JPH068446B2 - 鉄系スクラップの溶解精錬方法 - Google Patents

鉄系スクラップの溶解精錬方法

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JPH068446B2
JPH068446B2 JP769988A JP769988A JPH068446B2 JP H068446 B2 JPH068446 B2 JP H068446B2 JP 769988 A JP769988 A JP 769988A JP 769988 A JP769988 A JP 769988A JP H068446 B2 JPH068446 B2 JP H068446B2
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博章 石田
正治 姉崎
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    • Y02P10/20Recycling

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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
  • Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> この発明は、上・底両吹きの複合転炉により極力少ない
炭材消費量でもって鉄系スクラップ(移行、単に“スク
ラップ”と称す)の溶解・精錬を行う方法に関するもの
である。
<従来技術とその問題点> 近年、製鋼原料としてのスクラップが大量に出回るよう
になって価格的にも極めて有利になってきたことを背景
に、安価な炭材を溶解熱源とした転炉によるスクラップ
の溶解・精錬法が模索されるようになったが、一般的に
は、「既存の上・底両吹きの複合吹錬転炉を利用するこ
とで設備増を控えると共に、スクラップと一緒に炉内に
装入した火種に着火した後、上吹き吹錬の際に炉上方か
ら熱源としての炭材(コークス又は石炭)を投入しなが
ら溶解・精錬を行う手段」が検討の基礎となっていた。
ところが、上記手段では吹込みガス流による炭材の炉外
へ飛散ロスが大きく、そのためスクラップの溶解熱源を
安価な炭材に求める便益が十分に生かされないとの問題
が残るものであった。この問題は、炭材として石炭を使
用する場合に著しく、また上吹O量の増加に伴ってダ
スト発生量も増加する。
第2図は炭材中の揮発分と排ガス中のC含有量指数との
関係を示したものであるが、この第2図からも上記事実
を確認することができ、更に、炭材中の揮発分と炭材原
単位との関係を示す第3図からは、炭材の飛散ロスの増
加に伴い原単位も増加することが分かる。
しかも、スクラップ上に炭材を投入しながら燃焼させる
方式では、燃焼によって生成したCOがスクラップ上
方に滞留した炭材によって還元される現象(CO2+C→2CO)
が起きるので、この還元反応による吸熱がスクラップの
溶解を妨げると言う懸念もあった。
そこで、このような問題を軽減して使用炭材の節減を図
るべく、本発明者等は先に、転炉の炉腹にOガス吹込
み用の横吹羽口を設置して操業時に発生するCOガスを
燃焼(二次燃焼)させ、これをも熱源として利用する方
法を提案した(特願昭61−305304号)。
しかしながら、転炉の炉腹にOガスを吹込んで二次燃
焼の増加を試みても、式 で表される二次燃焼率を高々20%程度しか増加させる
に止まり、十分な炭材節減効果の達成にはいささか不満
足なものであった。
<問題点を解決するための手段> このようなことから、本発明者等は、上・底両吹き複合
吹錬転炉を使用し、炭材の飛散ロスを極力抑え、十分に
満足できる少ない炭材消費量でスクラップの溶解を実施
し得る手段を提供すべく更に研究を重ねた結果、次に示
すような知見が得られたのである。即ち、 (a) 上・底両吹き複合吹錬転炉でのスクラップ溶解に
先立って、予め溶解熱源としてのコークス(スクラップ
トン当り100〜200kg程度)を炉底に床敷してから
スクラップを装入し、この後に上吹ランス及び底吹羽口
からOガスを吹込んでスクラップ溶解を実施すれば、
上方のスクラップがコークス飛散の障害物となってコー
クスの飛散ロスを大幅に減少させるので(第2図に示し
た排ガスダスト中のC含有量指数でほぼ1を示し、コー
クスをスクラップの上に投入する従来の方法に対して半
減する)、コークス飛散による炭材原単位の上昇が効果
的に抑制されること、 (b) 上記対策に加えて転炉の炉腹に酸素ガス吹込み用
の横吹羽口を設け、該羽口からも炉内にOガスを吹込
みながらスクラップ溶解を実施すると、スクラップの間
隙を通過しながら上昇する“底吹羽口からのOガスと
床敷コークスとの反応により発生する大量の高温COガ
ス”の二次燃焼率が予想よりも向上すること、 (c) ただ、この場合の二次燃焼状況は上吹Oガス及
び横吹Oガスの総量と底吹Oガス量との比率に大き
く影響され、該比率が小さくても大きくても好ましいコ
ークス原単位を確保できなくなるほか、操業上のトラブ
ルにつながることも懸念されるものであるが、操業時に
おける上吹ランス,横吹羽口及び底吹羽口からの送酸流
量をそれぞれFo2-T,Fo2-s及びFo2-Bとしたときに式 を満足するように供給O量を調整すれば、高い二次燃
焼率と好適な操業条件が安定して確保され、少ないコー
クス原単位で能率の良いスクラップの溶解・精錬を遂行
できること。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、「第1
図に示す如き、炉腹に酸素ガス吹込み用の横吹羽口1を
設けた上・底両吹きの複合吹錬転炉2を使用し、まず該
転炉内にコークス(床敷コークス)3を投入してから、上
吹ランス4及び底吹羽口5からOガスを吹き込んで着
火することで火種を造り、次いでスクラップ6を装入す
ると共、前記上吹ランス4,横吹羽口1及び底吹羽口か
らの送酸比率が式 を満足するように酸素ガスを調整しつつ該上吹ランス
4,横吹羽口1及び底吹羽口5からOガスを吹き込ん
でスクラップ溶解を行うことにより、使用炭材量少な
く、かつ高能率でスクラップの溶解を安定実施し得るよ
うにした点」 に特徴を有するものである。
なお、溶解熱源として炉底に床敷するコークスの量(ス
クラップ装入の前に投入するコークスの量)は100〜
200kg/t(スクラップトン当り)とするのが良い。その
理由として次のことがあげられる。即ち、 (ア) コークス燃焼熱と100%二次燃焼熱との総熱量
の85%(残り15%は排ガス顕熱及び炉体放熱分)が
有効にスクラップ溶解に寄与し、しかも[C]濃度が3
重量%で1500℃の溶銑を得るのに必要な最小のコー
クス原単位が100kg/tである。
(イ) 床敷コークス量が100kg/tよりも少ないと床敷
コークス層の厚みが浅くなるため、第4図に示す如き底
吹ガスによる“吹抜現象”が生じてコークスを飛散させ
る恐れに加えて、底吹羽口からのOガスがコークス燃
焼に有効に利用されないことが懸念される。しかも、こ
のために不足しがちなスクラップ溶解用熱を補うべく炉
の上方から補充コークスを添加しようとすると、前述し
たように、COガスがコークスにより還元される吸熱
反応が生じてスクラップ溶解に悪影響が生じる。
(ウ) 一方、200kg/tを越える量に床敷コークスを増
量した場合には該コークスがスクラップ溶解以外の余分
な消費につながるのを如何ともし難く、スクラップ溶解
のみへの効率の良いコークスの利用を図るのが困難とな
る。なお、200kg/tの床敷コークス量は、通常の操業
での二次燃料率が40%で着熱効率が50%の条件にて
[C]濃度:3重量%(少なくともこの値にすることは
製品窒素量の低減のために有効である)で1500℃の
溶銑を得るのに必要なコークス原単位に等しいものであ
る。
ところで、本発明においてスクラップ装入後の上吹ラン
ス,横吹羽口及び底吹羽口からの送酸比率を前記式で示
した如くに限定した理由は、式 で表される送酸比率が0.3を下回るとコークス原単位
の増加を招き、一方、前記送酸比率が1.0を上回って
もコークス原単位が増加するほか、“吹抜現象”や“棚
付現象”が生じ易くなって操業上のトラブルを引き起こ
すことが懸念されるようになるためである。
第5図は〔Fo2-B〕/〔Fo2-T+Fo2-S〕比率とコーク
ス原単位との関係を示したものであるが、この第5図か
らも、底吹O比率の低い領域では該底吹O比率が大
きくなるほどコークス原単位は減少することが分かる。
これは、底吹O比率を大きくするほど炉底で生成する
COガスが増加し、同時に二次燃焼比率が向上すること
による。
次に、該第5図からは、上記比率が1.0を超えた場合
にはコークス原単位の増加を招くことが確認できるが、
これは次の理由によるものと考えられる。即ち、底吹O
により生成するCOガス発生速度とそのCOガスを完
全に二次燃焼させるのに要する上吹O及び横吹O
送酸速度は Fo2-B=Fo2-T+Fo2-S のときにバランスする。従って、 Fo2-B>Fo2-T+Fo2-S の場合には、底吹Oの一部がCOガスの二次燃に使わ
れずにそのまま系外に逃げる現象や、COガスの発生速
度が大きくなってCOガスの二次燃焼場所がスクラップ
の間隙位置よりも上方に移動し(第6図参照)、二次燃
焼反応熱が有効にスクラップに伝達されないと言う現象
が生じるためである。
ところで、前記送酸比率が1.0を超えると“棚付現
象”が生じ易くなる理由は、底吹O量が大きくなる
と、底吹羽口上方のスクラップが優先的に溶解するため
に側壁側のスクラップの溶解が相対的に遅くなり、最終
的に第7図に示す如くに未溶解スクラップ7が残って棚
付状態を呈することによるものと考えられる。なお、棚
付したスクラップを溶解するためには過剰なコークスを
必要とし、これが更なる操業上のトラブルにつながる恐
れもある。
上述のような条件でのスクラップ溶解が完了した後は、
例えば塩基度〔CaO/SiO〕が1.2以上となるように
スラグ成分を調整して脱硫を行うと共に、底吹羽口より
非酸化性ガスを吹き込むことでスラグと溶鉄を撹拌して
スラグ中のT.Fe量を3%未満とし、次いで脱硫完了後に
スラグと残留炭材を除去してから上・底吹き送酸するこ
とによって脱炭・脱窒素するとの手順を経て所望の鋼と
すれば良い。
上述の方法により、転炉を使用して炭材原単位少なく効
率の良いスクラップ溶解を実施できるが、実施例と比較
例を示して本発明をより具体的に説明する。
<実施例> 実施例 1 まず、側壁に2個の横吹羽口を対向設置したほかは通常
のものと同じ上・底両吹き複合吹錬15トン転炉を準備
し、該転炉に1.4tのコークス(スクラップに対して140k
g/t)を投入して床敷とし、炉保有熱と上吹ランス及び
底吹羽口からのOガス吹き込みとによって着火させ
た。なお、吹き込みOガス流量は、上吹ランスからは
600Nm3/hr、底吹羽口からは400Nm3/hrであり、
これをスクラップ装入終了時まで継続した。また、転炉
側壁に設けた2個の横吹羽口からは閉塞防止用にN
スを25Nm3/hr/個の流量で流した。
スクラップは10t装入し、スクラップ装入後は吹き込
みOガス量を上吹ランスからは800Nm3/hr、横吹
羽口からは400Nm3/hr、また底吹羽口からは800
Nm3/hrとして30分間吹錬したところ(このときのFo
2-B/Fo2-T+Fo2-S比率は0.67である)、全量のスク
ラップが溶解を完了した。
そして、溶落直後の溶湯成分及び溶湯温度は第1表に示
した通りであり、このときの平均二次燃焼率は70%で
あった。
実施例 2 実施例1で使用したのと同じ転炉に1.4tのコークス(ス
クラップに対して140kg/t)を投入して床敷とし、上吹ラ
ンスからは600Nm3/hr,底吹羽口からは400Nm3/
hrのO2ガスを吹き込んで着火させると共に、この送酸
をスクラップ装入終了時まで継続した。
スクラップは10t装入し、スクラップ装入後は吹き込
みOガス量を上吹ランスからは600Nm3/hr、横吹
羽口からは400Nm3/hr、また底吹羽口からは100
0Nm3/hrとして30分間吹錬したところ(Fo2-B/Fo
2-T+Fo2-S比率は1)、約8割のスクラップが溶解し
たものの残り2割が未溶解であった。そのため、更に0.
5t(50kg/t)のコークスを炉上より追加して12分間吹錬
を継続したが、これによって全量のスクラップが溶解を
完了した。
この場合の溶落直後の溶湯成分及び溶湯温度は第2表に
示した通りであった。
実施例 3 実施例1で使用したのと同じ転炉に1.4tのコークス(ス
クラップに対して140kg/t)を投入して床敷とし、上吹ラ
ンスからは600Nm3/hr,底吹羽口からは400Nm3/
hrのOガスを吹き込んで着火させると共に、この送酸
をスクラップ装入終了時まで継続した。
スクラップは10t装入し、スクラップ装入後は吹き込み
ガス量を上吹ランスからは1100Nm3/hr、横吹
羽口からは400Nm3/hr、また底吹羽口からは500
Nm3/hrとして30分間吹錬したところ(Fo2-B/Fo2-T
+Fo2-S比率は0.33)、約8割のスクラップが溶解した
ものの残り2割が未溶解であった。そのため、更に0.5
(50kg/t)のコークスを炉上より追加して12分間吹錬を
継続したが、これによって全量のスクラップが溶解を完
了した。
この場合の溶落直後の溶湯成分及び溶湯温度は第3表に
示した通りであった。
比較例 1 実施例1で使用したのと同じ転炉に1.4tのコークス(ス
クラップに対して140kg/t)を投入して床敷とし、上吹ラ
ンスからは600Nm3/hr,底吹羽口からは400Nm3/
hrのOガスを吹き込んで着火させると共に、この送酸
をスクラップ装入終了時まで継続した。
スクラップは10t装入し、スクラップ装入後は吹き込
みOガス量を上吹ランスからは450Nm3/hr、横吹
羽口からは400Nm3/hr、底吹羽口からは1150Nm
3/hrとして30分間吹錬したところ(Fo2-B/Fo2-T
Fo2-S比率は1.35)、約4割のスクラップが溶解してい
るだけで残り6割の未溶解が存在するため、更に1.9t(1
90kg/t)のコークスを炉上より追加して45分間吹錬を
実施したところ、やっと全量のスクラップが溶解を完了
した。
この場合の溶落直後の溶湯成分及び溶湯温度は第4表に
示した通りであった。
比較例 2 実施例1で使用したのと同じ転炉に1.4tのコークス(ス
クラップに対して140kg/t)を投入して床敷とし、上吹
ランスからは600Nm3/hr,底吹羽口からは400Nm
3/hrのOガスを吹き込んで着火させると共に、この送
酸をスクラップ装入終了時まで継続した。
スクラップは10t装入し、スクラップ装入後は吹き込み
ガス量を上吹ランスからは1600Nm3/hr、横吹
羽口からは400Nm3/hr、また底吹羽口からはO
スではなくNガスを200Nm3/hr流して30分間吹
錬したところ(Fo2-B/Fo2-T+Fo2-S比率は0)、約
4割のスクラップが溶解を完了しているだけで残り6割
の未溶解が存在するため、更に2.2t(220kg/t)のコーク
スを炉上より追加して52分間吹錬を実施したところ、
やっと全量のスクラップが溶解を完了した。
この場合の溶落直後の溶湯成分及び溶湯温度は第5表に
示した通りであった。
<効果の総括> 以上に説明した如く、この発明によれば、転炉によって
使用炭材量少なくスクラップの高能率・高効率溶解を安
定に実施することができ、製鋼コストの低減や鉄鋼製造
設備の安定した利用が可能となるなど、産業上極めて有
用な効果がもたらされるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係るコークス床敷法によるスクラッ
プ溶解状況を説明した概念図である。 第2図は、炭材中の揮発分と排ガス中のC含有量指数と
の関係を示すグラフである。 第3図は、炭材中の揮発分と炭材原単位との関係を示す
グラフである。 第4図は、吹抜現象の説明図である。 第5図は、“上吹Oガス及び横吹Oガスの総量と底
吹Oガス量との比率”と“コークス原単位”との関係
を示すグラフである。 第6図は、二次燃焼場所の移動状況を説明した概念図で
ある。 第7図は、棚付現象を説明した概念図である。 図面において、 1…横吹羽口,2…複合吹錬転炉, 3…床敷コークス,4…上吹ランス, 5…底吹羽口,6…スクラップ, 7…未溶解のスクラップ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炉腹に酸素ガス吹込み用の横吹羽口を設け
    た上・底両吹きの複合吹錬転炉を使用し、まず該転炉内
    にコークスを投入してから上吹ランス及び底吹羽口から
    ガスを吹き込んで着火することで火種を造り、次い
    で鉄系スクラップを装入すると共に、前記上吹ランス,
    横吹羽口及び底吹羽口からの送酸比率が式 を満足するように酸素ガスを調整しつつ該上吹ランス,
    横吹羽口及び底吹羽口からOガスを吹き込んでスクラ
    ップ溶解を行うことを特徴とする、転炉による鉄系スク
    ラップの溶解・精錬方法。
JP769988A 1988-01-18 1988-01-18 鉄系スクラップの溶解精錬方法 Expired - Lifetime JPH068446B2 (ja)

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