JPH0684005U - ロードセンシング油圧回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 建設機械のロードセンシング油圧回路に於い
て、アクチュエータ起動時の駆動力の下降を防止する。 【構成】 負荷圧検出油路７或いは最大負荷圧油路８
と、ポンプ吐出圧検出油路１４との中間部を連結油路１
９にて接続する。連結油路１９に絞り１７と減圧弁１８
を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は建設機械の油圧回路に関するものであり、特に、負荷圧の変動に対応 してポンプ吐出圧を制御するロードセンシング油圧回路に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の此種ロードセンシング油圧回路を図２に示す。可変容量形の油圧ポンプ １の吐出油路２に、方向制御弁３及び負荷圧切替弁４を介してアクチュエータ５ を接続する。レバーが中立状態では負荷圧開放弁６のみが開口し、負荷圧検出油 路７及び最大負荷圧油路８はタンク９に連通する。

【０００３】 図３は方向制御弁３、負荷圧切替弁４、負荷圧開放弁６の夫々の開口部の開口 面積とレバー操作量との関係を示し、同図を参照しながら図２のロードセンシン グ油圧回路の動作を説明する。 レバーが中立状態では負荷圧開放弁６の開口部Ａ_LTのみが開口し、負荷圧検出 油路７及び最大負荷圧油路８はタンク９に連通する。レバーを操作したときは、 先ず負荷圧開放弁６の開口部Ａ_LTが閉止し、次に負荷圧切替弁４の開口部Ａ_LSが 開口しはじめる。そして、負荷圧切替弁４の開口速度より遅く、方向制御弁３の 開口部Ａ_PCが開口していく。

【０００４】 然るとき、負荷圧切替弁４の開口部Ａ_LSを通過して、アクチュエータ５の負荷 圧が負荷圧検出油路７及び最大負荷圧油路８へ導出される。導出される油量は、 管路のボリューム、作動油の圧縮性、アクチュエータ５の負荷圧の大小、シャト ル弁１０の応答性等の影響で変化するが、ポンプレギュレータ１１が作動して油 圧ポンプ１の吐出圧を上昇させる以前にアクチュエータ５の駆動力が下降する。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

前述したように、従来はレバーを操作したときに、アクチュエータ５の負荷圧 が負荷圧検出油路７及び最大負荷圧油路８へ流出する。依って、負荷保持状態の アクチュエータ５を駆動したとき、レバー操作する都度アクチュエータ５の駆動 力が一旦下降し、オペレータに異和感が生じるとともに操作上危険である。

【０００６】 そこで、アクチュエータ起動時の駆動力の下降を防止するために解決すべき技 術的課題が生じてくるのであり、本考案はこの課題を解決することを目的とする 。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記目的を達成するために提案されたものであり、油圧ポンプの吐出 油路に方向制御弁及び負荷圧切替弁を介してアクチュエータを接続し、負荷圧切 替弁の前段から負荷圧開放油路及び負荷圧検出油路を分岐するとともに、油圧ポ ンプ吐出口近傍からポンプ吐出圧検出油路を分岐し、前記負荷圧開放油路に負荷 圧開放弁を設けてタンクへ接続し、負荷圧検出油路及びポンプ吐出圧検出油路を ポンプレギュレータへ接続したロードセンシング油圧回路に於いて、前記負荷圧 検出油路とポンプ吐出圧検出油路との中間部を、絞りと減圧弁を設けた連結油路 にて接続したロードセンシング油圧回路を提供するものである。

【０００８】

【作用】

レバーが中立状態にある場合は、従来と同様に負荷圧開放弁のみ開口して、負 荷圧検出油路の圧力は略タンク圧となる。 レバーを操作したときは負荷圧開放弁が閉止し、連結油路に設けた減圧弁の設 定圧まで負荷圧検出油路の圧力が上昇する。従って、減圧弁の設定圧をアクチュ エータの負荷圧以上にしておけば、アクチュエータ起動時の駆動力の下降を防止 できる。

【０００９】 方向制御弁が開口した後には、油圧ポンプの吐出油路から連結油路を通じて、 負荷圧検出油路へ作動油が流入するが、絞りの開口を小にすることにより影響が 殆どなくなる。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図１に従って詳述する。尚、説明の都合上、従来技 術と同一構成部分には同一符号を使用する。可変容量形の油圧ポンプ１の吐出油 路２に、方向制御弁３及び負荷圧切替弁４を介してアクチュエータ５を接続する 。方向制御弁３と負荷圧切替弁４との間に圧力補償弁１２を介装し、負荷圧切替 弁４の前段から負荷圧検出油路７及び負荷圧開放油路１３を分岐する。

【００１１】 負荷圧開放油路１３に負荷圧開放弁６を設けてタンク９へ接続し、シャトル弁 １０の入口に負荷圧検出油路７を接続する。シャトル弁１０の入口には他のアク チュエータの負荷圧検出油路（図示せず）が接続され、何れか一方のアクチュエ ータの負荷圧が高圧選択されて最大負荷圧油路８を通りポンプレギュレータ１１ へ導出される。尚、アクチュエータが一つのみであるときは、シャトル弁１０を 設けず負荷圧検出油路７を直接ポンプレギュレータ１１へ接続する。

【００１２】 また、油圧ポンプ１の吐出口近傍からポンプ吐出圧検出油路１４及びアンロー ド油路１５を分岐し、ポンプ吐出圧検出油路１４をポンプレギュレータ１１へ接 続するとともに、アンロード油路１５にアンロード弁１６を設けてタンク９へ接 続する。更に、前記最大負荷圧油路８とポンプ吐出圧検出油路１４の中間部を、 絞り１７と減圧弁１８を設けた連結油路１９によって接続する。

【００１３】 而して、レバーが中立状態にある場合は、従来と同様に負荷圧開放弁６の開口 部Ａ_LTのみが開口し、負荷圧検出油路７をタンク９に連通する。該負荷圧開放弁 ６の開口部Ａ_LTの開口面積に比較して、前記連結油路１９の絞り１７の開口面積 を十分に小にしてあるため、負荷圧検出油路７及び最大負荷圧油路８の圧力は略 タンク圧となる。

【００１４】 ここで、レバーを操作したときは負荷圧開放弁６の開口部Ａ_LTが閉止し、次に 負荷圧切替弁４の開口部Ａ_LSが開口して、連結油路１９に設けた減圧弁１８の設 定圧まで負荷圧検出油路７及び最大負荷圧油路８の圧力が上昇する。従って、減 圧弁１８の設定圧をアクチュエータ５の負荷圧以上にしておくことにより、アク チュエータ５を起動したときの駆動力の下降を防止できる。

【００１５】 更に、レバーの操作を継続すれば方向制御弁３の開口部Ａ_PCが開口し、油圧ポ ンプ１から吐出された作動油は方向制御弁３及び圧力補償弁１２、負荷圧切替弁 ４を通過してアクチュエータ５を駆動する。然るとき、ポンプ吐出圧検出油路１ ４を経てポンプレギュレータ１１に吐出油の一部が作用するが、このほか、絞り １７と減圧弁１８を通過して最大負荷圧油路８へ作動油の一部が僅かに導出され 、シャトル弁１０を介して負荷圧検出油路７へ流入する。然し、絞り１７の開口 面積を小にしておくことによって、連結油路１９から負荷圧検出油路７へ流入す る作動油の流量は殆ど影響がなくなる。

【００１６】 尚、本考案は、本考案の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、 そして、本考案が該改変されたものに及ぶことは当然である。

【００１７】

【考案の効果】

本考案は上記一実施例に詳述したように、負荷圧検出油路とポンプ吐出圧検出 油路との中間部を、絞りと減圧弁を設けた連結油路にて接続したことにより、負 荷圧切替弁が開口したときに負荷圧検出油路の圧力が瞬時に上昇する。従って、 アクチュエータ起動時に負荷圧が一旦低下することがなく、アクチュエータの駆 動力の下降を防止できる。

【００１８】 斯くして、オペレータは異和感なくアクチュエータを操作することができ、操 作性の向上に寄与できるとともに安全性も向上する等、諸種の実用的価値ある考 案である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例であるロードセンシング油圧
回路図。

【図２】従来のロードセンシング油圧回路図。

【図３】レバー操作量と各開口部の開口面積との関係を
示すグラフ。

【符号の説明】

１ 油圧ポンプ ２ 吐出油路 ３ 方向制御弁 ４ 負荷圧切替弁 ５ アクチュエータ ６ 負荷圧開放弁 ７ 負荷圧検出油路 ８ 最大負荷圧油路 ９ タンク １１ ポンプレギュレータ １３ 負荷圧開放油路 １４ ポンプ吐出圧検出油路 １７ 絞り １８ 減圧弁 １９ 連結油路

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 油圧ポンプの吐出油路に方向制御弁及び
   負荷圧切替弁を介してアクチュエータを接続し、負荷圧
   切替弁の前段から負荷圧開放油路及び負荷圧検出油路を
   分岐するとともに、油圧ポンプ吐出口近傍からポンプ吐
   出圧検出油路を分岐し、前記負荷圧開放油路に負荷圧開
   放弁を設けてタンクへ接続し、負荷圧検出油路及びポン
   プ吐出圧検出油路をポンプレギュレータへ接続したロー
   ドセンシング油圧回路に於いて、前記負荷圧検出油路と
   ポンプ吐出圧検出油路との中間部を、絞りと減圧弁を設
   けた連結油路にて接続したことを特徴とするロードセン
   シング油圧回路。