JPH0684205A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JPH0684205A
JPH0684205A JP4255777A JP25577792A JPH0684205A JP H0684205 A JPH0684205 A JP H0684205A JP 4255777 A JP4255777 A JP 4255777A JP 25577792 A JP25577792 A JP 25577792A JP H0684205 A JPH0684205 A JP H0684205A
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JP
Japan
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recording
recording layer
tape
fluorine
protective layer
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Withdrawn
Application number
JP4255777A
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English (en)
Inventor
Takashi Iwamura
貴 岩村
Shinichiro Tamura
眞一郎 田村
Yasunori Kijima
靖典 鬼島
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Publication of JPH0684205A publication Critical patent/JPH0684205A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 記録層2上にフッ素系高分子塗料を塗布,乾
燥して保護膜3を形成するに際し、上記フッ素系高分子
塗料として記録層2を溶解する物質が1%未満の濃度で
含有するものを使用する。 【効果】 光学的透明度が高く、摩擦特性,耐摩耗性に
優れる保護膜が形成でき、テープ状として使用した場合
に良好な記録再生特性,走行耐久性を発揮する光記録媒
体を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ光の照射により
情報の記録再生を行う光記録媒体に関し、特にテープ状
の記録媒体として好適な光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザ光の照射により情報の記録再生を
行う光記録媒体は、通常、基板上に光記録材料よりなる
記録層が形成されてなり、記録を行うに際しては、この
記録層にレーザ光を集光することによってピットを形成
し、記録された情報を再生するには、ピット部分とピッ
トが形成されていない部分の反射率の差を検出すること
によって行う。このような光記録媒体は、磁気記録媒体
等と比較してトラック幅を狭くすることができ、高密度
記録が可能であることから、大量情報保存用の記録媒体
として注目され、記録情報量の向上を図るべく盛んに研
究が行われている。
【0003】ところで、上述のような光記録媒体として
は、デジタル・オーディオ・ディスク(いわゆるコンパ
クトディスク),光学式ビデオディスク(いわゆるレー
ザディスク)等,ディスク状の記録媒体が広く普及して
いる。このようなディスク状の記録媒体の場合、ディス
ク1枚で記録される情報量を増加させるためには、ディ
スク上のピット形成密度を上げるか、あるいはディスク
そのものの直径を大きくしてピットが形成できる面積を
増やすこと等が必要となる。
【0004】しかしながら、光記録媒体においては、ピ
ット形成密度をあまり高くすると、信号再生光学系に再
生分解限界があるために、再生に際してクロストークが
生じ、良好な情報検出が行えないといった不都合が生じ
てしまう。一方、ディスク自体の直径を大きくすると、
これを再生する再生装置も大型化しなければならず、し
かも直径の大きいディスクは、破損し易く、携帯,保管
にも不便である等実用性の点で多くの問題を招いてしま
う。このような理由から、ディスク状の光記録媒体は、
現状以上に記録情報量を向上させるのが困難であるのが
実情である。
【0005】そこで、近年、ディスク状の光記録媒体よ
りも大きな記録情報量が得られる光記録媒体として、た
とえば特開昭55−86782号に示すようなテープ状
の光記録媒体の開発が進められている。このテープ状の
光記録媒体は、テープ状であるため、長尺とすることで
ディスク媒体に比べて格段に大きなピット形成面積を確
保することができる。また、テープの場合、長尺として
も外形の大きさはほとんど変わらないので、携帯性,保
管性等の実用性を維持したまま、大記録情報量が得られ
ることとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、テープ状の
光記録媒体を高速で回転するドラム上を走行させながら
記録・再生を行うに際して、安定な記録・再生を得るた
めには、媒体表面と上記ドラムとの摩擦を減じ、記録層
の損傷を防ぐための工夫が必要となる。
【0007】このため、上述のようなテープ状の光記録
媒体には、低摩擦化,耐摩耗性の改善を図るために、記
録層上に可塑性の透明樹脂よりなる保護層が設けられ
る。このような保護層は、摩擦,摩耗を抑えるととも
に、特開昭58−94145号公報に示すようにピット
形状の変化を抑えたり、あるいはピット形成時の破片の
飛散を防止してこれに伴うディフェクトの発生を抑える
効果をも有するものである。例えば、このような保護層
としては、紫外線硬化樹脂膜,架橋性樹脂膜等が用いら
れている。
【0008】しかしながら、紫外線硬化樹脂膜や架橋性
樹脂膜は、光学的透明度が光記録媒体の保護層として十
分高いとは言えず、このような樹脂膜を保護層とする光
記録媒体は、レーザ光が保護層通過によって劣化し、良
好な記録再生特性が得られないといった不都合が生じて
しまう。また、耐摩擦性,耐摩耗性も不足しており、テ
ープ状光記録媒体の走行性,耐久性を十分向上させるこ
とができない。
【0009】そこで、最近、保護層としてフッ素系高分
子膜を用いることが検討されている。フッ素系高分子保
護層は、フッ素系高分子材料を溶媒に溶解してなるフッ
素系高分子塗料を記録層上に塗布,乾燥することにより
形成されるものであり、光学的透明度が高く、かつ摩擦
特性も優れ、光記録媒体に使用する保護層として好適な
ものである。ここで、上記フッ素系高分子保護層を形成
するに際し、上記フッ素系高分子材料を溶解する溶媒と
しては、フッ素系高分子塗料を塗布したときに記録層が
該溶媒に溶解して破壊される虞れのないものを選択する
必要があり、例えばフッ素系不活性溶媒が使用されてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにして形成されるフッ素系高分子保護層は、上述の如
く光学的透明度,摩擦特性には優れるものの耐摩耗性が
不足しており、ドラムに対して繰り返し走行させると、
徐々に剥がれ落ちて、保護効果が劣化する。
【0011】このため、上記フッ素系高分子塗料に含有
させるフッ素系高分子材料として、硬度の高いフッ素系
高分子材料を使用する,あるいは上記フッ素系高分子塗
料を厚い膜厚で塗布し、厚膜の保護層を形成する等の試
みがなされている。
【0012】しかし、硬度の高いフッ素系高分子材料を
使用しても耐摩耗性が十分に高い保護膜は形成されず、
作製された媒体は満足のいく耐久性を示さない。
【0013】一方、保護層を厚膜化する場合には、媒体
の可撓性の維持及び信号変調度を高くする点から制限が
ある。すなわち、テープ状の光記録媒体においてフッ素
系高分子保護層を形成する場合、保護層の膜厚はテープ
の可撓性を維持するには数10μmが最大限度であり、
また信号変調度を高くするには、記録再生光の波長を
λ,保護層の屈折率をnとしたときに0.25λ/n以
上、0.5λ/n以下であることが必要である。これら
の要件を考慮すると上記フッ素系高分子保護層の膜厚は
数100nmが限度であり、この程度の膜厚では、やは
り耐摩耗性の獲得は難しい。
【0014】そこで、本発明はこのような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、光学的透明度が高く、摩
擦特性に優れるとともに高い耐摩耗性を有する保護層が
形成できる光記録媒体の製造方法を提供することを目的
とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述の課題を達成するた
めに、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、耐摩耗性に
優れた保護層を形成するには、保護層の膜構成を制御す
るよりむしろ保護層を記録層に対して密着性良く形成す
ることが重要であるとの考えに至った。そして、フッ素
系高分子塗料に記録層を溶解する物質を微量添加するこ
とにより、記録層に対する密着性が高く耐摩耗性に優れ
たフッ素系高分子保護層が形成できるとの知見を得るに
至った。
【0016】本発明は、このような知見に基づいて完成
されたものであって、可撓性基体上に、有機色素を主体
とする記録層を形成し、該記録層上にフッ素系高分子材
料が溶媒に溶解されてなるフッ素系高分子塗料を塗布し
て保護層を形成するに際し、上記フッ素系高分子塗料が
記録層を溶解する物質を1容量%未満含有していること
を特徴とするものである。
【0017】また、可撓性基体上に、有機色素と高分子
材料を主体とする記録層を形成し、該記録層上にフッ素
系高分子材料が溶媒に溶解されてなるフッ素系高分子塗
料を塗布して保護層を形成するに際し、上記フッ素系高
分子塗料が記録層を溶解する物質を1容量%未満含有し
ていることを特徴とするものである。さらに、上記溶媒
がフッ素系不活性溶媒であることを特徴とするものであ
る。
【0018】さらに、また、記録層を構成する高分子材
料がポリメチルメタクリレートであり、かつ記録層を溶
解する物質がアセトン,メチルエチルケトン,クロロホ
ルム,塩化メチレンから選ばれる少なくとも一種である
ことを特徴とするものである。
【0019】光記録媒体を作製するには、図1に示すよ
うに可撓性基体1上に有機色素と高分子材料を主体とす
る記録層2を形成し、さらに該記録層2上にフッ素系高
分子材料よりなる保護層3を形成する。
【0020】上記可撓性基体としては、通常、テープ状
の記録媒体の基体材料として使用されているものであれ
ばいずれでも良く、たとえばポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド等の高分子
樹脂が挙げられる。
【0021】上記記録層は、有機色素を主体とした構成
とする場合には、上記可撓性基体上に有機色素を真空薄
膜成膜手段により被着するか、あるいは有機色素を溶媒
に溶解してなる有機色素塗料を塗布,乾燥することによ
り形成される。有機色素と高分子材料によりなる構成と
する場合には、有機色素と高分子材料を主体とする混合
物を溶媒に溶解してなる有機色素塗料を上記可撓性基体
上に塗布,乾燥することにより形成される。
【0022】上記有機色素としては、シアニン系色素,
ナフトキノン系色素,フタロシアニン系色素、ナフタロ
シアニン系色素等が挙げられ、高分子材料としてはポリ
メチルメタクリレート(PMMA)が代表的である。
【0023】上記保護層は、光記録媒体の走行性,耐摩
耗性を確保するために設けられるものである。この保護
層は、フッ素系高分子材料と溶媒よりなるフッ素系高分
子塗料を上記記録層上に塗布,乾燥することにより形成
されるが、本発明では、耐摩耗性に優れた保護層を形成
するために上記フッ素系高分子塗料にさらに記録層を溶
解する物質を添加する。
【0024】記録層を溶解する物質が添加されたフッ素
系高分子塗料を記録層上に塗布すると、該物質によって
鏡面状態の記録層表面が記録特性が劣化しない程度に適
度に浸食される。これにより記録層の表面積が増大して
保護層との接触面積が大きくなり、保護層が記録層に対
して高い密着性を持って形成されることとなる。上記フ
ッ素系高分子材料としては、たとえば化1で示すテトラ
フルオロエチレン(TFE)とジオキソールの共重合体
が好適である。
【0025】
【化1】
【0026】この共重合体は、摩擦特性,光学的透明度
に優れ、一般の有機材料が不要である溶媒(不活性溶
媒,たとえばフロリナート(住友スリーエム社製)等)
に可溶であり、塗布(ディッピング,グラビアコーティ
ング,スピンコーティング等)による成膜が容易であ
る。
【0027】また、フッ素系高分子材料を溶解させる溶
媒としては、該フッ素系高分子材料が可溶であることは
勿論のこと、塗布によって記録層が溶解し破壊されるの
を防止するために記録層が不溶であるものを使用する必
要がある。そのような溶媒としては、例えば記録層がシ
アニン色素とポリメチルメタクリレートを主体とし、か
つ保護層がTFEとジオキソールの共重合体である場合
には、フッ化カーボン(例えば、住友スリーエム社製,
商品名フロリナート等)等のフッ素系不活性溶媒が適し
ている。
【0028】さらに上記フッ素系高分子塗料に添加する
物質としては、記録層の構成材料によって適宜選択さ
れ、例えば、記録層がシアニン色素とポリメチルメタク
リレートを主体とする場合には、アセトン、メチルエチ
ルケトン、クロロホルム、塩化メチレン等が使用され
る。ここで、上記物質によって十分な効果を得るには、
上記物質の磁性塗料中における濃度は、0.01容量%
以上であることが望ましいが、上記物質を余り多量に添
加すると、フッ素系高分子塗料の塗布により記録層が必
要以上に浸食されて記録特性が劣化するので1容量%未
満に抑える。
【0029】なお、上記保護層の膜厚は、媒体の可撓性
の維持及び信号変調度を高くする点から選択することが
望ましい。すなわち、記録媒体の可撓性を維持するには
数10μmが最大限度であり、また信号変調度を高くす
るには、記録再生光の波長をλ,保護層の屈折率をnと
したときに0.25λ/n以上、0.5λ/n以下であ
ることが必要である。これらの要件を考慮すると上記保
護層の膜厚は数100nmが適当である。本発明の方法
で形成される保護層は記録層に対する密着性が高いの
で、この程度の膜厚でも十分な耐摩耗性を発揮する。
【0030】なお、本発明においては、上記可撓性基体
の記録層側とは反対の表面に走行性を確保するためのバ
ックコート層を形成するようにして差し支えない。バッ
クコート層材料としては、通常のテープ状記録媒体にお
いて用いられるものであれば何れでも良く、例えば、導
電性カーボンを高分子等に分散してなるものが挙げられ
る。
【0031】
【作用】記録層上に、フッ素系高分子材料と溶媒を主体
としさらに記録層を溶解する物質が1容量%未満の濃度
で添加されてなるフッ素系高分子塗料を塗布すると、添
加された物質によって鏡面状態の記録層表面が記録特性
が劣化しない程度に適度に浸食される。これにより記録
層の表面積が増大してフッ素系高分子塗膜との接触面積
が大きくなり、記録層に対する密着性の高いフッ素系高
分子保護層が形成される。
【0032】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について実験結
果に基づいて説明する。
【0033】実施例1 本実施例は記録層を溶解する物質としてアセトンを用い
た例である。
【0034】まず、以下のようにしてバックコート塗
料,有機色素塗料,フッ素系高分子塗料をそれぞれ調製
した。
【0035】バックコート塗料:カーボンブラックとニ
トロセルロースが1:1の重量比で混合された混合物を
メチルエチルケトンとシクロヘキサノンが1:1の重量
比で混合された混合溶媒中に10%の濃度で溶解,分散
して調製した。 有機色素塗料:シアニン色素(日本感光色素社製,商品
名NK−125)とポリメチルメタクリレート(Pol
ymer science products社製,分
子量100000)が1:1の重量比で混合された混合
物を塩化メチレン、1,1,2,2−テトラクロロエチ
レン、シクロヘキサノン及びエタノールが28:8:
2:3の重量比で混合された混合溶媒中に2重量%の濃
度で溶解して調製した。
【0036】フッ素系高分子塗料:フッ素系高分子(デ
ュポン社製,商品名テフロンAF1600)をフッ素系
不活性溶媒(住友スリーエム社製,商品名フロリナート
FC−75)に3.0重量%の濃度で混合して塗料を調
製し、さらに該塗料に0.4容量%の濃度でアセトンを
添加して調製した。
【0037】このようにして調製された各塗料のうち、
先ずバックコート塗料を幅5インチ,厚さ20μmのポ
リエチレンテレフタレート(PET)フィルム(帝人社
製,商品名AH−677)上に塗布,乾燥して膜厚1μ
mのバックコート層を形成し、次いで上記フィルムのバ
ックコート層を形成した側とは反対側の表面に有機色素
塗料を塗布,乾燥して膜厚400nmの記録層を形成し
た。さらに該記録層上にフッ素系高分子塗料を塗布,乾
燥して膜厚210nmの保護層を形成し、テープ原反を
作製した。
【0038】図2に各塗料を塗布するのに使用したマイ
クログラビアコーター(康井精機社製)を示す。
【0039】上記マイクログラビアコーターは、フィル
ム17への塗料の塗布,乾燥が順次行われるように、上
流側から巻き出しリール11、グラビアユニット12、
ドライヤー13、フィードユニット14、巻き取りロー
ル15がこの順に配設されてなる。
【0040】ここで、上記グラビアユニット11は、図
3に示すように溝が110本/インチの割合で斜線状に
刻設された直径20mmのグラビアロール(康井精機社
製,商品名アニックスロール)16とフィルム17のグ
ラビアロール16への当たり具合を調節するフィルム押
さえロール18を有してなる。
【0041】上記グラビアロール16は、塗液パン19
中に貯えられた塗料20をピックアップし、その表面に
設けられる溝に充填させ、これをフィルム17上に転写
させるものである。
【0042】このグラビアロール16のフィルム17の
送り出し側の近接した位置には、塗液パン19中よりピ
ックアップし溝内に充填させた塗料を掻き取って一定量
とするための刃状のドクターブレード21が設けられて
いる。
【0043】また、上記グラビアロール16よりもさら
に下流側には、上記フィルム押さえロール18が配設さ
れ、フィルム17に対して上下方向に接離自在に支持さ
れている。上記グラビアユニット11では、このフィル
ム押さえロール18の上下位置を調節することにより、
フィルム17のグラビアロール16への当たり具合,す
なわち巻き付け角θが調節される。
【0044】また、上記グラビアユニット11において
フィルム17の走行速度は、図2に示すように上記フィ
ードユニット14により制御される。上記フィードユニ
ット14は、金属製ロールとゴム製ロールとが走行する
テープ状フィルムを挟んで対向配置されてなるものであ
り、これらロールの回転速度を調節することによりフィ
ルム17の走行速度が制御される。
【0045】このような構成のグラビアコータによって
フィルム上に塗料を塗布するには、フィルムをグラビア
ユニット12,ドライヤー13,フィードユニット14
に亘って掛け渡し、走行させる。これにより、塗料の塗
布,温風による塗料の乾燥が順次行われ塗膜が形成され
る。このとき、フィードユニット14によるテープの走
行速度の調節、さらにグラビアロール16の回転速度,
グラビアロール16に刻設される溝の形状,フィルムの
グラビアロール16への巻き付け角θの調節を行うこと
により、フィルム17に塗布される塗料の量及び塗布パ
ターンが制御でき、所望の塗膜が形成される。
【0046】なお、本実施例で採用した塗布条件は下記
の通りである。 バックコート塗料塗布条件 テープ走行速度 :5m/分 グラビアロール回転数 :10回転/分 テープのグラビアロールへの巻き付け角:3° 乾燥温度 :100℃ 有機色素塗料塗布条件 テープ走行速度 :3m/分 グラビアロール回転数 :10回転/分 テープのグラビアロールへの巻き付け角:3° 乾燥温度 :70℃ フッ素系高分子塗料塗布条件 テープ走行速度 :4m/分 グラビアロール回転数 :5回転/分 テープのグラビアロールへの巻き付け角:3° 乾燥条件 :自然乾燥
【0047】このようにして作製されたテープ原反を1
/2インチ幅に裁断し、光記録テープ(実施例テープ)
を作製した。
【0048】なお、裁断に使用したスリッター(康井精
機社製,商品名スリッターSS150)の構成を図4に
示す。
【0049】上記スリッターは、上流側からテープ巻き
出しロール31,放電型静電気除去装置(日本スタティ
ック社製)32,ナイフユニット33,フィードユニッ
ト34,巻き取りロール35a,35bが配置されて構
成されてなる。
【0050】ここで、上記放電型電気除去装置32は、
テープ原反33の静電気を除去して走行を円滑にするた
めのものである。上記ナイフユニット34は、テープ原
反33の不要な端部(スクラップ)を裁断し、さらに端
部を除いた中央部を1/2インチ幅ずつ6本に裁断する
ものである。
【0051】上記フィードユニット34は、走行するテ
ープ原反33を挟んで金属製ロールとゴム製ロールとが
対向配置されてなるものであり、これらロールの回転速
度が調節されることによりテープ原反33の走行速度を
制御する。このようなスリッターにおいてこれら各部分
を通過して得られた1/2インチ幅のテープは2個の巻
き取りロール35a,35bに交互に巻き取られ、また
スクラップは、別に設けられたスクラップ巻き取り用ロ
ール36に巻き取られる。
【0052】本実施例で採用したスリット条件は以下の
通りである。 テープにかかる張力:15.7N テープ送り速度 :5m/分
【0053】比較例1 フッ素系高分子塗料にアセトンを添加しないこと以外は
実施例1と同様にして光記録テープ(比較例テープ1)
を作製した。
【0054】比較例2 フッ素系高分子塗料にアセトンを1容量%の濃度で添加
したこと以外は実施例1と同様にして光記録テープ(比
較例テープ2)を作製した。
【0055】このようにして作製した各光記録テープに
ついて、保護層の密着性,走行記録再生特性について調
べた。
【0056】保護層の密着性の検討 各光記録テープを保護層側とは反対側がガラス基板側と
なるようにガラス基板にはりつけ、保護層面に1mm角
のます目状の傷を5行×12列の60個つける。そし
て、傷をつけた保護層面に粘着テープ(住友スリーエム
社製 商品名 ポストイットテープ)を貼付けてはが
し、光記録テープ上にます目として残存する保護層の数
およびはがれ具合を観測した。密着性は、残存する保護
層数が多くはがれ具合が少ない場合を高いと評価した。
【0057】
【表1】
【0058】表1からアセトンが添加されたフッ素系高
分子塗料を用いて保護層を形成した実施例テープ及び比
較例テープ2は、比較テープ1と比較して保護層が剥が
れ難いことがわかる。このことから、記録層を溶解する
物質が添加されたフッ素系高分子塗料を用いて保護層を
形成することは、密着性の高い保護層を得る上で有効で
あることがわかった。
【0059】走行記録再生特性の検討 各光記録テープをレーザ光照射機構,反射光検出機構が
搭載された回転ドラムに対して走行させて1.67〜
6.68μmピット長(1.67μmピッチ)で変調す
るデジタルエッジ記録を行い、記録された信号を再生す
るといった走行記録再生を繰り返し行った。そして、任
意の走行回数時のビットエラーレートを測定し、走行記
録再生特性を調べた。
【0060】なお、この測定は、図5に示す記録再生特
性評価装置を用いて行った。すなわち、上記記録再生特
性評価装置は、回転ドラム51と回転ドラム51内部に
搭載される光学系52を有してなる。
【0061】上記回転ドラム51は、図6に示すように
連結されたモータの駆動によって回転する上ドラム51
aと、固定された下ドラム51bからなっている。上ド
ラム51aには、上記光学系から発射されるレーザ光が
射出するレーザ射出孔53が形成されている。また、下
ドラム51bには光記録テープ54をドラム上の所定位
置に案内するためのガイド溝55が設けられている。
【0062】上記光学系52は、図7に示すように半導
体レーザ56,トラッキングミラー57,フォーカスレ
ンズ58,ハーフミラー59,検出器60によって照射
機構,検出機構が構成されてなる。
【0063】すなわち、上記光学系52において、半導
体レーザ56からレーザ光が発射され、発射されたレー
ザ光は上ドラム51aの軸に沿って進行し、トラッキン
グミラー57によって上ドラム51aの軸と垂直に曲げ
られる。そして、フォーカスレンズ58を介して光記録
テープ54の記録層表面に集光され、記録ピットが形成
される。
【0064】一方、光記録テープ54の記録層表面から
反射された反射光は、フォーカスレンズ58、トラッキ
ングミラー57、ハーフミラー59を通過して検出器6
0に導かれ、光量が測定される。
【0065】このような構成の記録再生特性評価装置に
よって光記録テープの走行記録再生特性を評価には、ま
ず光記録テープを上記回転ドラムに掛け渡して走行さ
せ、さらに回転ドラムを回転させながら上記光学系のレ
ーザ光照射機構を動作させる。記録すべきデータ信号に
対応させて半導体レーザをオン,オフすると、例えば図
8に示すように記録ピット71が走行方向(図中、矢印
A方向)と斜めに順次形成される。
【0066】次に形成された記録ピットを再生する。形
成された記録ピットを再生するには、上記光学系の反射
光検出機構を動作させ、記録時よりも小さいレーザ強度
で記録トラックに沿ってレーザ光を連続的に照射し、そ
の反射光の強度をモニターし、信号データに変換する。
【0067】得られた再生信号データをコンピュータ
(ソニー社製,商品名NWS−841)に取り込み記録
データと照合することによってビットエラーレートを測
定する。
【0068】測定された各光記録テープの走行回数とビ
ットエラーレートの関係を図9に示す。
【0069】なお、本実施例で採用した評価条件は以下
の通りである。 評価条件 レーザ波長 :780nm 記録パワー :10mW 再生パワー :0.45mW クロック :3MHz 回転ドラムに対するテープの巻き付け角:180° 線速 :10m/秒
【0070】図9からわかるように、アセトンが1容量
%の濃度で添加されたフッ素系高分子塗料を使用して保
護層を形成した比較例テープ2は、走行初期より1×1
-3以上と大きなビットエラーレートを示す。アセトン
が添加されていないフッ素系高分子塗料を使用して保護
層を形成した比較例テープ1は、走行回数が100回未
満でビットエラーレートが1×10-3以上に増大し、再
生不能となる。
【0071】これに対して、アセトンが0.4容量%の
濃度で添加されたフッ素系高分子塗料を使用して保護層
を形成した実施例テープでは、走行回数が100回以上
でもビットエラーレートが2×10-4以下である。
【0072】したがって、このことからフッ素系高分子
塗料に適正な量で記録層を溶解する物質を添加すること
は、密着性の高い保護層を形成するとともに走行記録再
生特性の向上を図る上で有効であることがわかった。
【0073】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の光記録媒体の製造方法は、記録層を溶解する物質が
1容量%未満の濃度で含有されているフッ素系高分子塗
料を記録層上に塗布,乾燥することにより保護層を形成
するので、光学的特性,摩擦特性,耐摩耗性に優れた保
護層が得られる。したがって、本発明によれば、テープ
状とした場合に良好な記録再生特性,走行耐久性を発揮
する光記録媒体を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体の一構成例を示す要部概略
断面図である。
【図2】保護層の形成に使用するグラビアコーターの構
成を示す模式図である。
【図3】上記塗布装置のグラビアユニットの構成を示す
模式図である。
【図4】テープ原反を裁断するためのスリッターの構成
を示す模式図である。
【図5】光記録テープの走行記録再生特性を評価するた
めの評価装置の構成を示す模式図である。
【図6】上記評価装置の回転ドラムの構成を示す模式図
である。
【図7】上記評価装置の光学系の構成を示す模式図であ
る。
【図8】上記評価装置によって形成された記録ピットの
形成状態を示す模式図である。
【図9】光記録テープの走行回数とビットエラーレート
の関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1・・・可撓性基板 2・・・記録層 3・・・保護層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性基体上に、有機色素よりなる記録
    層を形成し、該記録層上にフッ素系高分子材料が溶媒に
    溶解されてなるフッ素系高分子塗料を塗布して保護層を
    形成するに際し、 上記フッ素系高分子塗料が記録層を溶解する物質を1容
    量%未満含有していることを特徴とする光記録媒体の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 可撓性基体上に、有機色素と高分子材料
    を主体とする記録層を形成し、該記録層上にフッ素系高
    分子材料が溶媒に溶解されてなるフッ素系高分子塗料を
    塗布して保護層を形成するに際し、 上記フッ素系高分子塗料が記録層を溶解する物質を1容
    量%未満含有していることを特徴とする光記録媒体の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 上記溶媒がフッ素系不活性溶媒である請
    求項1または請求項2記載の光記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 記録層を構成する高分子材料がポリメチ
    ルメタクリレートであり、かつ記録層を溶解する物質が
    アセトン,メチルエチルケトン,クロロホルム,塩化メ
    チレンから選ばれる少なくとも一種である請求項2記載
    の光記録媒体の製造方法。
JP4255777A 1992-08-31 1992-08-31 光記録媒体 Withdrawn JPH0684205A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012520445A (ja) * 2009-03-13 2012-09-06 エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー 分析用消耗品を製造する方法

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