JPH0683105A

JPH0683105A - 電子写真用トナー

Info

Publication number: JPH0683105A
Application number: JP4236591A
Authority: JP
Inventors: Hidenori Asada; 英則浅田
Original assignee: Mita Industrial Co Ltd
Current assignee: Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Priority date: 1992-09-04
Filing date: 1992-09-04
Publication date: 1994-03-25

Abstract

(57)【要約】【目的】本発明の目的は電荷制御剤のトナー表面への露
出を抑え、かつ、トナー粒子中に均一分散させた電子写
真用トナーを提供することにある。【構成】本発明によれば、少なくとも定着樹脂と電荷制
御剤を含有する電子写真用トナーにおいて、定着樹脂の
中心粒径が３〜５ｍｍであり、電荷制御剤の平均粒径が
７〜１６μｍであることを特徴とする電子写真用トナー
が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電子写真用現像トナー
に関し、より詳細には静電式複写機やレーザービームプ
リンタ等のいわゆるカールソンプロセスを応用した画像
形成に使用される電子写真用トナーに関するものであ
る。

【０００２】

【従来技術】電子写真用トナー（以下単に「トナー」と
いう）は、定着樹脂と着色剤を必須成分とし、必要に応
じて電荷制御剤、導電性制御剤、有機・無機系の離型剤
等の各種材料を定着樹脂中に分散混入させた樹脂微粒子
であり、製造にあたっては上述したトナー用材料を混合
し、この混合物を溶融混練して、各種構成材料を均一に
分散させ、冷却、粉砕、分級を行って、トナー粒子を得
ている。

【０００３】トナー帯電量の向上およびトナー帯電の安
定のために、電荷制御剤を添加する方法が一般的に用い
られている。電荷制御剤は各トナー粒子中に均一に分散
していることが望ましく、そのため種々の方法が用いら
れている。たとえば、小粒径の電荷制御剤を用いる方法
である。

【０００４】

【発明が解決しようとする問題点】しかし、小粒径の電
荷制御剤を使用する場合、粒径が小さいため凝集が生じ
やすく、結果的に粒径の大きい電荷制御剤を用いた場合
と同様の現象が起こる。すなわち、電荷制御剤の粒径が
大きいと、粉砕工程において、定着樹脂と電荷制御剤と
の接触界面に亀裂が生じやすくなり、その結果、トナー
表面に電荷制御剤が露出しすくなる。複写等の操作によ
り露出している電荷制御剤はキャリヤ表面に付着する。
このため逆帯電トナーが発生し、画像上にカブリ等の不
具合が起こる。

【０００５】そこで、本発明の目的は電荷制御剤のトナ
ー表面への露出を抑え、かつ、トナー粒子中に均一分散
させた電子写真用トナーを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、少なく
とも定着樹脂と電荷制御剤を含有する電子写真用トナー
において、定着樹脂の中心粒径が３〜５ｍｍであり、電
荷制御剤の平均粒径が７〜１６μｍであることを特徴と
する電子写真用トナーが提供される。

【０００７】

【作用】本発明の電子写真用トナーは、中心粒径が３〜
５ｍｍである定着樹脂と平均粒径が７〜１６μｍである
電荷制御剤とを用いることが顕著な特徴である。電荷制
御剤の粒径が大きければ電荷制御剤は定着樹脂中で均一
分散することは周知のことである。しかし、前述の通り
粉砕工程において電荷制御剤と樹脂との接触界面で亀裂
が生じやく、トナー粒子表面に電荷制御剤が露出するこ
とになる．この欠点を中心粒径が３〜５ｍｍといった比
較的大きい定着樹脂と混合することによって解消するの
である。すなわち、電荷制御剤を比較的大きい定着樹脂
粒子と混合攪はんすることで、大きい樹脂粒子が電荷制
御剤を砕き電荷制御剤が小粒径化する。樹脂粒子中で均
一分散していた電荷制御剤の粒径が小さくなるため、粉
砕工程においても電荷制御剤と定着樹脂との接触界面で
亀裂が生じることが少なくなり、トナー粒子表面に電荷
制御剤が露出するのを抑制できるのである。

【０００８】中心粒径が３ｍｍ未満の定着樹脂を使用す
ると、攪はん中に電荷制御剤が十分砕かれずトナー粒子
表面に電荷制御剤が露出することになる。中心粒径が５
ｍｍより大きい定着樹脂を使用すると分散が悪くなる。
平均粒径が７μｍ未満の電荷制御剤を使用すると、凝集
が発生しトナー粒子表面に電荷制御剤が露出する。

【０００９】平均粒径が１６μｍより大きい電荷制御剤
を使用すると、電荷制御剤が攪はんにおいて所定の粒度
にまで砕かれないのでトナー粒子表面に電荷制御剤が露
出する。本明細書において電荷制御剤の平均粒径とは、
走査型電子顕微鏡により求めた個数平均径を示す。

【００１０】電荷制御剤としては、それ自体公知の任意
の電荷制御剤で平均粒径が７〜１６μｍのもの、例えば
「ボントロンＳ−３４」オリエント化学社製等が使用さ
れる。定着樹脂には、スチレン系樹脂、アクリル系樹
脂、或いはスチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、ポリアミド、変
性ロジン等が使用される。商品名「アルマテックスＰＡ
５５５」三井東圧化学社製等が好適に使用できる。定着
樹脂の粒径はふるい等によって分級してもよい。

【００１１】着色剤としては、従来より使用されている
公知のものが使用できる。例えば、以下にあげる着色剤
が好適に使用できる。黒色ファーネスブラック、チャンネルブラック、ガスブラッ
ク、オイルブラック、アセチレンブラック等のカーボン
ブラック、ランプブラック、アニリンブラック白色亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛赤色ベンガラ、カドミュウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カド
ミュウム、パーマネントレッド４Ｒ、リソールレッド、
ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、
レーキレッドＤ、ブリリアントカーミン６Ｂ、エオシン
レーキ、ローダミンレーキＢ、アリザリンレーキ、ブリ
リアントカーミン３Ｂ橙色赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジ
ＧＴＲ、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、イン
ダンスレンブリリアントオレンジＲＫ、ベンジジンオレ
ンジＧ、インダンスレンブリリアントオレンジＧＫ黄色黄鉛、亜鉛華、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、ミ
ネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネ
ーブルスイエロー、ナフトールイエローＳ、ハンザーイ
エローＧ、ハンザーイエロー１０Ｇ、ベンジジンイエロ
ーＧ、ベンジジンイエローＧＲ、キノリンイエローレー
キ、パーマネントイエローＮＣＧ、タートラジンレーキ緑色クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリンＢ、マ
ラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーン青色紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクト
リアブルーレーキ、フタロシアニンブルー部分塩素化
物、ファーネストスカイブルー、インダンスレンブルー
ＢＣ、無金属フタロシアニンブルー紫色マンガン紫、ファーストバイオレットＢ、メチルバイオ
レットレーキ体質顔料としては、例えばパライト粉、炭酸バリウム、
クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナ
ホワイト等があげられる。

【００１２】導電性顔料としては、例えば導電性カーボ
ンブラック、アルミニウム粉等の各種金属粉があげられ
る。磁性顔料としては、例えば四三酸化鉄（マグネタイ
ト鉄黒）；三二酸化鉄（γ−Ｆｅ2Ｏ3）、酸化鉄亜鉛
（ＺｎＦｅ2Ｏ4）、酸化鉄イットリウム（Ｙ3Ｆｅ5Ｏ1
2）、酸化鉄カドミウム（ＣｄＦｅ2Ｏ4）、酸化鉄ガト
リウム（Ｇｄ3Ｆｅ5Ｏ4）、酸化鉄銅（ＣｕＦｅ2Ｏ
4）、酸化鉄鉛（ＰｂＦｅ12Ｏ19）、酸化鉄ニッケル
（ＮｉＦｅ2Ｏ4）、酸化鉄ネオジム（ＮｄＦｅＯ3）、
酸化鉄バリウム（ＢａＦｅ12Ｏ19）、酸化鉄マグネシウ
ム（ＭｇＦｅ2Ｏ4）、酸化鉄マンガン（ＭｎＦｅ2Ｏ
4）、酸化鉄ランタン（ＬａＦｅＯ3）等の各種フェライ
ト；鉄粉、コバルト粉、ニッケル粉等があげられる。

【００１３】光導電性顔料としては、例えば酸化亜鉛、
セレン、硫化カドミウム、セレン、硫化カドミウム、セ
レン化カドミウム等があげられる。トナーの製造定着樹脂、着色剤、電荷制御剤、離型剤等を混合攪拌す
る。混合攪拌は低負荷・低せん断力が作用する条件下で
行うべきであり、一般にコニカルブレンダー、リボンブ
レンダー、Ｖ型ブレンダー、ナウタミキサー、ヘンシェ
ルミキサー、ボールミル等の各種混合攪拌装置で行うこ
とができる。混合攪拌温度は、定着樹脂のガラス転移点
（Ｔｇ）よりも低い温度とするのがよい。必要な混合攪
拌時間は装置の種類、投入量によっても相違するが、一
般に１０乃至３００分の範囲が適当である。

【００１４】このようにして得られた前混合物を常法に
より溶融混練し、この混練物を粉砕、分級してトナー粒
子とする。得られたトナー粒子には、前記混合攪拌機中
で疎水性シリカ微粒子をまぶし処理して最終電子写真用
トナーとする。このようにトナー粒子と疎水性シリカ微
粒子とを混合分散して得られる本発明の電子写真トナー
は、一成分現像剤、二成分現像剤のいずれとしても有用
である。一成分として使用する場合には上記磁性体を含
有するトナー粒子、疎水性シリカ微粒子を混合分散して
現像剤とする。二成分現像剤として用いる場合には、ト
ナー粒子と疎水性シリカ微粒子からなる電子写真用トナ
ーを、ガラスビーズや酸化または未酸化の鉄粉、フェラ
イト等の未被覆キャリア、または鉄、ニッケル、コバル
ト、フェライト等の磁性体をアクリル系重合体、フッ素
樹脂系重合体、ポリエステル、変性シリコン樹脂等の重
合体で被覆した被覆キャリアと混合して、現像剤とす
る。上記キャリアは一般に３０乃至５００μｍの粒径を
有している。また二成分現像剤を用いる場合は、トナー
濃度は２乃至１５％であるのが好ましい。

【００１５】

【実施例】以下、実施例、比較例をあげて本発明の電子
写真用トナーをより詳細に説明する。実施例１（成分）スチレン−アクリル系重合体１００重量部（「アルマテクッスＰＡ５５５」三井東圧化学社製社製３ｍｍ）カーボンブラック１０重量部（「ＭＡ−１００」三菱化成社製）電荷制御剤２重量部（「ボントロンＳ−３４」オリエント化学社製７μｍ）低分子量ポリプロピレン２重量部（「ビスコール５５０Ｐ」三洋化成社製）以上の成分を２軸押出し機で溶融混練し、ジェットミル
粉砕し、分級機で風力分級を行って、平均粒径１２μｍ
のトナー粒子を得た。

【００１６】このトナー粒子に、疎水性シリカ微粒子
（一次粒子の平均粒径０．０１２μｍ、日本アエロジル
社製の商品名「Ｒ−９７４］、以下単に「Ｒ９７４」）
をトナー総量に対して、０．３重量％の割合で混合分散
して最終的な電子写真用トナーを得た。評価結果を表１
に示す。実施例２「アルマテクッスＰＡ５５５」（三井東圧化学社製社
製）を中心粒径５ｍｍとなるように分級し、電荷制御剤
として「Ｔ−３７］（保土ヶ谷化学社製１５μｍ）を
用いた以外は実施例１と同様にして電子写真用トナーを
得た。評価結果を表１に示す。比較例１「アルマテクッスＰＡ５５５」（三井東圧化学社製社
製）を中心粒径２ｍｍとなるように分級して用いた以外
は実施例１と同様にして電子写真用トナーを得た。評価
結果を表１に示す。比較例２「アルマテクッスＰＡ５５５」（三井東圧化学社製社
製）を中心粒径６ｍｍとなるように分級して用いた以外
は実施例１と同様にして電子写真用トナーを得た。評価
結果を表１に示す。比較例３「アルマテクッスＰＡ５５５」（三井東圧化学社製社
製）を中心粒径４ｍｍとなるように分級し、電荷制御剤
として「アイゼンスピロンブラックＴＲＨ」（保土ヶ谷
化学社製４μｍ）用いた以外は実施例１と同様にして
電子写真用トナーを得た。評価結果を表１に示す。比較例４電荷制御剤として、中心粒径を１７μｍに分級した「Ｔ
−３７」（保土ヶ谷化学社製）用いた以外は比較例３と
同様にして電子写真用トナーを得た。評価結果を表１に
示す。＜評価試験＞各実施例及び比較例で得たトナーについ
て、それぞれ平均粒径８０μｍのフェライトキャリアを
配合し、均一に攪拌混合してトナー濃度３．５％の二成
分系現像剤を作製した。次に、三田工業社製（商品名
「ＤＣ−４５８５」）を用いて、表１に示すように所定
枚数ごとに環境条件を変えて総計２万枚の複写を行っ
た。但し、複写に用いる原稿は文字、黒べた部を含む黒
色部の面積率が１５％の原稿を用いた。そして、以下の
試験方法に従い、評価した。

【００１７】

【表１】

【００１８】各試験方法は以下の通りである。（１）逆帯電量割合の測定当社保有の帯電量分布測定装置により、全トナー粒子数
における逆極性トナーの割合を測定した。上記帯電量分
布測定装置は、特開昭６３−２６３４７号公報に記載の
装置である。（２）カブリ濃度（Ｆ．Ｄ．）測定前記反射濃度計を用いて、複写画像余白部の濃度を測定
して、カブリ濃度とした。

【００１９】

【発明の効果】本発明によれば、電荷制御剤のトナー表
面への露出を抑え、かつ、トナー粒子中に均一分散させ
ることにより、逆帯電トナーの発生しにくい電子写真用
トナーを得られる。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】少なくとも定着樹脂と電荷制御剤を含有す
る電子写真用トナーにおいて、定着樹脂の中心粒径が３
〜５ｍｍであり、電荷制御剤の平均粒径が７〜１６μｍ
であることを特徴とする電子写真用トナー。