JPH05140578A - 電気粘性液体 - Google Patents

電気粘性液体

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JPH05140578A
JPH05140578A JP33140191A JP33140191A JPH05140578A JP H05140578 A JPH05140578 A JP H05140578A JP 33140191 A JP33140191 A JP 33140191A JP 33140191 A JP33140191 A JP 33140191A JP H05140578 A JPH05140578 A JP H05140578A
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liquid
electrorheological
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particles
electrically insulating
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JP33140191A
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Takashi Nakamura
隆司 中村
Akihiko Kobayashi
昭彦 小林
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DuPont Toray Specialty Materials KK
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Dow Corning Toray Silicone Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 大きい電気粘性効果(降伏値)と良好な分散
安定性を与え、かつ周辺機器への摩擦を生じさせない電
気粘性液体を提供する。 【構成】 一般式(1)又は(2)等のカルボキシアリ
ール基含有オルガノポリシロキサンを1価または2価の
金属を含む塩基で中和した高分子電解質の微粒子を、ジ
オルガノポリシロキサン油等の電気絶縁性液体に分散し
てなる電気粘性液体。 (Rはアルキル基、Rはアルキレン基、Qは または である。mは0または正の整数であり、nは正の整数で
ある。) (R、R、mは(1)の場合と同じ)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気粘性液体、すなわち
外部からの電圧の制御により粘性が変化する液体に関す
る。更に詳しくは、少ない電圧により著しく降伏値が増
大し、粒子の沈降性が少なく、周辺機器への摩耗を与え
ない電気粘性液体に関する。
【0002】
【従来の技術】外部からの電圧の印加により粘度が変化
する液体は、動力伝達,衝撃吸収,バルブ効果などの作
用を示すので、近年注目されている。こうした電界によ
り増粘作用を示す液体を総称して電気粘性液体という
が、中でもクラッチ,エンジンマウント,ショックアブ
ソーバーなどの実用度の高い用途に耐えるためには、少
ない電圧により著しく降伏値が増大する電気粘性液体が
必要とされている。こうした液体は現在まで種々のもの
が提案されている。例えば、シリカ,アルミナ,タルク
等の無機質多孔性粒子を電気絶縁性液体に分散させたも
のが代表的である。これらは何れも粒子表面に吸着して
いる水による電気二重層の形成により、外部の電界に対
して粒子が配向し、粘度が増大する(より詳しくは、降
伏値をもつビンガム流体に転移する)と説明されている
(以下この効果を Winslow効果と称す)。とりわけシリ
カを用いた系については、シリカの工業的供給性,品種
改良性の豊かさ等実用上の利点が高く、数多くの流体粘
性液体が提案されている(米国特許3,047,507
号,特開昭61−44998号公報参照)。しかし、こ
れらの電気粘性液体は、周辺機器への摩耗性がある,粒
子の沈降性がある,Winslow 効果の程度が大きくない
等、工業的使用に際して十分な性能を与えるものではな
かった。上記の欠点を改良した電気粘性液体としては、
高分子電解質を電気絶縁性液体に分散させたものが提案
されている。高分子電解質とは構造内にイオン対を含む
高分子化合物の総称であり、天然または合成による多く
の種類が知られており、イオン交換樹脂が最もよく知ら
れている。例えば、特開平1−180238号公報には
アミノ塩構造を有する高分子電解質の微粒子を、電気絶
縁性液体中に分散させてなる電気粘性液体が開示されて
いる。また、特開平1−262942号公報にはイオン
交換樹脂を粉砕した粒子を電気絶縁液体中に分散させて
なる電気粘性液体が開示されている。こうした高分子電
解質の粒子を用いることの有利性は、この粒子が有機ポ
リマーなので比重が小さいため沈降性が少なく、周辺機
器への摩耗性も少なく、比較的大きい Winslow効果を示
すことである。また、合成高分子電解質の場合は、粒子
の設計を自由にできるという利点もある。しかし、現在
まで知られた高分子電解質粒子を使用している電気粘性
液体においては、電解質を固体化させるために何等かの
方法で三次元的に架橋を施し、しかる後に粉砕等の方法
で微粉化していた。このような方法によれば、電解質の
三次元的配列は、合成時に決まり再加工することはでき
ない。また、微粉化に際しても、理想的な球形の粒子を
得ることができないため、分散安定性、Winslow 効果が
十分に発揮できないという問題点があった。さらに、現
在まで提案されている高分子電解質粒子は何れも炭素系
のものであった。分散媒としての電気絶縁性液体として
は、後記するようにシリコーンオイルが最も優れている
が、これらの炭素系の粒子はシリコーンオイルとの親和
性に劣るという点で問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上のように現在まで
に提案されている電気粘性液体は何れも満足な性能を示
すものではなかった。本発明者は上記問題点を解消する
ために鋭意研究した結果本発明に到達した。本発明の目
的は、大きい電気粘性効果(降伏値)と良好な分散安定
性を与え、かつ周辺機器への摩擦を生じさせない電気粘
性液体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段およびその作用】かかる本
発明は、カルボキシアリール基含有オルガノポリシロキ
サンを1価または2価の金属を含む塩基で中和した高分
子電解質の微粒子を、電気絶縁性液体に分散してなる電
気粘性液体に関する。
【0005】これについて説明すると、本発明に使用さ
れる高分子電解質は高い Winslow効果,粒子分散安定
性,周辺機器への摩耗性のなさを与えるために必要なも
のであり、カルボキシアリール基含有オルガノポリシロ
キサンとしては下記の一般式で示されるものが例示され
る。
【化1】
【化2】 このオルガノポリシロキサンは種々の合成法で製造する
ことが可能であるが、容易かつ確実な方法としては、側
鎖または末端にカルビノール基を有するジオルガノポリ
シロキサンと無水トリメリット酸または無水ピロメリッ
ト酸を加熱下に反応させる(カルビノール基の無水環へ
の開環付加)方法が推奨される。このオルガノポリシロ
キサンの特徴としては次の点が挙げられる。まず、一点
はカルボキシル基の密度が大きくできるため、高い Win
slow効果が得られることである。また、もう一点は芳香
環の存在のために強い結晶性を示し常温では固体である
が、その一方、線形のポリマーであるために、溶融(融
点は175℃前後)が可能であるばかりでなく、テトラ
ヒドロフラン等の極性溶剤にも可溶であるということで
ある。このことは、このポリマーがいかなる加工状態で
も固体物性を発揮できるのと同時に、一次的、二次的に
比較的自由に加工(電解質化等)できるということであ
る。
【0006】本発明に使用される高分子電解質は、上記
のようなオルガノポリシロキサンを1価または2価の金
属を含む塩基で中和してなるものであるが、ここで使用
される塩基としては1価または2価の金属を含むもので
あればよく特に限定されない。塩基の形態としては水酸
化物,水素化物等が好適である。中和反応は極性溶媒と
水の混合溶媒系で行うのが好ましい。但し、シロキサン
結合の再配列を防ぐために約50℃以下の低温で行うこ
とが好ましい。また、「金属イオン当量/COOH」比
は1を越えると、過剰の塩基の存在で粒子または分散媒
への悪影響を招くので極力避けるべきである。
【0007】上記のようにして得られた高分子電解質の
構造と組成については特に規定されないが、以下の条件
を満たせば比較的良好なWinslow効果が得られる。CO
OH基を有さないパーアルキルシロキシユニットは必ず
しも存在する必要はないが、存在すると次のような利点
をもたらす。すなわち、電解質を粒子化した際に、電気
絶縁性液体とのなじみがよくなる。しかしパーアルキル
シロキシユニットの割合を増やしていくと、一方では塩
構造が減っていくことになるのでWinslow効果が減少す
ることと電解質の水溶性が減少するので粒子化のプロセ
スが難しくなってくることになる。したがって、パーア
ルキルシロキシユニットとCOOH基を含むユニットの
数の比は適当な範囲内にある必要がある。1芳香環当り
のCOOH基数については、これらが大きいほど、電解
質としての水溶性が増大し、Winslow 効果が増大する
が、これについても上記と同様の理由でパーアルキルシ
ロキシユニットとのバランスを適当にとるべきである。
またCOOH基当りの中和率については、これが大きい
ほど電解質としての水溶性が増大し、Winslow 効果が増
大するので大きいほど好ましいが、1を越えると過剰の
塩基により、電気粘性液体を構成する種々の物質の分
解、変性を招く恐れがあるばかりか、リーク電流、絶縁
破壊その他の電気粘性液体としての不都合な問題を引き
起こす可能性があるので、中和率は厳密に1以下にする
必要がある。
【0008】本発明において使用される高分子電解質の
微粒子は、いずれも固体状態である。1価の金属塩基を
用いた場合は水溶性であり、自由な二次加工ができると
いう大きな特徴がある。例えば、高分子電解質の水溶液
を熱気中に噴霧し、噴霧状態で乾燥することにより粒子
化をすることが可能である(スプレードライ法)。この
方法では、工程的有利さはもちろん、粒子の形状,大き
さ,含水率等の制御が可能となる。2価の金属塩基を用
いた場合は、その割合を増やして行くにしたがって水溶
性は減少し、2価の金属塩基の割合が100%になる
と、高分子電解質の微粒子は全く水に溶けなくなる。し
かし、2価の金属塩基の割合が約75%程度までである
と、20重量%程度の濃度で懸濁水を形成することがで
きるため、スプレードライ法により粒子化することがは
可能である。
【0009】本発明の電気粘性液体は上記のような高分
子電解質の微粒子を電気絶縁性液体中に分散させてなる
ものであるが、電気絶縁性液体は、常温で液状であり、
電気絶縁性を示すものであれば何れでもよく、その種類
等は特に限定されない。かかる電気絶縁性液体としては
例えば、鉱油,セバシン酸ジブチル,塩化パラフィン,
フッ素オイル,シリコーン油等がある。これらの中で、
電気絶縁性が大きいこと、温度による粘度変化が小さい
こと等の点でシリコーン油が好ましい。シリコーン油と
しては具体的には以下の式で示される化学構造を有する
ジオルガノポリシロキサン油が好ましい。
【化3】 式中、R1およびR2はメチル基,エチル基,プロピル基
等のアルキル基;フェニル基,ナフチル基等のアリール
基等の1価炭化水素基,またはこれらの一部がフッ素原
子,塩素原子,アミノ基,ニトロ基,エポキシ基等で置
換された置換炭化水素基である。これらの中でも材料の
供給性,経済性の点ではR1,R2の内の30モル%以上
はメチル基であることが好ましい。また、重合度nは特
に限定されないが、実用的粘度範囲の点でnは1000
以下が好ましく、より好ましくは100以下である。こ
のような化学構造をもつジオルガノポリシロキサン油は
シリコーン油と呼ばれており、東レ・ダウコーニング・シ
リコーン株式会社製のSH200を始めとして種々の市
販品がある。さらに上記のようなジオルガノポリシロキ
サン油の内で、より高い Winslow効果を助長し、かつ比
重差による粒子の沈降を抑える効果のある種類のものと
しては、上記R1,R2の一部がフルオロアルキル基であ
るジオルガノポリシロキサンが好ましい。このフルオロ
アルキル基の化学構造は特に限定されないが、合成のし
やすさ等から炭素数10以下のフルオロアルキル基が好
ましく、特にγ,γ,γ−トリフルオロプロピル基が好ま
しい。また、Winslow 効果を顕著に助長させるためには
フルオロアルキル基の含有率が30モル%以上であるこ
とが好ましい。フルオロアルキル基が Winslow効果の助
長効果を与える機構は明らかになっていないが、電気陰
性原子のフッ素と電気陽性原子のケイ素とが分子内に適
当な距離をおいて共存することから分子内に強い双極子
が生じ、この双極子が分散粒子と接したときに粒子内の
分極を促進するものと推定できる。さらにフッ素が含ま
れる液体は比重が大きくなる傾向にあるため、粒子の沈
降性を抑える効果が同時に生まれる。このようなフルオ
ロアルキル基を含むジオルガノポリシロキサンは東レ・
ダウコーニング・シリコーン株式会社製のFS1265
を始めとして種々の市販品がある。
【0010】本発明による電気粘性液体は、上記高分子
電解質粒子を上記電気絶縁性液体に分散させてなるもの
であるが、その分散量は好ましくは 0.1〜50重量%
の範囲内であり、より好ましくは10〜40重量%の範
囲内である。これは 0.1重量%未満になると十分な増
粘効果が得られなく、また50重量%を越えると系の粘
度が著しく増大して実用上不向きになるからである。以
上のような本発明による電気粘性液体は、例えば、常温
付近で使用される特定の機器用作動油等として有用であ
る。
【0011】
【実施例】以下、実施例および比較例にて本発明をより
詳細に説明する。粘度は25℃における値である。尚、
電気粘性特性の測定は次の方法によった。内径42mmの
アルミ製カップに被験液体を入れ、その中に径40mm、
長さ60mmのアルミ製ローターを沈めた。この円筒型セ
ルを垂直方向にセットし、カップを40秒かけてせん断
速度(D)ゼロから330S-1まで線形に加速した。この
時のローターにかかるトルクをトルクセンサーで検知
し、これをせん断応力(S)に換算してX−Yレコーダー
上にD対S曲線を描かせた。さらにローターを電気的に
接地し、カップ側に直流電圧を印加して同様のD対S曲
線を描かせ、直線部分のS軸への外挿点をもって、この
電界強度での降伏値とした。
【0012】
【実施例1】側鎖のメチル基の一部がヒドロキシプロピ
ル基により置換されたポリジメチルシロキサンと無水ト
リメリット酸を、水酸基と無水環のモル数が等しくなる
ように仕込み、160℃で溶融状態で攪拌しながら30
分間反応を行い、以下の構造をもつポリマー(1)を得
た。 ポリマー(1)
【化4】 ポリマー(1)は融点が約175℃の固体であり、テトラ
ヒドロフランまたはアセトン等の極性溶媒に可溶であっ
た。ポリマー(1)100gをテトラヒドロフラン(TH
F)約 1.2Lに溶かした。一方、ポリマー(1)中のC
OOH基と当量の水酸化リチウムをテトラヒドロフラン
350mlと水520mlの混合溶媒に溶かした。室温にて
ポリマー(1)溶液を攪拌しながら水酸化リチウム溶液を
滴下した。反応液を50℃以下で脱溶媒し白色固体を得
た。この白色固体は水溶性で有機溶剤には不溶であっ
た。また融点はポリマー(1)に比べ少なくとも100℃
以上上昇した。赤外吸光分析にて塩構造(−COO-
+)が形成されていること、すなわち所望の高分子電
解質が得られたことを確認した。次いでこの高分子電解
質を30重量%の水溶液とし、以下の条件でスプレード
ライを行い、粒子化した。 噴霧形式:アトマイザー方式、空気圧:1.5kg/cm2
噴霧箇所温度:約200℃、捕集箇所温度:約100
℃。 100g高分子電解質の水溶液を約10分かけてフィー
ドした結果、約15gの粉体を得た。この粉体を顕微鏡
にて観察したところ、平均粒径が約10μmの球状微粒
子であることがわかった(水分含有量5%)。この粉体
を、スプレードライ後直ちに33重量%の濃度でジメチ
ルポリシロキサン油(東レ・ダウコーニング・シリコーン
株式会社製SH200−20CS)に均一に分散させ、
この分散液をもって電気粘性液体とした。この電気粘性
液体の室温での静置による固形分の沈降の始まりには4
〜5日を要し、分散安定性は比較的良好であることがわ
かった。この電気粘性液体の電気粘性特性を測定したと
ころ、電界強度1kV/mmでは150Pa、2kV/mm
では225Paの降伏値が得られた。また、電界強度1
kV/mmでのリーク電流は約10nA/cm2と非常に低
いレベルであった。また、この電気粘性液体を満たした
ままカップを300S-1の一定せん断速度で24時間回
転し続けた後、液体を取り除きアルミ製ローターおよび
カップを肉眼にて観察したところ、いずれも外見上摩耗
を起こした形跡は認められなかった。
【0013】
【実施例2】実施例1で得られた高分子電解質粉体をス
プレードライ後直ちに33重量%の濃度でメチル(γ,
γ,γ−トリフルオロプロピル)ポリシロキサン油(東
レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製FS1265
−300CS)に均一に物理的に分散させ、この分散液
をもって電気粘性液体とした。この電気粘性液体の室温
での静置による固形分の沈降の始まりには約1ヶ月を要
し、分散安定性はかなり良好であることがわかった。こ
の電気粘性液体の電気粘性特性を測定したところ、電界
強度1kV/mmでは320Pa、2kV/mmでは550
Paの降伏値が得られた。また、電界強度1kV/mmで
のリーク電流は約20nA/cm2と非常に低いレベルで
あった。また、この電気粘性液体を満たしたままカップ
を300S-1の一定せん断速度で24時間回転し続けた
後、液体を取り除きアルミ製ローターおよびカップを観
察したところ、いずれも外見上摩耗を起こした形跡は認
められなかった。
【0014】
【実施例3】上記ポリマー(1)100gをTHF約 1.
2Lに溶かした。一方、ポリマー(1)中のCOOH基
の1/2当量の水酸化リチウムと1/2当量の水酸化カ
ルシウムの混合物をテトラヒドロフラン350mlと水5
20mlの混合溶媒に溶かした。室温にてポリマー(1)溶
液を攪拌しながら水酸化リチウム/水酸化カルシウム溶
液を滴下した。反応液を50℃以下で脱溶媒し白色固体
を得た。この白色固体は水溶性で、有機溶剤には不溶で
あった。また融点はポリマー(1)に比べ少なくとも10
0℃以上上昇した。赤外吸光分析にて塩構造(−COO
-Li+もしくは(−COO-2Ca2+)が形成されてい
ること、すなわち所望の高分子電解質が得られたことを
確認した。次いでこの高分子電解質を30重量%の水溶
液とし、実施例1で示した条件と同じ条件でスプレード
ライを行った。100gの水溶液を約10分かけてフィ
ードした結果、約20gの粉体を得た。この粉体を顕微
鏡観察したところ、平均粒径が約10μmのほぼ完全な
球形をした粉体であることがわかった。この粉体を、ス
プレードライ後直ちに33重量%の濃度でジメチルポリ
シロキサン油(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会
社製SH200−20CS)に均一に物理的に分散さ
せ、この分散液をもって電気粘性液体とした。この電気
粘性液体の室温での静置による固形分の沈降の始まりに
は4〜5日を要し、分散安定性は比較的良好であること
がわかった。この電気粘性液体の電気粘性特性を測定し
たところ、電界強度1kV/mmでは150Pa、2kV
/mmでは210Paの降伏値が得られた。また、電界強
度1kV/mmでのリーク電流は約2nA/cm2 と非常に
低いレベルであった。また、この電気粘性液体を満たし
たままカップを300S-1の一定せん断速度で24時間
回転し続けた後、液体を取り除きアルミ製ローターおよ
びカップを観察したところ、いずれも外見上摩耗を起こ
した形跡は認められなかった。
【0015】
【比較例1】日本シリカ工業株式会社製湿式シリカ「ニ
ップシールVN3」(平均粒径;18μm)を15重量
%の濃度でジメチルポリシロキサン油(東レ・ダウコー
ニング・シリコーン株式会社製SH200−20CS)
に均一に物理的に分散させ、この分散液をもって電気粘
性液体とした。この電気粘性液体の室温での静置による
固形分の沈降の始まりには数時間を要し、分散安定性は
不良であることがわかった。この電気粘性液体の電気粘
性特性を測定したところ、電界強度1kV/mmでは65
Pa、2kV/mmでは105Paの降伏値が得られた。
また、電界強度1kV/mmでのリーク電流は約85nA
/cm2 であった。また、この電気粘性液体を満たしたま
まカップを300S-1の一定せん断速度で24時間回転
し続けた後、液体を取り除きアルミ製ローターおよびカ
ップを観察したところ、回転方向に沿って若干の筋状の
摩耗跡が観察された。
【0016】
【比較例2】アクリル系弱酸性球形陽イオン交換樹脂
「オルガノ株式会社製,商品名アンバーライトIRC−
76」を10重量%の濃度でジメチルポリシロキサン油
(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製SH20
0−20CS)に均一に物理的に分散させ、この分散液
をもって電気粘性液体とした。この電気粘性液体の室温
での静置による固形分の沈降の始まりには数時間を要
し、分散安定性は不良であることがわかった。この電気
粘性液体の電気粘性特性を測定したところ、電界強度1
kV/mmでは3Pa、2kV/mmでは12Paの降伏値が
得られた。また、電界強度1kV/mmでのリーク電流は
約2nA/cm2 であった。また、この電気粘性液体を満
たしたままカップを300S-1の一定せん断速度で24
時間回転し続けた後、液体を取り除きアルミ製ローター
およびカップを観察したところ、いずれも外見上摩耗を
起こした形跡は認められなかった。以上実施例、比較例
における電気粘性試験の結果を表1にまとめて示した。
【表1】
【0017】
【発明の効果】本発明の電気粘性液体は特定の高分子電
解質粒子を電気絶縁性液体に分散させてなるので、大き
い電気粘性効果(降伏値)と良好な分散安定性を与え、
かつ周辺機器への摩耗を生じさせないという特徴を有す
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 10:04 30:04 30:06 40:14 60:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボキシアリール基含有オルガノポリ
    シロキサンを1価または2価の金属を含む塩基で中和し
    た高分子電解質の微粒子を、電気絶縁性液体に分散して
    なる電気粘性液体。
  2. 【請求項2】 電気絶縁性液体がジオルガノポリシロキ
    サン油である請求項1記載の電気粘性液体。
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EP92119733A EP0543377B1 (en) 1991-11-20 1992-11-19 Electroviscous fluid
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004333589A (ja) * 2003-04-30 2004-11-25 Ricoh Co Ltd マイクロカプセルおよびそれを用いた画像表示媒体並びに画像表示装置

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