JPH0688436A - 床材剥離機 - Google Patents

床材剥離機

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JPH0688436A
JPH0688436A JP26529192A JP26529192A JPH0688436A JP H0688436 A JPH0688436 A JP H0688436A JP 26529192 A JP26529192 A JP 26529192A JP 26529192 A JP26529192 A JP 26529192A JP H0688436 A JPH0688436 A JP H0688436A
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scraper
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blade
floor
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 作業者の労働の負担が著しく軽く、騒音が発
生し難い上、壁面を傷つけることなく壁際まで床材を剥
離できるようにした床材剥離機を提供することを目的と
するものである。 【構成】 走行装置2と、この走行装置2を駆動する走
行駆動装置4とを備える台車1、及びこの台車1の前部
に、床下地層の上面に接触可能に支持され、且つ走行装
置の幅と略等幅或いは広幅に形成されたブレード22を
有するブレード装置18を設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、床タイル等の床材を床
構造から剥離して除去する床材剥離機に関する。
【0002】
【従来の技術】現在の建築物においては、鉄筋コンクリ
ート等で形成されたスラブ上にモルタル等の下地層を敷
き、下地層の上面にタイルを接着する床構造が多用され
ている。
【0003】また、店舗や事務所では販売体制や事務機
構の改革に伴って建物内の床材を張り替えることが少な
くない。このような場合には、既設の床材及び接着剤を
床構造から剥離して除去し、再度、新しい床材が下地層
の上面に接着される。
【0004】ところで、既設の床材及びこれを下地層に
接着する接着剤を剥離する作業は、比較的近年まで手作
業に頼っていた。即ち、多数の作業者が薄板鋼板等で作
られたコテを手に持って、コテの先を床材とその下地層
との間に突っ込んで床材を剥離していた。
【0005】しかしながら、このような手作業は非能率
的であり、また、剥離に伴い粉塵が舞い立つ劣悪な作業
環境内で行なわれ、しかも、かなり無理な姿勢で強い力
が要求される作業を長時間続ける必要があった。このた
め、近年の人手不足に拍車が掛けられ、かなり高価な賃
金での求人に対しても人手が集まらなくなったり、せっ
かく人手が集まってもすぐに退職してしまうのである。
【0006】そこで、以下に述べる床材剥離機が提案さ
れている。即ち、 実開昭63−8333号公報に開
示されるように、手押し式のフレームに揺動可能にスク
レーパを振動可能に支持させ、フレームに搭載した起振
装置(バイブレータ)によってスクレーパを振動させる
ように構成した床材剥離機が実用化されるに至ってい
る。
【0007】 又、実公平3−11305号広報に開
示されているように、運転席を有する自走車本体に、剥
離刃とこれを前後揺動させる押動手段とを設け、床材と
床下地層との間に剥離刃を突っ込み、自走車本体を走行
させながら剥離刃を前後揺動させることにより床材が床
下地層から剥離されるようにした床材剥離用自走車(床
材剥離機)が提案されている。
【0008】この床材剥離機では、自走車本体の前部
に、その前方に突出する先端フレームの後端を昇降揺動
可能に支持させ、この先端フレームの前端に前後揺動可
能に支持させたアームの下端に平板状の剥離刃の後端部
を固定している。
【0009】又、上記先端フレームはリンク機構を介し
て運転席に設けたレバーに連結され、運転者がそのレバ
ーを操作して昇降させたり、また、アームは自走車本体
に搭載され、走行駆動に共用されるガソリンエンジンで
押動手段を介して揺動駆動されるようにしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記の手押し式の床
材剥離機は、床材と下地層との間にスクレーパの刃先を
差し込みながら振動を与えることにより、機械力で床材
を剥離させることができるので、一見作業者の負担が軽
減されるように思われている。
【0011】しかしながら、実際には、スクレーパが床
の下地に当たる反動に打ち勝ってフレームを押し進める
必要があり、作業上の負担はそれほど軽減されていな
い。
【0012】しかも、フレームの両外側に設けた車輪の
一方が剥離された床材の上に乗り上げるとスクレーパの
先端が傾斜して床面から浮き上がり、床材を効率よく剥
離できなくなる。
【0013】このような効率の低下を防止するために
は、作業者は車輪が床面から浮き上がるようにフレーム
を支持し、床材剥離機の重量を支持しながら、剥離作業
の反動力に打ち勝って床材剥離機を前進させるという方
法が採用されている。
【0014】この方法によれば、熟練者が比較的接着剤
の接着力が強い塩ビタイルの場合には1時間当たり約5
0m程度、比較的接着剤の接着力が弱いPタイルの場
合で約70m程度の剥離作業を行うことができる。
【0015】しかしながら、この方法は、床材剥離機の
重量を支持する分作業が重労働化する上、床材剥離機が
反動で後退して作業者が負傷するおそれがあるので、安
全性を高める上でも極めて不利である。
【0016】また、従来の床材剥離機はスクレーパを振
動させるので、非常に大きい打撃音が発生し、周囲にか
なりの騒音を放散している。このため、一般的に仕事が
執り行なわれる中間には床材剥離作業が行えず、休日労
働、夜間労働、深夜労働等、一般には労働されない時間
に床材剥離作業が行われている。
【0017】このように労働がきつく、労働環境が悪く
(汚く)、しかも、危険で、且つ労働時間帯が一般とは
異なっている床材剥離作業については、求職者が少しで
も良好な労働条件の仕事を選択する傾向が著しい今日で
は、高い賃金を支払っても作業者を集めることが非常に
困難な状態になっている。
【0018】一方、上記の床材剥離機によれば、先端
フレームが自走車本体に揺動可能に支持されており、こ
れを運転者がレバー操作で昇降させるようにしているの
で、剥離作業時の床面から剥離刃への反動がアーム、先
端フレーム及びレバーを介して作業者の手に伝わり、結
局、作業者は手押しの床材剥離機と同様の力でレバーを
押さえ込む必要があり、期待された程には労働負荷が軽
減されていない。
【0019】また、先端フレームの前端にアームを揺動
可能に支持させ、このアームの下端にアームと直角に配
置される平板状の剥離刃の後端を固定しているので、剥
離刃の先端よりも先端フレームの先端が前方に突出し、
剥離刃が壁際まで進んだ時に先に先端フレームが壁面に
衝突して壁面を傷つけたり、破損したりすることが少な
くない。
【0020】そこで、この従来の床材剥離機を用いる場
合には、この壁面の損傷ないし破損を防止するため、壁
際の床材を残して床材剥離機によって床材剥離作業を行
い、壁際の床材は手作業で剥離しており、結局、非能率
で、労働負荷の重い手作業による剥離作業を必要として
いる。
【0021】本発明は、上記技術的課題に鑑み完成され
たものであって、作業者の労働の負担が著しく軽く、騒
音が発生し難い上、壁面を傷つけることなく壁際まで床
材を剥離できるようにした床材剥離機を提供することを
目的とするものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる床材剥離
機は、上記の目的を達成するために、走行装置と、この
走行装置を駆動する走行駆動装置とを備える台車、及び
この台車の前部に、床下地層の上面に接触可能に支持さ
れ、且つ走行装置の幅と略等幅或いは広幅に形成された
ブレードを有するブレード装置を設けたことを特徴とす
るものである。
【0023】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明においては自走台車を基本的構成とするが、この自走
台車は、一般に、走行装置と、これを駆動する装置駆動
装置と、操縦装置とを備えるが、運転者が自走台車に乗
って操縦する乗車操縦型のものであっても、運転者が自
走台車に随伴して歩行しながら操縦する歩行操縦型のも
のであってもよい。しかし、作業者の労働負荷を軽減す
るため、乗車操縦型の自走台車を用いることが好まし
い。
【0024】このように乗車操縦方式を採用する場合に
は、台車に運転席と操縦装置とを備える運転台が設けら
れる。この操縦装置は操向制御用ハンドル、アームの昇
降制御レバー等の出力方向制御用操縦具と、アクセルレ
バー、ブレーキペダル、クラッチペダル等の出力制御用
操縦具とに大別することができる。
【0025】これらの操縦具は互いに独立して設けるこ
とができるが、例えば、片手で操向制御をしながら発
信、停止、走行速度、起振装置の制御等を容易に行える
ようにするため、操向制御ハンドルにアクセルレバーを
支持させるなど、出力方向制御用の操縦具に出力制御用
の操縦具を支持させることが望ましい。
【0026】本発明で用いられる走行装置は、一般に走
行装置として使用されているものであれば特に制限はな
く、例えばクローラ式走行装置、タイヤ式走行装置、或
いは、これらを複合した走行装置を使用することができ
る。これらの中では、接地面積が比較的大きく、従って
強力な走行力に耐えられるクローラ式走行装置を採用す
ることが推奨される。
【0027】また、走行装置をタイヤ式走行装置で構成
する場合は構成が簡単であり、安価に実施することがで
きる。
【0028】本発明で用いられる走行駆動装置として
は、一般に走行駆動装置として使用されるものを用いれ
ばよく、例えば、燃料タンク及びエンジンを含むエンジ
ンユニット、電源及びモータを含む電動パワーユニット
で構成すればよい。
【0029】この走行駆動装置はできるだけ作業環境を
悪化させないものを採用することが好ましく、この観点
からは現時点では、燃焼により酸欠雰囲気となる恐れや
排気ガスによる大気汚染が生じる恐れがなく、しかも、
運転騒音が少ない電動パワーユニットが最も好ましい。
【0030】電動パワーユニットを用いる場合、その駆
動源、即ち、電源として商用電源或いは蓄電池が用いら
れる。しかしながら、電動パワーユニットの電源として
商業電源を用いる場合には、壁等に設けたコンセントか
ら床材剥離装置にいたるコードを設ける必要があり、こ
のコードによって床材剥離装置の移動範囲が制限された
り、コードの余長部分の処理が面倒になる場合があるの
で、現場の状況によって最適な手段を講ずる必要があ
る。
【0031】これに対して、電源として蓄電池を用いる
場合には、床材剥離装置の移動範囲に対する制限がほと
んどなくなると共に、面倒なコード処理が不要となる点
で有利になる。
【0032】走行駆動装置としてエンジンユニットを採
用する場合、その燃料はガソリン、灯油、軽油、メタノ
ール等の液体であっても、液化石油ガス、天然ガス、水
素ガス等の気体であっても、石炭微粉末等の可燃材料と
液体燃料とを混合したハイブリッド燃料であってもよ
い。これらの燃料の中では、比較的容易に、且つ、安価
に入手でき、しかも、エンジン排気による大気汚染を防
止する技術が発達しているガソリンを使用することが推
奨される。
【0033】また、走行駆動装置は主要な騒音源の一つ
であることから、作業の静粛性を高めるため、走行駆動
装置が収納される防音ケースを設けることが好ましい。
【0034】本発明においては、走行装置が伝動装置を
介して走行駆動装置で駆動されるものが有益である。
【0035】本発明で用いられる伝動装置は、走行駆動
装置の動力を走行装置に伝達するように構成してあれば
特に限定されず、例えばチェーン伝動機構、歯車伝動機
構等の機械効率が高い機械的伝動機構、油圧装置、或い
はこれらの複合装置等が用いられる。
【0036】このような種々の伝動装置の中では、配管
によって容易に動力を分配でき、しかも、小型で強力な
油圧シリンダ、油圧モータ等の出力装置を接続できる油
圧装置を使用することが推奨される。
【0037】又、本発明においては、台車に歩行操縦用
のハンドルを設け、該ハンドルに操縦装置を支持させた
ものが、操縦性が良好になるので、有益である。
【0038】このように歩行操縦方式を採用する場合に
は、台車の方向を操るために操縦者が把持するハンドル
が台車に設けられる。又、操縦のためにハンドルを持っ
て歩行しながら発進、停止や走行速度の制御、ブレード
装置の制御等を容易に行えるようにするため、このハン
ドルに例えば速度制御用レバー、走行用の伝動装置に介
在させたクラッチを操作するクラッチレバー、伝動装置
に介在させた変速機のシフトレバー、エンジンの緊急停
止ボタン、後述する作業用の駆動装置を制御するための
操作レバー等の操縦装置を支持させることが好ましい。
【0039】この床材剥離機は、操縦方式という観点か
らは操縦者(作業者)が床材剥離機に乗車する乗車操縦
方式を採用することも、操縦者が床材剥離機に随伴して
歩行する歩行操縦方式を採用することも可能であるが、
操縦者の労働を軽減するためには乗車操縦方式を採用す
ることが好ましい。
【0040】このように乗車操縦方式を採用する場合に
は、台車に運転席と操縦装置とを備える運転台が設けら
れる。この場合、特に限定されないが、床材剥離機の平
面投影面積を小さくするため、運転台に走行駆動装置を
収納する防音ケースを設け、この防音ケースを運転席に
兼用することが可能である。
【0041】また、運転台は走行装置に対して固定的に
設けてもよいが、操縦者が床材剥離機の作業状態等を監
視する姿勢の自由度を高めて操縦者の労働の負担を軽減
するために運転台を走行装置に対して旋回可能に設ける
ことが好ましく、運転台を走行装置に対して全旋回可能
に設けることが最も好ましい。
【0042】このように、走行操縦方式を採用する場合
には、台車の方向を操るために運転台に操縦者が把持す
るハンドルが設けられる。又、操縦のためにハンドルを
持って走行しながら発進、停止や走行速度の制御、ブレ
ード装置の制御等を容易に行えるようにするため、この
ハンドルに例えば速度制御用レバー、走行用の伝動装置
に介在させたクラッチを操作するクラッチレバー、伝動
装置に介在させた変速機のシフトレバー、エンジンの緊
急停止ボタン、後述する作業用の駆動装置を制御するた
めの操作レバー等の操縦装置を支持させることが好まし
い。
【0043】また、本発明においては、走行駆動装置を
直接走行装置に連動連結してもよいが、走行駆動装置を
伝動装置を介して走行装置に連動連結してもよい。この
ような伝動装置としては、走行駆動装置の動作をオイル
ポンプを介して油圧に変換し、その油圧で駆動される油
圧モータ等の出力装置で走行装置を駆動する油圧式伝動
装置と、走行駆動装置の動作をクラッチ、変速機、プロ
ペラシャフトデファレンシャルギヤ等の機械機構を介し
て走行装置に伝達する機械的伝動機構とが代表的であ
る。
【0044】本発明で用いられるブレード装置は、台車
の前部に、床下地層の上面に接地可能に支持され、且つ
走行装置の幅と略等幅或いは広幅に形成されたブレード
を有するように構成してあればよいが、特に床の剥離効
率を向上するために、走行装置の幅より広幅に形成され
たものが望ましい。
【0045】又、このブレード装置は、台車に固定的に
支持させてもよいが、移動時に床に接触して床を傷つけ
ることを防止するため、ブレード装置のブレードを昇降
可能に台車に支持させることが好ましい。
【0046】このブレード装置のブレードを昇降可能に
台車に支持させる場合には、作業者の労働負担を軽減さ
せると共に、作業性を高めるため、ブレード装置にブレ
ードを昇降駆動するブレード駆動装置を設けることが好
ましい。
【0047】ブレード駆動装置としては、油圧シリン
ダ、エアシリンダ、電動シリンダ、ソレノイド等の直線
駆動装置や、油圧モータ、電動モータ等の回転駆動装
置、或いはこのような駆動装置によって駆動される機械
機構を用いればよい。
【0048】また、ブレード装置のブレードは、特に限
定されないが、ブレードが床面に対応して揺動可能に台
車に支持されるように構成することができる。この場合
には、何らかの理由で走行装置の走行面に凹凸が生じ、
走行装置がその凹凸に乗り込んで台車が傾斜したときに
ブレードを床面に対して平行に位置させることができ、
この結果、ブレードの床からの浮上による作業効率の低
下を防止できる。
【0049】また、ブレードが床面に対応して揺動可能
に台車に支持される場合には、ブレード装置が昇降可能
に台車に支持されるブレードと、これを昇降駆動するブ
レード駆動装置とを備え、ブレードが走行面と平行にな
る中立位置にブレードを付勢する中立付勢装置を設ける
ことが好ましい。これにより、床から持ち上げられたブ
レードが不用意に傾斜して床に接触し、床を傷つけるこ
とを防止できる。
【0050】本発明においては、台車に支持されるユニ
ットフレームと、ユニットフレームに支持させた起振装
置と、このユニットフレームに振動可能に支持され、且
つ起振装置で振動されるスクレーパとを備えるスクレー
パユニットを設けることは何ら支障がない。
【0051】即ち、スクレーパ及びスクレーパ取付枠を
振動させる起振装置は自走台車に設けることも可能であ
るが、スクレーパの床面からの反力による反動を抑え
て、剥離作業の作業性を高めるため、スクレーパユニッ
トに起振装置を支持させて、起振装置の重量がスクレー
パに加えられるようにすることが好ましい。
【0052】また、スクレーパユニットに起振装置を設
ける場合には、ユニットフレームの前部に起振装置を載
置して設けることも可能であるが、これではアームを回
動させたり、上下させる際に起振装置が壁等に接触して
互いに損傷したり、破損したりしないようにするため
に、起振装置はユニットフレームの後部に、上記アーム
の下側に位置して搭載することが最も有利である。
【0053】起振装置としては、エアハンマ、油圧ハン
マ等の直接振動を発生するものや、油圧モータ、電動モ
ータ、エンジン等の回転運動を生じる駆動源と、駆動源
の回転運動を偏心カム、偏心回転板、スライダクランク
機構等を介して振動、即ち、往復運動に変換する運動変
換機構とを備えるものを用いることができる。
【0054】この場合には、スクレーパユニットのスク
レーパによって振動を加えながら床材及び下地層にこび
りついた接着剤を剥離することができる。この場合、ス
クレーパが受ける反動は床材剥離機の重量によって生じ
る摩擦力によって解消され、操縦者はその反動を受け止
める必要はない。
【0055】もっとも、この起振装置を搭載したスクレ
ーパユニットを用いる床材剥離作業は騒音が発生し易い
ので、できるだけ限定的に行うことが好ましい。
【0056】しかしながら、剥離作業の作業効率を高め
るためには、適当な重量と出力が得られる駆動源と運動
変換機構とを備えるものが有利であり、特に駆動源とし
てエンジンを備える起振装置は重量が重く、しかも、強
力な出力が得られる点で最も有利である。
【0057】エンジンを備える起振装置においては、燃
料タンクをエンジンに組付けることも可能であるが、こ
の場合には、起振装置の占有スペースが大型化する上、
スクレーパユニットが床面にならって傾斜した時に燃料
タンク内で燃料が片寄り、エンジンに燃料を送り出せな
くなることがある。
【0058】この問題は、燃料タンクを自走台車に搭載
し、この燃料タンクからエンジンに燃料を供給する燃料
供給路に燃料ポンプを介在させることによって解決され
る。
【0059】また、エンジンを備える起振装置において
は、エンジンの運転騒音を低減することが好ましい。こ
のため、上記エンジンとしてピストンのストロークがシ
リンダのボアに比べて小さいショートストロークエンジ
ンを用いたり、エンジンの周囲を覆う防音ケースを設け
たりすることが推奨される。
【0060】さらに、エンジンを備える起振装置におい
ては、エンジンのオーバーヒートが発生しないようにす
るため、上記エンジンのオーバーヒートが発生する恐れ
が生じたことを検出するセンサと、このセンサがエンジ
ンのオーバーヒートが発生する恐れが生じたことを検出
した時に警報を発するオーバーヒート警報器とを備える
ことが好ましい。
【0061】エンジンのオーバーヒートが発生する恐れ
が生じたことを検出するセンサとしては、エンジンまた
はその排気温度に感応してエンジンのオーバーヒートが
発生する恐れが生じたことを検出する温度センサや、エ
ンジンの油圧に感応してエンジンのオーバーヒートが発
生する恐れが生じたことを検出する圧力センサなどを用
いればよい。
【0062】又、この起振装置はできるだけ作業環境を
悪化させないものを採用することが好ましく、この観点
からは現時点では、燃焼により酸欠雰囲気となる恐れや
排気ガスによる大気汚染が生じる恐れがなく、しかも、
運転騒音が少ない電動起振動装置が最も好ましい。
【0063】即ち、起振装置が、走行駆動装置と別体に
設けられた蓄電池及びモータを含む電動起振装置からな
り、該電動起振装置がユニットフレームに搭載されてい
るものが、有益である。
【0064】この場合、電動起振装置がユニットフレー
ムにおけるスクレーパの近傍に搭載されているものが、
この電動起振装置の自重によってスクレーパを床面のタ
イルに食い込ますことができる結果、タイルの剥離等が
一層効率良く行われるので、有益である。
【0065】この電動起振動装置を用いる場合、その駆
動源、即ち、電源として商用電源或いは蓄電池が用いら
れる。しかしながら、電動パワーユニットの電源として
商業電源を用いる場合には、壁等に設けたコンセントか
ら床材剥離装置にいたるコードを設ける必要があり、こ
のコードによって床材剥離装置の移動範囲が制限された
り、コードの余長部分の処理が面倒になる場合があるの
で、現場の状況によって最適な手段を講ずる必要があ
る。
【0066】これに対して、電源として蓄電池を用いる
場合には、床材剥離装置の移動範囲に対する制限がほと
んどなくなると共に、面倒なコード処理が不要となる点
で有利になる。
【0067】このようにスクレーパユニットを設ける場
合、これを台車に固定的に支持させることも可能である
が、移動時にスクレーパが床に接触して床を傷つけるこ
とを防止するため、スクレーパユニットを台車に昇降可
能に支持させ、必要に応じて作業者の労働負担を軽減す
ると共に、作業性を高めるため、スクレーパユニットを
昇降駆動する昇降駆動装置を設けることが好ましい。
【0068】また、スクレーパユニットの不使用時にス
クレーパユニットが走行装置やブレード装置の操縦に要
する視野を遮断しないようにするため、スクレーパユニ
ットを台車に水平揺動可能に支持させ、必要に応じて作
業者の労働負担を軽減すると共に、作業性を高めるた
め、スクレーパユニットを水平揺動駆動する水平駆動装
置を設けることが好ましい。
【0069】ところで、床材剥離機を使用する際に例え
ば床材剥離機を狭い廊下からエレベータに載せたり、エ
レベータから狭い廊下に下ろしたりすることがある。こ
のような場合には、狭い所で微妙な操縦操作を行う必要
があり、走行装置を用いて床材剥離機を移動させると、
廊下の壁、エレベータの側壁、ドア等に衝突して、これ
らを傷つけることが少なくない。又、例えばエレベータ
内に入ってその場で方向転換する必要がある場合等に
は、操舵操作が著しく困難になったり、操縦操作ができ
なかったりすることもある。
【0070】このような問題を解決するために、本発明
においては、台車の下方にシリンダを介して支持板を昇
降可能に支持し、この支持板の下方に自在車輪が回転自
在に設けられ、このシリンダを伸長させることにより、
自在車輪を下降させて床面に転接させると共に、機体が
自在車輪に支持されて床面から持ち上げられるように構
成することが望ましい。
【0071】この場合、自在車輪の数としては特に限定
されないが、床材剥離機を手で押して移動する際、安全
に且つ安定して所要の位置に移動できるようにするため
に、自在車輪の数を3個以上設けるのが望ましい。
【0072】しかしながら、自在車輪の数が、3個では
方向によって走行安定性が悪くなる場合があり、又、自
在車輪の個数が多くなると手押しで床材剥離機を動かし
始める時に方向性が悪くなると共に、部品点数が多くな
る。従って、方向安定性と動かし始めの方向性とを調和
させることができる4個の自在車輪を設けることが最も
好ましい。
【0073】又、床材剥離機の走行安定性を良好にする
ために、自在車輪の方向を自在にコントロールする車輪
用方向支持体を設けてなるものが、最も有益である。
【0074】又、上記各自在車輪は床材剥離機の重心点
からできるだけ遠くに、又、等距離に配置することが好
ましい。しかしながら、機体の外側に突出させると壁際
の床材の剥離作業の障害になるので、機体の平面輪郭の
内側、例えば、走行装置のフレームの前後両端部の車体
中央側に設けることが好ましい。
【0075】ところで、上記ブレード駆動装置、スクレ
ーパユニットの起震装置、昇降駆動装置、水平駆動装
置、自在車輪を昇降させるシリンダ等の作業用の駆動装
置の駆動源としては、走行駆動装置を用いてもよく、
又、走行駆動装置とは独立した別体の駆動源を用いても
よい。
【0076】作業用の駆動装置の駆動源として走行駆動
装置を用いる場合には、作業用の駆動装置専用の駆動源
が設けられず、又、例えば走行駆動装置を走行装置に連
結する伝動装置が部分的に共用されるので、全体として
の構成が簡単になると共に、軽量化を図ることが可能に
なる。
【0077】しかしながら、この場合には、作業用の駆
動装置と走行装置とを同時に使用する場合に、走行駆動
装置の駆動力が作業用の駆動装置と走行装置とに分配さ
れるので、走行力が低下すると共に、作業力、例えば起
振装置の振動力が低下するので、走行速度が低下すると
共に、作業能率が低下するという問題があり、特に走行
駆動装置が蓄電池を含む電動パワーユニットで構成さ
れ、その蓄電池が作業用駆動装置の電源に兼用される場
合にはこの問題は著しく顕著になる。
【0078】これに対して、作業用の駆動装置の駆動源
として、走行駆動装置から独立した駆動源を設ける場合
には、作業用の駆動装置と走行装置とを同時に使用して
も互いに他方に駆動力を分配することがないので、走行
能力の低下及び作業能力の低下を共に防止することがで
きる。また、走行駆動装置の他に作業用の駆動装置専用
の駆動源を設けることにより床材剥離機が重量化する
が、この重量化によって走行装置の摩擦力が増大され、
走行力が増大するという利点も得られる。
【0079】更に、本発明においては、重鎮がユニット
フレームにおけるスクレーパの近傍に搭載されているも
のが、この重鎮によって、スクレーパを床面のタイルに
食い込ますことができる結果、タイルの剥離等が一層効
率良く行われるので、有益である。
【0080】又、本発明においては、上記目的を達成す
るために、自走台車とアームとの間にアームを昇降駆動
するシリンダを設け、上記スクレーパ取付枠をアームの
前端よりも前方で、ユニットフレームの前端部に支持さ
せ、上記スクレーパがスクレーパ取付枠の前側に、その
下部が床面に対して所定の角度傾斜し、かつ、ユニット
フレーム及びスクレーパ取付枠の前方に突出するように
固定されたものが望ましい。
【0081】上記アームは自走台車の前部に昇降揺動可
能に支持してあればよいが、運搬等に際して床材剥離機
の全長を小さくしたり、スクレーパの不使用時に運転視
野を広げたりするため、アームを水平揺動可能に自走台
車に支持させることが好ましい。この場合、アームを水
平揺動させる労力を軽減させるため、アームを水平揺動
させる水平揺動駆動装置を設けることが好ましい。
【0082】また、自走台車の車体中心に対してスクレ
ーパの位置を車幅方向に移動できるようにするため、ア
ームを車幅方向に摺動可能に支持させてもよい。この場
合、アームを摺動させる労力を軽減するため、アームを
車幅方向に摺動させる横行駆動装置を設けることが好ま
しい。
【0083】アームシリンダは、自走台車とアームとに
わたって架着され、これを伸縮することによりアームが
昇降駆動されるとともに、アームがスクレーパユニット
から受ける反動力を分担して自走台車に伝達する。従っ
て、このシリンダの出力はアームの昇降駆動に必要な出
力のみならず、アームから伝達される反動力(圧力)に対
抗する力を備える必要があるので、アームの昇降駆動に
必要な出力を有するシリンダよりも一段以上大径のもの
を用いることが好ましい。
【0084】アームシリンダの駆動源は特に限定され
ず、従って、アームシリンダとしては油圧シリンダ、エ
アシリンダ或いは電動機シリンダ等、公知の構成のシリ
ンダを用いることができる。しかしながら、これらの中
では、小型化を図るため、小径で最も大きい伸縮力が得
られる油圧シリンダを用いることが好ましい。
【0085】上記スクレーパユニットは、アームの前端
部に支持されるユニットフレームと、ユニットフレーム
に前後揺動可能に支持されるスクレーパ取付枠と、スク
レーパ取付枠に固定されるスクレーパとを有することが
必要であり、更に、スクレーパ取付枠及びスクレーパを
駆動する起振装置を設けることが可能である。
【0086】上記ユニットフレームはアームに固定して
もよいが、剥離作業の作業能率を一定以上に保持するた
め、アームの昇降に対してユニットフレームの姿勢を一
定に保持できるようにすることが好ましい。
【0087】このためには、ユニットフレームの1点を
アームに揺動可能に支持させ、ユニットフレームの他の
1点をチルトシリンダを介して自走台車或いはアームに
連結することが考えられる。このユニットフレームの姿
勢制御を容易にするためには、ユニットフレームの1点
をアームに揺動可能に支持させ、ユニットフレームの他
の1点をチルトシリンダを介してアームに連結すること
がより好ましい。
【0088】なお、このチルトシリンダには油圧、圧縮
空気、或いは電動のシリンダを用いることができ、アー
ムシリンダと同様に、床材剥離作業時にユニットフレー
ムが受ける反動力を支えられるようにするため、ユニッ
トフレームの姿勢制御を目的とするシリンダよりも一段
以上大径のシリンダが用いられる。
【0089】ユニットフレームは、スクレーパ取付枠を
アームの前端よりも前方で支持するように、アームとの
連結部よりも前方に突出する部分を有する。また、後述
するように起振装置及びその駆動源をアームの下側に位
置させる場合には、アームとの連結部からエンジンの高
さだけ下方に延びる部分と、これの下端に連結するベー
ス部分とを設ける必要がある。
【0090】上記スクレーパ取付枠は、これに取付けら
れるスクレーパとともに下端が前後に振動するようにす
るため、その上部をユニットフレームに左右軸心回りに
回転可能に支持される。
【0091】スクレーパが取付けられるスクレーパ取付
枠の前面は、垂直面にしてもよいが、スクレーパの補強
としての機能を高めるため、スクレーパの後面に沿った
形状に形成することが好ましい。
【0092】スクレーパは、床材と床下地層との間に差
し込まれて床材を床下地層から剥離させるため、その下
部が床面に対して傾斜するようにスクレーパ取付枠の前
面に固定される。また、スクレーパはその下端がスクレ
ーパ取付枠及びユニットフレームの前方に突出するよう
にスクレーパ取付枠に取付けられる。
【0093】スクレーパの床面に対する傾斜角度は所定
の角度、特に床材と床下地層との間への食い込みを良く
し、床下地層に強力に接着された床材を容易に剥離でき
るようにするために、40度以下に設定するのが望まし
く、更に、これらの観点より、30度以下に設定するこ
とが好ましい。
【0094】スクレーパによって剥離された床材はスク
レーパの前面に案内されて斜め後ろ上方ないし上方に跳
ね上がって行くので、これをそのまま放置すると作業者
の視界を遮断したり、作業者に接触する恐れがあり、安
全性を高める上で問題となる。
【0095】そこで、スクレーパの上部ないしスクレー
パ取付枠の上部にスクレーパの前面下部からスクレーパ
取付枠の揺動中心の近傍にわたって円滑に連続し、スク
レーパの下端より床面から剥離された床材を上方または
斜め前上方に案内する湾曲面を設けることにより、スク
レーパの下端により床面から剥離された床材が上方また
は斜め前上方に進むようにすることが好ましい。
【0096】スクレーパは剥離作業を繰り返すうちにそ
の下端が摩耗し、スクレーパの下端、即ち、刃先の位置
が次第に高くなるとともに、後退してくる。そこで、ス
クレーパをスクレーパ取付枠に刃先の傾斜方向に移動可
能に固定し、スクレーパの摩耗に対応してスクレーパの
刃先を斜め前下方に送り出して固定できるように構成す
ることが推奨される。
【0097】具体的には、スクレーパにその上縁から下
方に延びる複数のU字溝、或いは、上下方向に延びる複
数の長孔を形成し、各U字溝或いは長孔に挿通されるボ
ルトでスクレーパをスクレーパ取付枠に締めつけてスク
レーパをスクレーパ取付枠に固定するように構成するこ
とができる。
【0098】この場合、刃先位置の調整を容易にするた
め、各U字溝或いは各長孔の同一側の側縁に適当な間隔
をおいてボルトが嵌脱される複数の位置決め凹部を形成
して、適当な凹部に各ボルトを嵌め込むことによりスク
レーパを位置決めしてスクレーパ取付枠に固定できるよ
うにすることができる。
【0099】更に、この場合、スクレーパの前面に上記
各U字溝或いは長孔に挿通されるボルトの頭を格納でき
る凹溝を形成して、剥離された床材が上記ボルトの頭に
接触しないようにすれば、床材の剥離が円滑に進められ
るとともに、ボルトの摩耗を防止して、ボルトの寿命を
長くすることができる。
【0100】本発明においては、走行装置に揺動可能に
支持させたブレード装置によって床材の剥離が可能な場
合や剥離した床材を片付ける場合にはブレード装置が有
れば良いので、アームと、このアームの前端に支持され
たスクレーパユニット等が不要になる。
【0101】この場合には、台車とアーム箇所が着脱自
在に連結されていてこのアーム箇所全体を取り外しでき
るようにするのが好ましい。
【0102】このアーム箇所全体とはアームや配管類等
を言い、この配管類とは台車側から延びる油圧配管、燃
料供給管、スロットルレバー等を言い、この発明におい
ては、これらの全てを着脱できるようにしたものであ
る。
【0103】
【作用】本発明の床材剥離機は、上記構成を有し、ブレ
ードを床下地層に接触させて台車を走行させると、ブレ
ードが床下地層の上側の接着剤及び床タイル等の床材を
掻き取る。この掻き取りに対する反動は走行装置の走行
力によって解消され、走行装置の走行力は床材剥離機の
重量により生じる走行装置の対地摩擦力によって吸収さ
れる。したがって、操縦者は操縦装置を操作する他に労
力を使わなくて済むことになる。
【0104】なお、ここで床材剥離機の重量とは、走行
装置、走行駆動装置、伝動装置、ブレード装置等の重量
の総和、更に乗車操縦方式の場合にはこれに操縦者の体
重を加えた重量であり、一般に、300〜500kg、
特に350〜450kg程度にすればよい。
【0105】また、ブレードを振動させずに移動させる
ので、ブレードが床の下地層や床材等を打撃して起こる
打撃音の発生を防止でき、騒音が発生し難くなる。
【0106】又、本発明においては、台車の下方にシリ
ンダを介して支持板を昇降可能に支持し、この支持板の
下方に自在車輪が回転自在に設けられ、このシリンダを
伸長させることにより、自在車輪を下降させて床面に転
接させると共に、機体が自在車輪に支持されて床面から
持ち上げられるように構成することにより、床材剥離機
を手で押して移動する際、安全に且つ安定して所要の位
置に移動できる作用を有するのである。
【0107】本発明においては、自走台車とアームとの
間にアームを昇降駆動するアームシリンダを設けている
ので、スクレーパ床面から受ける反動力が床材剥離機の
重量と、自走台車の走行力によって解消され、操縦者は
その反動を受け止める必要はない。
【0108】また、本発明においては、スクレーパ取付
枠をアームの前端よりも前方で、ユニットフレームの前
端部に支持させ、スクレーパがスクレーパ取付枠の前側
に、その下部が床面に対して所定の角度傾斜し、かつ、
ユニットフレームの前方に突出するように固定している
ので、壁際までスクレーパを進ませても、スクレーパを
支持するユニットフレームやアームの前端が壁面に衝突
する恐れはなく、壁面とユニットフレーム及びアームが
互いに損傷したり、破損したりする恐れはなくなる作用
を有する。
【0109】本発明において、スクレーパユニットに起
振装置を設ける場合には、起振装置をユニットフレーム
の後部に、アームの下側に位置して搭載することによ
り、アームを回動させたり、上下させる際に起振装置が
壁等に接触しなくなる作用を有するのである。
【0110】本発明において、台車が運転台を備え、こ
の運転台に設けられた出力方向制御用の操縦具に出力制
御用の操縦具を設けると、片手で操向制御をしながら発
信、停止、走行速度、起振装置の制御等を容易に行える
作用を有するのである。
【0111】本発明において、台車にアームが着脱自在
に連結されて当該台車とアーム箇所の全体が取り外し可
能に構成されていると、台車に揺動可能に支持されたブ
レード装置によって床材の剥離が可能な場合や剥離した
床材を片付ける場合には、アーム箇所全体を取り外して
走行できるので、一層操縦が容易になる作用を有するの
である。
【0112】
【実施例】次に、本発明の一実施例を図面に基づき具体
的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。図1の側面図及び図2の平面図に示す本発明の一実
施例に係る床材剥離機は、自走台車(以下、単に台車と
いう。)1は、クローラ式走行装置2と、その上側に全
旋回可能に支持された旋回台3とを備えている。
【0113】上記台車1は、運転者が台車1に乗って操
縦する乗車操縦型のものであっても、運転者が台車1に
随伴して歩行しながら操縦する歩行操縦型のものであっ
てもよいが、この実施例では、作業者の労働負荷を軽減
するとともに、安全性を高めるため、乗車操縦型の台車
1としている。
【0114】この旋回台3の後部にはクローラ式走行装
置2を駆動する走行駆動装置4と、この走行駆動装置4
の駆動力をクローラ式走行装置2に伝達する伝動装置5
の一部分が搭載され、これらクローラ式走行駆動装置4
及び伝動装置5の一部分は旋回台3の後部に開閉可能に
設けた防音ケース6内に収納されている。
【0115】上記旋回台3の前部には操縦装置7が配置
され、後部の防音ケース6は、その上に運転台8を設け
ることにより操縦席に兼用されている。
【0116】上記走行装置2は平面視においてH字形の
フレーム9と、このフレーム9の各サイドビーム9aの
後端に回転自在に支持された駆動輪10と、各サイドビ
ーム9aの前端に回転自在に支持されたアイドラ11
と、駆動輪10及びアイドラ11に巻き掛けられたゴム
クローラ12とを備える。
【0117】上記走行駆動装置4はガソリンタンク13
と、エンジン14と、図示しない吸気系、排気系、バッ
テリを含むエンジンユニットで構成され、伝動装置4は
油圧装置で構成され、この油圧装置の作動油タンク15
と、エンジン14により駆動されるオイルポンプ16が
防音ケース6内に配置され、クローラ式走行装置2の駆
動輪10を個別に駆動する油圧モータ17がフレーム9
の各サイドビーム9aの後端に支持される。
【0118】上記クローラ式走行装置2のフレーム9の
前側にはブレード装置18が支持され、このブレード装
置18は、図3の側面図、図4の平面図及び図5の背面
図に示すように、クローラ式走行装置2のフレーム9の
センタービーム9bの前側に昇降揺動可能に支持された
アーム19と、このアーム19の先端に連結機構20を
介して前後軸心回りに所定の範囲、例えば中立位置から
プラスマイナス5〜10度の範囲で揺動可能に支持され
たブレード支持枠21と、このブレード支持枠21の前
面に着脱可能に固定されたブレード22と、上記アーム
19を昇降駆動する油圧シリンダからなるブレードシリ
ンダ23とを備える。
【0119】上記アーム19は平面視においてT字形に
形成され、その先端の中央部に連結機構20のベアリン
グ装置24が連結され、その先端の左右両端部に連結装
置のピン止め機構25が連結される。
【0120】上記連結機構20のベアリング装置24
は、アーム19の先端に固定された円筒形のハウジング
26と、このハウジング26に内嵌支持された円筒形の
ブシュ27と、このブシュ27に内嵌され、ブレード支
持枠21に固定された回転軸28とで構成される。
【0121】また、上記連結機構20のピン止め機構2
5は、アーム19の先端の左右両端部に対応する位置で
上下に適当な間隔を置いてブレード支持枠21に固定さ
れるピン受部29と、上下に各対をなすピン受部29及
びこれらの間に挿入されるアーム19の先端の左或いは
右端部とに挿通される連結ピン30とを備え、各ピン受
部29とアーム19の先端部の左或いは右端部との間に
は、ブレード支持枠21及びブレード22をブレード2
2が走行面と、平行になる中立位置に付勢する中立付勢
ばね31が挿入される。
【0122】上記ブレード支持枠21及びブレード22
は、クローラ式走行装置2よりも広幅に形成され、走行
装置2の左右両側に均等に張り出すようにして台車1に
支持させる。
【0123】なお、ブレード22は例えば、切削用工具
鋼、高速度鋼、ダイス鋼、ゲージ鋼等の工具用特殊鋼、
セラミックス等で作られ、その上下両端に切刃32を形
成してあり、この切刃32は使用中に床下地層との接触
によって研がれるが、床下地層の異物と衝突して変形し
たり、使用不能になり、この一方の切刃32が上になる
ように、又、他方の切刃32が下になるように付け替
え、両方の切刃32が使用不能になれば新品と交換され
る。
【0124】図1及び図2に示すように、上記旋回台3
の前端部には水平揺動可能に水平揺動枠33が支持さ
れ、この水平揺動枠33に昇降揺動可能に支持されたア
ーム34とチルト機構35とを介してスクレーパユニッ
ト36を支持させてある。
【0125】また、旋回台3と水平揺動枠33とにわた
って水平揺動枠33を揺動駆動する油圧シリンダからな
るブラケットシリンダ37が、又、水平揺動枠33とア
ーム34とにわたってビームを昇降揺動させる油圧シリ
ンダからなるアームシリンダ38が、更に、アーム34
とチルト機構35とにわたってチルト機構35を駆動す
る油圧シリンダからなるチルトシリンダ39が、それぞ
れ設けられる。
【0126】上記スクレーパユニット36は、ユニット
フレーム40と、このユニットフレーム40に前後揺動
可能に支持されたスクレーパ取付枠41と、スクレーパ
取付枠41に着脱可能に固定されるスクレーパ42と、
スクレーパ取付枠41及びスクレーパ42を駆動する起
振装置43とを備える。この起振装置43には、スクレ
ーパ取付枠41及びスクレーパ42を揺動駆動するよう
に構成してあればよく、例えば油圧モータ44と、これ
にスクレーパ取付枠41を連動連結するクランク機構4
5とを備える。
【0127】なお、この床材剥離機の重量は約370k
gであり、エンジン14の出力は3.5ps/3000
rpm、床材剥離機の走行速度は1.4km/hであ
り、クローラ12の接地圧は0.14kg/cmであ
る。
【0128】この床材剥離機においては、ブレードシリ
ンダ23を操作してブレード22の下端縁を床構造の下
地層の上面の高さに調整し、台車1を走行させると、ブ
レード22が床タイル及びその裏面の接着剤を掻き取
り、これにより床タイルが剥離される。この掻き取りに
対する反動は走行装置の走行力によって解消され、走行
装置の走行力は床材剥離機の重量により生じる走行装置
の対地摩擦力によって吸収される。
【0129】したがって、操縦者は操縦装置7を操作す
る他に労力を使わなくて済むことになり、従来に比べる
と著しく労働が軽減され、また、剥離作業の反動によっ
て床材剥離機が後退するおそれはなく、床材剥離機の後
退に伴う負傷の危険性もなくなり、安全性が著しく高め
られる。
【0130】特に、この実施例では、台車1に旋回台3
を設け、この旋回台3の後部に設けた運転台8に座っ
て、操縦装置7を操作することにより、床材剥離機を操
縦できるようにしているので、床材剥離機と作業現場の
壁との間に挟まれたりする危険性が殆どなくなるので、
一層安全性が高められる。
【0131】また、この実施例では、特に旋回台3を走
行装置2に対して全旋回可能に設けているので、操縦者
は旋回台3の方向を変えることにより床材剥離機の走行
や剥離作業の監視等に最適の姿勢をとることができ、作
業性を高められるとともに、精神的ストレスがたまり難
くなり、労働が一層軽減される。
【0132】この床材剥離機においては、ブレード22
を台車1で押して床タイル及び接着剤を掻き取るので、
ブレード22が床タイル、接着剤或いは床下地層を打撃
する音が発生せず、騒音が発生し難くなる。その結果、
一般に仕事が行なわれる平日の昼間でも剥離作業を行う
ことができるようになり、人材を確保し易くなる。
【0133】特に、この実施例では、主な騒音発生源で
ある走行駆動装置4を防音ケース6で覆っているので、
周囲への騒音、振動の放散が一層少なくなり、一般に仕
事が行なわれる平日の昼間でも剥離作業を行うことが一
層容易になり、人材を一層確保し易くなる。
【0134】また、この床材剥離機においては、剥離さ
れた床タイル、接着剤等の廃材はブレード22の左右両
横側に排除されるが、ブレード22が走行装置2と略等
幅或いは広幅に形成されているので、走行装置2が廃材
の上に乗り上げるおそれはなくなり、廃材への走行装置
2の乗り上げによるブレード22の浮き上がりが発生す
る恐れや、これにより作業性が低下する恐れもなくな
り、作業性を著しく高めることができる。
【0135】特に、この実施例では、ブレード22が床
面に対応して揺動可能に台車1に支持されるので、何ら
かの理由で台車1がローリング傾斜してもブレード22
は床下地層の上面に馴染み、床下地層の上面から浮き上
がることが防止される。その結果、ブレード22が床下
地層の上面から浮き上がって作業効率が低下することが
防止され、一層作業性を高めることができる。
【0136】その結果、この床材剥離機によれば、素人
の作業者であっても、例えば、比較的接着剤の接着力が
強い塩ビタイルの場合には1時間当たり100〜120
程度、比較的接着剤の接着力が弱いPタイル(商品
名)の場合には1時間当たり200m程度の剥離作業
を処理できるようになる。
【0137】また、この実施例の走行装置2はクローラ
式走行装置で構成しているので、単位面積当たりの接地
圧を一定以下に抑えながらも全体として重い重量を支持
することができ、強力な走行力を得ることができ、強力
な接着剤を使用する場合でも確実に床タイル及び接着剤
を床下地層から剥離することができる。
【0138】また、この実施例では走行駆動装置4をガ
ソリンエンジンユニットで構成しているので、燃料を比
較的容易に、かつ、安価に入手できる上、灯油エンジン
や軽油エンジンに比べれば汚染性の低い排気ガスを排出
されることができ、屋内での作業環境の悪化防止を図る
上で有利である。
【0139】また、この実施例では、伝動装置5を油圧
装置で構成しているので、走行駆動用の油圧モータ17
のほかにも、ブレードシリンダ23、ブラケットシリン
ダ37、アームシリンダ38、チルトシリンダ39、ス
クレーパユニット36の油圧モータ44及び旋回台3を
旋回駆動する油圧モータに油圧配管を接続することによ
り、走行駆動装置4の駆動力でオイルポンプ16から圧
油を圧送してそれらの油圧出力機器を駆動することがで
き、床材剥離機全体の構成を簡単にできる。
【0140】更に、この床材剥離機では、ブレード22
を昇降可能に台車1に支持させているので、移動時には
ブレード22を床面から高く持ち上げることができ、ブ
レード22が不用意に床に接触して床を傷つけることを
防止できる。
【0141】また、この床材剥離機では、ブレード22
を中立位置に付勢する中立付勢ばね31が設けられてい
るので、ブレード22を持ち上げた時にブレード22が
不用意に傾斜して床に接触することを防止でき、ブレー
ド22の接触によって床を傷つけることを一層確実に防
止できるとともに、ブレード22のがたつきを防止で
き、ブレード22のがたつきによる騒音の発生を防止で
きる。
【0142】更に、この床材剥離機は、スクレーパユニ
ット36を備えているので、ブレード22によって剥離
できない程度に強固に接着されている接着剤や床タイル
が局所的に残る場合等にこのスクレーパユニット36を
用いて、スクレーパ42を振動させながら台車1で押し
進めることにより、確実に局所的に残る接着剤や床タイ
ルを剥離することができる。
【0143】しかも、このスクレーパユニット36は台
車1に昇降揺動可能に支持させてあるので、移動時には
スクレーパユニット36を床面から高く持ち上げること
ができ、スクレーパユニット36が不用意に床に接触し
て床を傷つけることを防止できる。
【0144】また、このスクレーパユニット36は台車
1に水平揺動可能に支持してあるので、不使用時にはス
クレーパユニット36を走行状態や他の作業の作業状態
の監視の妨げとならない位置に退避させることができ、
スクレーパユニット36によって視野が遮られて作業性
が低下することを防止でき、作業性を高めることができ
る。
【0145】本発明の他の実施例においては、例えば図
6の側面図に示すように、ブレード装置118のアーム
119とブレード支持枠121とを連結する連結機構1
20のベアリング装置124が、アーム119の先端に
固定された円筒形のハウジング126と、ハウジング1
26に内嵌支持された球面のブシュ127と、このブシ
ュ127に内嵌され、ブレード支持枠121に固定され
た球面128とで構成される。
【0146】なお、図6において122はブレード、1
23はブレードシリンダ、109はフレーム、109b
はセンタービームを示す。
【0147】この実施例のその他の構成、作用ないし効
果は上記の一実施例の場合と同様であるので、重複を避
けるためこれらの説明は省略する。
【0148】本発明のまた他の実施例においては、例え
ば図7の側面図に示すように、ブレード装置218のア
ーム219と、ブレード支持枠221とを連結する連結
機構220が上下一対のベアリング装置224を備え、
各ベアリング装置224はアーム219の先端に固定さ
れた円筒形のハウジング226と、ハウジング226に
内嵌支持された球面のブシュ227と、ブシュ227に
内嵌され、ブレード支持枠221に固定された球体22
8とで構成される。
【0149】なお、図7において222はブレード、2
23はブレードシリンダ、209はフレーム、209b
はセンタービームを示す。
【0150】この実施例のその他の構成、作用ないし効
果は上記の各実施例の場合と同様であるので、重複を避
けるためこれらの説明は省略する。
【0151】図8の平面図及び図9の断面図に示す本発
明の又更に他の実施例においては、フレーム9の各サイ
ドビーム9aの前後両端部の車体中央側にそれぞれ縦軸
方向に伸縮するシリンダ46を介して自在車輪47を昇
降可能に支持させている。
【0152】そして、これらシリンダ46を伸長させる
ことにより、自在車輪47を下降させて床面に転接させ
ると共に、機体を床面から持ち上げて、自由に床材剥離
機を手で押して、その場で床材剥離機を旋回させたり、
方向を変換しながら移動させたり、斜め方向に移動させ
たりすることができるようにしている。
【0153】これにより、床材剥離機を手で押して微妙
に移動させて、例えば床材剥離機を狭い廊下からエレベ
ータに載せたり、エレベータから狭い廊下に下ろしたり
することが容易になる。又、このような際に、床材剥離
機を手で押して微妙に移動させることにより、機体が廊
下の壁、エレベータの側壁、ドア等に衝突することを防
止でき、この衝突によって廊下の壁、エレベータの側
壁、ドア等が傷つくことを防止できる。
【0154】この実施例のその他の構成、作用ないし効
果は上記の各実施例の場合と同様であるので、重複を避
けるためこれらの説明は省略する。
【0155】図10の平面図及び図11の断面図に示す
本発明のもう一つの実施例においては、フレーム9のセ
ンタービーム9bの中央部に縦軸方向に伸縮するシリン
ダ146を介して昇降枠148を昇降可能に支持する。
この支持枠148はセンタービーム9bの前後両側に張
り出させてあり、その前後両端部の左右両側に自在車輪
147が支持される。
【0156】そして、このシリンダ146を伸長させる
ことにより、自在車輪147を下降させて床面に転接さ
せると共に、機体を床面から持ち上げて、自由に床材剥
離機を手で押して、その場で床材剥離機を旋回させた
り、方向を変換しながら移動させたり、斜め方向に移動
させたりすることができるようにしている。
【0157】この場合、自在車輪147の方向を自在に
コントロールする車輪用方向支持体(図示せず)を設
け、この車輪用方向支持体で自在車輪147の方向を定
めて移動し易くするのが望ましい。
【0158】この実施例のその他の構成、作用ないし効
果は前例の場合と同様であるので、重複を避けるためこ
れらの説明は省略する。
【0159】上記の各実施例では、床材剥離装置の全て
の駆動装置の駆動源が共通のエンジンユニット4で構成
され、伝動装置5の一部分、例えばオイルポンプ16等
が全ての駆動装置に共用されている。しかしながら、エ
ンジンユニット4は、燃焼によって酸欠雰囲気を形成し
たり、大気汚染が発生したりする上、運転騒音が大き
く、これらの問題を解消するためには、現時点では、電
気を駆動源として用いることが最も好ましい。
【0160】電気を駆動源として用いる場合、電源とし
て商用電源を用いることが可能であるが、この場合に
は、壁等に設けたコンセントから床材剥離機にいたるコ
ードを設ける必要があり、このコードによって床材剥離
機の移動範囲が制限されたり、コードの余長部分の処理
が面倒になる場合がある。
【0161】これに対して、電源として蓄電池を用いる
場合には、床材剥離機の移動範囲に対する制限はほとん
どなくなると共に、面倒なコード処理は不要となる。し
かし、この場合走行駆動装置の電源である蓄電池が作業
用の駆動装置、即ち、ブレードシリンダ、起振装置、ス
クレーパユニットのビームシリンダ、チルトシリンダ、
ブラケットシリンダ、自在車輪を昇降させるシリンダ等
の駆動源に共用される場合には、走行装置と作業装置と
を同時に使用すると、蓄電池の電力が走行駆動装置と作
業用の駆動装置とに分配されることになり、走行駆動装
置の出力及び作業用の駆動装置の出力が低下する。
【0162】この問題を解決するためには、走行駆動装
置とその他の駆動装置とを備える場合には、走行駆動装
置の駆動源及びこの駆動源を走行駆動装置に結合する駆
動系統から独立させればよい。
【0163】例えば図12の構成図に示すように、走行
駆動装置304を一対のモータで構成し、これらのモー
タ304の駆動源として蓄電池304aを設ける一方、
その他の駆動装置として油圧出力装置、即ち、ブレード
シリンダ323、ブラケットシリンダ337、ビームシ
リンダ338、チルトシリンダ339、油圧モータ34
4を設け、これらの駆動源として、別の蓄電池351
と、この蓄電池351によって駆動されるモータ352
と、モータ352によって駆動されるオイルポンプ35
3とを設け、オイルポンプ353から吐出される圧油を
これらの油圧出力装置に分配するように構成すればよ
い。
【0164】又、図13及び図14は本発明の更に他の
実施例を示し、起振装置43はできるだけ作業環境を悪
化させないものを採用することが好ましく、この観点か
ら、燃焼により酸欠雰囲気となる恐れや排気ガスによる
大気汚染が生じる恐れがない上、運転騒音が少ない電動
起振動装置が最も好ましい。
【0165】即ち、起振装置43が、走行駆動装置4と
別体に設けられた蓄電池及びモータを含む電動起振装置
200からなり、該電動起振装置200がユニットフレ
ーム40に搭載されているものが、有益である。
【0166】この場合、電動起振装置200がユニット
フレーム40におけるスクレーパ42の近傍に搭載され
ているものが、この電動起振装置200の自重によって
スクレーパ42を床面のタイルに食い込ますことができ
る結果、タイルの剥離等が一層効率良く行われるので、
有益である。
【0167】この電動起振動装置200を用いる場合、
その駆動源、即ち、電源として商用電源或いは蓄電池が
用いられるが、電源として蓄電池201を用いる場合に
は、床材剥離装置の移動範囲に対する制限がほとんどな
くなると共に、面倒なコード処理が不要となる点で有利
になる。
【0168】この実施例のその他の構成、作用ないし効
果は、前例の場合と同様であるので、重複を避けるため
これらの説明は省略する。
【0169】更に、本発明においては、厚手の鉄板等で
形成された重鎮がユニットフレーム40におけるスクレ
ーパ42の近傍に着脱自在に搭載し得るようにしたもの
が、この重鎮によって、スクレーパ42を床面のタイル
に食い込ますことができる結果、タイルの剥離等が一層
効率良く行われるので、有益である。
【0170】この実施例のその他の構成、作用ないし効
果は前例の場合と同様であるので、重複を避けるためこ
れらの説明は省略する。
【0171】本発明の他の実施例を以下に説明する。図
15及び図16に示すように、この他の実施例に係る床
材剥離機は、台車1と、その走行装置2に揺動可能に支
持させたブレード装置18と、走行装置2の上側に全旋
回可能に搭載された旋回台3と、この旋回台3の前端部
に水平揺動可能に連結された水平揺動枠33と、この水
平揺動枠33の上部後端箇所に昇降揺動可能に支持され
たアーム34と、このアーム34の前端に支持させたス
クレーパユニット36とを備える。
【0172】上記台車1は、上記実施例の場合と同様
に、運転者が台車1に乗って操縦する乗車操縦型の台車
1としている。
【0173】即ち、上記旋回台4上には、操縦装置7と
運転台8が前後に並べて設けられ、運転台8に着座した
運転者が操縦装置7の両側のステップ50に両足を乗せ
て全ての操縦を行うようにしてある。
【0174】走行装置2は、タイヤ方式のものであって
もよいが、接地面積が大きく、従って、強力な走行力が
作用しても滑り難いクローラ型のものを用いている。
【0175】即ち、図16の側面図に示すように、走行
装置2は平面視においてH型のフレーム9を備え、該フ
レーム9の左右の各サイドビーム9aの前端にアイドラ
11を回転自在に支持するとともに、その後端に駆動輪
10とこれを駆動する油圧モータ(走行油圧モータ)を支
持している。そして、左右各側のアイドラ11と駆動輪
10とにわたってゴム製のクローラ12を巻掛けてい
る。
【0176】上記旋回台4は走行装置2の両サイドビー
ム9aの中間部同士を連結するセンタービーム9b上に
立設したセンターポスト9cに全旋回可能に支持され、
旋回台4内に設けた油圧モータ(旋回油圧モータ)66に
よって旋回駆動されるように構成されている。
【0177】ブレード装置18は、後端が上記センター
ビーム9bの前側に昇降揺動可能に連結されるアーム1
9と、該アーム19の先端に連結されたブレード支持枠
21と、ブレード支持枠21の下部に固定されるブレー
ド22と、センタービーム9bの上側と上記アーム19
の先端部上とにわたって架着された油圧シリンダからな
るブレードシリンダ23とを備え、ブレードシリンダ2
3を進出させることによりアーム19を昇降揺動させ、
非使用時には床面からブレード22を浮き上がらせて走
行できるようにしている。
【0178】なお、ブレード支持枠21の上半部の前面
は、ブレード22によって剥離された床材を上方に案内
するように垂直に立ちあがらせてある。
【0179】図17の平面図に示すように、上記水平揺
動枠33と旋回台4とにわたって別の油圧シリンダ51
が架着され、操縦装置7の左側に設けた揺動制御レバー
52を前後に揺動操作してこの油圧シリンダ51を伸縮
させることにより、非使用時に、水平揺動枠33、アー
ム34及びスクレーパユニット36を前方に向いた作業
位置から旋回台4の前側で横方向に向いてアーム34及
びスクレーパユニット36がブレード22よりも後方に
位置する退避位置に水平旋回させて、水平揺動枠33、
アーム34及びスクレーパユニット36がブレード22
による床材剥離作業の妨げや、その作業状態の監視や走
行状態の監視の妨げとならないようにしている。
【0180】図16に示すように、この水平揺動枠5の
下部とアーム34の前端下部とにわたってアーム34を
昇降駆動するためのアームシリンダ38が架着される。
このアームシリンダ38は、これを伸縮することにより
アーム34が昇降駆動されるとともに、アーム34がス
クレーパユニット36から受ける反動力を分担して台車
1に伝達する。従って、このシリンダ38の出力はアー
ム34の昇降駆動に必要な出力のみならず、アーム34
から伝達される反動力(圧力)に対抗する力を備える必要
があるので、アーム34の昇降駆動に必要な出力を有す
るシリンダよりも一段以上大径のものを用いることが好
ましい。
【0181】なお、このアームシリンダ38は油圧シリ
ンダで構成しているが、圧縮空気、或いは電動のシリン
ダを用いることも可能である。
【0182】上記スクレーパユニット36とアーム34
の前端部との間には左右各対をなす基端リンク35aと
先端リンク35bとからなるチルト機構35が設けら
れ、このチルト機構35の両リンク35a、35bの連
節点とアーム34の中間部上とにわたって架着されたチ
ルトシリンダ39を伸縮することにより、後述するよう
に、スクレーパユニット36をアーム34の前端部を中
心にして、左右軸心回りに揺動させてその姿勢を制御で
きるようにしている。
【0183】このチルトシリンダ39は油圧シリンダで
構成しているが、圧縮空気、或いは電動のシリンダを用
いることも可能であり、アームシリンダ38と同様に、
床材剥離作業時にスクレーパユニット36が受ける反動
力を支えられるようにするため、スクレーパユニット3
6の姿勢制御を目的とするシリンダよりも一段以上大径
のシリンダが用いられる。
【0184】図16及び図17に示すように、旋回台4
の後部上の運転台8内には、ダソリンエンジン14、該
エンジン14に供給する燃料を貯留するガソリンタンク
13、上記エンジン14によって駆動されるオイルポン
プ16及びオイルポンプ16により圧送される作動油を
貯留する作動油タンク15が搭載されている。
【0185】上記操縦装置7には、上記エンジン14の
出力を制御するアクセル53が設けられ、このアクセル
53を操作することによりエンジン14の回転数(出力)
が制御され、これに伴ってオイルポンプ16から吐出さ
れる作動油の吐出量ないし吐出圧が制御されるようにし
ている。
【0186】また、操縦装置7には、操向レバー54が
設けられ、この操向レバー54を前後方向に揺動させる
ことによりオイルポンプ16から吐出される作動油が走
行油圧モータに供給され、台車1が前後に走行する。ま
た、この操向レバー54を左右方向に揺動させると、左
右の走行油圧モータに供給される圧油の分配量が制御さ
れ、左右の走行油圧モータの回転数が異なって台車1が
旋回する。
【0187】上記アクセル53と操向レバー54とは別
々に設けてもよいが、片手で操向制御をしながら発進、
停止、走行速度の制御等を容易に行えるようにするた
め、操向レバー54のグリップとアクセル53とを兼用
させ、このアクセル53を操向レバー54の軸心回りに
回転させることによりエンジン14の回転数(出力)を制
御できるようにしている。
【0188】上記操縦装置7には、ブレード装置18の
昇降を制御するブレード制御レバー55が設けられ、こ
れを前後に揺動させることによりオイルポンプ16から
ブレードシリンダ23に供給される圧油の方向を切り替
えてブレード22の高さを調整できるようにしている。
【0189】また、上記操縦装置7には、アーム34の
昇降及びスクレーパユニット36の姿勢を制御するため
のスクレーパ制御レバー56が設けられ、これを前後方
向に揺動させることにより、オイルポンプ16からアー
ムシリンダ38に供給される圧油の方向を切り替えてア
ーム34を昇降させ、このスクレーパ制御レバー56を
左右に揺動させることにより、オイルポンプ16からチ
ルトシリンダ39に供給される圧油の方向を切り替えて
スクレーパユニット36の姿勢を制御するようにしてい
る。
【0190】上記スクレーパユニット36は、アーム3
4の支持されるユニットフレーム36a、該ユニットフ
レーム36aの前端部に前後揺動可能に支持されたスク
レーパ取付枠41、このスクレーパ取付枠41の前面に
固定されたスクレーパ42、ユニットフレーム36aの
後部に搭載され、上記スクレーパ取付枠41及びスクレ
ーパ42を前後方向に振動させる起振装置43とを備え
ている。
【0191】スクレーパユニット36はアーム34に固
定してもよいのであるが、この場合には、床材の種類に
対応してスクレーパ42の下端、すなわち、刃先の角度
が決定され、床面に対して刃先の角度を任意に設定でき
ない難点がある。
【0192】この実施例では、この難点を解消し、床材
に対応して刃先の角度を任意に設定できるようにするた
め、ユニットフレーム36aの上端部の1点を直接にア
ーム34の前端部に左右軸心回りに回転可能に支持させ
るとともに、ユニットフレーム36aの上端部の他の1
点をチルト機構35及びチルトシリンダ39を介してア
ーム34の中間部に連結し、上記のようにチルトシリン
ダ39を伸縮させることによりスクレーパユニット36
をアーム34の前端部を中心に左右軸心回りに揺動させ
て、スクレーパユニット36の姿勢を制御できるように
している。
【0193】上記スクレーパ取付枠41は、これに取付
けられるスクレーパ42とともに下端が前後に振動する
ようにするため、その上部をユニットフレーム36aに
左右軸心回りに回転可能に支持される。
【0194】スクレーパ42が取付けられるスクレーパ
取付枠41の前面は、スクレーパ42の補強としての機
能を高めるため、スクレーパ42の後面に沿った形状に
形成してある。
【0195】スクレーパ42は、床材と床下地層との間
に差し込まれて床材を床下地層から剥離させるため、そ
の下部が床面に対して傾斜するようにスクレーパ取付枠
41の前面に固定される。また、スクレーパ42はその
下端がスクレーパ取付枠41及びユニットフレーム36
aの前方に突出するようにスクレーパ取付枠41に取付
けられる。
【0196】スクレーパ42の床面に対する傾斜角度は
所定の角度、特に、床材と床下地層との間への食い込み
を良くし、床下地層に強力に接着された床材を容易に剥
離できるようにするため、40度以下に設定してあれば
良く、この実施例ではスクレーパ42の振動に伴って2
0〜30度の範囲で変化するようにしている。
【0197】また、スクレーパ42によって剥離された
床材はスクレーパ42の前面に案内されて斜め後上方に
ないし上方に跳ね上がって行くので、これをそのまま放
置すると作業者の視界を遮断したり、作業者に接触する
恐れがあり、安全性を高める上で問題となる。
【0198】そこで、スクレーパ42の上部及びこれの
後面に沿うスクレーパ取付枠41の上部にスクレーパ4
2の前面下部からスクレーパ取付枠41の揺動中心の近
傍にわたって円滑に連続し、スクレーパ42の下端によ
り床面から剥離された床材を斜め前上方に案内する湾曲
面42rを設けることにより、スクレーパ42の下端に
より床面から剥離された床材を斜め前上方に進ませるよ
うにしている。
【0199】スクレーパ42は剥離作業を繰り返すうち
にその下端が摩耗し、スクレーパ42の下端、すなわ
ち、刃先の位置が次第に高くなるとともに、後退してく
る。そこで、スクレーパ42をスクレーパ取付枠41に
刃先の傾斜方向に可能に固定し、スクレーパ42の摩耗
に対応してスクレーパ42の刃先を斜め前下方に送り出
して固定できるように構成している。
【0200】即ち、図18の正面図に示すように、スク
レーパ42にその上縁から下方に延びる複数のU字溝5
7を形成し、各U字溝57に挿通されるボルト58をス
クレーパ取付枠41に形成したねじ孔に螺合し、このボ
ルト58を締め込んでスクレーパ42をスクレーパ取付
枠41に締めつけることにより、スクレーパ42をスク
レーパ取付枠41に固定するように構成している。
【0201】また、この実施例では、刃先位置の調整を
容易にするため、各U字溝57の同一側(両側でもよい)
の側縁に適当な間隔をおいて上記ボルト58が嵌脱され
る複数の位置決め凹部59を形成し、スクレーパ42を
適当な位置で横にずらせることにより適当な凹部59に
各ボルト58を嵌め込ませてスクレーパ42を位置決め
してスクレーパ42をスクレーパ取付枠41に固定する
ようにしている。
【0202】なお、上記凹部59は省略してもよく、ま
た、図19の正面図に示すように、U字溝57に代えて
上下方向に長い複数の長孔57aと、各長孔57aの同
一側(両側でもよい)の側縁に適当な間隔をおいてボルト
58が嵌脱される複数の位置決め凹部59aを形成する
ように構成してもよい。
【0203】更に、図20の断面図に示すように、スク
レーパ42の前面に上記各U字溝57(或いは長孔57
a)に挿通されるボルト58の頭全体が収まる深さを有
する凹溝60を形成して、剥離された床材が上記ボルト
58の頭に接触しないようにすれば、床材の剥離が円滑
に進められるとともに、このボルト58の頭の摩耗を防
止して、当該ボルト58の寿命を長くすることができ
る。
【0204】上記起振装置43は台車1に設けることも
可能であるが、この実施例ではスクレーパ42の床面か
らの反力による反動を抑えて、剥離作業の作業性を高め
るため、図15及び図16に示すように、スクレーパユ
ニット36に起振装置43を支持させて、起振装置43
の重量がスクレーパ42に加えられるようにしている。
【0205】また、起振装置43が壁等に接触して互い
に損傷したり、破損したりしないようにするため、起振
装置43をユニットフレーム36aの後部に、上記アー
ム34の下側に位置して搭載している。
【0206】起振装置43としては、エアハンマ、油圧
ハンマ等の直接振動を発生するものや、油圧モータ、電
動モータ、エンジン等の回転運動を生じる駆動源と、駆
動源の回転運動を偏心カム、偏心回転板、スライダクラ
ンク機等を介して振動、すなわち、往復運動に変換する
運動変換機構とを備えるものを用いることができる。
【0207】この実施例では、剥離作業の作業効率を高
めるために、特に重量が重く、しかも、強力な出力が得
られるエンジン61とこれの回転運動を往復運動に変換
する偏心カム軸62とで起振装置43を構成している。
【0208】図15及び図16に示すように、このエン
ジン61の出力を制御するスロットル弁はレリーズワイ
ヤ63を介して、台車1に搭載されたエンジン14のア
クセル53とは別に操縦装置7の前上部に設けられたス
ロットルレバー64に運動連結される。
【0209】上記エンジン61に供給される燃料を貯留
する燃料タンク65は、このエンジン61の上側、或い
は横側に組付けることも可能である。しかしながら、こ
の実施例では、起振装置43の占有スペースを小型にす
るとともに、スクレーパユニット36が床面にならって
傾斜した時に燃料タンク65内で燃料が片寄り、エンジ
ン61に燃料を送り出せなくなることを防止するため、
燃料タンク65を台車1に搭載し、該燃料タンク65か
らエンジン61に燃料を供給する燃料供給路に燃料ポン
プを介在させている。
【0210】燃料タンク65は台車1の任意の位置に搭
載できるが、操縦装置7下部のデッドスペースを有効に
利用し、かつ、燃料供給路をできるだけ短くして燃料ポ
ンプの負荷を小さくするため、操縦装置7下部に配置し
ている。
【0211】上記燃料ポンプはエンジン61の吸気脈動
を利用するバキューム駆動方式、エンジン61によって
機械的に駆動されるメカニカル駆動方式、電磁石のオン
オフによって駆動される電磁駆動方式等の種々の駆動方
式のものを利用することができる。この実施例では、レ
イアウト設計の自由度を高めるため、エンジン61の設
置箇所と無関係に設置位置を選定できる電磁駆動方式の
燃料ポンプ(電磁ポンプ)を用いている。
【0212】上記エンジン61としては、ピストンのス
トロークがシリンダのボアと同じスケアストロークエン
ジン或いはピストンのストロークがシリンダのボアより
も長いロングストロークエンジンを用いることも可能で
あるが、この実施例では、運転騒音を小さくするため、
ピストンのストロークがシリンダのボアに比べて小さい
ショートストロークエンジンを用いている。
【0213】その理由は、ショートストロークエンジン
は、スケアストロークエンジン或いはロングストローク
エンジンに比べて、回転数の割りにピストンが往復する
距離が小さく、また、ピストンのスラップが小さいの
で、ピストンの摺動音やスラップ音が少なく、運転騒音
が小さいからである。
【0214】また、図示はしないが、エンジン61の周
囲を防音ケースで覆うことにより、更にエンジン61の
運転騒音が周囲に放散されることを防止して、運転騒音
を一層小さくするようにしてもよい。
【0215】上記起振装置43に用いるエンジン61に
連続的に過負荷が作用すると、エンジン61がオーバー
ヒートすることがある。そこで、この実施例では、エン
ジン61のオーバーヒートを未然に防止するため、図示
はしないが、エンジン61のオーバーヒートが発生する
恐れが生じたことを検出するセンサと、このセンサがエ
ンジンのオーバーヒートが発生する恐れが生じたことを
検出した時に警報を発するオーバーヒート警報器とを設
けている。
【0216】上記センサとしては、エンジン61または
その排気温度に感応してエンジン61のオーバーヒート
が発生する恐れが生じたことを検出する温度センサや、
エンジン61の油圧に感応してエンジン61のオーバー
ヒートが発生する恐れが生じたことを検出する圧力セン
サなどを用いればよい。
【0217】上記警報器としては、出力方向制御操作具
(操向レバー54、ブレード制御レバー55、スクレー
パ制御レバー56)及び出力制御操作具(アクセル53、
スロットルレバー64)を自由に操作しながら警報が認
識できるようにすることが好ましく、警告灯などの視覚
的に認識できるもの、ブザー、チャイム、音声警報器等
の聴覚的に認識できるものを用いることが好ましく、操
縦者(運転者)の視界に関係なく警報を認識できる聴覚的
に認識できるものを用いることが更に好ましい。
【0218】また、警報器は操縦者(運転者)が聞き取っ
たり、見たりし易いように操縦装置7の上部に設けるこ
とが好ましいので、この実施例では、操縦装置7の上部
内にブザーを組み込んでいる。
【0219】なお、電動モータを備える起振装置43
は、燃焼により作業場が酸欠雰囲気となる恐れや排気ガ
スによる大気汚染が生じる恐れがなく、しかも、運転騒
音が少ない点で有利であり、この場合、電源として商用
電源或いは蓄電池が用いられる。
【0220】このように、電動パワーユニットの電源と
して商用電源を用いる場合には、壁等に設けたコンセン
トから床材剥離装置にいたるコードを設ける必要があ
り、このコードによって床材剥離装置の移動範囲が制限
され、また、コードの余長部分の処理が面倒になる。
【0221】これに対して電源として蓄電池をを用いる
場合には、床材剥離装置の移動範囲に対する制限がほと
んどなくなると共に、面倒なコード処理が不要となる点
で有利になる。
【0222】この床材剥離機においては、ブレードシリ
ンダ23を操作してブレード22の下端縁を床構造の下
地層の上面の高さに調整し、台車1を走行させると、ブ
レード22が床タイル及びその裏面の接着剤を掻き取
り、これにより床タイルが剥離される。この掻き取りに
対する反動は走行装置2の走行力によって解消される。
【0223】この場合、ブレード22が床タイル、接着
剤或いは床下地層を打撃する音が発生せず、騒音が発生
し難くなる。その結果、一般に仕事が行なわれる平日の
昼間でも剥離作業を行うことができるようになり、人材
を確保し易くなる。
【0224】また、ブレード22のみで床材剥離作業を
する場合には、アーム34及びスクレーパユニット36
を退避位置に位置させることにより、ブレード22の刃
先を水平揺動枠33、アーム34及びスクレーパユニッ
ト36よりも前方に位置させることができるので、ブレ
ード22を壁際まで進ませても、水平揺動枠33、アー
ム34及びスクレーパユニット36が壁面に衝突する恐
れがなくなり、壁面、水平揺動枠33、アーム34及び
スクレーパユニット36を損傷したり、破損したりする
ことなく、壁際一杯まで剥離作業ができる。
【0225】特に強く接着されている床材を剥離する場
合には、アームシリンダ38を伸長させてアーム34を
下げるとともに、チルトシリンダ39を伸縮調整してス
クレーパ42の下端縁を床構造の下地層の上面の高さに
調整し、台車1を走行させるとともに起振装置43を作
動させてスクレーパ42の下端縁を前後に振動させる。
【0226】これにより、床材と下地層との間に振動に
伴う衝撃力が加えられ、床材が下地層から剥離され、ス
クレーパ42に連続的にすくい上げられる。この剥離作
業に対する反動はアーム34及びアームシリンダ38を
介して台車1に受けられ、更に、走行装置2に受けら
れ、最終的には走行装置2の走行力によって相殺され
る。
【0227】したがって、操縦者は操縦装置、即ち、出
力方向制御操作具及び出力制御用操作具を操作する他に
労力を使わなくて済むので、スクレーパ42が受ける反
動が伝わるレバーを押さえる必要がある従来例に比べる
と著しく労働が軽減される。
【0228】また、剥離作業の反動が走行装置2の走行
力によって相殺されるので、剥離作業の反動によって床
材剥離機が後退する恐れがなくなり、床材剥離機の後退
に伴う負傷の危険性はなくなり、安全性が著しく高めら
れる。
【0229】特に、この実施例では、台車1に操縦装置
7を設け、この操縦装置7の後部に設けた運転台8に座
って、操縦装置7を操作することにより、床材剥離機を
操縦できるようにしているので、床材剥離機と作業現場
の壁との間に挟まれる危険性が全くなくなるので、一層
安全性が高められる。
【0230】また、この実施例では、特に旋回台3を走
行装置2に対して全旋回可能に設けているので、操縦者
は操縦装置7及び運転台8の方向を変えることにより床
材剥離機の走行や剥離作業の監視等に最適の姿勢をとる
ことができ、作業性を高められるとともに、精神的スト
レスがたまり難くなり、労働が一層軽減される。
【0231】この実施例では、特に、スクレーパ42の
下端部が床面に対して20〜30度の角度で傾斜してい
るので、スクレーパ42の下端部が床面に対して40度
程度の従来例に比べるとスクレーパ42の下端部が床材
と下地層との間に良く食い込み、効率良く床材を剥離す
ることができる。
【0232】また、この実施例では、主な騒音発生源で
あるエンジン14を運転台8で覆うとともに、起振装置
43のエンジン61の低騒音化を図っているので、運転
騒音の周囲への放散が少なく、一般に仕事が行なわれる
平日の昼間でも剥離作業を行うことができ、人材を確保
し易くなる。
【0233】この床材剥離機において重要なもう一つの
点は、スクレーパ42による剥離作業が壁際までできる
点である。
【0234】即ち、この床材剥離機においては、上記ス
クレーパ取付枠41をアーム34の前端よりも前方で、
ユニットフレーム36aの前端部に支持させ、上記スク
レーパ42がスクレーパ取付枠41の前側に、その下部
が床面に対して所定の角度傾斜し、かつ、ユニットフレ
ーム36a及びスクレーパ取付枠41の前方に突出する
ように固定しているので、壁際までスクレーパ42を進
ませても、スクレーパ42を支持するスクレーパ取付枠
41、ユニットフレーム36a及びアーム34の前端が
壁面に衝突する恐れはなく、壁面とユニットフレーム3
6a及びアーム34が互いに損傷したり、破損したりす
る恐れがなくなり、スクレーパ42による剥離作業が壁
際までできる。
【0235】もちろん、スクレーパユニット36はアー
ム34を介して台車1に昇降揺動可能に支持させてある
ので、移動時にはスクレーパユニット36を床面から高
く持ち上げて、スクレーパユニット36が不用意に床に
接触して床を傷つけることを防止できる。
【0236】本発明においては、走行装置2に揺動可能
に支持させたブレード装置18によって床材の剥離が可
能な場合や剥離した床材を片付ける場合にはブレード装
置18が有れば良いので、アーム34と、このアームの
前端に支持されたスクレーパユニット36が不要にな
る。
【0237】この場合には、例えば台車1の前部にアー
ム34やアームシリンダ38をボルトやピン等の取付具
70、71着脱自在に連結すると共に、配管類を急速継
手や自封継手等の継手72で取り外し可能に構成してこ
のアーム34箇所全体を取り外しできるようにするのが
好ましい。
【0238】この配管類とはアームシリンダ38の油圧
配管、チルトシリンダ39の油圧配管、燃料供給管、ス
ロットルレバー64等をいい、本発明においては、これ
らの全体やアーム34やアームシリンダ38を取り外し
可能にするのが望ましい。
【0239】
【発明の効果】本発明の床材剥離機は、上記構成を有
し、ブレードを床下地層に接触させて台車を走行させる
ことにより、ブレードで床下地層の接着剤及び床タイル
等の床材を掻き取ることができ、この掻き取りに対する
反動が走行装置の走行力によって解消される。したがっ
て、操縦者は操縦装置を操作する他に労力を使わずに済
み、労働が著しく軽減されるので、至極有益である。
【0240】また、ブレードを振動させずに移動させる
ので、ブレードが床の下地層や床材等を打撃ないし衝突
して起こる打撃音の発生を防止でき、騒音が発生し難く
なり、一般に仕事が行なわれる平日の昼間でも床材剥離
作業ができるようになり、人材の確保が容易になる。
【0241】更に、ブレードを走行装置(台車)と略等
幅或いは広幅に形成しているので、ブレードの両横側に
排除される廃材に走行装置が乗り上げることやこれによ
りブレードが床面から浮き上がることが防止され、ブレ
ードの浮き上がりによる作業効率の低下が防止されるの
で、作業性が著しく向上する。
【0242】本発明において、走行装置がクローラ式走
行装置で構成される場合には、接地圧を低く抑えながら
も強力な走行力を確保することができ、確実な床材剥離
作業が行える。
【0243】また、本発明において、走行装置がタイヤ
式走行装置で構成される場合には、走行装置の構成が簡
単で安価になり、床材剥離機全体を安価に製造できる。
【0244】また、本発明において、走行駆動装置が、
燃料タンク及びエンジンを含むエンジンユニットで構成
される場合、或いは、蓄電池及びモータを含む電動パワ
ーユニットで構成される場合には、床材剥離機の重量が
エンジンユニット或いは電動パワーユニットによって十
分に重量化されるので、走行装置の接地摩擦力を十分に
大きくして強力な走行力を得ることができ、一層確実な
床材剥離作業が行えるのである。
【0245】また、本発明において、走行駆動装置を収
納する防音ケースが設けられる場合には、主要な騒音源
である走行駆動装置の騒音が周囲に放散されることが防
音ケースによって防止されるので、作業の静粛性が一層
高められ、一般に仕事が行なわれる平日の昼間でも床材
剥離作業がより容易に行えるようになり、人材の確保が
一層容易になる。
【0246】また、本発明において、走行駆動装置の駆
動力を走行装置に伝達する伝動装置が油圧装置で構成さ
れる場合には、その他の可動部分を駆動する駆動手段を
油圧出力装置で構成し、油圧装置の圧油を各油圧出力装
置に分配することにより床材剥離機全体の構成を簡単に
でき、容易に、且つ安価に製造できる。
【0247】もっとも、上記伝動装置を機械的伝動装置
で構成することは何ら妨げられない。
【0248】又、本発明においては、台車に歩行操縦用
のハンドルを設け、該ハンドルに操縦装置を支持させた
ものが、操縦性が良好になるので、有益である。
【0249】このように歩行操縦方式を採用する場合に
は、台車の方向を操るために操縦者が把持するハンドル
が台車に設けられる。又、操縦のためにハンドルを持っ
て歩行しながら発進、停止や走行速度の制御、ブレード
装置の制御等を容易に行えるようにするため、このハン
ドルに、例えば速度制御用レバー、走行用の伝動装置に
介在させたクラッチを操作するクラッチレバー、伝動装
置に介在させた変速機のシフトレバー、エンジンの緊急
停止ボタン、作業用の駆動装置を制御するための操作レ
バー等の操縦装置を支持させるのが有益である。
【0250】この床材剥離機においては、操縦者(作業
者)が床材剥離機に乗車する乗車操縦方式を採用するこ
とにより、操縦者の労働が著しく軽減できるので、至極
有益である。
【0251】また、このように、台車に運転席と操縦装
置とを備える運転台が設けられる場合には、操縦者が台
車に乗車して床材剥離機を操縦できるので、操縦者が走
行中の台車に巻き込まれたり、台車と衝突したり、台車
と壁等との間に挟まれたりするおそれがなくなるので、
一層安全性が高められるので、至極有益である。
【0252】また、本発明において、運転台に走行駆動
装置を収納する防音ケースが設けられ、且つ防音ケース
が運転席に兼用される場合には、作業の静粛性が高めら
れるとともに、台車の平面投影面積が小さくなり、床材
剥離機の運送や作業可能な最小床面積を小さくできる効
果を有するのである。
【0253】また、本発明において、運転台が走行装置
に対して全旋回可能に設けられる場合には、操縦者が走
行状態や作業状態を監視するのに最適な方向に台車を向
け変えることができるので、作業性が高められるととも
に、操縦者の精神的ストレスが軽減され、労働が一層軽
減される。
【0254】また、本発明において、ブレード装置が昇
降可能に台車に支持されるブレードと、これを昇降駆動
するブレード駆動装置とを備える場合には、床材剥離機
の移動時等にブレードを床面から高く持ち上げてブレー
ドが不用意に床に接触することを防止でき、ブレードの
接触により床が傷つくことを防止できる効果を有するの
である。
【0255】また、この場合に、ブレード駆動装置が伝
動装置を介して走行駆動装置により駆動されるように構
成する場合には、床材剥離機全体の駆動系の構成を簡単
にすることができ、床材剥離機を安価に製造することが
できる。
【0256】更に、この場合に、ブレード駆動装置が油
圧出力装置で構成され、伝動装置が油圧装置で構成され
る場合には、特に簡単な構成でブレード駆動装置を伝動
装置を介して走行駆動装置により駆動できるので、一層
有益である。
【0257】又、ブレード装置がブレード駆動装置を備
える場合に、ブレード駆動装置を走行装置の駆動源から
独立した駆動源で駆動されるように構成する場合には、
ブレード駆動装置の使用時に走行駆動力が低下する恐れ
がなく、ブレード駆動装置の使用時に走行速度が低下す
ることを防止できる。
【0258】特に、走行駆動装置が電動ユニットで駆動
される場合に、その電動ユニットの電源と異なる駆動源
でブレード駆動装置が駆動されるように構成する場合に
は、ブレード駆動装置の使用時に走行速度が低下するこ
とを防止できる。
【0259】本発明において、ブレード装置が昇降可能
に台車に支持されるブレードと、これを昇降駆動するブ
レード駆動装置とを備え、しかも、ブレードが床面に対
応して揺動可能に台車に支持される場合には、台車が傾
斜した時にブレードの下縁を床下地層に馴染ませること
ができるので、ブレードが傾斜して床下地層から浮き上
がることを防止して、ブレードの浮き上がりによる作業
効率の低下を防止できると共に、作業性を高めることが
できる。
【0260】更に、この場合に、ブレードが走行面と平
行になる中立位置にブレードを付勢する中立付勢装置と
を備えることにより、ブレードを持ち上げて移動する時
にブレードが傾斜して床に接触することを防止でき、ブ
レードの接触により床が傷つくことを確実に防止でき
る。
【0261】本発明において、ユニットフレームの後部
にスクレーパ取付枠及びスクレーパを駆動する起振装置
を上記アームの下側に位置して搭載すると、起振装置の
重量でスクレーパの反動を抑制することができるととも
に、起振装置をユニットフレーム及びアームによって他
物との衝突から保護することができるだけでなく、壁等
と衝突することがないので、これらを傷付けることも無
いのである。
【0262】本発明において、上記起振装置がエンジン
を備え、該エンジンに燃料を供給する燃料タンクを自走
台車に搭載し、該燃料タンクからエンジンに燃料を供給
する燃料供給路に燃料ポンプを介在させる場合には、ス
クレーパユニットが床面にならって傾斜しても何ら支障
なくエンジンに燃料供給を供給することができ、スクレ
ーパユニットが傾斜したときにエンジンへの燃料供給が
断たれてエンジンが停止することを防止でき、このエン
ジンの停止に伴って作業が中断されることを防止でき
る。
【0263】本発明において、エンジンを備える起振装
置を設ける場合、エンジンをショートストロークエンジ
ンで構成すると、エンジンの運転騒音が少なくなり、隣
接する部屋での執務に与える支障が小さくでき、昼間で
も床材剥離機を用いて、剥離作業を行えるようになり、
作業者の確保が容易になる。
【0264】本発明において、起振装置のエンジンの周
囲を覆う防音ケースを設けられる場合は、さらにエンジ
ンの運転騒音の周囲への放散が少なくなり、隣接する部
屋での執務に与える支障を一層小さくでき、昼間でも床
材剥離機を用いて、剥離作業を行えるようになり、作業
者の確保が一層容易になる。
【0265】本発明において、起振装置のエンジンのオ
ーバーヒートが発生する恐れが生じたことを検出するセ
ンサと、このセンサがエンジンのオーバーヒートが発生
する恐れが生じたことを検出した時に警報を発するオー
バーヒート警報器とを備えると、オーバーヒートの発生
する前にオーバーヒートが発生しそうな状態であること
が運転者に警報されるので、運転者がその警報に対応し
て、例えば走行速度を減速する等の適切な措置をとるこ
とにより、オーバーヒートが発生することを未然に防止
できる。
【0266】この場合、このセンサとしてはエンジン又
はその排気温度に感応してエンジンのオーバーヒートが
発生ずる恐れが生じたことを検出する温度センサや、エ
ンジンの油圧に感応してエンジンのオーバーヒートが発
生する恐れが生じたことを検出する圧力センサー等が用
いられる。
【0267】又、この起振装置はできるだけ作業環境を
悪化させないものを採用することが好ましく、この観点
からは現時点では、燃焼により酸欠雰囲気となる恐れや
排気ガスによる大気汚染が生じる恐れがなく、しかも、
運転騒音が少ない電動起振動装置が最も有益である。
【0268】即ち、起振装置が、走行駆動装置と別体に
設けられた蓄電池及びモータを含む電動起振装置からな
り、該電動起振装置がユニットフレームに搭載されてい
るものが、有益である。
【0269】この場合、電動起振装置がユニットフレー
ムにおけるスクレーパの近傍に搭載されているものが、
この電動起振装置の自重によってスクレーパを床面のタ
イルに食い込ますことができる結果、タイルの剥離等が
一層効率良く行われるので、有益である。この電動起振
動装置を用いる場合、その駆動源、即ち、電源として商
用電源或いは蓄電池が用いられる。
【0270】更に、スクレーパユニットを台車に昇降可
能に支持させる場合に、スクレーパユニットを昇降駆動
する昇降駆動装置を設けることにより、労働を一層軽減
することができるので有益である。
【0271】また、スクレーパユニットを台車に水平揺
動可能に支持させることにより、スクレーパの不使用時
にスクレーパユニットを走行状態や他の作業状態を監視
する視野の外に移動させて、作業性を高めることができ
る効果を有するのである。
【0272】この場合、スクレーパユニットを水平揺動
駆動する水平揺動駆動装置を設けることにより、労働を
一層軽減することができる。
【0273】本発明において、特に走行駆動装置とその
他の駆動装置とが設けられ、走行駆動装置、その駆動源
及びその駆動源を走行駆動装置に結合する駆動系統がそ
の他の駆動装置、その駆動源及びその駆動源を他の駆動
装置に結合する駆動系統から独立して設けられる場合に
は、その他の駆動装置の使用によって走行駆動力が低下
することを防止でき、走行駆動力の低下による走行速度
の低下や作業性の低下を防止できる。この効果は、走行
駆動装置の駆動源が蓄電地である場合には特に顕著に現
れる。
【0274】ところで、本発明においては、ブレード駆
動装置、スクレーパユニットの起震装置、昇降駆動装
置、水平駆動装置、自在車輪を昇降させるシリンダ等の
作業用の駆動装置の駆動源としては、走行駆動装置を用
いてもよく、又、走行駆動装置とは独立した別体の駆動
源を用いてもよい。
【0275】作業用の駆動装置の駆動源として走行駆動
装置を用いる場合には、作業用の駆動装置専用の駆動源
が設けられず、又、例えば走行駆動装置を走行装置に連
結する伝動装置が部分的に共用されるので、全体として
の構成が簡単になると共に、軽量化を図ることが可能に
なるので有益である。
【0276】これに対して、作業用の駆動装置の駆動源
として、走行駆動装置から独立した駆動源を設ける場合
には、作業用の駆動装置と走行装置とを同時に使用して
も互いに他方に駆動力を分配することがないので、走行
能力の低下及び作業能力の低下を共に防止することがで
きる。また、走行駆動装置の他に作業用の駆動装置専用
の駆動源を設けることにより床材剥離機が重量化する
が、この重量化によって走行装置の摩擦力が増大され、
走行力が増大するという利点も得られる。
【0277】本発明においては、台車の下方にシリンダ
を介して支持板を昇降可能に支持し、この支持板の下方
に自在車輪が回転自在に設けられ、このシリンダを伸長
させることにより、自在車輪を下降させて床面に転接さ
せると共に、機体が自在車輪に支持されて床面から持ち
上げられるように構成し、これによって、床面から持ち
上げられた機体を手で押すことによって機体をその場で
旋回させたり、任意の方向に移動させたり、任意の方向
に移動させながら機体の方向を転換させたりすることが
できる効果を有するのである。
【0278】この場合、床材剥離機の走行安定性を良好
にするために、自在車輪の方向を自在にコントロールす
る車輪用方向支持体を設けてなるものが、最も有益であ
る。
【0279】更に、本発明においては、重鎮がユニット
フレームにおけるスクレーパの近傍に搭載されているも
のが、この重鎮によって、スクレーパを床面のタイルに
食い込ますことができる結果、タイルの剥離等が一層効
率良く行われるので、有益である。
【0280】本発明においては、台車とアームとの間に
アームを昇降駆動するアームシリンダを設けると、スク
レーパが剥離作業に際して床面から受ける反力がアーム
とアームシリンダとを介して台車に受けられ、床材剥離
機を運転している作業者がその反力を押さえ込む必要が
なくなり、その結果、作業者の労働負担が著しく軽減さ
れ、作業者を確保し易くなる。
【0281】また、本発明においては、スクレーパ取付
枠をアームの前端よりも前方で、ユニットフレームの前
端部に支持させ、スクレーパがスクレーパ取付枠の前側
に、その下部が床面に対して所定の角度傾斜し、かつ、
ユニットフレーム及びスクレーパ取付枠の前方に突出す
るように固定されるので、スクレーパを壁際まで進ませ
てもユニットフレーム、スクレーパ取付枠及びアームの
前端が壁面に衝突する恐れはなくなり、壁際までスクレ
ーパを進ませて床材を剥離することができる。その結
果、壁際の床材を手作業で剥離する必要がなくなり、過
酷な手作業による床材剥離作業を作業者に求める必要が
なくなるので、作業者を確保し易くなる。
【0282】本発明においては、スクレーパの下部の床
面に対する傾斜角度を40度以下にする場合には、床材
と下地層との間へのスクレーパの食い込みを良くするこ
とができ、作業性を高めることができ、強力に接着され
た床材でも確実に剥離できるようになる。
【0283】本発明においては、スクレーパの上部ない
しスクレーパ取付枠の上部に、スクレーパの下部からス
クレーパ取付枠の揺動中心の近傍にわたって円滑に連続
し、スクレーパの下端により床面から剥離された床材を
上方または斜め前上方に案内する湾曲面が設けられる場
合には、スクレーパによって剥離された床材が台車に乗
っている作業者の方に向かわず、スクレーパの上方ない
し斜め前上方に進むので、床材によって作業者の視界が
遮断されることが防止されるとともに、床材が作業者に
接触して作業者が傷つく恐れが無くなり、安全性が高め
られる。
【0284】本発明においては、上記スクレーパにその
上縁から下方に延びる複数のU字溝を形成し、各U字溝
に挿通されるボルトでスクレーパをスクレーパ取付枠に
締めつけて固定する場合には、スクレーパの摩耗に対応
してスクレーパの刃先位置を所定の範囲内に調整できる
ので、1枚のスクレーパで長期間にわたって高い作業性
を安定よく維持できるので、一層有益である。
【0285】この場合、各U字溝の同一側の側縁に適当
な間隔をおいて上記ボルトが嵌脱される複数の位置決め
凹部を形成すると、適当な位置の凹部にボルトが嵌まる
ようにスクレーパを横にずらせることにより、スクレー
パの位置を簡単に合わせることができ、スクレーパの位
置調整作業を簡単に、容易に、正確に、しかも、短時間
で行えるようになる。
【0286】本発明においては、上記スクレーパに上下
方向に延びる複数の長孔を形成し、各長孔に挿通される
ボルトでスクレーパをスクレーパ取付枠に締めつけて固
定する場合も、スクレーパの摩耗に対応してスクレーパ
の刃先位置を所定の範囲内に調整できるので、1枚のス
クレーパで長期間にわたって高い作業性を安定よく維持
できる。
【0287】この場合、各長孔の同一側の側縁に適当な
間隔をおいて、上記ボルトが嵌脱される複数の位置決め
凹部を形成すると、適当な位置の凹部にボルトが嵌まる
ようにスクレーパを横にずらせることにより、スクレー
パの位置を簡単に合わせることができ、スクレーパの位
置調整作業を簡単に、容易に、正確に、しかも、短時間
で行える効果を有益である。
【0288】本発明において、台車が運転台を備え、該
運転台に設けられた出力方向制御用の操縦部に出力制御
用の操縦具を支持させる場合には、例えば走行方向制御
と走行速度のように、違いに連繋して操作される出力方
向の制御と出力の制御とを片手で制御できるようにな
り、操縦性が高められる。
【0289】本発明において、台車にアーム箇所全体を
着脱自在に連結し、このアーム箇所全体を取り外しでき
るようにすると、走行装置に揺動可能に支持させたブレ
ード装置によって床材の剥離が可能な場合や剥離した床
材を片付ける場合、つまりアーム箇所の全体が不要なと
きには、これらを取り外して走行できるので、一層操縦
性が容易になる上、小回りが可能になるので、作業性が
一層向上する効果をを有するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例の側面図である。
【図2】図2は本発明の一実施例の平面図である。
【図3】図3は本発明の一実施例のブレード装置の側面
図である。
【図4】図4は本発明の一実施例のブレード装置の平面
図である。
【図5】図5は本発明の一実施例のブレード装置の背面
図である。
【図6】図6は本発明の他の実施例のブレード装置の側
面図である。
【図7】図7は本発明のまた他の実施例のブレード装置
の平面図である。
【図8】図8は本発明のまた更に他の実施例である。
【図9】図9は本発明のまた更に他の実施例の断面図で
ある。
【図10】図10は本発明のもう一つの実施例の平面図
である。
【図11】図11は本発明のもう一つの実施例の断面図
である。
【図12】図12は本発明の別の駆動系統の構成図であ
る。
【図13】図13は本発明の更にもう一つの実施例の断
面図である。
【図14】図14は本発明の更に別の駆動系統の構成図
である。
【図15】図15は本発明の床材剥離機の一実施例を示
す斜視図である。
【図16】図16は本発明の床材剥離機の一実施例を示
す側面図である。
【図17】図17は本発明の床材剥離機の一実施例を示
す平面図である。
【図18】図18は本発明に好適に用いられるスクレー
パの正面図である。
【図19】図19は本発明に好適に用いられるスクレー
パの正面図である。
【図20】図20は本発明に好適に用いられるスクレー
パの要部の横断平面図である。
【図21】図21は本発明の床材剥離機のアーム等の接
続部を示す拡大斜視図である。
【符号の説明】
1 台車 2 クローラ式走行装置 3 旋回台 4 走行駆動装置 5 伝動装置 6 防音ケース(兼運転席) 7 操縦装置 8 運転台 13 ガソリンタンク 14 エンジン 18 ブレード装置 22 ブレード 23 ブレードシリンダ 31 中立付勢ばね 34 アーム 35 チルト機構 36 スクレーパユニット 37 ブラケットシリンダ 38 アームシリンダ 39 チルトシリンダ 40 ユニットフレーム 42 スクレーパ 42r 湾曲面 43 起振装置 46 シリンダ 47 自在車輪 57 U字溝 57a 長孔 58 ボルト 59 凹部 56a 凹部 61 エンジン 70 取付具 71 取付具 72 継手 118 ブレード装置 122 ブレード 123 ブレードシリンダ 146 シリンダ 147 自在車輪 218 ブレード装置 222 ブレード 223 ブレードシリンダ

Claims (47)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行装置と、この走行装置を駆動する走
    行駆動装置とを備える台車、及びこの台車の前部に、床
    下地層の上面に接触可能に支持され、且つ走行装置の幅
    と略等幅或いは広幅に形成されたブレードを有するブレ
    ード装置を設けたことを特徴とする床材剥離機。
  2. 【請求項2】 走行装置がクローラ式走行装置で構成さ
    れている請求項1に記載の床材剥離機。
  3. 【請求項3】 走行装置がタイヤ式走行装置で構成され
    ている請求項1に記載の床材剥離機。
  4. 【請求項4】 走行駆動装置が、燃料タンク及びエンジ
    ンを含むエンジンユニットで構成されいる請求項1ない
    し3のいずれかに記載の床材剥離機。
  5. 【請求項5】 走行駆動装置が、蓄電池及びモータを含
    む電動パワーユニットで構成されている請求項1ないし
    3のいずれかに記載の床材剥離機。
  6. 【請求項6】 走行駆動装置を収納する防音ケースが設
    けられている請求項1ないし5のいずれかに記載の床材
    剥離機。
  7. 【請求項7】 走行装置が伝動装置を介して走行駆動装
    置で駆動される請求項1ないし6のいずれかに記載の床
    材剥離装置。
  8. 【請求項8】 伝動装置が油圧装置で構成されている請
    求項7に記載の床材剥離機。
  9. 【請求項9】 伝動装置が機械的伝動機構で構成されて
    いる請求項7に記載の床材剥離機。
  10. 【請求項10】 台車に歩行操縦用のハンドルを設け、
    該ハンドルに操縦装置を支持させた請求項1ないし9の
    いずれかに記載の床材剥離機。
  11. 【請求項11】 台車に運転席と操縦装置とを備える運
    転台が設けられている請求項1ないし9のいずれかに記
    載の床材剥離機。
  12. 【請求項12】 運転台に走行駆動装置を収納する防音
    ケースが設けられ、且つこの防音ケースが運転席に兼用
    されている請求項11に記載の床材剥離機。
  13. 【請求項13】 運転台が走行装置に対して全旋回可能
    に設けられている請求項11又は12に記載の床材剥離
    機。
  14. 【請求項14】 運転台に走行操縦用のハンドルを設
    け、該ハンドルに操縦装置を支持させた請求項11ない
    し13のいずれかに記載の床材剥離機。
  15. 【請求項15】 ブレード装置が昇降可能に台車に支持
    されるブレードと、これを昇降駆動するブレード駆動装
    置とを備える請求項1ないし14のいずれかに記載の床
    材剥離機。
  16. 【請求項16】 ブレードが床面に対応して揺動可能に
    台車に支持される請求項1ないし15のいずれかに記載
    の床材剥離機。
  17. 【請求項17】 ブレード装置が昇降可能に台車に支持
    されるブレードと、これを昇降駆動するブレード駆動装
    置とを備え、且つブレードが走行面と平行になる中立位
    置にブレードを付勢する中立付勢走行装置を備える請求
    項16に記載の床材剥離機。
  18. 【請求項18】 台車に支持されるユニットフレーム
    と、このユニットフレームに支持される起振装置と、該
    ユニットフレームに振動可能に支持され、且つ起振装置
    で振動されるスクレーパとを備えるスクレーパユニット
    を設けた請求項1ないし17のいずれかに記載の床材剥
    離機。
  19. 【請求項19】 ユニットフレームの後部にスクレーパ
    取付枠及びスクレーパを駆動する起振装置を上記アーム
    の下側に位置して搭載した請求項18に記載の床材剥離
    機。
  20. 【請求項20】 起振装置がエンジンを備え、該エンジ
    ンに燃料を供給する燃料タンクを自走台車に搭載し、該
    燃料タンクからエンジンに燃料を供給する燃料供給路に
    燃料ポンプを介在させて請求項18又は19に記載の床
    材剥離機。
  21. 【請求項21】 エンジンがショートストロークエンジ
    ンで構成される請求項20に記載の床材剥離機。
  22. 【請求項22】 エンジンの周囲を覆う防音ケースが設
    けられる請求項20又は21に記載の床材剥離機。
  23. 【請求項23】 エンジンが、このエンジンのオーバー
    ヒートが発生する恐れが生じたことを検出するセンサ
    と、このセンサがエンジンのオーバーヒートが発生する
    恐れが生じたことを検出した時に警報を発するオーバー
    ヒート警報器とを備える請求項19ないし22のいずれ
    かに記載の床材剥離機。
  24. 【請求項24】 センサがエンジンまたはその排気温度
    に感応してエンジンのオーバーヒートが発生する恐れが
    生じたことを検出する温度センサからなる請求項23に
    記載の床材剥離機。
  25. 【請求項25】 センサがエンジンの油圧に感応してエ
    ンジンのオーバーヒートが発生する恐れが生じたことを
    検出する圧力センサからなる請求項24に記載の床材剥
    離機。
  26. 【請求項26】 起振装置が、走行駆動装置と別体に設
    けられた蓄電池及びモータを含む電動起振装置からな
    り、該電動起振装置がユニットフレームに搭載されてい
    る請求項18又は19に記載の床材剥離機。
  27. 【請求項27】 電動起振装置がユニットフレームにお
    けるスクレーパの近傍に搭載されている請求項26に記
    載の床材剥離機。
  28. 【請求項28】 スクレーパユニットが台車に昇降可能
    に支持されている請求項18ないし27のいずれかに記
    載の床材剥離機。
  29. 【請求項29】 スクレーパユニットを昇降駆動する昇
    降駆動装置を設けた請求項28に記載の床材剥離装置。
  30. 【請求項30】 スクレーパユニットが台車に水平揺動
    可能に支持されている請求項18ないし29のいずれか
    に記載の床材剥離機。
  31. 【請求項31】 スクレーパユニットを水平揺動させる
    水平揺動駆動装置を設けた請求項30に記載の床材剥離
    装置。
  32. 【請求項32】 走行駆動装置の他に作業用の駆動装置
    が設けられ、作業用の駆動装置が走行駆動装置で駆動さ
    れる請求項15ないし31のいずれかに記載の床材剥離
    装置。
  33. 【請求項33】 走行駆動装置の他に作業用の駆動装置
    が設けられ、走行駆動装置と、作業用の駆動装置の駆動
    源が互いに独立して設けられる請求項15ないし32の
    いずれかに記載の床材剥離装置。
  34. 【請求項34】 走行駆動装置と作業用の駆動装置とが
    部分的に共有される伝動装置を介して走行駆動装置に連
    動連結される請求項32又は33に記載の床材剥離装
    置。
  35. 【請求項35】 走行駆動装置が蓄電池及びモータを含
    む電動パワーユニットで構成される請求項32ないし3
    4のいずれかに記載の床材剥離装置。
  36. 【請求項36】 台車の下方にシリンダを介して支持板
    を昇降可能に支持し、この支持板の下方に自在車輪が回
    転自在に設けられ、このシリンダを伸長した時に機体が
    自在車輪に支持されて床面から持ち上げられる請求項1
    ないし35のいずれかに記載の床材剥離装置。
  37. 【請求項37】 自在車輪の方向を自在にコントロール
    する車輪用方向支持体を設けてなる請求項36に記載の
    床材剥離装置。
  38. 【請求項38】 重鎮がユニットフレームにおけるスク
    レーパの近傍に搭載されている請求項1ないし37のい
    ずれかに記載の床材剥離機。
  39. 【請求項39】 台車とアームとの間にアームを昇降駆
    動するアームシリンダを設け、スクレーパ取付枠をアー
    ムの前端よりも前方で、ユニットフレームの前端部に支
    持させ、スクレーパがスクレーパ取付枠の前側に、その
    下部が床面に対して所定の角度傾斜し、かつ、ユニット
    フレーム及びスクレーパ取付枠の前方に突出するように
    固定されている請求項18ないし38のいずれかに記載
    の床材剥離装置。
  40. 【請求項40】 スクレーパの下部の床面に対する傾斜
    角度が40度以下である請求項39に記載の床材剥離装
    置。
  41. 【請求項41】 スクレーパの上部ないしスクレーパ取
    付枠の上部に、スクレーパ下部からスクレーパ取付枠の
    揺動中心の近傍にわたって円滑に連続し、スクレーパの
    下端により床面から剥離された床材を上方または斜め前
    上方に案内する湾曲面が設けられる請求項39又は40
    に記載の床材剥離装置。
  42. 【請求項42】 スクレーパにその上縁から下方に延び
    る複数のU字溝を形成し、各U字溝に挿通されるボルト
    でスクレーパをスクレーパ取付枠に締めつけて固定する
    請求項1ないし41のいずれかに記載の床材剥離装置。
  43. 【請求項43】 各U字溝の同一側の側縁に適当な間隔
    をおいてボルトが嵌脱される複数の位置決め凹部を形成
    した請求項42に記載の床材剥離装置。
  44. 【請求項44】 スクレーパに上下方向に延びる複数の
    長孔を形成し、各長孔に挿通されるボルトでスクレーパ
    をスクレーパ取付枠に締めつけて固定する請求項1ない
    し43のいずれかに記載の床材剥離装置。
  45. 【請求項45】 各長孔の同一側の側縁に適当な間隔を
    おいて上記ボルトが嵌脱される複数の位置決め凹部を形
    成した請求項44に記載の床材剥離装置。
  46. 【請求項46】 台車が運転台を備え、該運転台に設け
    られた出力方向制御用の操縦具に出力制御用の操縦具を
    設けた請求項1ないし45のいずれかに記載の床材剥離
    機。
  47. 【請求項47】 台車とアーム箇所が着脱自在に連結さ
    れている請求項1ないし46のいずれかに記載の床材剥
    離装置。
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