JPH0686884U - Cb工法用溶接治具 - Google Patents

Cb工法用溶接治具

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JPH0686884U
JPH0686884U JP3480893U JP3480893U JPH0686884U JP H0686884 U JPH0686884 U JP H0686884U JP 3480893 U JP3480893 U JP 3480893U JP 3480893 U JP3480893 U JP 3480893U JP H0686884 U JPH0686884 U JP H0686884U
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JP3480893U
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博 加藤
素臣 尾形
幸夫 永瀬
吉行 大野
Original Assignee
株式会社ダイア
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単に鉄筋を位置決めしてバッキング材を取
り付けることができるとともに、鉄筋を上下方向に接合
する場合でもバッキング材がずり落ちることのないよう
にする。 【構成】 本体フレーム52の中央部に設けられたバッ
キング保持部54でバッキング材を位置決めして保持す
るとともに、そのバッキング保持部54の両側に設けら
れた鉄筋受け部56a,56b上に一対の鉄筋をそれぞ
れ位置させた状態でカバー部材58a,58bを閉じ、
そのカバー部材58a,58bにそれぞれ配設された挟
圧部材84により一対の鉄筋をそれぞれ鉄筋受け部56
a,56bに押圧して略同心に位置決めする。カバー部
材60は防風用のもので、バッキング保持部54に対応
する部分に溶接トーチ挿入用の開口68が設けられてい
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、セラミックス製バッキング材を用いてアーク溶接により一対の鉄筋 を軸方向に接合するCB工法に好適に用いられる溶接治具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一対の鉄筋を軸方向に直列に溶接接続する手段としては、従来から圧接法が広 く知られているが、近年、上記一対の鉄筋を軸方向に所定の隙間を隔てて略同心 に位置決めするとともに、断面が略U字形状を成すセラミックス製バッキング材 をその一対の鉄筋に跨がって配置し、そのバッキング材により略半周が囲まれた 前記隙間にアーク溶接によって溶融金属を充填する方法が提案されている。本明 細書では、このようにセラミックス製バッキング材(CB)を用いてアーク溶接 により一対の鉄筋を軸方向に接合する手法をCB工法という。
【0003】 図11〜図13は、上記CB工法の概略説明図で、図11は、鉄筋ホルダ10 を用いて溶接接続すべき一対の鉄筋12,14を軸方向に所定の隙間16を隔て て略同心に位置決めした状態であり、図12は、上記位置決めされた鉄筋12, 14の接合部すなわち隙間16部分に、バッキングホルダ18を用いて略U字形 状を成すセラミックス製バッキング材20を配置し、アーク溶接機の溶接トーチ 22で溶接ワイヤ23を供給しつつアーク放電で溶かして隙間16に溶融金属を 充填している状態である。鉄筋ホルダ10は、本体フレーム24の両端に一対の V字型鉄筋受け部材26が一体的に固設されているとともに、その鉄筋受け部材 26に対向するように締付けボルト28が螺合されており、締付けボルト28が それぞれ締め付けられることにより、鉄筋受け部材26との間で鉄筋12,14 を挟圧して同心に位置決めするようになっている。また、バッキングホルダ18 は、図13から明らかなようにV字形状のホルダ本体30の両端部に、ばね板材 を曲げ加工した一対の係止部材32を固設したもので、ホルダ本体30の中間部 にバッキング材20を載置した状態で、係止部材32のばね力により鉄筋12, 14に取り付けられるようになっている。
【0004】 このようなCB工法は、圧接法のように鉄筋を引き寄せる必要がないため、建 築現場などでも比較的簡便に接合作業を行うことができるとともに、セラミック ス製のバッキング材は金属製に比べて放熱が少なく、少入熱で溶接できる他、溶 接後は割って容易に取り外すことができるため接合部の外観検査が可能であるな ど、種々の利点がある。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来のCB工法では、鉄筋ホルダとバッキングホルダと が別体に構成され、鉄筋ホルダで一対の鉄筋を位置決めした後にバッキングホル ダでバッキング材を取り付けるようになっているため、溶接作業を行うまでの準 備が面倒で時間が掛かるという問題があった。特に、建築現場などで多数の鉄筋 を溶接する場合には、作業が簡単で少しでも時間を短縮することが強く望まれる 。また、バッキング材はV字形状のバッキングホルダに載置されているだけであ るため、建築現場などで鉄筋を上下方向に接合する場合には、バッキング材がず り落ちてしまうことがあった。
【0006】 本考案は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、 簡単に鉄筋を位置決めしてバッキング材を取り付けることができるとともに、鉄 筋を上下方向に接合する場合でもバッキング材がずり落ちることのないCB工法 用溶接治具を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本考案は、一対の鉄筋を軸方向に所定の隙間を 隔てて略同心に位置決めするとともに、断面が略U字形状を成すセラミックス製 バッキング材をその一対の鉄筋に跨がって配置し、そのバッキング材により略半 周が囲まれた前記隙間にアーク溶接によって溶融金属を充填することにより、そ の一対の鉄筋を軸方向に直列に接合するCB工法に用いられる溶接治具であって 、(a)U字形状の回曲部側から挿入される前記バッキング材を挿入方向と略直 角な平面内で位置決めして保持するバッキング保持部と、そのバッキング保持部 の両側に設けられた一対の鉄筋受け部とを一体的に有する本体フレームと、(b )一端部において前記本体フレームに回動可能に取り付けられ、その本体フレー ムとの間に前記一対の鉄筋が位置する閉じ位置と、前記バッキング保持部に配置 される前記バッキング材のU字形状の開口側から相対的に前記一対の鉄筋を挿入 することが可能な開き位置とへ回動操作される回動部材と、(c)その回動部材 が閉じ位置へ回動操作された状態でその回動部材を前記本体フレームに一体的に 係止する係止部材と、(d)前記回動部材が前記閉じ位置へ回動操作された状態 において、その回動部材の前記鉄筋受け部と対向する位置にそれぞれ配設され、 その鉄筋受け部との間で前記一対の鉄筋をそれぞれ挟圧することにより、前記本 体フレームをその一対の鉄筋に一体的に固定するとともにその一対の鉄筋を略同 心に位置決めする一対の挟圧部材とを有することを特徴とする。
【0008】
【作用および考案の効果】
このようなCB工法用溶接治具においては、本体フレームのバッキング保持部 にバッキング材を挿入した後、そのバッキング材のU字形状内において一対の鉄 筋の端部が所定の隙間を隔てて位置するように、回動部材を開き位置に保持した 状態でバッキング材の開口側から相対的に一対の鉄筋を挿入し、回動部材を閉じ 位置へ回動して係止部材により本体フレームに一体的に係止する。一対の鉄筋を その軸方向へ移動させることができる場合には、回動部材を閉じ位置に保持した まま、その回動部材と本体フレームとの間へ鉄筋を挿入するようにしても良い。 その後、上記回動部材に配設された一対の挟圧部材で、一対の鉄筋をそれぞれ本 体フレームの鉄筋受け部との間で挟圧すれば、本体フレームはその一対の鉄筋に 一体的に固定される。これにより、一対の鉄筋は略同心に位置決めされるととも に、本体フレームに保持されているバッキング材は、一対の鉄筋の接合部に位置 決めされる。この場合に、バッキング材はバッキング保持部に対する挿入方向と 略直角な平面内で位置決めされるようになっているため、建築現場などで鉄筋を 上下方向に接合する場合でも、バッキング材がバッキング保持部から離脱してず り落ちることはない。
【0009】 このように、本考案のCB工法用溶接治具は、バッキング材を保持している本 体フレームを一対の鉄筋に跨がって固定するだけで、その一対の鉄筋を略同心に 位置決めして接合部にバッキング材を配置できるため、CB工法で鉄筋を溶接す る前の準備作業を容易且つ迅速に行うことができ、建築現場などで多数の鉄筋を 接合する場合には、その準備時間が大幅に短縮される。また、鉄筋を上下方向に 接合する場合でも、バッキング材がずり落ちることがないため、CB工法を適用 して容易に接合できる。
【0010】 なお、前記回動部材が、前記一対の挟圧部材毎に分割して設けられ、その分割 された一対の回動部材の中間部分に、その回動部材と同様に前記閉じ位置と前記 開き位置とへ回動操作される防風カバーが前記本体フレームに取り付けられ、且 つその防風カバーに溶接トーチ挿入用の開口が形成されている場合には、風が強 い時に防風カバーを閉じ位置に回動操作し、その開口から溶接トーチを挿入して 溶接作業を行えば、炭酸ガスアーク溶接などシールドガスで溶接部をシールドし て溶接する際にも、風の影響でシールドガスが飛ばされて溶接状態が損なわれる ことがない。
【0011】
【実施例】
以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。 図1は、本考案の一実施例であるCB工法用溶接治具(以下、単に溶接治具と いう)40により、一対の鉄筋42,44が所定の隙間46を有する状態で同心 に位置決めされ、且つ接合部にセラミックス製バッキング材48が配置された状 態を示す平面図で、図2は、溶接治具40単体のカバー50を略180°開いた 状態を示す平面図である。また、図3,図4,図5は、それぞれ図1における I II− III断面,IV−IV断面,V−V断面を示す図で、図6はカバー50を半開き にした状態を示す側面図である。かかる溶接治具40は、半円筒形状を成す本体 フレーム52の一方の側縁部にヒンジピン53を介して上記カバー50を回動可 能に取り付けたもので、図2から明らかなように本体フレーム52は、軸方向の 中央にバッキング保持部54、軸方向の両端部に一対の鉄筋受け部56a,56 bをそれぞれ備えている。また、カバー50は、図2の紙面の表側から鉄筋42 ,44を本体フレーム52上に相対的に挿入することが可能な開き位置と、図1 のように本体フレーム52との間で鉄筋42,44を挟み込む閉じ位置との間の 回動可能に本体フレーム52に取り付けられているとともに、上記鉄筋受け部5 6a,56bに対応する一対のカバー部材58a,58bと、その中間部分のカ バー部材60とに分割され、それぞれ独立に開閉できるようになっている。
【0012】 上記バッキング保持部54は、断面が略U字形状を成すバッキング材48を位 置決めして保持する部分で、図2および図5から明らかなように、略V字形状を 成すとともに開き側が本体フレーム52の開口側となる姿勢でその本体フレーム 52に固設された支持板62と、その支持板62に固設された一対の位置決めプ レート64とから構成されている。位置決めプレート64は、両側部が略直角に 折り曲げられたコの字形状を成しているとともに、互いに対向する姿勢で平行に 立設されており、バッキング材48は、そのU字形状の回曲部側を下にして本体 フレーム52の開口側すなわち図5の上方から、両位置決めプレート64の間の 部分に挿入される。挿入されたバッキング材48は、支持板62によって支持さ れるとともに、一対の位置決めプレート64によりその挿入方向と直角な平面、 すなわち図2の紙面と平行な平面内の移動不能に保持される。バッキング材48 は、接合すべき鉄筋42,44の径寸法に応じて回曲部の曲率が定められており 、図7に示すように曲率が異なる複数種類のものが用意されているが、上記位置 決めプレート64の折曲げ部65の幅寸法は、それ等のバッキング材を位置決め して保持できるように定められている。すなわち、複数種類のバッキング材は肉 厚寸法が略同じで、回曲部の曲率が大きいもの程外径寸法が小さくなり、位置決 めプレート64の折曲げ部65との係合代が少なくなって図2の上下方向にがた つくようになるが、位置決めプレート64から離脱することはないのである。な お、図5等に示すバッキング材48は呼び径がD29用のもので、図7の(a) ,(b)はそれぞれD22,D25用のものであるが、それより大径の鉄筋を接 合するために、溶接治具やバッキング材の各部の寸法を適宜変更できることは勿 論である。
【0013】 上記バッキング保持部54上を覆蓋するカバー部材60には、ばね板を曲げ加 工したキャッチ66がヒンジピン53と反対側の端部に取り付けられており、そ のキャッチ66が自身のばね力によって本体フレーム52の外周面に押圧される ことにより、カバー部材60は図5に示す閉じ位置に保持されるとともに、その ばね力に抗して開くことができるようになっている。また、このカバー部材60 には、アーク溶接を行うための溶接トーチの先端部を挿入するために、上記閉じ 位置に保持された状態においてバッキング保持部54に対向する部分に開口68 が形成されている。このカバー部材60は防風カバーに相当する。
【0014】 一方、前記鉄筋受け部56bは、図2〜図4から明らかなように、本体フレー ム52に一体的に固設されるとともに上方に開口するV字形状部70が設けられ た一対の側板72,74と、V字形状に曲げ加工されて上記V字形状部70と合 致するように側板72,74間に固設された受け板76とから構成されており、 そのV字形状部70および受け板76により鉄筋44を受けるようになっている 。V字形状部70および受け板76のV字形状の開き角度は、前記バッキング保 持部54の支持板62と略同じで、その高さ位置すなわち図3,図4における上 下方向の位置は、V字形状部70および受け板76によって鉄筋44が受けられ ることにより、その鉄筋44の端部が図5のようにバッキング保持部54に保持 されたバッキング材48の回曲部に位置するように、バッキング材48の肉厚に 応じて支持板62より高くされている。
【0015】 上記鉄筋受け部56b上を覆蓋するカバー部材58bには、ヒンジピン53と 反対側の端部に係止突起78が設けられており、本体フレーム52にヒンジピン 80を介して回動可能に取り付けられたクリッパ82がその係止突起78に係止 されることにより、カバー部材58bは図3,図4に示す閉じ位置に保持される 。カバー部材58bには、上記閉じ位置に保持された状態において鉄筋受け部5 6bに対向する位置に挟圧部材84が配設されている。挟圧部材84は、図4か ら明らかなように、カバー部材58bに固設されたナット86に螺合されている 締付けボルト88と、その締付けボルト88の先端部に相対回転可能且つ軸方向 の相対移動不能に取り付けられた押圧金具90とから成り、締付けボルト88が 締め込まれることにより押圧金具90と鉄筋受け部56bとの間で鉄筋44が挟 圧される。これにより、本体フレーム52と鉄筋44とが一体的に固定されると ともに、鉄筋44は鉄筋受け部56bのV字形状に従って所定位置に芯出しされ る。押圧金具90の押圧面には、図2から明らかなように押圧する鉄筋44の軸 心と直角および平行な方向に溝が形成され、滑止め用のスパイク状の凹凸が多数 設けられているとともに、その押圧金具90は、カバー部材58bに固設された 一対の側板92,94により締付けボルト88の軸心まわりの回転が阻止されて いる。
【0016】 他方の鉄筋受け部56a,カバー部材58aは、上記鉄筋受け部56b,カバ ー部材58bと同様に構成されており、主要部材に同一の符号を付して説明を省 略する。そして、それ等の鉄筋受け部56a,カバー部材58aに設けられた挟 圧部材84により、鉄筋44と同様に鉄筋42が本体フレーム52に固定される ことにより、鉄筋42と44とが略同心に位置決めされる。本実施例では、カバ ー部材58a,58bが回動部材に相当し、係止突起78およびクリッパ82が 係止部材に相当する。
【0017】 かかる溶接治具40を用いてCB工法により一対の鉄筋42,44を軸方向に 接合する手順の一例を説明すると、先ず、カバー50を開いてバッキング保持部 54にバッキング材48を挿入した後、そのバッキング材48のU字形状内にお いて一対の鉄筋42,44の端部が所定の隙間46を隔てて位置するように、バ ッキング材48の開口側、すなわち図2の紙面の表側から相対的に一対の鉄筋4 2,44を挿入し、カバー部材58a,58bを閉じてクリッパ82を係止突起 78に係止する。一対の鉄筋42,44をその軸方向へ移動させることができる 場合には、図1のようにカバー50を閉じた状態で鉄筋42,44を図の左右方 向から挿入することも可能である。その後、カバー部材58a,58bに螺合さ れた締付けボルト88をそれぞれスパナ等で締め込むことにより、押圧金具90 と鉄筋受け部56a,56bとの間でそれぞれ鉄筋42,44を挟圧する。これ により、一対の鉄筋42,44と本体フレーム52とが一体的に固定され、一対 の鉄筋42,44が略同心に位置決めされるとともに、バッキング保持部54に 保持されているバッキング材48が一対の鉄筋42,44の接合部に位置決めさ れる。
【0018】 ここで、一対の鉄筋42,44が略水平の場合には、バッキング材48の開口 部が上向きとなるように、すなわち図3〜図5の姿勢で溶接治具40を取り付け れば良く、建築現場などで一対の鉄筋42,44を上下方向に接合する場合には 、溶接作業を行う側にバッキング材48の開口部が位置するように溶接治具40 を取り付ければ良い。バッキング材48は、バッキング保持部54に対する挿入 方向と略直角な平面内の移動不能に位置決めされているため、鉄筋42,44を 上下方向に接合する場合でも、バッキング材48がバッキング保持部54から離 脱してずり落ちることはない。また、接合すべき鉄筋42,44の径寸法が異な る場合には、径寸法が小さい方の鉄筋を受ける鉄筋受け部56aまたは56bの 受け板76上に、その受け板76と同様にV字形状に曲成された所定厚さのスペ ーサを配置することにより、それ等の鉄筋42,44を略同心に位置決めできる 。なお、両鉄筋42,44の芯ずれが問題とならない場合には、スペーサを用い ることなく位置決めしても良い。
【0019】 そして、このように一対の鉄筋42,44を略同心に位置決めした状態で、バ ッキング材48により略半周が囲まれた前記隙間46に、バッキング材48の開 口側すなわち図1の紙面の表側から、炭酸ガスアーク溶接,プラズマアーク溶接 などのアーク溶接で溶融金属を充填する。この溶接作業は、前記カバー部材60 を開いたまま行うこともできるが、風が強い時など必要に応じてカバー部材60 を閉じ、そのカバー部材60に形成された開口68に溶接トーチの先端部を挿入 して行うことも可能で、その場合には、炭酸ガスアーク溶接などシールドガスで 溶接部をシールドして溶接する際にも、風の影響でシールドガスが飛ばされて溶 接状態が損なわれることがない。
【0020】 隙間46が溶融金属で完全に満たされれば溶接作業は終了し、溶接部が冷えた 後に、両カバー部材58a,58bの締付けボルト88を緩めるとともにクリッ パ82を係止突起78から外してそれ等のカバー部材58a,58bを開くとと もに、必要に応じてカバー部材60を開き、鉄筋42,44から溶接治具40を 取り外す。バッキング材48は鉄筋42,44と共に溶接治具40から抜き出さ れるが、ハンマなどで割って容易に溶接部から取り除くことができる。これによ り、一連の接合作業は終了する。
【0021】 ここで、かかる本実施例の溶接治具40は、バッキング材48を保持している 本体フレーム52を一対の締付けボルト88により鉄筋42,44に固定するだ けで、その鉄筋42,44を略同心に位置決めして接合部にバッキング材48を 配置できるため、従来のようにバッキング材を保持するバッキングホルダと鉄筋 を位置決めする鉄筋ホルダとが別体に構成されている場合に比較して、溶接作業 を行う前の準備を容易且つ迅速に行うことができ、建築現場などで多数の鉄筋を 接合する場合には、その準備時間が大幅に短縮される。また、鉄筋42,44を 上下方向に接合する場合でも、バッキング材48がずり落ちることがないため、 CB工法を適用して容易に接合できる。
【0022】 また、本実施例の溶接治具40は溶接部を覆蓋するカバー部材60を備えてお り、風が強い時など必要に応じてカバー部材60を閉じ、そのカバー部材60に 形成された開口68に溶接トーチの先端部を挿入して溶接作業を行うことができ るため、炭酸ガスアーク溶接などシールドガスで溶接部をシールドして溶接する 場合でも、風の影響でシールドガスが飛ばされて溶接状態が損なわれることがな い。
【0023】 一方、一対の鉄筋42,44を上下方向に接合する際に、上方の鉄筋42また は44が支持されていない場合や、一対の鉄筋42,44が過大に芯ずれしてい る場合など、上記溶接治具40だけでは鉄筋を支持したり芯出ししたりできない ことがある。そのような時には、図8および図9に示されている圧接用鉄筋保持 具100を併用することもできる。圧接用鉄筋保持具100は、軸方向の相対移 動可能且つ軸心まわりの相対回転可能に嵌合された大径スリーブ102および小 径スリーブ104と、大径スリーブ102に一体的に固設された鉄筋受け部材1 06と、小径スリーブ104に一体的に固設された鉄筋受け部材108とを備え ており、締付けボルト110,112により鉄筋42,44をそれぞれ鉄筋受け 部106,108に固定するようになっている。大径スリーブ102には、図8 のX−X断面を示す図10から明らかなように切欠114が形成されており、小 径スリーブ104に固設された鉄筋受け部材108はその切欠114から外部に 突き出しているとともに、所定の角度範囲で回動可能とされている。この鉄筋受 け部材108の角度位置は、切欠を有するリング部材116を介して大径スリー ブ102に取り付けられたナット118に螺合されている一対の位置調整用ボル ト120により、鉄筋42,44を略同心に位置決めするように調整される。ま た、上記小径スリーブ104は圧縮コイルスプリング122により図8の右方向 へ付勢され、常には大径スリーブ102に螺合されたソケット124に鉄筋受け 部材108が当接する右端位置に保持されており、そのソケット124に係止さ れた図示しない油圧シリンダによって左方向へ押圧されることにより鉄筋44を 鉄筋42に当接させるようになっているが、これは圧接を行うための機能で、本 実施例のようにCB工法で接合する場合には必ずしも必要でない。
【0024】 上記圧接用鉄筋保持具100は、溶接治具40よりも大きな力で鉄筋42,4 4を位置決めして固定できるもので、鉄筋42,44を上下方向に接合する際に 、上方の鉄筋42または44が支持されていない場合や、一対の鉄筋42,44 が過大に芯ずれしている場合などでも、それ等の鉄筋42,44を略同心に芯出 しして固定できる。したがって、かかる圧接用鉄筋保持具100により一対の鉄 筋42,44を軸方向に所定の隙間を有する状態で略同心に位置決めした後、図 9に示されているように鉄筋受け部材106と108との間に前記溶接治具40 を配置し、CB工法を適用して両鉄筋42,44をアーク溶接で接合できる。溶 接治具40の各部の寸法は、従来の圧接用鉄筋保持具100を用いて鉄筋42, 44を位置決め固定した状態で、一対の鉄筋受け部材106と108との間に配 置できるように定められている。
【0025】 以上、本考案の一実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本考案は他の態 様で実施することもできる。
【0026】 例えば、前記実施例のカバー50は互いに独立に開閉できる3つのカバー部材 58a,58b,60から構成されていたが、それ等を一体に構成したり、中央 のカバー部材60を省略したりすることも可能である。
【0027】 また、前記実施例では鉄筋受け部56a,56bにV字形状部が設けられて鉄 筋42,44を芯出しするようになっていたが、押圧金具90等の挟圧部材側に V字形状部を設けて芯出しするようにすることも可能である。
【0028】 また、前記実施例の挟圧部材84は締付けボルト88をねじ込んで押圧金具9 0を鉄筋42,44に押圧するようになっていたが、レバーやカム(楔)機構な どを利用してワンタッチで鉄筋42,44を固定できる挟圧部材を採用すること もできる。一対の押圧金具90を単一の締付けボルトなどで押圧するように構成 することも可能である。
【0029】 また、前記実施例では係止部材として回動式のクリッパ82が設けられていた が、スライド式のものなど他の種々の係止部材を採用できる。
【0030】 また、前記実施例では高い鉄筋位置決め強度を必要とする時に圧接用鉄筋保持 具100を併用する場合について説明したが、圧接用鉄筋保持具100と同程度 の鉄筋位置決め強度が得られるように、溶接治具40の本体フレーム52や鉄筋 受け部56a,56b、挟圧部材84の寸法や形状,材質等を定めれば、圧接用 鉄筋保持具100を併用することは必ずしも必要でない。
【0031】 その他一々例示はしないが、本考案は当業者の知識に基づいて種々の変更,改 良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例であるCB工法用溶接治具で
一対の鉄筋を位置決めした状態を示す平面図である。
【図2】図1のCB工法用溶接治具を単独で示す図で、
カバーを開いた状態を示す平面図である。
【図3】図1における III− III断面図である。
【図4】図1におけるIV−IV断面図である。
【図5】図1におけるV−V断面図である。
【図6】図2のCB工法用溶接治具のカバーが半開きの
状態を示す右側面図である。
【図7】図2のCB工法用溶接治具に配置されるバッキ
ング材の別の例を示す図である。
【図8】高い鉄筋位置決め強度を必要とする場合に図2
のCB工法用溶接治具と併用される圧接用鉄筋保持具の
一部を切り欠いた正面図である。
【図9】図8の圧接用鉄筋保持具によって位置決めされ
た鉄筋に図2のCB工法用溶接治具が配置された状態を
示す平面図である。
【図10】図8におけるX−X断面図である。
【図11】CB工法の従来例を説明する図で、鉄筋ホル
ダを用いて一対の鉄筋を位置決めした状態を示す正面図
である。
【図12】図11の鉄筋ホルダによって位置決めされた
鉄筋にバッキングホルダを用いてバッキング材を配置し
た状態を示す正面図である。
【図13】図12のバッキングホルダ部分を拡大して示
す図で、(a)は正面図、(b)は右側面図である。
【符号の説明】
40:CB工法用溶接治具 42,44:鉄筋 46:隙間 48:バッキング材 52:本体フレーム 54:バッキング保持部 56a,56b:鉄筋受け部 58a,58b:カバー部材(回動部材) 60:カバー部材(防風カバー) 68:開口 78:係止突起(係止部材) 82:クリッパ(係止部材) 84:挟圧部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 大野 吉行 福岡県久留米市東合川6丁目2番10号 大 野ガス圧接株式会社内

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の鉄筋を軸方向に所定の隙間を隔て
    て略同心に位置決めするとともに、断面が略U字形状を
    成すセラミックス製バッキング材を該一対の鉄筋に跨が
    って配置し、該バッキング材により略半周が囲まれた前
    記隙間にアーク溶接によって溶融金属を充填することに
    より、該一対の鉄筋を軸方向に直列に接合するCB工法
    に用いられる溶接治具であって、 U字形状の回曲部側から挿入される前記バッキング材を
    挿入方向と略直角な平面内で位置決めして保持するバッ
    キング保持部と、該バッキング保持部の両側に設けられ
    た一対の鉄筋受け部とを一体的に有する本体フレーム
    と、 一端部において前記本体フレームに回動可能に取り付け
    られ、該本体フレームとの間に前記一対の鉄筋が位置す
    る閉じ位置と、前記バッキング保持部に配置される前記
    バッキング材のU字形状の開口側から相対的に前記一対
    の鉄筋を挿入することが可能な開き位置とへ回動操作さ
    れる回動部材と、 該回動部材が閉じ位置へ回動操作された状態で該回動部
    材を前記本体フレームに一体的に係止する係止部材と、 前記回動部材が前記閉じ位置へ回動操作された状態にお
    いて、該回動部材の前記鉄筋受け部と対向する位置にそ
    れぞれ配設され、該鉄筋受け部との間で前記一対の鉄筋
    をそれぞれ挟圧することにより、前記本体フレームを該
    一対の鉄筋に一体的に固定するとともに該一対の鉄筋を
    略同心に位置決めする一対の挟圧部材とを有することを
    特徴とするCB工法用溶接治具。
  2. 【請求項2】 前記回動部材は、前記一対の挟圧部材毎
    に分割して設けられているとともに、該分割された一対
    の回動部材の中間部分には、該回動部材と同様に前記閉
    じ位置と前記開き位置とへ回動操作される防風カバーが
    前記本体フレームに取り付けられ、且つ該防風カバーに
    は溶接トーチ挿入用の開口が形成されている請求項1に
    記載のCB工法用溶接治具。
JP3480893U 1993-06-01 1993-06-01 Cb工法用溶接治具 Pending JPH0686884U (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08184303A (ja) * 1994-12-29 1996-07-16 Suyama Kogyosho:Kk 鉄筋締付ボルト
JP2013237058A (ja) * 2012-05-14 2013-11-28 Toyo Gas Assetsu Co Ltd 溶接用治具

Citations (1)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5921279A (ja) * 1982-07-28 1984-02-03 Nec Corp Dc−dcコンバ−タ

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