JPH0684901U - スリッパの底カバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 容易に装着できると共に、スリッパ底の汚れ
を防ぎ、且つスリッパの外観を損うことのない底カバー
Ａの提供。 【構成】 スリッパＢに装着、使用できる底カバーＡで
あって、この底カバーＡが、その開口縁１１に沿って、
この開口縁１１を窄め込む手段１２を備えたものとし、
この底カバーＡが、スリッパＢを構成するスリッパ底２
０の底面Ｘと、このスリッパ底２０の周縁Ｙとを覆って
被装され、しかも該スリッパ底２０の上面Ｚの側で、前
記の開口縁１１が窄め込められる構成の底カバー。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、スリッパを構成するスリッパ底に対し、当該スリッパ底を効果的 に覆うように装着できると共に、随時取り外し得るようにしたスリッパの底カバ ーの提供に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、室内履として用いられるスリッパは、スリッパ底と甲被とで構成され ていると共に、このスリッパ底を、底芯材の上下に、中敷材と、底材とを重ね合 せるようにして構成し、必要に応じて、このスリッパの底に中敷材を添装して用 いていた。 そして、この種のスリッパにおいては、甲被の下縁を内側に折り込むようにし て、この甲被をスリッパ底に対して縫着することでスリッパの構成をなすように していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、この種のスリッパでは、スリッパの本体部分と、スリッパの底 の下面側、例えば底材とが一体に構成されていることから、スリッパの使用に伴 って生ずるスリッパ下面側の汚れに際して、当該下面側をスリッパの本体部分か ら取り外して処理できない難を有していた。

【０００４】 即ち、この種の室内履の手段として用いられているスリッパは、通例、使用時 の歩行に際して、当該スリッパの下面が床面に対して圧接された状態で摺接され ることが多く、床面の塵芥などが付着し易く、スリッパの他の構成部分に比して 急速にスリッパ底の下面側が汚損される不都合を有していた。

【０００５】 このように、下面の汚れたスリッパは、この汚れがスリッパ底の周縁部分にあ らわれることから清潔感が著しく損われると共に、例えば、フローリング部分で 付着された塵芥などを、カーペット側にもたらし、当該カーペット部分を汚損す る不都合があった。

【０００６】 かかる点から、使用に伴って底下面に生ずる汚れを洗い落せるようにプラスチ ックシートなどを用いてスリッパを構成した場合、スリッパ着装時の、肌触り感 が損われると共に、外観的に柔かい風合い感が阻害される不都合があり、また、 ボアなどの素材を用いて構成されているスリッパに対して、このスリッパ底の下 面の汚れを落すべく洗い処理を施した場合、スリッパそのものが使用に適しなく なるなどの不都合を有していた。

【０００７】 さらに、病院あるいは学校などにスリッパを持参して使用する場合、この病院 あるいは学校などで用いたスリッパを、そのまま家庭内に持ち返り使用するには 衛生面などに難があることから、通例、洗い処理の可能なスリッパ類を携行、使 用することが多く、使用に際しての柔かい肌触り感、保温感などの欠落は止むを 得ないものと考えられていた。

【０００８】 本考案は、かかる従来のスリッパにおける不都合に鑑み、スリッパを構成する スリッパ底を覆うように装脱可能に装着し得る底カバーによって、スリッパ底の 底面における汚損を防止し、スリッパを長期に亙って、清潔感に溢れ、且つ衛生 的な状態で用い得るようにした底カバーの提供を目的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案に係るスリッパの底カバーＡは、かかる目的を達成するものとして、構 成される底カバーＡを、スリッパＢに装着、使用できる底カバーＡとし、この底 カバーＡが、その開口縁１１に沿って、この開口縁１１を窄め込む手段１２を備 えたものとし、 この底カバーＡが、スリッパＢを構成するスリッパ底２０の底面Ｘと、このス リッパ底２０の周縁Ｙとを覆って被装され、しかも該スリッパ底２０の上面Ｚの 側で、前記開口縁１１が窄め込められる構成としている。

【００１０】

【作用】

底カバーＡが、その開口縁１１に沿って、この開口縁１１を窄め込む手段１２ を備え、しかも、スリッパ底２０の底面Ｘと、周縁Ｙとを覆って被装された該底 カバーＡが、このスリッパ底２０の上面Ｚの側で、前記の開口縁１１が窄め込ま れることから、底カバーＡは、スリッパＢを構成するスリッパ底２０に対しての み脱着可能に装着でき、且つ該スリッパ底２０の汚れを防止するように機能する 。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案に係るスリッパの底カバーＡを図１〜図３に示す典型的な一実施 例について説明する。 図１は、この実施例に係る底カバーＡと、当該底カバーＡの装着されるスリッ パＢとを並べた状態で、これを上面からあらわしたものであり、底カバーＡが理 解され易いように当該底カバーＡの一部を破断して示している。 図２は、同様に、本実施例に係る底カバーＡの上方にスリッパＢを配置し、こ れを側面からあらわしたものであって、図１におけると同様に、底カバーＡの先 端側と、後端側とを一部破断して示している。 図３は、本実施例に係る底カバーＡを、スリッパＢに装着した状態を断面で示 している。

【００１２】 図１〜図３に示す底カバーＡは、スリッパＢのスリッパ底２０に装着、使用さ れる形状をなすものとして構成されており、スリッパ底２０の底面Ｘの形状に対 応した細長状をなし、その開口縁１１に沿って、この開口縁１１を窄め込む手段 １２を備えたものとしてあり、この底カバーＡが、スリッパ底２０の底面Ｘと、 このスリッパ底２０の周縁Ｙとを覆って被装されると共に、スリッパ底２０の上 面Ｚの側において前記開口縁１１が窄め込まれ得る構成としてある。

【００１３】 本実施例に係る底カバーＡの装着対象とされるスリッパＢは、典型的には、図 １〜図３に示すように胛被３０と、スリッパ底２０とを備え、且つ、当該スリッ パ底２０が、その周縁Ｙに連続するスリッパ底２０の上面Ｚを、当該スリッパ底 ２０と胛被３０とによって構成されるスリッパＢの周側部分に備えた構成として ある。 なお、本明細書において「スリッパ底」とは、中敷材を含まない概念であり、 スリッパ底２０の「上面Ｚの側」とは、当該スリッパ底２０の上面と、この上面 のある側のことを総称するものであって、このスリッパ底２０の上面が胛被３０ の周縁などで覆われている場合をも含む概念である。

【００１４】 この実施例として示されているスリッパＢは、スリッパ底２０と、中敷材４０ と、胛被３０とによって構成してある。 また、このスリッパＢのスリッパ底２０は、底芯材２１の下側に、この底芯材 ２１と略同形、且つ同寸法の底材２２を重ね合せの状態に備えた構成としてあり 、ここで構成されるスリッパ底２０の上側に、このスリッパ底２０と略同形で、 該スリッパ底２０よりも稍々小さ目の中敷材４０を、このスリッパ底２０に対し て重ね合せの状態で設けてある。

【００１５】 そして、当該のスリッパＢを構成する胛被３０は、前記中敷材４０の前部側の 周側に沿って、前記スリッパ底２０に縫着されており、この胛被３０の縫代を外 側に向けて該胛被３０をスリッパ底２０に縫着することによって、当該胛被３０ の設けられている外側にスリッパ底２０の周側部が突き出すように構成している 。

【００１６】 この結果、構成されるスリッパＢは、このスリッパＢを構成するスリッパ底２ ０が、このスリッパ底２０に設けられている前記中敷材４０及び胛被３０から外 方に向けてはみ出す凸縁２０ａを有することとなり、この凸縁２０ａの上面が、 前記スリッパ底２０の上面Ｚとされる。

【００１７】 尚、構成されるスリッパＢは、このスリッパＢを構成するスリッパ底２０の周 側部分に、中敷材４０、胛被３０などによって構成される凸縁２０ａなどによっ て、該スリッパ底２０の周縁Ｙに連続した上面Ｚが設けられる構成のものであれ ば良く、叙上構成以外の構成のものであっても良い。

【００１８】 尚、図のおいて、２１ａはスリッパ底２０を構成する底芯材２１の芯板を、２ １ｂは、この芯板２１ａの周側を覆ったテープ状の化粧材であり、２２ａは、底 材２２の底板であり、プラスチックシート２２ｂによって、該底板２２ａの底面 から周縁部を介して上面の周側部分が覆われている。 この底芯材２１と底材２２とは一体に縫着されてスリッパ底２０を構成してい ると共に、前記胛被３０が、その外方に延びた縫代３０ａ部分において、この構 成されるスリッパ底２０に対して縫着されている。

【００１９】 かくして構成されるスリッパ底２０の上面に、中敷材４０が接着されている。 この中敷材４０は、プラスチックフォーム材などの緩衝芯材４０ａの下面に補 強板４０ｂを配すると共に、この緩衝芯材４０ａの上面側から周側を覆って被装 した化粧生地４０ｃを、前記補強板４０ｂの面に接着して構成してあり、その先 端側を胛被の内部に挿し込むようにして前記スリッパ底２０に対して接着してあ る。

【００２０】 次いで、底カバーＡは、各種のプラスチックシート、ゴム材、合成樹脂材など のコーテングされた織・編生地、あるいはフィルムのラミネートされた各種の織 ・編生地などの比較的柔軟性を備えた素材で構成されているのが好ましい。 また、この底カバーＡは、例えば、使用目的に合せて緩衝機能あるいは滑り止 め機能を備えたものであっても良い。 さらに、この底カバーＡは、ボア、ベルベットなどのように、この底カバーＡ の装着されるスリッパＢの装飾機能を高めるものであっても良い。 さらにまた、この底カバーＡが、例えば防ダニ剤などの含浸されたフィルト層 などを備えたもので構成されていても良い。

【００２１】 ここで構成される底カバーＡは、前記で構成されるスリッパＢのスリッパ底２ ０の収まる形状並びに寸法からなるカバー体１０であって、該スリッパ底２０の 底面形状と略同形状の底面部１０ａと、この底面部１０ａから立上る浅い周壁部 １０ｂとを備えていると共に、この周壁部１０ｂの上縁、即ち、当該底カバーＡ の開口縁１１が袋縫いとしてある。

【００２２】 かかる袋縫いで構成される底カバーＡの開口縁１１に沿った袋部１０ｃにゴム 状弾性材などからなる紐１２ａを挿通し、この紐１２ａを、当該開口縁１１を窄 め込む手段１２としている。

【００２３】 なお、この底カバーＡの開口縁１１を窄め込む手段１２として、この開口縁１ １の縁に沿って、帯状をなすゴム状弾性材などを縫着しても良い。 また、かかるゴム状弾性材を用いることなく、前記袋部１０ｃに対して紐を挿 通し、この袋部１０ｃに挿通された紐の両端を引き絞ることによって当該底カバ ーＡの開口縁１１を窄め込むようにしてあっても良い。

【００２４】 かくして構成される底カバーＡは、この底カバーＡの開口縁１１にある当該開 口縁１１を窄め込む手段１２の作用に抗した状態で、この底カバーＡ内に対して 、前記スリッパＢのスリッパ底２０を入れ込むようになすと共に、このスリッパ 底２０の周側部に用意されている前記凸縁２０ａの上面に相当するところの、当 該スリッパ底２０の上面Ｚの側において、この底カバーＡの開口縁１１を前記の 窄め込む手段１２を用いて窄めることによって、当該底カバーＡをスリッパ底２ ０に対して装着する。

【００２５】 この結果、底カバーＡは、スリッパを構成するスリッパ底２０の底面Ｘと、こ れに続く周縁Ｙとを覆うと共に、更に、これに続く上面Ｚの側の一部を覆った状 態で、当該スリッパ底２０に対して密着して装着されることとなり、特に、スリ ッパ底２０の上面Ｚの側において、この底カバーＡの開口縁を、当該開口縁１１ に備えた前記の窄め込む手段１２によって窄めることによって、該底カバーＡは 緩み無くスリッパ底２０に密着して装着されることとなる。

【００２６】

【考案の効果】

本考案に係る底カバーＡは、叙上における特長ある構成、特に、スリッパＢを 構成するスリッパ底２０の底面Ｘと、このスリッパ底２０の周縁Ｙとを覆って被 装される底カバーＡの開口縁１１を、この周縁Ｙに連続しているスリッパ底２０ の上面Ｚの側で窄めることによって、スリッパ底２０に装着、使用できる底カバ ーＡとしたことによって、随時、必要に応じて、スリッパ底２０を当該の底カバ ー２０を用いて覆い、このスリッパ底２０の汚れを防止することができると共に 、また必要に応じて、このスリッパ底２０に対して、滑り止めの機能や、保温機 能、装飾機能、あるいは歩行時に生ずるパタつき音を無くす機能、防ダニ機能な どをもたらすことができる。

【００２７】 また外部で用いられたスリッパから、底カバーＡを取り外し使用することによ って、使用スリッパを逐一洗ったりすることなく、常に清潔な状態において用い ることができる。 また、用いられた底カバーＡは、随時これを取り外し洗うことによって、清潔 な状態で反復して用いることが可能とされる。

【００２８】 さらに、底カバーＡは、スリッパ底２０の周縁Ｙに続く上面Ｚの側で、中敷材 ４０から外方に突き出ている面で窄め込まれていることから、スリッパＢの履き 具合を損うことがなく、また、底カバーＡが、スリッパ底２０部分のみを覆うよ うに設けられていることから、底カバーＡの装着に伴って、スリッパの外観を損 うことがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の典型的な一実施例である底カバーＡと
スリッパＢであって、底カバーＡの一部を破断して示し
た平面図。

【図２】同底カバーＡの一部を破断して示した側面図。

【図３】同底カバーＡをスリッパＢに装着した状態を示
す断面図。

【符号の説明】

Ａ 底カバー Ｂ スリッパ １１ 開口縁 １２ 窄め込む手段 ２０ スリッパ底

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 スリッパに装着、使用される底カバーで
   あって、該底カバーが開口縁に沿って、当該開口縁を窄
   め込む手段を備えていると共に、 該底カバーが、スリッパを構成するスリッパ底の底面
   と、該スリッパ底の周縁とを覆って被装され、且つ該ス
   リッパ底の上面の側で前記開口縁が窄め込まれることを
   特徴とするスリッパの底カバー。