JPH0681188A - 電気鉄めっき液 - Google Patents
電気鉄めっき液Info
- Publication number
- JPH0681188A JPH0681188A JP25185692A JP25185692A JPH0681188A JP H0681188 A JPH0681188 A JP H0681188A JP 25185692 A JP25185692 A JP 25185692A JP 25185692 A JP25185692 A JP 25185692A JP H0681188 A JPH0681188 A JP H0681188A
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- JP
- Japan
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- plating
- solution
- iron
- chloride
- ferrous chloride
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- Pending
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- Electroplating And Plating Baths Therefor (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 めっき液中の水酸化第二鉄の沈澱の生成を極
力抑制した塩化第一鉄を主成分とする電気鉄めっき液を
提供する。 【構成】 水溶性のジカルボン酸、オキシカルボン酸お
よびそれらの塩のうちから選ばれた一種または二種以上
を塩化第一鉄1Mに対して5mM以上含有することを特
徴とする。
力抑制した塩化第一鉄を主成分とする電気鉄めっき液を
提供する。 【構成】 水溶性のジカルボン酸、オキシカルボン酸お
よびそれらの塩のうちから選ばれた一種または二種以上
を塩化第一鉄1Mに対して5mM以上含有することを特
徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、めっき中に発生する水
酸化第二鉄の沈澱を抑制する電気鉄めっき液に関する。
酸化第二鉄の沈澱を抑制する電気鉄めっき液に関する。
【0002】
【従来の技術】電気鉄めっきは各種の電鋳品の製造、鉄
鋼部品の補修肉盛り、鉄箔の製造、ステンレス板などの
表面改質などの目的に用いられ普及している。
鋼部品の補修肉盛り、鉄箔の製造、ステンレス板などの
表面改質などの目的に用いられ普及している。
【0003】従来、電気鉄めっきのめっき液には、塩化
物液、硫酸塩液、ほうふっ化物液、硫酸塩/塩化物混合
液、スルファミン酸塩液などが用いられている。上記め
っき液はそれぞれ長所と短所を持つが、めっき速度およ
び得られためっき被膜の延性等の観点から塩化物液が優
れている。
物液、硫酸塩液、ほうふっ化物液、硫酸塩/塩化物混合
液、スルファミン酸塩液などが用いられている。上記め
っき液はそれぞれ長所と短所を持つが、めっき速度およ
び得られためっき被膜の延性等の観点から塩化物液が優
れている。
【0004】塩化物液は塩化第一鉄単独またはこれに電
導度向上剤として塩化カルシウムや塩化マンガンなどを
加えたもので、pH2.1以下で使用される。
導度向上剤として塩化カルシウムや塩化マンガンなどを
加えたもので、pH2.1以下で使用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記め
っき液を使用すると、電気鉄めっきの際めっき液中に水
酸化第二鉄の沈澱が生成し、攪拌される事により、液中
に浮遊するため得られる鉄めっき被膜に取り込まれ、外
観不良を起こし易く、この問題を解決する手段は未だ確
立されていない。
っき液を使用すると、電気鉄めっきの際めっき液中に水
酸化第二鉄の沈澱が生成し、攪拌される事により、液中
に浮遊するため得られる鉄めっき被膜に取り込まれ、外
観不良を起こし易く、この問題を解決する手段は未だ確
立されていない。
【0006】本発明の目的は、めっき液中の水酸化第二
鉄の沈澱の生成をを極力抑制した塩化第一鉄を主成分と
する電気鉄めっき液を提供することにある。
鉄の沈澱の生成をを極力抑制した塩化第一鉄を主成分と
する電気鉄めっき液を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は塩化第一鉄を
電気鉄めっき液の主成分とし、ある種の有機物を加える
ことによりめっき液中の水酸化第二鉄の沈澱が抑制さ
れ、このめっき液から得られる被膜の状態が改良される
ことを見いだし本発明に至った。
電気鉄めっき液の主成分とし、ある種の有機物を加える
ことによりめっき液中の水酸化第二鉄の沈澱が抑制さ
れ、このめっき液から得られる被膜の状態が改良される
ことを見いだし本発明に至った。
【0008】即ち、上記課題を解決するための本発明の
電気鉄めっき液は、水溶性のジカルボン酸、オキシカル
ボン酸およびそれらの塩のうちから選ばれた一種または
二種以上を塩化第一鉄1Mに対して5mM以上含有する
ことを特徴とする。
電気鉄めっき液は、水溶性のジカルボン酸、オキシカル
ボン酸およびそれらの塩のうちから選ばれた一種または
二種以上を塩化第一鉄1Mに対して5mM以上含有する
ことを特徴とする。
【0009】
【作用】めっき液中において、鉄を電析させる場合、酸
化還元電位の関係からアノードではFe2+からFe3+に
なる酸化反応が起こる。特に不溶性アノードを用いると
この反応が促進されFe3+の生成量は多くなる。またカ
ソード界面で水素の気泡が発生し、これにより局部的に
pHが上昇する。よって、めっき液中にFe(OH)3
の沈澱が生成すると考えられる。
化還元電位の関係からアノードではFe2+からFe3+に
なる酸化反応が起こる。特に不溶性アノードを用いると
この反応が促進されFe3+の生成量は多くなる。またカ
ソード界面で水素の気泡が発生し、これにより局部的に
pHが上昇する。よって、めっき液中にFe(OH)3
の沈澱が生成すると考えられる。
【0010】このFe(OH)3 の沈澱は、めっき液中
に水溶性のジカルボン酸、オキシカルボン酸およびそれ
らの塩のうちから選ばれた一種または二種以上を加える
ことにより、Fe3+を錯イオンとして液中に保持するこ
とにより抑制できると考えられる。これらの錯化剤は、
水溶性のジカルボン酸として、マロン酸、コハク酸等、
水溶性のオキシカルボン酸として、酒石酸等、公知なリ
ンゴ酸、グリコール酸等、これらの塩として、これらの
ナトリウム塩、カリウム塩等がある。
に水溶性のジカルボン酸、オキシカルボン酸およびそれ
らの塩のうちから選ばれた一種または二種以上を加える
ことにより、Fe3+を錯イオンとして液中に保持するこ
とにより抑制できると考えられる。これらの錯化剤は、
水溶性のジカルボン酸として、マロン酸、コハク酸等、
水溶性のオキシカルボン酸として、酒石酸等、公知なリ
ンゴ酸、グリコール酸等、これらの塩として、これらの
ナトリウム塩、カリウム塩等がある。
【0011】これら添加剤のめっき液中含有量は、塩化
第一鉄1Mに対して5mM未満では、Fe(OH)3 の
沈澱抑制が不十分であり、めっき被膜の外観上の問題が
生じる。また、塩化第一鉄1Mに対して上記添加剤を
2.5Mを越えて添加しても沈澱抑制効果に差がないの
で、2.5M以下とするのが好ましい。
第一鉄1Mに対して5mM未満では、Fe(OH)3 の
沈澱抑制が不十分であり、めっき被膜の外観上の問題が
生じる。また、塩化第一鉄1Mに対して上記添加剤を
2.5Mを越えて添加しても沈澱抑制効果に差がないの
で、2.5M以下とするのが好ましい。
【0012】上記以外の錯化剤としてEDTAや1,1
0−フェナントロリン等が知られている。しかし、これ
らはFe3+を錯イオンとして液中に保持することはでき
るが、これらを添加しためっき液からは、平滑なめっき
被膜を得ることは難しい。これは、EDTAや1,10
−フェナントロリン等は、Fe3+を錯イオンとして液中
に保持するのみならず、Fe2+とも安定な錯イオンを形
成するため、電析に影響を及ぼし膜性状に変化をもたら
すと考えられる。
0−フェナントロリン等が知られている。しかし、これ
らはFe3+を錯イオンとして液中に保持することはでき
るが、これらを添加しためっき液からは、平滑なめっき
被膜を得ることは難しい。これは、EDTAや1,10
−フェナントロリン等は、Fe3+を錯イオンとして液中
に保持するのみならず、Fe2+とも安定な錯イオンを形
成するため、電析に影響を及ぼし膜性状に変化をもたら
すと考えられる。
【0013】
実施例1 圧延銅板に以下の条件で電気鉄めっきを行った。なお、
サッカリンは応力緩和剤、ドデシル硫酸ナトリウムは水
素ガス脱泡剤として用いている。
サッカリンは応力緩和剤、ドデシル硫酸ナトリウムは水
素ガス脱泡剤として用いている。
【0014】 (液組成) FeCl2 ・4H2 O 2.00M CaCl2 1.62M サッカリン 9.13mM CH3 (CH2 )10CH2 OSO3 Na 0.30mM マロン酸 10.0mM (めっき条件) 温 度 90℃ 陰極電流密度 5A/dm2 陽 極 Pt pH 1.5 時 間 46分 上記電気鉄めっきにより、厚さ40μmのめっき層が形
成された。このめっき液にはめっきの際Fe(OH)3
の沈澱は生成せず、また得られためっき被膜にもFe
(OH)3 の沈澱物混入は観察されず、電子部品として
出荷する事ができた。
成された。このめっき液にはめっきの際Fe(OH)3
の沈澱は生成せず、また得られためっき被膜にもFe
(OH)3 の沈澱物混入は観察されず、電子部品として
出荷する事ができた。
【0015】実施例2 実施例1において、マロン酸の添加量を5.0Mに変え
た液を使用した以外は実施例1と同様の手順で電気鉄め
っきを行った。得られた結果も実施例1と同様であっ
た。
た液を使用した以外は実施例1と同様の手順で電気鉄め
っきを行った。得られた結果も実施例1と同様であっ
た。
【0016】実施例3 実施例1において、FeCl2 ・4H2 Oの濃度を2.
50Mとし、マロン酸の代わりに酒石酸を1.00M加
えた液を使用した以外は、実施例1と同様の手順で電気
鉄めっきを行った。得られた結果も実施例1と同様であ
った。
50Mとし、マロン酸の代わりに酒石酸を1.00M加
えた液を使用した以外は、実施例1と同様の手順で電気
鉄めっきを行った。得られた結果も実施例1と同様であ
った。
【0017】実施例4 実施例1において、FeCl2 ・4H2 Oの濃度を2.
50Mとし、マロン酸の代わりにマロン酸二ナトリウム
を1.00M加えた液を使用した以外は、実施例1と同
様の手順で電気鉄めっきを行った。得られた結果も実施
例1と同様であった。
50Mとし、マロン酸の代わりにマロン酸二ナトリウム
を1.00M加えた液を使用した以外は、実施例1と同
様の手順で電気鉄めっきを行った。得られた結果も実施
例1と同様であった。
【0018】比較例1 実施例1において、マロン酸を加えない液を使用した以
外は実施例1と同様の手順で電気鉄めっきを行った。得
られた鉄めっき被膜の厚みは40μmであり、めっき液
中にはFe(OH)3 の沈澱が生成し、また得られため
っき被膜にもFe(OH)3 の沈澱物混入が観察され電
子部品として出荷することができなかった。
外は実施例1と同様の手順で電気鉄めっきを行った。得
られた鉄めっき被膜の厚みは40μmであり、めっき液
中にはFe(OH)3 の沈澱が生成し、また得られため
っき被膜にもFe(OH)3 の沈澱物混入が観察され電
子部品として出荷することができなかった。
【0019】比較例2 実施例1において、マロン酸のめっき液中の含有量を5
mMに変えた液を使用した以外は、実施例1と同様の手
順で電気鉄めっきを行った。得られた結果は比較例1と
同様であった。
mMに変えた液を使用した以外は、実施例1と同様の手
順で電気鉄めっきを行った。得られた結果は比較例1と
同様であった。
【0020】比較例3 実施例1において、マロン酸の代わりに1,10−フェ
ナントロリンに変えた液を使用した以外は、実施例1と
同様の手順で電気鉄めっきを行った。得られた鉄めっき
被膜は、表面に黒色物が付着し、また応力も発生したた
め平滑なめっき被膜を得ることができなかった。
ナントロリンに変えた液を使用した以外は、実施例1と
同様の手順で電気鉄めっきを行った。得られた鉄めっき
被膜は、表面に黒色物が付着し、また応力も発生したた
め平滑なめっき被膜を得ることができなかった。
【0021】比較例4 実施例1において、マロン酸の代わりにEDTAに変え
た液を使用した以外は、実施例1と同様の手順で電気鉄
めっきを行った。得られた鉄めっき被膜は、応力が発生
したため平滑なめっき被膜を得ることができず、もろい
被膜であった。
た液を使用した以外は、実施例1と同様の手順で電気鉄
めっきを行った。得られた鉄めっき被膜は、応力が発生
したため平滑なめっき被膜を得ることができず、もろい
被膜であった。
【0022】
【発明の効果】本発明による電気鉄めっき液を用いるこ
とにより、従来困難であった鉄めっき液中に生成するF
e(OH)3 沈澱の抑制を達成することができた。ま
た、めっき被膜中にFe(OH)3 の沈澱物混入の防止
が可能となり、本発明めっき液を用いた各種の電鋳や鉄
箔の製造により得られた鉄めっき被膜は外観が良好な上
に電気的、機械的信頼性等に優れる。
とにより、従来困難であった鉄めっき液中に生成するF
e(OH)3 沈澱の抑制を達成することができた。ま
た、めっき被膜中にFe(OH)3 の沈澱物混入の防止
が可能となり、本発明めっき液を用いた各種の電鋳や鉄
箔の製造により得られた鉄めっき被膜は外観が良好な上
に電気的、機械的信頼性等に優れる。
Claims (1)
- 【請求項1】 塩化第一鉄を主成分とする電気鉄めっき
液において、水溶性のジカルボン酸、オキシカルボン酸
およびそれらの塩のうちから選ばれた一種または二種以
上を該塩化第一鉄1Mに対して5mM以上含有すること
を特徴とする電気鉄めっき液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25185692A JPH0681188A (ja) | 1992-08-28 | 1992-08-28 | 電気鉄めっき液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25185692A JPH0681188A (ja) | 1992-08-28 | 1992-08-28 | 電気鉄めっき液 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0681188A true JPH0681188A (ja) | 1994-03-22 |
Family
ID=17228944
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25185692A Pending JPH0681188A (ja) | 1992-08-28 | 1992-08-28 | 電気鉄めっき液 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0681188A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20200142748A (ko) | 2019-06-13 | 2020-12-23 | 주식회사 포스코 | 철 전기도금용액 및 이를 이용하여 제조된 전기도금 강판 |
WO2022131386A1 (ko) | 2020-12-14 | 2022-06-23 | 주식회사 포스코 | 철 전기도금용액 및 이를 이용하여 제조된 전기도금 강판 |
-
1992
- 1992-08-28 JP JP25185692A patent/JPH0681188A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20200142748A (ko) | 2019-06-13 | 2020-12-23 | 주식회사 포스코 | 철 전기도금용액 및 이를 이용하여 제조된 전기도금 강판 |
WO2022131386A1 (ko) | 2020-12-14 | 2022-06-23 | 주식회사 포스코 | 철 전기도금용액 및 이를 이용하여 제조된 전기도금 강판 |
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