JPH0450136Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はコンピユータの端末機として使用され
るプリンタ等のインクリボンカセツトに関し、殊
に巻回されたインクリボンがインクリボンガイド
の周りで円滑に移動されるようにされたものに関
する。

〔従来の技術〕

蓋とカセツト方向とを組合わせたカセツトに収
納された無端インクリボンを、該カセツトの入口
側から繰り込んで出口側から繰り出すようにした
インクリボンカセツトは公知である。

このようなインクリボンカセツトは、第６図に
示すようにカセツト１′内の略矩形状をなす４ケ
所にリボンガイド２′，３′，４′，５′が設けら
れ、これらのリボンガイドに無端インクリボン
６′が巻回されている。リボン収納室７′は、入口
の部分に互に接した摩擦ローラ又は歯付ローラか
らなる１組のローラ８′，９′を備え、これらのロ
ーラの回転によつて繰り込んだインクリボン６′
を左右に振り分けてジグザグ状に折りたたんで装
填する。

収納室７′から繰り出されたインクリボン６′が
ガイド５′と２′間の直線部において図示せぬ印字
装置によつて印字される。

このようにインクリボンカセツト１′内をイン
クリボン６′が移動する際に、インクリボンガイ
ド２′，３′，４′，５′の様なリボンの巻掛角が大
きい所では大きな走行抵抗がかかる。

このため、従来は、インクリボンカセツトのカセ
ツト本体１０′に立設した軸１１′に円筒１２′を
回転可能に外嵌し、軸１１′の先端にキヤツプ１
３′を取付けて、インクリボン交換等のために、
蓋１４′をカセツト本体１０′から外した時に軸１
１′から円筒１２′が脱落するのを防止し、円筒の
回転によつて走行抵抗を減少させていた（第７
図）。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、このように円筒１２′の脱落防止を
計るために軸１１′とは別部材のキヤツプ１３′を
使用するので、部品点数が増加し、従つてコスト
高になるばかりでなく、キヤツプが微小部品であ
るため装着の不完全域は付け忘れを起す欠点があ
つた。本考案の目的は上記の欠点を除去すること
である。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するための本考案の構成は、
蓋とカセツト本体とを組合わせてなるセツトに収
納された無端インクリボンを、該カセツトの入口
側から繰り込んで出口側から繰り出すようにした
インクリボンガイド部には、カセツト本体の底面
に立設した、塑性変形可能な材料からなる軸の先
端端面に、凹所が形成去れ、また上記軸に外嵌す
る内径を有して回転可能に支承される円筒の少な
くとも一端には、上記内径よりも大径の拡径内径
部が形成され、さらに上記蓋には、蓋とカセツト
本体とを押圧状に組合わせた時に、上記軸の凹所
に圧入されて、該凹所を拡径状に塑性変形させる
突起部が形成されたことを特徴とするインクリボ
ンカセツトである。

〔作用〕

本考案は上記の構成により、カセツト本体の底
面に立設した軸に円筒を嵌合し、インクリボンを
カセツトに配設した後に、カセツト本体に蓋を押
圧状に組合わせると、蓋に設けた突起部が軸先端
を塑性変形させて円筒の脱落を防止する。しかも
これらの作動が蓋を組合わせる動作のみで行なわ
れるので、細心の注意を払う必要がなく極めて便
利であり、又円筒の脱落防止に別部材を必要とし
ないので経済的である。

〔実施例〕

以下図面について本考案の実施例を説明する。
第１〜３図は第６図のインクリボンガイド部２′，
３′，４′，５′の縦断面を示す。

第１〜３図に示すように、カセツト本体１及び
これに組合せてインクリボンカセツトを構成する
蓋２は、共にABS樹脂等の塑性変形可能な合成
樹脂で成型されている。上記のインクリボンガイ
ド部にはカセツト本体１の底面から円柱状の軸３
が立設されている。この軸３はカセツト本体１と
一体成型したものである。軸３の先端面に、周囲
に薄肉壁部を残して凹所３Ａを形成する。

４は上記の軸３に回転自在に外嵌するリボンの
ガイドローラ（円筒）で、ガイドローラ４の少な
くとも一端には拡径内径部４Ａが形成されてい
る。尚、この実施例ではガイドローラ４を上下い
ずれの向きにでも使用できるように、軸線方向に
沿つた上下部に拡径内径部４Ａが形成されてい
る。

蓋２には、各インクリボンガイドに対応した位
置にカセツト本体１内に向つた突起部５が設けら
れている。この突起部５の径は軸３の凹所の内径
よりも若干大きく、また突起部の先端にテーパ又
は丸味を付けると都合がよい。

作動に当つて、軸３にガイドローラ４を外嵌し
たカセツト本体１に（第２図）、蓋２を組合わせ
ると蓋の突起部５によつて軸３先端の凹所３Ａの
周囲の薄肉壁部が塑性変形して拡径し（第１図）、
軸３からガイドローラ４が脱落するのが防止され
る。その後は、インクリボン交換等のために蓋２
を外してもガイドローラ４が脱落することがない
（第３図）。尚、上記の拡径はリボン交換時にガイ
ドローラが脱落しない程度であればよいので薄肉
壁部を僅か形成させるだけで十分である。

第４図及び第５図は本考案の軸３の変形例を示
す。軸３の凹所３Ａの周囲の薄肉壁部に、半径方
向に延びかつ軸線方向に切り込まれた切り欠き部
６を形成する。このようにすると突起部５による
弱い押圧力によつても、薄肉部が十分に拡径して
ガイドローラ４の脱落防止が完全になる。

〔考案の効果〕

本考案は上記のように構成したので、カセツト
本体に蓋を組合わせるだけでガイドローラの脱落
を防止することができる。又脱落防止に別部材が
不必要なので工費が節減できるばかりでなく、組
付けミスの懸念がない等簡単な構造で多くの利点
を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本考案の実施例を示す縦断面
図、第４図及び第５図は本考案の軸の変形を示す
斜視図、第６図は本考案が適用されるインクリボ
ンカセツトの平面図、第７図は従来のインクリボ
ンカセツトの要部を示す縦断面図である。 １……カセツト本体、２……蓋、３……軸、３
Ａ……凹所、４……円筒（ガイドローラ）、４Ａ
……拡径内径部、５……突起部、６……切り欠き
部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 蓋とカセツト本体とを組合わせてなるカセツ
   トに収納された無端インクリボンを、該カセツ
   トの入口側から繰り込んで出口側から繰り出す
   ようにしたインクリボンカセツトにおいて、上
   記カセツトのインクリボンガイド部には、カセ
   ツト本体の底面に立設した、塑性変形可能な材
   料からなる軸の先端端面に、凹所が形成され、
   また上記軸に外嵌する内径を有して回転可能に
   支承される円筒の少なくとも一端には、上記内
   径よりも大径の拡径内径部が形成され、さらに
   上記蓋には、蓋とカセツト本体とを押圧状に組
   合わせた時に、上記軸の凹所に圧入されて、該
   凹所を拡径状に塑性変形させる突起部が形成さ
   れたことを特徴とするインクリボンカセツト。 ２ 上記軸の先端端面の凹所の周囲に、半径方向
   に延びかつ軸線方向に切り込まれた切り欠き部
   が設けられた実用新案登録請求の範囲第１項に
   記載のインクリボンカセツト。