JPH0685234U - 連結容器 - Google Patents
連結容器Info
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- JPH0685234U JPH0685234U JP3111493U JP3111493U JPH0685234U JP H0685234 U JPH0685234 U JP H0685234U JP 3111493 U JP3111493 U JP 3111493U JP 3111493 U JP3111493 U JP 3111493U JP H0685234 U JPH0685234 U JP H0685234U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】魚介類を収納した状態で茹でることができる単
位容器を平面的に複数個一体連結した連結容器であっ
て、従来の連結容器よりも熱湯の循環効率・熱効率の
飛躍的向上を図り、もって製品の品質向上が図ること、
連結容器の連結部を切り離すにあたり、従来の最大の
欠点であった連結容器を構成している連結部の切り屑が
食料品(魚介類等)に混入するという衛生上の問題点を
完全に解消する連結容器を提供することを目的とする。 【構成】魚介類を収納した状態で茹でることができる単
位容器を平面的に複数個直列状態又は複数個並列状態に
一体成型された連結容器であって、単位容器の連結対向
辺方向に対して細い幅を有する細幅で、上下方向に延長
されてなる構造を有する連結部を単位容器の各連結対向
辺の各隙間ごとに少なくとも1以上配備した。
位容器を平面的に複数個一体連結した連結容器であっ
て、従来の連結容器よりも熱湯の循環効率・熱効率の
飛躍的向上を図り、もって製品の品質向上が図ること、
連結容器の連結部を切り離すにあたり、従来の最大の
欠点であった連結容器を構成している連結部の切り屑が
食料品(魚介類等)に混入するという衛生上の問題点を
完全に解消する連結容器を提供することを目的とする。 【構成】魚介類を収納した状態で茹でることができる単
位容器を平面的に複数個直列状態又は複数個並列状態に
一体成型された連結容器であって、単位容器の連結対向
辺方向に対して細い幅を有する細幅で、上下方向に延長
されてなる構造を有する連結部を単位容器の各連結対向
辺の各隙間ごとに少なくとも1以上配備した。
Description
【0001】
この考案は、魚介類等を適宜分量に区分けした状態で効率よく均一に茹で上げ たのち、各区分けした単位容器毎に衛生的に切り離し可能とした連結容器に関す るものである。
【0002】
一般的に、ホタルイカ、イカナゴ、じゃこ、トリガイ等の魚介類は、茹で上げ た状態で流通ルートにのせられている。従来では、一辺が30cm〜40cm程度の 大きさの木箱に魚介類を入れ、これを数段重ねて熱湯に浸漬することによって茹 で上げられていた。現在では、木箱に代えてポリプロピレンなどのプラスチック ス製容器が広く利用されているものの、その加工方法および容器自体の構造はほ とんど変わらない。
【0003】
茹で上げた魚介類を通常の流通ルートを経て一般小売する場合、少なくとも小 売の段階では適当な分量に小分けする必要性がある。従来の木箱では衛生管理 上の問題があるうえに、大量の魚介類を一度に茹であげた後に、適宜分量に小分 けする場合には、小分けする作業上手間がかかること、小分けする作業工程 において衛生上に問題が介在すること、小分け作業中に商品の品痛みが生ずる こと等々の問題があった。
【0004】 これらの問題点を解決するものとして、複数に小分け区分されたプラスチック ス製容器が利用されている。図16は、従来の一体連結成型された連結容器を示 す平面図である。つまり、従来の小分け区分されたプラスチックス製容器は、た とえば図16に示すように、適宜分量の魚介類が収納・小分けされる単位容器( B)を1行で2個〜4個平面直列状態に連結して一体成型されているもの(図1 6aの例では3個の単位容器を直列状態に連結されたものが図示されている)、 または2行で2〜4列平面並列状態に連結(合計4〜8個を連結)して一体成型 されているもの(図16bの例では6個の単位容器が2行3列に並列状態に連結 されたものが図示されている)が利用されていた。この従来の単位容器(B)の 連結方法としては、単に各単位容器を可撓性を保持させた状態で連結することの みを目的とした連結部(C)で構成されていた。つまり、可撓性を保持させるこ とを目的とするために、魚介類を入れたときに当該連結部(C)において生ずる 湾曲方向(単位容器の上下方向)に対して肉薄の連結部(C)で構成されていた 。そして、従来の当該連結部(C)は、隣接単位容器の対向する辺(向かい合う 辺.以下おなじ)の方向に対して広い幅(つまり、前記対向辺の方向に沿って広 い幅を有するもので、対向辺の長さの約30%〜90%の広い幅)を有する1個 または複数の連結部(C)で構成されていた。したがって、従来の連結部(C) は、隣接単位容器の対向辺方向の隙間長さ全体の約80〜90%を同一のプラス チックス材で塞ぐように一体連結成型された広幅の連結部(C)を有する構造の ものが採用されていた。
【0005】 そして、この従来のプラスチックス製の連結容器に魚介類を入れ、これを複数 段積み重ねて熱湯で茹でられる。その後、前記一体連結成型された薄くて広い幅 を有する連結部(C)をナイフ等の道具を使って一段ずつ各単位容器(B)ごと に切り離すことによって適宜量に小分けした状態にしていた。
【0006】 ところで、このような従来のプラスチックス製の連結容器を利用した場合、小 分け容器に移し替える手間が省け、製品の形崩れしない利点があるけれども、 魚介類を茹でる作業工程において、前記単位容器(B)の各対向辺の間に配備さ れた連結部(C)の幅が広く各単位容器間の隙間を殆ど塞ぐような構造となって いるために、熱湯等の循環効率および熱効率が悪く、そのために魚介類への加熱 温度が不均一となり、製品の仕上がり品質にバラツキが生ずるという致命的な問 題点があった。このの問題を解決するために煮沸時間を延長すれば、製品の部 分的な煮崩れ(魚介類の内蔵部等における裂傷)を起こす等々、いずれにしても 別の意味での製品品質管理上の致命的な問題があった。
【0007】 また、従来の前記連結容器を利用した場合、その製造工程・販売ルートにおい て、ナイフ等の道具を使って従来の広い幅の連結部(C)を切り離し、一体連結 成型された容器を各単位容器毎に分離させる必要がある。しかし、その切り離し 作業をするには、一段毎に前記連結部(C)を個々に切断する必要があり作業 能率が悪い点、連結対向辺の長手方向に配備された広い幅の連結部(C)に沿 ってナイフ等の刃物を移動させて切り離すこととなるので、この切断作業時に連 結部(C)の切り屑(削り屑)が単位容器(B)内に収納された食料品(茹でた 上がった魚介類)中に混入するという衛生法規規制上の問題点(特に、この問題 は数段積み重ねたプラスチックス製連結容器上で切断作業を行った場合にしばし ば現実に発生した)等々、の問題点を有するものであった。このおよびの欠 点を解消するものとして、プラスチックス製容器を各単位容器自体を互いに係合 連結と分離とを自在にできる構造となし、所定の処理作業工程の目的・内容に応 じて各単位容器を連結・分離する方式の改良容器とすることが提唱されている。 しかし、この改良容器は、生産コストが極めて高く商品容器として採算が合わな いという問題があった。
【0008】
そこで、本考案者は上記問題点を解決するために鋭意研究した結果、本考案を 完成したものである。すなわち、本考案にかかる連結容器の特徴とするところは 、『魚介類を適宜分量に区分けした状態で茹でることができる単位容器を平面的 に複数直列状態または複数並列状態に一体成型された連結容器であって、連結対 向辺方向に対して細い幅を有する細幅で,単位容器の上下方向に延長された連結 部を単位容器の各連結対向辺の各隙間ごとに少なくとも1以上配備した』ところ にある。
【0009】 本明細書においていう本願考案にかかる連結容器は、各種プラスチックスで一 体成型された連結容器であって、熱湯に浸漬して魚介類を茹で上げるのに供され るものであるから、熱湯に対してある程度の強度を保有するプラスチックスであ り、かつ金型により成型加工に適したプラスチックスであれば素材として利用で きる。本願考案にかかる連結容器に使用できるプラスチックスとしては、前記条 件を満たすものであれば良く特に制限されないけれども、たとえば、ポリプロピ レン(PP)またはポリエチレン(PE)などのプラスチックスが理想的である 。
【0010】 本明細書においていうこの考案にかかる「単位容器」とは、矩形状の底面の周 囲を立設面 (周面) 〔以下「周面」という〕で取り囲んだ容器をいう。この単位 容器は、魚介類をいれたのち数段積み重ねて熱湯に浸漬してこの魚介類を茹でる のに供されるものであるから、熱湯が魚介類に接触して均一に茹であげることが できるように、少なくとも底面には、たとえばザル状、格子状、円形状等々、そ の他の形状の多数の孔が設けられる。
【0011】 単位容器の基本的な形状は、原則として限定されない。単位容器の形状は単な る容器状の他、前記周面の上端部に鍔部を設けたものなど、どのようなものでも よい。なお、単位容器の周面の上端部に鍔部を設けた場合、当該鍔部の強度・可 撓範囲の規制をする必要があるときなどは、必要に応じて前記周面と鍔部との間 の適切な位置に補強リブを適当数配設することができる。
【0012】 単位容器の周面(立設面)は、底部方向が窄まり一方上端部(開口部)方向が 拡がるようなテーパー状の構造とするのが好ましい。その理由は、熱湯中で魚介 類を茹で上げる際、この考案にかかる連結容器を複数段積み重ねて加熱処理する のに、複数段の安定した積み重ねを容易にすることと、熱湯の対流・流通を スムーズにし、温度むらのない均一加熱を達成できるからである。また、周面を テーパを有する構造にしたのと同様の理由により(つまり、熱湯の対流・流通を スムーズにするために)、必要に応じて単位容器の周面の適切な位置に孔を適当 数配設されるのが好ましい。
【0013】 さらにまた、単位容器の周面の4つの隅部は、「アールを設けた形状」または 「平面で隅切りをした形状」とすることができる。単位容器の周面の隅部をアー ル形状または平面による隅切り形状とすることにより、後述の「均一な細幅を有 する連結部」により連結された連結容器において、その使用に際して当該連結部 を連結容器の周辺側面方向からナイフなどの道具を使用して切り離すとき連結部 付近に空間が保持できているために切離し作業が容易になり、しかも切り離し後 の当該単位容器にプラスチックスフィルムなどで上からラッピング(包装)する 際にプラスチックスフィルムが単位容器周面の隅部の角で容易に破損しないとい う利点がある。
【0014】 単位容器の周面の各隅部の内側には、その隣接周面に対して隅リブを架設する ことができる。この隅リブは、底面と2つの隣接周面とに架設固定配備される。 隅リブの形状は、原則として限定されることはなく自由に選択できる。この隅リ ブの形状は、理想的な形状として平面形状または円弧面形状(当該単位容器内部 側に突出した円柱の一部円弧面の形状)に形成されることが好ましい。この隅リ ブは、当該隅リブの上端部が単位容器周面の上端部より若干低い位置となるよう に配設される。そして、一般的にはこの隅リブの上端部により形成される架空の 面は単位容器の底面とほぼ平行となるように形成されている。この隅リブは、単 位容器内に適宜量区分された魚介類を収納する際、所定の収納体積を確保するた めのものである。すなわち、この隅リブは、単位容器内に所定量の魚介類を収納 したのち単位容器または連結容器を複数段積み重ねたとき、上段の単位容器の底 部(または単位容器の脚部)の下端が下段の単位容器の隅リブの上端部に当接し て、上下に積み重ねた単位容器相互間に所定の隙間を確保することができる。そ のために、この考案にかかる連結容器を複数段積み重ねて熱湯で茹でる際に収納 された魚介類に熱湯が均一に循環するのを確実する作用効果を奏する。さらにま た、上段の単位容器または連結容器の底面が単位容器または連結容器に収納され た魚介類に当接することにより収納された魚介類に無用の荷重を直接負荷されな いようにし、下段の容器内に収納された魚介類に底面の網目型・孔型がついたり 魚介類を圧潰するなどによる品痛み・商品価値の下落等が発生するのを防止して いる。
【0015】 この明細書においていう「連結部」とは、単位容器を平面的に複数直列状態ま たは複数並列状態に連結し一体成型する場合に用いられる当該連結用部材の構造 をいう。前記複数直列状態に連結するとは、複数個の単位容器を平面的に同方向 1列に並べて直列状態に連結された連結容器をいう。理想的な実施態様例として は、単位容器を直列状態に3個〜4個連結されたものがよく利用される。一方、 前記複数並列状態に連結するとは、原則的には、複数個の単位容器を平面的に同 方向m行、n列に並べた状態に連結された連結容器をいう。ここで、n,mはと もに2以上の正の整数をいう。理想的な実施態様例としては、単位容器を平面的 に2行2列〜2行4列(合計4個〜8個の単位容器を連結した)または平面的に 3行3列(合計9個),3行4列(合計12個)に連結したものがよく利用され る。
【0016】 本願考案の特徴とするところは、連結部の構造にある。本願考案の連結部は、 単位容器を平面的に複数直列状態または複数並列状態に連結し一体成型する場合 において、その連結部の構造が当該単位容器の各対向辺に対して細い幅を有す る細幅の連結部であり、そして当該連結部は容器の上下方向に延長され,ある 程度の高さを有する連結部であるという2点にあり、理想的には全体として当該 連結部は断面縦長形状に形成してなる構造を有することを特徴とする。
【0017】 本願考案にいう前記「細幅の連結部」とは、従来の連結容器において利用され ていた従来の「広い幅を有する連結部」、つまり単位容器の各対向辺に対して広 い幅を有し,当該対向辺沿いの隙間の長さの約80%〜90%を1または2の連 結部で占めていた従来の「各対向辺に対して広い幅を有する連結部」に対する概 念であって、前記従来の広い幅の連結部と比較してはるかに細い幅を有する連結 部をいう。本願考案で利用される「細幅の連結部」における細幅の寸法の上限お よび下限は、連結される単位容器の大きさ(単位容器の周面の各辺の長さおよび 単位容器の深さなど)により決定されるので、原則として限定されない。魚介類 を収納する単位容器で、一般的によく使用される単位容器、たとえば約20cm( 幅)×約10cm(奥行き)×約2.0cm(高さ・深さ)の大きさを有する単位容 器、を連結する場合に利用される本願考案にかかる「細幅の連結部」における当 該細幅の理想的なサイズとしては、約1mm〜約5mmの細幅、特に約2mm〜約4mm の細幅であるのが好ましい。もとより、前記「細幅の連結部」に関する理想的な 寸法の例示は、本願考案にかかる「細幅の連結部」の臨界的数値を示すものでは ないのは言うまでもないし、況して本願考案にかかる「細幅の連結部」の技術的 範囲を限定するものでもない。
【0018】 本願考案にかかる「細幅の連結部」は細幅であることの他に単位容器の上 下方向に延長された,ある程度の高さを有するので、従来の連結部のような上下 方向に肉薄の連結部の構造を有するものとは基本的にその構造を異にする。本願 考案にかかる「細幅の連結部」の細幅と上下方向の高さとの比率は、適用される 単位容器の大きさ(単位容器の周面各辺の長さおよび当該容器の深さ等)により 決定されることとなる。したがって、本願考案の「細幅の連結部」の断面形状( 連結部の細幅と縦長との比率)としては原則的には限定されないけれども、その 断面形状は縦長の各種形状とすることが好ましい。本願明細書にいう「細幅の連 結部」の断面形状において、前記断面各種縦長形状の短辺または短径が当該「細 幅の連結部」の細幅に相当し、断面縦長形状の長辺または長径が「細幅の連結部 」の縦方向(単位容器の上下方向)の長さに相当する。また、「細幅の連結部」 の断面形状における短辺側の横幅長さ(連結部の細幅)と縦長さ(連結部の縦方 向つまり上下方向の延長長さ)との比率は、前述のとおり、単位容器の大きさ, 収納される魚介類の重量等の実施態様に基づき決定されるので、原則として何ら 制限されない。理想的な実施態様例としては、前記比率つまり(細幅):(縦方 向・上下方向の延長長さ)の比率、を約1:1〜1:10に形成することができ 、なかでも約1:2〜1:7の比率が好ましい。なお、前記「細幅の連結部」の 断面形状の細幅に対する上下長の比率の例示は、臨界的数値を示すものでもなく 、況して「細幅の連結部」の技術的範囲を限定するものでもないのは言うまでも ない。
【0019】 さらにまた、本願明細書にいう「細幅の連結部の断面形状が縦長の各種形状で ある」とは、細幅に対して縦長さが長い形状をいい、その実施態様としては、た とえば連結部の断面形状が縦長の長方形状の他に、角部をアール成形された 縦長の長方形状、角部を面取りした縦長の長方形状、または縦長の楕円形状 等々、その他の断面形状として角を形成しない各種縦長形状に形成されたものが 例示できる。このように本願考案における「細幅の連結部」が上下方向に延長さ れたもの、つまり前記例示にかかる例えば断面縦長の各種形状に形成される理由 は、連結容器を構成する各単位容器に魚介類等の商品が収納されたとき、商品等 の荷重により負荷される当該連結部に対する上下方向(天地方向)の曲げモーメ ント(上凸の曲げモーメント)に対して一応耐えることができ、かつ連結容器全 体の形状を所定の歪み範囲内に止めることができるようにするためである。また 、連結部の断面形状として角を成形しない形状、たとえば縦長の楕円形状にした り、当該連結部の四稜をたとえばアールにしたり面取りをした縦長の長方形など のようにできるだけ四稜に角を形成しない各種断面形状に成形される理由は、連 結部を切り離して各単位容器に分離した後単位容器の上からプラスチックスフィ ルムなどでラッピング(包装)する際に該プラスチックスフィルム等が連結部の 切断口により破損するのを防止するためである。
【0020】 そして、本願考案にかかる「細幅の連結部」の長さは、各単位容器の対向間隔 (単位容器相互の間隔)に相当する長さである。なお、前記各単位容器間の対向 間隔(つまり本願連結部の長さ)は、連結容器の大きさなどの実施態様により決 定されるので、原則的には限定されない。魚介類を収納する単位容器で、一般的 によく使用される単位容器〔たとえば約20cm(幅)×約10cm(奥行き)×約 2.0cm(高さ・深さ)の大きさを有する単位容器.以下単に「一般的に使用さ れる単位容器」といい,その例示的寸法を示す)〕を連結する場合に利用される 本願考案にかかる「細幅の連結部」の理想的な長さとしては、約2mm〜約10mm に設定することができるけれども、特に約2mm〜約8mmに設定される場合が多い 。もとより、この「細幅の連結部」の長さについての前記例示寸法は、臨界数値 を示すものでもなく、況して「細幅の連結部」の技術的範囲を限定するものでも ないのは言うまでもない。
【0021】 本願考案にかかる「細幅の連結部」は、単位容器相互間の各対向辺の隙間に1 以上配設することができる。各対向辺の隙間に配設される「細幅の連結部」の数 は、原則として1以上であれば必要十分の条件を満たす。さらに詳細にいえば、 連結部の配設数および当該配設位置は、単位容器の大きさ,収納魚介類の種類・ 収納重量等,および連結部の構造・連結部の配設位置等により適宜決定されので 、原則として何等限定されない。一般的な実施例においては、各対向辺に介在す る隙間毎に1〜5個(好ましくは2〜3個)の連結部が配設される場合が多い。 したがって、連結容器の連結部が各単位容器相互の対向辺の隙間を塞ぐ面積が、 従来の連結部では対向辺に介在する隙間全体の約80%〜90%を占めていたの に対して、本願考案にかかる連結容器の連結部は対向辺に介在する隙間全体の高 々約1.5%〜5%(一般的には約2%〜3%止まり)に減少できる。そのため に、本願考案にかかる連結容器を複数段積み重ねて熱湯で魚介類を茹でる場合、 熱湯の循環効率および熱効率が従来の連結容器と比較して飛躍的に向上し、その ために魚介類の茹であげる工程に要する時間を大幅に短縮でき、延いては加熱条 件における熱効率が良くしかも均一に茹であがるために魚介類の最終製品の仕上 がりが良く製品の品質を高めることができるという作用効果を奏することとなる 。
【0022】 本願考案にかかる「細幅の連結部」の態様としては、「括れ部を有する連結部 」と「均一な細幅を有する連結部」とに大別して利用できる。本願明細書におい ていう「細幅で単位容器の上下方向に延長されたの連結部」とは、後に詳述する 「括れ部を有する連結部」および「均一な細幅を有する連結部」の両者を含むの はいうまでもない。なお、前記「括れを有する連結部」と「均一な細幅を有する 連結部」とではその作用・効果および使用態様において若干の相違があるので、 それぞれの連結部について分説する。
【0023】 まず、本願考案にかかる「括れ部を有する連結部」について説明する。この明 細書においていう「括れ部を有する連結部」とは、原則的には当該連結部の長さ 方向のほぼ中央部付近において当該連結部の細幅方向に括れ部を有する連結部を いう。そして、当該連結部に配設された括れ部は、原則的には連結部の細幅方向 に設けられているから、連結部の括れ部つまり連結部において最も狭い部分を形 成する狭い肉厚部分は「細幅の連結部」の上下方向(天地方向・高さ方向)に沿 って形成されることとなる。したがって、前記「細幅の連結部の括れ部における 断面形状」は、当該の短辺または短径が括れ部における肉厚(つまり、最狭の肉 厚)に形成され、当該「括れ部」の断面縦長形状の長辺又は長径が「細幅の連結 部」の断面の縦方向(上下方向・天地方向)の長辺または長径の長さ(高さ)に ほぼ等しいように成形されることとなる。なお、当該「括れ部」における上下方 向の高さを「細幅の連結部」の上下方向の高さよりも若干小さく形成されること がある。その理由は、前記「括れ部」において「細幅の連結部」が折断・切断さ れたとき折断口・切断口の上下の角が鋭利にならないようにあらかじめアール形 状または面取り形状に形成されているために「括れ部」における上下方向(縦方 向・高さ方向)の延長長さを予め若干短く形成されることがあるからである。
【0024】 そして、本願考案にかかる連結部にこの「括れ部を有する細幅の連結部」を使 用した場合、後述の理由により、当該括れ部に沿って連結部が折断・切断される ことになる。当該連結部の括れ部における最狭幅つまり括れ部の肉厚のサイズは 、当該連結部の細幅の寸法,単位容器の大きさ,収納される魚介類の重量,当該 対向辺に配設される連結部の数およびその配設位置等々によって決定されるので 、原則として限定されない。つまり、連結部に配設される「括れ部」は、連結容 器を構成する単位容器に所定量の魚介類を収納した状態における上凸方向の曲げ モーメント程度では破断・折断しないが、連結容器の連結部に対してねじりモー メントまたは下凸方向の曲げモーメントが人為的に負荷された場合、この「括れ 部」において連結部が破断・折断し、当該連結部が当該括れ部に沿って切り離さ れる程度の強度を有するように形成されている。一般的な実施例において、本願 考案にかかる連結部に配設される括れ部における最狭幅(肉厚)は、たとえば当 該連結部の細幅の約10分の7ないし約10分の1の括れ幅(最狭幅・肉厚)を 有するものが理想として利用される。したがって、前述の寸法例(たとえば、幅 約20cm×奥行き約10cm×深さ約2cm)を有する「一般的に使用される単位容 器」を連結した連結容器において利用される本願考案にかかる「括れ部を有する 連結部」の細幅方向に配設された括れ部の最狭幅(肉厚)の理想的な寸法として は、たとえば約0.2mm〜約0.8mmのものが一般的に利用される場合が多く、 特に約0.3mm〜約0.7mmの肉厚に成形されるのが好ましい。なお、この「括 れ部を有する連結部」における細幅に対する括れ部の肉厚幅の理想的比率、およ び括れ部における理想的な肉厚寸法に関する前記各数値の例示は、本願考案の臨 界的数値を示すものでもなければ、況して本願考案の技術的範囲を限定するもの でもないのは言うまでもない。
【0025】 かくして、前記「括れ部を有する細幅の連結部」により各単位容器を連結され た本願考案にかかる連結容器は、一段毎または複数段積み重ねた状態で連結容器 の連結対向辺において各連結部に対して単位容器の上下方向(天地方向)で下凸 方向の曲げモーメントを人為的に作用させるか、または一段毎の連結容器の各連 結部に対してねじりモーメントを人為的に作用させるだけで連結部が当該括れ部 に沿って極めて簡単に破断・折断されて単位容器毎に切り離すことができる。こ の「括れ部を有する連結部」によって連結された箇所は、その切り離しに際して 、ナイフなどの道具は一切不要であるという従来にはなかった作用・効果を奏す る。したがって、この「括れ部を有する連結部」により連結された連結容器は、 連結対向辺に配設された連結部の数およびその配置に関係なく、単に下凸方向の 曲げモーメントまたはねじりモーメントを負荷するだけで簡単に連結部を破断・ 折断して単位容器毎に切り離すことができる。したがって、本願考案にかかる連 結容器は、従来のように連結部をナイフ等の道具類を使用して切断される際に生 ずる切り屑(削り屑)が食料品(魚介類等)に混入するという問題点を完全に解 消できる。さらにまた、本願考案にかかる連結容器の当該括れ部における切り離 し部分は、ナイフ等を使用して切り離した鋭利な切り口とは相違して、一体成型 された連結容器の素材のプラスチックスの破断・折断によるものであるから、こ の曲げモーメントまたはねじりモーメントによるその切り離し口は鋭利なもので はない。したがって、切り離し後各単位容器にかけるプラスチックスフィルムに よるラッピング(包装)において、そのプラスチックスフィルムが連結部の折断 ・切り離し口によって破損されることは極めて少なくなるという優れた作用・効 果を奏する。
【0026】 つぎに、「均一な細幅を有する連結部」について説明する。この明細書におい ていう「均一な細幅を有する連結部」とは、前記「括れ部を有する連結部」に対 する構造であって、連結部自体の構造において前記のような括れ部を有しない均 一な細幅で構成された連結部をいう。当該「均一な細幅を有する連結部」を利用 して単位容器を連結された本願考案にかかる連結容器は、当該連結対向辺の隙間 の数%しか連結部によって塞がれないから、魚介類を茹であげる際の熱湯の循環 効率および熱効率にすぐれた連結容器を提供できる。また、この「均一な細幅を 有する連結部」に適用される細幅の寸法は、各単位容器の大きさ, 収納される魚 介類の区分重量に基づき適宜決定されるので、原則として限定されない。「均一 な細幅を有する連結部」の細幅寸法としては、理想的には約1mm〜約8mmの均一 な細幅を有する連結部が利用することができるが、前述の寸法(約20cmの幅× 約10cmの奥行き×約2cmの深さ)を有する「一般的に利用される単位容器」を 連結された実施例(つまり、イカナゴ・ホタルイカ等の魚介類を収納するのによ く利用される小売用容器を単位容器とする実施例等)においては、約2mm〜約5 mmのものが利用されることが多い。なお、この「均一な細幅を有する連結部」に おける細幅の理想的な寸法に関する前記各数値の例示は、本願考案の臨界的数値 を示すものでもなければ、況して本願考案の技術的範囲を限定するものでもない のは言うまでもない。
【0027】 この「均一な細幅を有する連結部」を適用された連結容器においては、当該「 均一な細幅を有する連結部」の配設位置に配慮を要する。つまり、この「均一な 細幅を有する連結部」の配設位置は、当該「均一な細幅を有する連結部」を当該 連結容器の側面がわからナイフ等の道具を用いて切断できるように連結容器の周 辺側面部付近の位置に配備されることが肝要である。この明細書においていう「 連結容器の周辺側面部付近の位置」とは、連結容器を複数段積み重ねた状態でナ イフ等の道具を用いて連結容器の周辺側面がわから切り離すことができる位置を いい、換言すれば単位容器の連結対向辺のおおよそ中央部付近(約2分の1の位 置)より連結容器の周辺側面寄り(外周側面寄り)の位置をいい、好ましくは連 結対向辺の約3分の1より当該連結容器の周辺側面寄り(外周側面寄り)の位置 をいう。しかも、当該「均一な細幅を有する連結部」は細幅で且つ単位容器の上 下方向に延長されてなる構造を有するので、1段または複数段積み重ねた状態で 連結容器の周辺側面がわからナイフ等の道具を用いて当該「均一な細幅を有する 連結部」を上下方向にきわめて容易に切断することができる。したがって、本願 考案にかかる連結容器の「均一な細幅を有する連結部」をナイフ等の道具類を使 用して切断した場合でも、当該連結部の切り屑などが食品類(魚介類等)中に混 入する余地は全くない。
【0028】 この「均一な細幅を有する連結部の配設位置が当該連結容器の周辺側面部付近 に配設すること」の理由について更に詳細に述べる。前述のように「括れ部を有 する連結部」は、連結容器の1段または複数段積み重ねた状態で「括れ部を有す る連結部」に対して下凸方向の曲げモーメントまたはねじりモーメントを人為的 に作用させたとき、当該連結部は括れ部の位置で簡単に破断・折断・単位容器の 切り離しができ、ナイフ等の道具を使用する必要がなかった。これに対して、「 均一な細幅を有する連結部」は、このような括れ部が設けられていないので、そ の連結状態は強固に維持し得るものであり、前記「括れ部を有する連結部」のよ うに曲げモーメント又はねじりモーメントを人為的に作用させただけで簡単に破 断・折断および単位容器の切り離しができない。つまり、「均一な細幅を有する 連結部」の切り離しには、ナイフ等の道具類が必要となる。しかも、本願考案の 一つの目的である「連結部の切り屑が魚介類等の商品中に混入するのを防止する こと」を達成するために、本願考案にかかる連結容器を複数段積み重ねた状態で 、ナイフ等の道具を用いて連結容器の周辺側面がわから連結部を切断することと なる。そのためには、「均一な細幅を有する連結部」の配設位置を単位容器の連 結対向辺の中央部付近(連結対向辺の約2分の1)より連結容器の周辺側面寄り (外周側面寄り)の位置に配備し、均一幅の連結部の切断をより一層容易にする ことが好ましい。もとより、「均一な細幅を有する連結部」の配設位置は、連結 容器の周辺側面寄りに近い程、連結部の切断作業が容易になるのはいうまでもな い。
【0029】 さらにまた、前記「括れ部を有する連結部」および前記「均一な細幅を有する 連結部」を適宜組合せて利用することにより、より一層合目的的な連結容器を提 供することができる。つまり、下凸方向の曲げモーメントまたはねじりモーメン トを人為的に負荷するだけで破断・折断および単位容器の切り離しが簡単な「括 れ部を有する連結部」と、小数の連結部で連結状態を強固に保持でき且つ連結容 器の周辺側面がわよりナイフ等の道具を用いて容易に切り離すことができる「均 一な細幅を有する連結部」とを組み合わせて利用し、それぞれの特性を活かして 適宜それぞれの連結部を適所に配備することにより使用目的に最も適した連結容 器を提供することができる。
【0030】
以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて詳細に説明する。なお、本考案は 、これらの実施例により何等制限されないのはいうまでもない。
【0031】 図1は、本考案にかかるプラスチックス製(ポリプロピレン製またはポリエチ レン製)連結容器(1)の一実施例(第1実施例)の平面図を示すもので、3つ の単位容器(2)を「括れ部を有する細幅の連結部」のみを用いて平面的直列状 態に連結されたものが図示されている。図2は、図1におけるA−A線断面図を 示す。図3は、図1におけるB−B線断面図を示す。
【0032】 単位容器(2)は、底面(3)の周囲を底面側が窄まり上方側が拡がるような テーパーを有する立設面(周面)(4)(以下「周面(4)」という)で取り囲 んで容器を形成されている。この実施例の単位容器(2)の周面(4)の上端部 の全周には外側水平方向さらに周面(4)の約2分の1程の高さまで下がり、か つ若干外側開きのテーパーを有する鍔部(5)が配備されているものが図示され ている。そして、単位容器(2)の周面(4)および鍔部(5)の四つの周面隅 部(6)はアールに形成されているものが図示されている。また、この実施例の 単位容器(2)の底面(3)は平面に形成されており、その適当な位置に魚介類 をこの単位容器(2)に収納したのち、熱湯で茹であげる際に熱湯の流通を図る ための底面湯流通孔(7)が適当数配設されている。さらにまた、単位容器(2 )の底面(3)の表裏には適当な強度を保持させるために、適当な位置に補強リ ブ(8)が配設されている。図1中、この補強リブ(8)を表示するにあたり、 底面(3)より表側(底面より手前側、つまり単位容器内側)に配設された補強 リブ(8)を実線で表示し、底面(3)の裏側(底面の向う側、つまり単位容器 の外側)に配設された補強リブ(8)は破線で表示した。そして、単位容器(2 )の四つの周面隅部(6)の内部側には、平面形状の隅リブ(9)が底面(3) と隣接する2つの周面(4)とに架設固定配備される。この隅リブ(9)は、隅 リブ(9)の上端部が周面(4)の上端部より僅かに下位となるように形成され ており、本願考案にかかる連結容器(1)または単位容器(2)が上下方向(天 地方向)に複数段積み重ねられた場合、下段の連結容器(1)または単位容器( 2)の隅リブ(9)の上端部に、上段の連結容器(1)または単位容器(2)の 底部(3)の下端部が当接し、下段側の各単位容器(2)内に所定の空間を保持 できるようになる。この保持される所定の空間は、魚介類を熱湯で茹で上げる際 においては熱湯の循環効率・熱効率を良くして魚介類への均一加熱・茹で上げ時 間の短縮を実現し、もって製品の品質向上・安定化を可能にする。図1に図示さ れた単位容器(2)は、一般的には「ホタルイカ」を収納・販売する容器として 利用される場合が多いが、「ホタルイカ」に限定されることなく「ジャコ」・「 トリガイ」等々、その他の魚介類用の容器として利用できるのは言うまでもない 。
【0033】 図1に示された一実施例(第1実施例)において、本願考案にかかる連結容器 は(1)は、上記のように構成された単位容器(2)が「括れ部を有する細幅の 連結部(10)」により平面的直列状態に3つ連結されている。この第1実施例に おける「括れ部を有する細幅の連結部(10)」は、単位容器の対向辺に対して 細い幅を有する細幅の連結部で,単位容器の上下方向に延長されてなる構造を 有している。そして、当該「括れ部を有する細幅の連結部(10)」の断面形状は 、各種縦長形状(たとえば、角がアールに形成された縦長の長方形の形状)で、 当該連結部(10)の中央部付近において細幅方向に括れ部を有する連結部である 。この第1実施例にかかる単位容器の大きさとしては、「一般的に使用される単 位容器」の寸法〔たとえば、幅:約20cm×奥行:約10cm×深さ:約2cm〕を 有しており、この第1実施例における連結部の細幅の寸法は約3mm〜5mmで、当 該連結部(11)の上下方向に延長された高さが約8mm〜10mmである。そして、 括れ部における最狭幅は約0.3mm 〜0.5mm の肉厚に形成され、前記括れ部におけ る寸法例としては、その括れ部における断面形状が当該角部をアールに成形され た上下方向に長い辺を有する縦長の長方形で、この縦長の長方形の長辺の寸法は 連結部とほぼ同一若しくは若干小さい縦長寸法(約7〜8mm)を有し、短辺の寸 法は前記括れ幅の最狭肉厚(約0.3mm〜0.5mm)を有している。当該「括れ 部を有する細幅の連結部(10)」の長さは単位容器(2)の対向辺の隙間(約5 mm〜8mm)と同じに形成されている。図1の実施例においては、各単位容器(2 )の連結対向辺の各隙間には、2つの「括れ部を有する細幅の連結部(10)」が 前記連結対向辺の各隙間の両端部付近において配設され、一体成型・連結されて いるのが図示されているけれども、その理由は、2つの連結部(10)を当該対向 辺の各隙間の両端部付近に配設される場合が一体成型するに際して強度的にもバ ランス的にも最も安全で且つ安定している為である。
【0034】 ところで、今仮に、連結容器を一体成型するに際して、m行×n列(m,nは 2以上の正の整数)の平面的並列状態に複数個の単位容器(2)を連結すると仮 定した場合、条件次第では各単位容器(2)の連結対向辺の各隙間毎に少なくと も1つの「括れ部を有する細幅の連結部(10)」を配備するだけで十分である。 この各連結対向辺の隙間に配設される「括れ部を有する細幅の連結部(10)」の 数および配設位置は、各実施例に応じて適宜決定され、原則的には特に制限され ることはない。また、図1の第1実施例におていは、3つの単位容器(2)を直 列状態に連結一体成型したものが図示されているが、一般的には単位容器(2) を複数個(任意の数)を直列状態に連結一体成型することができるのはいうまで もない。
【0035】 図1、図2および図3において図示されるように、周面(4)と鍔部(5)と の間に鍔部補強リブ(11)を適当な位置に配設することができる。この鍔部補強 リブ(11)は、たとえば図1において周面(4)の外側で鍔部(5)の内側に相 当する位置に点線で図示されているように、その配設位置は単位容器(2)が「 括れ部を有する細幅の連結部(10)」によって連結されて連結容器(1)を構成 したとき、連結容器(1)として安定した強度を保有させるための適切な位置に 配設される。特に、「括れ部を有する連結部(10)」による安定した連結を達成 するために、周面(4)と鍔部(5)との間に設ける補強リブ(11)は前記「括 れ部を有する細幅連結部(10)」の配設位置と一致する位置またはそれに近い位 置に配設するのが好ましい。その理由は、前述のように連結容器(1)における 連結部(11)の安定性および強度を確保することに加えて、連結容器(1)の前 記連結部(11)において下凸方向の曲げモーメントまたはねじりモーメントを人 為的に作用させて連結部(11)をその括れ部に沿って破断・折断して単位容器毎 に切り離しをする際、鍔部(5)が有する可撓性のために当該連結部(11)の破 断・折断・切り離しがスムーズにできなくなるのを回避するためでもある。
【0036】 また、連結容器(1)の連結対向辺における各単位容器(2)の適当な対向位 置において、原則として1または複数(好ましくは2またはそれ以上)の当接リ ブ(12)が必要に応じて配設することができる。この当接リブ(12)は、連結容 器(1)の連結部において所定量以上の上凸方向の曲げ歪みが生じて連結部(11 )が破断・切断するのを防止するために配設されたものであって、各単位容器( 2)の対向辺の周面(4)の外側で互いに対向する適当な位置において前記鍔部 補強リブ(11)の幅よりも若干厚幅に形成される。そして、単位容器(2)に収 納された魚介類の荷重その他の負荷によって、連結容器(1)の連結部において 生じた曲げ歪みが所定量以上になったとき、この対向する当接リブ(12)が互い に当接することにより、「括れ部を有する連結部(10)」が破断・折断するのを 防止することを目的とする。すなわち、前記当接リブ(12)は、連結容器(1) の各単位容器(2)内に魚介類等が収納されたとき、その荷重のために連結容器 (1)の全体が上凸方向に曲げモーメント(+M)が作用し所定量以上の上凸方 向の歪みが生じ、そのために「括れ部を有する細幅の連結部(10)」の括れ部に おいて連結部(10)が破断・折断し、単位容器(2)内に収納された魚介類等の 商品がこぼれ落ちるという不測の事故を防止するための保護リブであって、一般 的には単位容器(2)の連結対向辺の中央部に対して対称の位置に配設されるの が最も好ましい。図4および図5の図示例は、連結対応辺の周面(4)に配設さ れた当接リブ(12)を示す部分断面拡大側面図である。図4は単位容器(2)の 周面(4)の上方部に鍔部(5)が配備されていない場合の当接リブ(12)の実 施例を示し、図5は単位容器(2)の周面(4)の上方部に鍔部(5)が配備さ れている場合の当接リブ(12)の実施例をそれぞれ示している。図4および図5 において二点鎖線で図示されているのは「括れ部を有する細幅の連結部(10)」 および当該連結部(10)に対応して配備された補強リブ(11)を図示するもので ある。なお、この当接リブ(12)は、「均一な細幅を有する連結部(14)」を利 用して単位容器(2)を連結する場合においても必要に応じて配設されるのはい うまでもない。
【0037】 図6は、鍔部(5)を有する各単位容器(2)を連結した連結容器(1)の前 記「括れ部を有する細幅の連結部(10)」において作用する各種応力と前記当接 リブ(12)の作用効果との関係を説明する部分拡大説明図であって、単位容器( 2)の連結部(10)における部分拡大側面図を示す。図6(A)は、本願考案に かかる連結容器(1)であって、単位容器(2)内に魚介類等を収納しない空の 状態(通常の状態)または平面の台の上に静置されているときの状態で連結部( 10)に如何なる曲げモーメント等が負荷されていない正常な状態を示す側面図で ある。図6(B)は、たとえば、本願考案にかかる連結容器(1)の単位容器( 2)内に魚介類等が収納され一方の端で支えられたときの状態を示す側面図であ る。この図6(B)の図示例では、当該連結容器(1)に単位容器(2)内に魚 介類等を収納された場合、収納された魚介類等の重量により連結容器(1)の連 結部(10)に対して上凸方向の曲げモーメント(+M)が作用し、前記上凸の曲 げモーメント(+M)に基づく所定の曲げ歪みが生じたとき、当接リブ(12)が 互いに当接して連結部(10)が折断・折断されるのを防止している状態を示して いる。図6(C)の図示例は、本願考案にかかる連結容器(1)であって,「括 れ部を有する細幅の連結部(10)」を用いて単位容器(2)を連結した場合、当 該連結部(10)に対して下凸方向の曲げモーメント(−M)を人為的に作用させ たとき、前記連結部(10)が下凸方向の曲げモーメント(−M)に抗しきれずに 当該連結部(10)の細幅方向に設けられた括れ部に沿って破断・折断されていく 状態を説明・図示したものである。
【0038】 さらにまた、図2および図3に示すように、周面(4)の適当な位置には、底 面(3)と同様に、周面湯流通孔(13)が配設され、底面(3)に配設した底面 湯流通孔(7)と当該周面湯流通孔(13)との相乗作用に基づき、熱湯の循環効 率・熱効率を向上させ、熱湯による魚介類の茹で上げ工程における作業時間の短 縮を図り、もって仕上がり製品の品質向上を図ることができる。
【0039】 このようにして、「括れ部を有する細幅の連結部(10)」のみを用いて単位容 器(2)を連結された本願考案の第1実施例にかかる連結容器(1)は、各単位 容器(2)内に所定量の魚介類を収納したのち複数段積み重ねた状態で熱湯につ けて魚介類を茹であげる場合、本願考案にかかる連結容器(1)は「括れ部を有 する細幅の連結部(10)」で単位容器(2)を連結したために、単位容器(2) の対向辺における隙間の約1〜2%しか塞がないので、従来のように対向辺にお ける隙間の約80〜90%を塞ぐ広い幅の連結部(C)を有する従来の連結容器 を使用した場合と比較して、極めて熱湯の循環効率および熱効率の良い状態で短 時間で品質のよい製品を得ることができる。そして、本願第1実施例にかかる連 結容器(1)を各単位容器(2)毎に切り離しする場合には、本願考案にかかる 連結容器(1)は「括れ部を有する細幅の連結部(10)」のみにより単位容器( 2)を連結されているから、一段毎または複数段ごと連結部(11)に下凸方向の 曲げモーメント(−M)を人為的に負荷するだけで簡単に連結部(11)はその括 れ部において破断・折断できる。また、連結部(11)の括れ部の肉厚が薄いので 、各連結部(11)に対してねじりモーメントを人為的に負荷するだけで、当該括 れ部において連結部が簡単に破断・折断され、単位容器(2)に切り離しができ る。よって、本願考案にかかる連結容器は、従来の広幅の連結部(C)で連結し た連結容器の場合のように、連結部(C)をナイフ等の道具で切断した際に生ず る切り屑(削り屑)等が食品の魚介類中に混入するという衛生法規上の問題が発 生する余地がなく、極めて衛生的であるという本願考案の目的を達成できる。し かも、連結部(11)の折断・切り離し部はナイフ等の道具を使用して切断したも のと比較して鋭利ではないので、プラスチックスフィルム等によりラッピング( 包装)する際においても当該プラスチックスフィルムを破損するという欠点はな い。
【0040】 なお、この図1〜図3において例示した前記第1実施例は平面的1列直列状態 に連結された連結容器(1)を示すものであるけれども、「括れ部を有する細幅 の連結部(10)」のみを用いて単位容器(2)を連結されている連結容器(1) として、平面的にm行n列(m,nは2以上の任意の正の整数を表す)の並列状 態に連結容器(1)を提供できる。しかも、この並列状態に連結された連結容器 (1)においても、前記第1実施例における効果、つまり、熱湯の循環効率・ 熱効率が従来の連結容器よりも格段に優れている点、ナイフ等の道具を使用す ることなく連結部に対して下凸方向の曲げモーメント(−M)またはねじりモー メントを加えるだけで、「括れ部を有する連結部(10)」の括れ部において簡単 に破断・折断および単位容器(2)毎の切り離しが容易にでき、従来のように商 品の魚介類等の中に食物以外の連結部(プラスチックス)の切り屑が混入する事 故もなく安全且つ衛生的であり、しかも折断部はプラスチックスフィルム等に よるラッピング(包装)においてもプラスチックスフィルムが容器に破れないと いう優れた作用・効果を共に有している。
【0041】 図7は、本願考案に利用できる細幅の連結部の実施例を示す拡大平面図である 。図7中、(A)〜(E)は「括れ部を有する細幅の連結部(10)」の実施例の 拡大平面図であり、(F)は後述の「均一幅を有する連結部(14)の拡大平面図 である。
【0042】 図7(A)は、細幅の連結部のほぼ中央部に均一幅の切込み状態の括れ部を有 する連結部(10)の実施例を示す。このタイプの連結部(10)は、折断・分離後 の切り口の角部が鋭利となるので、プラスチックスフィルム等によるラッピング (包装)時にフィルムを破損する事故が生ずることが考えられる。そのような事 故を回避するために、破断・折断・切り離し後の連結部(10)の切り口つまり切 込み状態の括れ部の各角部を、たとえば面取りをしたり, アール形状にするのが 好ましい。図7(B)は、細幅の連結部のほぼ中央部にV字形状の切込み状態の 括れ部を有する連結部(10)を示す。このタイプの連結部(10)は、破断・折断 ・切り離し後の切り口の角部がそれ程鋭利ではないので、前記図7(A)の場合 のような切り口の角部の面取り,アール成形は必ずしも必要ではない。図7(C )は、図示したように、中央付近に配備された括れ部は円筒形状のものが接する ように形成され,一方単位容器に連結している側は角部を面取りまたはアール形 状にした形成した角柱形状に形成されてなる「括れ部を有する連結部(10)」で ある。このタイプの連結部(10)は、その折断・切り離し後はプラスチックスフ ィルム等によるラッピング(包装)に適している。図7(D)は、図示したよう に、単位容器(2)との連結点より直ちに括れ部を形成し、その中央部付近にお いて全体的に大きな括れ部を有する連結部(10)であって、全体として2つの三 角柱の形状を中央部付近で接続した形状を有する連結部(10)である。図7(E )は、図示したように、その中央部付近において二つの半円筒形状のものを接続 したような括れ部を有する連結部(10)である。前記図7(D)および図7(E )タイプの連結部(10)は、いずれも連結部(10)の強度において優れ、しかも その破断・折断・分離後はプラスチックスフィルム等によるラッピング(包装) に適している。また、図7(F)は、後述の「均一な細幅を有する細幅の連結部 (14)の拡大平面図である。
【0043】 図8は、本願考案にかかる連結容器(1)の他の実施例(第2実施例)の平面 図を示すもので、4つの単位容器(2)を「均一な細幅を有する連結部(14)」 のみで平面的2行2列の並列状態に連結されたものが図示されている。図9は図 8におけるC−C線断面図を示し、図10は図8におけるD−D線断面図を示す 。
【0044】 本願考案にかかる第2実施例の連結容器(1)と第1実施例にかかる連結容器 (1)との基本的な相違点は、各単位容器(2)を連結する連結部が第1実施 例では「括れ部を有する細幅の連結部(10)」のみを使用して連結しているのに 対して、第2実施例にでは「均一な細幅を有する連結部(14)」のみを使用して 連結している点にある。なお、第2実施例において、図8中、底面(3)の構造 が格子形状に図示されているのは、各単位容器(2)の底面(3)の配設された 矩形状の多数の底面湯流通孔(7)が格子状に形成されていることを示すもので あって、底面湯流通孔(7)の構造が若干相違することを示しているだけで、第 1実施例の底面(3)に配設された底面湯流通孔(7)と第2実施例の底面(3 )に配設された底面湯流通孔(7)とでは、その湯流通効率・熱効率において若 干の相違は認められるけれども、その構造の本質上およびその作用効果において 基本的な相違はない。したがって、第2実施例における各構造のうち構造および 作用・効果上重複するものについては、第1実施例の記号等をそのまま付するこ とにより各構造の詳細な説明に代える。
【0045】 図8、図9および図10において、それぞれを構成する各記号および名称はつ ぎのとおりである。(1)は連結容器、(2)は単位容器、(3)は底面であり 、当該底面(3)の構造は縦横に配設された細いリブにより格子状の平面を形成 されており、したがって当該底面(3)には矩形状の底面湯流通孔(7)が多数 配設されている。なお、図8において、底面(3)の格子構造および後記補強リ ブ(8)を二重線による格子形状ではなく1本の実線による格子形状として表示 した。(4)は周面で、周面(4)は底面(3)の周囲から配設された立設面で あり、前記底面(3)および周面(4)により単位容器(2)を構成している。 (5)は鍔部であって、周面(4)の上方部に必要に応じて配設され単位容器( 2)の美観および単位容器の周面の強度を高めている。また、単位容器(2)の 周面隅部(6)は、第1実施例と同様に、アール形状に形成されている。底面( 3)には適宜必要に応じてその強度を高め、美観を整えるために底面補強リブ( 8)が配設されている。各単位容器(2)の容器内側の各四隅には互いに隣接す る2つの周面(4)と底面(3)とを架設固定する平面形状の隅リブ(9)が配 設されている。この隅リブ(9)の上端部は、周面(4)の上端部より若干低く 形成されている。そして、この隅リブ(9)は、単位容器(2)内に所定の収納 体積を確保するとともに、単位容器(2)または連結容器(1)を複数段積み重 ねたとき上段の単位容器(2)または連結容器(1)の底部(3)の下端部が四 隅の当該隅リブ(9)の上端部に当接して、各単位容器(2)内に収納された魚 介類等に上段の単位容器(2)の底部が当接して収納された魚介類等に上からの 荷重が直接負荷されて製品等が損傷するのを防止する。さらにまた、この隅リブ (9)により、単位容器(2)内および単位容器(2)相互間の間隔を確保する ことにより、熱湯で魚介類等を茹で上げる工程において湯の循環効率および熱効 率を高める作用・効果を有する。
【0046】 (11)は補強リブであって、周面(4)と鍔部(5)との間に配備され、鍔部 (5)および連結部(14)等の安定を図っている。また、(12)は当接リブであ って、単位容器(2)の対向辺の互いに対向する位置に配備され、収納された魚 介類等により連結容器(1)の連結部(14)において魚介類等の重量により上凸 方向の曲げ歪みを生じたとき、当該当接リブ(12)が互いに当接することにより 、連結部(14)における曲げ歪みが所定の量以上になるのを防止し、特に「括れ 部を有する連結部(10)が破断・折断・切断するのを防止し、もって連結容器( 1)内に収納された魚介類等の商品が不測の事故で溢出・散逸するのを防止する ために配備されたリブである。(13)は周面(4)の適当な位置に適当な大きさ に配設された周面湯流通孔であり、この周面湯流通孔(13)および底面(3)に 配設された格子状のリブおよび多数の矩形状の底面湯流通孔(7)並びに隅リブ (9)の構造に基づき魚介類等を熱湯で茹でる際の熱湯循環効率・熱効率の向上 を図り、ひいては魚介類等を茹でる工程の所要時間の短縮化、および仕上がり製 品の品質の向上を図るという作用・効果を有する。
【0047】 第2実施例において、4つの単位容器(2)は4つの「均一な細幅を有する連 結部(14)」により2行2列つまり並列状態に連結された連結容器(1)が例示 されている。この第2実施例における特徴とするところは、「均一な細幅を有す る連結部(14)」が当該連結容器(1)の側面がわからナイフ等の道具類を使用 して切断できるように連結容器(1)の周辺側面部付近の位置に配備される点に ある。ここにいう『「均一な細幅を有する連結部(14)」が連結容器(1)の当 該連結容器の側面がわから切断できるように連結容器(1)の周辺側面部付近の 位置に配備される』とは、具体的には、前記「均一な細幅を有する連結部(14) 」が原則として各単位容器(2)の連結対向辺の中央位置(対向辺の2分の1の 位置)よりも周辺側面に近い位置に配設されていることをいう。特に、「均一な 細幅を有する連結部(14)」が前記連結対向辺の外側寄り3分の1の位置より周 辺側面に近い位置に配設されるのが好ましい。さらには、図8に図示されている ように、「均一な細幅を有する連結部(14)」は可能な限り連結容器(1)の周 辺側面部に近い位置に配設されるのが最適である。殊に、単位容器(2)の四つ の周面隅部(6)をアール形状または隅切形状とした場合、単位容器(2)の対 向する辺が互いに最短距離になる位置であって連結容器(1)の外周辺側面に近 い位置(つまり、図8の図示例における連結部(14)の位置)が最適である。な ぜなら、図8の図示例における連結部(14)の配設位置よりもさらに外周辺側面 寄りの位置に「均一な細幅を有する連結部(14)」を配設した場合、連結容器( 1)の側面側から当該連結部(14)をナイフ等の道具を折断する作業はさらに容 易にはなるが、切断後の連結部(14)は単位容器(2)の周面隅部(6)におい て切り端を残すこととなり、切断後の単位容器(2)にプラスチックスフィルム 等によりラッピング(包装)する場合、プラスチックスフィルム等を破損し易い という欠点を含むこととなるからである。したがって、単位容器(2)の対向辺 の最小隙間を有する位置であって、しかも連結容器(1)の周辺側面がわにでき るだけ近い位置に「均一な細幅を有する連結部(14)」を配備するのが好ましい 。
【0048】 かくして、第2実施例にかかる連結容器(1)は、複数段積み重ねた状態また は1段毎に連結容器(1)の周辺側面がわからナイフ等の道具を使用して「均一 な細幅を有する連結部(14)」を切断することにより各単位容器(2)を個別に 切り離しすることができる。図11は、本願考案の第2実施例にかかる連結容器 (1)を5段積み重ねて台の上に置き、連結容器(1)の外周辺側面がわからナ イフ等の道具類を使用して「均一な細幅を有する連結部(14)」を切断する場合 の状態を説明する部分拡大側面図である。図11にも図示されるように、複数段 積み重ねられた本願連結容器(1)の「均一な細幅の連結部(14)は、上下方向 (天地方向)に並んで配置されることになるから、図11において太い矢印で示 す方向(上から下の方向に沿って)ナイフ等の道具類を使用して連結容器(1) の周辺側面がわから前記連結部(14)を容易に切断することができる。この場合 、連結部(14)は細幅で上下方向(天地方向)に延長されてなる構造であるか ら, 殆ど一度の切断操作により連結部(14)が切断でき切り屑・削り屑が生じな いこと、たとえ、切り屑(削り屑)が生じたとしても、従来のように魚介類が 収納されている上で切断しないから、魚介類等の食物中に切り屑(削り屑)が混 入するおそれはなく、衛生上の問題が生じないこと、等々優れた利点を有する。
【0049】 さらにまた、前記「括れ部を有する細幅の連結部(10)」および「均一な細幅 を有する連結部(14)」の2種類の連結部を利用して前述と同一の作用・効果を 実現できる連結容器(1)を提供できる。たとえば、第2実施例において、4つ の単位容器(2)が互いに接近している位置(たとえば、図8で点線の○印で示 した位置)等において前記「括れ部を有する細幅の連結部(10)」を併設するこ とができる。このような実施例においては、「均一な細幅を有する連結部(14) 」が有する強固な連結と、「括れ部を有する細幅の連結部(10)」が有するナイ フ等の道具類を必要としない破断・折断・単位容器ごとの切り離しが可能という 両方の利点を兼ね備えた連結容器(1)を提供することができることとなる。
【0050】 図12は、本願考案に適用できる単位容器(2)の特徴的な輪郭例を示す平面 図である。図12(A)は、矩形状の単位容器(2)であって,その周面の四隅 が角張って形成されたものが例示されている。この図12(A)型の単位容器( 2)はプラスチックスフィルム等でラッピング(包装)する際にプラスチックス フィルムが矩形状の単位容器の角で破損する場合があるので、その取扱いに注意 を要する。図12(B)は第1実施例および第2実施例において例示した周面の 四隅をアールの形状に形成されたものが例示されている。この図12(B)型の ものは、プラスチックスフィルム等によるラッピング(包装)に対しても安定し ており極めて好ましい型である。図12(C)は、単位容器(2)の周面の四隅 を平面で面取りを施したものであって、図12(A)型の単位容器(2)の弱点 であるプラスチックスフィルム等によるラッピング(包装)にも十分対応できる 改良型である。なお、前記単位容器(2)の各種型すなわち図12(A),図1 2(B),図12(C)のうち、図12(B)および図12(C)型の各単位容 器(2)は「均一な細幅を有する連結部(14)」を用いて各単位容器(2)を連 結する場合、連結容器(1)の周辺側面がわからナイフ等の道具類によって前記 連結部(14)を切断する作業がし易くなるので好適である。
【0051】 図13は、「均一な細幅を有する連結部(14)」のみを利用して1列直列状態 に単位容器を3個(尚、3個に限らず幾つでも連結できる)連結された連結容器 (1)の他の実施例(第3実施例)を示す平面図である。
【0052】 図14は、「均一な細幅を有する連結部(14)」のみを使用して単位容器を2 行3列並列状態に合計6個〔尚、6個に限らず偶数個の幾つでも連結できる.た とえば、2行n列(nは2以上の正の整数)の合計2n個〕を連結された連結容 器(1)の他の実施例(第4実施例)を例示する平面図である。
【0053】 図15は、「均一な細幅を有する連結部(14)」のみを利用して平面的に3行 6列並列状態に単位容器を合計18個(尚、18個に限らず幾つでも連結できる .)連結された連結容器(1)の他の実施例(第5実施例)の連結容器(1)を 示す平面図である。この種類の第5実施例のように、3行以上の一般にm行n列 の並列状態に連結された連結容器(1)を提供する場合は、前記第3実施例およ び第4実施例の何れか一方または両方の1または複数を適宜組合せて任意の並列 状態に連結された連結容器(1)を提供することができる。ちなみに、図15に おいて、連結部(14)のうちおよびで表示された各連結部(14)をその数字 の若い順序に切断すれば、つまりの連結部(14)をナイフ等で切断した後, の連結部(14)を切断すれば、この図15にかかる第5実施例は、図13にかか る第3実施例(2組)および図14にかかる第4実施例(2組)にそれぞれ分割 されることを示唆している。
【0054】 なお、前記第3実施例において述べたとおり、第4実施例および第5実施例に おいて、互いに連結されていない隣り合う単位容器(2)の対向辺の適当な位置 に前記「括れ部を有する細幅の連結部(10)」を適当数配設することができるの は、言うまでもない。このように、本願考案にかかる2種類の連結部〔つまり「 括れ部を有する連結部(10)」および「均一な細幅を有する連結部(14)」〕を 適宜配設することにより、合目的的な強度を有する連結容器(1)を自在に提供 することができる。
【0055】
従来の連結容器の連結部が単位容器の連結対向辺の隙間の約80%〜90% を塞ぐ状態で連結されていたのに対して、本願考案にかかる連結容器の連結部は 、単位容器の連結対向辺に対して細幅で,単位容器の上下方向に延長されて成る 構造を有する連結部で構成されているから、互いに連結される単位容器の対向隙 間を塞ぐ面積が高々1.5%〜5%に大幅に激減させることができる。そのため に、本願考案にかかる連結容器に魚介類等を収納して熱湯で茹であげるのに際し て、湯の循環効率および熱効率が飛躍的に向上し、魚介類の加熱時間を短縮でき 、製品の品質を飛躍的に高めることができた。
【0056】 本願考案にかかる連結容器(1)において、「括れ部を有する細幅の連結部 (10)」の少なくとも1以上、つまり1または複数、を単位容器の各連結対向辺 毎に配設することにより単位容器を連結した場合、本願考案にかかる「括れ部を 有する連結部(10)」は複数段重ね合わせた状態または1段毎の状態で前記連結 部(10)に対して下凸方向の曲げモーメント(−M)またはねじりモーメントを 人為的に作用させると、簡単に連結部(10)に設けた括れ部において破断・折断 および単位容器(2)ごとに切り離すことができる。したがって、従来のように 連結部を切断するためのナイフ等の道具類は不要であり、しかも従来のようなナ イフ等の道具類による連結部の切り屑(削り屑)が食物中つまり「単位容器に収 納された魚介類等」中に混入することがなく、極めて衛生的である。 なお、本願考案にかかる連結容器には、単位容器の対向辺の対向位置に当接リ ブ(12)を配設したから、収納された魚介類の重量・その他の要因による荷重に より連結容器の連結部付近に対して過剰の負荷がかかっても、前記当接リブ(12 )が互いに当接することで連結部付近における曲げ歪みが所定量以内におさまる ので、連結部(10)・連結部(14)の破断を回避でき、延いては収納された魚介 類が溢出・散逸する事故を防止することができる。
【0057】 本願考案にかかる連結容器(1)おいて、「均一な細幅を有する連結部(14 )」により単位容器を連結した場合、当該連結部(14)は連結容器の側面がわか ら切断できるように連結容器の外周辺側面部付近の位置に配備したこと、しかも 細幅で上下方向に延長されてなる構造を有するから、当該連結部(14)を切断す る際には複数段積み重ねた状態で連結容器の外周側面がわからナイフ等の道具類 を使用して簡単に切断できる。そのために、従来の連結容器でしばしば生じてい た「連結部の削り屑が食物の魚介類中に混入する」という衛生上の問題を完全に 解消することができ、極めて衛生的な連結容器を提供することができた。
【0058】 以上のように、本願考案は、前記〜等々のような、考案の目的を達成する 卓越した効果を奏する。
【0059】
【図1】本願考案にかかる第1実施例の平面図。
【図2】図1におけるA−A線拡大断面図。
【図3】図1におけるB−B線拡大断面図。
【図4】周面に鍔部を有しない単位容器に配備された当
接リブを示す部分断面拡大側面図。
接リブを示す部分断面拡大側面図。
【図5】周面に鍔部を有する単位容器に配備された当接
リブを示す部分断面拡大側面図。
リブを示す部分断面拡大側面図。
【図6】単位容器を連結した「括れ部を有する細幅の連
結部」において作用する各種応力と、当接リブの作用効
果との関係を説明する単位容器の連結部付近における部
分拡大側面図。
結部」において作用する各種応力と、当接リブの作用効
果との関係を説明する単位容器の連結部付近における部
分拡大側面図。
【図7】本願考案に利用される細幅の連結部の各種実施
例の拡大平面図。
例の拡大平面図。
【図8】本願考案にかかる他の実施例(第2実施例)の
平面図。
平面図。
【図9】図8におけるC−C線断面図。
【図10】図8におけるD−D線拡大断面図。
【図11】本願考案にかかる第2実施例の「均一な細幅
を有する連結部」を有する連結容器を複数段重ね合わせ
た状態で連結容器の側面がわからナイフ等で切断する場
合を説明する部分拡大側面図。
を有する連結部」を有する連結容器を複数段重ね合わせ
た状態で連結容器の側面がわからナイフ等で切断する場
合を説明する部分拡大側面図。
【図12】本願考案に利用できる単位容器の特徴的な輪
郭例を示す平面図。
郭例を示す平面図。
【図13】本願考案にかかる他の実施例(第3実施例)
の平面図。
の平面図。
【図14】本願考案にかかる他の実施例(第4実施例)
の平面図。
の平面図。
【図15】本願考案にかかる他の実施例(第5実施例)
の平面図。
の平面図。
【図16】従来の連結容器を示す平面図。
【0053】
1 連結容器 2 単位容器 3 底面 4 周面(立設面) 5 鍔部 6 周面隅部 7 底面湯流通孔 8 補強リブ 9 隅リブ 10 括れ部を有する細幅の連結部 11 鍔部補強リブ 12 当接リブ 13 周面湯流通孔 14 均一な細幅を有する連結部
Claims (4)
- 【請求項1】 魚介類を適宜分量に区分けした状態で茹
でることができる単位容器を平面的に複数直列状態また
は複数並列状態に一体成型された連結容器であって、単
位容器の連結対向辺方向に対して細い幅を有する細幅
で,且つ単位容器の上下方向に延長された連結部を単位
容器の連結対向辺の各隙間ごとに少なくとも1以上配備
したことを特徴とする連結容器。 - 【請求項2】 前記細幅の連結部は、括れ部を有する連
結部である請求項1記載の連結容器。 - 【請求項3】 前記細幅の連結部は均一な細幅を有する
連結部であって、当該均一な細幅を有する連結部を当該
連結容器の側面がわから切断できるように連結容器の周
辺側面部付近の位置に配備された請求項1記載の連結容
器。 - 【請求項4】 前記連結部は、前記請求項2および請求
項3記載の連結部のうちいずれか一方若しくは両方から
選択された単一種類の連結部または複数種類の連結部の
組合せから構成されてなる請求項1記載の連結容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993031114U JP2577865Y2 (ja) | 1993-05-17 | 1993-05-17 | 連結容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993031114U JP2577865Y2 (ja) | 1993-05-17 | 1993-05-17 | 連結容器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0685234U true JPH0685234U (ja) | 1994-12-06 |
JP2577865Y2 JP2577865Y2 (ja) | 1998-08-06 |
Family
ID=12322381
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1993031114U Expired - Lifetime JP2577865Y2 (ja) | 1993-05-17 | 1993-05-17 | 連結容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2577865Y2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107613941A (zh) * | 2015-05-12 | 2018-01-19 | 热起源公司 | 低温储存袋 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0521867U (ja) * | 1991-04-30 | 1993-03-23 | 合資会社石川刃物製作所 | ホールデイングナイフ |
-
1993
- 1993-05-17 JP JP1993031114U patent/JP2577865Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107613941A (zh) * | 2015-05-12 | 2018-01-19 | 热起源公司 | 低温储存袋 |
JP2018515214A (ja) * | 2015-05-12 | 2018-06-14 | サーモジェネシス コーポレーション | 低温保存バッグ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2577865Y2 (ja) | 1998-08-06 |
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