JPH0685750U - ２軸旋盤のセンタ仕切装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 両軸の加工空間を左右に仕切って切粉の干渉
等を避けると共に、段取り時や保守時に、仕切板に妨げ
られることなく、主軸等へ作業者が接近することを容易
にする。 【構成】 平行２軸旋盤１において、左右の主軸２，２
の前方空間を互いに仕切る仕切板１３を設ける。仕切板
１３は、後縁で縦軸１４回りに回動自在に支持する。ま
た、仕切板１３は、ボールデテントなどで構成される仕
切板固定機構１５により、中央位置で位置固定可能と
し、かつその固定を解除自在とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、平行２軸旋盤において左右の主軸の前方空間を仕切るセンタ仕切 装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

平行２軸旋盤では、各軸が独立して動作するため、切粉等が互いに干渉しない ように、これら主軸の前方空間を左右に二分する仕切板が固定設置されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、このように仕切板が中央にあると、各主軸に対してチャック交換など の作業を行う場合に、仕切板が邪魔になって作業者が主軸に十分に接近できず、 作業が行い難いという問題点がある。

【０００４】 この考案の目的は、仕切板に妨げられることなく、主軸等への作業者の接近が 容易に行える２軸旋盤のセンタ仕切装置を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案のセンタ仕切装置は、平行２軸旋盤において、左右の主軸の前方空間 を互いに仕切る仕切板を設け、この仕切板を後縁で縦軸回りに回動自在に支持し たものである。仕切板は、仕切板固定機構により中央位置で固定解除可能に位置 固定可能とする。

【０００６】

【作用】

仕切板は、旋盤の運転時は中央位置に固定しておく。主軸に対するチャック交 換等の作業を行う場合には、仕切板を他方の主軸側の空間へ回動させる。これに より、仕切板が邪魔とならず、作業のための広い空間を確保でき、主軸等に十分 に接近して作業を行うことができる。

【０００７】

【実施例】

この考案の一実施例を図１および図２に基づき説明する。 図１（Ａ）はこの実施例のセンタ仕切装置を装備した平行２軸旋盤の平面断面 図であり、図２はその外観斜視図である。 この平行２軸旋盤１はタレット旋盤であって、２本の主軸２とこれらの主軸２ に対応する２個の工具タレット３とが左右に振り分けてベッド４上に設けられて いる。主軸２はベッド４に設置したヘッドストック５に支持され、主軸チャック ２ａが装着してある。工具タレット３は、タレットキャリッジ６に搭載され、タ レットキャリッジ６は、ベッド４のレール７上を主軸２の軸方向（Ｚ軸方向）と 直交する方向（Ｘ軸方向）に移動自在である。

【０００８】 この平行２軸旋盤１の上部は機体カバー８によって覆われており、その機体カ バー８で覆われた機内空間は、内カバー板９によって、前記主軸チャック２ａや 工具タレット３の配置されている前方の加工室１０と、ヘッドストック５やタレ ットキャリッジ６等が配置されている後方の駆動機構室１１とに仕切られている 。機体カバー８の前面には開口８ａが形成され、図示しないスライド扉によって 開閉される。機体カバー８の前方には、この平行２軸旋盤１の運転操作を行う制 御盤１２が配置されている。

【０００９】 加工室１０内の空間は、その中央に配置した仕切板１３によって左右に仕切ら れる。仕切板１３は、左右の主軸２の中間位置の前方に立設した縦軸１４に後縁 が支持され、この縦軸１４回りに左右に回動自在である。また、仕切板１３は、 回動範囲の中央位置において、図１（Ｂ）の仕切板固定機構１５により固定解除 可能に位置固定可能としてある。

【００１０】 仕切板固定機構１５はボールデテント形式のものであり、加工室１０の中央前 方で機体カバー８に設けたボール収容孔１６と、この孔１６内にばね１７を介し て突没自在に収容したボール１８と、仕切板１３の下端面に形成されてボール１ ８が係脱自在に係合する係合凹部１３ａとからなる。なお、仕切板固定機構１５ は、ボールデテント形式のものに限らず、中央位置で仕切板１３と機体カバー８ の一部との摩擦が強くなって固定されるものとしても良い。また、突没するスト ッパ等で構成してもよい。

【００１１】 上記構成の動作を説明する。 旋盤１の運転時は、仕切板１３は仕切板固定機構１５により図２のように中央 位置に固定しておく。これにより、左側主軸２と右側主軸２の加工空間が仕切ら れた状態となり、両軸の切粉等の干渉が避けられる。 チャック爪交換時、例えば左側主軸２の主軸チャック２ａを交換するときは、 仕切板固定機構１５による仕切板１３の位置固定を解除して、図１（Ａ）に鎖線 で示すように右側主軸２寄りに回動させる。これにより、作業者が左側主軸２に 接近して主軸チャック２ａを交換するための十分な空間を確保でき、その作業を 容易に行うことができる。タレット３の取付工具を取り替えるときなどにも、前 記のように仕切板１３を回動させることにより、仕切板１３が邪魔とならずに作 業が行える。

【００１２】

【考案の効果】

この考案のセンタ仕切装置は、左右の主軸の前方空間を互いに仕切る仕切板を 回動自在とし、かつ固定解除可能な仕切板固定機構を設けたため、運転時は仕切 板を中央位置に固定して両軸の加工空間を仕切ることができ、またチャック交換 等の作業を行うときは、仕切板を回動させて主軸等へ作業者が接近する空間を確 保し、段取り替えあるいは保守作業の作業性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ）はこの考案のセンタ仕切装置を装備した
平行２軸旋盤の水平断面図、（Ｂ）はそのセンタ仕切り
装置の仕切板固定機構の要部破断側面図である。

【図２】同平行２軸旋盤の外観斜視図である。

【符号の説明】

１…平行２軸旋盤、２…主軸、８…機体カバー、９…内
カバー板、１０…加工室、１３…仕切板、１４…縦軸、
１５…仕切板固定機構

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 平行２軸旋盤において、左右の主軸の前
   方空間を互いに仕切る仕切板を設け、この仕切板を後縁
   で縦軸回りに回動自在に支持し、前記仕切板を中央位置
   で固定解除可能に位置固定する仕切板固定機構を設けた
   ２軸旋盤のセンタ仕切装置。