JPH0683515U - 車両の受動安全ベルト用の駆動バンドの貯留装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 単純な構造で容積が最小まで減少された、駆
動バンドの貯留装置を提供すること。 【構成】駆動バンドの貯留装置において、駆動バンド２
は、電気モータ４により作動される駆動部材３を通過す
る。貯留装置は、カセット７により形成される。カセッ
ト７は、駆動部材３を収容する。カセット７は、駆動バ
ンド２をカセットの外周から駆動バンド自体の上へ巻き
込むように案内する案内通路１２、１３を備えると共
に、ほぼプリズム形状を有する。案内通路１３は、複数
の円弧部分１６により連結される複数の直線部分１４、
１５により形成される。複数の円弧部分１６は、それが
駆動バンド２の移行上のどの位置にあるかに拘わらず、
同一曲率半径の円弧又は楕円の一部である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、車両用の受動安全ベルトに関し、特に安全ベルトのウエブを固着す る可動部材の駆動バンドの貯留装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

安全ベルトのウエブを固着する可動部材は、一般的に駆動装置により、待機位 置と使用者を座に固着する位置の間で動かされる。

【０００３】 駆動バンドが連続的でなく且つ可動部材が駆動装置に向けて動かされるとき、 長さが１ｍを越えるような駆動バンドの自由端は、それを保護するためハウジン グ内に収容する必要がある。容積の関係で駆動バンドの端部を直管又は角度をつ けた管に収容することはできない。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の目的は、単純な構造で容積が最小まで減少された、駆動バンドの貯留 装置を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の駆動バンドの貯留装置において、駆動バンドは、電気モータにより作 動される駆動部材を通過する。貯留装置は、駆動部材を収容するカセットにより 形成される。カセットは、駆動バンドをカセットの外周から駆動バンド自体の上 へ巻き込むように案内する案内通路を備えると共に、ほぼプリズム形状を有する 。案内通路は、複数の円弧部分により連結される複数の直線部分により形成され る。複数の円弧部分は、それが駆動バンドの移行上のどの位置にあるかに拘わら ず、同一曲率半径を有すると共に、円弧又は楕円の一部である。

【０００６】 好ましくは、カセットは、駆動装置のハウジングと一体に形成される。カセッ トは、先開き形状の入口部分を備える。入口部分は、駆動部材と同心の円弧状の 壁へ伸長して駆動バンドの通路を画成する。円弧状の壁は、比較的大きな半径の 壁へ伸長し、比較的大きな半径の壁は、内方の壁と平行にされ、それら両壁が協 働してカセットの中央部分へのバンドの導入通路を画成する。案内通路は、比較 的大きな半径の壁のカセットと一体に形成される延長部分により形成され、カセ ットの外周からカセットの中央部分へ向う案内通路自体の上へ巻き込まれる。案 内通路の曲線部分の最小半径Ｒｍｉｎミリメートルと駆動バンドの厚さｅミリメ ートルの間の関係が、Ｒｍｉｎ＝１０ｅ−２である。案内通路は、駆動バンドに 遊びｊミリメートルを許す幅を有する。駆動バンドの厚さｅミリメートルと遊び ｊミリメートルの間の関係が、ｊ＝（ｅ／２）±０．２である。

【０００７】

【実施例】

図面は、本考案の実施例の駆動バンドの貯留装置の正面図であり、蓋が取り外 れた状態が示される。図において、受動安全ベルトのウエブ（図示しない）の一 端が連結される可動部材（図示しない）を駆動することを意図される駆動バンド ２の駆動装置１が示される。

【０００８】 駆動バンド２は、スプロケット輪３上を通過される。スプロケット輪３は、導 体６を経て電流を供給される電気モータ４に固着される。スプロケット輪３は、 合成樹脂材料のカセット７より成るハウジング内に取り付けられる。カセット７ は、駆動装置１のハウジングと一体構成である。カセット７は、ほぼプリズム状 である。カッセット７は、僅かに先開きの入口部分８と円弧状の壁９を有する。 円弧状の壁９は、スプロケット輪３と同心であり、スプロケット輪３と共に駆動 バンド２の通路を限定する。円弧状の壁９は、次に比較的半径が大きい壁１０へ 伸長される。壁１０の内面は、壁１１に平行である。壁１１は、壁１０と一緒に 、駆動バンドの貯留装置への導入通路１２を画成する。

【０００９】 導入通路１２は、壁１０の連続により構成され、壁１０は、カッセットの外周 からカッセットの中央部分へ向う案内通路１３自体の上へ巻き込まれ、駆動バン ド２の案内通路が画成される。貯留装置を画成する部分においては、壁１０は、 相互に平行な直線部分１４、１５により形成される。直線部分１４、１５は、円 弧部分１６により連結される。円弧部分１６は、円又は楕円の円弧部分であり、 駆動バンド移行上のどの位置にあるかに拘わらず、すべて同一曲率半径を有する 。

【００１０】 円弧部分１６の曲率は、駆動バンドが永久変形を生じることなく貯留装置内へ 導入されるように選択される。また、円弧部分１６の曲率は、曲り部で駆動バン ドを曲げるために必要な力及び貯留装置の壁に対する駆動バンドの弾性復元力に よる摩擦力が高レベルとなり駆動装置１が動力を欠くか又は貯留装置の壁の間で 駆動バンドのバックリングにより生じる振動が駆動バンドの進行を妨げることが ないように、選択される。

【００１１】 厚さ１．６ｍｍの駆動バンドの場合は、円弧状の部分の半径を１４ｍｍ以上と することが良好である。この条件は、曲線部分の最小半径Ｒｍｉｎミリメートル と駆動バンドの厚さｅミリメートルの間の関係が、Ｒｍｉｎ＝１０ｅ−２で表さ れる。

【００１２】 壁１０の巻き込みにより形成される案内通路１３は、比較的大きな遊びを残す 幅を有する。この遊びの大きさは、厚さ１．６ｍｍの駆動バンドに対し、０．６ 〜１ｍｍである。駆動バンドの厚さｅミリメートルと遊びｊミリメートルの間の 関係は、ｊ＝（ｅ／２）±０．２である。

【００１３】 貯留装置を形成するカセットを駆動装置と一体にすることにより、使用スペー スが最小になり、車体に永久的ハウジングを具備する必要がなくなる。永久的ハ ウジングは、車両に駆動バンドの駆動装置が不要の場合無駄である。

【００１４】 上述の貯留装置の機能を次に述べる。図において、スプロケット輪３が矢印Ｆ の方向へ回転すれば、駆動バンド２は、位置Ａから位置Ｂへ向かって動き、カセ ット７と一体の壁１０、１１間に形成された先開き形状の入口部分８へ入る。比 較的大きな半径の通路１２を過ぎた後、駆動バンド２は、壁１０自体の巻き込み により形成された室に入り、駆動バンドの復元傾向により壁に対する接触を保つ 。

【００１５】 スプロケット輪３が矢印Ｆの反対方向へ回転すれば、駆動バンド２は単純な引 張りにより貯留装置から引出される。図示しない蓋を、ねじ込み、押し込み又は 溶接によりカセット７に取付け、駆動バンド２の汚損又は機械的損傷を防ぐ。カ セット７と蓋は、好ましくは合成樹脂製である。

【００１６】 本考案は、上述の実施例においては受動安全ベルトに適用された。しかしなが ら、本考案は、スプロケット輪又は摩擦装置により駆動される孔明き又は孔無し の金属又は合成樹脂のバンドの運動により、移動運動が得られる窓クランク等の 車両部材に適用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の実施例の駆動バンドの貯留装置の蓋
を除去した正面図である。

【符号の説明】

１：駆動装置、２：駆動バンド、３：スプロケット輪
（駆動部材）、４：電気モータ、７：カセット、８：入
口部分、９、１０、１１：壁、１２：導入通路、１３：
案内通路、１４、１５：直線部分、１６：円弧部分。

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 駆動バンドの貯留装置において、駆動バ
   ンド（２）は、電気モータ（４）により作動される駆動
   部材（３）を通過し、前記貯留装置は、駆動部材（３）
   を収容するカセット（７）により形成され、前記カセッ
   トは、駆動バンド（２）をカセットの外周から駆動バン
   ド自体の上へ巻き込むように案内する案内通路（１３）
   を備えると共に、ほぼプリズム形状を有し、案内通路
   （１３）は、複数の円弧部分（１６）により連結される
   複数の直線部分（１４、１５）により形成され、前記複
   数の円弧部分（１６）は、それが駆動バンドの移行上の
   どの位置にあるかに拘わらず、同一曲率半径を有すると
   共に、円弧又は楕円の一部である貯留装置。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の貯留装置において、前
   記カセット（７）は、バンド（２）の駆動装置（１）の
   ハウジングと一体に作られることを特徴とする貯留装
   置。
3. 【請求項３】 請求項１又は２に記載の貯留装置におい
   て、前記カセット（７）は、先開き形状の入口部分
   （８）を備え、入口部分（８）は、駆動部材（３）と同
   心の円弧状の壁（９）へ伸長して駆動バンドの通路を画
   成し、円弧状の壁（９）は、比較的大きな半径の壁（１
   ０）へ伸長し、比較的大きな半径の壁（１０）は、内方
   の壁（１１）と平行にされ、両壁（１０、１１）が協働
   してカセットの中央部分へ向う駆動バンドの導入通路
   （１２）を画成することを特徴とする貯留装置。
4. 【請求項４】 請求項３に記載の貯留装置において、前
   記案内通路（１３）は、前記比較的大きな半径の壁（１
   ０）のカセット（７）と一体に形成される延長部分によ
   り形成され、前記カセット（７）の外周から前記カセッ
   トの中央部分へ通路自体の上へ巻き込まれることを特徴
   とする貯留装置。
5. 【請求項５】 請求項１乃至４のいずれか１項に記載の
   貯留装置において、前記案内通路（１３）の曲線部分の
   最小半径Ｒｍｉｎミリメートルと駆動バンド（２）の厚
   さｅミリメートルの間の関係が、Ｒｍｉｎ＝１０ｅ−２
   であることを特徴とする貯留装置。
6. 【請求項６】 請求項１乃至５のいずれか１項に記載の
   貯留装置において、前記案内通路（１３）は、駆動バン
   ドに遊びｊミリメートルを許す幅を有し、駆動バンド
   （２）の厚さｅミリメートルと遊びｊミリメートルの間
   の関係が、ｊ＝（ｅ／２）±０．２であることを特徴と
   する貯留装置。