JPH0680536B2 - 光ヘツド - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （技術分野） 本発明は、例えば光学式記録ディスクに記録した情報を
再生したり、このようなディスクに情報を記録するため
の光ヘッドに関するものである。

（従来技術） 従来、記録媒体上に光スポットを照射する対物レンズ
を、その光軸と平行なフォーカシング方向およびこのフ
ォーカシング方向と直交するトラッキング方向に移動可
能に支持する支持機構と、対物レンズを前記フォーカシ
ング方向およびトラッキング方向に駆動する駆動機構と
を具える光ヘッドは既知であり、例えば特開昭59−1047
33号公報に記載されている。この既知の光ヘッドでは、
対物レンズを支持する支持部材をフォーカシング用板ば
ねを介して中継部材に連結し、この中継部材をトラッキ
ング用板ばねを介してベースに連結することにより、対
物レンズをフォーカシング方向およびトラッキング方向
に移動可能に支持している。

このような支持機構を採用する光ヘッドにおいては、対
物レンズをトラッキング方向に駆動すると、支持部材が
フォーカシング方向の軸のまわりにねじれ共振（以下こ
の共振をヨーイング共振と呼ぶ）を起こす。このため、
従来の光ヘッドにおいては、対物レンズの光軸および駆
動機構によって支持部材に作用する力の中心点（駆動
点）が支持機構のヨーイング共振の振動モードの節に一
致するように構成することによって、ヨーイング共振に
よるトラッキング制御への悪影響を除去するようにして
いる。

しかし、上記のように対物レンズの光軸および駆動点を
振動モードの節に一致させる構成にあっては、フォーカ
シング用板ばねおよびトラッキング用板ばねが短くな
り、フォーカシング制御およびトラッキング制御におけ
る低域感度が不足するという問題がある。この問題を解
決するには、フォーカシング用板ばねおよびトラッキン
グ用板ばねを長くすればよいが、このようにすると支持
機構の振動モードが変わり、対物レンズの光軸および駆
動点がヨーイング共振の振動モードの節からずれ、ヨー
イング共振によって正確なトラッキング制御ができなく
なる。このように、上述した支持機構を採用する光ヘッ
ドにおいては、ヨーイング共振による悪影響の除去と低
域感度の向上との間には相容れない問題があり、両者を
満足するものが得られなかった。また実開昭59−36030
号公報に、対物レンズを含む駆動体の駆動力を作用方向
の重心に一致させる調整体を設けた対物レンズ駆動装置
について開示されている。しかし当該先行技術には駆動
点と振動モードとの関係については説明がない。

（発明の目的） 本発明の目的は、上述した相容れない問題を同時に解決
し、ヨーイング共振に影響されることなく、しかも低域
感度を向上し得るよう適切に構成した光ヘッドを提供し
ようとするものである。

（発明の概要） 本発明は、記録媒体上に光スポットを照射する対物レン
ズと、この対物レンズを支持する支持部材と、この支持
部材をフォーカシング用板ばねを介して中継部材に連結
し、この中継部材をトラッキング用板ばねを介してベー
スに連結して、前記対物レンズをその光軸と平行なフォ
ーカシング方向およびこのフォーカシング方向と直交す
るトラッキング方向に移動可能に支持する支持機構と、
前記対物レンズを前記フォーカシング方向およびトラッ
キング方向に駆動する駆動機構とを具える光ヘッドにお
いて、 前記駆動機構によって前記対物レンズを前記トラッキン
グ方向に駆動する際に前記支持部材に作用する力の中心
点が、前記対物レンズの光軸から、該光軸および前記ト
ラッキング方向と直交する方向で、前記中継部材とは反
対側に離れた位置で前記支持機構の振動モードの節に一
致するように、前記駆動機構を構成したことを特徴とす
るものである。

（実施例） 第１図〜第４図は本発明による光ヘッドの一実施例を示
すものであり、第１図はその要部の分解斜視図、第２図
は平面図、第３図は側面図、第４図は断面図である。光
ディスクのような記録媒体上に光スポットを照射する対
物レンズ１は支持部材２に装着する。この支持部材２
を、対物レンズ１の光軸と平行なフォーカシング方向Ｆ
に変位させて光スポットを記録媒体上に集束させると共
に、記録媒体上の情報トラックおよび光軸と直交するト
ラッキング方向Ｔに変位させて、光スポットが情報トラ
ックを追従するようにするために、対物レンズ支持部材
２を支持機構を介してベース３に連結する。本例では、
この支持機構を一対のフォーカシング用板ばね4aおよび
4bと、中継部材５と、一対のトラッキング用板ばね6aお
よび6bとを以て構成する。一対のフォーカシング用板ば
ね4a,4bは、フォーカシング方向Ｆに見て互いに平行に
対向しながらフォーカシング方向およびトラッキング方
向Ｔに対して直交する方向に延在するように、それぞれ
の一端を支持部材２の側壁にあけた溝2aおよび2b内に装
着すると共に、他端を中継部材５にあけた上下の溝5aお
よび5b内に装着する。また、一対のトラッキング用板ば
ね6aおよび6bは、トラッキング方向Ｔに見てある角度α
を以て対向しながらフォーカシング方向Ｆおよびトラッ
キング方向Ｔとほぼ直交する方向に延在するように、そ
れぞれの一端の中継部材５に形成した左右の溝5cおよび
5dに装着すると共に、他端をベース３と一体に形成した
ポスト７および８に形成した溝7aおよび8aに装着する。
この一対のトラッキング用板ばね6aおよび6bの、中継部
材５における一端間の距離はポスト７および８における
他端間の距離よりも短くなっており、これらの板ばね6a
および6bが成す角度αは、例えば約30゜とするのが好適
である。このようにして対物レンズ１をフォーカシング
方向Ｆおよびトラッキング方向Ｔに移動可能に支持する
が、本例では一対のフォーカシング用板ばね4a,4bの、
フォーカシング方向Ｆおよびトラッキング方向Ｔと直交
する方向での長さ、および一対のトラッキング用板ばね
6a,6bの、フォーカシング方向Ｆおよびトラッキング方
向Ｔほぼ直交する方向での長さを、フォーカシング制御
およびトラッキング制御においてそれぞれ十分な低域感
度が得られる長さとする。

次に、対物レンズ１をフォーカシング方向Ｆおよびトラ
ッキング方向Ｔへ駆動する駆動機構について説明する。
本例においては、支持部材２のトラッキング方向Ｔに対
向する側面に一対のフォーカシングコイル9aおよび9bを
固着すると共に、これらフォーカシングコイルの外側に
一対のトラッキングコイル10aおよび10bを一体的に装着
する。フォーカシングコイル9aおよび9bはフォーカシン
グ方向Ｆに見て「ロの字」の形状をしているのに対しト
ラッキングコイル10aおよび10bはフォーカシング方向Ｆ
に見て「コの字」の形状をしている。これらのフォーカ
シングコイル9a,9bおよびトラッキングコイル10a,10bと
協働する磁界を発生する磁界発生部材は、磁性材料より
成る一対のヨーク11および12と、一方のヨーク11の両側
の脚部11aおよび11bに沿って装着した永久磁石13aおよ
び13bと、他方のヨーク12の両側の脚部12aおよび12bに
沿って装着した永久磁石14aおよび14bとを以て構成す
る。これらヨーク11および12は、それらの中央の脚部11
cおよび12cがそれぞれフォーカシングコイル9aおよび9b
の中に挿入されるようにベース３に固定する。また、フ
ォーカシングコイル9a,9bおよびトラッキングコイル10
a,10bに接続したリード線（図示せず）、支持部材２の
側面に設けた端子に接続した後、板ばね4a,4b,6a,6bに
ほぼ沿って延在させ、中継部材５にあけた孔5eを貫通さ
せてベース３に固着したプリント基板15の端子に接続
し、さらにここから回路へ接続する。

かかる構成において、フォーカシングエラーの大きさお
よび方向に応じた振幅および極性を有するフォーカシン
グ駆動電流をフォーカシングコイル9aおよび9bに流す
と、これらのコイルを通る磁界との相互作用によりフォ
ーカシングコイル9a,9b、したがって支持部材２および
対物レンズ１はフォーカシング方向Ｆに力を受け、一対
のフォーカシング用板ばね4aおよび4bの撓によってフォ
ーカシング方向Ｆに変位し、光ビームを記録媒体上に微
小な光スポットとして集束させることができる。また、
情報トラックに対する光スポットのずれの大きさおよび
方向に応じた振幅および極性を有するトラッキング駆動
電流を一対のトラッキングコイル10aおよび10bに供給す
ると、磁界との相互作用によりトラッキングコイル10a,
10b、したがって支持部材２および対物レンズ１はトラ
ッキング方向Ｔの力を受け、トラッキング用板ばね6aお
よび6bの撓みによって対物レンズ１はトラッキング方向
Ｔに変位することになる。しかし、このトラッキング制
御にあたっては、次の問題がある。

すなわち、本実施例においては、フォーカシング用板ば
ね4a,4bおよびトラッキング用板ばね6a,6bの長さを、フ
ォーカシング制御およびトラッキング制御における低域
感度を向上させるために長くしている。このため、支持
機構の振動モードが変わり、対物レンズの光軸および駆
動点が振動モードの節からずれ、ヨーイング共振によっ
て正確なトラッキング制御ができなくなる。

そこで、本例においては一体に装着した一対のフォーカ
シングコイル9aとトラッキングコイル10aおよびフォー
カシングコイル9bとトラッキングコイル10bを、対物レ
ンズ１の光軸から中継部材５とは反対側に離れた位置に
おいてトラッキング方向Ｔに対向するように支持部材２
の両側面に装着し、これにより第５図に示すように駆動
点Ｄをフォーカシング方向Ｆおよびトラッキング方向Ｔ
と直交する方向において対物レンズ１の光軸Ｏからずら
して支持機構のヨーイング共振の振動モードの節に一致
させる。

このようにして駆動点Ｄを振動モードの節に一致させれ
ば、ヨーイング共振に影響されることなく対物レンズを
正確に駆動制御することができる。

なお、本発明においては、少なく共トラッキング駆動機
構における駆動点を振動モードの節に一致させればよい
ので、上述した特開昭59−104733号公報に記載されてい
るように、フォーカシングコイルとトラッキングコイル
とを別体に設けたものにおいては、トラッキングコイル
を含むトラッキング駆動機構のみの装着位置を変更する
ことにより、有効に適用することができる。

（発明の効果） 以上述べたように、本発明によれば、ヨーイング共振に
影響されることなく、フォーカシング制御およびトラッ
キング制御の低域感度を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の光ヘッドの一実施例の構成を示す分解
斜視図、 第２図、第３図および第４図は同じくその平面図、側面
図および断面図、 第５図は光軸と駆動点との関係を示す図である。 １……対物レンズ、２……支持部材 ３……ベース 4a,4b……フオーカシング用板ばね ５……中継部材 6a,6b……トラッキング用板ばね 7,8……ポスト 9a,9b……フオーカシングコイル 10a,10b……トラッキングコイル 11,12……ヨーク 13a,13b,14a,14b……永久磁石 15……プリント基板

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】記録媒体上に光スポットを照射する対物レ
   ンズと、この対物レンズを支持する支持部材と、この支
   持部材をフォーカシング用板ばねを介して中継部材に連
   結し、この中継部材をトラッキング用板ばねを介してベ
   ースに連結して、前記対物レンズをその光軸と平行なフ
   ォーカシング方向およびこのフォーカシング方向と直交
   するトラッキング方向に移動可能に支持する支持機構
   と、前記対物レンズを前記フォーカシング方向およびト
   ラッキング方向に駆動する駆動機構とを具える光ヘッド
   において、 前記駆動機構によって前記対物レンズを前記トラッキン
   グ方向に駆動する際に前記支持部材に作用する力の中心
   点が、前記対物レンズの光軸から、該光軸および前記ト
   ラッキング方向と直交する方向で、前記中継部材とは反
   対側に離れた位置で前記支持機構の振動モードの節に一
   致するように、前記駆動機構を構成したことを特徴とす
   る光ヘッド。