JPH0683790B2 - イオン交換性シート状物およびその製造法 - Google Patents

イオン交換性シート状物およびその製造法

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JPH0683790B2
JPH0683790B2 JP63204174A JP20417488A JPH0683790B2 JP H0683790 B2 JPH0683790 B2 JP H0683790B2 JP 63204174 A JP63204174 A JP 63204174A JP 20417488 A JP20417488 A JP 20417488A JP H0683790 B2 JPH0683790 B2 JP H0683790B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は,イオン交換性シート状物およびその製造法に
関するものであり,さらに詳しくは該シート状物に含ま
れる重金属の量が極めて少なく,かつ高強力,低通液抵
抗でしかも耐水性もありさらにイオン交換基量の大きい
高性能イオン交換性シート状物およびその製造法に関す
る。
[従来の技術] 近年,各種工業分野における極微量元素の定性・定量分
析,蛍光X線分析,原子吸光分析などの前濃縮資材,プ
ロセスの極微量イオンの除去資材などで不純物を含まな
いより清浄なシート状物の需用が増大している。
従来これらにはイオン交換性を付与した紙状物,いわゆ
る分布用イオン交換ペーパーが広く使われてきた。これ
らはイオン交換樹脂の粉末あるいは繊維をパルプ等と共
に抄紙したものであるが,粉末の場合はそれ自体のつな
がりもなく分析状態も不均一であるばかりか,樹脂の脱
落などが問題となり、多量に担持することができない。
従って,交換基量が少なく捕集効率も低い。さらに含有
する重金属の量も多いという欠点を有している。
また,これらの欠点を改良するため,繊維状のイオン交
換体を用いたものが提案(特開昭52−155193号公報)さ
れているが、これも捕集効率が低く吸着性能に問題があ
る他に,やはり含有する重金属の量が多い欠点を有し,
本質的な改良にはなっていないのが実状である。
特に,極微量の元素を定量する場合には、一定量の紙状
物中に含有する元素の量が多いと誤差が大きくなり、精
度良く測定できないという問題がある。また,交換基量
が少ないものは捕集効率も低くこれも精度良く測定でき
ない。
このようなことから,精度の要求される原子力・超純水
製造分野などにおける極微量元素の検出や定量には不向
きであった。
かかる,従来技術の現状から分析,計測精度の向上,さ
らに簡便さを追及した高性能分析用ろ紙などのシート状
物の開発が強く望まれている。
[発明が解決しようとする課題] 上述したような従来技術の問題点を解消するため本発明
者らは鋭意検討した結果本発明に到達した。
すなわち本発明は,不純物をほとんど含まない特に重金
属の量を大幅に低減しかつ高強力でしかも耐水性,捕集
性の優れた高性能シート状物およびその製造法を提供し
ようとするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は次の構成を有する。
(1)イオン交換繊維を主成分とし,かつ含有する重金
属の量が20ppm以下であることを特徴とするイオン交換
性シート状物。
(2)熱可塑性成形物を少なくとも一部含有する1項に
記載のイオン交換性シート状物。
(3)イオン交換繊維を主成分とするシート状物を得る
に際し、少なくとも表面が有機系ポリマからなる成形品
で形成された抄紙装置を用い、かつ電気比抵抗5MΩ・cm
以上の純水でイオン交換繊維を湿式抄造することを特徴
とするイオン交換性シート状物の製造法。
(4)シート状物を50〜200℃で熱処理する3項に記載
のイオン交換性シート状物の製造法。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明で用いるイオン交換繊維とは,通常直径が0.01〜
100μm,好ましくは1〜100μmの公知のイオン交換繊維
を意味する。その具体例としては,ポリスチレン系,ポ
リビニルアルコール系,ポリアクリル系,ポリアミド
系,ポリフェノール系,ポリエチレン系,セルロース系
などのベースポリマにカチオン交換基,例えばスルホン
酸基,ホスホン酸基,カルボン酸基などや,アニオン交
換基,例えば1〜3級アミノ基もしくは4級アンモニウ
ム基を導入したもの,さらにはアミノカルボン酸基,ア
ミドキシム基,ポリアミン基,ジチオカルバミン酸基な
どの各種キレート基が導入されたイオン交換繊維があ
る。
本発明のイオン交換繊維はそれぞれ単独あるいは,少な
くとも二種を混合したものをいうが,使用に際しては用
途に応じて適宜選定することができる。
本発明でいうベースポリマの中でも,ポリ(モノビニル
芳香族化合物),特にポリスチレン系ポリマが化学安定
性に優れており好ましい。具体的にはポリスチレン,α
−メチルスチレン,ビニルトルエン,ビニルキシレン,
クロロメチルスチレンなどからなるポリマが挙げられ
る。
かかるポリマにイオン交換基を導入してイオン交換繊維
を製造する方法としては,たとえば,パラホルムアルデ
ヒドと硫酸の共存下で加熱処理することにより,スルホ
ン酸基が導入されたカチオン交換繊維,クロルメチル化
後,ホスホン化,アミノ化もしくは四級アンモニウム化
することによってそれぞれ中酸性カチオン交換基,弱塩
基性アニオン交換基,強塩基性アニオン交換基が導入さ
れた各種イオン交換繊維を得ることができる。また酸触
媒と潤滑剤の存在下で,ホルムアデヒド源およびアシル
アミノメチル化剤で処理して前記架橋結合およびアシル
アミノメチル基を導入する。
次に,酸もしくは塩基触媒下で加水分解してアミノメチ
ル基に変換した後,モノクロル酢酸で処理することによ
ってイミノジ酢酸基が導入されたキレート繊維を得るこ
とができる。
ポリマに導入するイオン交換基の量は,繊維の乾燥重量
に対して少なくとも0.5meq/g以上,好ましくは1.0〜10m
eq/gの範囲である。
本発明におけるイオン交換繊維の含水度は、通常0.1〜1
0であるが,あまり小さすぎると性能が低下する。逆に
大きすぎると,反応工程あるいはシート化の工程で取扱
い性が悪くなるので,1〜5の範囲が好ましい。
ここで含水度とはNa型(Cl型)のカチオン(アニオン)
交換繊維を蒸溜水に浸した後,家庭用遠心脱水機で5分
間遠心脱水して表面の水分を除去し,ただちに重量
(W)を測定し,さらに絶乾して重さを測り(Wo)次式
より求めた値である。
含水度=(W-Wo)/Wo かかる交換基量あるいは含水度は処理条件や導入プロセ
スなどにより制御できる。さらにイオン交換繊維の中で
もベース用ポリマと補強用ポリマからなる繊維,好まし
くはイオン交換用ポリマを海成分に,補強用ポリマを島
成分にした多芯海島型の複合繊維を基材としたイオン交
換繊維が操作上十分な機械的強度ならびに形態保持性を
有しているので良い。特に該多芯海島型の複合繊維は,
部分的に枝分れまたは分割(フィブリル化)が容易でシ
ート状物を形成し易く,かつ該シート状物の強度,捕集
性能を向上させることができさらに熱処理によって補強
用ポリマの少なくとも一部が溶融し耐水性のあるシート
状物を得ることができるため好ましい。
補強用ポリマの割合は通常10〜90%であるが,あまり少
なすぎると機械的強度が弱くなり,逆に多すぎるとイオ
ン交換基量や吸着性能が低下するので20〜80%の範囲が
好ましい。
また補強用ポリマとしてはポリ−α−オレフィンが耐薬
品性に優れているので好ましい。
該イオン交換繊維の形態としては短繊維,フィラメン
ト,フェルト,織物,不織布,編物,繊維束,ひも状物
などの公知の任意の形態,集合体もしくはそれらの栽断
物を挙げることができる。
また,本発明のシート状物は上記イオン交換繊維を主成
分としシート化したものであるが,なかでも0.1〜3mmの
短繊維を用いて後述する方法で抄造した紙状物が性能的
に特に好ましい。
かかるシート状物中のイオン交換繊維の割合は多い方が
好ましく,少なくとも30重量%,さらに好ましくは50重
量%以上である。
シート状物を構成する繊維成分として,該イオン交換繊
維の他に非イオン性の通常の繊維を混抄あるいは交編織
および/または両者の積層などいかなる方法で含有して
いても良いが,被処理物中の被吸着成分を効率良く捕集
するためには該シート状物の乾燥重量当りイオン交換基
の量は,平均して少なくとも0.5meq/g,好ましくは1meq/
g以上,特に2meq/g以上が好ましい。
本発明の最も重要な要件としては,該シート状物に含有
する重金属の量が20ppm以下でなくてはならない。20ppm
を越えた量がシート状物中に含有すると,たとえば被処
理物中の極微量の元素を定量するための分析用ろ紙とし
て使用する場合,(たとえば蛍光X線分析法で測定する
と)極めて精度が悪くなる。より捕集効率を向上し、極
微量元素を精度良く定量するには、より好ましくは10pp
m以下であり,特に5ppm以下がより好ましい。
また該シート状物を構成するイオン交換繊維中に含有す
る重金属の量としては、10ppm以下が好ましく、10ppmを
越えると捕集効率が悪くなるばかりか、必然的にシート
状物に含有する重金属の量が多くなることになる。した
がって、より好ましくは、5ppm以下である。
本発明でいう重金属のなかでも特にFe,Cu,Ni,Co,Crにつ
いては含有量の管理が重要である。
該シート状物はろ過抵抗(通液,通気)が低いほうが良
いが、あまり良すぎても捕集効率が悪くなるので目付量
としては,30g/m2以上,好ましくは50〜500g/m2である。
本発明のシート状物を構成する他の成分として熱可塑性
成形物を一部含有するものが該シート状物の強度,特に
水中での形態保持性および耐水性に優れ,また熱処理温
度を低くすることができるばかりか,シート形成上も好
ましい。その含有量としては5〜80%程度が好ましく,
あまり多すぎるとイオン交換繊維の効果が無くなってし
まい好ましくない。
熱可塑性成形物としては公知のいかなるものでも良い
が,イオン交換繊維と共にシート化できることが必須で
特にポリα−オレフィンたとえば,ポリエチレン,ポリ
プロピレン,ポリ−3−メチルブテン−1,ポリ−4−メ
チルペンテン−1が好ましい。
該熱可塑性成形物中に含有する重金属の量は、少ない程
良いことはいうまでもないがたとえば10ppm以下が特に
好ましい。
また,該熱可塑性成形物が繊維状であるとさらに好まし
い。特に0.3〜20mmの短繊維あるいはフィブリル化繊維
が好ましい。
次に,本発明のシート状物を得るためのシート化抄紙装
置は,実質的に重金属の溶出しない材質で行うことが本
発明の要件を満たすために重要である。すなわち高品質
のイオン交換性シート状物からなる紙状物を製造するに
際しては,抄紙装置の材質が有機系ポリマからなる成形
品あるいは金属製の基材に有機系ポリマをコーティング
または該有機ポリマの成形品をラミネートしたもので行
うことが好ましい。
本発明でいう有機ポリマとしては,たとえばポリオレフ
ィン,ポリ塩化ビニル,ポリアミド,ポリエステル,塩
素化ポリエーテル,ふっ素樹脂,ポリフェニレンスルフ
ィド,エポキシ樹脂,ポリエステル,ポリアクリル,シ
リコーン樹脂などの単体および混合体であるが,実質的
に金属特に,前記Fe,Cu,Ni,Co,Crなどが抄紙工程におい
て溶出あるいはシート中に混入しないものであればいか
なるものでも良い。
本発明の製造方法としてはさらに上述した抄紙装置を用
いかつ,5MΩ・cm(at25℃)以上の電気比抵抗を有する
純水を用いることが重要である。
純水を得る方法としてはたとえば,飲料水を逆浸透膜お
よび/または限外ろ過膜で処理した水をさらにイオン交
換体で処理する方法がある。
かかる本発明の製造法で得られるシート状物は金属含有
量が極めて少なく,強度,性能とも良好なものとなるの
である。
本発明のシート状物は、そのままでも十分な性能を有す
るが,さらに性能の向上を目的として50〜200℃の条件
で少なくとも1回熱処理すると熱可塑性ポリマなどの熱
結着により該シート状物の強度が高くなり,かつシート
状物を構成する繊維の離脱が防止されるため好ましい。
かかる熱処理温度は,熱可塑性ポリマの種類,量,イオ
ン交換繊維の種類あるいは要求特性などにより適宜選定
する。
また,無圧下でも良いが加圧下で熱処理すると低温で熱
処理することが可能となり,作業性,経済性などで有利
であるばかりか,得られるシート状物の性能も向上する
ため好ましい。その圧力は1〜100kg/cm2の範囲で適宜
選定する 熱処理する方法としては,通常行われている公知の方法
たとえば,熱ロールを用いた連続法,あるいは熱プレス
による方法などである。
以下実施例により本発明をさらに具体的に説明するが,
本発明はそれら実施例に限定されるものではない。
[実施例] 実施例で用いるカチオン交換繊維およびアニオン交換繊
維は,次の方法で製造したものである。
多芯海島型複合繊維(未延伸糸)[海成分(ポリスチレ
ン)/島成分(ポリプロピレン)=50/50(島数16,繊維
直径34μm)]を長さ1.0mmに切断してカットファイバ
ーを得た。
該カットファイバー1重量部を市販の1級硫酸1容量部
とパラホルムアルデヒド0.15重量部からなる架橋・スル
ホン化液に加え85℃で5時間反応処理した後,水洗し
た。
次に,アルカリで処理してから電気比抵抗18MΩ・cmの
純水を用いてろ液が中性になるまで洗浄した後さらに酸
で処理し純水で洗浄することによってスルホン酸基を有
するカチオン交換繊維を得た(交換容量3.0ミリ当量/g
−H,含水度1.2)。
また上記カットファイバー1重量部を市販の1級硫酸5
容量部,水0.5容量部とパラホルムアルデヒド0.2重量部
からなる架橋液に加え85℃で4時間架橋反応を行った。
次にクロルメチルエーテル8.5容量部と塩化第二スズ1.5
容量部からなる溶液に架橋糸を加え,30%トリメチルア
ミン水溶液10容量部に加え30℃で一時間アミノ化して純
水で洗浄した。さらに塩酸で処理してから純水で洗浄す
ることによってトリメチルアンモニウムメチル基を有す
るアニオン交換繊維を得た(交換容量2.8ミリ当量/g−C
l,含水度1.5)。この時の繊維中の金属含有量は,Fe:1pp
m,Cu,Ni,Co,Cr:1ppm以下であった(試料を硫酸で炭化し
た後電気炉内で灰化し,これをふっ化水素酸および塩酸
で加熱処理し希硫酸で溶解,定容としICP発光分光分析
法で測定した)。
実施例1 上記カチオン交換繊維10gとポリエチレン合成バルブ
[商品名SWP,三井石油化学工業(株)製]2.5gを1の
純水とともにミキサー[National クッキングミキサー
MX915C 松下電気(株)製]で3分間混合処理した。次
いで抄紙器(角型シートマシーン 熊谷理機工業製)の
表面をふっ素樹脂でコーティングしたもので抄造し紙状
物を得た。この時使用した純水の電気比抵抗は15MΩ・c
m(飲料水を逆浸透膜に通水した後,イオン交換樹脂で
処理)であった。
得られた紙状物をろ紙でサンドイッチ状にはさみプレス
装置で10kg/cm2の圧力下圧搾脱水後,回転式乾燥機を用
いて100℃にて乾燥した(坪量 200g/m2)。
さらに,熱ロールを用いて80℃,30kg.cm2の加圧下1m/mi
nの速度で処理した。
得られたシート状物をΦ47mmに打抜き[カム式カッタ
ー,大栄科学(株)製]評価に供した。
シートに含有する金属量を蛍光X線分析法で測定した
(理学製全自動蛍光X線分析装置 308OE2型を用いて常
法により測定)。結果を第1表に示したが金属含有量は
極めて少ないことがわかる。
一方該シート状物(Φ47mm)をろ過器に装着しNiイオン
10ppbを含む検水10lを200ml/minの速度で吸引ろ過し
た。通水後シート状物の形態保持性は良好であった。
これを70℃で乾燥後,蛍光X線分析を行ったところ,100
μgのNiが検出された。
またろ液中のNiイオンを定量(原子吸光法で測定)した
ところ,捕集効率はほぼ90%であった。結果を第1表に
示した。
なお捕集効率は次式より求めた。
捕集効率(%)=[(1-ろ液中Niの量)/検水中Niの
量]×100 実施例2 前記アニオン交換繊維を実施例1と同様にしてシート化
した後,シート中の金属含有量を測定したが極めて少な
く良好であった。結果を第1表に示した また,実施例1のカチオン性シート状物と該シート状物
をカチオン性シート状物が通液時上流側になるようにろ
過器に装着し,イオン性Cr10ppbを含有する検水を同様
に通水した。
通水後のアニオン性シート状物を実施例1と同様に乾燥
後蛍光X線分析を行ったところ75μgのCrが検出され
た。またろ液中のCrイオンを原子吸光法で定量した。
捕集効率はほぼ99%であった。結果を第1表に示した。
実施例3 実施例1で用いたカチオン交換繊維5gと実施例2で用い
たアニオン交換繊維5gおよびポリエチレン合成パルプ2.
5gを純水とともにミキサーで5分間混合処理した。次い
で実施例1と同様にして抄紙,乾燥,熱処理を行ないカ
チオン・アニオン交換性シート状物を得た。
実施例1と同様にシート中の金属含有量を測定したとこ
ろ極めて少なかった。
さらに該シート状物をろ過器に装着しNi,Cr各イオンそ
れぞれ10ppb含有する検水10lを用いて実施例1と同様に
して捕集性能を調べた。シート状物中には,Ni:100μg,C
r:100μgが検出された。
またろ過中のNi,Crイオンを定量したところ,捕集効率
はほぼ99%であった。このように1枚のシートでアニオ
ンおよびカチオンの捕集を効率良く,かつ簡単に行うこ
とができる。
比較例1 実施例1で使用したカチオン交換繊維を,金属製の抄紙
器(真ちゅう製,抄紙金網は銅製)で水質0.1MΩ・cmの
逆浸透膜透過水を使用して実施例1と同様にシート化し
次いで実施例1と同様に性能評価を行った。結果を第1
表にまとめて示した。
シート中の金属含有量が多く,通水後のNi量の測定値が
バラツキ、精度良く測定できなかった。また,捕集効率
も低い。
比較例2 比較例1で用いた抄紙装置および水を使用して実施例2
と同様にシート化し,次いで実施例2と同様に性能評価
を行った。結果を第1表に示した。
シート中金属量が多く、測定精度,捕集効率ともに悪か
った。
[発明の効果] 本発明のイオン交換性シート状物は,重金属の混入しな
い方法で得られるので、金属含有量が少ないばかりか、
高強力でしかも通液抵抗も小さくかつ耐水性がある。
また、イオン交換基量も多いことから、効果的にしか
も,極めて微量の元素を精度良く測定でき作業性も良
い。従って各種工業分野,特に極微量元素の定性・定量
分析およびその他分析の前濃縮資材あるいは極微量イオ
ンの除去,各種のイオン交換,吸着用途,有機反応にお
ける酸・塩基触媒,超純水製造における最終ポリッシャ
ーなど広く利用できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオン交換繊維を主成分とし,かつ含有す
    る重金属の量が20ppm以下であることを特徴とするイオ
    ン交換性シート状物。
  2. 【請求項2】熱可塑性成形物を少なくとも一部含有する
    請求項1に記載のイオン交換性シート状物。
  3. 【請求項3】イオン交換繊維を主成分とするシート状物
    を得るに際し、少なくとも表面が有機系ポリマからなる
    成形品で形成された抄紙装置を用い、かつ電気比抵抗5M
    Ω・cm以上の純水でイオン交換繊維を湿式抄造すること
    を特徴とするイオン交換性シート状物の製造法。
  4. 【請求項4】シート状物を50〜200℃で熱処理する請求
    項3に記載のイオン交換性シート状物の製造法。
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