JPH0680447B2 - 累進多焦点眼鏡レンズ - Google Patents

累進多焦点眼鏡レンズ

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JPH0680447B2
JPH0680447B2 JP60094383A JP9438385A JPH0680447B2 JP H0680447 B2 JPH0680447 B2 JP H0680447B2 JP 60094383 A JP60094383 A JP 60094383A JP 9438385 A JP9438385 A JP 9438385A JP H0680447 B2 JPH0680447 B2 JP H0680447B2
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astigmatism
progressive
lens
diopter
refracting surface
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康治 小宮
博義 小山
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    • G02C7/06Lenses; Lens systems ; Methods of designing lenses bifocal; multifocal ; progressive
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    • GPHYSICS
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    • G02C7/024Methods of designing ophthalmic lenses
    • G02C7/027Methods of designing ophthalmic lenses considering wearer's parameters

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、累進多焦点眼鏡レンズに関するもので、特に
広い遠用部、広い近用部及びこれらをつなぐ比較的広い
中間累進帯部を有し、なお、かつ被装用眼の視線移動時
に発生する像のゆれを極力少なくした累進多焦点眼鏡レ
ンズに関する。
(従来技術) 眼鏡レンズ用の累進多焦点レンズの提案、実用化は従来
から多く見られる。特に、遠用部や近用部を通しての静
的視における周辺部視野像や周辺部を通しての視野像あ
るいは遠用部から中間累進帯部をへて近用部への被装用
眼の視線移動に伴なう視野像の歪み、ゆがみ、波打ち等
の言わゆる「像のゆれ」の改良は、特公昭49−3595号及
び特公昭52−20211号によって提案されている。これら
両特許の特徴は、遠用部の屈折面曲率と近用部の屈折面
曲率の違いを周辺部で近ずけるようにするために、周辺
曲率を遠用部では主子午線から離れるに従って強くし、
逆に近用部で主子午線から離れるに従って弱くした点に
ある。この構成により、他の従来例に比して遠用部及び
近用部は狭くなったが、周辺部における像の曲がりを少
なくすることができる。
他方、上記両特許とは対照的な技術として、特公昭57−
53570号をあげることができる。この技術の特徴は、遠
用部、近用部のそれぞれの屈折面を略球面で構成し、こ
れにより前記両特許に比して光学的に広い遠用部及び近
用部を与えている。さらに「像のゆれ」に対する対策と
して、周辺部の残留非点収差の主軸方向を水平及び垂直
方向としている点にある。
(本発明が解決しようとする問題点) 特公昭57−53570号における問題点としては、遠用部、
近用部は光学的(光学的とは、例えばレンズメータ等に
よる光学器械の測定によればという意味であり、これに
対し被装用者の視覚生理学的な像の見え方を以下“生理
学的”と表現する)には広くなっているが、これらの領
域外の周辺部においては非点収差の発生が著しく、光学
的測定においても大きな円柱度として計測される。ただ
し周辺部における円柱軸方向は、水平あるいは垂直方向
にそろえられており「像のゆれ」はさほど感じない。
しかしながら実際の装用においては、この周辺部の非点
収差が原因して周辺視はほとんど不可能となっている。
また、中間累進帯や近用部を使用する場合、被装用眼の
網膜では、周辺視野は、ほとんど合焦していない像とし
て知覚される。この周辺部の非合焦状態は、ただでさえ
違和感を与えるものであり、特に読書等の文章解読に著
しい速度低下をもたらすと言われている。また、この周
辺部の非合焦状態は、生理学的に中間及び近用視野部の
狭さとして知覚される。すなわち、中間及び近用部は光
学的に像の良い部分は広くは計測されるが、それを越え
る周辺部ではその像が光学的に著しく悪くなっているた
めに、生理学的には中間、近用視野が狭く感じられると
いう欠点を有しいる。
他方、上述の特公昭49−3595号、特公昭52−20271号に
ついては、上記特公昭57−53570号と比較して遠用部、
近用部は光学的には狭いが、周辺部の非点収差の量が少
ないため、生理学的にはむしろ広く感じる。
しかしながら、その周辺部の非点収差はまだまだ多く、
遠用部や近用部を通しての静的視における像の曲がりは
改良されてはいるものの、視線の移動に伴う「像のゆ
れ」はまだ十分改良されているとはいえない。このよう
な問題点は、主子午線と直角に交わる断面で主子午線を
切断した場合の各断面曲線が少なくとも一つの円形形状
を含む2次曲線から成っている非球面形状にとどまって
いることに起因している。また、従来例の非球面屈折面
が微分幾何学で云うところの「へそ点」の追求からの面
形状である事による。もちろん光学的には出来るだけ
「へそ点」であることが好ましいが、生理学的観点から
は必ずしも、それが妥当であるとは言えない。
さらに、前述のいずれの従来例においても累進屈折面の
面形状の決定は、遠用部、近用部、中間累進部、及び周
辺部をそれぞれ1つの関数で与え、これらの境界部をあ
る条件で滑かに結ぶという、一種の多面体的構成として
いた。
ところで、決定された面形状をもつレンズの評価法は従
来は格子物体のそのレンズによる像のまがりで評価する
方法や、屈折面の微小領域毎の最大曲率(γmax)と最
小曲率(γmin)を求め として微小領域内の曲率差Asを求める。言換えれば、こ
の微小領域に立てた法線方向に入射してくる光線による
非点収差を求め、屈折面全体にわたる非点収差等高線で
求めるものであった。しかしながら、レンズの実際の装
用状態を考えるとき、上記法線方向からの光線を利用し
て物を見ることは現実的でなく、必ずしも正して評価法
とは言えなかった。さらに、従来、「像のゆれ」に対す
る十分な評価方法はなかった。
(本発明の目的) 本発明は上記従来の欠点を解消するためになされたもの
で、その目的は、「像のゆれ」を著しく減少させるとと
もに、周辺部の非点収差を少なくすることにより生理学
的に広い遠用視野、広い近用視野さらに広い中間累進帯
視野が得られる新規な累進多焦点眼鏡レンズの提供する
ことにある。
(本発明の構成) 本発明の構成上の特徴は、累進屈折面を従来のように部
分部分でそれぞれの関数を決めるのでなく、累進屈折面
全体を1つの関数として定める。より具体的には、 として表わされるn次べき関数で、構成した点にある。
なお、その両形状の決定に際しては、被装用眼の眼球回
旋中点を通過する光線について非点収差の評価を行って
決定するという、まったく新しい評価方法を確立して採
用し、また像のゆれ、屈折面の滑らかさについては、球
面収差スポート法を採用した点に注目すべきである。
(本発明の効果) 本発明によれば、従来例に比して「像のゆれ」を著しく
減少させ、また周辺部の非点収差の少ない、より装用
感、使用感のよい累進多焦点眼鏡レンズを提供すること
ができる。
(本発明の原理説明〕 第1図は本発明に係る累進多焦点眼鏡レンズの累進屈折
面を模式的に示した斜視図でである。本実施例では累進
屈折面はレンズの前側屈折面として構成され、後側屈折
面は球面またはトロイダル面として構成される。これに
よりレンズの球面屈折力や円柱屈折力、円柱軸角度は後
側屈折面の曲率半径を変化させることにより決められ
る。なお本発明は逆に前側屈折面を球面またはトロイダ
ル面とし、後側屈折面を累進屈折面としてもよい。以下
の説明は上述したように前側屈折面を累進屈折面とした
場合につき説明し、第1図にはその累進屈折面のみを図
示している。
第1図において、説明を理解しやすくするためにAの部
分は遠用部、Cの部分は近用部、Bの部分は中間累進
帯、Dの部分は周辺部と便宜的に区分するが、本発明に
おいては、この各部分毎に従来例のようにその面形状が
それぞれ一つ一つの関数として与えられるものではな
く、累進屈折面S全体が以下に記述する一つの関数とし
てあたえられる。
今、第1図に示すように、累進屈折面にX−Y−Zの3
次元座標系を考える。累進屈折面S上の点のZの値は、
Z=f(x・y)というxとyの関数として与えられ
る。このことは、逆にZ=f(x・y)として与えられ
るZを連続的に結びつけることにより面Sの形状は一義
的に決定できることになる。
一般に曲面は、 というn次のべき関数として表現できる。このように累
進屈折面を一つの関数としてとらえることの利点は、そ
の面形状が滑らかになり、非点収差を減少でき、像のゆ
れを著しく押えることが出来ることでる。しかし、上記
関数においてもその次数nが小さすぎると、B部、C
部、すなわち中間累進帯と近用部が形成出来ないし、逆
に次数nを大きくすると、光学的滑らかさが少なくな
り、非点収差の発生が多くなる。
そこで、次に最適な次数nの範囲につき具体的実施例を
示す。まず上述した一つの関数として得られた累進屈折
面を有するレンズの非点収差評価法について述べる。
第2a図はその評価法を模式的に示す図である。この評価
法は眼鏡レンズLを通過し、被装用眼Eの回旋点Qを通
過する光線lについて以下の式で非点収差を計算するも
のである。
第2b図は屈折面Rの入射光線lと屈折光線l′との関係
を示す座標系である。面Rの法線Nを軸とする直交座
標系−−、入射光線lの入射方向をZ軸とする直
交座標系x−y−z、曲Rにより屈折された入射光線l
の屈折光線l′をZ′軸とする直交座標系x′−y′−
z′をそれぞれ考える。そして法線Nに対する入射光線
lの方向をΦ(i)、屈折面光線l′の方向をΦ(w)
とする。入射光線l側の屈折媒質の屈折率をn、屈折面
Rの屈折媒質の屈折率をn′とすると両者の比は γ
=n/n′ 屈折面番号をj(j=1、2・・n:眼鏡レンズの場合は
j=1、2)とすると Ω=γcosΦ(i)+cosΦ(w) とすると屈折光線L′の屈折波面の垂直成分の曲率K1j
(w)は K1j(w)=γ⊥j(i)+Ω⊥j 屈折面光線l′の屈折波面の平行成分の曲率K
11j(w)は K11j(w) =γcos2Φ(i)K11j(i)/cos2Φ(w) +Ω11j/cos2Φ(w) 一方、捩率τ(w)は、 τ(w) =γτ(i)cosΦ(i)/cosΦ(w) +Ωτ/cos2Φ(w) として、それぞれ表わされる。次に、上記各成分をもと
に微分幾何学を使って主曲率を求める。まず、 を定義すると、屈折波面の極値KΦ(w)、KS
(w)はそれぞれ KΦ(w)=H(w)+ξ(w) ξS(w)=H(w)−ξ(w) として表わされる。また、主曲率の傾きは として表わされる。この第j番目の屈折面R1を射出した
光線l′を入射光線としてj+1番目の屈折面に対して
も上記と同様の演算を実行し、最終屈折面における極値
KΦ(w)、KS(w)から、最終面の射出点からの像距
離は 1/fs=Ks(w) 1/fΦ=KΦ(w) として与えられ、像の非点収差Asは As=(1/fs−1/fΦ)×1000(単位:ディオプター) として求められる。
本願の累進多焦点レンズにおける上記像距離1/fs、1/f
Φの光学的模式図を第2c図に示す。J番目の屈折面が累
進屈折面であり、(J+1)番目の屈折面は球面として
ある。本願ではJ=1、すなわち累進屈折面が第1面、
球面が最終面である2面構成である。
(従来の技術の評価) 第3図は上記の評価法にもとずく従来の累進多焦点レン
ズの非点収差等高線を示している。ここで使用したレン
ズは、前側屈折面が累進屈折面であり、遠用部Aを球面
(または非球面)、近用部Cを球面(または非球面)と
し中間累進帯部Bは近用加入度数に従い「へそ点」とな
るように構成し、周辺部DはこれらA、B、Cの各部を
ある所定条件で滑らかにつないだ面形状をもっている。
その後側屈折面は曲率半径γ=100m/mであり、レンズ
中心厚はt=2m/m、レンズの屈折率Nl=1,500とし、そ
のレンズの遠用度数S=0.00ディオプター、近用加入度
数Add=2.00ディオプターをもつレンズである。
第3図に示した等高線は被装用眼が回旋点を中心に回旋
し、レンズの種々の方向を通して遠方視したときの平行
入射光束によるレンズ面(累進屈折面)における使用光
束部分毎の非点収差量を結んだ等高線である。図中1.0
と附された等高線は非点収差が1.0ディオプターを意味
する。等高線は0.1、0.5、1.0、1.5、2.0ディオプター
のものを示した(0.1ディオプター等高線は近用部Cの
もののみを示した。以下同じ)。この第3図の結果か
ら、この従来型のレンズは、遠用部Aはその大部分が非
点収差がゼロとなり、近用部Cも狭い範囲内ではあるが
非点収差はゼロの領域をもっている。それに比較して周
辺部Dは最高2.0ディオプターまでの非点収差が現わ
れ、各等高線の遊びも大きく乱れている。このことより
周辺部Dの面形状は著しく悪いものとなっていることが
わかる。
(第1実施例) 第4図は本発明に係る累進多焦点眼鏡レンズの第1の実
施例の非点収差等高線図である。第1の実施例は、前述
の従来例と同様に前側屈折面を累進屈折面としその面形
状は前記第(1)式のn次べき関数において次数nをn
=10とした面形状で構成される。他の構成ファクターす
なわち後側屈折面の曲率半径r、中心厚t、レンズの
屈折率、Nl、近用加入度数Add及び遠用度数Sは上述の
従来例と同じ値をもつつ(以下第2ないし第4実施例に
ついても次数nのみ変化させ、他の構成ファクターは従
来例と同じとする)。
ここで第4図の本願第1実施例の非点収差等高線を第3
図の従来例のそれとを比較すると、周辺部Dの非点収差
(各等高線の走る面積)が少ないことが理解できる。ま
た各等高線間の間隔を広く、この走り方も滑らかであ
り、このことより面形状が極めて滑らかであることが明
瞭にわかる。
眼鏡レンズ、特に累進多焦点レンズの評価では、前述し
たように生理学的な評価が必要となる。例えば、視力1.
2の人にC=+1.0ディオプターの円柱レンズを装用させ
て視力を測定すると、その人の視力は0.7〜0.8程度に低
下するが、決してゼロにはならない。本発明者は種々の
装用テストの結果 非点収差が0.25〜0.50ディオプターでは装用者に不
快感を与えない。
非点収差を徐々に加入すること(非点収差の等高線
間隔がゆるやかに変化する)は装用者に違和感を与えな
い。
像が非合焦状態であることを知覚できるのは非点収
差が1.0ディオプター前後である。
以上の生理学的な装用テスト結果から、第3図と第4図
を比較すると、本発明(第4図)は、近用部Cの上方に
おいて累進帯部Bの近くで従来例同様0.50ディオプター
と非点収差等高線が狭くなるが、装用者眼の瞳径(例え
ば4m/mΦ)を考慮すれば0.50ディオプターの非点収差は
生理学的に問題とならない。このことは、従来例におい
て理想的な非点収差ゼロのへそ点構成の面を使用して
も、累進帯中で遠用光線中心から15m/mの位置で加入度
2.0ディオプターのレンズを考えた場合、瞳径を4m/mΦ
とすると、装用眼の瞳はその上部と下部とで (2.00/15)×4=0.53Dptr の屈折力の違いを有するにもかかわらず生理学的になん
ら問題にならなかったことからも、本願の累進帯部の0.
50ディオプターの非点収差は問題にならないことが裏付
けされる。
累進帯部の周辺の非点収差等高線は、従来例(第3図)
に比して本発明(第4図)の方がなだらかな傾斜をもっ
ており、特に非合焦状態の評価境界となる1.0ディオプ
ターの非点収差は著しく改良されている。また、近用部
Cも、光学的に0.5ディオプター非点収差等高線で比較
すると、従来(第3図)の方が広いように思われるが前
述したように生理学的観点から見れば本発明(第4図)
の方が非点収差等高線の傾斜及び分布が滑らかとなり広
い近用視野として知覚できる長所を有する。しかし、0.
1ディオプターの等高線領域内(ゼロディオプター領
域:斜線部)は従来例に比して狭くなっている。これは
次数nが小さいためである。
次に、「像のゆれ」について本発明を従来例と比較す
る。本発明では、「像のゆれ」評価に球面収差スポット
法という新しい評価方法を確立して利用した。この球面
収差スポット法は、従来球面レンズの収差状態を見るた
めの方法として応用されたものであるが、第5図に模式
的に示すように被検レンズLの全面に平行光線を入射さ
せ、レンズ後面から一定距離P′の所でその光線のスポ
ットダイアフラムを見るという方法である。これを上述
の従来例や本実施例のように遠用度数0.00ディオプタ
ー、近用加入度2.00ディオプターのレンズの評価に利用
する場合、評価面を図示のよううに例えばP′=500m/m
にとれば、近用部光学中心を通る光線のみが評価面上に
収束され、周辺部、累進帯部、遠用部と近用光学中心か
ら遠ざかるにしたがって、拡散の程度が大きくなるスポ
ットダイヤグラムが得られる。そして、このスポットの
拡散の不規則性が面形状の滑らかさの低いことを示す。
そしてこのスポットダイヤグラムの不規則性と装用テス
トによる「像のゆれ」の知覚量との間には相関関係があ
ることが本発明者の装用テストからわかった。
第6A図は評価面距離P′=400の場合の、第6B図は評価
面距離P′=500の場合の従来例のスポットダイヤグラ
ムをそれぞれ示している。また、第7A図、第7B図はそれ
ぞれ評価面距離P′=400m/m、P′=500m/mの本発明に
よるレンズのスポットダイヤグラムを示している。これ
らの第6A図ないし第7B図から本発明は従来例に比して周
辺部の面形状が極めて滑らかであり、このことは、「像
のゆれ」が極めて少ないということを示している。
(第2実施例) 第8A図は、第(1)式の次数nをn=16としたときの非
点収差等高線図であり、第8B図はこの第2実施例におけ
る球面収差スポットダイヤグラムを示している。この第
2実施例では近用部Cにおける0.1ディオプター以下の
非点収差分布が比較的狭くなっている。レンズメーター
で近用部の屈折力を光学的に測定する場合、0.1ディオ
プター以上の非点収差は視覚できるため0.1ディオプタ
ーの範囲が狭いことは欠点となる。近用部の非点収差分
布は次数が低くなるにしたがって低ディオプターの非点
収差領域が狭くなり、生理学的には問題ないが光学的に
は、次数n=16が実用上の下限と言える。また、第8B図
に示すように、スポットダイヤグラムからも周辺部から
遠用部にかけ、少し湾曲した分布をもち「像のゆれ」が
少しあることがわかる。
(第3実施例) 第9A図は、本発明の第3の実施例を示すもので第(1)
式の次数nをn=20として、 r=100m/m、S=0.00ディオプター、 t=2m/m、Add=2.00ディオプター、 Nl=1.500である、累進屈折面を構成したレンズの非点
収差等高線図であり、第9B図は、そのスポットダイヤグ
ラムである。
なお、本実施例における係数aαβは第11図に示す値を
もつ。第11図は横行にαの値を縦列にβの値を示し、こ
れら各α、βの組合せで表わされる係数aαβの値を表
示している。また、係数値の右側の( )内の値は指数
を示している。例えば、α=2、β=3で与えられる係
数a23は、a23=−0.512×102=−51.2であることを示し
ている。本発明の累進屈折面は、第11図から明らかなよ
うにαが奇数のとき、係数aαβがゼロとなる偶関数で
構成されている。
この第3実施例は、第2実施例に比して近用部の0.1デ
ィオプター非点収差等高線領域が広くなり、生理学的に
はもちろん光学的にも十分実用になると言える。また、
第9B図のスポットダイヤグラムのスポット分布状態も極
めて滑らかで、「像のゆれ」が極めて少ないことが理解
できる。
(第4実施例) 第10A図は第(1)式において次数nをn=24とした累
進屈折面をもつレンズの非点収差等高線図であり、第10
B図はそのレンズのスポットダイヤグラムである。
近用部Cの0.1ディオプター非点収差等高線の広さは第
3実施例よりさらに広くなっているが、周辺部Dにおけ
る非点収差等高線の分布が第1ないし第3実施に比して
て悪化しており、周辺部の面形状の滑らかさの低下と、
非点収差量の増大がわかる。このことは第10B図のスポ
ットダイヤグラムのスポット分布にも明確に表われ、
「像のゆれ」が多いことがわかる。この周辺部の非点収
差の増加と「像のゆれ」の増加は次数がより高くなるに
従って顕著となり、光学的及び生理学的な実用限界は次
数n=24と言える。
なお、係数aαβについては、近用加入度数Addや、後
側屈折面のカーブ値(曲率半径r)すなわち遠用度数
S及び/または円柱度数やその軸角度や、累進屈折面の
次数nによって変化する。特に次数nが大きくなる程、
係数aαβの指数(表1の各係数値の右側の( )内の
数字)が大きくなる。次数nを10n24とするときの
係数aαβの範囲を第12図に示す。第12図において例え
ばα+βが3のときaαβが±1×102とは、係数a03
a12、a21及びa30はすべて−102a03、a12、a21 or a
30102の係数を持つことを示している。なお、本発明
の累進屈折面は偶関数で構成されるため、前述したよう
にαが奇数であるa12はa12=0の係数値をとる。表2は
この場合も含めて表わしていると解釈されたい。また、
非点収差除去の観点からみると、第(1)式の次数nの
方が係数aαβよりもはるかに大きなファクターとして
働き、同一次数であれば係数が少し変化しても非点収差
量はそれ程変化しない。
【図面の簡単な説明】
第1図は、累進屈折面と座標系との関係を示す説明図、
第2図は本発明の非点収差評価法を説明するための図、
第3図は比較従来例の非点収差等高線図、第4図は本発
明の第1の実施例の非点収差等高線図、第5図は球面収
差スポットダイヤグラム法を説明するための図、第6A
図、第6B図は従来例のスポットダイヤグラム、第7A図、
第7B図は第1実施例のスポットダイヤグラム、第8A図は
本発明の第2の実施例の非点収差等高線図、第8B図はそ
のスポットダイヤグラム、第9A図は本発明の第3の実施
例の非点収差等高線図、第9B図はそのスポットダイヤグ
ラム、第10A図は本発明の第3の実施例の非点収差等高
線図、第10B図はそのスポットダイヤグラム、第11図は
第3実施例における係数aαβを示す表、第12図は本発
明の係数aαβの取りうる範囲を示す表である。 L……レンズ、S……累進屈折面、A……遠用部、B…
…中間累進帯部、C……近用部、D……周辺部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 孝二 東京都板橋区蓮沼町75番1号 東京光学機 械株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−48017(JP,A) 特開 昭59−58415(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】前側屈折面と後側屈折面のいずれか一方の
    屈折面は、遠用部、近用部、さらに該遠用部より該近用
    部に面の屈折力が連続的に変化する中間累進帯部を有す
    る非球面で構成され、他の屈折面は球面またはトロイダ
    ル面として構成された累進多焦点レンズにおいて 前記非球面を であり、aαβの範囲が、 として表わされる偶関数のn次べき関数で構成されてい
    ることを特徴とする累進多焦点眼鏡レンズ。
  2. 【請求項2】上記次数nは、16n24であることを特
    徴とする特許請求の範囲第(1)項記載の累進多焦点眼
    鏡レンズ。
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