JPH0681571U - 野球用グローブ中皮の指部の構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 人の手形を呈する掌側の各指面とほぼ相似形
であって、且、面積の広い各指片をそれぞれ成形し、そ
の人差し指片、中指片及び薬指片の各基部側を地紙形に
拡張し、人差し指片、中指片及び薬指片を拡張部の手前
まで分割し、又は人差し指片、中指片及び薬指片を数片
に分断し、各指片の側縁を各指面の側縁に縫合すると共
に、人差し指片、中指片及び薬指片の各分割面を又は分
断面を縫合し、更に各指片の基部を隣り合う指片の基部
にそれぞれ縫合し各指袋を形成した野球用グローブ中皮
の指部の構造。人差し指片、中指片及び薬指片の各分割
面又は分断面を外側へそらせた野球用グローブ中皮の構
造。 【効果】 人差し指袋、中指袋及び薬指袋が空間を確保
し、手指を挿入し易い。又、掌側へ弯曲して保持され、
捕球し易い。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は野球用グローブ中皮の指部の構造に関し、その人差し指部、中指部及 び薬指部の甲側を長手方向に分割又は分離し、着用時の屈伸性を良好にしたもの である。

【０００２】

【従来の技術】

皮を裁断して人の各指を開いた手形を呈する人差し指面、中指面、薬指面及び 小指面を掌側から上向きにそれぞれ連設すると共に、親指面を掌面から斜め下向 きに連設して野球用グローブ中皮の掌側を形成し、該人差し指面、中指面及び薬 指面とそれぞれ相似形であって面積を広く形成した人差し指片、中指片及び薬指 片の各側縁を掌側の人差し指面、中指面及び薬指面の各側縁とそれぞれ袋状に縫 合して野球用グローブ中皮の人差し指袋、中指袋及び薬指袋をそれぞれ形成し、 更に、前記親指面と相似形であって面積を広く成形した親指片の側縁を親指面の 側縁と袋状に縫合し、形成された親指袋から手甲のほぼ二分の一を被う親指側甲 片を連設すると共に、前記小指面と相似形であって面積を広く成形した小指片の 側縁を小指面の側縁と袋状に縫合し、形成された小指袋から手甲のほぼ二分の一 を被う小指側甲片を連設することで野球用グローブ中皮を形成している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記のようにして形成した野球用グローブ中皮に掌側表皮と、手甲側表皮をそ れぞれ重ねて縫合すると共に前記親指袋から小指袋にわたり手首バンドを連設し て野球用グローブを形成するのであり、着用時に主に人差し指、中指及び薬指を 挿入し、薬指は僅かに挿入し、親指は挿入していないのであるが、人差し指面と 人差し指片、中指面と中指片及び薬指面と薬指片がそれぞれ重なり合い、それら の指袋が閉じた状態となっているため指を差し入れ着用するのに困難となり、無 理に指先を押し込んで着用しなければならない。

【０００４】 又、着用すると人差し指に人差し指袋が、中指に中指袋が、薬指に薬指袋がそ れぞれ密着するため、各指の屈伸動作がし難くなり、捕球困難となることがある 。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

指を開いた人の手形を呈する掌側中皮を成形する。

【０００６】 掌側中皮に成形した人差し指面、中指面及び薬指面とそれぞれほぼ相似形であ って、且、面積の広い人差し指片、中指片及び薬指片を成形すると共に、各指片 の基部側を地紙形に拡張し、且、各指片の中心線を拡張部の手前まで切断して分 割面を形成する。

【０００７】 人差し指面の側縁と人差し指片の側縁、中指面の側縁と中指片の側縁及び薬指 面の側縁と薬指片の側縁をそれぞれ縫合する。

【０００８】 二分割した人差し指片、中指片及び薬指片のそれぞれの分割面を立ち上がらせ て側縁を重ね、その重合面を一体的に縫合し、人差し指袋、中指袋及び薬指袋を それぞれ形成する。

【０００９】 掌側中皮に成形した親指面とほぼ相似形であって、且、面積の広い親指片の側 縁と親指面の側縁を袋状に縫合し、形成された親指袋から手甲のほぼ二分の一を 被う親指側の甲片を連設すると共に、親指袋の人差し指袋側の付け根を人差し指 片の拡張部と縫合する。

【００１０】 中指片の拡張部両側を人差し指片の拡張部及び薬指片の拡張部にそれぞれ縫合 する。

【００１１】 掌側中皮に成形した小指面とほぼ相似形であって面積を広く成形した小指片の 側縁を小指面の側縁と袋状に縫合し、形成された小指袋から手甲のほぼ二分の一 を被う小指側の甲片を連設し、小指袋の薬指袋側の付け根を薬指片の拡張部と縫 合する。

【００１２】 又、分割した人差し指片、中指片及び薬指片の各分割面をそれぞれ外側へそら せて該分割面を重ねて縫合したとき、その縫合線を掌側へそった曲線に形成する 。

【００１３】 又、外側へそらせた分割面を設けた人差し指片、中指片及び薬指片を、その分 割面を拡張部側まで切断して人差し指片、中指片及び薬指片を対をなす二片に分 断し、その分断面を重ねて縫合したとき縫合線を掌側へそった曲線に形成する。

【００１４】 更に、人差し指片、中指片及び薬指片をそれぞれテープ状の細長い中央片と、 その左右の両側片の三片に分断し、各中央片と両側片を一体に縫合し、その縫合 線を掌側へそらせるのである。

【００１５】

【作用】

人差し指袋、中指袋及び薬指袋は、それぞれ甲側が掌側よりも面積が広く形成 され、且、甲側が各指片の分離面又は分断面の縫合によって盛り上がり掌側の人 差し指面、中指面及び薬指面と人差し指片、中指片、薬指片が重なり合わない。 殊に人差し指袋、中指袋及び薬指袋を屈曲した時に各指片が各指面に重ならず空 間が保たれる。

【００１６】

【実施例】

本考案の実施例を図について説明すると、図２に示すように指を開いた人の手 形を呈する掌側中皮１を成形する。

【００１７】 掌側中皮１に成形した人差し指面２、中指面３及び薬指面４とそれぞれほぼ相 似形であって、且、面積の広い人差し指片５、中指片６及び薬指片７を成形する と共に、各指片の基部側を地紙形に成形して人差し指片の拡張部５ａ、中指片の 拡張部６ａ及び薬指片の拡張部７ａをそれぞれ形成する。

【００１８】 更に、各指片の中心線を拡張部の手前まで切断してそれぞれ分割面５ｂ、６ｂ 、７ｂ、を設ける。

【００１９】 図１に示すように、人差し指面２の側縁と人差し指片５の側縁を縫合し、中指 面３の側縁と中指片６の側縁を縫合し、薬指面４の側縁と薬指片７の側縁を縫合 する。

【００２０】 更に、人差し指片の分割面５ｂ、中指片の分割面６ｂ及び薬指片の分割面７ｂ をそれぞれ立ち上がらせて重ね、それらの重合面５ｃ、６ｃ、７ｃを一体的に縫 合し、人差し指袋８、中指袋９及び薬指袋１０をそれぞれ形成する。

【００２１】 掌側中皮１に成形した親指面１２とほぼ相似形であって、且、面積の広い親指 片１２の側縁と親指面１２の側縁を袋状に縫合し、形成された親指袋１３から手 甲のほぼ二分の一を被う親指側の甲片１４を連設すると共に、親指袋１３の人差 し指袋側の付け根を人差し指片の拡張部５ａと縫合する。

【００２２】 中指片の拡張部６ａの両側を人差し指片の拡張部５ａ及び薬指片の拡張部７ａ にそれぞれ縫合する。

【００２３】 掌側中皮１に成形した小指面１５とほぼ相似形であって面積を広く成形した小 指片１６の側縁を小指面１５の側縁と袋状に縫合し、形成された小指袋１７から 手甲のほぼ二分の一を被う小指側の甲片１８を連設すると共に、小指袋１７の薬 指袋側の付け根を薬指片の拡張部７ａと縫合する。

【００２４】 このように構成した本考案に係る野球用グローブ中皮に掌側表皮と手甲側表皮 をそれぞれ重ねて縫合すると共に、親指袋１３から小指袋１７にわたり手首バン ドを連設して野球用グローブを形成する。

【００２５】 図５（ａ）（ｂ）（ｃ）に示すように二片に分割した人差し指片１９の分割面 １９ａをそれぞれ外側へそらせて該分割面１９ａを縫合した時、図６に示すよう に、その縫合線１９ａを掌側へそった曲線に形成する。（他の縫合線は図示しな い） 図７（ａ）（ｂ）（ｃ）に示すように 人差し指片２２、中指片２３及び薬指 片２４をそれぞれ二片に分断し、且、その分断面２２ａ、２３ａ、及び２４ａを 縫合した時、掌側へそった曲線に形成する。

【００２６】 図８（ａ）（ｂ）（ｃ）に示すように、人差し指片２５、中指片２６及び薬指 片２７をそれぞれテープ状の細長い中央片２５ａ、２６ａ、及び２７ａと、その 左右の両側片２５ｂ、２６ｂ、及び２７ｂ、の三片に分断し、各中央片と両側片 を縫合することにより掌側へそった曲線を形成するものである。

【００２７】

【考案の効果】

本考案はこのようにして成るから、人差し指袋８、中指袋９及び薬指袋１０が 人差し指面２、中指面３及び薬指面４に対し、それぞれ空間が確保されているた め着用し易い。殊に各指片の重合面５ｃ、６ｃ及び７ｃを立ち上がらせて一体的 に縫合しているため、各指袋に形成される空間が広く、従って手指を挿入し易い 。

【００２８】 又、人差し指片１９の分断面１９ａ、中指片２０の分断面２０ａ、薬指片２１ の分断面２１ａ、人差し指片２２の分断面２２ａ、中指片２３の分断面２３ａ及 び薬指片２４の分断面２４ａはそれぞれ外側へそらせて形成されているため、各 分割面又は分断面を縫合した時、各指袋の手甲側が掌側へ弯曲し、凹陥した掌面 と相まって捕球し易い。

【００２９】 又、三片に分離した人差し指片２５、中指片２６及び薬指片２７は、それぞれ を縫合して各指袋を形成した時、屈伸し易く手指によくなじみ自然な着用感があ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の実施例を示す正面図。

【図２】 本考案の実施例を示す背面図。

【図３】 図１におけるＸーＸ断面図。

【図４】（Ａ） 人差し指片を示す正面図。 （Ｂ） 中指片を示す正面図。 （Ｃ） 薬指片を示す正面図。

【図５】（Ａ） 他の人差し指片を示す正面図。 （Ｂ） 他の中指片を示す正面図。 （Ｃ） 他の薬指片を示す正面図。

【図６】 図５（Ａ）に係る人差し指片の分割面を縫合
した状態を示す９０度時計方向へ転回した側面図。

【図７】（Ａ） 二片に分断した人差し指片を示す正面
図。 （Ｂ） 二片に分断した中指片を示す正面図。 （Ｃ） 二片に分断した薬指片を示す正面図。

【図８】（Ａ） 三片に分断した人差し指片を示す正面
図。 （Ｂ） 三片に分断した中指片を示す正面図。 （Ｃ） 三片に分断した薬指片を示す正面図。

【符号の説明】

１ 掌側中皮 ２ 人差し指面 ３ 中指面 ４ 薬指面 ５ １９ ２２ ２５ 人差し指片 ６ ２０ ２３ ２６ 中指片 ８ 人差し指袋 ９ 中指袋 １０ 薬指袋 １１ 親指面 １２ 親指片 １３ 親指袋 １９ａ ２０ａ ２１ａ ２２ａ ２３ａ ２４ａ 分
断面 ２５ａ ２６ａ ２７ａ 中央片 ２５ｂ ２６ｂ ２７ｂ 両側片

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 指を開いた人の手形を呈する掌側中皮
   を成形する。掌側中皮に成形した人差し指面、中指面及
   び薬指面とそれぞれほぼ相似形であって、且、面積の広
   い人差し指片、中指片及び薬指片を成形すると共に、各
   指片の基部側を地紙形に拡張し、且、各指片の中心線を
   拡張部の手前まで分割する。人差し指面の側縁と人差し
   指片の側縁、中指面の側縁と中指片の側縁及び薬指面の
   側縁と薬指片の側縁をそれぞれ縫合する。二分割した人
   差し指片、中指片及び薬指片のそれぞれの分割面を立ち
   上がらせて側縁を重ね、その重合面を一体的に縫合し、
   人差し指袋、中指袋及び薬指袋をそれぞれ形成する。掌
   側中皮に成形した親指面とほぼ相似形であって、且、面
   積の広い親指片の側縁と親指面の側縁を袋状に縫合し、
   形成された親指袋から手甲のほぼ二分の一を被う親指側
   の甲片を連設すると共に、親指袋の人差し指袋側の付け
   根を人差し指片の拡張部と縫合する。中指片の拡張部両
   側を人差し指片の拡張部及び薬指片の拡張部にそれぞれ
   縫合する。掌側中皮に成形した小指面とほぼ相似形であ
   って面積を広く成形した小指片の側縁を小指面の側縁と
   袋状に縫合し、形成された小指袋から手甲のほぼ二分の
   一を被う小指側の甲片を連設し、小指袋の薬指袋側の付
   け根を薬指片の拡張部と縫合する。以上のように構成し
   た野球用グローブ中皮の指部の構造。
2. 【請求項２】前記の分割した人差し指片、中指片及び薬
   指片の各分割面をそれぞれ外側へそらせてその側縁を重
   ね、該重合面を縫合し、その縫合線を掌側へそらせて成
   る請求項１記載の野球用グローブ中皮の指部の構造。
3. 【請求項３】外側へそらせた人差し指片、中指片及び薬
   指片を、その分割面を拡張部側まで切断して各指片を二
   片に分断し、各分断面を重ねて縫合し、その縫合線を掌
   側へそらせて成る請求項２記載の野球用グローブ中皮の
   指部の構造。
4. 【請求項４】 人差し指片、中指片及び薬指片をそれぞ
   れテープ状の中央片と、両側片の三片に分断し、各中央
   片と両側片を一体に縫合し、その縫合線を掌側へそらせ
   て成る請求項１記載の野球用グローブ中皮の指部の構
   造。