JPH0682684A - 自動焦点機構を有するカメラ - Google Patents

自動焦点機構を有するカメラ

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JPH0682684A
JPH0682684A JP26086692A JP26086692A JPH0682684A JP H0682684 A JPH0682684 A JP H0682684A JP 26086692 A JP26086692 A JP 26086692A JP 26086692 A JP26086692 A JP 26086692A JP H0682684 A JPH0682684 A JP H0682684A
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JP
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apex angle
infrared light
variable apex
angle prism
prism
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JP26086692A
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Shinya Suzuka
真也 鈴鹿
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Pentax Corp
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Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 測距手段において、赤外光投光部4aの光路
中に第1の可変頂角プリズム5を設置し、赤外光受光部
4bの光路中に第2の可変頂角プリズム8を設置する。
そして、第1の可変頂角プリズム5の頂角を、焦点距離
検出手段からの焦点距離情報に基づいて、画角に対する
赤外光照射部分の相対位置が一定となるように調整し、
第2の可変頂角プリズム8の頂角を、第1の可変頂角プ
リズム5の頂角と同一角度に調整する。 【効果】 多点測距の際の投光方向の変更に伴う受光素
子上の受光位置のずれを補正することが不要となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、赤外光照射方式を採用
する自動焦点機構を有するカメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、コンパクトカメラに搭載されてい
る自動焦点装置には、赤外光投光部から赤外光を被写体
へ向けて照射し、被写体で反射した赤外光を、カメラボ
ディの他の位置に設けられている赤外光受光部で受光
し、その赤外光の入射角度を検出して、その角度から三
角測距法により、カメラから被写体までの距離を測定す
るアクティブ方式が採用されているものがある。
【0003】このような自動焦点装置の赤外光受光部に
は、赤外光の入射角度に対応する入射した赤外光の集光
位置を検出する受光素子として、ポジションセンシティ
ブディバイス(PSD)が設けられており、この受光素
子での受光位置と、赤外光投光部および赤外光受光部間
の距離(基線長)とから、カメラから被写体までの距離
が求められる。
【0004】このような測距方式は、赤外光が照射され
る範囲が予め定められており、被写体を赤外光が照射さ
れている範囲内に位置させることが必要となる。従来の
カメラでは3本あるいは5本の赤外光を投光する投光部
を有し、例えば左右方向に3つあるいは5つの所定の照
射位置に向けてそれぞれ投光し、その結果得られる被写
体距離データの内の最も近いデータに合わせて合焦点駆
動がなされる。この3つあるいは5つの位置には、赤外
光が別々に照射される。
【0005】しかし、赤外光投光部からの赤外光照射方
向を変えると、赤外光受光部での赤外光の集光位置に誤
差が生じる。すなわち、カメラから被写体までの距離が
同じでも、赤外光の照射方向によって、受光素子への赤
外光の入射位置が違ってくる。
【0006】従って、カメラから被写体までの距離を正
確に求めるには、制御部にて前記集光位置の誤差の補正
を行なう必要があり、制御回路が複雑化するという問題
がある。また、3方向に照射される赤外光をすべて1つ
の受光素子で受光するためには、大きな受光素子が必要
となり、このため実装スペースの増大を招くといった問
題が生じる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、赤外
光投光部からの赤外光の照射方向を変えても、カメラか
ら等距離にある被写体で反射した赤外光の赤外光受光部
での集光位置を一定にし得る自動焦点機構を有するカメ
ラを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(5)の本発明により達成される。
【0009】(1) 被写体へ向けて赤外光を照射する
赤外光投光部と、前記赤外光投光部から照射され、被写
体で反射された赤外光を受光する赤外光受光部とを有す
る測距手段と、前記測距手段により得られた測距情報に
基づいて合焦点状態を得るようレンズを駆動する自動焦
点機構とを有するカメラであって、
【0010】少なくとも前記赤外光受光部の光路に、対
向する少なくとも一対の板間に光学的に透明で容易に変
形可能な物質を介挿し、駆動手段により前記両板のなす
角度が変化し得る可変頂角プリズムを設置し、前記赤外
光投光部からの照射光の方向に応じて、前記可変頂角プ
リズムの頂角の調整を行うことを特徴とする自動焦点機
構を有するカメラ。
【0011】(2) 前記可変頂角プリズムの頂角は、
同一距離にある被写体で反射された赤外光の前記赤外光
受光部での集光位置が一定となるように調整される上記
(1)に記載の自動焦点機構を有するカメラ。
【0012】(3) 被写体へ向けて赤外光を照射する
赤外光投光部と、前記赤外光投光部から照射され、被写
体で反射された赤外光を受光する赤外光受光部とを有す
る測距手段と、前記測距手段により得られた測距情報に
基づいて合焦点状態を得るようレンズを駆動する自動焦
点機構と、焦点距離可変機構と、焦点距離を検出する焦
点距離検出手段とを有するカメラであって、
【0013】前記赤外光投光部の光路に、対向する少な
くとも一対の板間に光学的に透明で容易に変形可能な物
質を介挿し、駆動手段により前記両板のなす角度が変化
し得る第1の可変頂角プリズムを設置し、前記赤外光受
光部の光路に、対向する少なくとも一対の板間に光学的
に透明で容易に変形可能な物質を介挿し、駆動手段によ
り前記両板のなす角度が変化し得る第2の可変頂角プリ
ズムを設置し、前記焦点距離検出手段により得られた焦
点距離情報に基づいて、前記第1の可変頂角プリズムお
よび第2の可変頂角プリズムのそれぞれの頂角の調整を
行うことを特徴とする自動焦点機構を有するカメラ。
【0014】(4) 前記第1の可変頂角プリズムの頂
角は、画角に対する赤外光照射部分の相対位置が一定と
なるように調整され、前記第2の可変頂角プリズムの頂
角は、同一距離にある被写体で反射された赤外光の前記
赤外光受光部での集光位置が一定となるように調整され
る上記(3)に記載の自動焦点機構を有するカメラ。
【0015】(5) 前記第1の可変頂角プリズムと、
前記第2の可変頂角プリズムとを共通の可変頂角プリズ
ムで構成した上記(3)または(4)に記載の自動焦点
機構を有するカメラ。
【0016】
【実施例】以下本発明の好適実施例について、添付図面
に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の好適実施
例のコンパクトカメラにおける撮影制御系のブロック図
である。
【0017】図1に示されている撮影制御系は、制御回
路10、測光部11、測光レリーズスイッチ12、ズー
ミング操作スイッチ13、測距部14、およびズーム機
構を駆動させる駆動回路15を有している。
【0018】制御回路10は、合焦点動作に関する制
御、露出演算、シャッター駆動手段の制御、シーケンス
制御、表示デバイス制御、フラッシュ回路の制御、ワイ
ンドモータの駆動制御、セルフタイマーの制御等を行
い、例えばマイクロコンピュータで構成される。測光部
11は、被写体の輝度を測定し、その値を制御回路10
へ入力する。測光レリーズスイッチ12は、二段スイッ
チとなっている。測光レリーズスイッチ12を構成する
スイッチ部を押し込んで、その一段目をオンさせると、
前記測光部11がオン状態となる。さらに二段目をオン
させると、シャッターが駆動する。ズーミング操作スイ
ッチ13は、テレ方向操作スイッチと、ワイド方向操作
スイッチの2つのスイッチを有している。この2つのス
イッチを操作することによって、焦点距離可変機構がテ
レ方向やワイド方向へ駆動する。測距部14は、カメラ
から被写体までの距離を測距し、その測距情報を制御回
路10へ入力する。
【0019】次に、焦点距離可変機構について説明す
る。駆動回路15はズーミング操作スイッチ13の操作
によって作動し、ズーミングモータ21を駆動させる。
ズーミングモータ21の駆動軸には小歯車22が接続さ
れており、ズーミングモータ21の駆動によって、前記
小歯車22が回動する。
【0020】ズームレンズ3は、鏡筒30と、鏡筒30
に外装されたカム環31とを有し、カム環31の後端部
周面には、前記小歯車22と噛合するギヤ32が形成さ
れている。カム環31の外周面には、コード部33が設
けられている。このコード部33には、端子を形成する
導電板331が貼り付けられている。この導電板によっ
て、導通可能な4つの端子が所定のパターンで軸方向に
配列され、ズームコードが構成されている。
【0021】このコード部33のズームコードには、カ
メラ本体側に固定されているズームコード読取部23の
4つのブラシが接触する。この4つの各ブラシがズーム
コードに接触した時のブラシ間のオン、オフのパターン
によって、周方向に1/16に分割されたカム環31の
回転位置が検出され、この位置に対応するズーム駆動後
の焦点距離が特定される。前記コード部33とズームコ
ード読取部23とによって、焦点距離検出手段が構成さ
れる。
【0022】カム環31の外周面には、カム溝34が周
方向に対して斜めに形成され、このカム溝34と、カム
溝34に挿入されている図示しない突起とによって、カ
ム環31を回動させることにより、バリエータ系レンズ
群を軸方向に移動させることができる。
【0023】次に、被写体までの距離を測定する測距手
段としての測距機構について説明する。測距機構は、測
定された測距データを測距部14へ入力する。この測距
機構は、図1に示されているように、赤外光投光部4a
と、赤外光受光部4bと、第1の可変頂角プリズム5
と、該第1の可変頂角プリズム5を駆動させる駆動手段
6と、第2の可変頂角プリズム8と、該第2の可変頂角
プリズム8を駆動させる駆動手段60とを有している。
赤外光投光部4aは、赤外光を発する光源41aと、光
源41aの照射側に配置されている投光レンズ42aと
から構成され、赤外光受光部4bは、入射する赤外光の
受光位置を検出する受光素子(ポジションセンシティブ
ディバイス(PSD))41bと、前記受光素子41b
の光線入射側にある受光レンズ42bとから構成されて
いる。
【0024】光源41aから照射された赤外光は、投光
レンズ42aを介して、被写体へ照射され、被写体で反
射した赤外光は受光レンズ42bを介して、受光素子4
1b上に集光される。受光素子41bでは、入射した赤
外光が当たった位置が特定される。この位置と、赤外光
投光部4aおよび赤外光受光部4b間の距離(基線長)
から、カメラから被写体までの距離情報が求められる。
この距離に基づいて、合焦点駆動用のモータを駆動させ
て、レンズ駆動を行い、合焦点状態を得る。
【0025】ここで、赤外光投光部4aの光路中には、
図2に示されているような第1の可変頂角プリズム5が
設けられており、赤外光受光部4bの光路中には、第1
の可変頂角プリズム5と同様の第2の可変頂角プリズム
8が設けられている。この第1の可変頂角プリズム5お
よび第2の可変頂角プリズム8は、それぞれ、対向する
一対の板間に光学的に透明で容易に変形可能な物質を介
挿し、駆動手段により両板のなす角度(頂角)αが変化
するよう構成されたものである。以下、図示の第1の可
変頂角プリズム5の構成について代表的に説明する。
【0026】第1の可変頂角プリズム5は、対向する一
対の平板51および52を有する。両平板51および5
2の形状は、例えば、円形、楕円形、矩形等が挙げられ
る。これらの平板51および52の外周部同士は、全周
に渡って、伸縮自在な蛇腹状の接続部材54により液密
に連結されている。そして、両平板51、52および接
続部材54で囲まれる空間に、光学的に透明な液体53
が充填されている。平板51、52と接続部材54の構
成材料、液体53の種類等については、後に詳述する。
【0027】前記平板51、52の内、照射方向側の平
板52の周端部には、回転軸55が平板52の直径方向
に突出して設けられている。この回転軸55を中心とし
て平板52は揺動し、平板51と平板52との間に角度
αが形成される。
【0028】さらに、平板52には、アーム56が設け
られている。このアーム56の軸線の延長線は前記回転
軸55の軸線と、平板52の中心で直交している。該ア
ーム56の先端には後述する駆動手段6に接続される接
続部57が設けられている。さらに、この接続部57に
はアーム56の軸方向に形成されたスリット孔571が
形成されている。
【0029】前記接続部57に接続される駆動手段6
は、ピニオン61と復動部材62とを有しており、復動
部材62には、前記ピニオン61と噛合するラック63
が形成されている。前記ピニオン61は、モータ(図示
せず)の駆動軸に接続されて回動駆動し、該モータの駆
動は測距部14によって制御される。
【0030】前記復動部材62は、赤外光投光部4aと
第1の可変頂角プリズム5とによって構成される光学系
の光軸に平行に配置されており、該光軸に対して平行方
向へ復動する。この復動部材62の復動は、ピニオン6
1の回動によってなされる。
【0031】復動部材62の端部には、ピン64が立設
されている。このピン64は、前記接続部57のスリッ
ト孔571内に挿入されており、復動部材62の復動に
よって、アーム56が平板52と一体となって揺動す
る。
【0032】一方、前記復動部材62には、復動方向に
対して直角に形成された複数のスリット65が、復動方
向へ等間隔で配列されている。このスリット65の形成
位置に対向して、エンコーダ66が配置されている。こ
のエンコーダ66は、発光部と受光部とを有し、発光部
からの光を、前記スリット65を介して受光部で受光す
る。受光部の出力は制御回路10へ送られるようになっ
ており、復動部材62が移動することによって、前記複
数のスリット65が受光部と発光部の間を通過すること
で、受光部が受ける光が瞬間的に遮られ、受光部からの
出力が変化する。制御回路10はこの変化の回数をカウ
ントして、復動部材62の移動量を検出する。この移動
量によって、第1の可変頂角プリズム5の頂角αを知る
ことができる。
【0033】このように、第1の可変頂角プリズム5の
頂角αにより、プリズム作用が生じて、平板52より前
方(被写体側)の光路が図2中左右方向に屈曲する。こ
の光路の振れ角θは、焦点距離によって決定される。そ
して、この照射される赤外光は、左右に振り分けられた
複数の方向へ照射され、その振り分けは前記第1の可変
頂角プリズム5の頂角の変更によってなされる。
【0034】本実施例では、正面と、正面方向から左右
に等しく振り分けた2方向の、合計3方向へ赤外光を振
り分け、各方向毎に、測距を行っている。ここに、第1
の可変頂角プリズム5全体の屈折率nが1.6の場合に
ついて、上記焦点距離と振れ角θおよび頂角αの関係の
一例を表1に示す(平板51、52、液体53の屈折率
をn=1.6として計算)。
【0035】
【表1】
【0036】図3は、ファインダー7に表示された測距
位置表示部71を表すものであるが、本発明のカメラの
場合には、焦点距離の変更に伴って、前記測距位置表示
部71に赤外光が照射されるように、赤外光の振れ角θ
が調節される。即ち、ズームの駆動により焦点距離を変
更しても、測距位置表示部71と、実際に赤外光が照射
されている位置72とは、常に合致している。従って、
図3に示されているように、赤外光の照射ポイントを正
確に表示することが可能となり、ファインダー内で、構
図の決定が容易にできる。
【0037】一方上記構成における平板51、52とし
ては、光学的に透明なものであって、その構成材料とし
ては、例えば、ホウ珪酸ガラス(BK系)、クラウンガ
ラス(SK系)または、SF系、BaSF系、LaSF
系、LaK系等の各種光学ガラスや、その他これらと同
等の機能を有するガラス(白板)等が挙げられる。
【0038】また、接続部材54の構成材料としては、
例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、
スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレ
ンゴムのようなジエン系ゴム、エチレン−プロピレンゴ
ム、ブチルゴムのようなオレフィン系ゴム、エーテル
系、ポリスルフィド系およびウレタン系の各種ゴム、フ
ッ素ゴム、シリコーンゴム等の各種ゴム材料や、ウレタ
ン系、エステル系、アミド系、オレフィン系、スチレン
系、塩化ビニル系、フッ素系、アイオノマー系、イソプ
レン系等の各種熱可塑性エラストマー、あるいはそれら
の混合物(アロイ)等の弾性材料を用いることができ
る。
【0039】前記液体53としては、例えば、水、アル
コール、エチレングリコール、プロピレングリコール、
グリセリン、四塩化炭素、クロロホルム、臭化エチレン
等のハロゲン化アルキル類、ギ酸、酢酸等の有機酸、酢
酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、エーテル、ケト
ン、低分子量ポリエーテル、低分子量ポリエステル、芳
香族化合物等の有機物液体、流動パラフィン、シリコー
ンオイル、ポリビニルアルコール等の粘性液体、または
これらの2以上の混合液、あるいはこれらの液体に固体
を溶解した溶液等が挙げられる。
【0040】なお、平板51、52および接続部材54
の構成材料の選定にあたっては、使用する液体53に対
し不活性(例えば溶解、変質を生じないこと)なものを
用いる必要がある。
【0041】以下、赤外光投光部4aの光路と赤外光受
光部4bの光路に、屈折率等の光学的性質が同一の変頂
角プリズムを用いた場合について説明を行なう。第2の
変頂角プリズム8の構成は、前述した第1の可変頂角プ
リズム5の構成と同様であり、この第2の可変頂角プリ
ズム8を駆動する駆動手段60の構成も前述した駆動手
段6の構成と同様である。
【0042】このような第2の可変頂角プリズム8は、
前記第1の可変頂角プリズム5と同様に、測距部14で
制御され、焦点距離に応じて、第1の可変頂角プリズム
5の頂角αと同一の角度の頂角を形成するように駆動さ
れる。このため、カメラから被写体までの距離が同じ場
合には、赤外光投光部4aからの赤外光の照射方向を第
1の可変頂角プリズム5により変えても、これに追従し
て、第2の可変頂角プリズム8により受光素子41bへ
の光路を変え、受光素子41b上に集光される赤外光の
位置を一定にすることができる。
【0043】従って、赤外光の照射方向を変えることに
よる集光位置の誤差の補正が不要となり、制御回路を簡
素化することができる。さらには、受光素子41bを小
さくできるため、カメラ内での実装スペースの減少によ
りカメラの小型化を図ることができる。
【0044】以上の構成における撮影制御系の制御動作
について、図4および図5に基づいて説明する。測光ス
イッチをオンする(ステップ101)と、撮影レンズの
焦点距離の読み取りが始まり、読み取った値を制御回路
10に入力する(ステップ102)。次に、測定回数を
カウントするメモリ(カウンタ)nを、クリヤーにする
(ステップ103)。
【0045】制御回路10においては、前記読み取った
焦点距離から、データテーブルより選定して赤外光を照
射する振れ角θと、前記振れ角をθとするための第1の
可変頂角プリズム5の頂角αとを決定し、さらに、第2
の可変頂角プリズム8の頂角を第1の可変頂角プリズム
5の頂角と同一角度に決定する。そして、前記頂角αを
得るために必要な駆動手段6および駆動手段60のそれ
ぞれの駆動量をエンコーダーからのパルス数に換算し、
これらの値を測距部14へ出力する(ステップ10
4)。
【0046】第1の可変頂角プリズム5の頂角がαとな
るように、エンコーダーのからのパルスをカウントしつ
つ、カウント数が入力されたパルス数に達するまで駆動
手段6を駆動させる(ステップ105A)。第2の可変
頂角プリズム8の頂角がαとなるように、エンコーダー
のからのパルスをカウントしつつ、カウント数が入力さ
れたパルス数に達するまで駆動手段60を駆動させる
(ステップ105B)。
【0047】駆動手段6の駆動によって、光路が振られ
た位置で、測距する(ステップ106)。ここで、一回
の測距が完了したので、前記メモリnに1を加える(ス
テップ107)。Ln として測定された距離sを記憶す
る(ステップ108)。
【0048】メモリnの値が、3となっているかどうか
を判断する(ステップ109)。即ち、測距が3回行わ
れたかどうかを判断する。メモリnが3となっていない
場合には、ステップ105Aへ戻り、振れ角θ分だけ光
路が移動するように第1の可変頂角プリズム5を駆動さ
せ、この第1の可変頂角プリズム5と同一角度の頂角を
形成するように第2の可変頂角プリズム8を駆動させ
(ステップ105B)、ステップ106〜108を再度
実行する。
【0049】メモリnが3となった場合(正面および正
面から左右に振れ角θの合計3方向について、測距が完
了した場合)、それぞれの向きで測距された距離を比較
する。これらの距離のうち最も短いもの(つまり、最も
近い被写体)に合焦点駆動を行う。
【0050】即ち、L1 とL2 の大きさを比較する(ス
テップ111)。L1 が小さいときは、さらにL1 とL
3 を比較する(ステップ112)。L1 が小さいとき
は、カメラと被写体との距離Lとして、L1 を入力する
(ステップ113)。L3 が小さいときは、カメラと被
写体との距離Lとして、L3 を入力する(ステップ11
6)。
【0051】ステップ111の結果、L2 が小さい場合
には、L2 とL3 の大きさを比較する(ステップ11
4)。L2 が小さいときは、カメラと被写体との距離L
として、L2 を入力する(ステップ115)。L3 が小
さいときは、カメラと被写体との距離Lとして、L3
入力する(ステップ116)。
【0052】このような動作によって、最も短い測定値
が被写体までの距離Lとして採用される。
【0053】レリーズスイッチのオン、オフを判断し
(ステップ117)、オンされた時には、測光し(ステ
ップ118)、フォーカスレンズを、被写体との距離L
に合致するように合焦点駆動させて(ステップ119)
合焦点状態を得、レリーズ動作を行って撮影が行われる
(ステップ120)。
【0054】なお、この実施例では、第1の可変頂角プ
リズム5の駆動(ステップ105A)の後に第2の可変
頂角プリズム8の駆動(ステップ105B)を行なって
いるが、第2の可変頂角プリズム8を先に駆動してもよ
く、さらには、第1の可変頂角プリズム5と第2の可変
頂角プリズム8とを同時に駆動してもよい。
【0055】以上のような構成とすることによって、焦
点距離を任意に変更しても、それに応じて自動的に赤外
光の振れ角θが変更されるので、ファインダー内では、
常に同じ位置に赤外光の照射位置(フォーカシングポイ
ント)が位置する。従って、テレ、ワイドの違いで、フ
ァインダー内のフォーカシングポイントに気を配ること
なく、構図を決めることができる。
【0056】なお、以上の実施例では、第1の可変頂角
プリズム5と第2の可変頂角プリズム8として、光学的
性質が同一の変頂角プリズムを用いているが、本発明で
は、第1の可変頂角プリズム5と第2の可変頂角プリズ
ム8として、光学的性質が互いに異なる可変頂角プリズ
ムを用いてもよい。
【0057】このような場合には、第2の可変頂角プリ
ズム8の頂角は、第1の可変頂角プリズム5における照
射光の振れ角θと第2の可変頂角プリズム8における入
射光の振れ角とが同一角度となるように、すなわち、カ
メラから同一距離にある被写体で反射された赤外光の受
光素子41b上の集光位置が一定となるように調整され
る。
【0058】図6は、本発明の他の実施例を示す断面図
である。同図に示すカメラの構成は、測距手段以外は前
記1図の実施例と同じであり、測距手段は、前記1図の
実施例において、第1の可変頂角プリズム5と第2の可
変頂角プリズム8とを共通の可変頂角プリズム9で構成
したものである。
【0059】この実施例では、可変頂角プリズム9およ
びこれを駆動する駆動手段90を各々1つずつ設ければ
よいため、駆動機構等の構成の簡素化、小型化が図れ、
また、可変頂角プリズム9の駆動制御も容易となる。
【0060】以上の構成における撮影制御系の制御動作
について、図7および図8に基づいて説明する。測光ス
イッチをオンする(ステップ101)と、撮影レンズの
焦点距離の読み取りが始まり、読み取った値を制御回路
10に入力する(ステップ102)。次に、測定回数を
カウントするメモリ(カウンタ)nを、クリヤーにする
(ステップ103)。
【0061】制御回路10においては、前記読み取った
焦点距離から、データテーブルより選定して赤外光を照
射する振れ角θと、前記振れ角をθとするための可変頂
角プリズム9の頂角αを決定する。そして、前記頂角α
を得るために必要な駆動手段90の駆動量をエンコーダ
ーからのパルス数に換算し、これらの値を測距部14へ
出力する(ステップ104)。
【0062】可変頂角プリズム9の頂角がαとなるよう
に、エンコーダーのからのパルスをカウントしつつ、カ
ウント数が入力されたパルス数に達するまで駆動手段9
0を駆動させる(ステップ105)。
【0063】駆動手段90の駆動によって、光路が振ら
れた位置で、測距する(ステップ106)。ここで、一
回の測距が完了したので、前記メモリnに1を加える
(ステップ107)。Ln として測定された距離sを記
憶する(ステップ108)。
【0064】メモリnの値が、3となっているかどうか
を判断する(ステップ109)。即ち、測距が3回行わ
れたかどうかを判断する。メモリnが3となっていない
場合には、ステップ105へ戻り、振れ角θ分だけ光路
が移動するように、可変頂角プリズム9を駆動させ、ス
テップ106〜108を再度実行する。
【0065】メモリnが3となった場合(正面および正
面から左右に振れ角θの合計3方向について、測距が完
了した場合)、それぞれの向きで測距された距離を比較
する。これらの距離のうち最も短いもの(つまり、最も
近い被写体)に合焦点駆動を行う。
【0066】即ち、L1 とL2 の大きさを比較する(ス
テップ111)。L1 が小さいときは、さらにL1 とL
3 を比較する(ステップ112)。L1 が小さいとき
は、カメラと被写体との距離Lとして、L1 を入力する
(ステップ113)。L3 が小さいときは、カメラと被
写体との距離Lとして、L3 を入力する(ステップ11
6)。
【0067】ステップ111の結果、L2 が小さい場合
には、L2 とL3 の大きさを比較する(ステップ11
4)。L2 が小さいときは、カメラと被写体との距離L
として、L2 を入力する(ステップ115)。L3 が小
さいときは、カメラと被写体との距離Lとして、L3
入力する(ステップ116)。
【0068】このような動作によって、最も短い測定値
が被写体までの距離Lとして採用される。
【0069】レリーズスイッチのオン、オフを判断し
(ステップ117)、オンされた時には、測光し(ステ
ップ118)、フォーカスレンズを、被写体との距離L
に合致するように合焦点駆動させて(ステップ119)
合焦点状態を得、レリーズ動作を行って撮影が行われる
(ステップ120)。
【0070】また、本発明のカメラの他の実施例として
は、図示しないが、図1の実施例において、第1の可変
頂角プリズム5および駆動手段6を省略し、赤外光投光
部4aを、予め設定された変更不可能な2以上の方向
(通常は、正面と、正面方向から左右に等しく振り分け
た2方向の、合計3方向)へ赤外光を照射し得るように
構成したものが挙げられる。
【0071】この場合、正面に照射した赤外光の光路と
左右方向に照射した赤外光の光路とのなす角と、第2の
可変頂角プリズム8における入射光の振れ角とが同一角
度となるように、すなわち、カメラからの距離が等しい
被写体に対して、赤外光を3方向に順次照射したとき、
この3方向へ照射した赤外光が、それぞれ受光素子41
b上の一箇所へ集光するように第2の可変頂角プリズム
8の頂角を調整する。
【0072】赤外光の照射方向と、第2の可変頂角プリ
ズム8の頂角との関係は、例えば、第2の可変頂角プリ
ズム8全体の屈折率nが1.6であり、正面に照射した
赤外光の光路と、左右方向に照射した赤外光の光路との
なす角がそれぞれ±5.0度のとき、頂角が8.3度と
される。
【0073】なお、赤外光を3方向に順次照射するに
は、互いに照射方向が異なる光源を3個設けたり、光源
自体の設置角度が変更可能な光源を1個設けて赤外光投
光部4aを構成すればよい。また、可変頂角プリズムを
用いて、焦点距離とは無関係に予め設定した3方向にの
み赤外光が照射されるように構成してもよい。なお、こ
の本発明のカメラは、前記焦点距離可変機構を有さなく
てもよい。
【0074】以上、本発明のカメラを、図示のいくつか
の構成例について説明したが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。例えば、第1の可変頂角プリズム5
の対向する板は、前記平板に限らず、湾曲板やレンズの
機能を有するものであってもよい。また、第1の可変頂
角プリズム5において、対向する板間に介挿される光学
的に透明で容易に変形可能な物質は、前記液体53に限
らず、例えば、シリコーンゴムのような透明な弾性体等
の固体であってもよい。
【0075】なお、図示の構成例では、第1の可変頂角
プリズム5の頂角を調整するに際し、平板52を偏位さ
せているが、平板51を偏位させてもよく、また、平板
51、52の双方を偏位させてもよい。
【0076】また、図示の構成例では、赤外光投光部4
a内において第1の可変頂角プリズム5は、最も前方
(被写体側)に設置されているが、このような位置関係
に限定されず、例えば、第1の可変頂角プリズム5は、
光源41aと投光レンズ42aとの間に設置されていて
もよい。
【0077】なお、第2の可変頂角プリズム8および可
変頂角プリズム9についても、それぞれ第1の可変頂角
プリズム5と同様に前記各種のものでもよい。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のカメラで
は、多点測距を行なう際の赤外光の照射方向の変更に伴
う赤外光受光部での受光位置の補正が不要であるため、
制御回路を簡素化することができる。さらには、受光素
子を小さくできるため、実装スペースの減少によるカメ
ラの小型化を図ることができる。
【0079】また、赤外光投光部の光路に可変頂角プリ
ズムを設置することにより、例えば、テレとワイドの違
いに関わりなく、画角に対する赤外光照射部分の相対位
置を一定にすることができるので、テレとワイドの変化
による赤外光照射部分の変動を考慮してファインダー内
での構図を決めなればならないなどといった制約が少な
くなり、操作性が向上する。その結果、フォーカスポイ
ントの位置のズレによるピンボケなどのトラブルの発生
や、シャッターチャンスを逃がすといった不都合が減少
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適実施例のコンパクトカメラにおけ
る撮影制御系のブロック図である。
【図2】測距機構の構造を示す模式図である。
【図3】ファインダー画面に表示された表示部と、実際
の赤外光の照射範囲との関係を示すファインダーの平面
図である。
【図4】制御手段の作動順序を示すフローチャートであ
る。
【図5】制御手段の作動順序を示すフローチャートであ
る。
【図6】本発明における測距手段の他の構成例を示す模
式図である。
【図7】他の測距手段の場合の制御手段の作動順序を示
すフローチャートである。
【図8】他の測距手段の場合の制御手段の作動順序を示
すフローチャートである。
【符号の説明】
10 制御回路 11 測光部 12 測光レリーズスイッチ 13 ズーミング操作スイッチ 14 測距部 15 駆動回路 21 ズーミングモータ 22 小歯車 23 ズームコード読取部 3 ズームレンズ 30 鏡筒 31 カム環 32 ギヤ 33 コード部 331 導電板 34 カム溝 4a 赤外光投光部 4b 赤外光受光部 41a 光源 42a 投光レンズ 41b 受光素子 42b 受光レンズ 5 第1の可変頂角プリズム 51 平板 52 平板 53 液体 54 接続部材 55 回転軸 56 アーム 57 接続部 571 スリット孔 6、60、90 駆動手段 61 ピニオン 62 復動部材 63 ラック 64 ピン 65 スリット 66 エンコーダ 7 ファインダー画面 71 表示部 72 実際の赤外光照射部分 8 第2の可変頂角プリズム 9 可変頂角プリズム 101〜109 ステップ 111〜120 ステップ 105A、105B ステップ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写体へ向けて赤外光を照射する赤外光
    投光部と、前記赤外光投光部から照射され、被写体で反
    射された赤外光を受光する赤外光受光部とを有する測距
    手段と、 前記測距手段により得られた測距情報に基づいて合焦点
    状態を得るようレンズを駆動する自動焦点機構とを有す
    るカメラであって、 少なくとも前記赤外光受光部の光路に、対向する少なく
    とも一対の板間に光学的に透明で容易に変形可能な物質
    を介挿し、駆動手段により前記両板のなす角度が変化し
    得る可変頂角プリズムを設置し、 前記赤外光投光部からの照射光の方向に応じて、前記可
    変頂角プリズムの頂角の調整を行うことを特徴とする自
    動焦点機構を有するカメラ。
  2. 【請求項2】 前記可変頂角プリズムの頂角は、同一距
    離にある被写体で反射された赤外光の前記赤外光受光部
    での集光位置が一定となるように調整される請求項1に
    記載の自動焦点機構を有するカメラ。
  3. 【請求項3】 被写体へ向けて赤外光を照射する赤外光
    投光部と、前記赤外光投光部から照射され、被写体で反
    射された赤外光を受光する赤外光受光部とを有する測距
    手段と、 前記測距手段により得られた測距情報に基づいて合焦点
    状態を得るようレンズを駆動する自動焦点機構と、 焦点距離可変機構と、焦点距離を検出する焦点距離検出
    手段とを有するカメラであって、 前記赤外光投光部の光路に、対向する少なくとも一対の
    板間に光学的に透明で容易に変形可能な物質を介挿し、
    駆動手段により前記両板のなす角度が変化し得る第1の
    可変頂角プリズムを設置し、 前記赤外光受光部の光路に、対向する少なくとも一対の
    板間に光学的に透明で容易に変形可能な物質を介挿し、
    駆動手段により前記両板のなす角度が変化し得る第2の
    可変頂角プリズムを設置し、 前記焦点距離検出手段により得られた焦点距離情報に基
    づいて、前記第1の可変頂角プリズムおよび第2の可変
    頂角プリズムのそれぞれの頂角の調整を行うことを特徴
    とする自動焦点機構を有するカメラ。
  4. 【請求項4】 前記第1の可変頂角プリズムの頂角は、
    画角に対する赤外光照射部分の相対位置が一定となるよ
    うに調整され、前記第2の可変頂角プリズムの頂角は、
    同一距離にある被写体で反射された赤外光の前記赤外光
    受光部での集光位置が一定となるように調整される請求
    項3に記載の自動焦点機構を有するカメラ。
  5. 【請求項5】 前記第1の可変頂角プリズムと、前記第
    2の可変頂角プリズムとを共通の可変頂角プリズムで構
    成した請求項3または4に記載の自動焦点機構を有する
    カメラ。
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