JPH0688599B2 - 連続チューブ入り引出孔付分配容器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、折りたたみ或いは巻回して収納した柔軟なプ
ラスチックフィルムからなる連続チューブを一端から必
要量を引出し、切断して使用できると共に、内容量に応
じて厚さの変化する取扱及び製造容易な連続チューブの
分配容器に関する。

〔従来の技術〕

従来、プラスチック袋は１枚ずつ袋に形成されたものを
使用していた。連続した袋素材は一定間隔毎に横融着
し、この融着部に近辺にミシン目などの切断手段を設け
たものであった。したがって、袋の大きさは前もって固
定していた。

〔発明が解決しようとする技術課題〕

巻回した連続チューブを端部から巻出して必要な長さに
切断し、底を形成すれば任意の大きさの袋が得られる。
しかしながら、単なる巻回した連続チューブのみでは、
携帯性が悪く、巻き崩れ易く、切断する刃物が常い手近
にあるとは限らない。そこで、巻回した連続チューブを
収納することができ、しかも安全な刃物付きの簡易な容
器が求められていた。

〔課題解決の手段〕

本発明は上記課題を解決することを目的とし、その構成
は、剛性を有する側面部材からなり、上部に広い開口部
を有する筒状容器であって、該筒状容器の一方の上端部
において側壁に狭窄引出孔を設け、側壁の狭窄孔出孔を
設けた部位と対向する部位に誘導溝を穿設し、該誘導溝
内に切断刃を設けた分配容器内に、切断後一端を結紮す
ることにより袋として使用し得る巻回された連続チュー
ブ状の袋素材を収納したことを特徴とする。

本発明における連続チューブとはチューブ状プラスチッ
クフィルム、チューブ状ネット等柔軟な素材からなり、
エンドレスであって、幅狭く紐状或いは帯状にたたま
れ、無芯状態に巻回されていて中心部の一端から順次引
出せるものである。

本発明における容器の側面部材は板紙、プラスチックシ
ート、或いはこれらの積層体であって、それ自体簡単に
折曲がらない剛性を有する筒状体であればよい。例えば
筒状に押出し成形したプラスチックシート、厚紙、片面
段ボール紙などの紙類、金属等の筒状成形体が使用でき
る。

剛性板からなる側壁が、折れ目、線状の肉薄部の形状、
２枚の剛性板の柔軟で強靱な素材による連結などの方法
で形成された２本の内折れ線によって２分されている場
合には、筒状容器は扁平となり内容物を充填した場合に
は内容物に応じた厚さに脹らみ、内容物の減少に伴いも
との扁平状にもどる復元性を有し、崇張らない長所を有
する。

底材は環状の上記側壁部材の一端又は両端に内容連続チ
ューブがこぼれないように張着するものであって、自己
保形性のない、容器の膨らみの変化に応じてその幅を変
化しうるものであればよく、ネット、編地、柔軟なシー
ト、或いは壁状に折畳んだシート等を使用する。また、
内容連続チューブがほどけるおそれがない場合には内容
連続チューブを側壁部材に粘着剤を用いて貼着すれば底
材は不要である。更に内容連続チューブを端部からの引
出しに支障をきたさない方法で袋に包んで収納した場合
も底材を必要としない。また、この袋と筒体内面を接着
又は貼着させてばより完全である。

筒状容器の上端には狭窄引出孔を設け、上端のこの狭窄
引出孔と対向する部位には誘導溝を介して切断刃を設け
る。狭窄引出孔とは側壁部材の上端に取りつけられ、上
記連続チューブが紐状体として通過できる孔である。切
断後の切断端部は狭窄引出孔と刃先との通過距離とほぼ
等しく、この程度の切断端部があれば、次の引出にあた
って切断端部を容易につまみ出すことができ、次回の引
出しに支障がない。狭窄引出孔を設けると、切断にあた
り容器を片手で持ち、他方の手で連続チューブを必要な
だけ引用し、そのまま切断刃に押圧するときの応力によ
り、連続チューブが追加引出されて刃先をスリップし切
断性が低下するおそれがない。

切断刃は内容連続チューブを容易に切断できる鋭利さを
有し、しかも安全であって手指を怪我するおそれのない
ものである。そのためには指先の入り難い幅狭い誘導溝
を、側壁の狭窄引出孔と対応する部位に設け、この誘導
溝の奥にシャープな刃先を固定する。

〔作用〕

本発明は筒状容器の上端の互いに対向する部位に狭窄引
出孔と誘導溝を介した切断刃を設けたものである。狭窄
引出孔から引出された紐状の連続チューブは側壁部材の
上端を越えて反対側の誘導溝に挿入され、緊張させられ
るだけで切断刃に接触し容易に切断でき、手指が刃物に
触れるおそれがない。上端の開口部から引出された連続
チューブは狭窄引出孔を通過させるのみで軽い引出抵抗
を受け団塊状に引出された場合もこの狭窄引出孔を通過
するときほどけて絡まらない。

本発明においては切断にあたり狭窄引出孔から引出した
連続チューブを折り返すようにして狭窄引出孔上端を通
過し、開口部を越えて対応する側壁上端に設けた誘導溝
に挿入して切断する。この際、連続チューブは狭窄引出
孔から上行し、側壁上端でほぼ直角に折り曲げられる。
切断にあたり、狭窄引出孔、狭窄引出孔から上行する際
の摩擦抵抗及び上端に接触して折り曲げられるときの摩
擦抵抗の相乗効果により他方の手で一端を引張りながら
誘導溝に挿入するだけで連続チューブが追加引出された
り、団塊状に絡まって引出されることがなく充分な緊張
状態が得られ容易に切断される。

〔実施例〕

第１図は本発明の１実施例の斜視図、第２図はその断面
図である。１は板紙からなる側壁部材であって、２本の
内折線２及び３によって第１の側壁４と第２の側壁５と
にほぼ２等分されている。したがって、側面部材自体に
は剛性があるが、内容物と内折線２、３のためにやや押
しつぶされた円筒形であり、上端に開口部11が開口して
いる。

６は連続チューブであって、本実施例においては高密度
ポリエチレンをインフレーション加工して得られた周の
長さが約500mm、厚さ約８μのシームレスチューブを紐
状にしごいて玉巻きしたものを用いた。７は狭窄引出孔
であって、内容連続チューブ６を一端から引出すための
孔であり、第１の側壁４に設けた。第２の側壁５には側
面部材１の端部からほぼ直角に誘導溝８を穿設し、その
内部に切断刃９を固定した。10は内容連続チューブが巻
崩れしないための内装用の袋である。この袋は引出口７
及び誘導溝８を設けた側の端部において開口し、ここか
ら連続チューブ６が引出される。12は狭窄引出孔７の上
部に設けた切欠である。

狭窄引出孔７から引出された連続チューブ６を側壁部材
の第１の側壁４の外側から第２の側壁５の誘導溝にまわ
し、誘導溝に挿入して誘導溝内部に設けた切断刃９によ
って切断する。この際第１の側壁４の先端との摩擦抵抗
により、狭窄引出孔が多少大きくとも連続チューブが追
加引出されることがない。切欠12は狭窄引出孔７から連
続チューブを引出し、切断するために上行させ折返すと
きのガイドとなるばかりでなく、切断刃に被切断物を傾
斜させず垂直に当接させ、切れ味を向上させる効果を有
する。

本実施例においては連続チューブがチューブ状のフィル
ムであるため、一端を結紮すると任意の長さの袋が得ら
れる。また、連続チューブを薄い袋10に詰めて側面部材
１内に挿入したが、袋を用いずにそのまま挿入してもよ
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は斜視図、第２図
は断面図である。 図面中、符号 １は側壁部材、６は連続チューブ、 ７は狭窄引出孔、８は誘導溝、９は切断刃、 10は袋、11は開口部、12は切欠である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】剛性を有する側面部材からなり、上部に広
   い開口部を有する筒状容器であって、該筒状容器の一方
   の上端部において側壁に狭窄引出孔を設け、側壁の狭窄
   引出孔を設けた部位と対向する部位に誘導溝を穿設し、
   該誘導溝内に切断刃を設けた分配容器内に、切断後一端
   を結紮することにより袋として使用し得る巻回された連
   続チューブ状の袋素材を収納したことを特徴とする連続
   チューブ入り引出孔付分配容器。