JPH0680598B2 - 周波数安定化自動ゲイン制御安定器システム - Google Patents

周波数安定化自動ゲイン制御安定器システム

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JPH0680598B2
JPH0680598B2 JP60015606A JP1560685A JPH0680598B2 JP H0680598 B2 JPH0680598 B2 JP H0680598B2 JP 60015606 A JP60015606 A JP 60015606A JP 1560685 A JP1560685 A JP 1560685A JP H0680598 B2 JPH0680598 B2 JP H0680598B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 発明の分野 本発明はガス放電管の電子式安定器システムに関するも
のである。特に、本発明は蛍光形のガス放電管の電子式
安定器システムに適し、また周波数が安定化されている
電子式安定器システムに関するものである。更にまた、
本発明は自動ゲイン制御回路を有する電子式安定器シス
テムに適するものである。更に言えば、本発明は、周波
数安定化を施した自動ゲイン制御回路網のことを考え、
組合せる電気部品の数を最小にすることを満足せしめる
ような、電子式安定器システムに関するものである。
先行技術 ガス放電管、特に蛍光管に関する電子式安定器システム
は技術の分野において既に知られているところであり、
その上複数の蛍光放電管に関する安定器システムもまた
知られている。
しかし、先行技術による安定器システムの多くにおいて
は、その包含する切換回路のゲインは調整するか、整合
させるかする必要があり、この事は個々の電流ゲインに
関係なく、構成パワートランジスタの出力を本質的に等
しく保つため、ポテンショメータとか付加電子回路とい
った構成要素を追加する結果となる。このような要素の
追加は、そういう先行技術に基づく安定器システムの総
容積と価格を増加させてしまう。
その他、電源周波数の倍以上の周波数で動作する多くの
先行技術による安定器システムでは、動作周波数は一定
でなく、電源電圧あるいは負荷電流、若しくはその両者
によって変化するのである。この周波数が変動すること
に基づくそのような先行技術によるシステムは、複数の
蛍光灯の中の一本を電気的に全体回路から取去るとき、
フリッカ効果を生ずる原因となることがある。ある場合
には、蛍光灯の中の一本を回路から取去ると、第二の蛍
光管が全く消えてしまうということも起り得るのであ
る。
本発明の要約 本発明は、所定の周波数を有する本質的に一定発振信号
を得るため、電源に接続された周波数が制御される回路
を含み、少くとも一本のガス放電管を作動させるための
電源を有する、周波数安定化ゲイン制御安定器システム
に関するものである。本安定器システムは周波数制御回
路に結合されたスイッチング回路網を有しており、脈動
電流が所定の周波数において本質的に一定の発振信号に
応答することを得ている。スイッチング回路網によって
定まる脈動電流に応答する、ガス放電管の両端における
電圧を発生するためのスイッチング回路網、並びに周波
数制御回路に一つの誘導回路が結合されている。この誘
導回路には、スイッチング回路網のゲインの値を所定の
レベルに維持するための自動ゲイン制御回路がある。な
お、本発明は、本出願人による特公平04-40837に開示さ
れた安定器に関連し、これを改良している。
提案された実施例の説明 さて上記図面によれば、一対のガス放電管40及び40′の
中少くとも一つを作動させるための電源12を有する、周
波数安定化自動ゲイン制御安定器システム10が示されて
いる。ガス放電管40及び40′はそれぞれ第一のフィラメ
ント42,42′、第二のフィラメント44,44′を有する標準
蛍光形システムと考えてよい。
なお、以下のパラグラフにおいて述べるとおり、安定器
システム10は周波数制御機構の必要を満しているが、こ
の周波数制御機構は周波数安定化を考慮して、ガス放電
管40及び40′のどちらかがシステム10より電気的に除か
れたとき面倒なフリッカを生ずることなく普通に動作で
きるという利点がある。
図面によれば、ガス放電管40又は40′の少くとも一方を
作動させるための電源12を有する電子式安定器システム
10は、周波数制御回路11を含んでいるが、この回路は所
定の周波数の本質的に一定の発振信号を確定するため電
源12に結合されている。もっと全体的に考えると、安定
器システム10はスイッチング回路網13を含んでいるが、
これは所定の周波数で出される本質的に一定な発振信号
に応答する脈動電流を確立するための周波数制御回路11
と電気的に接続されている。誘導回路15が、スイッチン
グ回路網13で確立した脈動電流に応答するガス放電管40
並びに40′の両端に予め定められた電圧を作り出すため
に、周波数制御回路11とスイッチング回路網13の双方に
結合されている。以下のパラグラフに詳述するように、
スイッチング回路網13のゲインの値を所定のレベルに維
持するため、誘導回路15は自動ゲイン制御回路17を含ん
でいる。
更に図面によれば、電源12が周波数安定化自動ゲイン制
御電子式安定器システム10に電力を供給するため示され
ている。図面に示す実施例においては、電源12は、120,
240又は270Vといった標準電圧を持った交流電源、ある
いは受入れることのできる交流電源電圧の交流電源とし
て示してある。一般的に言えば、電源12は直流電源でも
よく、システム10の内部ででも外部からでも、以下のパ
ラグラフに述べるように、技術的によく知られているよ
うにブリッジ回路と波要素を取除くことによって電力
を供給する。説明するという目的上、電源12は以下のパ
ラグラフにおいて、説明しようとする実施例に対して交
流電源として記述することとする。
システム10に対する電気エネルギーは、電源12からスイ
ッチ14を経由して供給されるが、このスイッチは単極単
投(SPST)スイッチ機構といった標準化スイッチ要素で
かまわない。
電気は電力線16を通って整流回路18に入力され、電源交
流電圧が全波整流される。整流回路18は既知の標準的技
術である全波整流ブリッジ回路でよい。この全波整流ブ
リッジ回路18はダイオード20,22,24及び26で構成し、電
源12からの交流電圧について必要な整流を行うことがで
きる。
全波整流ブリッジ回路18で整流すると、出力ライン38を
脈動直流電圧信号が通過し、波回路36に印加される。
波回路36は整流回路18から出てくる脈動直流電圧を
波し、且つ出力ライン38でブリッジ回路18に電気的に結
合されている。
以下のパラグラフで更に説明する全体構成によれば、
波回路すなわち回路網36は脈動直流電圧信号を平均化し
て、事実上連続的な平滑化信号をシステム10に与えるの
である。整流すなわちブリッジ回路18は直流電源の戻り
道としてアース30につながっており、一方その反対側の
端は波回路36に直流電源入力を与えている訳である。
波回路36には、整流回路18に関して直列に結合された
チョークコイル32と、その両端に接続した一対のフィル
タコンデンサ28と34がある。最初のコンデンサ28は図面
に示すとおり、一端は出力ライン38とチョークコイル32
に電気的に接続され、他端はアース30につながってい
る。図に見るように、チョークコイル32は全波整流ブリ
ッジ回路18と電源入力ライン41とに関して直列に結合さ
れている。チョークコイル32は更に一端が最初のフィル
タコンデンサ28と出力ライン38に接続されており、他端
が第二のフィルタコンデンサ34につながっている。第二
のフィルタコンデンサ34は従ってチョークコイル32と電
源入力ライン41に接続しており、またアース30にも接続
されている。そして第二のフィルタコンデンサ34とチョ
ークコイル32との組合せが、全波整流ブリッジ回路18か
ら供給される120Hzの脈動直流電圧を平均化するように
働く。その上この組合せにより、システム10が必要とす
る電流を平均値に保つことができ、受入れられない程遅
れたり進んだりする力率を作ることがない。この不利な
位相の遅れや進みは、脈動直流電圧の平滑化に関するそ
れだけの波手段として大きなインダクタンスあるいは
大きなキャパシタンスが使用される場合には現れる可能
性がある。
説明のためチョークコイル32がシステム10に組込まれて
いないとすると、第二のフィルタコンデンサ34は、それ
が各サイクルにおいて充電を始めるとき、一般にサージ
電流と称している電流増加をひき起す。チョークコイル
32を組込むとそのインダクタンスが各サイクルの間中エ
ネルギーを蓄え、電源12から見て平滑化した平均電流を
供給する、第二のフィルタコンデンサ34の初期充電電流
を準備することになる。
ここで示す実施例においては、最初のフィルタコンデン
サ28とチョークコイル32の組合せが360Hzに同調するよ
う調整され、全波整流ブリッジ回路18が供給する120Hz
の脈動をする直流電圧に対して第3図高調波フィルタを
形成するように要素28と32の値が選ばれている。ある特
定の動作システムでは、第一のフィルタコンデンサ28は
250V無極性の2.0μFコンデンサが良い。またこのとき
チョークコイル32は約97.0mHのインダクタでよい。第二
のフィルタコンデンサ34は市販の100.0μF,250.0Vのコ
ンデンサである。
電源入力ライン41を流れる電流信号は、互に並列関係に
接続されているバイアス抵抗器52とバイアスコンデンサ
54に投入される。バイアス抵抗器52とバイアスコンデン
サ54とは、周波数制御回路11の発振制御トランス(変成
器)43の中央タップライン60に電気的に結合される。発
振制御トランス43は図に見られるとおり、誘導回路15と
電源12に結合された一次巻線45と一対の二次巻線47と48
がある。見ると分るように、発振制御トランスの一次巻
線45はその中央タップが電源入力ライン41に接続されて
いる。発振制御トランス43の二次巻線47は中央タップが
中央タップライン60に接続されている。発振制御トラン
ス43はこのようにして電源12に結合されており、中央タ
ップ付き一次巻線45並びに一対の二次巻線47及び48を有
し、二次巻線47もまた中央タップライン60が中央タップ
につながっている。中央タップライン60によって第二の
二次巻線47に設けられている中央タップは、この中央タ
ップに関して考えたとき反対極性の発振信号を作り出
す。
バイアス抵抗器52とバイアスコンデンサ54とはバイアス
電圧を作り、システム10に初めて電源が投入されたとき
発振を始めさせる。一つの動作システムでは、バイアス
抵抗器52は約470×103Ωの値がよく、バイアスコンデン
サ54は約1.0μFがよい。
電流制限抵抗器56と阻止ダイオード58が直列に中央タッ
プライン60に接続されている。ここで述べている発明の
概念にとって重要ではないけれども、電流制限抵抗器56
は約15.0Ωでよく、その消費電力定格は約0.5ワットで
ある。
電流制限抵抗器56と阻止ダイオード58の直列回路は、一
度システム10が発振位相に入ったら発振制御トランスの
第二の二次巻線47に発生する発振信号のアースへの帰線
のため設けられているものである。はっきりとわかるよ
うに、二次巻線47のバイアス回路は互に他と並列に接続
されたバイアス抵抗器52とバイアスコンデンサ54を含ん
でいる。この並列回路は中央タップライン60を介して発
振制御トランスの第二の二次巻線47の中央タップに関し
て直列に結合されていて、総合発振信号を開始させる。
実際、上記並列回路は、スイッチ14を閉の位置にすると
安定器システム10の動作を開始させる。また一度システ
ム10が発振し始めると、電流制限抵抗器56は中央タップ
ライン60と阻止ダイオード58とに対して直列に接続され
ているので、発振信号の戻り回路を与えることになる。
発振制御トランス43を含む周波数制御回路11は、第一の
二次巻線48に並列に結合された発振制御コンデンサ50を
も包含している。説明のためでけであるが、発振制御コ
ンデンサ50は例えば約0.001μFの値を有することがで
きる。
発振制御コンデンサ50の値と、第一の二次巻線48が与え
るインダクタンスとは、発振信号のための所定の周波数
を作り出す。発振制御トランス43の第一の二次巻線48の
インダクタンスと発振制御コンデンサとの並列組合せ
が、システム10用の安定な発振周波数を作り出す共振回
路を形成する訳である。この第一の二次巻線48のインダ
クタンスは巻線の巻数と、巻線が巻かれている磁芯材料
の特性とによって決る。発振の周波数は回路要素48と50
で決るのであるから、その周波数はシステム10が動作し
ている電圧や、負荷がとる電流とは無関係であることは
明かである。従ってシステム10は回路要素48と50の部品
定数によって予め定まる安定な周波数で動作し、システ
ム10、負荷、あるいは外部の配電システムなどのどこで
起る変動にも無関係である。
一つの動作実施例においては、発振制御トランスの一次
巻線45は#26番線を7.0回巻いたものでよく、電源入力
ライン41につながる中央タップを有し、従ってタップの
両側に3.5巻きずつがあることになる。発振制御トラン
スの第二の二次巻線47は#26番線を5.0回巻いたもので
よく、中央タップライン60につながる中央タップを有
し、従ってタップの両側に2.5巻きずつがあることにな
る。
第一の二次巻線48は#28番線を150.0回巻いたものでよ
く、発振制御トランス43はフェライトコアのトランスを
用いると満足に動作するが、これはガス放電管40及び4
0′を動作させている間飽和モードで働かせることがで
きる。
電子式安定器システム10はスイッチング回路網13を含む
ことは既に述べたが、その回路網13とは発振制御トラン
ス43と帰還(フィードバック)関係で結ばれているトラ
ンジスタ70及び70′の組より成る。この回路は発振信号
が生ずるのに呼応して電流信号のスイッチングを可能に
するものである。発振制御トランス43の二次巻線47に関
して、中央タップライン60に流入する電流は分割され、
第一のトランジスタライン62と第二のトランジスタライ
ン64の両方に流れ込む。第一及び第二のトランジスタ70
及び70′はそれぞれベース72,72′、エミッタ76,76′、
並びにコレクタ74,74′を有する。第一及び第二のトラ
ンジスタ70,70′はNPN形でよい。
第一及び第二のトランジスタライン62及び64の電流は、
それぞれ第一及び第二のトランジスタ70及び70′のベー
ス72と72′へ向って流れる。第一及び第二のトランジス
タ70及び70′の中の一つは、間違いなく他よりもわずか
に高いゲインを有している筈だから、先ず導通状態に
“on"される。第一又は第二のトランジスタ70あるいは7
0′の何れかが導通状態になると、もう一方のトランジ
スタを、トランジスタ70又は70′の中の一つが導通状
態、すなわち「on」状態にある時間間隔の間非導通状態
に保つことになる。
説明のため第二のトランジスタ70′が導通状態に入って
いると仮定すると、第二のトランジスタのコレクタ74′
の電圧レベルは、約1.0V以内で第二のトランジスタのエ
ミッタ76′の近くまで持ち越される。回路図でわかると
おり、エミッタ76′はインバータトランスのゲイン制御
二次巻線81に電気的につながっており、二次巻線81自身
はまたアース30に結ばれている。このようにしてベース
駆動電流の経路が完結する。第一のトランジスタ70のエ
ミッタ76はインバータトランスのゲイン制御二次巻線80
につながっており、二次巻線80は二次巻線81の場合と同
様にアース30に結合されている。
誘導回路15は前述したとおり、スイッチング回路網13に
電気的に接続されているインバータトランス78を含んで
いる。またインバータトランス78は周波数制御回路11に
も接続されており、一対のタップ付き一次巻線82と84、
複数の二次巻線102,104,106及びインバータトランスゲ
イン制御二次巻線80及び81を有する。誘導回路15は更に
一対の結合コンデンサ86と88をも包含しており、それら
はそれぞれの一次巻線82と84にも、ガス放電管40及び4
0′にも直列に接続されている。
こうしてインバータトランス78は第一のインバータトラ
ンス一次巻線82並びに第二のインバータトランス一次巻
線84を持っており、各一次巻線82と84は発振制御トラン
ス一次巻線45の両端にライン66と68を通じてそれぞれ結
合されている。
以下述べるように、インバータトランス78の一次巻線82
及び84はオートトランス構成を与えるようにタップが出
してある。特に、インバータトランスの第一の一次巻線
82は、その一部を第一のトランジスタ70のコレクタ74に
電気的に接続するトランジスタタップライン90をそのタ
ップに結合している。従って発振制御トランスの一次巻
線45は、インバータトランスの第一の一次巻線82の第一
の部分94へライン66を介して接続され、更にタップライ
ン90へ、そして第一のトランジスタコレクタ74へと結合
されている。同様に、発振制御トランスの一次巻線45の
反対側の端はライン68を介してインバータトランスの第
二の一次巻線84に接続され、更に第二のトランジスタの
コレクタ74′に接続された第二のトランジスタのタップ
ライン92に結合されている。
飽和トランスが帰還電圧の大きさによって駆動される先
行技術のシステムとは異り、提案する電子式安定器シス
テム10は電流駆動である。ある半サイクルの間は、第一
のトランジスタ70のコレクタ電流は発振制御トランスの
一次巻線45と共に帰還モードにある。それはこのコレク
タ電流は発振制御トランスの一次巻線45の半分を通じて
電源入力ライン41から流れ、次いでインバータトランス
の第一の一次巻線82の第一の部分94にライン66によって
結ばれ、そこから第一のトランジスタのタップライン90
を通って第一のトランジスタ70のコレクタ74に流れこむ
からである。
同様にして、第二のトランジスタ70′のコレクタ電流は
代った半サイクルの間、発振制御トランスの一次巻線45
に対する帰還モードにある。それはコレクタ電流が電源
入力ライン41から発振制御トランスの一次巻線45及び結
合ライン68を通って、インバータトランスの第二の一次
巻線84並びに第二のトランジスタのタップライン92へと
流れ、次いで第二のトランジスタ70′のコレクタ74′へ
と流れこむからである。
各半サイクルの間発振制御トランスの一次巻線45の中を
流れるコレクタ電流は、発振制御トランス43の鉄心を飽
和させる磁束を発生する。一次巻線45を流れることが出
来る最大電流は印加電圧を、一次巻線45の片方の半分の
インピーダンス、インバータトランスの第一の一次巻線
の第一の部分94又はインバータトランスの第二の一次巻
線の第一の部分98のインピーダンス、及び第一又は第二
のゲイン制御二次巻線80,81のインピーダンスの三者の
和で割ることによって決る。
この電流が増加を止めると、磁束は反転し、入力電圧で
は極めて少ししか変化しない発振の周波数を決める。飽
和に達すると磁束は急速になくなるから、発振制御トラ
ンス43の第一の二次巻線48に誘起される電圧は、第一の
二次巻線48のインダクタンスと発振制御コンデンサ50の
容量との積の平方根にπの値の2倍を乗じたものに等し
い周波数を有している。これは一次巻線45のインパルス
電流によって生じる強制振動であるから、第一の二次巻
線48に発生する電圧は第二の二次巻線47の第一の二次巻
線48に対するステップダウン巻数比だけ減小する。第一
の二次巻線48における電圧波形の形状は事実上正弦波で
あるが、第二の二次巻線47からベース駆動ライン62又は
64に加えられる電圧は、第一のトランジスタ70あるいは
第二のトランジスタ70′のベース-エミッタ接合のダイ
オード作用のクリッピング効果によって平に切取られ
る。従って、この電圧は導通時の間事実上一定の振幅を
持っており、「“off"」時間中はほぼ直線状である。デ
ューティファクタは電源電圧によって決る動作限界の間
で一定のままでいる。
第二のトランジスタ70′が「“on"」にスイッチングさ
れたとき、電流は電源入力ライン41から、発振制御トラ
ンスの一次巻線45の半分を通ってその中央タップを通り
ライン68へ流れこむ。この電流はインバータトランスの
第二の一次巻線84の第一の部分98を通って、第二のトラ
ンジスタタップライン92へ、次いで第二のトランジスタ
のコレクタ74′へ流れる。第二のトランジスタ70′は
「“on"」であるから、電流はコレクタ70′からインバ
ータトランスの第二のゲイン制御二次巻線81に結合され
ているエミッタ76′へ流れ、それからアース30に向う。
このアースはトランジスタ70′を通る電流路を完結す
る。第二のトランジスタ70′がとるコレクタ電流は発振
制御トランスの一次巻線45の一部を電流が流れるように
し、発振制御トランスの二次巻線47並びに48に電圧を誘
起する。発振制御トランスの第一の二次巻線48に誘起し
た電圧はシステム10内の発振周波数を確定する。また発
振制御トランスの第二の二次巻線47にも誘起電圧が発生
するが、これは“off"状態にあったトランジスタ70ある
いは70′が「“on"」となるようにバイアスされようと
する、所定の位相を有している。「“on"」状態にあっ
たトランジスタ70又は70′は巻線47の反対側の端にあ
り、そういうトランジスタは「“off"」状態になるよう
にバイアスされようとしている。
本例に関しては、電流は発振制御トランスの二次巻線47
の一端から、ライン62を通って第一のトランジスタ70の
ベース72に流れて、トランジスタ70を「“on"」状態に
する。第一のトランジスタ70に向う電流は電源入力ライ
ン41から、発振制御トランスの一次巻線45の中央タップ
を通って、更に巻線45の片側半分を通ってライン66に流
れ、このラインをインバータトランスの第一の一次巻線
82の第一の部分94に接続する。電流はこの後第一のトラ
ンジスタタップライン90を通って第一のトランジスタ70
のコレクタ74に流れる。トランジスタ70は「“on"」状
態にあるから、電流はコレクタ74からエミッタ76に流
れ、インバータトランスの第一のゲイン制御二次巻線80
を通じてアース30に流れる。
既に示されたように、このプロセスは繰返し性のもの
で、電源12がスイッチ14を介してシステム10に接続され
ている限り連続発振を生じる。
古典的トランジスタ理論からわかるとおり、あるトラン
ジスタのエミッタ電流はベース電流とコレクタ電流との
結合したものである。安定器システム10の動作では、例
えばトランジスタ70が「“on"」状態にあるとき、エミ
ッタ電流のベース電流成分はアース30から阻止ダイオー
ド58に流れ、それから電流制限抵抗器56を通ってタップ
ライン60へ、発振制御トランスの二次巻線47の片側半分
の巻線を通ってライン62を過ぎ、ベース72へと流れる。
ベース72から電流は、トランジスタのエミッタ76を経て
インバータトランスのゲイン制御二次巻線80を通り、ア
ース30に戻ってくる。次の半サイクル間は、第二のトラ
ンジスタ70′が「“on"」状態にあり、ベース電流はア
ース30から阻止ダイオード58、電流制限抵抗器56、中央
タップライン60を通って二次巻線47に達する。この巻線
47中の電流はライン64を通って第二のトランジスタ70′
のベース72′へ入り、それからベースエミッタ間接合7
2′,76′を経てインバータトランスの第二のゲイン制御
巻線81へ流れ、アース30に戻る。そこで今見てきたよう
に、安定器システムが発振状態にあるときは各半サイク
ルの間ベース電流の経路は完結されるのである。
発振制御トランス二次巻線47の中央タップはアース30に
関して負極性になるが、第一又は第二のトランジスタ70
又は70′のエミッタ電圧に関しては正極性となる。一般
に、発振回路が正しく動作するには、先行技術のシステ
ムに使用されるトランジスタは互いに極めてよく整合し
たものでなければならないか、あるいはトランジスタの
各ゲインが外部の部品によって一致したゲインとなるよ
うに調整する必要がある。明らかに、そういう方法は価
格の上昇と回路の複雑さを増すことになる。
周波数安定化自動ゲイン制御安定器システム10では、従
来技術では普通のことになっているような、トランジス
タの整合とか外部部品によるゲインの制御をマニュアル
で行うといったことを必要とせずに、ゲイン制御を達成
する独特の方法を備えている。安定器システム10は、イ
ンバータトランス78の複数の二次巻線の中80と81の一対
の巻線をはじめとする自動ゲイン制御回路17を包含して
いる。図面に明かに示すように、インバータトランスの
ゲイン制御二次巻線80及び81は、第一並びに第二のトラ
ンジスタ70及び70′のエミッタ76及び76′に結合されて
いる。以下のパラグラフに示すように、自動ゲイン制御
回路17の二次巻線80及び81は、第一及び第二のトランジ
スタ70,70′の各エミッタ76と76′に負帰還電圧を与え
るため所定の仕方で巻かれている。一次巻線82の第一の
部分94を通ってコレクタ電流が流れると、インバータト
ランスの第一のゲイン制御二次巻線80に誘起電圧が発生
し、その位相は第一のトランジスタ70のエミッタ76にア
ース30に対して負のバイアスをかける方向とし、第一の
トランジスタ70に負帰還を与える。この基準帰還電圧
は、第一のトランジスタ70のコレクタ電流である、一次
巻線82の第一の部分94を流れる電流に比例する。同様に
して、代る半サイクルにおいては、第二のトランジスタ
70′のコレクタ電流は第二の一次巻線84の第一の部分98
を流れ、第二のトランジスタ70′に負帰還をかけること
になる。
第一及び第二のトランジスタ70及び70′のコレクタ電流
はそれぞれのトランジスタのベース電流とゲインの関数
であるから、各トランジスタ70及び70′のベース電流が
事実上等しいと仮定すれば、コレクタ電流の差は各トラ
ンジスタ70及び70′のゲインに比例する。コレクタ電流
に比例する負帰還を与えることにより、各トランジスタ
70及び70′のゲインは予め決めた値に制御することがで
きる。負帰還は各トランジスタのゲインを所定の値、す
なわち製造業者が指定するトランジスタの最低ゲインよ
りも小さく制限するから、回路より見た各トランジスタ
のゲインは事実上等しくなる。
電流制限抵抗器56及び中央タップライン60中を流れるベ
ース電流は各トランジスタ回路を通る対称経路を経るの
で、実用上ベース電流は等しくすることができる。見か
け上のトランジスタゲインは両トランジスタ70と70′に
関して同じとなり、インバータトランスの第一及び第二
のゲイン制御二次巻線80及び81に発生する負帰還によっ
て自動的に制御される。
インバータトランスの第一及び第二のゲイン制御二次巻
線80又は81とアース30との間に現れるエミッタ帰還電圧
のそれぞれの極性、並びにベース72又は72′とアース30
との間に現れるベース駆動電圧は負であるけれども、そ
の相対的大きさは、ベース電圧がトランジスタ70及び7
0′の導通時中はエミッタ帰還電圧に関して正極性であ
る。「“off"」状態のときは、ベース電圧もエミッタ帰
還電圧もアース電位に関して正であるが、両者間の電圧
の差は、ベース72又は72′が対応するエミッタ76又は7
6′に関して約2.5Vだけ負にバイアスされる関係にあ
り、このため消減時間が速くなり、蓄積時間は短かく、
従ってトランジスタ70及び70′における電力消費が小さ
くなる。電源入力ライン41を通じて加えられる直流電圧
は電源12からの交流入力電圧の増加に伴って増加するか
ら、ベース電圧とエミッタ帰還電圧は共にその大きさが
増すが、相対的な両者の差は一定のまま残り、事実上選
んだトランジスタと電力出力の形式に対して0.7Vに等し
い。
図に示しここに説明している実施例においてインバータ
トランス78は、フェライト鉄心材のトランスであって、
トランス78の磁路にリラクタンス(磁気抵抗)を加え、
磁性材料が飽和するのを防ぐため0.040インチの空隙を
有する。特にシステム10においては、インバータトラン
スの一次巻線82と84はそれぞれ76.5回巻かれた第一の部
分94及び98、並びにそれぞれ16回の巻線より成る第二の
部分96及び100を持っている。またゲイン制御二次巻線8
0及び81は各3.0回巻線が巻かれている。またインバータ
トランス78のヒータ用二次巻線102,104,106は各々2.0回
の巻線より形成することができる。
既に前記したとおり、インバータトランスのタップ付き
一次巻線82と84は、この種の単巻変圧器(オートトラン
ス)構成では、一次巻線として作用する第一の部分94及
び98と、二次巻線として作用する第二の部分96及び100
とを有する単巻変圧器構成を設けるようにタップが出し
てある。こういう形式の構成では、一次巻線相当部分94
と98の電圧がそれぞれ、二次巻線相当部分96と100に起
る二次電圧に加えられる。
さてインバータトランス78に関しては、例えば導通状態
にあるトランジスタ70′のコレクタ74′を通り、一次巻
線相当部分98を通って電流は流れることがわかる。スイ
ッチングが起ると、トランジスタ70′は非導通状態にな
り、電流の急激な変化が起り、一次巻線相当部分98には
高電圧約240.0Vを、また二次巻線相当部分100には約80.
0Vを生ずる。これらは単巻変圧器構成のため加え合せら
れる。この加算電圧は第二の結合コンデンサ88に現れ
る。同様にして、98の部分の電圧と同様の高電圧が一次
巻線相当部分94に誘起する。96の部分は巻線部分100と
同様の電圧値を与える。それは単巻変圧器構成の巻線94
と96に発生した電圧は一緒に加え合され、第一の結合コ
ンデンサ86を介してガス放電管40に印加されるからであ
る。
第一のトランジスタ70が「“off"」状態にスイッチング
されるとき、第一の一次巻線82に誘起される電圧は、第
二のトランジスタ70′が「“off"」状態にスイッチング
されるとき巻線82に誘起される電圧と、事実上値は等し
く極性は反対である。従って、周波数制御回路11で確立
される、所定の周波数である交流電圧が発生することが
わかる。同様にして、第二の一次巻線84に誘起される電
圧もまた前記同様所定の周波数で交番し、第一の一次巻
線82に発生する電圧と位相が約180°異る。それはトラ
ンジスタ70と70′の何れか一つだけが一回の時間間隔で
は「“on"」か「“off"」かどちらかの状態をとること
ができるからである。
第一及び第二の結合コンデンサ86と88はそれぞれ、イン
バータトランス78のタップ付き一次巻線82及び84に接続
される。コンデンサ86と88はまた誘起電圧信号を放電さ
せるため、ガス放電管40と40′の第一のフィラメント42
と42′にも結合されている。フィラメントヒータ用二次
巻線102及び106は第一及び第二の結合コンデンサ86及び
88の各々に関してそれぞれ直列に接続されているが、こ
れらは一次巻線相当部分94及び98と、20巻線相当部分96
及び100とにそれぞれ誘起される電圧の和をガス放電管4
0及び40′に放電させるためのものである。
明かにわかるように、インバータトランス78のフィラメ
ントヒータ用二次巻線102と104はガス放電管40のフィラ
メント42及び44を加熱する。同様にしてインバータトラ
ンス78のフィラメントヒータ用二次巻線104と106はガス
放電管40′のフィラメント44′及び42′を加熱する。
蛍光管40及び40′中に放電される誘起電圧は電流を、フ
ィラメント42及び42′からフィラメント44及び44′へそ
れぞれ流させる。フィラメント44及び44′は共にフィラ
メントのリード線108を通ってアース30に結ばれてい
る。
ガス放電管40及び40′の第二のフィラメント44及び44′
はライン108と110によって互に並列に接続されている。
フィラメントヒータ用二次巻線104はガス放電管40及び4
0′の第二のフィラメント44及び44′と並列に結合され
ている。同様に、フィラメントヒータ用二次巻線102と1
06はそれぞれ第一のフィラメント42及び42′に並列に結
ばれている。従って、第一のフィラメント42及び42′は
フィラメントヒータ用巻線102と106によって加熱され、
第二のフィラメント44と44′はフィラメントヒータ用二
次巻線104からのヒータ電流を分ち合うことになる。巻
線104はアース30に結ばれているので、誘起放電電流の
電流経路を用意していることになる。
【図面の簡単な説明】
添付図面は本発明による周波数安定化自動ゲイン制御安
定器システムの回路図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−38971(JP,A) 特開 昭55−94586(JP,A) 実開 昭49−142779(JP,U) 特公 昭37−6691(JP,B1) 実公 昭36−30927(JP,Y1) 実公 昭59−15034(JP,Y1)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1対のガス放電管を動作させる電源を有
    し、次の構成を有する周波数安定化自動ゲイン制御安定
    器システム; (a)1次巻線(45)と2つの2次巻線(48、47)を有
    し、1次巻線のセンタータップが前記電源に接続され、
    第1の2次巻線(48)に並列に所定の周波数を規定する
    共振回路を構成する発振制御コンデンサ(50)が接続さ
    れた発振制御トランス(43)をふくむ周波数制御手段
    (11)、 (b)前記発振制御トランス(43)の第2の2次巻線
    (47)の両側にベース(72、72′)を接続し、前記所定
    の周波数で電流をスイッチングする、ベース(72、7
    2′)とコレクタ(74、74′)とエミッタ(76、76′)
    を具備する第1及び第2のトランジスタ手段(70、7
    0′)、 (c1)前記コレクタ(74、74′)に接続されるタップ
    (90、92)をもったオートトランス構成の1対の1次巻
    線(82、84)を有し、各1次巻線の一端をガス放電管
    (40、40′)に結合し、他端の各々を前記発振制御トラ
    ンス(43)の1次巻線(45)の両端に接続し、スイッチ
    ングされる電流に対応して1次巻線にフライバック電圧
    を誘起する、単一のインバータトランス(78)、 (c2)一端を基準点(30)に接続し、他端を前記エミッ
    タ(76、76′)に接続して、前記各トランジスタ手段の
    ゲインを所定値に保つための、前記インバータトランス
    (78)に巻回される1対の2次巻線(80、81)、 (d1)前記インバータトランス(78)の各1次巻線の一
    端と各ガス放電管の一方のフィラメント(42、42′)の
    間に接続され、前記フライバック電圧を放電管に結合す
    る第1及び第2の結合コンデンサ(86、88)、 (d2)前記各ガス放電管(40、40′)の他方のフィラメ
    ント(44、44′)を基準電位(30)に接続する手段。
  2. 【請求項2】前記発振制御トランスは、フェライト材に
    よるコアを有する特許請求の範囲第1項記載の安定器シ
    ステム。
  3. 【請求項3】前記発振制御トランスは、前記ガス放電管
    が作動したとき飽和モードで動作する特許請求の範囲第
    1項記載の安定器システム。
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