JPH0686438U - 農業用ハウス天井開閉換気装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】この考案は、風害に対する耐性が極めて強く、
しかも安価で取り付けが容易な農業用ハウス天井開閉換
気装置を提供することを目的とする。 【構成】この考案に於いては、ハウスバンドとハウス窓
部との間に空間を形成するため、農業用ハウス天井峰部
に空間形成部材を凸条に固定し、該峰部から下方に所定
の長さのレールを固定し、該レール上を自在に回転移動
する開閉巻き上げ管に開閉自在の窓部を形成するシート
状部材の一端を固定し、該シート状部材の他端を前記ハ
ウス天井峰部に固定し、前記開閉巻き上げ管を両方向に
回転移動させることにより前記シート状部材を巻き上げ
若しくは巻き下げし得るように構成したことを特徴とす
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、安価で取り付けが簡単で、しかも風害に対する耐性が極めて強い 農業用ハウス天井開閉換気装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

農業用ビニルハウスは、半円状に形成したアーチにプラスチックフイルムを張 設してなるものであるが、全面をプラスチックフイルムで張設した場合は、ハウ ス内部の温度の上昇が著しくなり、特に外気温度が高い場合は、ハウス内は非常 に高温となるので、これがハウス内成育植物に高温生理障害をもたらす問題があ るばかりでなく、高温のためハウス内での人力作業も困難となる問題があった。 そのため、従来は、一般的に腰開閉方法及び天井組立式換気方式等の開閉換気 装置が採用されていたが、これは非常に高価で取り付けが困難であったので、経 済性の面で問題があった。そればかりか、この方式はハウスバンドを掛けると開 閉不能となるから、開閉を可能とするためハウスバンドは掛けられないことから 、強風によりハウスが倒れる等の風害の問題が多発していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は、このような点に着目してなされたものであり、風害に対する耐性 が極めて強く、しかも安価で取り付けが容易な農業用ハウス天井開閉換気装置を 提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的に沿う本考案の構成は、ハウスバンドとハウス窓部との間に空間を形 成するため、農業用ハウス天井峰部に空間形成部材を凸条に固定し、該峰部から 下方に所定の長さのレールを固定し、該レール上を自在に回転移動する開閉巻き 上げ管に開閉自在の窓部を形成するシート状部材の一端を固定し、該シート状部 材の他端を前記ハウス天井峰部に固定し、前記開閉巻き上げ管を両方向に回転移 動させることにより前記シート状部材を巻き上げ若しくは巻き下げし得るように 構成したことを特徴とする。 要するにこの考案は、ハウス天井峰部に凸条の空間形成部材を固定することに よって、ハウスバンドを掛けた状態でも開閉装置を支障なく作動させることがで きるようにすると共に、窓部を形成するシート状部材の一端を開閉巻き上げ管に 固定し、該開閉巻き上げ管を両方向に回転移動させることによって、自在にシー ト状部材を巻き上げ若しくは巻き下げすることができるようにし、容易に窓部の 開閉を行うことができるようにしたことを要旨とするものである。

【０００５】

【実施例】

次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図１は、本考案の実施例を示す斜視図であり、半円状に形成されたハウスアー チ１の峰部に、峰ジョイント２によって穴あきエルペット３を固定している。該 エルペット３から窓部形成部分まで下降した位置には、強度の強いビニルテープ からなるビニペット４が固定されている。 図２に於いて、右アーチには天井ビニルフイルム５が張設され、該ビニルフイ ルム５は、ビニペット４に固定されている。 前記穴あきエルペット３と前記ビニペットより３０ｃｍ〜４０ｃｍ下方部との 間には、図３に示すようなレール６が、固定部分７でハウスアーチ２にクサビ止 めにより固定され、窓部が閉じた状態では、このレールの下端屈曲部８に、開閉 巻き上げ管９が保持されている。前記ビニペット４とレール６の下端屈曲部８下 面との間には、強度を上げるため、更にビニルシートを張設し、二重掛け部分３ ０となっている。

【０００６】 開閉巻き上げ管９には、開閉可能な窓部を構成するシート状部材１０の一端が 平行巻き上げ紐１１と共に固定され、シート状部材１０と平行巻き上げ紐１１の 他端は穴あきエルペット３に固定されている。このように、平行巻き上げ紐１１ を使用することによって、シート状部材１０をスムーズに巻き上げることができ る。尚、平行巻き上げ紐１１の一端は、穴あきエルペット３の孔に固定され、他 端は開閉巻き上げ管９に、ジラコンパッカーで固定している。 平行巻き上げ紐１１とシート状部材１０とは、いずれが上になっても差し支え ないが、両者は貼着等により一体化せずに、離れ得る状態としたほうが、シート 状部材１０をスムーズに巻き上げ、巻き下げすることができる。 レール６の上端は、穴あきエルペット３に当接若しくは近接しており、レール ６先端は、開閉巻き上げ管９を安定に保持するため、先端丸曲加工している。こ のように構成したことによって、強風の場合でも安定に巻き上げた状態に保持す ることができる。

【０００７】 開閉巻き上げ管９を図２で左方向に回転させることによって、開閉巻き上げ管 ９は、シート状部材１０を巻き付けながらレール６上を左方向に回転移動し、開 閉部分の窓部を開いた状態とし、図２で右方向に回転移動させることによって、 開閉巻き上げ管９は、シート状部材１０を巻き戻しながら左方向に回転移動し、 開閉部分の窓部を閉じた状態とすることができるようになっている。 本考案に於いては、開閉巻き上げ管９は、レール６上を回転移動させるように しているが、これはスムーズに均一に巻き上げ、巻き下げし得るようにするもの であり、レールを使用せずに直接アーチ上を回転移動させた場合は、接触面が少 ないため、平行巻き下げ、巻き上げとならず、不均衡な巻き下げ、巻き上げとな る。 上記実施例に於いては、図２の左側ビニルシート１２下面にも開閉巻き上げ管 ９′が、軸受け１３を介して回動自在に固定されている。軸受け１３は、図４に 示すように、開閉巻き上げ管嵌合孔１４と、アーチ１下面に密着するように湾曲 加工したアーチ受け部１５とからなり、アーチ受け部１５とアーチ１とを、ネジ 若しくはクサビ止め等の適当な止金具により締め付け固定している。このように することによって、アーチ上面には、突起物が固定されないので、プラスチック フイルム等の天張フイルムに障害が生じることが効果的に防止される。 上記レール６及び軸受け１３は、ハウスの前端と後端には、１アーチ〜３アー チ毎に１個取り付け、中間部には、１アーチ〜３アーチ毎に１個取り付けるよう にするとよい。

【０００８】 また、窓部を構成する開閉換気部分は、ハウスの前端と後端の２アーチ〜３ア ーチは、全面プラスチックシートを天張しておくのがよく、このようにすること によって、風害に対する耐性が高まる。 開閉巻き上げ管９及び９′の前方と後方には、チエーンブロック１６ａ，１６ ｂが連結されており、チエーンブロック１６ａ，１６ｂの鎖車１７ａ，１７ｂ， ２７ａ，２７ｂを回転させることによって、鎖車１７ｂ，２７ｂと開閉巻き上げ 管９′を回転させ、鎖車１７ａ，２７ａと開閉巻き上げ管９を回転させながら移 動させるように構成している。 図１に於いて、矢印Ａ方向にチエーン１６を引っ張ると、開閉巻き上げ管９は 、シート状部材１０を巻き込みながら窓部を開く方向に移動させ、矢印Ｂ方向に 引っ張ると、開閉巻き上げ管９は、シート状部材１０を巻き戻しながら窓部を閉 じる方向に移動するようになっている。

【０００９】 開閉巻き上げ管９′は、必ずしも必要ではなく、その場合は、チエーンブロッ ク若しくはＹＫ式巻上機１９を使用すれば良い。チエーンブロック１個若しくは ＹＫ式巻上機１個を使用する場合は、図５に示すように、開閉巻き上げ管９の後 端に、分銅１８を連結する必要がある。しかしながら、開閉巻き上げ管９′を使 用した場合は、４個の滑車で駆動することになるので、シート状部材１０の開閉 が容易となるから、大きなハウスの場合には開閉巻き上げ管９′を使用した方が 良い。 上記のように構成されたハウスには、一般ハウスバンド掛けと同じように、ハ ウスバンド２０が掛けられている。ハウスバンド峰部には、凸条のエルペット３ が固定されているので、ハウスバンドは、シート状部材１０及び開閉巻き上げ管 ９を締め付けないように掛けることができるので、ハウスバンドを掛けた状態で 支障なくシート状部材１０の開閉を行うことができる。

【００１０】 図６〜図８は、シート状部材１０とハウスバンド２０との間に空間を形成する 他の実施例を示すものであり、ハウス峰部に丸半径管２１を、図８に示すように 線状体を折曲し、折曲したそれぞれを半円状に形成してなる金具２２を使用して 固定している。固定は、金具２２の一端折曲部２３を、図６の右側のアーチ１に 引っ掛け、他端のネジ部２４で右側のアーチ１にネジ止めすることにより行って いる。 丸半径管２１には、前記実施例と同様に平行巻き上げ紐１０の一端を固定する ための孔２５が穿設されている。

【００１１】 上記実施例に於いては、左アーチに張設されるビニルフイルムは、丸半径管１ ９上部で固定されている。窓部を構成するシート状部材１０及び右アーチへのビ ニルフイルムの固定等は、前記図１及び図２の実施例と同様に行っている。 丸半径管２１上部には、ハウスバンドを掛ける際、ビニルフイルムに傷が付く のを防止するため、蓋丸半径管２６を載置することができるようになっている。 上記実施例に於いては、丸半径管２１及び蓋丸半径管２６は、半円状に形成さ れているが、これは特にこのように形成する必要はなく、他の形状であっても良 いのは勿論である。また、上記空間形成部材は、ハウスバンドとシート状部材と の間にシート状部材がスムーズに移動できる程度の空間が形成されるものである なら、他の手段であっても差し支えない。

【００１２】

【考案の効果】

以上述べたごとく、本考案によれば、開閉巻き上げ管をレール上でスムーズに 支障なく回転移動させるという極めて簡単で安価な方法によって、ハウス窓部の 開閉を行うことができると共に、ハウス峰部には空間形成部材を固定しているの で、ハウス掛けした状態で窓部の開閉を行うことができるから、風害に対する耐 性が強い等この種窓部を有するハウスには全く見られない顕著な利点を有する。

【００１３】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す斜視図である。

【図２】図１の上面図である。

【図３】本考案に使用するレールの側面図である。

【図４】本考案に使用する軸受けの斜視図である。

【図５】単車巻き上げ開閉機構を示す概略図である。

【図６】本考案の他の実施例を示す上面図である。

【図７】本考案の空間形成部材の他の実施例を示す斜視
図である。

【図８】図６の実施例に使用した固定具の側面図であ
る。

【符号の説明】

１ ハウスアーチ ３ 穴あきエルペット（空間形成
部材） ６ レール ９，９′ 開閉巻き上げ管 １０ シート状部材 １６ａ，１６ｂ チエーンブロック

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ハウスバンドとハウス窓部との間に空間を
   形成するため、農業用ハウス天井峰部に空間形成部材を
   凸条に固定し、該峰部から下方に所定の長さのレールを
   固定し、該レール上を自在に回転移動する開閉巻き上げ
   管に開閉自在の窓部を形成するシート状部材の一端を固
   定し、該シート状部材の他端を前記ハウス天井峰部に固
   定し、前記開閉巻き上げ管を両方向に回転移動させるこ
   とにより前記シート状部材を巻き上げ巻き下げし得るよ
   うに構成したことを特徴とする農業用ハウス天井開閉換
   気装置。
2. 【請求項２】前記開閉巻き上げ管の両端に滑車を固定
   し、該滑車を回転移動させることにより前記開閉巻き上
   げ管を滑車と共に両方向に回転移動させてなる請求項１
   に記載の農業用ハウス天井開閉換気装置。