JPH0680625B2 - 感光基板の露光装置 - Google Patents

感光基板の露光装置

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JPH0680625B2
JPH0680625B2 JP3221968A JP22196891A JPH0680625B2 JP H0680625 B2 JPH0680625 B2 JP H0680625B2 JP 3221968 A JP3221968 A JP 3221968A JP 22196891 A JP22196891 A JP 22196891A JP H0680625 B2 JPH0680625 B2 JP H0680625B2
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mark
light
photoelectric
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control signal
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成郎 村上
敏男 松浦
裕二 今井
和哉 太田
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Nikon Corp
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Nippon Kogaku KK
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  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体素子等を製造する
露光装置に関し、特に露光装置上で半導体ウェハ等の位
置を検出するためのマーク検出系を備えた露光装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】大規模集積回路(LSI)のパターンの
微細化は年々進行しているが、微細化に対する要求を満
たし且つ生産性の高い回路パターン焼付け装置としてマ
スク(又はレチクル)上のパターンを光学的に等倍ある
いは縮小して半導体ウェハ(以下単にウェハとする)上
に転写する各種投影型露光装置が普及している。
【0003】LSIの製造においては数層以上のパター
ンがウェハ上に順次形成されていくが、異なる層間のパ
ターンの重ね合せ誤差(位置ズレ)を、一定値以下にし
ておかなければ、層間の導電又は絶縁状態が意図するも
のでなくなり、LSIの機能を果すことができなくな
る。例えば1μmの最小線幅の回路に対しては、せいぜ
い0.2μm程度の位置ずれしか許されない。このため、
投影露光装置においては、パターンを重ね合わせる方
法、即ちマスク(レチクル)上のパターンの投影像と既
に形成されたウェハ上のパターン(チップ)とを重ね合
わせる方法(以下アライメント方法と呼ぶ)として高精
度なアライメント方法が各種提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】それらアライメント方
法の大部分は、ウェハ上に形成されたアライメント用の
キーマークを光学的に検知する方式を用いるため、アラ
イメント精度はこのウェハ上のアライメント用マークの
出来状態に左右されることが多い。特に、ウェハプロセ
スの後工程になる程アライメントマークへの各種処理工
程の影響は大きくなり、マーク形状は劣化する。このこ
とは光学的アライメントにおいて、プロセス後半の金属
(Al等)配線層等の表面での高い光学的反射率と相ま
って、マークからの光情報を光電検出したときの光電信
号には、形状劣化に伴なう歪みの増加や振幅(ピーク
値)の変動が増大することを意味する。この結果、マー
クの位置検出の精度が悪化し、アライメント精度が低下
するという問題があった。そのため、ウェハプロセスが
進むにつれて、より精密なアライメントが要求される
と、マークの形状劣化等による精度低下のため、必らず
しも良好な重ね合わせが行なわれず、不良となるチップ
が増加するという問題も生じる。
【0005】本発明はこれらの欠点を解決し、ウェハ等
の基板上のマークを光学的に高精度に検出することによ
って、基板を露光位置に高精度にアライメントできる露
光装置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決する為の手段】本発明は、マスク(レチク
ルR)のパターンを感光基板(ウェハW)上の複数の被
露光領域(チップ領域CP)の夫々に順次重ね合わせ露
光するのに先立って、被露光領域(CP)に付設された
アライメント用のマーク(Ma、Mb、Pc、M1 、M
2 )をマーク検出手段(30〜38;40〜48、及び
60〜69)によって光電検出し、その光電信号(S
A、SB、SC)に基づいて被露光領域(CP)とマス
ク(R)とを位置合わせ制御手段(3、5、6、84〜
86、89、90、100)によって相対的にアライメ
ントする露光装置に関するものである。そして本発明に
おいては、光電信号(SA、SB、SC)に対する利得
をCPU(100)等からの制御信号に応答して調整し
た後、位置合わせ制御手段へ出力する可変利得増幅器
(AGC81、83、88)と、マーク検出の際、その
マークに対応した被露光領域の配列位置に応じて可変利
得増幅器(81、83、88)へ印加すべき制御信号の
値を変更する制御信号作成手段(CPU100)とを設
けるようにした。
【0007】
【作用】本発明においては、ウェハ等の基板表面の様々
の位置に形成されたアライメントマークが、プロセス等
によって、ウェハ上の場所に応じて形状変化等を起し、
得られる光電信号の大きさがウェハ上のチップ位置に応
じて極端に変化する場合であっても、予め設定された量
で利得調整した後の光電信号を使ってマーク位置計測、
アライメントを行なう。このため、ウェハ上の様々な位
置でほぼ同じ精度のマーク位置計測が可能となる。
【0008】またアライメントマークが回折格子状であ
る場合には、マークから発生する正の次数の回折光と負
の次数の回折光とを個別に光電検出し、その個別に得ら
れた光電信号のレベルをほぼ同一に揃えるように利得調
整する。さらにこうして同一に揃えられた後の2つの光
電信号を加算して1つの光電信号波形し、その合成され
た信号波形に基づいてマーク位置の計測を行なうように
すると、回折格子マークのウェハ上の場所に応じて変化
するマーク形状の劣化に高精度に対応することができ
る。
【0009】
【実施例】図1は本発明の実施例として好適なウェハ上
のアライメント用のマークの形状を示す部分断面拡大斜
視図である。本実施例におけるマークは2つの回折格子
状のマークMa、Mbの一対をウェハW上に形成したも
のである。ここで、マークMa、Mbは直交座標系xy
においてx方向の位置検出に適するように、微小な矩形
パターンPa、Pbを夫々y方向に一定ピッチで複数並
べたものである。マークMaの矩形パターンPaはウェ
ハWの表面に凸状に形成されたものであり、矩形パター
ンPaのy方向の幅はd1 であり、x方向の幅はd 2
ある。また矩形パターンPa同志の間隔はd3 である。
これらの幅d1 、d 2 、間隔d3 は、アライメント用の
光ビームの照射により効率よく回折光を発生するように
定められている。一方、マークMaに隣接して、ウェハ
Wの表面には凸状の矩形領域Pcが形成される。この矩
形領域Pcはy方向に連続して伸びた段差エッジE1
2 を有し、本実施例では矩形領域Pcの高さとマーク
Maの矩形パターンPaの高さとが等しいものとする。
そして矩形領域Pcの内にはy方向に伸びたマークMb
が形成される。マークMbはマークMaと同様の平面形
状と、及び寸法の微小な矩形パターンPbの集合体であ
るが、矩形パターンPb自体は凹状に形成される。この
ような凹状の格子パターンから成るマークであってもア
ライメント用の光ビームを照射することによって、マー
クMaと同様の回折光が発生する。
【0010】尚、本実施例では、マークMaのx方向の
中心軸とマークMbのx方向の中心軸との距離をl0
し、マークMaの中心軸と段差エッジE2 との間隔をl
1 、マークMbの中心軸と段差エッジE1 、E2 との間
隔をl3 、l2 とする。さて、以上のようなマークM
a、Mb、矩形領域Pc(以下総称してアライメントマ
ークと呼ぶ)は、例えばウェハWに対する第1層(ファ
ースト・レイヤ)の露光処理とともに形成される。図2
はウェハW上に形成されたアライメントマークの配置を
示す平面図である。本実施例では第1層を縮小投影型露
光装置(所謂ステッパー)で露光したものとして、ウェ
ハW上の各チップ領域CPに付随してx方向とy方向の
アライメントマークが形成される。すなわち第1層用の
レチクルは図1のようなマークを形成するためのパター
ンを有する。チップ領域CPはウェハW上にマトリック
ス状に整列されるものであり、縮小投影型露光装置の1
回の露光フィールド(ショット)に相当する。ただしチ
ップ領域CPには1つの回路パターンが入いる場合もあ
れば、同一の回路パターンが複数個入いる場合(所謂マ
ルチ・ダイ)もある。さて、チップ領域CPの中心をO
とし、この中心Oを原点として座標系xyを定めたと
き、x方向の位置検出に用いるアライメントマークはy
軸上に位置し、y方向の位置検出に用いるアライメント
マークはx軸上に位置するように形成される。そしてx
方向アライメントマークは図1に示したものと同様にマ
ークMax、Mbx、矩形領域Pcxで構成され、y方向アラ
イメントマークも同様にx方向に伸びたマークMay、M
by、矩形領域Pcyで構成される。さらに本実施例では以
後の説明を簡単にするため、y軸がマークMaxとMbxの
距離l0 を長さx1 で2等分する位置を通り、x軸がマ
ークMay、Mbyの距離l0 を長さy1 で2等分する位置
を通るように定めれているものとする。このような2つ
のアライメントマークを光電的に検出して、そのマーク
の位置を測定することによって、第2層以降の回路パタ
ーンの投影像とチップ領域CPとの2次元的な重ね合わ
せが可能となる。また本実施例では同一形状、寸法で凹
凸が反転した回折格子状のマークMa、Mbの一対をウ
ェハW上に形成するが、これはウェハプロセスの進行に
伴なうマーク形状の変形劣化、あるいはフォトレジスト
(感光剤)塗布時の厚みむら等により光電検出の際の光
電信号の波形歪みに起因した検出精度の低下を押えるた
めである。すなわち、同一の形状、寸法のパターンであ
っても、凸状に形成されたものと、凹状に形成されたも
のとでは、プロセス、レジスト塗布の影響の受け方が異
なるため、凸状、凹状の一方のマークが大きく変化した
としても、他方のマークの形状は保存される可能性が高
い。従って形状劣化の少ない方のマークを使うことによ
って、検出精度の低下を押えることができる。
【0011】図3は本発明の実施例による縮小投影型露
光装置の概略的な構成を示す斜視図である。投影原版と
なるレチクルRは、その投影中心が投影レンズ1の光軸
AXを通るように装置に装着される。投影レンズ1はレ
チクルRに描かれた回路パターン像を1/5、又は1/
10に縮小して、ウェハW上に投影する。ウェハホルダ
ー2はウェハWを真空吸着するとともにx方向とy方向
に2次元移動するステージ3に対して微小回転可能に設
けられている。またステージ3のx方向の移動はモータ
5の駆動によって行なわれ、y方向の移動はモータ6の
駆動によって行なわれる。ステージ3の直交する2辺に
は、反射平面がy方向に伸びた反射ミラー7と、反射平
面がx方向に伸びた反射ミラー8とが各々固設されてい
る。レーザ光波干渉測長器(以下単にレーザ干渉計と呼
ぶ)9は反射ミラー8にレーザ光を投射して、ステージ
3のy方向の位置(又は移動量)を検出し、レーザ干渉
計10は反射ミラー7にレーザ光を投射して、ステージ
3のx方向の位置(又は移動量)を検出する。
【0012】さて、本装置は投影レンズ1を介してウェ
ハW上のマークを検出するレーザステップアライメント
(以下LSAと呼ぶ)光学系が設けられている。不図示
のレーザ光源から発生して、不図示のエクスパンダー、
シリンドリカルレンズ等を通ってきたレーザ光束LBは
フォトレジストを感光させない波長の光で、ビームスプ
リッター30に入射して2つの光束に分割される。その
一方のレーザ光束はミラー31で反射され、ビームスプ
リッター32を通過して、結像レンズ群33で、横断面
が帯状のスポット光になるように、収束された後、レチ
クルRと投影レンズ1との間に回路パターンの投影光路
を遮光しないように配置された第1折り返しミラー34
に入射する。第1折り返しミラー34はレーザ光束をレ
チクルRに向けて上方に反射する。そのレーザ光束はレ
チクルRの下側に設けられて、レチクルRの表面と平行
な反射平面を有するミラー35に入射して、投影レンズ
1の入射瞳の中心に向けて反射される。ミラー35から
のレーザ光束は投影レンズ1によって収束され、ウェハ
W上にx方向に細長く伸びた帯状のスポット光LYSと
して結像される。スポット光LYSはウェハW上でx方
向に伸びた回折格子状のマークMay、Mby、又は矩形領
域Pcyの段差エッジE1 、E2 を相対的にy方向に走査
して、y方向アライメントマークの位置を検出するため
に使われる。スポット光LYSがy方向アライメントマ
ークを照射すると、そのアライメントマークからは回折
光や散乱光が生じる。それら光情報は再び投影レンズ
1、ミラー35、ミラー34、結像レンズ群33、及び
ビームスプリッター32に戻り、ビームスプリッター3
2で反射された後、レンズ群36、ミラー37を介して
光電検出部38に入射する。光電検出部38は入射した
回折光の光量及び散乱光の量に応じた光電信号を夫々別
個に出力する。以上、ミラー31、ビームスプリッター
32、結像レンズ群33、ミラー34、35、レンズ群
36、ミラー37、及び光電検出部38は、ウェハW上
のy方向アライメントマークの位置を検出するスルーザ
レンズ方式のアライメント光学系(以下、Y−LSA系
と呼ぶ)を構成する。
【0013】一方、ビームスプリッター30で分割され
た別のレーザ光束は、ウェハW上のx方向アライメント
マークの位置を検出するスルーザレンズ方式のアライメ
ント光学系(以下、X−LSA系と呼ぶ)に入射する。
X−LSA系はY−LSA系と全く同様に、ミラー4
1、ビームスプリッター42、結像レンズ群43、ミラ
ー44、45、レンズ群46、ミラー47、及び光電検
出部48から構成され、ウェハW上にy方向に細長く伸
びた帯状のスポット光LXSを結像する。
【0014】主制御装置50は、光電検出部38、48
からの光電信号とレーザ干渉系9、10からの位置情報
とを入力して、位置検出、位置合せのための各種演算処
理を行なうとともに、モータ5、6を駆動するための指
令を出力する。この主制御装置50はマイクロコンピュ
ータやミニコンピュータ等の演算処理部を備えており、
その演算処理部にはウェハWに形成された複数のチップ
領域CPの設計位置情報(ウェハW上のチップ配列座標
値等)やアライメントマークの設計寸法等が記憶されて
いる。
【0015】図4は2つのスポット光LYS、LXSの
配置をウェハW上で示す平面図であり、円形の領域は投
影レンズ1の視野(イメージフィールド)ifを表わ
す。レチクルRを装置に対して正確に位置決めすると、
レチクルRの回路パターンの投影像は、光軸AXがその
中心を通るような矩形の領域Prのようになる。領域P
rは最大、視野ifに内接する大きさまでとることがで
きる。ここで、光軸AXがステージ3の移動座標系(直
交座標)xyの原点を通るように各座標軸を定めると、
スポット光LXSはy軸上の光軸AXから距離YPのと
ころに位置し、スポット光LYSはx軸上の光軸AXか
ら距離XPのところに位置する。
【0016】図5は光電検出部38、48の具体的な構
成を示す図である。両光電検出部とも全く同一の構成な
ので、ここでは光電検出部48のみを示す。ミラー47
で反射されたx方向アライメントマークからの光情報に
は、マークMax、Mbxで生じた回折光(±1次光、±2
次光、±3次光等)±Dと、段差エッジE1 、E2 、又
はマークMax、MbxのエッジE1 、E2 と平行な段差部
からの散乱光D0 とが含まれさらに正反射光も含まれて
いる。その光情報はビームスプリッター60で2つに分
割され、一方の光情報は投影レンズ1の入射瞳と共役に
配置された空間フィルター61で散乱光D0 のみが開口
61aを介して抽出され、集光レンズ62を介して光電
素子63の受光面に集光される。ビームスプリッター6
0からの他方の光情報からは、投影レンズ1の入射瞳と
共役に配置された空間フィルター64によって、マーク
Max、Mbxからの回折光±Dのみが開口64a、64b
を介して抽出され、その回折光±Dは2つの反射面65
a、65bを有するプリズム状のガラスブロック65に
至る。反射面65aでは回折光+D(+1次光、2次
光、+3次光)が反射され、その回折光+Dは集光レン
ズ66を介して光電素子67の受光面に集光する。一
方、反射面65bでは回折光−D(−1次光、−2次
光、−3次光)が反射され、その回折光−Dは集光レン
ズ68を介して光電素子69の受光面に集光する。
【0017】さて、図6、図7はそれぞれ空間フィルタ
ー61と64の形状を示す平面図である。図6において
空間フィルター61の中心部にはスポット光LXSの正
反射光の入射瞳上での光束分布LX' を示す。この空間
フィルター61は投影レンズ1の入射瞳と共役であり、
その光束分布LX' はレーザ光の送光系にシリンドリカ
ルレンズを使ったため、空間フィルター61上では、ス
ポット光LXSと直交する方向に細長く伸びたものとな
る。このような帯状スポット光の伸長方向と空間フィル
ター(瞳)上での正反射光の光束分布の伸長方向との関
係は、詳しく例えば特開昭59−132126号公報に
開示されている。さて、空間フィルター61はその正反
射光を遮断すると共に、スポット光LXSが誤差エッジ
1 、E 2 を照射したとき等に生じる散乱光D0 を透過
するような開口61a、61bを有する。この開口61
a、61bはスポット光LXSの長手方向の中心軸を挾
んで対称的に、すなわち光束分布LX' の長手方向の左
右に位置するように設けられる。一方、図7に示した空
間フィルター64についても、投影レンズ1の入射瞳と
共役に配置されるため、スポット光LXSのウェハWか
らの正反射光の光束分布LX' は、空間フィルター64
上でスポット光LXSと直交する方向に細長く伸びたも
のとなる。空間フィルター64はその正反射光を遮断し
て、マークMa、Mbからの回折光±Dを透過するよう
な開口64a、64bを有する。開口64aはマークM
a、Mbからの+1次光(+D1)、+2次光(+D
2)、及び+3次光(+D3)を通すような大きさ、形
状に定められ、開口64bはマークMa、Mbからの−
1次光(−D1)、−2次光(−D2)、及び−3次光
(−D3)を通すような大きさ、形状に定められてい
る。このように回折光±Dを正の次数光と負の次数光と
に分けて、別々の光電素子67、69で受光すると、両
光電素子67、69からの光電信号SA、SBを個別に
処理することができ、回折格子パターンの変化や劣化に
よる位置検出精度の低下を押えることが可能となる。
【0018】次に光電素子67、69、63からの各光
電信号SA、SB、SCを入力する処理回路の一例を図
8により説明する。この処理回路は主制御装置50に設
けられ、マイクロコンピュータやミニコンピュータ等の
演算処理部と協同して、マークMa、Mb、段差エッジ
1 、E2 の位置を検出する。図8において、光電信号
SAは所定の増幅率を有するプリアンプ80によって増
幅された後、利得制御アンプ(以下AGCと呼ぶ)81
に入力する。
【0019】AGC81は予めセットされた利得で入力
信号のレベルを調整して、信号SA' を出力する。一
方、光電信号SBは同様のプリアンプ82、AGC83
によって信号SB' に変換される。加算回路84は、2
つの信号SA' とSB' とをアナログ的に加算した信号
SDを出力する。アナログ−デジタル変換器(以下、A
DCと呼ぶ)85は信号SDをサンプリングして、その
大きさ(レベル)に対応したデジタル値に変換する。ラ
ンダム・アクセス・メモリ回路(以下RAMと呼ぶ)8
6はADC85でサンプリングされたデジタル値を指定
された番地(アドレス)に記憶する。ADC85のサン
プリングとRAM86のアドレス指定は、ともにレーザ
干渉計10からのパルス信号SPによって行なわれる。
パルス信号SPはステージ3がx方向に単位量(例えば
0.02μm)移動するたびに1パルスとなるようなパル
ス列であり、その1パルスに応答してADC85の1回
のサンプリングが行なわれるとともに、RAM86のア
ドレスがひとつだけ更新される。
【0020】さて、光電信号SCはプリアンプ87、A
GC88によって増幅され、その信号SC' はADC8
9によってサンプリングされた後、RAM90にアドレ
ス順に記憶される。ADC89のサンプリングとRAM
90のアドレスの更新も、レーザ干渉計10からのパル
ス信号SPのパルスに応答して行なわれる。マイクロコ
ンピュータやミニコンピュータ等の演算処理部(以下C
PUと呼ぶ)は、RAM86、RAM90からのデジタ
ル情報及びレーザ干渉計10で読み取ったステージ3の
x方向の位置情報(分解能は単位移動量で決まる)を入
力して、マークMax、Mbx、段差エッジE1 、E2 の位
置を検出するための演算処理をソフトウェアにより実行
する。本実施例においては、最終的にはレチクルRの投
影像とウェハW上のチップCPとの位置合わせを行なう
ので、CPU100は検出したマーク位置情報とエッジ
位置情報とに基づいて、ステージ3の位置決め用のモー
タ5、6を制御する。またCPU100は本発明におけ
る制御信号作成手段としての機能を有し、AGC81、
83、88の夫々の利得(ゲイン)を個別に可変するた
めの指令、すなわち、利得制御信号も出力する。
【0021】以上のような構成において、RAM86に
はマークMax、Mbx等からの回折光のx方向に関する強
度分布が位置に対応して記憶されることになる。またR
AM90には、段差エッジE1 、E2 あるいはマークM
ax、MbxのエッジE1 、E2 と平行な段差部からの散乱
光のx方向に関する強度分布が位置に対応して記憶され
ることになる。尚、AGC88は特に精密なものを設け
る必要はないが、ウェハW上のレジストの影響や、その
下地の素材等によって散乱光の強度が大きく変化する場
合もあるので、例えば2〜3段階程度で利得を切替えら
れるアンプにしておくとよい。一方、AGC81と83
はある程度精密な利得切替えのできるものが望ましい。
これは先にも述べたように、ウェハW上の回折格子パタ
ーン(マークMa、Mb)の変形、劣化に対処する必要
があるためである。例えばスポット光LXSの幅をマー
クMax、Mbxの幅d2 と等しくして、マークMax、Mbx
とスポット光LXSと相対的にx方向に走査したとき、
光電信号SA、SBの波形は共にガウス状の波形にな
る。もし回折格子パターンに変形劣化がなければ、光電
信号SA、SBのガウス波形の大きさやx方向に関する
位置は正確に一致するが、回折格子パターンの変形の程
度によっては、光電信号SA、SBのガウス波形の大き
さが異なり、x方向に関する位置も微小にずれることが
ある。(光電信号SA、SBの位置ずれ)さらに両光電
信号のガウス波形の歪み具合が異なる場合もある。本実
施例のようにマークMa、Mbが直格子パターンの場
合、あるいは特開昭57−19726号公報に開示され
たような斜め45°の微小線要素の集合からなる斜格子
パターンの場合、光電信号SA、SBの夫々のガウス波
形の大きさが異なることは、そのまま検出精度の低下を
意味する。そこで本実施例ではAGC81と83を設け
て、光電信号SA、SBの波形の大きさが異なるような
場合、AGC81、83の利得を制御して信号SA' 、
SB' の波形の大きさを揃えた上、加算回路84で加算
合成するようにした。
【0022】次に本実施例の動作を図9のフローチャー
ト図を参照して説明するが、ここではウェハWの機械的
なプリアライメントとグローバルアライメントが終了し
て、各チップCP毎のアライメント(イーチアライメン
ト、又はステップアライメント)を行なう段階について
説明する。まず、CPU100は、露光すべきチップC
Pに付随したx方向アライメントマークとスポット光L
XSとが平行に整列するように、ステージ3の位置決め
を行なう。(ステップ200)このときの状態を図10
に示す。図10において、スポット光LXSはマークM
axの左側に所定の間隔をあけて位置する。この段階にお
ける位置決めは、グローバルアライメントの精度に依存
するが、概ね1μm以下の誤差で達成される。そこでC
PU100はそのときのステージ3のx方向の位置をレ
ーザ干渉計10から読込、走査開始点Cxoとして記憶す
るとともに、RAM86、90が、例えば0番地から、
デジタル値の書き込み動作を行なうような指令も出力す
る。また図10に示したx方向アライメントマークは図
1に示したものと同一であり、ここでは距離l1 とl2
とは共に間隔x1 で等しいものとする。従って、図2に
示したマーク配置からも明らかなように段差エッジE2
の延長線はチップCPの中心(チップセンター)を通
る。
【0023】次にCPU100はスポット光LXSとx
方向アライメントマークとの相対的な走査を開始する。
(ステップ201)これは、スポット光LXSに対して
ステップ3をx方向に移動することによって行なわれる
ので、以下この動作をステージスキャンと呼ぶ。ステー
ジスキャンはスポット光LXSがマークMax、段差エッ
ジE2 、マークMbx、及び段差エッジE1 を横切るのに
十分な距離だけ行なわれる。その距離はl1 、l2 、l
3 の合計の長さによって決まるが、一例としては100
μm程度である。そしてステージスキャンの間、ADC
85、89は夫々信号SD、SC' のサンプリングを行
ない、その結果は夫々RAM86、90に番地順に記憶
される。ステージスキャンの距離を100μm、サンプ
リング間隔(単位移動量)を0.02μmとすると、サン
プリング点数は5000(0〜5000番地)になる。
こうしてステージスキャンが終了した時点で、RAM8
6には図11(a)に示すような分布波形が記憶され、
RAM90には図11(b)に示すような分布波形が記
憶される。図11(a)、(b)とも横軸は位置xを表
わすが、これはRAM86、90の番地と一義的に対応
している。また縦軸はそれぞれ回折光強度(信号SDの
レベル)Iと散乱光強度(信号SC' のレベル)Jとを
表わす。図11(a)からも明らかな如く、スポット光
LXSとマークMaxが一致した走査位置C1 において、
回折光強度Iはピーク(理想的にはガウス波形のピーク
点)になり、さらにスポット光LXSとマークMbxが一
致した走査位置C2 において回折強度Iはピークにな
る。マークMax、MbxはそもそもウェハW上に存在する
凹凸パターンとの認識率を高めるために回折格子とした
ので、マーク形状の劣化が少なければ、それらピーク波
形のS/N比はかなり良好である。
【0024】次にCPU100は、RAM86に記憶さ
れた分布波形を読み込んで、位置C 1 とC2 を検出す
る。(ステップ202)これは例えば、図11(a)に
示した分布波形を一定のスライスレベルで切り、ピーク
波形の幅の2等分点を位置C1 、C2 として検出する方
法、分布波形を一時微分して微分波形上のゼロクロス点
を位置C1 、C2 として検出する方法、あるいは分布波
形中のピーク波形部分を積分して、ピーク波形の重心を
位置C1 、C2 として検出する方法等によって適宜求め
られる。その方法自体は特に限定されるものではない。
【0025】次にCPU100はマークMax、Mbxがプ
ロセスによって変形、劣化している層(レイヤ)なのか
歪かを判断する。(ステップ203)この判断はオペレ
ーターが経験的に知り得たことを予めCPU100に記
憶しておくことによって自動的に行なわれる。例えば第
2層、第3層についてはプロセスによるマーク変形がほ
とんどなく、工程が進むにつれてマークMax(凸状パタ
ーン)のみの変形が目立ち、最終層の工程のときには、
マークMaxは著しく劣化し、マークMbx(凹状パター
ン)の方も変形が目立つ、というような場合、CPU1
00には一例として第2層、第3層についてはマークM
ax、Mbxの両マークのみを使い、それ以降の層について
はマークMbxのみを使い、最終層については、散乱光情
報や加味してマークMbx以外に段差エッジE1 、E2
使うような判断情報が記憶される。また、マークMax、
Mbxの変形、劣化が予測できないような場合は、図3中
のアライメント光学系を介して各マークの状態をテレビ
カメラ等で観察し、オペレーターが適宜CPU100に
どのような処理を行なうかの指令を与えるという方法で
も同様である。
【0026】さて、ステップ203でプロセスによる影
響が少なく、マークMax、又はMbxからの回折光信号の
歪みが極めて少ないと判断されたときは、さらにマーク
Max、Mbxの両方を使うか片方を使うかを判断する。
(ステップ204)もともと回折光の光電信号はS/N
比が良好であるため、変形、劣化がなければ高い位置検
出精度が得られる。そこで、2つのマークMax、Mbxが
ともに変形していなければ、この2つのマークのみを使
ってx方向アライメントマークのx方向の位置Xeを検
出する。(ステップ205)すなわち、スポット光LX
SがマークMaxとMbxとの丁度中心に位置したとき、チ
ップセンターと光軸AXとがx方向の位置に関して一致
することになるので、CPU100はこのステップ20
5において、以下の式に基づいて位置Xeを算出する。
【0027】Xe=C1 +C2 /2 またマークMaxの変形は著しいが、マークMbxには目立
った変形が見られない場合(逆の場合もあり得る)、変
形のないマークMbxのみを使って位置Xeを検出する。
(ステップ206)マークMbxは、チップセンターを通
るy軸と平行な線からx方向に+x1 (l2 )だけシフ
トしているので、この場合位置Xeは以下の式に基づい
て算出される。
【0028】Xe=C2 −x1 さて、ステップ203で散乱光情報も使うと判断された
場合、CPU100は回折光強度の分布波形から求めた
マークMax、Mbxの位置C1 、C2 と、マークMax、M
bxから段差エッジE1 、E2 までの各距離に関する設計
値とに基づいて、散乱光強度の分布波形中で段差エッジ
1 、E2 によって生じたピーク点に対応する走査位置
5 、C8 を検出する。(ステップ207)図11
(b)に示すように、散乱光はウェハW上に何らかの凹
凸段差が存在しさえすれば、かならず発生する。
【0029】換言すればウェハW上の段差検出に関して
感度がよいことを意味する。このためマークMax、Mbx
のy方向に微小に伸びた段差エッジ部の集合からの散乱
光によって、位置C3 、C4 と位置C6 、C7 とにマー
クMax、Mbxに対応したピーク波形も得られる。さらに
ウェハWの表面が粗くなっていた場合も、小さなピーク
波形が得られる。特にマークMax、Mbxが変形、劣化す
るほどのプロセスの影響があると、散乱光強度Iの分布
波形は、図11(b)のようにS/N比のよい形では得
られず、全体的にピークのレベルが低くなり、かつノイ
ズとなるピークが多数現われることになる。これは本実
施例において段差エッジ部からの正反射光束の近傍の散
乱光を検出する構成にしたため、散乱光信号の強度が段
差エッジの斜面の傾きに大きく依存するからである。こ
のためプロセスの影響で斜面の傾きが変化すると、段差
エッジE1 、E2 によるピーク波形が小さくなり、ノイ
ズとなるピーク波形の中にうもれてしまうこともある。
このように散乱光情報そのものはウェハWの表面の凹凸
状態を高感度に反映したものとなり、散乱光情報のみで
様々に変化するウェハ表面上の段差エッジE1 、E2
位置C5 、C8 を誤りなく検出することは、ハードウェ
アあるいはソフトウェアを駆使したとしてもかなり難し
いことである。そこで本実施例では、ステップ207に
おいて、CPU100はまずマークMax、又はMbxの位
置C1 、C2 に対する段差エッジE1 、E2 の設計上の
位置を算定する。例えば段差エッジE2 は位置(C1
1 )、又は(C2 −l2 )の近傍に存在するはずだ
し、段差エッジE1 は位置(C2 +l3 )又は(C1
1 +l2 +l3 )の近傍に存在するはずである。次に
CPU100はその算定した位置、ここでは説明を簡単
にするためエッジE2 については位置(C2 −l2 )、
エッジE1 については位置(C2 +l3 )を用い、その
算定位置を中心に前後の微小区間±Δxについて図11
(b)に示した散乱光強度の分布波形を調べる。すなわ
ち、この微小区間±Δx内に何らかのピークが存在すれ
ばそれはエッジE1 、E2 によって生じたものと判断さ
れ、そのピーク点をエッジE1 、E2 の位置C5 、C8
として検出する。このように、回折光情報に基づいて検
出した位置C1 、C2 を使って散乱光情報の分布波形の
調査範囲を制限(ゲート)することによって、S/N比
の悪い散乱光情報であっても正確に、かつ高速にエッジ
1 、E2 の位置が検出できる。尚、微小区間±Δx
は、例えばスポット光LXSのx方向の幅程度にするこ
とが望ましい。
【0030】次にCPU100は検出した位置C5 、C
8 に基づいて、矩形パターンPcxのx方向の中心位置X
gを次の式により求める。(ステップ208) Xg=C5 +C8 /2 もし、段差エッジE1 とマークMbxとの距離l3 を距離
2 と等しく定めたのなら、位置XgはマークMbxの位
置C2 でもある。ただし、位置C2 はマークMbxの変
形、劣化が著しく回折光強度の分布波形上、ピークが小
さく、歪みが多い場合は必らずしもマークMbxの正確な
中心位置とは一致していない。ところが段差エッジ
1 、E2 の中心を求める方法で検出した位置Xgはマ
ークMbxの中心位置とよく一致する。これはスポット光
LXSが帯状に細長いことと、連続した直線的な段差エ
ッジE1 、E2がプロセスによって大きな変形を受けな
いことに起因している。このことを図12を用いて説明
する。プロセスの影響でマークMax、Mbxの微小矩形パ
ターンPa、Pbが変形し、矩形パターンPcxの段差エ
ッジE1 、E2 が微小な不整を伴なって変形したものと
する。ただし段差エッジE 1 、E2 については本来の位
置から共に微小量Δαだけ内側にやせ細ったものとす
る。このような現象はウェハプロセスにおいてたびたび
見られ、特別な現象ではない。この場合、回折光強度I
の分布波形上でマークMax、Mbxに対応するピーク波形
はレベルも小さく、歪みを含んでいる。このため検出さ
れるマークMax、Mbxの位置は設計上の位置に対して微
小量Δβ、Δβ' だけシフトしてしまう。一方、エッジ
1 、E2 については微小な不整が伴なうものの、スポ
ット光LXSがy方向に細長いため、その不整を平均化
した位置として検出されることになる。すなわち帯状ス
ポット光による平滑化効果によって、エッジの位置検出
精度はそれ程低下しない。従ってエッジE1 、E2 の検
出位置の中心を求めることによって、両エッジの細りΔ
αの誤差分が相殺され、極めて精密に矩形パターンPcx
の位置Xgが求められる。
【0031】以上のようにして位置Xgが求まったら、
CPU100はx方向アライメントマークの位置Xeを
次の式によって算出する。(ステップ208) Xe=Xg−l2 以上、いくつかの方法でx方向アライメントマークの位
置Xeを検出したが、その結果はCPU100がモータ
5を制御して、ステージ3のx方向の位置決めを行なう
ために使われる。具体的には、レーザ干渉計10から読
み込んだ位置が位置Xeと一致するまでモータ5を駆動
してステージ3を移動させる。これによってレチクルR
の回路パターンの投影領域Pr(図4参照)と1つのチ
ップCPとがx方向に関して精密に重なり合う。尚、y
方向に関してもスポット光LYSとy方向アライメント
マークとを相対的に走査して、全く同様に位置検出、及
び位置合わせが行なわれる。
【0032】本実施例の動作のように、マークMax、M
bxの変形が少ないときは、そのマークを使って位置検出
し、変形があるときはさらに段差エッジを使って位置検
出するように選択することによって、高速処理と高精度
検出という相反する条件を高次元でバランスさせること
ができるという利点がある。次に本実施例に示したAG
C81、83(図8参照)の動作についてさらに詳述す
る。先にも簡単に説明したように、回折格子パターンが
プロセスの影響で変形すると、光電信号SA、SBのピ
ーク位置がわずかではあるがずれて、その両信号の大き
さも異なることがある。図13は回折格子状のマーク
(直格子)の変形の一例を示す平面図である。図13
(a)は変形のない理想的なマークを示し、ここでは凸
状の微小矩形パターンPaがy方向に集合したものとす
る。回折光±Dの発生に寄与するエッジEP1 、EP2
はx方向と平行に伸びていて、このような場合、2つの
光電信号SA、SBの位置ずれはない。ところが、矢印
150のように、プロセスの進行方向がエッジEP1
EP2 と斜めに交差する方向だと、微小矩形パターンP
aは例えば図13(b)のように全体的に角がなまり、
エッジEP1 、EP2 もプロセスの進行方向に沿うよう
な斜めになってしまう。このように変形したマークにレ
ジストが塗布され、エッジEP1 側とEP2 側とでレジ
スト厚が異なった場合、スポット光で相対走査すると、
光電信号SA、SBは図14(a)、(b)に示すよう
に位置ずれと大きさ(ピークレベル)のちがいを伴なっ
たものとなる。光電信号SAはマークの本来の位置Xo
からずれた位置Xaにてピークとなり、そのピーク値は
Iaである。一方光電信号SBは位置Xoからわずかに
反対方向にずれた位置Xbにてピークとなり、そのピー
ク値はIaよりも大きなIbになる。そこで、このよう
な場合は、CPU100からの指令でAGC81のゲイ
ンを高め(逆にAGC83のゲインを低めても同様)、
光電信号SAのピーク値Ia' をIbに揃える。すなわ
ち図14の右半分に示すように2つの光電信号の大きさ
が同一になるように調整する。光電信号SA、SBの波
形はスポット光のガウス分布に従って、左右対称的な波
形となる。このように2つの波形の夫々の対称性がとも
に保存されているか、あるいは一方の波形を位置Xoを
中心に裏がえしたとき他方の波形と重なり、かつピーク
レベルの大きさも揃っていれば、位置Xoからのずれが
あったとしても、加算合成した信号SDの波形には位置
Xoを中心とした対称性が保存されることになる。とこ
ろが図14の左半分の波形のように2つの波形のピーク
レベルが異なったまま加算合成してしまうと、信号SD
の波形は非対称になる。このような波形の非対称性は、
マークの中心位置検出の精度を低下させる大きな原因と
なる。
【0033】本実施例のようなAGC81、83によっ
て光電信号SA、SBのレベルを揃えることによって、
変形したマークに対しても高精度な位置検出が可能とな
る。また、1枚のウェハW上においても、そのウェハ内
のマークの位置や方向によってプロセスの影響の受け方
が異なる場合もあるので、ウェハW上のチップの配列座
標位置に対応付けてAGC81、83の各ゲインをCP
U100で調整するようにすれば、ウェハW上の各チッ
プ毎のアライメントが極めて正確になるという利点があ
る。そのためには予めCPU100にチップの配列座標
に対するゲイン設定量を記憶させておくことが望まし
い。
【0034】以上、本発明の実施例を説明したが、次に
本発明の他の実施例を説明する。アライメントマークと
スポット光とは相対的に走査させればよいので、ガンバ
ノミラー、振動ミラーあるいは回転ポリゴンミラー等に
よってスポット光をアライメントマークに対して往復走
査、あるいは直線走査するようにしてもよい。またウェ
ハW上のアライメントマークを投影レンズ1を介するこ
となく、別設した専用の顕微鏡で検出するような場合も
全く同様である。さらに図5に示した散乱光を受光する
光電素子63は好ましくは空間フィルター61の2つの
開口61aと61bに対応して2つに分離するとよい。
具体的には図5に示した空間フィルター61の後に、図
15に示すように、プリズム65と同様の反射プリズム
70を配置し、開口61aを通ってきた散乱光D0 を集
光するレンズ71aと受光素子63aを設け、開口61
bを通ってきた散乱光D0 を集光するレンズ71bと受
光素子63bを設ける。そして両受光素子63a、63
bの各光電信号SCa:SCbを増幅した後、別々にア
ナログ−デジタル変換器でデジタル値に変換して、別々
のメモリに記憶する。そしてCPU100で段差エッジ
1 の位置を検出するときは、例えば受光素子63aか
らの光電信号の波形を使い、段差エッジE2 の位置を検
出するときは受光素子63bからの光電信号の波形を使
う。このようにすると、段差エッジの位置検出精度の向
上が期待できる。
【0035】ところで回折光検出用の光電素子67、6
9の代りに、図16(a)に示すように、同一の半導体
基板上に回折光+Dと−Dとを別々に受けるような2つ
の受光面75aと75bを形成したデュアル・タイプの
光電素子75を、空間フィルター64の位置に配置して
も同様の効果が得られる。この光電素子75は受光面7
5aと75bの間にスポット光LXSのウェハWからの
正反射光の光束分布LX' が位置するように、投影レン
ズ1の入射瞳と共役に配置される。
【0036】また、図5に示したプリズム60に入射す
る光情報には回折光と散乱光とが空間的に分離して含ま
れている。そこで図16(b)に示すように同一の半導
体基板上に回折光+Dと−Dとを夫々別々に受ける受光
面76a、76bを形成し、散乱光D0 を受ける2つの
受光面76c、76d(図15の受光素子63a、63
bに相当する)を形成したクォード・タイプの光電素子
76をプリズム60の代りに投影レンズ1の入射瞳と共
役に配置してもよい。このようにすると、複数の光電素
子間の電気的な特性が揃っているので、経時的な誤差が
少なく、安定した光電検出ができる。
【0037】また、散乱光検出用の光電素子は投影レン
ズ、又は顕微鏡対物レンズを通ってきた散乱光を受光す
るのではなく、例えば特公昭56−25964号公報に
開示されているように、それらレンズの周辺に複数に分
離して配置してもよい。尚、回折光検出用の光電素子6
7、69(又は受光面75a、75b、76a、76
b)からの各光電信号SA、SBは加算回路84でアナ
ログ的に合成したが、合成しない方法もある。それは光
電信号SA、SBの波形を別々のメモリに記憶した後、
両メモリ上で2つの波形(図14と同等)の各ピーク位
置(又は重心位置)を検出し、その両位置の平均値(中
点)を取ることによって、回折格子状のマークの中心位
置が求められる。もちろん、両メモリ上で波形のピーク
レベルを揃えるように規格化した後、デジタル的に加算
すれば、加算回路84、AGC81、83の機能をその
ままソフトウェアで実現したことになる。
【0038】先にも述べたように振動ミラー等を使っ
て、スポット光を微小振幅で単振動させる場合は、レー
ザ走査型光電顕微鏡のように光電信号を同期検波するこ
とによって回折格子マーク、又は段差エッジを検出する
こともできる。その場合、光電素子67、69から(又
は受光面75a、75b、76a、76b)の光電信号
SA、SBの処理回路の一例は図17のようになる。
【0039】プリアンプ80、82は図8と同様に変調
された光電信号SA、SBを一定量だけ増幅する。増幅
された光電信号SAはAGC81、83、88等と同等
の電圧制御増幅器(以下、VCAと呼ぶ)160に入力
する。一方、増幅された光電信号SBはさらにアンプ1
61に入力する。VCA160の出力信号とアンプ16
1の出力信号とは夫々アナログ加算器162に入力して
加算された後、位相同期検波回路(以下、PSDと呼
ぶ)に出力される。またVCA160の出力信号とアン
プ161の出力信号とは共に交流信号があるので、それ
ぞれピーク・ピーク検出回路(以下P−P回路と呼ぶ)
163と164に入力する。P−P回路163、164
は夫々交流波形上の最大値と最小値との差の絶対値に応
じたアナログ電圧を出力する。差動アンプ165はP−
P回路163、164からのアナログ電圧の差分に応じ
た電圧を制御信号としてVCA160に出力する。尚、
差動アンプ165はP−P回路163、164からの2
つのアナログ電圧が等しくなるように、VCA160の
増幅率を調整するための制御信号(電圧)を出力するよ
うに構成される。
【0040】このような処理回路によれば、回折格子マ
ークが変形して、光電信号SA、SBに波形上の位置ず
れとレベル差とが発生しても、スポット光がマークを振
動走査している間は、VCA160の出力信号とアンプ
161の出力信号とが常に同じレベルになるので、PS
Dによる位置検出精度は一定に保たれる。また、段差エ
ッジE1 2 からの散乱光を検出するかわりにスポット
光LXS、(LYS)による正反射光の量を光電検出す
る方法も有効である。この場合は図5に示した配置で、
図6のような形状の空間フィルター61を、図18のよ
うな空間フィルター61' にするだけでよい。空間フィ
ルター61' は投影レンズ1の入射瞳上におけるスポッ
ト光LXSの正反射光分布LX' に合わせた開口61'
aを有する。このような空間フィルター61' を設けた
場合、光電素子63の光電信号SCは段差エッジE1
2 やその他の凹凸の段差部でレベルが極小(ボトム)
となり、その他の平面部では一定のレベルとなるような
波形になる。その波形のみを使って段差エッジE1 、E
2 を正確に検出することは、プロセスの影響等を考慮す
るとなかなか難しいことではあるが、図9で示した処理
のように、回折光情報に基づいて正反射光情報にゲート
をかけることによって極めて容易に段差エッジE1 、E
2 の位置を検出することができる。
【0041】次に位置検出のために好適な他のアライメ
ントマークの形状及びスポット光の形状について説明す
る。図1に示したアライメントマークにおいて、凸状の
微小矩形パターンPaの集合からなるマークMaを省略
した形状としたもよい。この場合、回折格子パターンは
マークMbしかないので、段差エッジE1 、E2 を使っ
た位置検出(図9のステップ207、208)を主に実
施することが望ましい。また段差エッジE1 、E2 を得
るための矩形パターンPcのかわりに図19に示すマー
クM2 のように単純な線状マーク(バーマーク)にして
もよく、その配置も回折格子パターンの付近ならどこに
形成してもよい。さらに、その段差エッジと回折格子マ
ークとは必らずしも平行にしておく必要はなく、任意の
角度で交差するように互いに斜めにしてもよい。その一
例を図19に示す。図19において、マークM1 はx、
y方向に対して45°傾いた回折格子パターンであり、
微小線要素はx方向に伸びている。マークM2 はマーク
1 と90°で交差するように形成されたバーマークで
ある。一方、このようなアライメントマークを検出する
ためのスポット光SPa、SPbは90°で交差するよ
うな帯状スポットであり、このスポット光SPa、SP
bは同時にアライメントマークを走査する。その走査方
向はx方向と一致する。このような構成において、スポ
ット光SPa、SPbがマークM1 を横切るとき、スポ
ット光SPaとマークM1 の方向が一致しているので回
折光±Dが発生する。さらに走査が進むスポット光SP
a、SPbがマークM2 を横切るとき、スポット光SP
bとマークM2 の方向が一致しているので、マークM2
の直線エッジから散乱光D0 が発生する。そこで先の実
施例の処理方法と同様に回折光情報に基づいて散乱光情
報をゲートすれば、同様に高精度な位置検出が可能であ
る。
【0042】
【発明の効果】以上本発明によれば、アライメントすべ
き基板上に形成されたアライメントマークからの光情報
(回折光、散乱光、正反射光)の強度が、基板上でのマ
ーク配置に応じて大きく変化するような場合でも、マー
ク位置計測に使用する際には最適なレベルに調整されて
いるので、常に安定したマーク位置検出が可能なり、同
一基板上の複数位置のマークを検出したときの位置計測
精度の再現性が極めて良好になるといった効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するのに好適なアライメントマー
クの形状を示す部分斜視図
【図2】ウェハ上のチップとアライメントマークとの配
置関係を示す平面図
【図3】本発明の実施例による位置検出装置を用いるの
に好適な投影型露光装置の概略的な斜視図
【図4】投影レンズのイメージフィールドとスポット光
との配置関係を示す平面図
【図5】光電検出部の具体的な構成を示す配置図
【図6】散乱光検出用の空間フィルターの平面図
【図7】回折格子検出用の空間フィルターの平面図
【図8】信号処理回路の具体的な構成を示す回路ブロッ
ク図
【図9】位置検出の手順を説明するフローチャート図
【図10】アライメントマークとスポット光との配置関
係の一例を示す平面図
【図11】回折光の強度分布と散乱光の強度分布とを示
す波形図
【図12】プロセスの影響を受けたアライメントマーク
の形状と、そのときの回折光の強度分布波形とを示す図
【図13】回折格子パターンのプロセスの影響の受け方
を模式的に示す平面図
【図14】回折光情報の光電信号SA、SBのゲイン制
御の様子を説明する波形図
【図15】散乱光情報の受光系の他の実施例を示す配置
【図16(a)、(b)】回折光情報又は散乱光情報を
受ける受光素子の他の実施例を示す平面図
【図17】位相同期検波方式の信号処理系におけるゲイ
ン制御の一例を示す回路図
【図18】正反射光を検出するための空間フィルターの
形状を示す平面図
【図19】アライメントマークとスポット光との他の形
状を示す平面図
【主要部分の符号の説明】
Ma、Mb、Max、Mbx、May、Mby、M1 回折格子
マーク E1 、E2 段差エッジ LXS、LYS 帯状スポット光 D0 散乱光 ±D 回折光 63、67、79 光電素子 81、83、88 可変利得増幅器(AGC) 100 演算処理回路(CPU)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスクのパターンを感光基板上の複数の
    被露光領域の夫々に順次重ね合わせ露光するのに先立っ
    て、前記被露光領域に付設されたアライメント用のマー
    クをマーク検出手段によって光電検出し、その光電信号
    に基づいて前記被露光領域と前記マスクとを位置合わせ
    制御手段によって相対的にアライメントする露光装置に
    おいて、前記光電信号に対する利得を制御信号に応答し
    て調整した後、前記位置合わせ制御手段へ出力する可変
    利得増幅器と;前記マーク検出手段によってマークを検
    出する際、該マークに対応した被露光領域の配列位置に
    応じて、前記可変利得増幅器に印加すべき前記制御信号
    の値を変更する制御信号作成手段とを備えたことを特徴
    とする感光基板の露光装置。
  2. 【請求項2】 前記制御信号作成手段は、前記感光基板
    上の複数の被露光領域の各配列位置に応じて前記制御信
    号の値を予め記憶する手段を含むことを特徴とする特許
    請求の範囲第1項に記載の装置。
  3. 【請求項3】 前記マーク検出手段は、前記マークから
    発生した回折光の正次数と負次数とを個別に受光する少
    なくとも2つの光電素子を有し、前記可変利得増幅器は
    前記2つの光電素子の各光電信号の夫々に対して独立に
    設けられ、前記制御信号作成手段は前記2つの光電信号
    の夫々に対する利得を個別に調整するように、前記制御
    信号を作成することを特徴とする特許請求の範囲第1項
    に記載の装置。
  4. 【請求項4】 前記位置合わせ制御手段は、前記可変利
    得増幅器によって個別に利得調整された後の前記2つの
    光電素子からの各光電信号を加算する加算器を含むこと
    を特徴とする特許請求の範囲第3項に記載の装置。
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