JPH0686005B2 - 溶接組立h形鋼の溶接接合方法 - Google Patents

溶接組立h形鋼の溶接接合方法

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JPH0686005B2
JPH0686005B2 JP4296499A JP29649992A JPH0686005B2 JP H0686005 B2 JPH0686005 B2 JP H0686005B2 JP 4296499 A JP4296499 A JP 4296499A JP 29649992 A JP29649992 A JP 29649992A JP H0686005 B2 JPH0686005 B2 JP H0686005B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、H形鋼と柱などの被
接続部材との溶接接合方法に関するものであり、一層詳
細には、組立H形鋼により形成した梁材と柱とを突合せ
て溶接接合する際などに好適に使用される溶接接合方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決すべき課題】従来より、
溶接組立H形鋼により形成した梁材と柱などを突合せて
溶接接合する方法としては、H形鋼のウェブに円弧状の
スカラップを形成してこのスカラップに裏当金を挿通し
たのち開先加工したフランジを溶接接合するスカラップ
接合法が知られている。
【0003】しかるに、このスカラップ接合法は、ウェ
ブへのスカラップ加工が面倒であるばかりでなく、スカ
ラップ加工の良否にかかわらずウェブの断面強度が減少
するためスカラップ部分に応力集中が起こることにな
り、フランジが比較的早期に破断してしまうなどの不都
合があった。
【0004】このような事情から、裏当金の形状を工夫
するとともにウェブへのスカラップによる切欠を無くし
て部材耐力を損なうことなく溶接接合を行えるようにし
た、所謂、ノンスカラップ接合法が種々提案され実用に
供されている。
【0005】そして、出願人も、H形鋼の組立時に生じ
た寸法誤差の調整を行なえるだけでなく部材相互の完全
な溶け込みを達成することのできる改良されたノンスカ
ラップ接合法を開発し、平成2年9月20日付けで特願
平2−248838号(特開平4−135065号「溶
接組立H形鋼の溶接接合方法」)として特許出願を行っ
た。
【0006】すなわち、この溶接接合方法は、溶接組立
H形鋼と被接続部材との溶接接合に際してまず溶接組立
H形鋼のフランジに形成する開先の先端がウェブの隅肉
溶接の脚長よりも若干下方に位置するように加工し、次
にこの溶接組立H形鋼と被接続部材を組み付け、溶接組
立H形鋼のウェブ両側におけるフランジ内側に、ウェブ
の隅肉溶接の脚長よりも大きく設定した切欠を有する裏
当金を夫々仮付けし、次いで開先加工したフランジを被
接続部材に溶接し、さらに被接続部材とウェブおよびウ
ェブと各裏当金とを隅肉溶接して該溶接組立H形鋼を被
接続部材に溶接接合するものである。
【0007】しかしながら、ウェブ両側におけるフラン
ジ内側はその接合端部まで隅肉溶接を施されているため
裏当金の仮付け作業が面倒であるばかりでなく、仮付け
した裏当金を利用してウェブを被接続部材に溶接する際
にもフランジに形成した開先と被接続部材とで形成され
る溝部分が狭隘なため、この溝部分に溶接棒を挿入する
のが面倒であるなど施工性の点で改善すべき点がみつか
った。
【0008】
【課題の解決手段】そこで、この発明では、溶接H形鋼
における仮付け溶接もしくは隅肉溶接などの溶接をその
接合端部から若干離間した位置までとするとともにフラ
ンジに形成する開先の先端をウェブの隅肉溶接の脚長程
度となるように加工し、次にこの溶接組立H形鋼と被接
続部材を組み付け、溶接組立H形鋼のウェブ両側におい
てフランジ内側の非溶接部分に夫々裏当金を仮付けし、
次いで開先加工したフランジを被接続部材に溶接し、さ
らに被接続部材とウェブおよびウェブと各裏当金とを隅
肉溶接する手順を採用することにより、裏当金の仮付け
作業を容易化しようとするものである。
【0009】また、裏当金におけるウェブの仮付け溶接
あるいは隅肉溶接に対向する面と被接続部材に対向する
面に連続する稜部分を切除して溶接棒の逃部を形成する
ことにより施工性の向上を図ろうとするものである。
【0010】
【作用】この発明では、溶接組立H形鋼のウェブ両側に
おいてフランジ内側の非溶接部分に裏当金を仮付けする
ので各裏当金の仮付けを簡便にかつ確実に行うことがで
き、また、フランジに形成した開先と被接続部材とで形
成される溝部分(漏斗状グルーブ)に溶接棒を挿入する
に際しては、裏当金に形成した逃部を介して行えるよう
にしたものである。
【0011】
【実施例】次に、本発明に係る溶接組立H形鋼の溶接接
合方法につき、H形に組立てて形成した梁材と柱とを突
合せて溶接接合する場合の実施例につき添付図面を参照
しながら以下詳細に説明する。
【0012】すなわち、本発明に係る接合方法では、ま
ずウェブ10に梁フランジ12、12を隅肉溶接して形
成した梁材14を用意する。この場合、梁材14におけ
る隅肉溶接Aはその接合端部から若干離間した位置、好
ましくは、後述するようにフランジ12内側に取着する
裏当金20の巾寸法Wよりも若干大きい程度の位置まで
として非溶接部分Xを設ける。なお、本実施例において
は隅肉溶接で形成した梁材14を使用しているが、この
梁材としては、ウェブ10に梁フランジ12、12を仮
付け溶接(タックウェルド)して形成した状態の梁材1
4を使用しても良いことは言うまでもない。
【0013】そしてこの梁材14における突合せ端部の
フランジ12、12を、例えば、35度程度の角度に切
欠いて開先16を形成する。この場合、開先16の先端
16aはウェブ10に行う隅肉溶接Aの脚長aと略同位
置となるように開先加工しておく(図1参照)。
【0014】次に、この梁材14と被接続部材である柱
材18とをスポット溶接などで仮付けして組付けた後、
梁材14のウェブ10両側におけるフランジ12内側の
非溶接部分Xに裏当金20、20を夫々前述と同様にス
ポット溶接などで仮付けする(図2参照)。この場合、
各裏当金20は、フランジ12内側における非溶接部分
Xに仮付けすれば良いので作業を簡単に行うことができ
る。
【0015】また、この場合、各裏当金20は、矩形状
に形成された平板部材22で構成し、この平板部材22
におけるウェブ10に対向する面と柱材18に対向する
面とに連続する稜部分24を切除して逃部26を形成し
ておく。なお前記逃部26の切除寸法としては開先16
のルートギャップと角度に略等しくなるように設定する
のか好ましい(図3参照)。
【0016】次いで、柱材18の突合わせ面とフランジ
12の開先16先端および各裏当金20の逃部26によ
って形成された漏斗状グルーブbに溶接棒Cを挿入して
溶け込み溶接を行って埋めた後、フランジ12の開先1
6と柱材18の突合わせ面とを溶着することによりフラ
ンジ12と柱材18とを溶接する(第4図参照)。
【0017】このようにして、フランジ12と柱材18
との溶接が終了したら、柱材18とウェブ10およびウ
ェブ10と各裏当金20とを順次隅肉溶接することによ
り、溶接組立H形鋼としての梁材と被接続部材としての
柱材との溶接接合を完了する(第5図参照)。
【0018】
【発明の効果】先に述べたように、本発明に係る溶接組
立H形鋼の溶接接合方法によれば、2つに分けた裏当金
を、溶接組立H形鋼のウェブ両側においてフランジ内側
の非溶接部分、すなわち、全く障害のない部分に仮付け
するので簡便にかつ確実にその仮付け作業を行うことが
できる。
【0019】また、フランジに形成した開先と被接続部
材とで形成される溝部分(漏斗状グルーブ)に溶接棒を
挿入するに際しては、裏当金の逃部を介して行えるよう
にしたので施工性の向上を図ることができ、従って、様
々な溶接欠陥の発生も可及的に阻止することができる等
種々の利点を有するものである。
【0020】以上、本発明に係る溶接組立H形鋼の溶接
接合方法の好適な実施例につき説明したが、本発明はこ
の実施例に限定されるものではなく、例えば、裏当金の
稜部分を切除して形成する逃部の傾斜や大きさを所望に
応じて変更する等、本発明の精神を逸脱しない範囲内に
おいて種々の変更をなし得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶接組立H形鋼としての梁材と被接続部材とし
ての柱とを突合わせて溶接接続する場合における梁の側
面説明図である。
【図2】図1に示す梁材に柱材を仮付けして組付けた
後、梁材のウェブ両側におけるフランジ内側に裏当金を
仮付けした状態の側面説明図である。
【図3】図2に示す裏当金と梁材と柱材との関係を示す
一部省略斜視図である。
【図4】梁材におけるフランジの開先と柱材の突合わせ
面とを溶着した状態の側面説明図である。
【図5】梁材と柱材との溶接接合が完了した状態の側面
説明図である。
【符号の説明】
10 ウェブ、 12 梁フランジ、 14 梁
材、16 開先、 18 柱材、 20
裏当金、22 平板部材、 24 稜部分、 2
6 逃部、

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フランジとウェブとを予め溶接して組立
    てたH形鋼と被接続部材との溶接接合に際し、溶接H形
    鋼における仮付け溶接もしくは隅肉溶接をその接合端部
    から若干離間した位置までとするとともにフランジに形
    成する開先の先端をウェブの隅肉溶接の脚長程度となる
    ように加工し、次にこの溶接組立H形鋼と被接続部材を
    組み付け、溶接組立H形鋼のウェブ両側においてフラン
    ジ内側の非溶接部分に裏当金を夫々仮付けし、次いで開
    先加工したフランジを被接続部材に溶接し、さらに被接
    続部材とウェブおよびウェブと各裏当金とを隅肉溶接す
    ることを特徴とする溶接組立H形鋼の溶接接合方法。
  2. 【請求項2】 裏当金におけるウェブの仮付け溶接ある
    いは隅肉溶接に対向する面と被接続部材に対向する面と
    に連続する稜部分を切除して逃部を形成することからな
    る請求項1に記載の溶接組立H形鋼の溶接接合方法。
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