JPH0687654A - 炭化ホウ素/炭素複合材およびその製造方法 - Google Patents
炭化ホウ素/炭素複合材およびその製造方法Info
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- JPH0687654A JPH0687654A JP4233843A JP23384392A JPH0687654A JP H0687654 A JPH0687654 A JP H0687654A JP 4233843 A JP4233843 A JP 4233843A JP 23384392 A JP23384392 A JP 23384392A JP H0687654 A JPH0687654 A JP H0687654A
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- Japan
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- boron carbide
- carbide powder
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- average particle
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E30/00—Energy generation of nuclear origin
- Y02E30/30—Nuclear fission reactors
Landscapes
- Ceramic Products (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】高い曲げ強度の中性子吸収材を簡単に製造す
る。 【構成】バインダーピッチ15〜40体積%と、残部が2種
類の粒径の異なる炭化ホウ素の粉末を成型焼成する。
る。 【構成】バインダーピッチ15〜40体積%と、残部が2種
類の粒径の異なる炭化ホウ素の粉末を成型焼成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、中性子吸収性能、熱的
および機械的性質に優れ、かつ高強度を有し、原子炉容
器内炉心周り中性子遮蔽体、炉心内制御棒等の構成材料
として適している炭化ホウ素/炭素複合材およびその製
造方法に関する。
および機械的性質に優れ、かつ高強度を有し、原子炉容
器内炉心周り中性子遮蔽体、炉心内制御棒等の構成材料
として適している炭化ホウ素/炭素複合材およびその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、中性子吸収性能、熱的および機械
的性質に優れた炭化ホウ素/炭素複合材あるいはその製
造方法としては各種のものが提案されている。例えば、
特開昭52-105917 号公報には、コークスと炭化ホウ素
を200 kg/cm2以上の加圧下で、かつ2000℃以上で焼結し
て製造する方法の開示がある。
的性質に優れた炭化ホウ素/炭素複合材あるいはその製
造方法としては各種のものが提案されている。例えば、
特開昭52-105917 号公報には、コークスと炭化ホウ素
を200 kg/cm2以上の加圧下で、かつ2000℃以上で焼結し
て製造する方法の開示がある。
【0003】また、特開昭54-81315号公報では、炭化
ホウ素(B4C )25〜60体積%、遊離炭素5〜50体積%か
らなり、熱硬化性樹脂で結合された密度1.4 〜1.8 g/
cm3の炭化ホウ素/炭素複合材の製造方法の開示があ
る。
ホウ素(B4C )25〜60体積%、遊離炭素5〜50体積%か
らなり、熱硬化性樹脂で結合された密度1.4 〜1.8 g/
cm3の炭化ホウ素/炭素複合材の製造方法の開示があ
る。
【0004】特開昭62-108767 号公報には、ピッチを
熱処理して生成したメソフェーズ小球体100 重量部に対
して、耐熱性無機材質粒子(炭化ホウ素B4C )1〜50重
量部を常温 で成型後、焼成する方法の開示がある。
熱処理して生成したメソフェーズ小球体100 重量部に対
して、耐熱性無機材質粒子(炭化ホウ素B4C )1〜50重
量部を常温 で成型後、焼成する方法の開示がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記各法には
以下の難点がある。上記の場合には、2000℃以上の超
高温で加圧成型する必要があり、この加圧加熱成型設備
が極めて高価であるため経済的でないなどの問題を有す
る。また上記の場合には、結合材として熱硬化性樹脂
を使用しており、樹脂の炭化収率が低いため比較的低密
度となり、強度上昇が望めないとともに、樹脂由来の炭
素は不定型であり、機械加工性、潤滑性が不良であるな
どの問題を有する。
以下の難点がある。上記の場合には、2000℃以上の超
高温で加圧成型する必要があり、この加圧加熱成型設備
が極めて高価であるため経済的でないなどの問題を有す
る。また上記の場合には、結合材として熱硬化性樹脂
を使用しており、樹脂の炭化収率が低いため比較的低密
度となり、強度上昇が望めないとともに、樹脂由来の炭
素は不定型であり、機械加工性、潤滑性が不良であるな
どの問題を有する。
【0006】上記の方法の場合にも、メソフェ−ズ小
球体から発生するガスにより焼成後も密とはならず得ら
れる複合材の強度レベルが低いという問題があった。
球体から発生するガスにより焼成後も密とはならず得ら
れる複合材の強度レベルが低いという問題があった。
【0007】本発明の目的は、複合材の気孔率を低減
し、曲げ強度等の機械的性質に優れた炭化ホウ素/炭素
複合材およびその製造方法を提供することにある。
し、曲げ強度等の機械的性質に優れた炭化ホウ素/炭素
複合材およびその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、バインダー
ピッチ40〜15体積%を含み、2種の粒径の異なる、炭化
ホウ素粉末を含むことで解決できる。製造方法として
は、2種の粒径の異なる炭化ホウ素粉末と、バインダー
ピッチ40〜15体積%とを混合した後、480 〜600 ℃の温
度で加圧加熱成型した後、非加圧下で焼成することで解
決できる。
ピッチ40〜15体積%を含み、2種の粒径の異なる、炭化
ホウ素粉末を含むことで解決できる。製造方法として
は、2種の粒径の異なる炭化ホウ素粉末と、バインダー
ピッチ40〜15体積%とを混合した後、480 〜600 ℃の温
度で加圧加熱成型した後、非加圧下で焼成することで解
決できる。
【0009】ここに、本発明に係る炭化ホウ素/炭素複
合材は、15〜40体積%の黒鉛と、残部が平均粒径の異な
る2種類の炭化ホウ素粉末XおよびYからなり、炭化ホ
ウ素粉末Xの平均粒径は炭化ホウ素粉末Yの平均粒径の
1/2以下であり、炭化ホウ素粉末Xが10体積%以
上、炭化ホウ素粉末Yが30体積%以上含まれているこ
とを特徴とするものである。
合材は、15〜40体積%の黒鉛と、残部が平均粒径の異な
る2種類の炭化ホウ素粉末XおよびYからなり、炭化ホ
ウ素粉末Xの平均粒径は炭化ホウ素粉末Yの平均粒径の
1/2以下であり、炭化ホウ素粉末Xが10体積%以
上、炭化ホウ素粉末Yが30体積%以上含まれているこ
とを特徴とするものである。
【0010】また、その製造方法は、黒鉛と、平均粒径
の異なる2種類の炭化ホウ素粉末XおよびY(但し、炭
化ホウ素粉末Xの平均粒径は、炭化ホウ素粉末Yの平均
粒径の1/2以下)を、下記の配合比で混合した後、4
80〜600℃の温度範囲で加圧加熱成型し、その後に
焼成することを特徴とするものである。
の異なる2種類の炭化ホウ素粉末XおよびY(但し、炭
化ホウ素粉末Xの平均粒径は、炭化ホウ素粉末Yの平均
粒径の1/2以下)を、下記の配合比で混合した後、4
80〜600℃の温度範囲で加圧加熱成型し、その後に
焼成することを特徴とするものである。
【0011】黒鉛 :15〜40体積% 炭化ホウ素粉末X :10体積%以上 炭化ホウ素粉末Y :30体積%以上
【0012】
【作用】本発明では、バインダーとして加熱時溶融する
低揮発分のバインダーピッチを使用する。溶融性良好な
ピッチを使用することにより、炭化ホウ素粉末に対する
バインダー性が改善され、多量の炭化ホウ素粉末を添加
してもバインダー性が不足することがなくなり、強度の
低下が少なくなるとともに、揮発分が少ないことにより
炭化収率が向上するため、複合材の密度ならびに強度増
加を図ることができる。
低揮発分のバインダーピッチを使用する。溶融性良好な
ピッチを使用することにより、炭化ホウ素粉末に対する
バインダー性が改善され、多量の炭化ホウ素粉末を添加
してもバインダー性が不足することがなくなり、強度の
低下が少なくなるとともに、揮発分が少ないことにより
炭化収率が向上するため、複合材の密度ならびに強度増
加を図ることができる。
【0013】さらに、バインダーピッチの使用により、
炭素マトリックスは容易に黒鉛化性組織となり、その後
2000℃程度で焼成することにより、非加圧下であっても
気孔率の小さい、高強度の黒鉛組織となる。
炭素マトリックスは容易に黒鉛化性組織となり、その後
2000℃程度で焼成することにより、非加圧下であっても
気孔率の小さい、高強度の黒鉛組織となる。
【0014】ここで、バインダーピッチとしては、コー
ルタールピッチや石油ピッチを熱処理して得られる、高
軟化点でかつ流動性を有する低揮発分のバインダーピッ
チ、具体的には、揮発分25%以下、軟化点350 ℃以下の
ピッチを使用するのが望ましい。
ルタールピッチや石油ピッチを熱処理して得られる、高
軟化点でかつ流動性を有する低揮発分のバインダーピッ
チ、具体的には、揮発分25%以下、軟化点350 ℃以下の
ピッチを使用するのが望ましい。
【0015】また、その添加量は15〜40体積%とされ
る。15体積%未満の場合は十分な接着力が得られず強度
増加が望めず、また40体積%を超えるとホウ素の原子数
密度の低下により中性子吸収能が低下し、またバインダ
ーが過剰となり成型性が悪化するため強度が低下する。
る。15体積%未満の場合は十分な接着力が得られず強度
増加が望めず、また40体積%を超えるとホウ素の原子数
密度の低下により中性子吸収能が低下し、またバインダ
ーが過剰となり成型性が悪化するため強度が低下する。
【0016】本発明によれば、炭化ホウ素系粉末とし
て、2種以上の粒径の異なる炭化ホウ素粉末を使用する
ことにより、複合材の気孔率を低減できる。これは、粒
径の大きな炭化ホウ素粉末が充填された空隙に粒径の小
さな炭化ホウ素含有粉末が充填され、充填性が向上する
ためである。
て、2種以上の粒径の異なる炭化ホウ素粉末を使用する
ことにより、複合材の気孔率を低減できる。これは、粒
径の大きな炭化ホウ素粉末が充填された空隙に粒径の小
さな炭化ホウ素含有粉末が充填され、充填性が向上する
ためである。
【0017】このような効果を十分得るためには、2種
の粉末の平均粒径が2倍以上異なることが好ましい。ま
た、その比率としては、平均粒径の大きい粉末Yを体積
比率で30体積%以上、平均粒径が粉末Y1/2以下の粉
末Xを10体積%以上とすることが必要である。炭化ホウ
素粉末をこのような粒度構成とすることにより、複合材
の気孔率を、炭化ホウ素粉末が単一粒度の時よりも小さ
くすることができ、強度を高めることができる 。ここ
で炭化ホウ素粉末の平均粒径としては複合材の強度面か
ら粒径が大きなものも、小さなものも100 μm以下が好
ましい。
の粉末の平均粒径が2倍以上異なることが好ましい。ま
た、その比率としては、平均粒径の大きい粉末Yを体積
比率で30体積%以上、平均粒径が粉末Y1/2以下の粉
末Xを10体積%以上とすることが必要である。炭化ホウ
素粉末をこのような粒度構成とすることにより、複合材
の気孔率を、炭化ホウ素粉末が単一粒度の時よりも小さ
くすることができ、強度を高めることができる 。ここ
で炭化ホウ素粉末の平均粒径としては複合材の強度面か
ら粒径が大きなものも、小さなものも100 μm以下が好
ましい。
【0018】なお、前記炭化ホウ素粉末とバインダーピ
ッチに加え、さらに炭素繊維、アルミナ繊維等のセラミ
ックス繊維を、20体積%以下の範囲で添加することも可
能である。前記繊維の添加により成型から焼成時の割れ
の抑制や、製品としての靱性の向上などを図ることがで
きる。
ッチに加え、さらに炭素繊維、アルミナ繊維等のセラミ
ックス繊維を、20体積%以下の範囲で添加することも可
能である。前記繊維の添加により成型から焼成時の割れ
の抑制や、製品としての靱性の向上などを図ることがで
きる。
【0019】加圧加熱成型する目的は、ピッチの発泡お
よびそれに起因する低密度化を抑制し緻密性を確保する
ためである。加圧はピッチが溶融〜固化する温度域のみ
で行えばよいため、本発明の場合には480 〜600 ℃の温
度で加圧加熱成型し、その後非加圧下で高温で焼成す
る。ピッチが固化するためには少なくとも480 ℃以上、
好ましくは500 ℃以上の温度が必要であり、また600 ℃
を超えるとピッチの収縮に伴う成型体の収縮が大きくな
り、加圧拘束下では成型体に割れが生じやすくなるため
好ましくない。
よびそれに起因する低密度化を抑制し緻密性を確保する
ためである。加圧はピッチが溶融〜固化する温度域のみ
で行えばよいため、本発明の場合には480 〜600 ℃の温
度で加圧加熱成型し、その後非加圧下で高温で焼成す
る。ピッチが固化するためには少なくとも480 ℃以上、
好ましくは500 ℃以上の温度が必要であり、また600 ℃
を超えるとピッチの収縮に伴う成型体の収縮が大きくな
り、加圧拘束下では成型体に割れが生じやすくなるため
好ましくない。
【0020】本発明での加圧成型は、高々数十〜数百kg
/cm2程度あれば十分であり、具体的には好ましくは20kg
/cm2以上、より好ましくは60kg/cm2以上とされる。ここ
で、加圧する温度範囲については、室温状態から加圧加
熱最高温度までの全範囲である必要はなく、最高温度に
達するまでの一部の温度範囲、具体的にはピッチが固化
する500 ℃近傍の温度域のみを加圧するだけでも、加圧
加熱成型しない場合、すなわち常温成型に比較して製品
複合材の強度、耐磨耗性などを著しく改善することがで
きる。
/cm2程度あれば十分であり、具体的には好ましくは20kg
/cm2以上、より好ましくは60kg/cm2以上とされる。ここ
で、加圧する温度範囲については、室温状態から加圧加
熱最高温度までの全範囲である必要はなく、最高温度に
達するまでの一部の温度範囲、具体的にはピッチが固化
する500 ℃近傍の温度域のみを加圧するだけでも、加圧
加熱成型しない場合、すなわち常温成型に比較して製品
複合材の強度、耐磨耗性などを著しく改善することがで
きる。
【0021】加圧加熱成型によって得られた前記成型体
を、その後非加圧下で、好ましくは1800℃以上、例えば
2000℃程度の温度で焼成するが、焼成時の雰囲気は、複
合材中の炭素の酸化を抑制するため、酸化性ガスを含ま
ない、アルゴン等の不活性ガス、あるいは真空雰囲気中
で行うことが望ましい。
を、その後非加圧下で、好ましくは1800℃以上、例えば
2000℃程度の温度で焼成するが、焼成時の雰囲気は、複
合材中の炭素の酸化を抑制するため、酸化性ガスを含ま
ない、アルゴン等の不活性ガス、あるいは真空雰囲気中
で行うことが望ましい。
【0022】以上の方法により製造される炭化ホウ素/
炭素複合材では、従来の常温焼成法や、樹脂マトリック
ス法に比べて、高い強度を有するため、中性子吸収能を
向上するために炭化ホウ素の配合量を高めて、高いホウ
素の原子数密度を確保することが可能となる。また、加
圧加熱成型温度は、600 ℃以下の温度で足りるため、従
来のような1600℃以上の超高温域まで加熱し、加圧する
ホットプレス成型と比べて、加圧加熱成型装置設備が非
常に安価となり経済的に有利となる。
炭素複合材では、従来の常温焼成法や、樹脂マトリック
ス法に比べて、高い強度を有するため、中性子吸収能を
向上するために炭化ホウ素の配合量を高めて、高いホウ
素の原子数密度を確保することが可能となる。また、加
圧加熱成型温度は、600 ℃以下の温度で足りるため、従
来のような1600℃以上の超高温域まで加熱し、加圧する
ホットプレス成型と比べて、加圧加熱成型装置設備が非
常に安価となり経済的に有利となる。
【0023】
【実施例】次に実施例により本発明の効果を明らかにす
る。 (実施例1)炭化ホウ素(B4C )粉末(ホウ素含有率75
重量%以上、炭素含有率20〜25重量%)として、平均粒
径30μmの粉末A、平均粒径7μmの粉末B、平均粒径
12μmの粉末Cの3種を使用した。また、バインダー
ピッチとしては、コールタールを50Torrの減圧下、440
℃で熱処理して得られた、軟化点255 ℃、流動点310
℃、揮発分21%の高軟化点ピッチを用いた。
る。 (実施例1)炭化ホウ素(B4C )粉末(ホウ素含有率75
重量%以上、炭素含有率20〜25重量%)として、平均粒
径30μmの粉末A、平均粒径7μmの粉末B、平均粒径
12μmの粉末Cの3種を使用した。また、バインダー
ピッチとしては、コールタールを50Torrの減圧下、440
℃で熱処理して得られた、軟化点255 ℃、流動点310
℃、揮発分21%の高軟化点ピッチを用いた。
【0024】これらの原料を、表1の配合でブレンド
し、広口ビンに入れ、5分間激しく振って混合した。こ
の混合原料を、出来上がりの複合材の厚みが11mmになる
分量ずつ内径100 mmの金型に仕込み、加圧加熱成型し
た。加圧加熱成型は、室温から300 ℃までは1kg/cm2の
プレス圧下で5℃/Hrの昇温速度で昇温し、300 ℃から
520 ℃までは80kg/cm2のプレス圧下で5℃/分の昇温速
度で昇温し、1時間保持後、冷却し成型体を得た。この
成型体を、粉コークスに詰め、窒素ガス雰囲気中で、15
℃/Hrの昇温速度で1000℃まで昇温し、4時間保持後放
冷して炭化した。次にこの炭化した成型体を、内径150
mmφの黒鉛化炉を用いてアルゴン気流中10℃/分の昇温
速度で2150℃まで昇温して黒鉛化した。
し、広口ビンに入れ、5分間激しく振って混合した。こ
の混合原料を、出来上がりの複合材の厚みが11mmになる
分量ずつ内径100 mmの金型に仕込み、加圧加熱成型し
た。加圧加熱成型は、室温から300 ℃までは1kg/cm2の
プレス圧下で5℃/Hrの昇温速度で昇温し、300 ℃から
520 ℃までは80kg/cm2のプレス圧下で5℃/分の昇温速
度で昇温し、1時間保持後、冷却し成型体を得た。この
成型体を、粉コークスに詰め、窒素ガス雰囲気中で、15
℃/Hrの昇温速度で1000℃まで昇温し、4時間保持後放
冷して炭化した。次にこの炭化した成型体を、内径150
mmφの黒鉛化炉を用いてアルゴン気流中10℃/分の昇温
速度で2150℃まで昇温して黒鉛化した。
【0025】得られた複合材から、10×10×長さ60mmの
テストピースを切り出し、見掛け密度、真密度、曲げ強
度(スパン40mm)の測定を行った。その結果を表1に示
す。
テストピースを切り出し、見掛け密度、真密度、曲げ強
度(スパン40mm)の測定を行った。その結果を表1に示
す。
【0026】
【表1】
【0027】表1より明らかなように、1種類の粒度の
炭化ホウ素粉を使用した試験番号3、4では、気孔率が
18%以上と高く、ピッチの配合量が少ない試験番号5で
も気孔率が高く曲げ強度が低い。また2種の粉末の平均
粒径の比が1/2以下とならない試験番号6でも気孔率
が高い。一方、2種の粉末の平均粒径の比が1/2以下
の炭化ホウ素粉を混合使用した本発明例である試験番号
1、2では、気孔率は、13.5%以下と低く、高い曲げ強
度が得られる。かくして、ホウ素の原子数密度が高く中
性子遮蔽性能の優れた複合材が得られることが判った。
炭化ホウ素粉を使用した試験番号3、4では、気孔率が
18%以上と高く、ピッチの配合量が少ない試験番号5で
も気孔率が高く曲げ強度が低い。また2種の粉末の平均
粒径の比が1/2以下とならない試験番号6でも気孔率
が高い。一方、2種の粉末の平均粒径の比が1/2以下
の炭化ホウ素粉を混合使用した本発明例である試験番号
1、2では、気孔率は、13.5%以下と低く、高い曲げ強
度が得られる。かくして、ホウ素の原子数密度が高く中
性子遮蔽性能の優れた複合材が得られることが判った。
【0028】(実施例2)表1の本発明例1と同じ原料
を用い、実施例1と同様の成型装置、成型圧力で、成型
温度のみ種々変更して、成型後の状況を観察した。結果
を、表2に示す。
を用い、実施例1と同様の成型装置、成型圧力で、成型
温度のみ種々変更して、成型後の状況を観察した。結果
を、表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】本発明例である試験番号2〜5の、成型最
高温度500 〜580 ℃の場合は、成型体に割れがなく良好
であるのに対して、成型最高温度がこの範囲を外れる試
験番号5、6では成型時割れが発生し良好な成型体が得
られないことがわかる。
高温度500 〜580 ℃の場合は、成型体に割れがなく良好
であるのに対して、成型最高温度がこの範囲を外れる試
験番号5、6では成型時割れが発生し良好な成型体が得
られないことがわかる。
【0031】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、ホウ素の
原子数密度を高く設定し中性子吸収性能を確保するため
に、炭化ホウ素の含有量を増しても、高曲げ強度を確保
することができ、例えば原子炉用中性子吸収材として好
適な中性子遮蔽材の使用が期待ができる。また、本発明
法は極めて低温域での加熱成型であるため加圧加熱成型
が簡単かつ廉価となり、それがもたらす経済効果も大で
ある。
原子数密度を高く設定し中性子吸収性能を確保するため
に、炭化ホウ素の含有量を増しても、高曲げ強度を確保
することができ、例えば原子炉用中性子吸収材として好
適な中性子遮蔽材の使用が期待ができる。また、本発明
法は極めて低温域での加熱成型であるため加圧加熱成型
が簡単かつ廉価となり、それがもたらす経済効果も大で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鵜飼 重治 茨城県東茨城郡大洗町成田町4002 動力 炉・核燃料開発事業団大洗工学センター内 (72)発明者 酢谷 潔 大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金 属工業株式会社内 (72)発明者 角南 好彦 大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金 属工業株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】15〜40体積%の黒鉛と、残部が平均粒
径の異なる2種類の炭化ホウ素粉末XおよびYからな
り、炭化ホウ素粉末Xの平均粒径は炭化ホウ素粉末Yの
平均粒径の1/2以下であり、炭化ホウ素粉末Xが10
体積%以上、炭化ホウ素粉末Yが30体積%以上含まれ
ていることを特徴とする、炭化ホウ素/炭素複合材。 - 【請求項2】黒鉛と、平均粒径の異なる二種類の炭化ホ
ウ素粉末XおよびY(ただし、炭化ホウ素粉末Xの平均
粒径は、炭化ホウ素粉末Yの平均粒径の1/2以下)
を、下記の配合比で混合した後、480〜600℃の温
度範囲で加圧加熱成型し、その後に焼成することを特徴
とする、炭化ホウ素/炭素複合材の製造方法。 黒鉛 :15〜40体積% 炭化ホウ素粉末X :10体積%以上 炭化ホウ素粉末Y :30体積%以上
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4233843A JPH0687654A (ja) | 1992-09-01 | 1992-09-01 | 炭化ホウ素/炭素複合材およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4233843A JPH0687654A (ja) | 1992-09-01 | 1992-09-01 | 炭化ホウ素/炭素複合材およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0687654A true JPH0687654A (ja) | 1994-03-29 |
Family
ID=16961441
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4233843A Pending JPH0687654A (ja) | 1992-09-01 | 1992-09-01 | 炭化ホウ素/炭素複合材およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0687654A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7557054B2 (en) | 2006-02-27 | 2009-07-07 | Kyocera Corporation | Boron carbide sintered body and protective member |
JP2010107340A (ja) * | 2008-10-30 | 2010-05-13 | Kyocera Corp | 中性子吸収体および原子力発電装置用制御棒 |
US7776773B2 (en) * | 2006-11-29 | 2010-08-17 | Kyocera Corporation | Boron carbide sintered body and method of manufacturing the same and protective body |
KR20230089804A (ko) * | 2021-12-14 | 2023-06-21 | 한국원자력연구원 | 흑연-보론 방사선 차폐 복합 소재 |
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1992
- 1992-09-01 JP JP4233843A patent/JPH0687654A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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