JPH0684047U - ダンパ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シャフト３の外周に圧入される弾性部材１
と、この弾性部材１に保持された振動リング２とよりな
るダンパについて、弾性部材１を加硫成形したときにア
ンダーカットが形成されないようにして離型性を向上さ
せる。 【構成】 弾性部材１の内周面に後加工される螺旋状の
溝５を設けることにして弾性部材１のシャフト３への圧
入が容易であることを維持しつつ、弾性部材１を加硫成
形したときにアンダーカットが形成されないようにして
離型性を向上させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車エンジンのドライブシャフト等各種の回転駆動系に生起され る振動を吸収減衰するダンパの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、図２に示すように、シャフト３の外周に圧入されるゴム状弾性材製 の弾性部材１と、この弾性部材１に保持された剛材製の振動リング２とよりなる ダイナミックダンパが知られている（特開平２−６２４４２号公報参照）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら上記従来のダンパにおいては、弾性部材１のシャフト３への圧入 を容易にするとともに当該ダンパの固有振動数を低くするために、弾性部材１の 内周面に環状の凹部４が設けられている。したがってこの従来技術によると、弾 性部材１を加硫成形したときにこの凹部４によるアンダーカットが形成されるた めに、離型が困難である問題がある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は以上の点に鑑み、上記従来技術にみられる問題を解消すべく案出され たものであって、この目的を達成するため、シャフトの外周に圧入される弾性部 材と、前記弾性部材に保持された振動リングとよりなるダンパにおいて、前記弾 性部材の内周面に螺旋状の溝を設けることにした。

【０００５】

【作用】

螺旋状の溝は弾性部材の加硫成形時ではなく、弾性部材を加硫成形し、更に離 型させてから、後加工によって弾性部材の内周面に設けられる。したがって従来 技術のように離型の難易の問題を生じることがない。

【０００６】

【実施例】

つぎに本考案の実施例を図面にしたがって説明する。

【０００７】 図１に示すように、当該ダンパは、シャフト３の外周に圧入されるゴム状弾性 材製の弾性部材１と、この弾性部材１に保持された剛材製の振動リング２とを有 しており、更に、圧入時にシャフト３の外周面に接触する弾性部材１の内周面に 螺旋状の溝５が設けられている。上記したように螺旋状の溝５は弾性部材１の加 硫成形時ではなく、弾性部材１を加硫成形し、更に離型させてから、後加工によ って弾性部材１の内周面に設けられるものであって、従来技術のように離型の難 易の問題を生じることがない。したがって離型時、弾性部材１の内周面は凹部や 溝を有さない無垢のままであって、このため弾性部材１を容易に離型させること ができる。

【０００８】 また弾性部材１の内周面に螺旋状の溝５が設けられている場合には、上記の他 に、以下の効果がある。 ａ）弾性部材１のシャフト３に対する接触面積が従来技術と比較して其程大き く変わらないために、弾性部材１のシャフト３への圧入が容易であることが維持 されている。 ｂ）圧入時、螺旋状の溝５を通しての、エアおよび潤滑剤の流れが良いために 装着性が向上する。

【０００９】

【考案の効果】

本考案は以下の効果を奏する。 ａ）弾性部材を加硫成形したときにアンダーカットが形成されないために、離 型が容易である。 ｂ）弾性部材のシャフトに対する接触面積が従来技術と比較して其程大きく変 わらないために、弾性部材のシャフトへの圧入が容易であることが維持されてい る。 ｃ）圧入時、螺旋状の溝を通しての、エアおよび潤滑剤の流れが良いために装 着性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係るダンパの装着状態を示す
断面図

【図２】従来例に係るダンパの装着状態を示す断面図

【符号の説明】

１ 弾性部材 ２ 振動リング ３ シャフト ４ 凹部 ５ 螺旋状の溝

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シャフト（３）の外周に圧入される弾性
   部材（１）と、前記弾性部材（１）に保持された振動リ
   ング（２）とよりなるダンパにおいて、前記弾性部材
   （１）の内周面に螺旋状の溝（５）を設けたことを特徴
   とするダンパ。