JPH0680881A - 電気粘性液体 - Google Patents

電気粘性液体

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JPH0680881A
JPH0680881A JP25582592A JP25582592A JPH0680881A JP H0680881 A JPH0680881 A JP H0680881A JP 25582592 A JP25582592 A JP 25582592A JP 25582592 A JP25582592 A JP 25582592A JP H0680881 A JPH0680881 A JP H0680881A
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JP
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liquid
electrorheological
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electrorheological liquid
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JP25582592A
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Takashi Nakamura
隆司 中村
Akihiko Kobayashi
昭彦 小林
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DuPont Toray Specialty Materials KK
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Dow Corning Toray Silicone Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大きい電気粘性効果(降伏値)と良好な分散
安定性を与え、熱的にも安定であり、かつ周辺機器への
摩耗を生じさせない電気粘性液体を提供する。 【構成】 スルホン酸金属塩基含有オルガノポリシロキ
サンとポリエーテルの混合物からなる高分子電解質微粒
子を、電気絶縁性液体に分散してなる電気粘性液体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気粘性液体、すなわち
外部からの電圧の制御により粘性が変化する液体に関す
る。更に詳しくは、少ない電圧により著しく降伏値が増
大し、粒子の沈降性が少なく、熱的に安定であり、かつ
周辺機器への摩耗を生じさせない電気粘性液体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】外部からの電圧の印加により粘度が変化
する液体は、動力伝達、衝撃吸収、バルブ効果などの作
用を示すので、近年注目されている。こうした電界によ
り増粘作用を示す液体を総称して電気粘性液体という
が、中でもクラッチ,エンジンマウント,ショックアブ
ソーバーなどの実用度の高い用途に耐えるためには、少
ない電圧により著しく降伏値の増大する電気粘性液体が
必要とされている。こうした液体は現在まで種々のもの
が提唱されている。例えば、シリカ,アルミナ,タルク
等の無機質多孔性粒子を電気絶縁性液体に分散させたも
のが代表的である。これらは何れも粒子表面に吸着して
いる水による電気二重層の形成により、外部の電界に対
して粒子が配向し、粘度が増大する(より詳しくは、降
伏値をもつビンガム流体に転移する。)と説明されてい
る(以下この効果を Winslow効果と称す。)。とりわけ
シリカを用いた系については、シリカの工業的供給性,
品種改良性の豊かさ等実用上の利点が高く、数多くの電
気粘性液体が提案されている(米国特許3,047,50
7号,特開昭61−44998号公報参照)。しかし、
これらの電気粘性液体は、周辺機器への摩耗性がある,
粒子の沈降性がある,Winslow 効果の程度が大きくない
等、工業的使用に際して十分な性能を与えるものではな
かった。上記の欠点を改良した電気粘性液体としては、
高分子電解質を電気絶縁性液体に分散させたものが提案
されている。高分子電解質とは構造内にイオン対を含む
高分子化合物の総称であり、天然または合成による多く
の種類が知られており、イオン交換樹脂が最もよく知ら
れている。例えば、特開平1−180238号公報には
アミノ塩構造を有する高分子電解質の微粒子を、電気絶
縁性液体中に分散させてなる電気粘性液体が開示されて
いる。また、特開平1−262942号公報にはイオン
交換樹脂を粉砕した粒子を電気絶縁液体中に分散させて
なる電気粘性液体が開示されている。こうした高分子電
解質の粒子を用いることの有利性は、この粒子が有機ポ
リマーなので比重が小さいため沈降性が少なく、周辺機
器への摩耗性も少なく、比較的大きい Winslow効果を示
すことである。また、合成高分子電解質の場合は、粒子
の設計を自由にできるという利点もある。しかし、現在
まで知られた高分子電解質粒子を使用している電気粘性
液体においては、電解質を固体化させるために何等かの
方法で三次元的に架橋を施し、しかる後に粉砕等の方法
で微粉化していた。このような方法によれば、電解質の
三次元的配列は、合成時に決まり再加工することはでき
ない。また、微粉化に際しても、理想的な球形の粒子を
得ることができないため、分散安定性、Winslow 効果が
十分に発揮できないという問題点があった。さらに、現
在まで報告されている高分子電解質粒子は何れも炭素系
のものであった。分散媒としての電気絶縁性液体として
は、後記するようにシリコーンオイルが最も優れている
が、これらの炭素系の粒子はシリコーンオイルとの親和
性に劣るという点で問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上のように現在まで
に提案されている電気粘性液体は何れも満足な性能を示
すものではなかった。本発明者らは上記問題点を解消す
るために鋭意研究した結果、本発明に到達した。本発明
の目的は、大きい電気粘性効果(降伏値)と良好な分散
安定性を与え、100℃以上の高温下でも熱的に安定で
あり、かつ周辺機器への摩耗を生じさせない電気粘性液
体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段およびその作用】かかる本
発明は、スルホン酸金属塩基含有オルガノポリシロキサ
ンとポリエーテルの混合物からなる高分子電解質微粒子
を、電気絶縁性液体に分散してなる電気粘性液体に関す
る。
【0005】これについて説明すると、本発明に使用さ
れるスルホン酸金属塩基含有オルガノポリシロキサン
は、高分子電解質としての働きをし、高い Winslow効
果,粒子分散安定性,周辺機器への摩耗性のなさを与え
るために必要なものである。かかるスルホン酸金属塩基
含有オルガノポリシロキサンとしては下記の一般式で示
されるものが例示される。
【化2】 (式中、R1は炭素数1〜20のアルキル基またはアリ
ール基,R2は炭素数1〜20のアルキレン基であり、
Xは1価または2価の金属イオンである。l,m,p,
qは0または正の実数であり、nは1または2である。
ただし、pとqが同時に0になることはない。)このオ
ルガノポリシロキサンは種々の合成法で製造することが
可能であるが、容易かつ確実な方法としては、所定の置
換基を持ち、かつシラノール基を有する単量体もしくは
低重合度の重合体を合成しておき、粒子化と同時にシラ
ノールの縮合を起こさせる方法が推奨される。スルホン
酸金属塩基の導入方法としては、種々の方法があり、特
に限定されないが、代表例としては、エポキシ環を水中
で亜硫酸金属塩(金属は1価または2価のイオンであ
る。)と60〜80℃付近で反応させてスルホン酸金属
塩化する方法が挙げられる。このオルガノポリシロキサ
ンの特徴としては次の点が挙げられる。まず、一点はス
ルホン酸金属塩基の密度が大きくできるため、高い Win
slow効果が得られることである。第二点は3官能のシロ
キサン単位が含まれる場合は、オルガノポリシロキサン
は3次元構造となり、高密度な粒子を形成することがで
きる。この場合、粒子内に水が侵入しにくくなるという
利点を生んだり、比重の大きい分散液を用いる場合には
好都合である等の特色を生ずる。また、もう一点はスル
ホン酸金属塩基の存在のために強いイオン架橋性を示
し、3官能のシロキサン単位が含まれない場合でも固体
となり得、その一方、水または極性有機溶剤に可溶であ
る。このことは、このオルガノポリシロキサンがいかな
る加工状態でも固体物性を発揮できるのと同時に、一時
的、二次的に比較的自由に加工ができるということであ
る。
【0006】上記のようにして得られたスルホン酸金属
塩基含有オルガノポリシロキサンの高分子電解質の構造
と組成については特に規定されないが、以下の条件を満
たせば比較的良好なWinslow効果が得られる。スルホン
酸金属塩基を有さないアルキル(あるいはアリール)シ
ロキサン単位は必ずしも存在する必要はないが、存在す
ると次のような利点をもたらす。すなわち、電解質を粒
子化した際に、電気絶縁性液体とのなじみがよくなる。
しかしアルキル(あるいはアリール)シロキサン単位の
割合を増やしていくと、一方では塩構造が減っていくこ
とになるので Winslow効果が減少することと電解質の水
溶性が減少するので粒子化のプロセスが難しくなってく
ることになる。したがって、アルキル(あるいはアリー
ル)シロキシサン単位とスルホン酸金属塩基を含む単位
の数の比は適当な範囲内にある必要がある。またスルホ
ン酸金属塩形成時の中和当量については、これが大きい
ほど電解質としての水溶性が増大し、Winslow効果が増
大するので大きいほど好ましいが、1を越えると過剰の
塩基により、電気粘性液体を構成する種々の物質の分
解、変性を招く恐れがあるばかりか、リーク電流、絶縁
破壊その他の電気粘性液体としての不都合な問題を引き
起こす可能性があるので、中和当量は厳密に1以下にす
る必要がある。
【0007】本発明において使用されるスルホン酸金属
塩基含有オルガノポリシロキサンの微粒子は、いずれも
固体状態であり、その形態は微粒子である。この微粒子
の粒子径は特に限定されないが、一般に平均粒子径10
0μm以下のものが分散性に優れるので好ましい。前述
したように、シラノール基を有する単量体もしくは低重
合度重合体である高分子電解質の水溶液を調製しておけ
ば、これをスプレードライ法等により粒子化をすること
が可能となり、同時にシラノール基の縮合が進み、重合
した微粒子が得られる。したがって、工程的有利さはも
ちろん、粒子の形状、大きさ、含水率等が制御が可能と
なる。生成した重合体中に3官能シロキシ単位を含まな
く、かつ金属イオンが1価である場合は、重合体は水溶
性であり、自由な二次加工ができるという大きな特徴が
生まれる。金属イオンが2価のものを含む場合は、2価
イオンの割合を増やして行くにしたがって、単量体もし
くは低重合度重合体である高分子電解質の水溶性は減少
し、2価イオンが100%になると、全く水に溶けなく
なる。しかし、2価イオンの割合が約75%程度までで
あると、20重量%程度の濃度で懸濁水を形成すること
ができるため、スプレードライ法等により粒子化するこ
とは可能である。
【0008】本発明に使用されるポリエーテルは、構造
中にオキシアルキレン単位、例えば、オキシエチレン、
オキシプロピレン等を含むことが好ましく、直鎖状,分
岐状いずれでもよい。末端基は特に問わない。分子量と
しては特に限定されないが、末端基がアルキル基等で封
鎖されている場合は末端基が水酸基の場合よりもかなり
沸点が下がり、特に分子量が100以下の場合は本発明
の目的の1つである、熱的に安定という点に合致しない
ことと、電気粘性液体として調合後に粒子内部よりにじ
み出てくる可能性が払拭できないので望ましくない。ま
た、分子量が著しく高い場合でも、粒子化の工程の前段
階で該電解質と共に水等により均一に混ざり合えれば問
題はない。ただし、高度に架橋したポリエーテルは電解
質の媒体としてのイオンの解離、運搬効果が低いので好
ましくない。上記ポリエーテルの作用は高分子電解質中
のイオン対の解離を促し、高い Winslow効果をもたらし
めることと、水等の低揮発性物質とは異なり、高温下で
も系外に散逸することがないので、電気粘性液体に耐熱
性を付与する働きをする。高分子電解質への吸着方法は
特に限定されないが、高分子電解質と共に水に溶かし
て、スプレードライを行う方法が効率よくしかも確実で
ある。吸着量も特に限定されないが、1〜30重量%程
度が好ましい。これは1%以下だと、 Winslow効果を促
進しないからであり、30%以上だと遊離を起こし、リ
ーク電流の原因となるからである。
【0009】本発明において使用されるスルホン酸金属
塩基含有オルガノポリシロキサンとポリエーテルの混合
物からなる微粒子を得る方法は数多くあるが、その1つ
の方法としては上記のようなスルホン酸金属塩基含有オ
ルガノポリシロキサンとポリエーテルを水に溶解し、こ
の水溶液を熱気中に噴霧し、噴霧状態で乾燥し、微粒子
化する方法がある。この方法は、一般の高分子化合物を
微粒子化する方法であり、スプレードライヤー法と称さ
れている。
【0010】本発明の電気粘性液体は、上記のようなス
ルホン酸金属塩基含有オルガノポリシロキサンの微粒子
を電気絶縁性液体中に分散させてなるものであるが、電
気絶縁性液体は、常温で液状であり、電気絶縁性を示す
ものであれば何れでもよく、その種類等は特に限定され
ない。かかる電気絶縁性液体としては、例えば、鉱油,
セバシン酸ジブチル,塩化パラフィン,フッ素オイル,
シリコーン油等がある。これらの中で、電気絶縁性が大
きいこと、温度による粘度変化が小さいこと等の点でシ
リコーン油が好ましい。シリコーン油としては具体的に
は以下の式で示される化学構造を有するジオルガノポリ
シロキサン油が好ましい。
【化3】 (式中、R1およびR2は、メチル基,エチル基,プロピ
ル基等のアルキル基;フェニル基,ナフチル基等のアリ
ール基等の1価炭化水素基,またはこれらの一部がフッ
素原子,塩素原子,アミノ基,ニトロ基,エポキシ基等
で置換された置換炭化水素基である。これらの中でも材
料の供給性,経済性の点ではR1,R2の内の30モル%
以上はメチル基であることが好ましい。また、重合度n
は特に限定されないが、実用的粘度範囲の点でnは10
00以下が好ましく、より好ましくは100以下であ
る。このような化学構造をもつジオルガノポリシロキサ
ン油はシリコーン油と呼ばれており、東レ・ダウコーニ
ング・シリコーン株式会社製のSH200を始めとして
種々の市販品がある。)さらに上記のようなジオルガノ
ポリシロキサン油の内で、より高い Winslow効果を助長
し、かつ比重差による微粒子の沈降を抑える効果のある
種類のものとしては、上記R1,R2の一部がフルオロア
ルキル基であるジオルガノポリシロキサンが好ましい。
このフルオロアルキル基の化学構造は特に限定されない
が、合成のしやすさ等から炭素数10以下のフルオロア
ルキル基が好ましく、特にγ,γ,γ−トリフルオロプロ
ピル基が好ましい。また、Winslow 効果を顕著に助長さ
せるためにはフルオロアルキル基の含有率が30モル%
以上であることが好ましい。フルオロアルキル基が Win
slow効果の助長効果を与える機構は明らかになっていな
いが、電気陰性原子のフッ素原子と電気陽性原子のケイ
素原子とが分子内に適当な距離をおいて共存することか
ら分子内に強い双極子が生じ、この双極子が分散粒子と
接したときに粒子内の分極を促進するためであると推定
される。さらにフッ素原子が含まれる液体は比重が大き
くなる傾向にあるため、粒子の沈降性を抑える効果が同
時に生まれる。このようなフルオロアルキル基を含むジ
オルガノポリシロキサンは東レ・ダウコーニング・シリコ
ーン株式会社製のFS1265を始めとして種々の市販
品がある。
【0011】本発明による電気粘性液体は、上記のよう
な高分子電解質粒子を上記のような電気絶縁性液体に分
散させてなるものであるが、その分散量は好ましくは
0.1〜50重量%の範囲内であり、より好ましくは1
0〜40重量%の範囲内である。これは0.1重量%未
満になると十分な増粘効果が得られなく、また50重量
%を越えると系の粘度が著しく増大して実用上不向きに
なるからである。以上のような本発明による電気粘性液
体は、例えば、常温ないし100℃付近で使用される特
定の機器用作動油等として有用である。
【0012】
【実施例】以下、実施例および比較例にて本発明をより
詳細に説明する。実施例中、物性値は25℃における値
である。尚、電気粘性特性の測定は次の方法によった。
内径42mmのアルミ製カップに被験液体を入れ、その中
に径40mm、長さ60mmのアルミ製ローターを沈めた。
この円筒型セルを垂直方向にセットし、カップを40秒
かけてせん断速度(D)ゼロから330S-1まで線形に加
速した。この時のローターにかかるトルクをトルクセン
サーで検知し、これをせん断応力(S)に換算してX−Y
レコーダー上にD対S曲線を描かせた。さらにローター
を電気的に接地し、カップ側に直流電圧を印加して同様
のD対S曲線を描かせ、直線部分のS軸への外挿点をも
って、この電界強度での降伏値とした。
【0013】
【実施例1】10.0gの3−グリシドキシプロピルト
リメトキシシランと5.33gの亜硫酸ナトリウムを1
5gの純水中に投入し、75℃で2時間攪拌することに
より反応させた。この反応混合物を、100mlのアセト
ンに攪拌しながら投入したところ白色沈降物が得られ
た。この白色沈降物を単離し分析したところ、以下の構
造をもつ有機ケイ素化合物[モノマー(1)]であること
が判った。モノマー(1)
【化4】 尚、モノマー(1)は水溶液中では比較的安定で存在する
ことが判った。また、このモノマー(1)は、赤外吸光分
析にて塩構造(-SO3 -Na+)が形成されていること、
すなわち所望の高分子電解質が得られたことが確認され
た。次いでこのモノマー(1)を30重量%の水溶液に希
釈し、さらにこれに分子鎖末端に水酸基を有する平均分
子量400のポリエチレングリコール[和光純薬工業株
式会社製,商品名ポリエチレングリコール400]をモ
ノマー(1)に対して25重量%の割合で加えて、高分子
電解質水溶液を調製した。この水溶液について、以下の
条件下でスプレードライを行い、縮重合化と同時に粒子
化を行った。噴霧形式:アトマイザー方式、空気圧:
1.5kg/cm2、噴霧箇所温度:約200℃、捕集箇所温
度:約100℃。100gの高分子電解質水溶液を約1
0分かけてフィードした結果、約15gの粉体を得た。
この粉体を顕微鏡にて観察したところ、平均粒径が約2
〜3μmの球形をしていることが判った(水分含有量約
5%)。この粉体を、スプレードライ後、140℃、窒
素気流下で4時間乾燥させた。この時の重量減少率は約
5%であった。乾燥後、直ちに33重量%の濃度でジメ
チルポリシロキサン油(東レ・ダウコーニング・シリコー
ン株式会社製SH200−20CS)に均一に物理的に
分散させ、この分散液をもって電気粘性液体とした。こ
の電気粘性液体の室温での静置による固形分の沈降の始
まりには4〜5日を要し、分散安定性は比較的良好であ
ることがわかった。この電気粘性液体の電気粘性特性を
測定したところ、電界強度1kV/mmでは140Pa、
2kV/mmでは205Paの降伏値が得られた。また、
電界強度1kV/mmでのリーク電流は約15nA/cm2
と非常に低いレベルであった。また、この電気粘性液体
を満たしたカップを、300S-1の一定せん断速度で2
4時間回転し続けた後、電気粘性液体を取り除きアルミ
製ローターおよびカップを肉眼にて観察したところ、い
ずれも外見上摩耗を起こした形跡は認められなかった。
これらの測定結果を後記する表1にまとめて示した。
【0014】
【実施例2】実施例1で得られた電気粘性液体を空気開
放雰囲気にて100℃の油浴に浸し、24時間熱エイジ
ングを行った。エイジングによる液体の外観上の変化は
なかった。エイジング後の電気粘性液体の室温での静置
による固形分の沈降の始まりには4〜5日を要し、分散
安定性は良好に維持されていることがわかった。この電
気粘性液体の電気粘性特性を測定したところ、電界強度
1kV/mmでは140Pa、2kV/mmでは205Pa
の降伏値が得られた。また、電界強度1kV/mmでのリ
ーク電流は約20nA/cm2と非常に低いレベルであっ
た。また、この電気粘性液体を満たしたカップを、30
0S-1の一定せん断速度で24時間回転し続けた後、電
気粘性液体を取り除きアルミ製ローターおよびカップを
肉眼にて観察したところ、いずれも外見上摩耗を起こし
た形跡は認められなかった。これらの測定結果を後記す
る表1にまとめて示した。
【0015】
【実施例3】10.0gの3−グリシドキシプロピルト
リメトキシシランと5.08gの亜硫酸カルシウムを1
5gの純水中に投入し、75℃で2時間攪拌することに
より反応させた。この反応混合物を100mlのアセトン
に攪拌しながら投入したところ白色沈降物が得られた。
この白色沈降物を単離し分析したところ、以下の構造を
もつ有機ケイ素化合物[モノマー(2)]であることが判
った。モノマー(2)
【化5】 尚、モノマー(2)は水溶性が若干劣るが、水中では懸濁
状態で比較的安定に存在することが判った。また、この
モノマー(2)は、赤外吸光分析にて塩構造([-S
3 -2Ca2+)が形成されていること、すなわち所望
の高分子電解質が得られたことが確認された。次いでこ
のモノマー(2)を30重量%の懸濁水にし、さらにこれ
に分子鎖末端に水酸基を有する平均分子量400のポリ
エチレングリコール[和光純薬工業株式会社製,商品名
ポリエチレングリコール400]を高分子電解質に対し
て25重量%の割合で加えて実施例1で示した条件と同
じ条件でスプレードライを行った。100gの高分子電
解質懸濁液を約10分かけてフィードした結果、約15
gの粉体を得た。この粉体を顕微鏡にて観察したとこ
ろ、平均粒径が約5μmの球形をしていることがわかっ
た(水分含有量2.5%)。この粉体を、スプレードラ
イ後、140℃、窒素気流下で4時間乾燥させた。この
時の重量減少率は約2.5%であった。乾燥後、直ちに
33重量%の濃度でジメチルポリシロキサン油(東レ・
ダウコーニング・シリコーン株式会社製SH200−2
0CS)に均一に物理的に分散させ、この分散液をもっ
て電気粘性液体とした。この電気粘性液体の室温での静
置による固形分の沈降の始まりには4〜5日を要し、分
散安定性は比較的良好であることがわかった。この電気
粘性液体の電気粘性特性を測定したところ、電界強度1
kV/mmでは135Pa、2kV/mmでは195Paの
降伏値が得られた。また、電界強度1kV/mmでのリー
ク電流は約5nA/cm2と非常に低いレベルであった。
また、この電気粘性液体を満たしたカップを、300S
-1の一定せん断速度で24時間回転し続けた後、電気粘
性液体を取り除きアルミ製ローターおよびカップを肉眼
にて観察したところ、いずれも外見上摩耗を起こした形
跡は認められなかった。これらの測定結果を後記する表
1にまとめて示した。
【0016】
【実施例4】実施例3で得られた電気粘性液体を空気開
放雰囲気にて100℃の油浴に浸し、24時間熱エイジ
ングを行った。エイジングによる液体の外観上の変化は
なかった。エイジング後の電気粘性液体の室温での静置
による固形分の沈降の始まりには4〜5日を要し、分散
安定性は良好に維持されていることがわかった。この電
気粘性液体の電気粘性特性を測定したところ、電界強度
1kV/mmでは135Pa、2kV/mmでは190Pa
の降伏値が得られた。また、電界強度1kV/mmでのリ
ーク電流は約10nA/cm2と非常に低いレベルであっ
た。また、この電気粘性液体を満たしたカップを、30
0S-1の一定せん断速度で24時間回転し続けた後、電
気粘性液体を取り除きアルミ製ローターおよびカップを
肉眼にて観察したところ、いずれも外見上摩耗を起こし
た形跡は認められなかった。これらの測定結果を後記す
る表1にまとめて示した。
【0017】
【比較例1】湿式シリカ[日本シリカ工業株式会社製,
商品名ニップシールVN3(平均粒径;18μm)]を
15重量%の濃度でジメチルポリシロキサン油(東レ・
ダウコーニング・シリコーン株式会社製SH200−2
0CS)に均一に物理的に分散させ、この分散液をもっ
て電気粘性液体とした。この電気粘性液体の室温での静
置による固形分の沈降の始まりには数時間を要し、分散
安定性は不良であることがわかった。この電気粘性液体
の電気粘性特性を測定したところ、電界強度1kV/mm
では65Pa、2kV/mmでは105Paの降伏値が得
られた。また、電界強度1kV/mmでのリーク電流は約
85nA/cm2であった。また、この電気粘性液体を満
たしたカップを、300S-1の一定せん断速度で24時
間回転し続けた後、電気粘性液体を取り除きアルミ製ロ
ーターおよびカップを観察したところ、回転方向に沿っ
て若干の筋状の摩耗跡が観察された。これらの測定結果
を後記する表1にまとめて示した。
【0018】
【比較例2】比較例1で得られた電気粘性液体を空気開
放雰囲気にて100℃の油浴に浸し、24時間熱エイジ
ングを行った。エイジングによる液体の外観上の変化は
なかった。エイジング後の電気粘性液体の室温での分散
安定性はエイジング前と同程度であった。この電気粘性
液体の電気粘性特性を測定したところ、電界強度1kV
/mmでは5Pa、2kV/mmでは10Paの降伏値が得
られた。また、電界強度1kV/mmでのリーク電流は約
20nA/cm2と非常に低いレベルであった。また、こ
の電気粘性液体を満たしたカップを、300S-1の一定
せん断速度で24時間回転し続けた後、電気粘性液体を
取り除きアルミ製ローターおよびカップを肉眼にて観察
したところ、いずれも外見上摩耗を起こした形跡は認め
られなかった。これらの測定結果を後記する表1にまと
めて示した。
【0019】
【比較例3】アクリル系弱酸性球形陽イオン交換樹脂
[オルガノ株式会社製,商品名アンバーライトIRC−
76]を10重量%の濃度でジメチルポリシロキサン油
(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製SH20
0−20CS)に均一に物理的に分散させ、この分散液
をもって電気粘性液体とした。この電気粘性液体の室温
での静置による固形分の沈降の始まりには数時間を要
し、分散安定性は不良であることがわかった。この電気
粘性液体の電気粘性特性を測定したところ、電界強度1
kV/mmでは3Pa、2kV/mmでは12Paの降伏値
が得られた。また、電界強度1kV/mmでのリーク電流
は約2nA/cm2であった。また、この電気粘性液体を
満たしたカップを、300S-1の一定せん断速度で24
時間回転し続けた後、電気粘性液体を取り除きアルミ製
ローターおよびカップを観察したところ、いずれも外見
上摩耗を起こした形跡は認められなかった。これらの測
定結果を後記する表1にまとめて示した。
【0020】
【比較例4】比較例3で得られた電気粘性液体を空気開
放雰囲気にて100℃の油浴に浸し、24時間熱エイジ
ングを行った。エイジングによる液体の外観上の変化は
なかった。エイジング後の電気粘性液体の室温での分散
安定性はエイジング前と同程度であった。この電気粘性
液体の電気粘性特性を測定したところ、電界強度1kV
/mm、2kV/mmの条件では降伏値は検出限界以下であ
った。また、電界強度1kV/mmでのリーク電流は約1
nA/cm2と非常に低いレベルであった。また、この電
気粘性液体を満たしたカップを、300S-1の一定せん
断速度で24時間回転し続けた後、電気粘性液体を取り
除きアルミ製ローターおよびカップを肉眼にて観察した
ところ、いずれも外見上摩耗を起こした形跡は認められ
なかった。これらの測定結果を後記する表1にまとめて
示した。
【表1】
【0021】
【発明の効果】本発明の電気粘性液体は特定の高分子電
解質粒子を電気絶縁性液体に分散させてなるので、大き
い電気粘性効果(降伏値)と良好な分散安定性を与え、
熱的にも安定であり、かつ周辺機器への摩耗を生じさせ
ないという特徴を有する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スルホン酸金属塩基含有オルガノポリシ
    ロキサンとポリエーテルの混合物からなる高分子電解質
    微粒子を、電気絶縁性液体に分散してなる電気粘性液
    体。
  2. 【請求項2】 スルホン酸金属塩基含有オルガノポリシ
    ロキサンが、一般式 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜20のアルキル基またはアリ
    ール基,R2は炭素数1〜20のアルキレン基であり、
    Xは1価または2価の金属イオンである。l,m,p,
    qは0または正の実数であり、nは1または2である。
    ただし、pとqが同時に0になることはない。)で表さ
    れる化合物である請求項1記載の電気粘性液体。
  3. 【請求項3】 電気絶縁性液体がジオルガノポリシロキ
    サン油である請求項1記載の電気粘性液体。
JP25582592A 1992-08-28 1992-08-31 電気粘性液体 Pending JPH0680881A (ja)

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US08/113,455 US5427706A (en) 1992-08-28 1993-08-27 Electroviscous fluids containing metal sulfonate functional organopolysiloxanes

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007139147A1 (ja) * 2006-05-31 2007-12-06 University Of Yamanashi イオン伝導性高分子組成物、その製造方法及びこのイオン伝導性高分子組成物を含む膜並びにこれを用いた電気化学デバイス

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WO2007139147A1 (ja) * 2006-05-31 2007-12-06 University Of Yamanashi イオン伝導性高分子組成物、その製造方法及びこのイオン伝導性高分子組成物を含む膜並びにこれを用いた電気化学デバイス

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