JPH0686980A - 携帯用浄水器 - Google Patents

携帯用浄水器

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JPH0686980A
JPH0686980A JP12553991A JP12553991A JPH0686980A JP H0686980 A JPH0686980 A JP H0686980A JP 12553991 A JP12553991 A JP 12553991A JP 12553991 A JP12553991 A JP 12553991A JP H0686980 A JPH0686980 A JP H0686980A
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JP
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water
treated
chamber
electrode
fixed bed
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Application number
JP12553991A
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English (en)
Inventor
Takeshi Takahashi
剛 高橋
Hiroyuki Hashimoto
浩幸 橋本
Nobutaka Goshima
伸隆 五嶋
Yoshito Sasaki
義人 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokai Carbon Co Ltd
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Tokai Carbon Co Ltd
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 電気化学的処理により被処理水の滅菌や脱臭
等の改質処理を行うことのできる携帯用浄水器を提供す
る。 【構成】 被処理水処理のための固定床型三次元電極に
より電解槽本体をほぼ同体積の第1室と第2室に区画
し、該第1室又は該第2室内の未処理水を通電された前
記固定床型三次元電極を通して前記第2室又は前記第1
室へ移動させながら改質処理を行い、かつ電解槽本体の
上下位置を反転させることにより必要回数だけ前記被処
理水を前記固定床型三次元電極を透過させて改質処理を
行うことができるようにした砂時計タイプの携帯用浄水
器。 【効果】 本携帯用浄水器により被処理水の処理を行う
には、該被処理水をいずれか一方の室例えば第1室に注
入し該第1室を第2室より上方に位置させながら固定床
型三次元電極に通電し、かつ電解槽本体の上下位置を反
転させるという簡単な操作のみで、滅菌等の改質処理が
行われた所望の飲料水を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固定床型三次元電極を
使用する携帯用浄水器に関し、より詳細には微生物及び
カルキ臭等を有することのある水道水等の被処理水中の
前記微生物及びカルキ臭等を電気化学的処理により除去
して清澄な飲料水等を得るための携帯用浄水器に関す
る。
【0002】
【従来技術】飲料水は、貯水池等の水源に貯水された水
を浄水場で滅菌処理した後、各家庭や飲食店等に上水道
を通して供給される。飲料水の前記滅菌は塩素ガスによ
る処理が一般的であるが、該塩素処理によると飲料水の
滅菌は比較的良好に行われる反面、残留塩素の影響によ
り処理された飲料水に異物質が混和したような違和感が
生じて天然の水の有するまろやかさが損なわれるという
欠点が生ずる。飲料水は人間の健康に直結するもので、
それに含有される細菌の殺菌や黴の繁殖の防止つまり微
生物の死滅除去は不可欠であり、該殺菌や防黴の方法と
しては前述の塩素による方法が主流である。しかし都市
部の水道滅菌はその原水となる河川水、湖水等が各種有
機物等で汚染され微生物の死滅に必要な量以上の塩素を
添加するため、有機ハロゲン化物、次亜塩素酸イオン及
び残留塩素等の有効塩素成分を生起していわゆるカルキ
臭が生じ、処理後の飲料水等の味が悪くなるという欠点
があり、このカルキ臭を除去するに該カルキ臭源である
次亜塩素酸イオン(有効塩素)を活性炭等に吸着させ、
かつ活性炭の構成分子である炭素を酸化することで有効
塩素を還元処理する方法が使用されている。
【0003】しかしこの方法では、活性炭の吸着能力の
限界があり、しばらく使用すると有効塩素分解が生じな
くなるという寿命の点で致命的な欠点があり、又活性炭
の交換といった煩雑な操作とコストが必要であるととも
に、完全なカルキ臭の除去が達成できないことがある。
従って前述の通り人体に有害な有機塩素化合物や飲料水
の味を損ない易い次亜塩素酸イオン等を生じさせ易い塩
素処理に代わり得る人体に害がなくかつ天然水に近い味
を有する飲料水の処理方法が要請されている。
【0004】これらの現象を防止するために従来は防黴
剤や沈澱抑制剤等の各種薬剤を被処理水中に投入したり
各種フィルタを配管途中に設置したりしているが、前記
薬剤投入は前述の通り薬剤の残留による被処理水への悪
影響や薬剤使用のコスト面での問題点が指摘されてい
る。更に添加薬剤に対する抗菌が暫くすると発生し、次
の薬剤を検討する必要が生ずるという問題点を抱えてい
る。このような従来技術の欠点を解消するために、本出
願人は前記各被処理水を電気化学的に処理することによ
り該被処理水の滅菌やカルキ臭の除去を行う方法を提案
した(特願平1−326846号、特願平2-236723号)。この
方法による電気化学的処理では薬剤等の被処理水中への
残存を生じさせることなく確実に被処理水の改質を行う
ことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】この電気化学的処理
により薬剤を使用することなく飲料水等の滅菌を初めと
する改質処理を行うことができるが、これらの電気化学
的処理は大量の飲料水の処理を意図し、従って使用する
電解槽も大型で該電解槽の設置場所でしか飲料水等の改
質処理を行うことができなかった。特に水事情の悪い海
外では水道水中に各種雑菌が多く含まれかつ異臭を伴う
ことがあり蛇口からの水道水をそのまま摂取すると味覚
を損なうだけでなく下痢や腹痛等を誘発することがあ
り、海外では消毒済の飲料水以外は飲まないことが常識
となっている。しかし飲料水の摂取を抑止するにも限度
があり、特に気温の高い地方では非常に高価な飲料水を
購入しなければならないという欠点がある。
【0006】
【発明の目的】本発明は、比較的少量の飲料水等の被処
理水の改質処理に好ましく使用できるコンパクトな携帯
用浄水器を提供することを目的とする。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明は、中空の電解
槽本体を少なくも1個の固定床型三次元電極によりほぼ
同体積の上室と下室に区画し、該上室又は該下室内の未
処理水を通電された前記固定床型三次元電極を通して前
記下室又は前記上室へ移動させながら改質処理を行うよ
うにした携帯用浄水器、いわゆる砂時計タイプの携帯用
浄水器である。なお本発明では電極表面上で実質的な酸
化還元反応のような電気化学反応を生起していないこと
があるので本発明に係わる槽は電気化学的処理装置とい
うべきであるが、一般呼称に従って電解槽と称する。
【0008】以下本発明を詳細に説明する。本発明に係
わる携帯用浄水器は比較的小型の中空状容器例えばピク
ニック等に携帯する魔法瓶や水筒程度の大きさの電解槽
本体から成ることが望ましく、少なくとも人手により上
下を反転させられる程度の重量でなければならない。本
発明における固定床型三次元電極を有する携帯用浄水器
は、その三次元電極を給電用電極に接続してその電位を
該給電用電極と同一電位に維持する単極式電解槽として
も、1又は2以上の三次元電極(誘電体)を両給電用電
極間に絶縁状態で設置し両給電用電極間に通電すること
により前記三次元電極を分極させる複極式電解槽のいず
れとしてもよく、これらの電解槽ではその三次元電極が
莫大な表面積を有するため電極表面と水道水等の被処理
水との接触面積を増大させることができ、これにより装
置サイズを小さくし、かつ電気化学的処理の効率を上げ
ることができる点で有利である。
【0009】本発明では前記固定床型三次元電極により
電解槽本体をほぼ同体積の第1室と第2室に区画する。
そしていずれか一方の室例えば第1室に水道水等の被処
理水を供給し、供給した方の第1室を上方に位置させて
通電を行うと、被処理水がその自重により固定床型三次
元電極を透過し透過しながら電気化学的処理を受けて滅
菌や脱臭が行われた後、他の第2室へ導かれる。この状
態で電解槽の上下位置を反転させると第2室内の被処理
水が自重により固定床型三次元電極を再度透過して改質
処理を受けた後第1室に導かれる。本携帯用浄水器では
第1室及び第2室の体積をほぼ同程度としてあるため被
処理水の全部が円滑に他室へ導かれ前記被処理水の前記
固定床型三次元電極内の透過による改質処理が行われ
る。そして上下の位置関係を反転させるのみで必要な回
数だけ被処理水の固定床型三次元電極内の透過を実行す
ることができ、例えば多くの細菌を含有する汚染度の高
い被処理水の処理も確実に行うことができる。
【0010】本発明の携帯用浄水器の電極は一般に固定
床型三次元電極好ましくは多孔質三次元炭素電極と給電
用電極を含み、これらの他に補助電極を設置してもよ
い。三次元電極の材質は炭素系材料の他に、白金族金属
酸化物被覆チタン材(寸法安定性電極)、白金被覆チタ
ン材、ニッケル、フェライト等を使用することができ
る。前記炭素系材料は、前記被処理水が透過可能な多孔
質炭素材料、例えばフェルト状、織布状、多孔質ブロッ
ク状等の形状を有する活性炭、グラファイト、炭素繊維
等の炭素系材料、あるいは該炭素系材料に貴金属のコー
ティングを施した材料から形成されることができる。前
述の通りこのような材料から成る例えば円板状の1個又
は複数個の誘電体を直流又は交流電場内に置き、両端に
設置した平板状又はエキスパンドメッシュ状やパーフォ
レーティッドプレート状等の多孔板体から成る給電用電
極間に直流電圧あるいは交流電圧を印加して前記誘電体
を分極させ該誘電体の一端及び他端にそれぞれ陽極及び
陰極を形成させて成る三次元電極を収容した固定床型複
極式電解槽とすることが可能である。なお炭素系材料を
分極させて使用する場合の該炭素系材料(誘電体)はそ
の誘電率が高いほど分極度が高いので有効に陽陰極が生
成し、被処理水の処理を効率良く行うことができる。従
って固定床として使用する炭素質材料はその体積抵抗率
が1×10-6Ω・cmより大きな材料が好ましい。
【0011】被処理水の電気化学的処理に際しては該被
処理水がこの三次元電極に可能な限り接触することが必
要である。これを達成するためには前記被処理水の前記
電極内の滞留時間をなるべく長く、換言すると被処理水
が可能な限り前記電極の内部に浸透しかつ透過すること
が必要である。被処理水を電極内に浸透させ電気化学的
反応を生起させるためには、該電極材料の導体抵抗が小
さくかつ広い範囲で電解反応を生起させるためにその電
解反応の過電圧が高いことが望ましい。つまり導体抵抗
が小さいと電流が電極全体に均一に分散でき、過電圧が
大きいと表面だけでなく内部でも所定の反応が生じ易く
なるのである。過電圧が低いと対極に面した電極表面の
みで反応が生ずるため多孔質電極を使用してその反応表
面積を広げる意味が減殺される。
【0012】本携帯用浄水器の電解槽の三次元電極を構
成する材料は特に限定されず、従来使用されている任意
の電極材料の使用できるが、炭素系材料を使用すること
が最も望ましい。該炭素系材料は前記要件つまり導体抵
抗が小さく過電圧が高いという要件を満足する材料であ
る。更に該炭素系材料は毒性が全くなくかつイオンやそ
の水酸化物を形成しないため飲料水等の体内に摂取され
る被処理水の処理用として望ましい。又表面積が莫大で
あり電解質や微生物あるいは有効塩素成分が接触する機
会が非常に大きくなるとともに吸着能力も作用して処理
効率が大幅に上昇する。更に炭素系材料は安価であり、
他の金属材料極と異なり電解を停止しても腐食が生じな
いため、経済的にも操作性の面からも有利である。
【0013】本電解槽は特に被処理水の滅菌や飲料水中
のカルキ臭除去に有効であり、カルキ臭を有する飲料水
を前記炭素電極を使用する三次元電極式電解槽に供給し
該電解槽に直流又は交流電圧を印加し前記被処理水中の
微生物の滅菌処理や飲料水中のカルキ臭成分の分解を行
うことができる。なお上記微生物には、細菌(バクテリ
ア)、黴、酵母、変形菌、単細胞の藻類、原生動物、ウ
イルス等が含まれ、カルキ臭の主成分は通常塩素又は次
亜塩素酸塩である有効塩素成分である。
【0014】前記被処理水を前記固定床型三次元電極式
電解槽に供給すると、該被処理水中の微生物は液流動に
よる拡散及び移動によって前記電解槽の陽極や陰極に接
触しそれらの表面で強力な酸化還元反応を受けたり高電
位の電極に接触し、その活動が弱まったり自身が死滅し
て滅菌が行われると考えられる。この被処理水が有効塩
素成分を含む飲料水であると、該飲料水が三次元電極に
十分接触することにより前記有効塩素成分が前記三次元
電極に接触して電気化学的に還元分解されて前記飲料水
からカルキ臭が除去される。
【0015】つまり三次元電極との接触により被処理水
中の有効塩素成分の主成分である次亜塩素酸イオンは次
の式に従って塩素イオンと水に分解される。 ClO- + 2 H + + 2 e - → Cl - + H2O 更に被処理水中の残留塩素は三次元電極に接触し次の式
に従って塩素イオンに還元される。 Cl2 + 2 e- → 2 Cl- 本電解槽を被処理水の滅菌や被処理水中のカルキ臭除去
に使用する場合には、被処理水中の微生物あるいは有効
塩素成分を含む被処理水が電圧が印加された炭素電極に
接触すれば充分であり、両極間に電流を流して水素及び
酸素等のガス発生を伴う実質的な電解反応を生起させる
ことは必須ではなく、むしろ実質的な電解反応が生じな
い低い電位を電極表面に印加することが好ましい。これ
は第1に酸素ガス発生により炭素電極の消耗が促進され
るからであり、又第2に実質的な電解反応が生じた場合
に被処理水成分にガス発生に起因する化学的変化を与え
てしまい、これにより複雑な作用が被処理液に起こるこ
とがあり、一定の処理性能を常に維持することが難しく
なるからである。更に第3に微生物の滅菌等以外のガス
発生反応に無駄な電力を使うことになり不経済でだから
であり、又それら発生ガスが電極表面上を覆ってしまい
微生物等が電極表面と接触する効率も低下させ滅菌効率
を悪くすることがある。
【0016】従って本電解槽を使用して電気化学的処理
を行う場合には、印加電位を陽極電位が実質的な酸素発
生を伴わず、実際に効率良く処理が行われていることを
確認するために最小限の電流を流し、僅少量のガスを発
生させることのできる+0.2〜+1.2 V(vs.SCE)、陰極
電位が実質的に水素発生を伴わない0〜−1.0 V(vs.SC
E)となるようにすることが望ましく、炭素電極は僅少量
の発生酸素ガスによっても消耗するため前記補助電極を
設置してこの消耗を抑制する。
【0017】前記誘電体として活性炭、グラファイト、
炭素繊維等の炭素系材料を使用しかつ陽極から酸素ガス
を発生させながら被処理水を処理する場合には、前記誘
電体が酸素ガスにより酸化され炭酸ガスとして溶出し易
くなる。前述の補助電極はこの誘電体の溶解を防止する
ためのものであり、該誘電体の陽分極する側に例えばチ
タン等の基材上に白金、酸化イリジウム、酸化ルテニウ
ム等の白金族金属又はその酸化物を被覆し通常不溶性金
属電極として使用され炭素系材料より過電圧特に酸素発
生に対する過電圧の低い多孔質材料から成る補助電極を
接触又は近接状態で設置し、酸素発生が主として該補助
電極上で生ずるようにして炭素電極である誘電体の溶出
を抑制する。
【0018】又固定床型単極式電解槽を使用する場合に
は、単独で陽極としてあるいは陰極として機能する炭素
系材料が少なくとも陽極又は陰極のいずれかとして機能
するように隔膜を介してあるいは介さずに電解槽内に設
置し、好ましくは陽極として機能する側の炭素電極の表
面に接触あるいは近接状態で前述の補助電極を設置して
前記炭素電極の溶出を同様にして防止することができ
る。いずれの形態の電極を使用する場合でも、処理すべ
き被処理水が流れる電解槽内に液が電極や誘電体や微粒
子に接触せずに流通できる空隙があると被処理水の処理
効率が低下するため、電極等は電解槽内の被処理水の流
れがショートパスしないように配置することが望まし
い。
【0019】前記電解槽内を隔膜で区画して陽極室と陰
極室を形成しても、隔膜を使用せずにそのまま通電を行
うこともできるが、隔膜を使用せずかつ電極の極間距離
あるいは誘電体と電極、又は誘電体相互の間隔を狭くす
る場合には短絡防止のため電気絶縁性のスペーサとして
例えば有機高分子材料で作製した網状スペーサ等を両極
間あるいは前記誘電体間等に挿入することができる。又
隔膜を使用する場合には流通する被処理水の移動を妨害
しないように多孔質例えばその開口率が10%以上95%以
下好ましくは20%以上80%以下のものを使用することが
望ましく、該隔膜は少なくとも前記被処理水が透過でき
る程度の孔径の微細孔を有していなければならない。
【0020】次に添付図面に基づいて本発明に係わる携
帯用浄水器の好ましい例を説明するが、本発明の浄水器
はこれらに限定されるものではない。図1は、本発明に
係わる携帯用浄水器の一例を示す概略断面図、図2は、
図1のA−A線横断面図である。
【0021】右側面側が円弧状に切り欠かれた円筒状で
あり上下方向のほぼ中央部に縮径した小径部1が形成さ
れた電解槽本体2の左上側面部に被処理水注入出口3が
側方を向いて突設され、該注入出口3の先端部にはキャ
ップ4が螺合されている。電解槽本体2は、長期間の使
用又は再度の使用にも耐え得る電気絶縁材料で形成する
ことが好ましく、特に合成樹脂であるポリエピクロルヒ
ドリン、ポリビニルメタクリレート、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化エチレン、フ
ェノール−ホルムアルデヒド樹脂等が好ましく使用でき
る。前記電解槽本体2の小径部1内方には、複数個の図
示の例では4個の多孔質の固定床5が積層され、かつ該
固定床5間及び該固定床5の上下には5枚のドーナツ状
のスペーサ6が挟持され、最上部のスペーサ6にはメッ
シュ状の給電用陽極7が、又最下部のスペーサ6にはメ
ッシュ状の給電用陰極8が、それぞれ接触状態で設置さ
れている。前記給電用陽極7及び給電用陰極8には、そ
れぞれ給電用陽極ロッド9及び給電用陰極ロッド10が接
触され、両ロッド9、10に前記小径部1と電解槽本体2
内壁間に収容された電源11を通して電圧を印加すること
により前記固定床5に通電するようにしている。
【0022】各固定床5は電解槽本体2の内壁に密着し
固定床5の内部を通過せず、固定床5と電解槽本体2の
側壁との間を流れる被処理水の漏洩流がなるべく少なく
なるように配置されている。正の直流電圧を与える前記
給電用陽極7は、例えば炭素材(例えば活性炭、炭、コ
ークス、石炭等)、グラファイト材(例えば炭素繊維、
カーボンクロス、グラファイト等)、炭素複合材(例え
ば炭素に金属を粉状で混ぜ焼結したもの等)、活性炭素
繊維不織布、又はこれに白金、白金、パラジウムやニッ
ケルを担持させた材料、更に寸法安定性電極 (白金族酸
化物被覆チタン材) 、白金被覆チタン材、ニッケル材、
ステンレス材、鉄材等から形成される。又前記給電用陽
極7に対向し負の直流電圧を与える給電用陰極8は、例
えば白金、ステンレス、チタン、ニッケル、銅、ハステ
ロイ、グラファイト、炭素材、軟鋼あるいは白金族金属
をコーティングした金属材料等から形成されている。又
スペーサとしては電気絶縁性材料で製作された織布、多
孔板、網、棒状材等が使用され、該スペーサの代わりに
隔膜を使用する場合には該隔膜として織布、素焼板、粒
子焼結ブラスチック、多孔板、イオン交換膜等が用いら
れる。
【0023】前記電解槽本体2内は前記固定床5により
前記被処理水注入出口3側の第1室12と前記固定床5の
反対側の第2室13とに区画され、両室はほぼ同体積とな
るように固定床5の位置を設定する。なお第2室側に被
処理水注入出口を設けてもよい。前記第1室12の上右側
面部と前記第2室13の下右側面部間には小径の連通管14
が内設されて前記両室内の空間を連通している。
【0024】このような構成から成る携帯用浄水器は、
例えば滞在先のホテルの客室の蛇口に近接して設置し、
水道水(被処理水)15を前記被処理水注入出口3から第
1室12に注入しかつ電源11から電流を供給すると、前記
固定床5の下面が正に上面が負に分極して各固定床5の
上面に多孔質三次元陰極が又下面に多孔質三次元陽極が
形成され、前記水道水15はこの多孔質三次元陽極に接触
して細菌類の滅菌が行われた後、重力により下方の第2
室13内に導かれる。その状態で電解槽本体2の上下位置
を反転させると、第2室13が上方に又第1室12が下方に
位置することになり前記第2室13内の水道水15が自重に
より前記固定床5を透過して同様に改質処理された後、
第1室12に達する。前記水道水15は前記各固定床5を2
度透過することにより滅菌や脱臭等が行われているた
め、前記被処理水注入出口4から取り出された処理済の
水道水は飲料用として好適になっており、そのまま飲料
水等として使用することができる。この携帯用浄水器は
ホテル等が使用するだけでなく、外出時に携帯して必要
に応じて被処理水を改質処理して細菌類や悪臭を有しな
い飲料水に変換するような形態で使用することもでき
る。
【0025】図3は、本発明に係わる携帯用浄水器の他
の例を示すもので、該携帯用浄水器は図1の携帯用浄水
器の改良に係わるもので図1と同一部材には同一符号を
付して説明を省略する。図3の電解槽本体2aは円筒状
であり、図1の小径部や切欠は存在しない。固定床5a
はその径が前記電解槽本体2aの内径に等しく、又スペ
ーサ6aの外径も前記電解槽本体2aの内径に等しくな
っている。このような構成から成る携帯用浄水器の場合
も、図1の携帯用浄水器と同様に水道水の自重により固
定床5aを透過させて改質処理を行うことができる。こ
の携帯用浄水器では単位体積当たりの固定床5aの体積
が多くなっているため、処理効率が高く、比較的多量の
水道水の処理が可能になっている。
【0026】
【実施例】以下に本発明に係わる携帯用浄水器を使用す
る試験用水道水の処理の実施例を記載するが、該実施例
は本発明を限定するものではない。
【0027】実施例1 透明な硬質ポリ塩化ビニル樹脂製の高さ200 mm、内径
70mmで小径部の高さ50mm、内径40mmの図1に示し
た電解槽(携帯用浄水器)を使用して試験用水道水の処
理を行った。該電解槽の小径部には、炭素繊維から成る
開孔率60%で直径39.5mm、厚さ8mmの固定床4個を
収容した。この固定床を、開孔率85%で直径40mm、厚
さ1mmのポリエチレン樹脂製スペーサ5枚で挟み込ん
だ。最上方のスペーサの上面及び最下方のスペーサの下
面にそれぞれ接触するように直径39mmで白金被覆した
メッシュ状の2枚のチタン板を設置した(給電用陽極及
び給電用陰極)。又固定床より上方の第1室と下方の第
2室を内径5mmの連通管で連通させた。前記試験用被
処理水は水道水に大腸菌を添加して細菌数が1.1 ×102
個/ミリリットルとなるように調製した。
【0028】前記電解槽の第1室に該試験用被処理水0.
2 リットルを注入し、初期電圧値を20.0Vに、電流値を
60mAにそれぞれ固定し、前記試験用被処理水を自重に
より固定床を通して第2室に導入しながら改質処理を行
い、更に電解槽の上下位置を反転させて再度前記試験用
被処理水を固定床を通して処理を行い、第1室に導いた
後、該第1室中の試験用被処理水中の細菌数を測定した
ところ表1に示す通り、39個/ミリリットルに減少して
いた。この試験用被処理水をそのまま再度固定床を通し
て改質処理し更に電解槽の上下位置を反転させて更に固
定床を通して改質処理を行った後、該試験用被処理水中
の細菌数を測定したところ13個/ミリリットルに減少
し、再度電解槽の上下位置を反転させて更に固定床を通
して改質処理を行った後、該試験用被処理水中の細菌数
を測定したところ4個/ミリリットルに減少していた。
当初の試験用被処理水中の細菌数を表1に示すように変
化させて同様に試験用被処理水を固定床を2回、4回あ
るいは6回透過させた後の細菌数を測定したところ表1
に示す結果が得られた。
【0029】
【発明の効果】本発明の携帯用浄水器は、中空の電解槽
本体を少なくも1個の固定床型三次元電極によりほぼ同
体積の第1室と第2室に区画し、該第1室又は該第2室
内の未処理水を通電された前記固定床型三次元電極を通
して前記第2室又は前記第1室へ移動させながら改質処
理を行うようにした携帯用浄水器である(請求項1)。
本発明の携帯用浄水器により被処理水の処理を行うに
は、該被処理水をいずれか一方の室例えば第1室に注入
し該第1室を第2室より上方に位置させながら固定床型
三次元電極に通電する。これにより前記被処理水が自重
により通電により分極され又は当初から陽極又は陰極と
して機能する前記固定床型三次元電極に接触して細菌類
の滅菌等の改質処理が行われた後、重力により下方の第
2室内に導かれる。そして前記第1室及び第2室に位置
関係を反転させると同様に被処理水が固定床型三次元電
極を透過して改質処理を受けながら第1室に戻る。この
操作を必要回繰り返すことによりつまり電解槽本体の上
下の位置関係を反転させるという簡単な操作のみで、滅
菌等の改質処理が行われた所望の飲料水を得ることがで
きる。
【表1】
【0030】本発明の携帯用浄水器は、上下の位置関係
を反転させることにより必要な回数だけ被処理水を固定
床型三次元電極を透過させて処理でき、比較的小さい固
定床型三次元電極つまり小型の電解槽であっても所定の
改質処理を行うことができ、旅行やビジネス等に携帯し
て使用すると便利である。前記固定床型三次元電極は電
解槽本体の小径部内に設置収容することが望ましく(請
求項2)、該小径部の周囲に電源や他の電装部をコンパ
クトに設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる携帯用浄水器の一例を示す概略
縦断面図である。
【図2】図1のA−A線横断面図である。
【図3】本発明に係わる携帯用浄水器の他の例を示す概
略縦断面図である。
【符号の説明】
1・・・小径部 2、2a・・・電解槽本体 3・・・
被処理水注入出口 5、5a・・・固定床(三次元電
極) 6、6a・・・スペーサ 7・・・給電用陽極
8・・・給電用陰極 11・・・電源 12・・・第1室
13・・・第2室 14・・・連通管 15・・・水道水(被処理水)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年9月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【図1】
【図3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 五嶋 伸隆 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 (72)発明者 佐々木 義人 東京都中央区日本橋2丁目10番1号東洋カ ーボン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空の電解槽本体を少なくも1個の固定
    床型三次元電極によりほぼ同体積の第1室と第2室に区
    画し、該第1室又は該第2室内の未処理水を通電された
    前記固定床型三次元電極を通して前記第2室又は前記第
    1室へ移動させながら改質処理を行うようにした携帯用
    浄水器。
  2. 【請求項2】 固定床型三次元電極を、電解槽本体内の
    第1室と第2室の径より小径の小径部に設置した請求項
    1に記載の携帯用浄水器。
JP12553991A 1991-04-26 1991-04-26 携帯用浄水器 Pending JPH0686980A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013525612A (ja) * 2010-05-03 2013-06-20 イルボン キム ポータブル水素豊富水製造装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013525612A (ja) * 2010-05-03 2013-06-20 イルボン キム ポータブル水素豊富水製造装置
US8974646B2 (en) 2010-05-03 2015-03-10 Ilbong Kim Portable hydrogen-rich water generator

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