JPH0684158U - 圧電着火ライター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、圧電ユニットに接続する通電線に
補強体を外装させた組立ての困難性を解消し製造作業の
能率高揚と、常に一定した放電部を形成して着火性能の
安定化を可能とした圧電着火ライターに関する。 【構成】 液化石油ガスの燃料槽部を備えるライター本
体と、液化石油ガスを気化し放出し得る構成のガス放出
ノズルと、このガスの放出を制御するレバー部と、内装
の圧電素子を打撃して前記ガス放出ノズルとこれの近傍
に設けた電極との間に火花放電を起こす電気的エネルギ
ー発生用の圧電ユニットとより構成する圧電着火ライタ
ーに於いて、一方を前記圧電ユニットに接続し、他方を
放電電極とするリード線等の通電線に補強体を外装した
構成にある。又、補強体に防炎部を連設すること。補強
体の一方端部寄りに、圧電ユニットの端部電極への通電
線当接用の傾斜案内部を設けることもある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、圧電ユニットに接続する通電線に補強体を外装させて、組立て時の 通電線の曲がりに起因する組立ての困難性を解消し製造作業の能率高揚と、常に 一定した放電部を形成して着火性能の安定化を可能とした圧電着火ライターに関 する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、 特公昭62−14056号公報に開示されているようにガスライター用電圧点 火装置として下記構成のものが提案された。 即ち、点火時に手動で操作される操作部を有し、この手動操作部22の操作にり 分極を生じ電圧を発生させる圧電点火素子本体23、この圧電点火素子本体23の前 ページ（２） 記分極により発生する一方の極を接続され、他端をガスを噴出するノズル24近傍 に配された第１の導電体25、一端を前記ノズル24に係止され、一点を支点として このノズルを開放する方向に回動するように設けられたノズル開放用レバー26、 及び前記圧電点火素子本体23の前記分極により発生する他方の極に一端を電気的 に接続され、他端を前記ノズル開放用レバー26の他端近傍に配され、前記手動操 作部22の操作時に前記ノズル開放用レバー26の他端に電気的に接続してこのノズ ル開放用レバー26を回動させる第２の導電体27とからなり、前記ノズル開放用レ バー26が前記手動操作部22の操作時に前記第１の導電体25の他端と前記ノズル24 との間に放電を発生させ安定着火を得るに必要な抵抗値を有する抵抗体であるこ とを特徴とした構成によるものである。

【０００３】 しかし、上述した発明の圧電点火素子本体に接続する通電線のリード線は、単 に導電線にビニール等の被覆体を外装したものを使用し、所定部分より折り曲げ て一方を放電電極とし、他方を圧電点火素子本体の電極に接続するものであるか ら、組立て時、ライター本体へ取付けとたき、前記通電線は容易に曲がり不規則 に曲がった通電線を延ばしてから取付けたりするので、その組立てにきわめて不 便をきたすと共に、曲がった状態で取付けることにより先端の電極と、導電性の ノズルとの間に形成される放電距離が一定化されず、したがつて量産した場合、 放電部が特定されないものが形成されて着火効率の低下を生ずる製品が多数出て 歩留りの悪い問題点もあった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、前記した従来の課題を解消するためになされたものでその目的とす るところは、一方を圧電着火ライターを構成する圧電ユニットへ接続し、他方を 放電電極とする通電線にプラステック等で成形した補強体を外装して、リード線 等の柔軟で曲がり易い通電線であっても簡単に曲がることのない組立て上便利で 放電部の放電距離を常時一定化でき着火効率の低下を抑止する圧電着火ライター の提供にある。 ページ（３）

【０００５】

【課題を解決するための手段】

叙上の目的を達成するための本考案に係る圧電着火ライターの手段は、液化石 油ガスの燃料槽部を備えるライター本体と、液化石油ガスを気化し放出し得る構 成のガス放出ノズルと、このガスの放出を制御するレバーと、内装した圧電素子 を打撃して前記ガス放出ノズルとこれの近傍に設けた電極との間に火花放電を起 す電気的エネルギー発生用の圧電ユニットとより構成する圧電着火ライターに於 いて、一方を前記圧電ユニットに接続し、他方を放電電極とするリード線等の通 電線に補強体を外装したことを特徴とする構成にある。又、本考案は補強体に防 炎部を連設する場合と、この補強体の一方端部寄りに、圧電ユニットの端部電極 への通電線当接用の傾斜案内部を設ける場合とがあって、前記補強体は、比較的 硬質で耐火性を有する材質のプラスチック等で成形することが量産上並びに安全 上に於いて好ましいものである。

【０００６】

【作用】 前記構成による圧電着火ライターを使用する場合は、圧電ユニットを作動する 操作ボタンを押し下げることにより、例えばこの操作ボタンと一体に形成した導 電性のレバー部が支軸を中心に回動し、そのレバー部に係止させたガス放出ノズ ルを引き上げて、気化ガスを放出させると共に、これと同時に操作ボタンは圧電 ユニットの圧電素子を打撃して電気的エネルギーを発生させて、前記導電性のレ バー部に係止するガス放出ノズルと、補強体を外装した通電線の一方電極との間 に放電火花を発生させて、この火花により放出ガスに着火させる。又、火を消す 場合は、前記操作ボタンより指を離すことにより、前記レバー部が元の位置に戻 ってガス放出ノズルは下がりガスの放出が停止されて火は消える。尚、補強体に 防炎部を備えたもの、或いは圧電ユニットの端部電極への当接案内用の傾斜案内 部を設けたものに於いても、前記と同様に使用する。

【０００７】

【実施例】

ページ（４） 次に本考案に係る圧電着火ライターの実施例を図面に基づいて説明すると、こ の実施例による圧電着火ライターは、通電線に外装する補強体に、前記防炎部と 、傾斜案内部とを設けたものを示し、液化石油ガスの燃料槽部１を備えるライタ ー本体２と、液化石油ガスを気化しこれを放出する手段を備えるガス放出ノズル ３と、ガスの放出を制御するレバー部４と、圧電素子を打撃して前記ガス放出ノ ズル３とこれの近傍に設けた補強体５を外装する通電線６の電極７との間に火花 放電を起こす電気的エネルギー発生用の圧電ユニット８と、前記レバー部４を一 体に形成した圧電ユニット８操作用の操作ボタン９とより構成するもので、ライ ター本体２は、プラスチック等で成形し燃料槽部１にはブタン、プロパン等より なる液化石油ガスの燃料10が充填してある。

【０００８】 液化石油ガスを放出するガス放出ノズル３は、液化石油ガスを気化するガス気 化室、ガス導入路とガス弁、弁操作用のスプリング等を備えるガス発生手段11に 連係させ、且つ導電性金属により形成されると共に、上部は亀頭状の膨出部を形 成してあって、この部分にレバー部４を係止させる。

【０００９】 次にリード線からなる通電線６に外装した補強体５は、図２乃至図４に示すよ うに耐火性材料により成形した縦溝12を有する縦長部13と、この縦長部13の先端 に突設した断面コ字状で中間に通電線６の嵌挿孔14を穿設した防炎部15と、前記 縦溝12の端部寄りに形成した圧電ユニット８の端部電極への通電線当接用の傾斜 案内部16とより構成し、且つ縦溝12の溝縁には通電線６の係止用の突縁17、17を 設けてあって通電線６の溝からの外れ防止を図ってある。この補強体５の縦溝12 にリード線からなる通電線６を嵌めて先端側を嵌挿孔14を通して先端を望ませ、 これを電極７とし、他端側を前記傾斜案内部16により圧電ユニット８の電極18へ 接続して通電可能とするもので、補強体５はライター本体２へ固定する。又、防 炎部15により着火炎による操作ボタン９等の焼損をなくす。さらに傾斜案内部16 により通電線６の圧電ユニット８の電極18への接続を確実化し、線の離脱防止が 図られる。 ページ（５）

【００１０】 前記電気的エネルギー発生用の圧電ユニツト８は、圧電素子操作用のハンマー と、ピエゾユニット内に設けた圧電素子と、前記ハンマー復帰用のスプリングと り構成し、前記通電線６を介してその先端に形成される電極７と、操作ボタン９ に係止するガス放出ノズル３との間に放電部を形成し、該放電部にて火花放電を 起こしノズル３より放出されるガスに着火する。

【００１１】 さらに、圧電ユニット８操作用の操作ボタン９は、導電性樹脂により形成され 、且つ上部に操作指による押圧部19と、押圧部19の下部内側に設けた圧電ユニッ ト８のハンマーを作動する突起20と、下部一側に突設して前記ガス放出ノズル３ の膨出部に係止する二又状のノズル操作用のレバー部４とより構成し、且つレバ ー部４中間に突設した支軸21をライター本体２へ回動自在に支持させて、前記押 圧部19を押すことにより支軸21を支点としてレバー部４を上げ、これに係止した ガス放出ノズル３を引き上げてガスの放出を可能とする。この操作ボタン９の表 面抵抗値は、10KΩ乃至40KΩとすることが好ましく、前記数値によれば電極７と ガス放出ノズル３との間に発生する火花放電が安定する。

【００１２】 以上、この実施例による圧電着火ライターによって着火させる場合は、操作ボ タン９を押し下げることにその操作ボタン９と一体に形成したレバー部４は支軸 を中心に上方へ回動し、その回動によってレバー部４に係止させたガス放出ノズ ル３が引き上げられて気化ガスが放出される。これと同時に操作ボタン９が圧電 ユニット８のハンマーを打撃して圧電素子により電気的エネルギーを発生させ、 前記圧電素子との接続により導電性樹脂のレバー部４に係止するガス放出ノズル ３と、補強体５を外装した通電線６の電極７との間に火花放電をか起して、前記 放出ガスに着火させる。又、火を消す場合は前記操作ボタン９より指を離すこと により、レバー部４が回動しこれが元の位置に戻ってガス放出ノズル３が下がり 、ガスの放出が停止されて火は消える。なお、着火に際し、通電線６は補強体５ により固定され、電極距離が特定化されて着火能率を良好とする。 ページ（６）

【００１３】

【考案の効果】

前記のように本考案に係る圧電着火ライターは、液化石油ガスを収容する燃料 槽部を備えるライター本体と、液化石油ガスを気化し放出し得る構成のガス放出 ノズルと、このガスの放出を制御するレバーと、圧電素子を打撃して前記ガス放 出ノズルとこれの近傍に設けた電極との間に火花放電を起こす電気的エネルギー 発生用の圧電ユニットとより構成する圧電着火ライターに於いて、一方を前記圧 電ユニットに接続し、他方を放電電極とするリード線等の通電線に補強体を外装 した構成によるものであるから、ライターの組立て時、リード線等の曲がり易い 通電線の取付けに際しても補強体により曲がることはないので、通電線の取付け が簡単に行うことができてその作業性をきわめて良好で組立て作業の能率高揚を 図ることができる。又、この補強体によって放電部が確立され、常に一定の放電 距離が保持されるため、量産しても着火性能の良いものを安定して生産でき歩留 りはきわめて良好となる特有の効果がある。

【００１４】 又、本考案は、補強体に防炎部を連設することにより、圧電ユニットを作動す る操作ボタン等の焼損などを防止できて、安全性を高める実施上の効果がある。

【００１５】 更に又、本考案は、補強体の一方端部寄りに、圧電ユニットの端部電極への通 電線当接用の傾斜案内部を設けることにより、組立て時、或いは組立て後に於い て、通電線の端部を圧電ユニットの電極へ確実に接続できるので、通電性を良好 とすることができて、通電不能による着火不良をなくし、着火効率を上げる実施 上の効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る圧電着火ライターの実施例を示す
もので、縦断側面図である。

【図２】同実施例に於ける補強体の斜視図である。 ページ（７）

【図３】同実施例に於ける補強体を外装した通電線の部
分の横断面図である。

【図４】同実施例に於ける要部の拡大断面図である。

【図５】従来の圧電着火ライターを示す断面図である。

【符号の説明】

１ 燃料槽部 ２ ライター本体 ３ ガス放出ノズル ４ レバー部 ５ 補強体 ６ 通電線 ７ 電極 ８ 圧電ユニット 15 防炎部 16 傾斜案内部

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 液化石油ガスの燃料槽部を備えるライタ
   ー本体と、液化石油ガスを気化し放出し得る構成のガス
   放出ノズルと、このガスの放出を制御するレバー部と、
   内装の圧電素子を打撃して前記ガス放出ノズルとこれの
   近傍に設けた電極との間に火花放電を起こす電気的エネ
   ルギー発生用の圧電ユニットとより構成する圧電着火ラ
   イターに於いて、一方を前記圧電ユニットに接続し、他
   方を放電電極とするリード線等の通電線に補強体を外装
   したことを特徴とする圧電着火ライター。
2. 【請求項２】 補強体に防炎部を連設したことを特徴と
   する請求項１記載の圧電着火ライター。
3. 【請求項３】 補強体の一方端部寄りに、圧電ユニット
   の端部電極への通電線当接用の傾斜案内部を設けたこと
   を特徴とする請求項１、２記載の圧電着火ライター。