JPH0685992B2 - 低圧鋳造法における溶湯の加圧冷却制御方法 - Google Patents

低圧鋳造法における溶湯の加圧冷却制御方法

Info

Publication number
JPH0685992B2
JPH0685992B2 JP62303952A JP30395287A JPH0685992B2 JP H0685992 B2 JPH0685992 B2 JP H0685992B2 JP 62303952 A JP62303952 A JP 62303952A JP 30395287 A JP30395287 A JP 30395287A JP H0685992 B2 JPH0685992 B2 JP H0685992B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molten metal
mold
temperature
cooling
casting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP62303952A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01148451A (ja
Inventor
浩二 田中
修五 近藤
武 井村
勝彦 安藤
繁光 中林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP62303952A priority Critical patent/JPH0685992B2/ja
Priority to US07/278,458 priority patent/US4976305A/en
Publication of JPH01148451A publication Critical patent/JPH01148451A/ja
Publication of JPH0685992B2 publication Critical patent/JPH0685992B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は低圧鋳造法における溶湯の加圧冷却制御方法に
関し、一層詳細には、溶湯を金型内のキャビテイに加圧
充填する時に、当該金型の型温度と溶湯温度とを検出
し、この型温度と溶湯温度との組み合わせから選択した
溶湯の加圧パターンと金型の冷却パターンに基づいて加
圧条件および金型に供給する冷却水の水量を制御するこ
とにより、ガス欠陥や引巣等の鋳造欠陥を防止し、品質
の良好な鋳造品を製造することを可能とした低圧鋳造法
における溶湯の加圧冷却制御方法に関する。
[発明の背景] 一般に、例えば、自動車部品等を大量生産する場合、低
圧鋳造法が広汎に利用されている。この低圧鋳造法はア
ルミニウム合金等の軽合金からなる溶湯を密封容器で加
熱保持し、比較的低圧の不活性ガスまたは空気で前記溶
湯の表面を加圧し、前記溶湯を給湯管を介して金型内に
画成されるキャビテイ内に充填して製造品を製造する方
法である。
この場合、通常、溶湯を金型内のキャビテイに加圧充填
する際、その鋳込速度を数段階に変更している。すなわ
ち、溶湯がストークを介して金型内に入り込むまでの間
では比較的速く溶湯を注湯する。次いで、溶湯がキャビ
テイ内に充填され始めた後は当該溶湯にエア等が混在す
ることを防止するために、所定の緩慢な速度で溶湯の充
填が行われる。その後、キャビテイ内に溶湯が充填され
ると、再び速い鋳込速度で溶湯を充填して押湯を行う。
このように、溶湯の鋳込速度を3段階に設定し、キャビ
テイに溶湯を充填する作業を遂行している。
ところで、鋳造工程中は夫々の鋳造サイクルが種々の要
因により変動する。具体的な要因としては、金型内の清
掃や、中子の設置、金型装置の操作トラブル等がある。
このため、鋳造サイクル開始時の型温度が一定ではなく
変動する場合が多い。
然しながら、前述した溶湯の充填方法では、特に、溶湯
を実質的にキャビテイ内に充填する第2段階での鋳込速
度が、予め設定されているため、種々の不都合が露呈し
ている。
すなわち、型温度が溶湯温度等の鋳造条件から定まる適
正温度に比べて低い場合、キャビテイ内全体に溶湯が充
填されるまでに溶湯の一部が凝固し、この結果、湯回り
不良等の鋳造欠陥が発生する虞がある。
一方、金型の温度が適正温度より高い時には、キャビテ
イ内に溶湯が充填される前に、例えば、ガス抜き孔に溶
湯が回り、ガスを効率的に排出することが困難となるこ
とがある。その場合、残留するガスによりガス欠陥や引
巣等が発生してしまう。
[発明の目的] 本発明は前記の不都合を克服するためになされたもので
あって、キャビテイ内に溶湯の加圧充填を開始する際
に、先ず、金型の型温度と溶湯温度を検出し、次いで、
予め型温度と溶湯温度に応じて複数設定された溶湯の加
圧パターンと金型の冷却パターンの中から、実際に測定
された型温度と溶湯温度に対応する溶湯の加圧パターン
と金型の冷却パターンを選択し、これらに基づいて溶湯
を加圧充填すると共に、金型に供給する冷却水の水量を
制御することにより、湯回り不良やガス欠陥等の発生を
防止し、品質の優れた鋳造品を製造することを可能とす
る低圧鋳造法における溶湯の加圧冷却制御方法を提供す
ることを目的とする。
[目的を達成するための手段] 前記の目的を達成するために、本発明は密閉容器に貯留
される溶湯の表面を圧力気体で加圧して当該溶湯を金型
内に画成されたキャビテイに充填して行う低圧鋳造法に
おいて、溶湯を前記キャビテイに加圧充填する際の当該
金型の型温度と溶湯温度とを検出し、次いで、予め型温
度と溶湯温度に対応して設定してある複数の溶湯の加圧
パターンと金型の冷却パターンの中から最適な溶湯の加
圧パターンと金型の冷却パターンを選択し、当該溶湯の
加圧パターンに基づいて型温度が低い時は溶湯の加圧時
間を短く且つ溶湯の鋳込速度を早く、一方、型温度が高
い時は溶湯の鋳込速度が遅くなるように該溶湯をキャビ
テイ内に充填し加圧保持すると共に、当該金型の冷却パ
ターンに依拠して冷却水量を可変に制御しながら当該金
型に供給することを特徴とする。
[実施態様] 次に、本発明に係る低圧鋳造法における溶湯の加圧冷却
制御方法について、それを実施するための鋳造装置との
関連において好適な実施態様を挙げ、添付の図面を参照
しながら以下詳細に説明する。
第1図において、参照符号10は鋳造装置を示す。この鋳
造装置10は鋳造金型12と金型温度制御機構14とから基本
的に構成される。前記鋳造金型12は下型16と、この下型
16の上方に配置される上型18および前記下型16、上型18
に摺動自在に嵌合するよう配置される摺動型20、22とを
含む。さらに、これら下型16、上型18および摺動型20、
22によりキャビテイ24が画成され、前記キャビテイ24は
自動車等の内燃機関を構成するシリンダヘッドを鋳造す
るのに対応した形状を呈している。
そこで、前記下型16にはその所定部位に段付孔部26が形
成され、この段付孔部26に前記キャビテイ24と連通する
湯口28が画成されたノズル30が装着される。前記ノズル
30には溶湯を送給するためのストーク32が連結され、こ
のストーク32は下型16の下方に設置され溶湯が貯留され
る溶湯供給手段34に接続される。この溶湯供給手段34に
は図示しない坩堝が配設され、この坩堝に溶湯が加温保
持される。また、下型16の内部には冷却用流体を導入す
るための通路36が複数画成される。
一方、上型18は可動ダイベース38に固定され、この可動
ダイベース38に連結される図示しないアクチュエータの
駆動作用下に鉛直方向に変位自在である。前記可動ダイ
ベース38と上型18の間には冷却ブロック40が介装され、
この冷却ブロック40には冷却水を導入するための通路42
が形成されている。さらに、可動ダイベース38、上型18
を挿通して、型開き後、鋳造品を取り出すための押出ピ
ン44が配設され、この押出ピン44はその基端部が取付部
材46に装着されると共に、先端部はキャビテイ24に臨
む。
次いで、前記下型16、上型18に摺動変位自在に摺動型2
0、22が嵌合する。この摺動型20、22は夫々連結部材4
8、50を介して図示しないシリンダ等のアクチュエータ
に連結され、水平方向に変位自在である。また、前記摺
動型20、22には冷却水が通流する通路52、54が形成され
る。なお、図中、参照符号56a乃至56fは砂中子を示し、
また、参照符号58はガス抜きのための孔を示す。
次に、前記鋳造金型12の型温度を制御する金型温度制御
機構14について説明する。この金型温度制御機構14は、
型温度を検出するために下型16のキャビテイ24に接近し
た部位に配設される熱電対等の第1の温度センサ60並び
に溶湯温度を検出するためにストーク32に配設される第
2の温度センサ61と、冷却水供給源62から供給される冷
却水の流量を制御するための流量制御手段64と、前記第
1および第2温度センサ60、61の出力電圧が図示しない
入力インタフェースを介して温度データとして導入さ
れ、この温度データに基づいて前記流量制御手段64を構
成するバルブ類の開閉動作と溶湯供給手段34を制御する
マイクロコンピュータ66とから構成される。
前記流量制御手段64はソレノイドバルブ、可変絞り弁を
含む流体回路から構成されるものである。すなわち、前
記冷却水供給源62から延在する管路67はその途中で管路
68と70とに分岐し、この分岐した管路68、70に夫々ソレ
ノイドバルブ72、74が配設される。前記ソレノイドバル
ブ72、74は前記マイクロコンピュータ66の出力する開成
あるいは閉成信号に基づいて開閉動作されるよう構成さ
れている。そして、このソレノイドバルブ72、74の下流
には夫々可変絞り弁76、78並びに流量計80、82が配設さ
れる。前記流量計80、82の下流において当該管路68、70
は合流し、その後、再び管路84、86に分岐し、夫々が鋳
造金型12を構成する摺動型20、22に画成される通路52、
54に接続される。
なお、前記通路52、54に導入された冷却水は図示しない
管路を介して外部に排出される。
以上のように構成される鋳造装置10を用い、鋳造条件を
JIS AC2B相当のアルミニウム合金からなる溶湯の温度が
700℃、加圧力が0.28kg/cmとしてシリンダヘッドを鋳
造する。
ここで、鋳造金型12には試行的な鋳造サイクルが実施さ
れ、これにより当該鋳造金型12の型温度は実際の鋳造サ
イクルを連続的に行うのに適当な温度以上に予め昇温さ
れているものとする。
そこで、鋳造金型12に画成されるキャビテイ24の所定部
位に砂中子56a乃至56fを配置する。その後、可動ダイベ
ース38およびこれと一体的な上型18を図示しないアクチ
ュエータの作用下に下方向に変位させると共に、摺動型
20、22を連結部材48、50を介して連結される図示しない
アクチュエータの作用下に近接変位させ、型締めを行
う。
以下、第2図aおよびbに示すフローチャートに従っ
て、本発明に係る溶湯の加圧冷却制御方法を第3図のタ
イムチャートに示むように開始する。なお、この場合、
金型温度制御機構14を構成するマイクロコンピュータ66
の図示しないROMには第2図aおよびbのフローチャー
トで示される手順のプログラムが書き込まれており、CP
U(図示せず)はこのフローチャートに沿って動作する
ものである。
第2図aに示すように、ステップ1において、下型16に
配設した第1温度センサ60を介して型締め直後の型温度
が検出される。次いで、ステップ2において、この
型温度Tは図示しないインタフェースを介して温度デ
ータとしてマイクロコンピュータ66に導入される。この
マイクロコンピュータ66を構成する図示しないCPUは前
記型温度Tが予め当該マイクロコンピュータ66に入力
されている設定型温度範囲S内に入っているかどうかを
比較判断処理する。この設定型温度範囲Sは溶湯を加圧
充填する際の最適な型温度範囲を意味し、鋳造条件に基
づいて設定されるものであって、第3図aにおいて示す
ように、上限温度Tmaxと下限温度Tminとの間で設定さ
れる所定の温度領域を有する。
その際、第3図a中、実線で示す曲線は実際の型温度T
の時間的な変化を表す型温度曲線100である。
型温度Tが前記設定型温度範囲Sにない場合、ステッ
プ3において、CPUはこの型温度Tが前記設定温度範
囲Sに基づいて予め設定されている4種類の温度ゾーン
A、B、CおよびDのいずれの範囲に相当するものであ
るかを判断する。これら温度ゾーンA乃至Dは、第3図
aに示すように、所定の鋳造条件に基づいて任意に設定
され、本実施態様では、設定型温度範囲Sにおける上限
温度Tmaxの上方領域に所定の温度幅を持って設定され
るものである。
この場合、前記温度ゾーンA乃至Dに夫々対応して第1
表に示すように冷却水の水量が設定されると共に、この
冷却水の水量を実現するためにソレノイドバルブ72、74
の開閉状態が定められている。
なお、ソレノイドバルブ72、74を通流する冷却水の流量
Q1、Q2はこれらの下流に配置される可変絞り弁76、78に
より任意に調整しておくことが出来る。そして、以上の
ような冷却水量の設定は鋳造条件によって決定される。
こうして、前述のステップ3の結果に基づいて、ステッ
プ4においてマイクロコンピュータ66のCPUはソレノイ
ドバルブ72、74に夫々開成あるいは開閉信号を送る。そ
して、ステップ5においてこの状態が所定時間継続され
た後、再びステップ1に戻ることになる。
そこで、実際、ステップ1で検出した時刻もt0における
型温度TD0は次のステップ2で設定型温度範囲S内にあ
るかどうかがCPUにより判断される。この場合、型温度
D0は設定型温度範囲S内にないため、ステップ3で型
温度TD0が温度ゾーンA乃至Dのどの温度ゾーンに含ま
れるかがCPUにより判断される。これによって、前記型
温度TD0が温度ゾーンBに相当することが検出される。
従って、CPUの判断処理結果に基づきマイクロコンピュ
ータ66は冷却水の水量を第1表における流量Q2にすべく
ソレノイドバルブ74に開成信号を送給し、一方、ソレノ
イドバルブ72には開成信号を送給して当該ソレノイドバ
ルブ72、74を開閉動作させる(STP4)。この結果、冷却
水供給源62から供給される冷却水は可変絞り弁78を介し
て流量Q2で管路84、86から摺動型20、22内に画成される
通路52、54に導入され、図示しない管路を介して外部に
排出されることになる。この冷却水の循環は所定時間、
例えば、1分間継続する(STP5)。
以上のようなステップ1乃至5の手順を型温度Tが設
定型温度範囲S内に至るまで繰り返す。結局、第3図a
に示すように時刻t3において検出した型温度TD3が当該
設定型温度S内に含まれるに至り、この時、ステップ2
からステップ6に進み、ストーク32に設けた第2温度セ
ンサ61を介して溶湯温度Tm3を検出する。
次いで、前記溶湯温度Tm3はマイクロコンピュータ66内
に図示しないインタフェースを介して導入される。そし
て、ステップ7において、前記型温度TD3と溶湯温度T
m3に基づいて、第5図に示す溶湯加圧パターン並びにこ
の溶湯加圧パターンに対応した金型冷却パターンを選択
する。
ここで、第4図は溶湯加圧パターン、金型冷却パターン
と型温度T、溶湯温度Tの対応関係を示すグラフで
ある。すなわち、第4図に示す領域1乃至7は第5図に
示す溶湯加圧パターンa乃至g、金型冷却パターンa1
至g1に夫々対応する。これら領域1乃至7並びに溶湯加
圧パターンa乃至g、金型冷却パターンa1乃至g1は鋳造
条件に基づいて予め設定されると共に、マイクロコンピ
ュータ66にデータとして入力されているものである。前
記型温度TD3、溶湯温度Tm3は第4図において領域4に
相当するとすれば、例えば、第5図に示す溶湯加圧パタ
ーンd、金型冷却パターンd1が選択される。
この場合、第4図と第5図を対照すれば容易に諒解され
るように、型温度Tと溶湯温度Tが高い程溶湯の加
圧時間を長く設定し、一方、型温度Tと溶湯温度T
が低い程溶湯の加圧時間を短く設定している。そして、
この場合、加圧開始後溶湯がストーク32を介してキャビ
テイ24に注湯され始まるまでの注湯速度tanθと当該溶
湯がキャビテイ24内に充填するまでの鋳込速度tanαと
を溶湯加圧パターンa乃至gにおいて同一に設定してい
る。
このようにすることにより、型温度Tが高い場合は、
溶湯が凝固するのに比較的に長い時間を要するため、こ
れに対応させ、一方、型温度Tが低い場合は、溶湯の
凝固時間が短くて済むため、加圧時間を短くし、鋳造サ
イクルの短縮化を図っているのである。そして、領域7
の場合、型温度Tはかろうじて加圧開始の設定型温度
範囲S内であり、溶湯温度Tも低く実際の鋳造サイク
ルには不適なために、型温度を昇温させる目的でのみス
テ吹きを行うだけにして留める。
また、第5図に示した溶湯加圧パターンa乃至g、金型
冷却パターンa1乃至g1に代替して第6図に示す溶湯加圧
パターンh乃至n、金型冷却パターンh1乃至n1を採用し
てもよい。この場合、第4図と第6図の対照から諒解さ
れるように、型温度Tと溶湯温度Tが高い場合は、
湯回りが早過ぎることによるガス欠陥を防止するために
キャビテイ24に溶湯を充填する際の鋳込速度を遅く設定
し、一方、型温度Tと溶湯温度Tが低い場合は湯回
り不良による鋳造欠陥を防止するために鋳込速度を速く
設定している。例えば、溶湯加圧パターンhおよびiに
おいて、溶湯加圧パターンhは第4図の領域1に対応
し、溶湯加圧パターンiは領域2に対応する。型温度T
は領域1において高く、従って、溶湯加圧パターンh
の鋳込速度tanαは溶湯加圧パターンiの鋳込速度tan
αより小さく設計されるのである。このような関係は
溶湯加圧パターンj乃至mの鋳込速度tanα乃至tanα
についても該当する。
次に、ステップ8において、前記ステップ7で選択され
た溶湯加圧パターンdに基づいて溶湯の加圧充填を開始
する。
すなわち、溶湯供給手段34に圧縮空気を送給して、この
溶湯供給手段に配設される図示しない坩堝に貯留される
溶湯表面を加圧することによりストーク32を介してキャ
ビテイ24に当該溶湯を第3図cに示す溶湯加圧パターン
dに沿って注湯する。ステップ9において、加圧開始時
刻t3から所定時間経過し、鋳造金型12に対する冷却を実
行する初期冷却時間t4に達したら、ステップ10に示す型
温度Tの冷却制御を実行する。この場合、型温度T
の冷却制御の手順は第2図bに示すサブルーチンとして
マイクロコンピュータ66のROMに書き込まれている。
すなわち、温度センサ60を介して当該鋳造金型12の時刻
t4における型温度TD4を検出する(STP1′)。この型温
度TD4は図示しないインタフェースを介して温度データ
としてマイクロコンピュータ66に導入される。なお、こ
の時刻t4以降はキャビテイ24内の溶湯は所定圧、この場
合、0.28kg/cmで加圧保持されると共に、冷却されて
その凝固が進行していくことになる。
ステップ2′では基準型温度T0bjと、この基準型温度
0bjを基にして冷却水の水量を決定するためのある範
囲の幅を有する温度ゾーンA′乃至D′を算出する。こ
の場合、ステップ8で選択された金型冷却パターンd1
基準型温度冷却曲線102を表わす時間tと温度Tの関数
T=f(t)としてマイクロコンピュータ66に記憶され
ている。
そこで、前記基準温度T0bjと温度ゾーンA′乃至D′
は次のようにして前記基準型温度冷却曲線102からマイ
クロコンピュータ66のCPUにより演算される。
前記基準型温度冷却曲線102を表す関数T=f(t)
から時刻tにおける温度、すなわち、基準温度T0bj
演算する。
前記基準温度T0bjに基づいて以下の温度範囲を温度
ゾーンA′乃至D′とする。
A′:T≧T0bj+θ+θ B′:T0bj+θ≦T<T0bj+θ+θ C′:T0bj<T<T0bj+θ D′:T≦T0bj ここで、温度幅θ、θは鋳造条件に基づいて設定さ
れる。
次に、ステップ3′、ステップ4′において実測された
型温度Tが基準型温度T0bjとマイクロコンピュータ6
6のCPUにより比較処理がなされ、且つ前記型温度T
温度ゾーンA′乃至D′のいずれに含まれるかが判断さ
れる。この場合、第1表に示したように、加圧開始以前
の温度ゾーンA、B、Cおよび、Dの場合と同様に温度
ゾーンA′乃至D′にも末々対応してソレノイドバルブ
72、74の開閉状態並びに冷却水量が設定されている。
そこで、ステップ5′において前記ステップ3′、ステ
ップ4′の結果に基づいてマイクロコンピュータ66はソ
レノイドバルブ72、74に開成あるいは閉成信号を送る。
この場合、第3図において、時刻t4における型温度TD4
は温度ゾーンAに含まれ、第1表に示したように、ソレ
ノイドバルブ72、74はCPUから送られる開成信号により
オープンされる。
この結果、冷却水供給源62から供給される冷却水は管路
68、70を経て管路84、86から摺動型20、22に形成された
通路52、54に導入されることになる。ステップ6′にお
いて、この状態を所定時間次の型温度Tの検出時まで
継続した後、ステップ10に戻る。
こうして、以後、所定時間間隔をあけて時刻t5、t6…t
…、と以上のような型温度の冷却制御の手順を繰り返
す。これにより、冷却水供給源62から供給される冷却水
の水量は第3図bに示す実線で示される。この冷却水の
冷却効果により、型温度Tは実際、第3図aの型温度
曲線100に示す推移を辿る。
そして、ステップ11、ステップ12において、減圧時刻t
に達したら、キャビテイ24内の溶湯に対する加圧を停
止する。さらに、ステップ13に進み、型温度Tの冷却
制御実行する。この型温度Tの冷却制御は前述のサブ
ルーチンの手順と同様である。
最終的に型温度Tが設定型開き温度Tに達したら
(ステップ14)型開きを行い、鋳造された製品を取り出
すことになる(時刻t)。
次回の鋳造サイクルは以上のような工程を同様にして繰
り返すものであって、ステップ6までは完く同様であ
り、ステップ7において所定の溶湯加圧パターン、金型
冷却パターンが選択される。この後は、型温度と溶湯温
度に対応して選択された溶湯加圧パターンと金型冷却パ
ターンに基づいて鋳造サイクルが実施される。
[発明の効果] 以上のように、本発明によれば、溶湯を金型のキャビテ
イ内に加圧充填する際に、型温度と溶湯温度を検出し、
予め設定した複数の溶湯加圧パターンと金型冷却パター
ンの中からこの型温度と溶湯温度とに対応した溶湯加圧
パターンと金型冷却パターンを選択し、この溶湯加圧パ
ターンと金型冷却パターンに基づいて溶湯を加圧充填す
ると共に、冷却水の水量を制御して当該金型に供給して
いる。このため、型温度と溶湯温度に対応した溶湯の加
圧時間に基づいて適切な溶湯の凝固時間が選択される。
また、鋳造速度を型温度と溶湯温度に対応して設定する
ことで最適な鋳込速度でキャビテイ内に溶湯が充填され
る。従って、溶湯の凝固が溶湯温度および型温度に応じ
た良好な鋳造条件下に進行することになる。すなわち、
本発明によれば、型温度が低い時、溶湯の凝固時間が短
くなるので、該溶湯の加圧時間を短くし且つ溶湯の鋳込
速度を早くする。これによって湯回り不良等の鋳造欠陥
に至ることが回避される。一方、型温度が高い場合、溶
湯の凝固時間は一般的に長くなる。従って、溶湯の加圧
時間を長くし且つ溶湯の鋳込速度を遅くする。これによ
って、湯回りが早くなり過ぎることによるガス欠陥等が
回避できる。結局、凝固時間の無駄を省き効率的な鋳造
サイクルを実施することが可能であると共に、鋳込時に
発生するガス欠陥や引巣等の鋳造欠陥を防止することが
可能となる効果が得られる。
以上、本発明について好適な実施態様を挙げて説明した
が、本発明はこの実施態様に限定されるものではなく、
本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良並び
に設計の変更が可能なことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る溶湯の加圧冷却制御方法に用いら
れる鋳造装置の概略的な構成を示す縦断面図、 第2図aおよびbは当該溶湯の加圧冷却制御方法の手順
を説明するためのフローチャート、 第3図は当該溶湯の加圧冷却制御方法の実施態様に基づ
くタイムチャート、 第4図は当該溶湯の加圧冷却制御方法において溶湯加圧
パターンおよび金型冷却パターンを選択する際の型温度
と溶湯の温度の関係を示すグラフ、 第5図a乃至gおよびa1乃至g1は夫々型温度と溶湯の温
度に対応して設定される溶湯加圧パターン並びに金型冷
却パターンを示す図、 第6図h乃至nおよびh1乃至n1は夫々型温度と溶湯の温
度に対応して設定される他の溶湯加圧パターン並びに金
型冷却パターンを示す図である。 10……鋳造装置、12……鋳造金型 16……下型、18……上型 20、22……摺動型、24……キャビテイ 60、61……温度センサ 66……マイクロコンピュータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安藤 勝彦 埼玉県狭山市新狭山1―10―1 ホンダエ ンジニアリング株式会社内 (72)発明者 中林 繁光 埼玉県狭山市新狭山1―10―1 ホンダエ ンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−253158(JP,A) 特開 昭59−35874(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密閉容器に貯留される溶湯の表面を圧力気
    体で加圧して当該溶湯を金型内に画成されたキャビテイ
    に充填して行う低圧鋳造法において、溶湯を前記キャビ
    テイに加圧充填する際の当該金型の型温度と溶湯温度と
    を検出し、次いで、予め型温度と溶湯温度に対応して設
    定してある複数の溶湯の加圧パターンと金型の冷却パタ
    ーンの中から最適な溶湯の加圧パターンと金型の冷却パ
    ターンを選択し、当該溶湯の加圧パターンに基づいて型
    温度が低い時は溶湯の加圧時間を短く且つ溶湯の鋳込速
    度を早く、一方、型温度が高い時は溶湯の鋳込速度が遅
    くなるように該溶湯をキャビテイ内に充填し加圧保持す
    ると共に、当該金型の冷却パターンに依拠して冷却水量
    を可変に制御しながら当該金型に供給することを特徴と
    する低圧鋳造法における溶湯の加圧冷却制御方法。
JP62303952A 1987-12-01 1987-12-01 低圧鋳造法における溶湯の加圧冷却制御方法 Expired - Fee Related JPH0685992B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62303952A JPH0685992B2 (ja) 1987-12-01 1987-12-01 低圧鋳造法における溶湯の加圧冷却制御方法
US07/278,458 US4976305A (en) 1987-12-01 1988-12-01 Method of and apparatus for controlling die temperature in low-pressure casting process

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62303952A JPH0685992B2 (ja) 1987-12-01 1987-12-01 低圧鋳造法における溶湯の加圧冷却制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01148451A JPH01148451A (ja) 1989-06-09
JPH0685992B2 true JPH0685992B2 (ja) 1994-11-02

Family

ID=17927262

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62303952A Expired - Fee Related JPH0685992B2 (ja) 1987-12-01 1987-12-01 低圧鋳造法における溶湯の加圧冷却制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0685992B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2663571B1 (fr) * 1990-06-22 1994-11-25 Pont A Mousson Procede, moule et installation de coulee de metal sous basse pression.
CA2397400A1 (en) 2002-06-26 2003-12-26 Seppo Ilmari Leppanen Method and apparatus for clamping a printing media
JP5246939B2 (ja) * 2008-11-21 2013-07-24 ダイハツ工業株式会社 低圧鋳造用金型

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5935874A (ja) * 1982-08-24 1984-02-27 Toyota Motor Corp 低圧鋳造方法
JPS61253158A (ja) * 1985-05-04 1986-11-11 Sintokogio Ltd 低圧鋳造装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01148451A (ja) 1989-06-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5125450A (en) Method of and system for controlling flow of molten liquid to cast metal alloys
JPH04294853A (ja) 金型鋳造装置
US4976305A (en) Method of and apparatus for controlling die temperature in low-pressure casting process
US4991641A (en) Method of and apparatus for metal casting
AU627241B2 (en) Method and apparatus for casting metal alloys with low melting temperatures
JPH0685992B2 (ja) 低圧鋳造法における溶湯の加圧冷却制御方法
JPH0426935B2 (ja)
US5421397A (en) Method of and system for casting engine blocks having defect free thin walls
JPH0421632Y2 (ja)
JP2783503B2 (ja) ダイカスト鋳造機の給湯方法およびダイカスト鋳造機
JP2965179B2 (ja) 金型鋳造装置
JPH1157985A (ja) 金型温度制御装置
JP2009262196A (ja) 鋳造方法および鋳型
JPH0788612A (ja) 非晶質合金の冷却方法とその装置
EP1458509B1 (en) Apparatus for forming metal castings
RU2771078C1 (ru) Способ управления процессом производства заготовок поршней ДВС из заэвтектических алюминиевых сплавов
JPS60152358A (ja) 半溶融高圧鋳造法
JPH079108A (ja) 鋳造用給湯装置
JPH08164471A (ja) 鋳造用取り鍋
JPH0523869B2 (ja)
JPH0377027B2 (ja)
SU1088874A1 (ru) Устройство дл охлаждени пресс-поршн машины лить под давлением
JP2003200251A (ja) 低圧鋳造方法及び低圧鋳造装置
CN117600413A (zh) 一种基于红外热成像的铸件补缩系统和方法
KR20220155155A (ko) 다중 가압이 가능한 저압주조장치

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees