JPH0682491A - 電圧簡易測定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】送電線や配電線などの電圧被測定線路１との間
に一定静電容量を有する結合用電極２を設け、結合用電
極２と大地間にＬＥＤを含むダイオード回路を接続し、
ＬＥＤの光を受光するとともに、電圧信号に変換し、さ
らに電力増幅して絶縁トランス５の一次側を駆動する。 【効果】従来の分圧コンデンサを用いたものに比較し
て、電気絶縁が簡単となり、低コスト、小型化が可能と
なる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、送電線または配電線
の電圧簡易測定装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】図４に従来の電圧簡易測定装置の構成を
示す。図４において１は例えば６．６ｋＶ〜１５４ｋＶ
の送電線または配電線などの電圧被測定線路である。２
は電圧被測定線路１に近接して、電圧被測定線路１との
間に一定静電容量を構成する結合用電極である。この結
合用電極２と大地間に分圧コンデンサＣ２を接続してい
る。これにより、コンデンサＣ１およびＣ２による分圧
値Ｖｏが発生される。図４において３は絶縁型増幅器、
４は電力増幅器さらに５は絶縁トランスであり、絶縁型
増幅器３はコンデンサＣ２の両端電圧を増幅し、電力増
幅器４は絶縁型増幅器３の出力信号を電力増幅して絶縁
トランス５の一次側を駆動する。絶縁型レギュレータ６
は制御電源を入力電源として、絶縁型増幅器３および電
力増幅器４に対し電源電圧を供給する。

【０００３】以上の構成によって、電圧被測定線路１の
線路電圧に比例した電圧を絶縁トランス５の二次側に得
るようにしている。

【０００４】図４に示した従来の電圧簡易測定装置で
は、電圧被測定線路との間で数ｐＦ〜数１０ｐＦの静電
容量を持つ結合用電極の製作が比較的容易であり、周波
数と電圧が決まれば、コンデンサ分圧回路に流れる電流
Ｉｏが定まり、分圧コンデンサＣ２の容量は、絶縁型増
幅器３を駆動させるための適当な値に定められる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の電圧簡易測定装置では、高絶縁の増幅器を必要と
するため、高価で且つ周辺部品点数も多くなるという欠
点があり、さらに絶縁型増幅器の特性として外来ノイズ
に対する耐量が低く、その結果測定値に誤差が生じやす
いという問題があった。

【０００６】この発明の目的は、絶縁型増幅器を不要と
し、低コスト化を図るとともに、部品点数の削減に伴う
小型化を可能とし、信頼性を高めた電圧簡易測定装置を
提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明の電圧簡易測定
装置は、電圧被測定線路との間で一定静電容量を有する
結合用電極と、 前記結合用電極と大地間に接続され、
少なくとも一方が発光ダイオードである二つのダイオー
ドを逆方向に並列接続したダイオード回路と、前記発光
ダイオードの光を受光する受光素子と、絶縁トランス
と、前記受光素子に流れる光電流を電圧信号に変換し、
さらに電力増幅して前記絶縁トランスの一次側を駆動
し、前記絶縁トランスの二次側に測定電圧を発生させる
信号変換回路、とからなる。

【０００８】

【作用】この発明の電圧簡易測定装置では、結合用電極
は電圧被測定線路との間で一定静電容量を構成し、その
結合用電極と大地間に接続されているダイオード回路の
一部を構成する発光ダイオードは、そこを流れる電流に
より発光する。このダイオード回路は、少なくとも一方
が発光ダイオードである２つのダイオードが逆方向に並
列接続されて成るため、結合用電極と電圧被測定線路と
の間の静電容量に対する充放電流がダイオード回路に流
れ、発光ダイオードに順方向電流が流れた際発光する。
この２つのダイオードのうち一方のみが発光ダイオード
であり、他方が通常のダイオードであれば、結合用電極
と大地間に流れる電流の半波整流信号に相当する光信号
が発生され、２つのダイオードの双方が発光ダイオード
であれば、全波整流信号に相当する光信号が発生され
る。一方、受光素子は前記発光ダイオードの光を受光
し、信号変換回路は受光素子に流れる光電流を電圧信号
に変換し、さらに電力増幅して絶縁トランスの一次側を
駆動する。このことにより絶縁トランスの二次側に電圧
被測定線路の電圧に比例した測定電圧が発生される。従
ってこの測定電圧を測定することによって電圧被測定線
路の線路電圧を求めることができる。

【０００９】

【実施例】この発明の実施例である電圧簡易測定装置の
構成を図１に示す。図１において１は送電線または配電
線である電圧被測定線路、２はその電圧被測定線路との
間で一定静電容量Ｃ１を生じさせる結合用電極である。
この結合用電極２と大地間にダイオードＤ１および発光
ダイオードＬＥＤから成るダイオード回路を接続してい
る。ダイオードＤ１とＬＥＤは逆方向に並列接続してい
て、結合用電極２から大地方向へ電流が流れる際、ＬＥ
Ｄに順方向電流が流れ、発光する。他の半サイクルでは
ダイオードＤ１に順方向電流が流れる。その際、ダイオ
ードＤ１はＬＥＤに対する逆バイアス電圧を抑える方向
に作用する。また、図１においてＰＴＲはフォトトラン
ジスタであり、ＬＥＤの光を受光し、その受光量に応じ
た光電流が流れる。７はフォトトランジスタＰＴＲによ
る光電流を増幅し、電圧信号に変換する光電流−電圧変
換器、８はその信号を電力増幅して絶縁トランス５の一
次側を駆動する電力増幅器である。絶縁型レギュレータ
６は制御電源を入力し、この制御電源から絶縁された制
御回路用電源電圧＋Ｖを発生し、フォトトランジスタＰ
ＴＲ、光電流−電圧変換器７および電力増幅器８に対し
電源電圧を供給する。

【００１０】図１に示したように構成したことにより、
電圧被測定線路１と結合用電極２との間に生じる静電容
量Ｃ１の値と電圧被測定線路の電圧および周波数に応じ
て定まる電流Ｉｏがダイオード回路に流れ、その電流に
応じた測定電圧が絶縁トランス５の二次側に得られる。
電圧被測定線路の線路電圧と絶縁トランスの二次側に得
られる電圧とのリニアリティは予め求めておくことがで
きるため、それを基に演算などによってリニアリティの
補正を行えばよい。これにより、絶縁トランス５の二次
側電圧を測定することによって、電圧被測定線路の線路
電圧を測定できるようになる。

【００１１】次に、他の実施例に係る電圧簡易測定装置
の部分構成を図２および図３に示す。図２の例では、ダ
イオード回路として２つの発光ダイオードＬＥＤ１，Ｌ
ＥＤ２を逆方向に並列接続して構成し、これに合わせて
２つのフォトトランジスタＰＴＲ１，ＰＴＲ２を設けて
いる。この２つのフォトトランジスタＰＴＲ１，ＰＴＲ
２に流れる光電流を加算増幅することによって、ダイオ
ード回路に流れる電流Ｉｏの全波整流信号から、電圧被
測定線路の線路電圧に比例した電圧信号を最終的に得る
ことができる。

【００１２】図３の例では、逆方向に並列接続した２つ
の発光ダイオードＬＥＤ１，ＬＥＤ２によりダイオード
回路を構成するとともに、双方の光を受光するフォトト
ランジスタＰＴＲを設けている。この場合も全波整流信
号に基づく線路電圧の測定が可能となる。

【００１３】なお、実施例ではいずれも受光素子として
フォトトランジスタを用いたが、例えばフォトダイオー
ドを用い、その短絡電流を増幅するように構成してもよ
い。

【００１４】

【発明の効果】この発明によれば、高価で数多くの周辺
部品を必要とする絶縁型増幅器を必要としないため低コ
スト化が図れ、全体に容易に小型化できる。また、絶縁
型増幅器を用いる場合のような耐ノイズ性の低下もな
い。さらに従来の分圧コンデンサを用いた回路と比較し
て、高絶縁性が得られ、信頼性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１の実施例に係る電圧簡易測定装
置の構成を示す図である。

【図２】第２の実施例に係る電圧簡易測定装置の部分構
成図である。

【図３】第３の実施例に係る電圧簡易測定装置の部分構
成図である。

【図４】従来の電圧簡易測定装置の構成を示す図であ
る。

【符号の説明】

１−送電線または配電線などの電圧被測定線路 ２−結合用電極 ３−絶縁型増幅器 ４−電力増幅器 ５−絶縁トランス ７−光電流−電圧変換器 ８−電力増幅器

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】電圧被測定線路との間で一定静電容量を有
   する結合用電極と、 前記結合用電極と大地間に接続され、少なくとも一方が
   発光ダイオードである二つのダイオードを逆方向に並列
   接続したダイオード回路と、 前記発光ダイオードの光を受光する受光素子と、 絶縁トランスと、 前記受光素子に流れる光電流を電圧信号に変換し、さら
   に電力増幅して前記絶縁トランスの一次側を駆動し、前
   記絶縁トランスの二次側に測定電圧を発生させる信号変
   換回路、 とからなる電圧簡易測定装置。