JPH068491B2 - 高飽和磁束密度低損失非晶質合金 - Google Patents

高飽和磁束密度低損失非晶質合金

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JPH068491B2
JPH068491B2 JP59278493A JP27849384A JPH068491B2 JP H068491 B2 JPH068491 B2 JP H068491B2 JP 59278493 A JP59278493 A JP 59278493A JP 27849384 A JP27849384 A JP 27849384A JP H068491 B2 JPH068491 B2 JP H068491B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高周波チョークコイル用磁心や高周波トランス
用磁心等に好適な高飽和磁束密度低損失非晶質合金に関
するものである。
〔従来の技術〕
従来、チョークコイル用磁心や高周波トランス用磁心と
しては、主にフェライト、珪素鋼、パーマロイ等が用い
られていた。
しかし、最近の電子機器は益々小型化される傾向にあ
り、電子機器に必要な電源も小型化が要求される様にな
ってきている。このためスイッチング電源等は高周波化
することにより小型化しようとする動きが活発となって
いる。高周波化すると小型化できるのは、磁性部品やコ
ンデンサーが小型になるためであるが、従来の磁性材料
は必ずしも十分な特性を有していなかった。
たとえば、フェライトは高周波特に100kHz以上では鉄損
が比較的小さいが、飽和磁束密度が約5,000G程度と低
いためチョークコイルに用いた場合は十分な直流重畳特
性が得られない。また高周波トランスに用いた場合は大
きな動作磁束密度で駆動できず小型化が十分行えないと
いう欠点があった。
珪素鋼はフェライト等に比べると飽和磁束密度が大きい
ものの高周波の鉄損がひじょうに大きいため、低周波領
域では使用できるが周波数が高くなるに伴って使用が困
難となる。
パーマロイは飽和磁束密度の高い50%Ni−Fe合金等
では鉄損が大きく、高周波の用途に適した80%Ni−F
e合金等ではフェライトより飽和磁束密度が高いものの
10,000G以下の飽和磁束密度でありチョークコイル等の
用途には十分とはいいがたい。
近年これらの高周波化の要求に応えられる可能性がある
ものとして非晶質合金が注目を集め、スイッチング電源
等の磁性部品に適用されている。中でも鉄系、特にFe
−B系及びFe-Si-B系の非晶質合金は高い飽和磁束密
度を有する。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、上記鉄系の非晶質合金は高周波における
鉄損が大きいので、高周波チョークコイルやトランスに
使用するには適さない。そこで、Fe−B系又はFe−
Si−B系の非晶質合金にNbを添加することにより高
周波における鉄損を低下させようという試みも提案され
たが(特開昭58-45355号)、飽和磁束密度が低下する等
必ずしも満足すべきものではない。
本発明は、上記従来技術の問題点を解消し、高周波の用
途に用いるチョークコイル用磁心や高周波トランス用磁
心等に好適な高飽和磁束密度低損失非晶質合金を提供す
ることを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の技術的課題を解決するために、本発明は、特定組
成のFe−Si−B系非晶質合金にCuを添加し、飽和
磁束密度の低下を低くおさえつつ高周波の鉄損を低下さ
せたものである。
本願における第1の発明は、一般式:Fe100-x-y-zCuxSi
yBz、ただし、0.1≦x≦3,10<y≦19,5≦z≦25,15≦
y+z≦30(原子パーセント)で表される組成を有する
ことを特徴とする高飽和磁束密度低損失非晶質合金であ
り、また第2の発明は、一般式:Fe100-x-y-zCuxSi
yBz、ただし、0.1≦x≦3,y≦19,5≦z<10,15≦y+z
≦30(原子パーセント)で表される組成を有することを
特徴とする高飽和磁束密度低損失非晶質合金である。
本願発明において、Cuは飽和磁束密度の低下を低くおさ
えつつ、低鉄損化を図るために含有せしめる元素であ
る。
このCuの量xを0.1乃至3原子%に限定したのは、0.1原
子%より少ないとCu添加による鉄損低減の効果がほとん
どなく、3原子%より多いと逆に鉄損がCu無添加の場合
よりも増大してしまうからである。Cuの望ましい添加量
は0.1乃至2原子%である。
SiおよびBは非晶質化のために添加される元素である
が、鉄損およびその経時変化に影響を与える元素であ
る。SiおよびBが本願の第1又は第2の発明の範囲にあ
れば合金の非晶質化を確保し、かつ低鉄損でその経時変
化を小さくすることができる。特にB量zが8乃至9.5
原子%の範囲にある場合、鉄損の経時変化は著しく小さ
い。
本発明の非晶質合金は片ロール法や双ロール法等の公知
の液体急冷法により作製することができる。通常製造さ
れる非晶質合金リボンの板厚は8μm〜100μm程度で
あるが、板厚が25μm以下のものが特に本発明の目的に
適している。
本発明による非晶質合金は必ずしも完全な非晶質である
必要はなく高周波磁気特性を劣化させない程度の結晶相
を含んでいても良い。しかし結晶質部分が余り多くなり
すぎると合金は脆くなり加工が困難となるばかりでな
く、磁気特性も低下するので、結晶質部分はできるだけ
少ない方が望ましい。以上の通りであるので、本明細書
において「非晶質」とは少量の結晶質部分を含んでいて
もよいものと理解すべきである。
また不可避不純物が含まれていても本発明の効果は十分
得ることが可能であり、本発明に含まれることはもちろ
んである。
液体急冷法により作製した非晶質合金リボンは打ち抜き
やトロイダル状に巻くことにより用途に適した形状に
し、次いで不活性ガス中、真空中又は酸化雰囲気中で熱
処理する。熱処理は結晶化温度より低い温度で行う。こ
こで結晶化温度とは、示差熱量計により10℃/分の昇温
速度で観察したときに発熱ピークが発生する温度であ
る。熱処理温度は一般に350℃〜500℃であり、好ましく
は400〜450℃である。熱処理中必要に応じて磁場を印加
することができる。
〔実施例〕
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1 種々の組成の合金溶湯を片ロール法により超急冷し、幅
5mm、厚さ20μmのリボンを作製した。得られたリボン
をトロイダル巻きにして内径15mm、外形25mmの巻磁心を
作製し、これに20ターンの巻線及び10ターンの巻線を巻
回し、トランスを作製した。これを用いて、合金の飽和
磁束密度Bs及び100kHz、2kGにおける鉄損W2/100k
を測定した。結果を第1表に示す。
上記表から明らかな通り、本発明の非晶質合金はCuを
含有しない従来のFe系非晶質合金や従来報告されている
Cuを添加したFe-Cu-B合金に比べて鉄損が著しく小さ
く、かつ飽和磁束密度はほとんど変わらない。これか
ら、本発明の非晶質合金はチョークコイルや高周波トラ
ンスに好適であることがわかる。
実施例2 組成式Fe77.5-xCuSi13.5を有しxの値を種
々変えた合金から、実施例1と同様の方法で非晶質リボ
ンを作製し、飽和磁束密度Bs及び鉄損W2/100kを測
定した。Bs及びW2/100kとCu量(x)との関係を
第1図に示す。
第1図から明らかな通り、Cuの添加により鉄損は急激
に低下する。鉄損はCuが0.1%のとき明らかに低下し
ており、1%のとき鉄損は最低となる。それからxの増
加とともに鉄損も増大し、ほぼ3%を超えるとCu無添
加の場合より鉄損は大きくなる。一方、飽和磁束密度Bs
はCu量(x)の増加につれて徐々に低下している。
実施例3 組成式Fe85.5-zCuSi13.5を有し、zの値を
種々変えた合金溶湯を用いて、実施例1と同様の方法に
より非晶質リボンを作製した。このリボンから実施例1
の方法によりトランスを作製し、100lHz、2KGの条件で
鉄損を測定した。これをWoとする。次に、トランスを
150℃で24時間保持した後同一条件で鉄損を測定した。
この鉄損をW24とする。これから鉄損の経時変化率(W
24−Wo)/Woを求めた。鉄損の経時変化率とB量
(z)との関係を第2図に示す。
第2図から明らかな通り、B量(z)が変化しても鉄損
の経時変化率は大きく変動せず、特にzが8乃至9.5の
範囲では経時変化率はほとんど0である。
実施例4 Fe76.5CuSi13.5の非晶質合金(A)及びF
77.5Si13.5の非晶質合金(B)について、鉄損
の周波数依存性を調べた。鉄損は2KG及び4KGの条件で
20乃至200kHzの範囲で測定した。結果を第3図に示す。
合金A及びBの比較から、本発明の非晶質合金(A)の
方が従来の非晶質合金(B)より広範な周波数範囲にお
いて小さな鉄損を示すことがわかる。
実施例5 Fe76.5CuSi13.5の合金溶湯を用い、幅6.5m
m、厚さ18μmmの非晶質リボンを作成し、これをトロイ
ダル巻きして内径12mm及び外形21mmの巻磁心を形成し、
これに巻線(40ターン)を施して平滑用チョークを作
製した。この磁心の直流重畳特性を測定した。同様の測
定をパーマロイ圧粉磁心についても行った。結果を第4
図に示す。第4図から、本発明の非晶質合金の磁心
(C)はパーマロイ圧粉磁心(D)より、広範なHDC
範囲にわたってμ△の変化が小さく、直流重畳特性が優
れていることがわかる。
実施例6 本発明のFe76.5CuSi13.5非晶質合金を用
い、40kHz用高周波トランスを作製し、そのコア体積と
温度上昇を測定した。同様の測定をFe77Si13.5
非晶質合金及びMn−Zn系フェライト(Fe5
3.0,MnO36.5,Zn10.5モル%)について行った。結
果を第2表に示す。
第2表から明らかな通り、本発明の非晶質合金のトラン
スはフェライトコアのトランスと比較して著しく小さな
コア体積ですみ、また従来のFe−Si−B系非晶質合
金製トランスと比較して温度上昇を低く抑えることがで
きる。
〔発明の効果〕
上述の通り本発明の非晶質合金は従来の非晶質合金と比
較して飽和磁束密度はほとんど変わらないが、高周波に
おける鉄損は著しく少なくなっている。またこのために
磁心の小型化も達成することができる。このような特性
のために、本発明の非晶質合金の磁心はチョークコイル
や高周波トランス等に好適である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の非晶質合金の飽和磁束密度Bs及び鉄
損W2/100KとCu量(x)との関係を示すグラフであ
り、第2図は本発明の非晶質合金の鉄損の経時変化率W
24−Wo/WoとB量(z)との関係を示すグラフであ
り、第3図は本発明の非晶質合金及び従来の非晶質合金
の鉄損の周波数依存性を示すグラフであり、第4図は本
発明の非晶質合金により作製した平滑チョーク用磁心と
パーマロイ圧粉磁心との直流重畳特性を示すグラフであ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式:Fe100-x-y-zCuxSiyBz ただし、0.1≦x≦3,10<y≦19,5≦z≦25, 15≦y+z≦30(原子パーセント) で表される組成を有することを特徴とする高飽和磁束密
    度低損失非晶質合金。
  2. 【請求項2】一般式:Fe100-x-y-zCuxSiyBz ただし、0.1≦x≦3,y≦19,5≦z<10, 15≦y+z≦30(原子パーセント) で表される組成を有することを特徴とする高飽和磁束密
    度低損失非晶質合金。
JP59278493A 1984-12-25 1984-12-25 高飽和磁束密度低損失非晶質合金 Expired - Lifetime JPH068491B2 (ja)

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