JPH068399B2 - 製缶用塗料 - Google Patents

製缶用塗料

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JPH068399B2
JPH068399B2 JP19803688A JP19803688A JPH068399B2 JP H068399 B2 JPH068399 B2 JP H068399B2 JP 19803688 A JP19803688 A JP 19803688A JP 19803688 A JP19803688 A JP 19803688A JP H068399 B2 JPH068399 B2 JP H068399B2
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resin
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弘明 後藤
一弘 佐藤
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は製缶用塗料に関し、より詳細には、金属への密
着性及び耐腐食性と極めて優れた加工性との組合せに優
れた製缶用塗料に関する。
(従来の技術) 従来、缶詰用缶としては、側面に半田付、接着、溶接等
による継目を設けた缶胴に天地缶蓋を巻締してなる所謂
スリーピース缶や絞り加工、深絞り曲げのばし加工、絞
りしごき加工、インパクト成形等により側面に継目を有
しない缶胴(シームレス缶胴)に缶蓋を巻締してなる所
謂ツーピース缶が一般に使用されており、また軽量容器
として被覆金属箔を絞り成形して成るフランジ付容器
に、蓋をヒートシールした容器も使用されている。
これら何れのタイプの容器に用いる金属素材も、金属素
材の腐食や金属溶出を防止するために、素材の内面およ
び外面に保護塗膜を設けねばならない。
従来、この種の製缶用塗料としては、金属素材への密着
性や耐腐食性の点で、エポキシ樹脂と、エポキシ樹脂に
対して硬化性を示す樹脂、例えばフェノール樹脂との組
合せが使用されており、ここで、エポキシ樹脂として
は、種々の脂肪酸や二塩基酸で変性したものを用いるこ
とも既に知られている(例えば、特開昭59−1545
8号公報)。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、従来の製缶用塗料を成形加工に先立っ
て、金属素材に施こし、苛酷な成形加工に賦すると、塗
膜の耐腐食性が低下し、そのために加工後の缶や容器等
に補正塗装を施さねばならないという不都合がある。
例えば、塗装金属板を絞り−再絞り成形に賦し、再絞り
に際して側壁部を曲げ−曲げもどし変形により薄肉化
(延伸)して、薄肉化深絞り缶を製造することが行われ
ているが、この場合にも、塗膜の耐腐食性が成形加工に
より極度に低下するという問題がある。第一の問題は、
最終薄肉化深絞り罐におけるショックラインの発生であ
る。このショックラインとは、前段の絞り成形でカップ
コーナー部であった部分の塗膜が溝状のラインとなって
罐の側壁部に現れる現象である。このショックラインの
発生は、罐の外観特性を損うばかりではなく、この溝状
のライン部分では塗膜に多数のマイクロクラックが入っ
ていることから、金属板の腐食や内容物への金属溶出等
を発生することになる。第二の問題は、薄肉化深絞り成
形に際して塗膜が金属板の塑性流動に追従し得ず、塗膜
の破断切れや剥離を生ずることである。絞り−再絞り成
形では、金属板の罐の高さ方向には寸法が大きくなり且
つ罐胴周方向には寸法が縮小するように塑性流動を生
じ、しかも曲げ伸しによる薄肉化が生ずるのであるが、
従来罐用に使用されている塗料では、このような変形に
耐えることができず、切れやはがれを生ずるのである。
同様の問題は、易開封性缶蓋(イージィオープンエン
ド)の製造に際しても生じる。即ち、イージィ・オープ
ンエンドの製造に際しては、スコア加工用ダイスと塗装
缶蓋とを係合させてスコア加工を行い、また塗装缶蓋に
リベット加工を行い、開封片をリベット打ちを行うが、
スコア加工部やリベット加工部の内面側が著しい損傷を
受け、金属露出を防止するには補正塗りが必要となる。
従って、本発明の目的は、事前塗装金属素材を用いて容
器や蓋等に成形でき、しかも成形後の容器や蓋は補正塗
りの必要なしに缶詰製品等に使用でき、優れた密着性、
耐腐食性、塗膜物性等と加工性との組合せを有する製缶
用塗料を提供するにある。
本発明の他の目的は、事前塗装金属板を深絞り成形する
ことにより形成され且つ側壁部が薄肉化されている薄肉
化深絞り塗装罐の用途に適用でき、前述したショックラ
インや塗膜の破断及び剥離を防止し且つ罐の耐腐食性を
顕著に向上させることが可能な製缶用塗料を提供するに
ある。
本発明の更に他の目的は、補正塗り不要イージィ・オー
プン・エンドの製造に有利に使用し得る製缶用塗料を提
供するにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明によれば、重合脂肪酸で変性されたエポキシ樹脂
と該エポキシ樹脂に対する硬化剤樹脂とを含有する製缶
用塗料において、該変性エポキシ樹脂が、ダイマー酸変
性量が1乃至10重量%、重量平均分子量(w)が1
5,000乃至40,000、分子量分布(w/n)が2.0乃至
5.0及びエポキシ当量が2,000乃至8,000の範囲内にある
ダイマー酸変性ビスフェノール型エポキシ樹脂であるこ
とを特徴とする製缶用塗料が提供される。
ダイマー酸変性エポキシ樹脂は、一般には比較的低分子
量のエポキシ樹脂(例えば、エピコート828、エピコー
ト1001、エピコート1004等(油化シェルエポキシ社
製))とダイマー酸との反応によって得られることは既
に知られている(例えば、特開昭59−15458号公
報)が、更に以下の方法によっても得られる。すなわ
ち、実施例で詳述するように、(i)ダイマー酸、(i
i)ビスフェノール類とエピハロヒドリンとの縮合物、
及び(iii)ビスフェノール類を反応させることによ
り得られたものが有利に使用される。
ダイマー酸変性ビスフェノール型エポキシ樹脂と硬化剤
樹脂とは98:2乃至60:40の重量比で用いるのが
よい。
(作用) 本発明の製缶用塗料も、重合脂肪酸変性エポキシ樹脂と
エポキシ樹脂用硬化剤樹脂とから成る点では、公知の缶
用塗料と軌を一にしているが、用いる変性エポキシ樹脂
がダイマー酸変性量(変性エポキシ樹脂基準)が1乃至
10重量%、特に1乃至5重量%、重量平均分子量(M
w)が15,000乃至40,000、特に20,000乃至35,000、分子
量分布(Mw/Mn)が2.0乃至5.0、特に2.0乃至4.5及
びエポキシ当量が2,000乃至8,000、特に2,500乃至7,000
の範囲内にあるダイマー酸変性ビスフェノール型エポキ
シ樹脂であることが特徴である。
本発明の塗料は、金属素材に対する密着性や腐食性成分
に対するバリヤー性の点では、ビスフェノール型エポキ
シ樹脂とエポキシ樹脂用硬化剤樹脂との組合せで存在す
ることが必須不可欠であるが、従来のこのタイプの塗料
では、加工時に金属素材に忠実に追従する塑性流動を生
じさせることが不可能に近い。本発明では、このビスフ
ェノール型エポキシ樹脂として、限定された少量のダイ
マー酸で変性されたものを用いることにより、上記塗料
が有する優れた特性を保全しながら、塗膜を内部可塑化
し、金属素材の塑性流動に追随し得る特性を塗膜に賦与
したものである。
ダイマー酸は高級不飽和脂肪酸が二量化した化学構造を
有し、その末端カルボキシル基はグリシジル基と反応し
てエステル結合を形成する。かくして、ダイマー酸変性
ビスフェノール型エポキシ樹脂においては、ダイマー酸
に基づく高級アルキレン鎖乃至アルケニレン鎖がエポキ
シ樹脂骨格中に導入された構造となっていることが明ら
かである。
本発明は、このエポキシ樹脂の各々にダイマー酸単位が
含まれていることは、塗膜の内部可塑化の点で必らずし
も必要でなく、塗膜の凝集力、密着性、腐食成分バリヤ
ー性の点ではかような多量のダイマー酸成分の含有はむ
しろ有害であり、変性エポキシ樹脂当り一定量の少量の
ダイマー酸が含有されていれば、十分に塗膜の内部可塑
化の効果が得られるという知見に基づくものである。
即ち、本発明において、ダイマー酸変性量が上記範囲よ
りも少ない場合には、塗膜の内部可塑化の程度が少なく
なり、現象としては塗膜の伸び不足、結果としては薄肉
化絞り成形時におけるショックラインの発生や、スコア
加工時における塗膜割れの発生をもたらす。一方、ダイ
マー酸変性量が上記範囲よりも多いと、塗膜の凝集力の
低下、密着性の低下、耐熱性の低下等を生じ、結果とし
ては、薄肉化絞り成形時における塗膜切れや塗膜剥離、
スコア加工時における塗膜剥離、ピンホールやクラック
発生等をまねく。
本発明に用いるダイマー酸変性エポキシ樹脂は、ポリス
チレンを標準物質としたゲルパーミエーション(GP
C)法により重量平均分子量(w)が前述した範囲に
あることも加工性及び密着性の点で重要であり、wが
上記範囲よりも小さいと、塗膜の凝集力が小さくなっ
て、凝集力の低下による前述した欠点が出やすい。一
方、wが上記範囲よりも大きいと、塗膜の金属基体に
対する密着力が範囲内のものに比して低下するようにな
る。
本発明に用いる前述したGPC法で求めた分子量分布
(w/n)が2.0乃至5.0の比較的シャープな範囲内
にあるが、この値が上記範囲よりも大きいと、内容物に
よる抽出量が多くなり易い等衛生的特性の点で好ましく
ない傾向があり、一方上記範囲よりも小さいと、金属素
材に対する密着性の点で不適当となる傾向がある。
本発明によるダイマー酸変性エポキシ樹脂では、エポキ
シ樹脂分子1ケ当りのダイマー酸単位の数が平均0.1乃
至約2個と少なく、この場合にも十分な内部可塑化効果
が得られていることは注目に値する。
ダイマー酸成分は、エポキシ樹脂中に組込まれた形でし
かも可及的に均質な状態で存在するのがよい。このため
に、変性エポキシ樹脂を得るには、反応中攪拌が効率良
く行なわれるように、溶剤を添加する等の方法を採るこ
ともできる。
変性エポキシ樹脂と硬化剤樹脂とは、前述した量比で存
在するのがよく、硬化剤樹脂の量が上記範囲よりも少な
い場合には、耐腐食性や耐熱性、耐熱水性の点で好まし
くなく、変性エポキシ樹脂の量が上記範囲よりも少ない
場合には、密着性及び加工性の点で好ましくない。
(発明の好適態様) ダイマー酸 本発明で変性に用いるダイマー酸は、乾性油、半乾性油
から得られる精製植物油脂肪酸等の高級不飽和脂肪酸を
二量化したものである。不飽和脂肪酸としては、主とし
てC18の不飽和脂肪酸、例えばリノール酸、リレノイン
酸、オレイン酸等が挙げられる。ダイマー酸は、上記不
飽和脂肪酸の二量体を主体とするが、場合により三量体
等の他のオリゴマーや、モノマー脂肪酸が含有されてい
ることもある。
ダイマー酸の化学構造は、モノマー脂肪酸の種類や重合
法によっても相違するが、次の構造のものが知られてお
り、これらは何れも本発明の目的に使用される。
式中R0は−(CH27COOH R1はCH3(CH24−; R1−CH−CH=CHCH=CHR0 | R1−CH−CH=CHCH=CHR0…(2); 式中R2はCH3(CH27−。
用いるダイマー酸は、上式から明らかな通り、その分子
鎖内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有するの
が通例である。
ダイマー酸変性エポキシ樹脂 本発明に用いるダイマー酸変性エポキシ樹脂は、上記ダ
イマー酸成分と共に、エポキシ成分としてエピハロヒド
リン、ジオール成分としてビスフェノール類を使用し、
ダイマー酸変性量、w,w/n及びエポキシ当量
が前述した範囲となるように、縮重合を行わせることに
より製造される。
エポキシ樹脂を構成するビスフェノール類としては、式 式中、Rは直接結合或いは2価の橋絡基を表わす、 で表わされる2価フェノールが知られており、かかるフ
ェノールは本発明の目的に好適に使用される。前記式
(4)の2価フェノールにおいて、2価の橋絡基Rとして
は、式−CR1R2−(式中R1及びR2の各々は水素原子、ハ
ロゲン原子、炭素数4以下のアルキル基、又はパーハロ
アルキル基である)のアルキリデン基、−O−,−S
−,−SO−,−NR3−(式中、R3は水素原子又は炭素数
4以下のアルキル基である)の基等を挙げることができ
るが、一般にはアルキリデン基又はエーテル基が好まし
い。このような2価フェノールの適当な例は、 2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビ
スフェノールA)、 2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン(ビス
フェノールB)、 1,1′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、 ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノー
ルF)、 4−ヒドロキシフェニルエーテル、 p−(4−ヒドロキシ)フェノール、 等であるが、ビスフェノールAが最も好ましい。
本発明に用いるダイマー酸変性エポキシ樹脂は、前述し
た制限を満足する限り、その製法の如何を問わないが、
一般に次の方法で製造されたものが好ましい。
(i)ビスフェノール類とエピハロヒドリンとの反応; ビスフェノール類とエピハロヒドリンとを下記式の通り
反応させ、低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂を
生成させる。
この反応は、例えば水酸化ナトリウム等の触媒を使用し
て、80乃至140℃の温度で行われる。勿論、エピコ
ート828のような液状エポキシ樹脂を成分(i)とし
てそのまま使用し得る。
ダイマー酸と、低分子量エポキシ樹脂(成分(i))及
びビスフェノール類を、前述したダイマー酸変性量、分
子量及びエポキシ当量となる割合で反応させて最終変性
エポキシ樹脂とする。反応は、例えば水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウ
ム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリ
ウム、炭酸カルシウム等のアルカリ金属或いはアルカリ
土類金属の水酸化物、炭酸塩等のハライドイオン結合能
を有するアルカリ金属乃至はアルカリ土類金属や更には
塩化ナトリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、酢酸
ナトリウム、リン酸ナトリウム等の塩類や、n−ブチル
アミン、トリ−n−ブチルアミン、トリエタノールアミ
ン、ピペリジン、モルフォリン等の各種アミン類等の触
媒を用いて、140乃至200℃の温度で1乃至10時
間程度行えばよい。
また、別法としてダイマー酸をエポキシ樹脂と反応させ
て得られるエポキシエステルを、未変性のエポキシ樹脂
と前述した制限を満足するように均質にブレンドして、
本発明に用いる変性エポキシ樹脂とすることもできる。
製缶用塗料 本発明においては、上記ダイマー酸変性ビスフェノール
型エポキシ樹脂とエポキシ樹脂用硬化剤とを組合せて製
缶用塗料とする。硬化剤樹脂としては、エポキシ樹脂中
のエポキシ基や水酸基に対して反応性を有する官能基を
備えた任意の樹脂、例えばフェノールアルデヒド樹脂、
アミノ樹脂(尿素樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹
脂)、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、アクリル樹脂
等を挙げることができる。硬化剤樹脂がレゾール型フェ
ノール樹脂の場合は50乃至1000ミリモル/100g樹
脂の濃度のメチロール基又はエーテル化メチロール基を
有することが塗料の硬化特性、塗膜物性上望ましい。硬
化剤樹脂がアミノアルデヒド樹脂の場合は50乃至50
0ミリモル/100g樹脂の濃度のメチロール基又はエ
ーテル化メチロール基を有することが好ましい。また、
硬化剤樹脂がアクリル樹脂の場合は、10乃至500ミ
リモル/100g樹脂の濃度のカルボキシル基、酸無水
物基又は水酸基を含有することが好ましい。
本発明に使用されるエポキシ樹脂と上記硬化剤樹脂とが
98:2乃至60:40、特に98:2乃至85:15
の重量比で存在することが望ましい。エポキシ樹脂と硬
化剤樹脂は単に混合するだけでもよく、予め両樹脂を予
備縮合してもよい。
両樹脂を有機溶剤で溶解した溶剤型塗料、両樹脂を微粉
化した粉体塗料や両樹脂を分散剤を利用して水に分散し
た水性塗料として利用することができる。
金属素材としては無処理鋼板、スズメッキ鋼板、亜鉛メ
ッキ鋼板、リン酸処理鋼板、クロム酸処理鋼板、無処理
アルミ板、クロム酸処理アルミ板等や、これらの金属か
ら成る箔がある。
塗装方法としては浸漬塗り、ロールコート、スプレー塗
り等従来公知の方法が採用できる。
塗料の硬化条件としては焼付温度100乃至300℃、
焼付時間0.5乃至30分から選ぶことができる。
本発明の塗料には上記樹脂成分の他、塗料のレベリング
改質剤、滑剤としてシリコーン系樹脂やワックス類、酸
化チタンやアルミニウムペースト等を配合することがで
きる。
(発明の効果) 本発明によれば、重合脂肪酸で変性されたエポキシ樹脂
と該エポキシ樹脂に対する硬化剤塗料とを含有する製缶
用塗料において、この変性エポキシ樹脂として、ダイマ
ー酸変性量が1乃至10重量%、重量平均分子量(
w)が15,000乃至40,000、分子量分布(w/n)が
2.0乃至5.0及びエポキシ当量が2,000乃至8,000の範囲内
にあるダイマー酸変性ビスフェノール型エポキシ樹脂を
用いることにより、事前塗装金属素材を用いて容器や蓋
等に成形でき、しかも成形後の容器や蓋は補正塗りの必
要なしに缶詰製品等に使用でき、優れた密着性、耐腐食
性、塗膜物性等と加工性との組合せを有する製缶用塗料
を提供することができた。
本発明によれば更に、事前塗装金属板を深絞り成形する
ことにより形成され且つ側壁部が薄肉化されている薄肉
化深絞り塗装罐の用途に適用でき、前述したショックラ
インや塗膜の破断及び剥離を防止し且つ罐の耐腐食性を
顕著に向上させることが可能な製缶用塗料や、補正塗り
不要イージィ・オープン・エンドの製造に有利に使用し
得る製缶用塗料を提供することができた。
(実施例) 本発明を以下の実施例で詳細に説明する。
本実施例に使用した樹脂は、以下の方法で製造した。
低分子量エポキシ樹脂の製造 攪拌器、温度計、滴下瀘斗及びエピクロルヒドリンと水
との共沸混合物を凝縮分離して、下層のエピクロルヒド
リン層を反応器に戻すための装置を備えた反応器に、エ
ピクロルヒドリン1,850(g)とビスフェノールA45
6(g)を入れた。攪拌しながら、この溶液を119℃
に加熱還流させ、これに40%水酸化ナトリウム水溶液
608(g)を3.5時間で滴下した。水酸化ナトリウム
水溶液の添加の割合及び反応器の加熱は、反応物の温度
が99℃〜119℃になるように調節した。水酸化ナト
リウム水溶液の滴下終了後、更に、15分間加熱を続け
て、水を完全に除去してから、未反応のエピクロルヒド
リンを蒸留によって除いた。組成物からの食塩の分離を
容易にするため、トルエン110(g)を加えて、粗生
成物を溶解し、濾過して食塩を除いた後、減圧蒸留でト
ルエンを完全に除き、数平均分子量約380、エポキシ
当量193(g/eq)の低分子量エポキシ樹脂Aを得
た。
高分子量エポキシ樹脂の製造 低分子量エポキシ樹脂A、ビスフェノールA、ダイマー
酸及び溶剤(キシレン)を表−1の仕込み量に従って、
攪拌器、温度計、冷却器、窒素ガス供給装置を備えた反
応器に入れ、触媒を加えて、窒素ガスを流しながら反応
条件を表−1に従って設定し、高分子量エポキシ樹脂E
−1〜E−7及びR−1〜R−5を得た。このようにし
て得られた高分子量エポキシ樹脂の特性は、以下の方法
で求めた。その結果も併せて表−1に記す。
重量平均分子量及び分子量分布の測定方法 エポキシ樹脂濃度が0.3wt%のTHF溶液を調製し、下
記測定装置及び測定条件にてGPCチャートを得た。重
量平均分子量及び分子量分布は、ポリスチレン換算で算
出した。
GPC測定装置;Waters社 150C カラム ;ShodexA-80M 2本 カラム温度 ;40℃ 溶 媒 ;THF 溶媒流量 ;1m/min. 注入量 ;200μ 検出器 ;RI エポキシ当量の測定方法 約4(g)のエポキシ樹脂試料(樹脂分濃度約90%)
を100mのビーカーに精秤し、メチレンクロライド
50mを加えて溶解させる。これにテトラエチルアン
モニウムブロマイド/酢酸溶液10mとクリスタルバ
イオレット指示薬2〜3滴加え、0.1N過塩素酸/酢酸
溶液で滴定した。滴定の終点は指示薬の変色点とした。
又、同様の方法で空試験を行ない、エポキシ当量は下式
により求めた。
<エポキシ当量> (g/eq)=1000*W*α/((V−B)*N*F) W;試料重量* α;樹脂分率 V;0.1N過塩素酸/酢酸溶液の滴定量(m) B;空試験での0.1N過塩素酸/酢酸溶液の滴定量(m
) N;0.1N過塩素酸/酢酸溶液の規定度(eq/1) F;0.1N過塩素酸/酢酸溶液のファクター* 樹脂分率(α)の測定方法 約1(g)のエポキシ樹脂試料を、予め精秤した50mm
φのアルミ皿に精秤して薄く伸ばし、200℃−3時間
の乾燥後、放冷し、アルミ皿の重量を測定する。これら
の重量差より樹脂分率αを求めた。
<樹脂分率;α>=(W3−W1)/(W2−W1) W1;アルミ皿(g) W2;エポキシ樹脂試料+アルミ皿の重量(g) W3;乾燥後の重量(g) フェノール・ホルムアルデヒド樹脂の製造 ビスフェノールA1.0モルと2.4モルのホルムアルデヒド
の37%水溶液とを反応器に加え、50℃に加熱攪拌し
て溶解後、0.1モルの水酸化マグネシウムを添加し、温
度を90℃に上げ、1時間反応させる。次いで、メチル
エチルケトン30部、シクロヘキサノン20部、及びキ
シレン50部よりなる混合溶剤を加えて縮合生成物を抽
出し、脱イオン水で2回洗った後、水層を取り除き、更
に共沸法で残った少量の水分を除去し、冷却してフェノ
ール・アルデヒド樹脂の30%溶液を得た。
塗料の調製 高分子量エポキシ樹脂とフェノール・ホルムアルデヒド
樹脂溶液とを樹脂分比で表−2及び表−4に記載のよう
に混合し、混合溶剤(シクロヘキサノン:キシレン:M
IBK:ブチルセロソルブ=1:1:1:1)で塗料樹
脂分濃度が30%となるように塗料A〜Rを調製した。
実施例1 (1)深絞り缶(イ) 素板厚0.18mm、調質度DR−9のティンフリースチール
に予め缶の外面となる面に塗料Aを乾燥後の塗膜厚みが
約8μmとなるように塗布し、200℃−10分の焼付
を施した。更に、この片面塗装板の無塗装面(缶の内面
となる面)に塗料Aを乾燥後の塗膜厚みが約20μmと
なるように塗布し、200℃−10分の焼付を施し塗装
板を得た。次いでこの塗装板にパーム油を塗布し、カッ
プ径66mm、カップ高140mm、総絞り比2.7の深絞り
カップを得、その後常法に従ってドーミング、トリミン
グ、ネックイン、フランジ加工を施し、脱脂、洗浄後、
ツーピース缶詰用の缶胴とした。このようにして得られ
た深絞り缶100缶にコーラを冷間充填した後に二重巻
締を行ない、37℃にて6ケ月貯蔵した後に開缶し、缶
内の腐食状態の観察を行なった。
(2)イージーオープン蓋(ロ) 素板厚0.30mmのアルミ材(5052H38材;リン酸/
クロム酸系表面処理)のコイルの内外面に塗料Aを乾燥
後の塗膜厚みがそれぞれ8μmとなるように塗装し、2
80℃−60秒の焼付乾燥を施し、塗装コイルを得た。
次いで、この塗装コイルを202径蓋ブランクに切断
し、常法に従って202径蓋に打ち抜き、カール加工、
シーリング材の塗布及び乾燥後、イージーオープン蓋用
加工を施し、引っ張りタブ及びスコアー刻みのついた2
02径アルミ製イージーオープン蓋(ロ)を得た。この
ようにして得られた蓋を用いて、202径、250
(g)缶100缶にトマトジュースを熱間充填した後に
二重巻締を行ない、37℃にて1年貯蔵した後に開缶
し、缶内の腐食状態の観察を行なった。
表−3に実施例1の結果を示した。又、表−3に示した
ERVは缶胴及び蓋をパック前にそれぞれ50個測定し
た平均値である。
実施例2〜7及び比較例1〜5 実施例1と同様に、表−2に示した塗料B〜Lを用いて
実施例2〜7及び比較例1〜5を行ない、その結果を表
−3、実施例及び比較例の結果を(1)に示す。
実施例8 (1)深絞り缶(ハ) 素板厚0.18mm、調質度DR−9のティンフリースチール
に予め缶の外面となる面に塗料Mを乾燥後の塗膜厚みが
約8μmとなるように塗布し、200℃−10分の焼付
を施した。更に、この片面塗装板の無塗装面(缶の内面
となる面)に塗料Mを乾燥後の塗膜厚みが約20μmと
なるように塗布し、200℃−10分の焼付を施し塗装
板を得た。次いでこの塗装板にパーム油を塗布し、カッ
プ径66mm、カップ高80mm、総絞り比2.8の深絞りカ
ップを得、その後常法に従ってドーミング、トリミン
グ、ビーディング、ネックイン、フランジ加工を施し、
脱脂、洗浄後、ツーピース缶詰用の缶胴とした。
(2)イージーオープン蓋(ニ);フルオープンタイプ 素板厚0.23mmのアルミ材(5052H38材;リン酸/
クロム酸系表面処理)のコイルの内外面に塗料Mを乾燥
後の塗膜厚みがそれぞれ8μmとなるように塗装し、2
80℃−60秒の焼付乾燥を施し、塗装コイルを得た。
次いで、この塗装コイルを211径蓋ブランクに切断
し、常法に従って211径蓋に打ち抜き、カール加工、
シーリング材の塗布及び乾燥後、フルオープン蓋用加工
を施し、引っ張りタブ及びスコアー刻みのついた211
径アルミ製イージーオープン蓋(ニ)を得た。
このようにして得られた缶胴及びイージーオープン蓋
(ニ)を用いてツナ油漬を常法に従って真空充填した後
に二重巻締を行ない、37℃にて1年貯蔵した後に開缶
し、缶内の腐食状態の観察を行なった。
表−5に実施例8の結果を示した。又、表−5に示した
ERVは缶胴及び蓋をパック前にそれぞれ50個測定し
た平均値である。
実施例9〜12及び比較例6〜7 実施例8と同様に、表−4に示した塗料N〜Rを用いて
実施例9〜12及び比較例6〜7を行ない、その結果を
表−5、実施例及び比較例の結果(2)に示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合脂肪酸で変性されたエポキシ樹脂と該
    エポキシ樹脂に対する硬化剤樹脂とを含有する製缶用塗
    料において、 該変性エポキシ樹脂が、ダイマー酸変性量が1乃至10
    重量%、重量平均分子量(w)が15,000乃至40,000、
    分子量分布(w/n)が2.0乃至5.0及びエポキシ当
    量が2,000乃至8,000の範囲内にあるダイマー酸変性ビス
    フェノール型エポキシ樹脂であることを特徴とする製缶
    用塗料。
  2. 【請求項2】ダイマー酸変性ビスフェノール型エポキシ
    樹脂と硬化剤樹脂とが98:2乃至60:40の重量比
    で存在する請求項1記載の製缶用塗料。
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