合、プロフィールロー
ラがなく、幾つかの側部摩擦ホイール13を有しており、
これらのホイールは、トラック５の上部周縁部上に静止
および摺動するときに、共働して非プロフィールローラ
10′を案内する。

第５図は、第３図の側部摩擦ホイール13の代わりに凸面
部片（curvo-convex surface pieces）13′を使用した
以外は、第３図と同様の実施例を示している。これらの
部片は、安く製造でき、取り替えが容易であり、摩擦を
減少させることができる。

いずれの場合にも、本発明では、ユニットの構造を複雑
化することなく、耐火ドア用の追加の保護を設けること
ができる。

第４図に示すようにトラック５′が円形断面を有する場
合には、回転部材は、ケース９″によって保護された線
形ボールベアリング８により構成され、このケース９″
は対応するねじ12″によって吊り具７に締付けられてい
る。

上述したことにより、トラック、回転ユニットおよび吊
り具を有する特別なユニットを作ることができ、一方の
側のドアフレームおよび他方の側のドアパネルとともに
直接に全く同じものを組み立てられるとすれば、ドアユ
ニットの部品数を実質的に減少することができる。

［発明の効果］ 上述した構成により、本発明によれば、２つのトラック
を使用した場合のように、両トラックの正確な位置決
め、各トラックのフレームへの特殊な取付け、トラック
の特殊な機械加工および溶接や特殊な取付具の必要がな
く、２つのトラックを使用する場合と比べて、簡単な構
成で、軽量かつ小型にすることができ、安価であり、組
立が容易であり、調整が容易で、ローラ軸とドアの吊り
具との間の連結を強固にすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、対応する吊り具から吊下げられたエレベータ
の２つのドアの上部の正面図、第２図、第３図、第４図
および第５図は、回転装置の他の実施例の断面図であ
る。 1,2……ドア ３……ケーブル ４……釣合重り ５……摺動トラック ７……吊り具 10……ローラ 11……カウンタローラ 12″……ねじ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実公 昭33−5449（ＪＰ，Ｙ１) 実公 昭61−5846（ＪＰ，Ｙ１)

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】単一のトラックに取り付けられ、互いに重
   なり合って伸縮することにより第１の方向に開く一対の
   ドアと、 これらのドアに取り付けられ、トラック上を回転する回
   転手段と、 これらの回転手段を取り囲んで収容するケースとからな
   り、 前記回転手段が、前記ドアに取り付けられた吊り具に固
   定され、一方のドアの吊り具が他方のドアの吊り具より
   も長く、前記トラックが前記ケースを貫通して延在する
   ことを特徴とする伸縮自在ドア装置。
2. 【請求項２】前記回転手段が、前記トラックの上面およ
   び底面と係合する一対のローラと、前記ケースを前記吊
   り具に固定するとともに、前記ローラの軸を形成する取
   付手段とからなることを特徴とする請求項１に記載の伸
   縮自在ドア装置。
3. 【請求項３】単一のトラックに取り付けられ、このトラ
   ック上を移動可能な一対のドアであって、開閉時に互い
   に重なり合って伸縮する一対のドアと、 前記ドアに固定された吊り具と、 前記吊り具に固定されたローラ手段とからなり、 前記ローラ手段が、前記トラック上を回転しながらトラ
   ックと係合し、前記ローラ手段の各々が、前記吊り具に
   連結されたケースに取り囲まれて収容され、前記トラッ
   クが前記ケースを貫通することを特徴とする伸縮自在ド
   ア装置。
4. 【請求項４】前記ケースが一対のカップ型部材から形成
   され、これらのカップ型部材が、互いに連結されるとと
   もに、取付手段によって前記吊り具に連結され、この取
   付手段が前記ローラ手段の軸を形成することを特徴とす
   る請求項３に記載の伸縮自在ドア装置。