JPH0686333B2 - セラミック回路基板焼成用シート - Google Patents

セラミック回路基板焼成用シート

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JPH0686333B2
JPH0686333B2 JP63146600A JP14660088A JPH0686333B2 JP H0686333 B2 JPH0686333 B2 JP H0686333B2 JP 63146600 A JP63146600 A JP 63146600A JP 14660088 A JP14660088 A JP 14660088A JP H0686333 B2 JPH0686333 B2 JP H0686333B2
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治助 田中
幸泰 打田
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田中製紙工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、電子機器用マイクロ回路基板として採用され
ているセラミック回路基板を焼成する場合に使用される
セラミック回路基板焼成用シートに関するものである。
(従来の技術) 従来、セラミック回路基板は、セラミック台板上に、ア
ルミナ基板、コンデンサ基板等のセラミック回路基板と
なるべき多数の生成形体を、これらの間に機械又は手作
業で高融点酸化物の粉末粒子を散布しながら載置して多
段に積層し、これらの全体を焼成することによって製造
したものが使用されていた。この方法においは、高融点
酸化物の粉末粒子が均一に分散されず、セラミック回路
基板のそりやうねり、セラミック回路基板同士の付着が
起きるため、満足なセラミック回路基板は得られなかっ
た。しかも、製造工程が増加してコスト高になってい
た。このような欠点を改良にするために、可燃性の紙又
は有機樹脂系シートの表面に敷粉として酸化マグネシウ
ム、二酸化珪素、アルミナ、二酸化ジルコニウム等の粉
末を分散状態で付着させたシートを上記アルミナ基板、
コンデンサ基板の間に挿入する方法が提案されている
(特開昭57−122282号公報)。
(発明が解決しようとする課題) ところが、このようなシートを用いる方法においても、
敷粉散布の場合と同様に、焼成後敷粉がセラミック回路
基板に付着するので、一旦水中に浸して敷粉を取り除く
必要があり、そのためセラミック回路基板の製造工程が
増えて製造コストが高くなるという問題点があった。
また、上記シートは、その強度が十分でないという問題
点があった。
本発明の目的は、上記問題点を解消し、焼成後にセラミ
ック回路基板間の離型が容易で、敷粉を取り除く必要が
なく、製造コストが低く、しかも強度の大きいセラミッ
ク回路基板焼成用シートを提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明は、前記問題点を解決するために、結晶質無機フ
ァイバーからなる材料を薄板状に成形するという構成を
採用している。すなわち、本発明に係るセラミック回路
基板焼成用シートは、セラミック回路基板の通常の材料
であるアルミナ又はジルコニアと同じ材料からなり、結
晶質無機ファイバーであるアルミナファイバー又はジル
コニアファイバーを、厚さが0.01から10mmmmの範囲の薄
板状に成形してなるものなのである。
また、結晶質無機ファイバーであるアルミナファイバー
またはジルコニアファイバーに、セラミック焼成用敷粉
としての無機粉末を配合した材料を薄板状に成形するこ
ともできる。
さらに、結晶質無機ファイバーと無機バインダーからな
る材料を薄板状に成形することも好適である。
そして、結晶質無機ファイバーであるアルミナファイバ
ー又はジルコニアファイバーに、セラミック焼成用敷粉
としての無機粉末及び無機バインダーを配合した材料を
薄板状に成形することもできる。
(構成の詳細な説明) 結晶質無機ファイバーからなる材料とは、結晶質無機フ
ァイバー単独又はこれとその他の材料からなるものをい
う。
上記結晶無機ファイバーは、多結晶のものであって、ア
ルミナファイバー(融点2050℃)、ジルコニアファイバ
ー(融点2677℃)であることが、アルミナ又はジルコニ
アからなるセラミック回路基板との付着性、反応性が低
いために必要である。また、これらの結晶質無機ファイ
バーは、シリカ(SiO2)の含有量が30%以上になると未
焼成セラミックと反応しやすくなるため、SiO2の含有量
が30%未満であるものが好ましい。
上記アルミナファイバーは、オキシ塩化アルミニウム等
のアルミニウム塩と少量のSiO2に、ポリエチレンオキシ
ド等の水溶性高分子を加えて紡糸液とし、所定の条件下
で紡糸液から紡糸した後、溶融温度付近まで加熱し、塩
酸等を除去することによって得られる。
アルミナファイバー又はシルコニアファイバーであるセ
ラミックファイバーは、例えば、天然のアルミナ・シリ
カ組成物、カオリン、ボーキサイト、カヤナイト、耐火
粘土等を電気融解し、その細粒を高圧の空気又は蒸気で
吹き飛ばして繊維化したものである。
また、その他の材料としてセラミック焼成用敷粉として
の無機粉末が使用されるが、無機粉末としては、従来か
ら知られているアルミナ、ジルコニア、マグネシウム、
シリカ等の粉末が使用される。それらの粒径は数十〜数
百μm程度である。
さらに、無機バインダーは無機質の接合剤であって、ア
ルミナゾル、アルミナゾルとコロイダルシリカの混合物
等が使用される。この無機バインダーを使用することに
より、セラミック回路基板焼成用シートの強度が向上
し、焼成時において同シートの形状が保持される。同無
機バインダーの配合割合は、前記結晶質無機ファイバー
に対して5〜30重量%が好適である。5重量%未満で
は、セラミック回路基板焼成用シートの強度向上の効果
が小さく、30重量%を超えると製造コストが上昇して好
ましくない。
上記のような結晶質無機ファイバーセラミックからなる
材料を成形してセラミック回路基板焼成用シートにする
方法としては、木材繊維から紙を抄く常法の技術が採用
される。そして、このセラミック回路基板焼成用シート
の厚さは、0.01から10mmの範囲のものであることが必要
である。セラミック回路基板焼成用シートの厚さが0.01
mm未満では、焼成されたセラミック回路基板同士が付着
しやすく、シート化も困難であり、10mmを超えても性能
は向上せず、かえって製造コストが高くなる。
なお、前述した無機バインダーに代えて、セラミック回
路基板の焼成時に完全に焼失してしまう有機繊維、有機
バインダー等の使用できる。この有機繊維としては木材
パルプ、合成パルプ等があげられる。また、有機バイン
ダーとしては天然及び合成の糊料例えば天然糊料として
は、デンプン、ゼラチン、アルギン酸ソーダ、コムラテ
ックス、合成糊料としてはアクリル系樹脂、合成ラテッ
クス、カルボキシメチルロース(CMC)、メチルセルロ
ース等があげられる。
(作用) 前記構成を採用したことにより、焼成時に、結晶質無機
ファイバーを成形してなるセラミック回路基板焼成用シ
ートと、アルミナ基板やコンデンサ基板等のセラミック
回路基板との結晶状態の相違により、上記シートと基板
との間に付着性や反応性がなく、基板同志が容易に離型
されるとともに、シートを基板より剥離することが容易
にできる。すなわち、結晶質無機ファイバーであるアル
ミナファイバー又はジルコニアファイバーを使用するこ
とにより、基板同志が容易に離型されるとともに、また
前記シートを基板より容易に剥離することができる。
結晶質無機ファイバーであるアルミナファイバー又はジ
ルコニアファイバーに対して、セラミック焼成用敷粉と
しての無機粉末を配合したものを使用することによって
も、無機粉末によって当該シートとセラミック回路基板
との滑りがよくなることから、焼成後のセラミック回路
基板同志が容易に離型されるとともに、また前記シート
と基板との剥離が、基板にキズを付けることなく一層容
易に行われる。
また、結晶質無機ファイバーと無機バインダーからなる
材料を薄板状に成形してなるセラミック回路基板焼成用
シートを使用することにより、同シートの強度が一層向
上し、焼成時にその形状が保持された状態で焼成が行わ
れる。
さらに、結晶質無機ファイバーであるアルミナファイバ
ー又はジルコニアファイバーにセラミック焼成用敷粉と
しての無機粉末及び無機バインダーを配合した材料を薄
板状に成形してなるセラミック回路基板焼成用シートを
使用することによっても、同シートの強度が向上し、焼
成時にその形状が保持された状態で焼成が行われる。す
なわち、焼成後にセラミック回路基板を取り出す際に、
セラミック回路基板焼成用シート中に含まれている無機
粉末の作用によって基板にキズが付かないと同時に、含
有してある無機バインダーによって当該シートの強度が
十分なものとなっているから、セラミック回路基板から
の当該シートの剥離も当該シートを破損することなく容
易に行えるのである。
(実施例1) 以下に本発明を具体化した一実施例を図面を用いて説明
する。
図に示すように焼成用セラミック台板3上には、アルミ
ナファイバーシート2を介して未焼成セラミック基板1
が積層されている。同未焼成セラミック基板1は10段に
積層されている。
未焼成セラミック基板1は市販の厚さ1mmのアルミナ基
板を使用した。その組成は次の通りである。
Al2O 96重量%、TiO2、2.0重量% SiO2 1.0重量%、MgO 0.8重量% Cr2O3 0.2重量% 上記アルミナファイバーシート2は、市販のアルミナフ
ァイバーを用い、紙を抄紙する常法によりシート化され
る。即ち、同シート化は湿シートを形成する抄き網部、
同シートを脱水する脱水部及び乾燥部からなる紙抄き機
と同様の設備によって行われる。このようにして得られ
たシートは、紙状で厚さが均一であり、必要な任意の厚
さに抄きあげることも可能である。
そして、アルミナファイバーシート2は未焼成セラミッ
ク基板1と同一の形状に打ち抜くことによって形成し
た。その厚さは0.25mmで重量は50g/m2であった。
前記のような積層体を約1600℃で2時間焼成した。そし
て、焼成済の回路基板を得た。
なお、前記焼成用セラミック台板3は市販のもので、厚
さ約15mmのアルミナ製のものを使用した。また、前記未
成成セラミック基板1は焼成することによって20%程度
収縮するが、アルミナファイバーシート2もそれに追従
するものであった。
このようにして得られた回路基板は、アルミナファイバ
ーシート2とその両面に隣接するセラミック基板1との
間の付着がなく、従ってセラミック基板1同士の付着、
反応がない。また、敷粉を使用していないので、敷粉の
かたよりによる基板のそりやうねりがなく、基板を剥離
する場合に浸漬する必要がなく一工程を省略することが
でき、コストダウンをはかることができる (実施例2) 上記実施例1のアルミナファイバーに、従来から使用さ
れているセラミック焼成用敷粉としてのアルミナ粉末
(平均粒径40μm)をアルミナファイバーに対し重量比
で30%を添加混合し、前記実施例1と同様の方法でシー
ト化し、厚さ0.5mmで100g/m2の薄板となし、これを用い
実施例1と同様にして回路基板を得た。
その結果、実施例1と同様の作用及び効果に加え、基板
間の離型が一層容易であった。
(実施例3) 本実施例においては、前記実施例1で使用したアルミナ
ファイバーシート2を次にように調製した以外は実施例
1と同様に行った。
上記アルミナファイバーシート2は、市販のアルミナフ
ァイバーを用い、同アルミナファイバー100重量部に対
して、アルミナゾル80重量%とコロイダルシリカ20重量
%からなる無機バインダー30重量部を配合し、紙を抄紙
する常法によりシート化した。上記無機バインダーの組
成は、焼成後にムライト(3Al2O3・2SiO3)の組成とな
るように設定するのが好ましい。また、コロイダルシル
カを併用することにより、セラミック回路基板焼成用シ
ートの強度が一層向上する。
本実施例において得られたアルミナファイバーシート2
は、その強度が一層向上し、高温で焼成している間にセ
ラミック基板1の重量によって圧縮されて薄くなること
がなく、元の形状が保持される。その他、前記実施例1
と同様の作用及び効果を奏する。
本発明は、上記実施例1に限定されるものではなく、次
のように構成することができる。
(1)セラミック基板1は上記実施例ではアルミナ基板
を使用することができる。
(2)焼成条件は上記実施例では約1600℃で2時間の条
件を採用したが、上記マグネシア基板、コンデンサ基
板、ステアタイト基板の場合には、約1350℃で2時間の
条件が採用される。
(3)本発明のセラミック回路基板焼成用シートは、結
晶質無機ファイバーを薄板状に成形して得たシートに前
記したセラミック焼成用粉末を塗布して使用することが
できる。
(4)本発明のセラミック回路基板焼成用シートは、前
記したように、結晶化ガラスの焼成にも利用できる。即
ち、台板上に従来の敷粉に代えてアルミナファイバー、
ジルコニアファイバー等からなるセラミック回路基板焼
成用シートを敷き、その上に結晶化組成を有するガラス
ビーズ等のガラスを載置し、焼成することによって結晶
化ガラスが得られる。この結晶化ガラスは、従来の敷粉
を使用した場合と異なり、セラミック回路基板焼成用シ
ートを敷いた側の面も含めて両面が利用できる。
(発明の効果) 本発明のセラミック回路基板焼成用シートは、焼成時ア
ルミナ基板やコンデンサ基板にそりを与えることがな
く、かつ焼成後基板間の離型が容易に行われ、さらに製
造工程における簡略化がはかられるので焼成品が低コス
トで得られるという優れた効果を奏する。
また、アルミナファイバー又はジルコニアファイバーを
用いたセラミック回路基板焼成用シートは、結晶質無機
ファイバーを材料としていることから、セラミック基板
との付着性や反応性が低いので基板間の離型が容易で、
しかも上記シートと基板との間の剥離が容易である。
また、これらのセラミック回路基板焼成用シートに敷粉
としての無機粉末を配合すると基板間の離型は一層容易
となる。
また、結晶質無機ファイバーと無機バインダーからなる
材料を薄板状に成形してなるセラミック回路基板焼成用
シートを使用することにより、基板間の離型が容易で有
るのに加え、同シートの強度が一層向上し、焼成時にそ
の形状が変形することなく、元の形状が保持される。
さらに、結晶質無機ファイバーであるアルミナファイバ
ー又はジルコニアファイバーにセラミック焼成用敷粉と
しての無機粉末及び無機バインダーを配合した材料を薄
板状に成形してなるセラミック回路元板焼成用シートを
使用することによっても、基板間の離型は容易であるの
に加え、同シートの強度が向上し、焼成時にその形状が
保持される。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の実施例のセラミック基板の積層体を示す断
面図である。 2……アルミナファイバーシート

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミナ又はジルコニアからなるセラミッ
    ク回路基板を焼成する場合に、セラミック回路基板の材
    料である生成形体の間に介在されるセラミック回路基板
    焼成用シートであって、 結晶質無機ファイバーであるアルミナファイバー又はジ
    ルコニアファイバーを、厚さが0.01から10mmの範囲の薄
    板状に成形してなるセラミック回路基板焼成用シート。
  2. 【請求項2】前記結晶質無機ファイバーであるアルミナ
    ファイバー又はジルコニアファイバーに、アルミナ又は
    ジルコニアからなる無機粉末を配合したことを特徴とす
    る請求項1に記載のセラミック回路基板焼成用シート。
  3. 【請求項3】前記結晶質無機ファイバーであるアルミナ
    ファイバー又はジルコニアファイバーに、アルミナ又は
    ジルコニアからなる無機バインダーを配合したことを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載のセラミック回
    路基板焼成用シート。
JP63146600A 1988-02-26 1988-06-14 セラミック回路基板焼成用シート Expired - Lifetime JPH0686333B2 (ja)

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