JPH0680046A - 車両の限界判定装置 - Google Patents

車両の限界判定装置

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JPH0680046A
JPH0680046A JP23483292A JP23483292A JPH0680046A JP H0680046 A JPH0680046 A JP H0680046A JP 23483292 A JP23483292 A JP 23483292A JP 23483292 A JP23483292 A JP 23483292A JP H0680046 A JPH0680046 A JP H0680046A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は走行不安定状態を検出すると共に所
定の不安定状態を越えているかを判定する車両の限界判
定装置にに関し、車両の走行予定路を安全に走行できる
状態であるか否かを判断して運転者に対して車両の走行
状態または路面状態に合った的確な情報の供与を行うこ
とを目的とする。 【構成】グローバルポジションシステム(GPS)によ
り自車位置を検出する(ステップS1)。自車位置と進
行方向より走行予定路を推定する(ステップS2)。道
路地図データから走行予定路の道路状況を検索し、その
道路状況から車両が安全に走行できる限界値に相当する
しきい値Sを演算する(ステップS3)。車両に搭載さ
れた各種センサの出力信号を基に車両の滑り量に相当す
る車両走行状態LMAX を推定する(ステップS4)。L
MAX ≧SH となったら車両が不安定状態であると判定し
て警報ランプを点灯する(ステップS5)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両の限界判定装置に係
り、特に車両のスリップ等の走行不安定状態を検出する
と共に、所定の不安定状態を越えているかを判定する車
両の限界判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両の走行不安定状態(例え
ばスリップ)を検出し、この信号を処理して車両の走行
状態を自動的に安定化させる制御装置が知られている
(特開昭62-146762号公報)。
【0003】一般にこの種の制御装置においては、車両
の走行状態を検出する検出手段を有すると共に、この検
出手段によって得られた値と比較するための所定のしき
い値を有している。このしきい値は、検出手段によりえ
られた値と比較することにより、その走行状態が不安定
状態であるか否かを判定するために設定される値であ
る。
【0004】そして、車両の走行状態が上記しきい値を
越えた場合には、その車両が走行不安定状態であると判
定し、警報音響または警告ランプ等の表示手段により、
車両の運転者に車両が走行不安定状態であることを所定
時間に亘って報知する。運転者はこの表示手段を確認す
ることにより運転上の注意を行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の制
御装置においては、上記表示手段を作動させるためのし
きい値は、予め設定された固定値が使用されている。従
って、表示手段の作動は、車両が走行する道路状況の変
化にかかわらず、常に車両の走行状態が一定レベルを超
えた場合に行われる。
【0006】このため、例えば、幅の広い直線道路の路
面上に一箇所だけスリップする場所があり、全体の走行
には影響しないような場合であっても、そのスリップの
みを検出して表示手段が作動し、運転者に対して余計な
不安を抱かせてしまう。すなわち、上記従来の車両の限
界判定装置における表示手段の作動方法は、実際の車両
運転に効果的に適合していない。
【0007】そこで、本発明は上記課題に鑑みてなされ
たものであり、車両の走行予定路を推定し、その走行予
定路を車両が安全に走行できる状態であるか否かを判断
することにより、運転者に対して車両の走行状態または
路面状態に合った的確な情報の供与を行うことができる
車両の限界判定装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、図1の原
理図に示すように、車両の走行状態を走行状態検出手段
M1で検出し、該走行状態検出手段M1により検出され
た検出値と所定のしきい値とを比較することにより、前
記走行状態が基準走行状態よりも不安定状態であるか否
かを車両状態判定手段M2で判定する車両の限界判定装
置において、予め道路情報を記憶した道路情報記憶手段
M3と、前記車両の現在の位置を検出する位置検出手段
4と、前記道路情報記憶手段3が記憶している道路情報
と前記位置検出手段4が検出する前記車両の位置とに基
づいて前記車両の走行予定路を推定し、前記道路情報記
憶手段3から該走行予定路の道路状況を読み出す道路状
況検索手段5と、該道路状況検索手段5で検索された前
記走行予定路の道路状況を基に、前記車両が前記走行予
定路を前記基準走行状態で走行できる値に、前記しきい
値を設定するしきい値設定手段6とを有する車両の限界
判定装置により解決される。
【0009】
【作用】上記構成の車両の限界判定装置において、前記
道路情報検索手段M5は、前記道路情報記憶手段M3が
有する道路地図情報と、前記位置検出手段M4で検出さ
れる車両の位置情報を基に、前記車両が走行中の道路
と、走行位置および走行方向を特定し、走行予定路を推
定する。そして、この走行予定路に関して、幅員やカー
ブの曲率、制限速度等の情報を、前記道路情報記憶手段
M3から読み出す。
【0010】前記車両状態判定手段M2は、前記走行状
態検出手段M1によって検出された検出値と、前記しき
い値設定手段M6で設定されたしきい値とを比較して、
前記車両の走行状態が所定の基準走行状態よりも不安定
状態であるかどうかを判定する。
【0011】前記しきい値設定手段M6は、前記道路情
報検索手段M5で検索された走行予定路に関する道路情
報を基に、前記車両がこの走行予定路を安全に走行する
ことができるしきい値を設定する。このため、前記車両
状態判定手段M2では、走行予定路を走行する際の車両
状態判定、すなわち車両状態の予測判定が行われる。
【0012】
【実施例】次に、本発明に係る車両の限界判定装置の構
成をより一層明確にするために、適切な実施例に基づい
て説明する。
【0013】図2は本発明に係る車両の限界判定装置の
一実施例を適用した車両のシステム構成図を示す。
【0014】この車両10は、左右前輪FW1,FW2
を操舵する前輪操舵装置20と、前記位置検出手段およ
び前記道路情報記憶手段に相当するグローバルポジショ
ニングシステム(GPS)30と、車両の走行不安定状
態を検出する電気制御装置40を備えると共に、車両の
不安定状態を運転者に警告する表示装置50を有してい
る。
【0015】前輪操舵装置20は、ハンドル21を上端
に固定した操舵軸22を備えている。操舵軸22の下端
はステアリングギヤボックス23内にて軸方向に変位可
能に支持されたラックバー24に接続されていて、同バ
ー24はハンドル21の回動に応じて軸方向に変位す
る。ラックバー24の両端にはタイロッド25a,25
b及びナックルアーム26a,26bを介して左右前輪
FW1,FW2が接続されていて、左右前輪FW1,F
W2はラックバー24の軸方向の変位に応じて操舵され
る。
【0016】GPS30は、地上20,000kmの軌道面に配
置された衛星からの電波を捕らえて自己の位置を検出す
る位置検出装置31と、前記道路情報記憶手段M3に該
当し、道路地図および各道路の制限速度,カーブ半径,
幅員等の情報を記憶した情報記憶用リードオンリメモリ
(ROM)32とから構成される。
【0017】位置検出装置30は、前記位置検出手段M
4に該当し、上空の異なる位置に配置された3つの衛星
からの距離を、“電波伝播時間×電波速度”として測定
し、それらが一点で交わる位置を3次元的に求めて自己
の位置と判断する。また、それぞれの電波のドップラー
効果を測定することにより、3次元的に速度を検出する
事もできる。尚、このシステムによれば、常時十数m の
精度で自己の位置を検出することができる。
【0018】電気制御装置40は、マイクロコンピュー
タ41および各種のセンサ等から構成されている。
【0019】マイクロコンピュータ41は、後述する図
3,4,13,14に示すフローチャートに対応したプ
ログラムを記憶しており、同プログラムを実行すること
により、車両の走行状態を検出して、走行不安定状態を
運転車に警告するための車両の限界判定を行う。
【0020】また、このマイクロコンピュータ41はR
OMにより構成されたテーブルを有し、同テーブルには
前記プログラムの実行時に利用される各種係数等(図5
〜12参照)および評価値GB0,GB1,Tr,Lx,L
Y ,γ0 ,a,b,Lz(図15〜17,図19〜24
参照)が記憶されている。
【0021】マイクロコンピュータ41の入力には、前
輪操舵角センサ43,車輪速センサ44a〜44d,ヨ
ーレートセンサ45,前後加速度センサ46,横加速度
センサ47,電子制御式変速機システム(ECT)48
およびスロットル開度センサ49が接続されている。こ
こで、ECT48はマイクロコンピュータ41に、シフ
トポジションを知らせるための信号を供給している。
【0022】前輪操舵角センサ43は操舵軸22に組付
けられ、同軸22の回転角を検出することにより前輪操
舵角θを検出して、同操舵角θを表す検出信号を出力す
る。車輪速センサ44a〜44dは各前輪FW1,FW
2および各後輪RW1,RW2の近傍に設けられ、各輪
FW1,FW2,RW1,RW2の回転速度V
FL, FR,VRL,VRRを検出して、同回転速度VFL,
FR,VRL,VRRを表す検出信号をそれぞれ出力する。
【0023】ヨーレートセンサ45は車体の重心位置に
固定され、垂直軸回りの車体の回転角速度を検出するこ
とによりヨーレートγを検出して、同ヨーレートγを表
す検出信号を出力する。前後加速度センサ46も車体に
固定され、車両の前後方向の加速度Gxを検出して同加
速度Gxを表す検出信号を出力する。横加速度センサ4
7も車体に固定され、車両の横方向の加速度GY を検出
して同加速度GY を表す検出信号を出力する。
【0024】また、マイクロコンピュータ41の出力に
は表示制御回路51とランプ52とからなる表示装置5
0が接続されている。このランプ52には例えば「走行
不安定状態」と記されており、表示制御回路51により
点灯、消灯が制御される。従って、運転車はランプ52
の点灯により車両が走行不安定状態であることを認識す
ることができる。
【0025】次に、上記のように構成した本実施例の動
作について説明する。
【0026】上記マイクロコンピュータ41は、コンピ
ュータ41内に記憶された図3,図4,図13,図14
のフローチャートに対応したプログラムに従い、前記し
た走行状態検出手段M1、車両状態判定手段M2、道路
状況検索手段M5およびしきい値設定手段M6を実現
し、車両の走行状態を検出して車両の走行不安定状態を
運転車に警告する車両走行状態の限界判定を行う。
【0027】先ず、本実施例装置における車両の限界判
定の処理内容を図3に示すフローチャートをもとに説明
する。図3はマイクロコンピュータ41が実行する車両
の限界判定処理のメインルーチンのフローチャートを示
す。
【0028】イグニッションスイッチ(図示せず)が投
入されると、マイクロコンピュータ41はプログラムの
実行を開始し、ステップS1にて位置検出装置31を用
いて自車位置の検出を行う。自車位置が検出できたら、
ステップS2へ進む。
【0029】ステップS2は、前記道路情報検索手段M
5に該当し、上記ステップS1で検出した自車位置と道
路情報記憶用ROM32が記憶している道路地図に関す
る情報とを基に、車両の進行方向と現在走行している道
路とを特定し、走行予定路を推定する。尚、走行予定路
は、現在走行している道路上において所定時間後に走行
するであろう位置とし、例えば進行方向100m 前方と
推定する。
【0030】ステップS3は、前記しきい値設定手段M
6に該当し、車両が走行予定路を安定した状態で走行で
きるようなしきい値SH を演算する。このしきい値SH
は、図4において後述するように走行予定路を走行する
際の理想ヨーレート,安全速度,適正ステアリング角お
よび適正スロットル開度から求められる値で、車両が適
正状態を保持できる限界値に相当する。
【0031】また、ステップS4では、車両走行状態L
MAX の推定を行う。この車両走行状態LMAX は、図13
および図14において後述するように、車両の前後方向
の車輪の滑り量に対応した第1評価値LX ,同横方向の
車輪の滑り量に対応した第2評価値LY ,車両の重心を
通る垂直軸回りの車輪の滑り量に対応した第3評価値L
Z 夫々のベクトル和であり、車両全体としての滑り量に
相当した値である。尚、このステップS4は前記走行状
態検出手段M1に該当し、上記車両走行状態L MAX は、
前記走行状態検出手段M1によって検出される検出値に
該当する。
【0032】ステップS5では、上記しきい値SH と、
上記車両走行状態LMAX との比較を行い、車両の走行状
態がしきい値SH で規定された所定の基準走行状態より
も不安定状態であるかどうかを判定する。従って、この
ステップS5は、前記車両状態判定手段M2に該当す
る。
【0033】また、ステップS5では、上記の判定と共
に表示装置50の制御も行っている。すなわち、車両の
走行状態が所定時間(TL1)継続して基準走行状態より
も不安定状態であると判定された場合(LMAX ≧SH
場合)、危険を表示するためのランプ52を点灯し、そ
の後所定時間(TL2)継続して安定状態であるとされた
場合(LMAX <SH の場合)ランプ52を消灯する。
【0034】以上のようにステップS1〜S5までの間
において1回のルーチンが終了し、このルーチンが繰り
返し実行される。
【0035】次に、図3中、ステップS3に相当するし
きい値SH の演算手順について説明する。図4は、しき
い値SH を演算するためにマイクロコンピュータ41が
行うサブルーチンのフローチャートを示す。尚、このサ
ブルーチンは上記ステップS3で行われる処理に相当す
る。
【0036】この処理が起動すると、先ず、図3のステ
ップS2で推定した走行予定路に関する道路情報(制限
速度,カーブ半径R,幅員W)を、道路情報記憶用RO
M32から読み出す(ステップ101)。
【0037】次に、ステップ102に進み、マイクロコ
ンピュータ41内のROMが有するテーブル(図5参
照)から、走行予定路を走行する際の理想ヨーレートを
読みだす。一般に、制限速度が高くカーブ半径が小さい
道路ほど高速旋回が行われるから、図5に示すように、
理想ヨーレートは制限速度とカーブ半径Rとで決定さ
れ、制限速度が高いほど、またカーブ半径Rが小さいほ
ど高い値としている。尚、この場合、カーブ半径Rは、
上記のステップ101で読み出した情報を用いている。
【0038】ステップ103〜ステップ105は、走行
予定路を走行する際の安全速度を演算するステップであ
る。一般に、道路を安全に走行することのできる速度
は、必ずしも制限速度を一致しているわけではない。す
なわち、制限速度が同一の道路であっても、カーブ半径
Rや幅員が違えば当然に安全速度が違ってくる。
【0039】このため、本実施例装置においては、上記
のステップ101で読み出した道路情報に基づいて、マ
イクロコンピュータ41に内蔵されるテーブル(図6
(A),(B)参照)から、走行予定路の制限速度とカ
ーブ半径Rにより決まる補正安全係数M1 と、幅員によ
り決まる補正安全係数M2 とを読み出し(ステップ10
3,104)、これらの補正安全係数M1 ,M2 を用い
て、“安全速度=M1 *M2 *制限速度”を求めている
(ステップ105)。従って、本実施例装置における安
全速度は、カーブ半径が大きい場合は制限速度より高い
値に、また、道路の幅員Wが狭い場合は制限速度より低
い値に設定される。
【0040】次に、ステップ106では、走行予定路の
カーブ半径Rを適正に旋回するための適正ステアリング
切れ角を、マイクロコンピュータ41が内蔵するテーブ
ル(図7参照)から読み出す。
【0041】次いで、ステップ107で、ECT48か
ら供給されるシフトポジション信号を基に、現在変速機
が何速に保持されているかを検出する。そして、ステッ
プ108で、検出したシフトポジションと走行すべきカ
ーブ半径Rとに基づいて、マイクロコンピュータ41が
内蔵するテーブル(図8参照)から適正なスロットル開
度を読みだす。
【0042】以上のステップで、走行予定路を走行する
際に適正な車両状態を維持するための各種設定値の演算
を終了する。以下、上記のステップで設定した各種の値
を基に、走行予定路を走行する際の車両の安定限界値で
あるしきい値SH を演算する。尚、この演算は初期設定
値Sに、マイクロコンピュータ41が内蔵する各種テー
ブル(図9〜図12)から読み出される各種補正係数を
乗算することにより行われる。
【0043】ステップ109では、上記ステップ102
で読み出した理想ヨーレートに基づいて、しきい値SH
を補正する補正係数N1 を設定する。図9は理想ヨーレ
ートと補正係数N1 との関係を表すテーブルを示す。
【0044】許容される理想ヨーレートが高いほど、走
行予定路の道路条件が良く、車両は高い次元で安定した
走行ができる。このため、図9に示すように、補正係数
1は理想ヨーレートの値と比例的な関係を有してい
る。尚、本実施例装置においては、補正係数N1 を0.
9〜1.1の範囲に設定し、理想ヨーレートが5deg/se
c のときに補正係数N1 =1.0としている。
【0045】次に、ステップ110では、上記ステップ
103〜105で求めた安全速度に基づいて、補正係数
2 を求める。図10は上記安全速度と補正係数N2
の関係を表すテーブルを示す。設定された安全速度が高
いほど、高い次元での安定した走行が可能となる。この
ため、図10に示すように、補正係数N2 は安全速度と
比例的な関係を有しており、本実施例装置においては、
補正係数N2 を0.9〜1.1の範囲に設定し、安全速
度が50km/hのときに補正係数N2 =1.0となるよう
に設定している。
【0046】ステップ111では、上記ステップ106
で求めた適正ステアリング切れ角に基づいて、補正係数
3 を求める。図11は、上記ステアリング切れ角と前
輪操舵角センサ43の出力に基づいて検出された実際の
ステアリング切れ角との差角と、補正係数N3 との関係
を表すテーブルを示す。
【0047】同図に示すように、本実施例装置では、実
際のステアリング切れ角が、適正ステアリング切れ角の
中心値近傍にある場合、車両は安定旋回しながら走行予
想路を走行すると予想されるため、実際のステアリング
切れ角が中心値に近い場合に補正係数N3 を最大値1.
1とし、中心値からずれにに従って段階的に最小値0.
9まで変動させている。
【0048】次に、ステップ112では、上記ステップ
107,108で求めた適正スロットル開度と、スロッ
トル開度センサ49からマイクロコンピュータ41に供
給される実際のスロットル開度とに基づいて、補正係数
4 を求める。図12は、実際のスロットル開度と上記
適正スロットル開度との差異と、補正係数N4 との関係
を表すテーブルを示す。
【0049】実際のスロットル開度が、走行予定路を走
行する際の適正スロットル開度に比べて小さい場合は、
車両は安全にその道路を走行することができる。これに
対して、実際のスロットル開度が適正スロットル開度よ
り大きい場合、走行予定路を走行中にオーバースピード
となり、安定状態を脱してしまう場合が考えられる。
【0050】そこで、本実施例装置においては、実際の
スロットル開度が、適正スロットル開度を超えている場
合に補正係数N4 を最小値0.9とし、適正スロットル
開度より小さい領域で段階的に補正係数N4 を最大値
1.1まで変動させている。
【0051】次いで、ステップ113では、上記ステッ
プ109〜112で求めた補正係数N1 〜N4 を用い
て、しきい値SH を求めている(SH =S*N1 *N2
*N3*N4 )。尚、上式中“S”は、上記補正前の初
期設定値で、図3に示すメインルーチン中ステップS4
における車両走行状態LMAX と整合させるための定数で
ある。
【0052】このように、上記ステップ101〜113
を実行することにより、しきい値S H を求めたら、この
サブルーチンを終了し、図3のメインルーチンに戻っ
て、引き続き所定の処理を行う。
【0053】次に、図3中、ステップS4で行われた車
両走行状態LMAX の推定方法について説明する。図5,
6は車両走行状態LMAX を推定する処理のフローチャー
トを示す。
【0054】上記のしきい値演算ルーチンが終了する
と、マイクロコンピュータ41は、図13の車両走行状
態推定ルーチンの実行を開始し、ステップ201にて各
種変数を初期値に設定する初期設定処理を実行した後、
ステップ202〜217からなるサブルーチンを実行す
る。
【0055】この処理においては、ステップ202にて
前輪操舵角センサ43、車輪速センサ44a〜44d、
ヨーレートセンサ45、前後加速度センサ46及び横加
速度センサ47から前輪操舵角θ、車輪回転速度VFL,
FR,VRL,VRR、ヨーレートγ、前後加速度Gx及び
横加速度GY を表す各検出信号をそれぞれ入力すると共
に、ステップ203にて車速Vに基づいて係数GBO,G
B1,Tγをテーブル(図15〜17参照)から読み出
す。
【0056】この場合、車速Vとしては、最初はステッ
プ201にて初期設定された値「0」が利用されるが、
その後においては前回の処理時にステップ206にて計
算された値が利用される。次に、ステップ204にて前
記読み出した係数GBO,GB1,Tγ及び前記入力したヨ
ーレートγを用いて、下記数1に基づく演算の実行によ
り車両のスリップ角βを計算する。
【0057】
【数1】
【0058】前記数1中、sはラプラス演算子であり、
F(s)はヨーレートγと車両のスリップ角βとの関係
を表す伝達関数である。
【0059】次に、ステップ205にて、前記入力した
各車輪回転速度VFL, FR,VRL,VRR、ヨーレートγ
及び前記算出したスリップ角βに基づく下記数式の演算
の実行により、旋回軌跡差による各輪FW1,FW2,
RW1,RW2の車輪回転速度成分を除去した各輪FW
1,FE2,RW1,RW2の補正車輪回転速度V1
2 ,V3 ,V4 を計算する。
【0060】V1 =VFL+t・γ/2 V2 =VFR−t・γ/2 V3 =VRL+t・γ/2+L・B・γ V4 =VRR−t・γ/2+L・B・γ なお、前記数式中、tはトレッドであり、Lはホイール
ベースである。
【0061】前記数式について、図18を用いて若干の
説明を加えると、補正車輪回転速度V1 ,V2 ,V3
4 は、各輪FW1,FW2,RW1,RW2の各車輪
回転速度VFL, FR,VRL,VRRを、車両の重心Cc回
りのヨーレートγと車両のスリップ角βを用いて、左右
前輪FW1,FW2の中心位置CF の車輪回転速度に換
算したものである。これにより、旋回軌跡差による各輪
FW1,FW2,RW1,RW2の回転速度差成分が除
去される。
【0062】次に、ステップ206にて前記入力した前
後加速度GX に基づいて、下記〜の条件に従って車
速Vを決定する。
【0063】;前後加速度GX が「0」以上かつ絶対
値の小さな正の所定値G0 (例えば、約1.0m/s2
〜約5.0m/s2 )以下であるとき(0≦GX
0 )、車速Vは各補正車輪回転速度V1 ,V2
3 ,V4 の最小値MIN(V1 ,V 2 ,V3 ,V4
に設定される。
【0064】;前後加速度GX が絶対値の小さな負の
所定値−G0 (例えば、約−5.0m/S2 〜約−1.
0m/s2 )以上かつ「0」未満であるとき(−G0
X≦0)、車速Vは各補正車輪回転速度V1 ,V2
3 ,V4 の最大値MAX(V1 ,V2 ,V3 ,V4
に設定される。
【0065】;前後加速度GX が前記負の所定値−G
0 未満又は前記正の所定値G0 より大きいとき(GX
−G0 orGX >G0 )、車速Vは下記数式の演算の実
行により計算される。
【0066】V=V0 +∫GX dt 尚、前記数式中、積分定数V0 は、前記の条件(GX
<−G0 orGX >G0)を満たす直前の補正車速Vで
ある。
【0067】これにより、車両が定速走行状態、僅かな
増速又は減速走行状態にあれば、すなわち各輪FW1,
FW2,RW1,RW2がほとんどスリップしていない
場合には、最もスリップ率の低い車輪の補正車輪回転速
度V1 ,V2 ,V3 ,V4 が車速として決定される。ま
た、車両が増速又は減速走行状態にあれば、すなわち各
輪FW1,FW2,RW1,RW2がスリップしている
場合には、車体の前後加速度GX を用いた積分演算によ
り車速Vが決定される。その結果、車速Vは、旋回軌跡
誤差及びスリップ誤差を含まない正確な値に設定される
ことになる。
【0068】次に、ステップ207にて、各補正車輪回
転速度V1 ,V2 3 ,V4 を用いた下記数2の演算の
実行により、各輪FW1,FW2,RW1,RW2の最
大スリップ率Xを計算する。
【0069】
【数2】
【0070】なお、前記数2中、演算子AVEは各補正
車輪回転速度V1 ,V2 ,V3 ,V 4 の平均値を計算す
ることを意味する。
【0071】前記ステップ207の処理後、ステップ2
08にて前記計算した最大スリップ率Xに基づいて第1
評価値LX をテーブル(図19参照)から読み出す。こ
の場合、最大スリップ率Xは各輪FW1,FW2,RW
1,RW2と路面との進行方向すなわち前後方向の最大
の滑り量を表すので、第1評価値LX は最大値を“1”
に正規化した車輪の前後方向の滑り量を表している。
【0072】次に、図14に示すステップ209にて、
前記入力したヨーレートγ及び前記計算した車速Vに基
づく下記数式の演算の実行により、基準横加速度GY *
を計算する。
【0073】GY * =γ・V 尚、この数式は、車両旋回時の横加速度を一般的に表す
下記数式において、車両のスリップ角βの変化率dβ/
dtが“0”である場合に対応しており、これにより基
準横加速度GY * は、車両が理想的な状態で旋回をして
いて各輪FW1,FW2,RW1,RW2の路面に対す
る横方向の滑り量が“0”に近い場合の車両の横加速度
を表している。
【0074】GY ={γ+(dβ/dt)}・V 前記ステップ209の処理後、ステップ210にて、前
記計算した基準横加速度GY * と前記入力した横加速度
Y とに基づく下記数式の演算の実行により、車輪の路
面に対する横方向の滑り量Yを計算し、ステップ211
にて前記計算した滑り量Yに基づいて第2評価値LY
テーブル(図20参照)から読み出す。
【0075】Y=|GY * −GY | これにより、最大値を“1”に正規化した車輪の横方向
の滑り量が第2評価値L Y として計算されたことにな
る。
【0076】次に、ステップ212にて車速Vに基づい
て係数Tr,γ0 ,a,bをテーブル(図17,21〜
23参照)から読み出し、ステップ213にて前記読み
出した係数Tr,γ0 ,a,b及び前記入力した前輪操
舵角θを用いて、下記数3に基づく演算の実行により基
準ヨーレートγ* を計算する。
【0077】
【数3】
【0078】前記数3において、G(s)は、車両が理
想的な状態で旋回している場合の前輪操舵角とヨーレー
トとの関係を表す伝達関数であり、sはラプラス演算子
である。これにより、各輪FW1,FW2,RW1,R
W2の路面に対する垂直軸回りの滑り量が“0”に近い
状態における車両のヨーレートが基準ヨーレートγ*
して計算されたことになる。
【0079】前記ステップ213の処理後、ステップ2
14にて、前記計算された基準ヨーレートγ* と前記入
力したヨーレートγとに基づく下記数式の演算の実行に
より、車輪の路面に対する重心位置垂直軸回りの滑り量
Zを計算し、ステップ215にて前記計算した滑り量Z
に基づいて第3評価値LZ をテーブル(図24参照)か
ら読み出す。
【0080】Z=|γ* −γ| これにより、最大値を“1”に正規化した車輪の重心位
置垂直軸回りの滑り量が第3評価値LZ として計算され
たことになる。
【0081】次に、ステップ216にて、前記計算した
第1〜第3評価値LX ,LY ,LZに基づく下記数4の
演算の実行により、前記各評価値LX ,LY ,LZ のベ
クトル和を計算して上記車両走行状態LMAX を求める。
【0082】
【数4】
【0083】上記各評価値LX ,LY ,LZ から車両走
行状態LMAX を求める方法としては、各評価値LX ,L
Y ,LZ の最大値をLMAX とする方法が一般的であっ
た。本実施例においては、数4に示すように各評価値L
X ,LY ,LZ のベクトル和をLMAX としている。この
ようにすることにより、車両全体としての不安定な運動
を1つの数値で得ることができる。
【0084】また、上記各評価値LX ,LY ,LZ が車
両の走行不安定状態に影響する度合いは各評価値LX
Y ,LZ 夫々で異なる。このため、上記数4において
は、これらの影響率を考慮して係数k1 ,k2 ,k3
夫々かけあわせている。従って、数4で得られる車両走
行状態LMAX は車両全体としての不安定な運動が更に正
確に反映された数値となる。
【0085】また、各評価値LX ,LY ,LZ 夫々は、
上記の如く0〜1の値であり、仮に係数k1 ,k2 ,k
3 夫々を1とすると、LMAX は0<LMAX <√3とな
る。このため、図4に示すしきい値演算ルーチンで求め
るしきい値SH の初期値Sは 0.6程度の値が適当であ
る。そして、上記の如く係数k1 ,k2 ,k3 が適当な
値を有する場合には、その時のLMAX の最大値の1/3
程度の値が初期値Sの適当な値である。
【0086】尚、上記実施例においては、検出した車輪
回転速度VFL, FR,VRL,VRR、ヨーレートγ及び前
後加速度GX を利用して車速Vを検出するようにしたが
(ステップ202〜206)、別の方法、例えば変速機
の出力軸の回転速度に基づいて検出するようにしてもよ
い。
【0087】以上で車両状態推定ルーチンを終了し、車
両走行状態LMAX と、上記図4に示すしきい値演算ルー
チンで求めたしきい値SH とを比較するため、図3に示
すメインルーチンへもどる。
【0088】上記したように、図3のステップS5で
は、しきい値SH と車両走行状態LMA X とを比較し、L
MAX が所定時間TL1継続してSH を超えた場合にランプ
52を点灯し、次に、LMAX が所定時間TL2継続してS
H 未満であった場合にランプ52を消灯する。
【0089】以下、図25および図26に示すタイムチ
ャートに沿って、上記フローチャートで説明した車両の
限界判定処理の動作例について説明する。
【0090】図25は、実際に車両が走行する道路の様
子と(同図(A))、走行の際に本実施例の車両の限界
判定処理装置で演算されるしきい値SH の変動(同図
(B))を示すタイミングチャートを示す。
【0091】図25(A)に示すように、本動作例に用
いた道路は、点A〜点Cまでがほぼ直線で、その後点D
を頂点とするヘアピンカーブを経て、点Eから点Hまで
ヘアピンカーブと反対回りの緩やかなカーブが続く道路
である。
【0092】上記したように、本実施例装置におけるし
きい値SH は、安全速度が高く設定でき、ステアリング
開度等が適正値に保持し易い直線路において高くなり、
逆に走行が不安定になるヘアピンカーブ等では、低い値
になる。このため、図25(A)に示す道路を走行した
場合のしきい値SH は、同図(B)に示すように、点B
〜点Cにおいてほぼ最大値を示し、その後、点Dでほぼ
最小値に変化する。そして、その後点Hに向けて徐々に
大きくなるという変動を示す。
【0093】図26は、上記図25(A)に示す道路を
走行した際のしきい値SH と車両走行状態LMAX との関
係(同図(A))、および本実施例装置並びに従来の装
置における警報ランプの点灯状況(同図(B),
(C))を示す。尚、同図中、LMA X で表される波形
は、上述した車両全体としての滑り量に相当した車両走
行状態を示す値であり、時間の経過に伴って大小に変動
している。
【0094】同図(A)に示すように、車両が刻々と状
況の変化する道路を走行する場合、その状況変化に対応
してLMAX も刻々と変化する。そこで、従来の装置にお
いては、このLMAX を固定しきい値と比較して、車両が
不安定状態であるか否かを判定していた。
【0095】すなわち、図26(A),(C)に示すよ
うに、車両がバランスを崩して滑りを生じ、LMAX ≧S
となった場合に(各図中、時刻t1 〜t2 ,t3
5 ,t 10〜t12)警報用ランプ52を点灯させてい
た。
【0096】しかし、上記の例においては、道路上C点
まではほぼ直線であり、時刻t1 〜t2 の間に多少バラ
ンスが崩れたとしても、車両の安全性にはほとんど影響
しない。逆に、車両がヘアピンカーブを含むS字コーナ
ーを走行する点D〜点Gにかけては、高度なバランスが
要求され、僅かにバランスを崩しただけで危険な状態と
なる。
【0097】すなわち、固定しきい値Sを用いる従来の
装置では、道路の状況が考慮されないため、実際には危
険がないのにランプ52が点灯したり、また、危険であ
るにもかかわらずランプ52が点灯しなかったりして、
運転車に無用の心配を与えることになる。
【0098】これに対して本実施例装置においては、上
記したように道路状況に応じて変動する変動しきい値S
H を導入しているため、実際に車両が危険な状態になる
場合にだけランプ52を点灯させることができる。
【0099】すなわち、図26(B)に示すように、車
両が直線路を走行している間は(同図中、点A〜点C)
しきい値SH の値が大きく、多少の滑りではLMAX ≧S
H とならないためランプ52は点灯しない。また、走行
予定路として点D付近のヘアピンカーブが取り込まれる
と、しきい値SH の値が急激に小さくなり、LMAX ≧S
となる(図26中、時刻t4 )。
【0100】そして、運転者がこの道路状況の変化に対
応して、ヘアピンカーブを安全に走行できる状態に車両
状態をコントロールするのに所定時間TL1以上を要した
場合にだけランプ52が点灯する。従って、本実施例装
置によれば、実際に車両が危険な状態となる場合にだけ
運転者に警報が発せられ、運転者に無用な心配を与える
ことがない。
【0101】また、一旦ランプ52が点灯すると、車両
走行状態LMAX が所定時間TL2の間継続してしきい値S
H を下回るまで、つまり定常的な安定走行状態に復帰す
るまで消灯することはない。
【0102】さらに、車両がカーブを旋回している間
は、上記したようにしきい値SH の値が小さいため、僅
かにバランスをくずしただけでもLMAX ≧Sとなり(図
26中、時刻t7 ,t9 )ランプ52が点灯し、その後
MAX <Sに復帰してから(図26中、時刻t8
12)所定時間TL2が経過するまでは、ランプ52は点
灯状態が保持される。
【0103】このように、本実施例装置においては、時
々刻々と変化する道路条件に応じてしきい値SH が変動
し、走行状態または路面状態から総合的に危険であると
判断された場合にだけ警告が行われ、運転者に対して余
計な不安を抱かせることがなく、実際の車両運転に効果
的に適合した限界判定を行うことができる。
【0104】また、本実施例の車両の限界判定装置にお
いては、走行予定路の情報を検出している、すなわち、
走行する道路の状況を予め検出しているため、実際に車
両が危険な状態に陥る前に警報を発することができる。
このため、運転者は、車両が極めて危険な不安定状態の
限界を越える前に注意することができる。
【0105】尚、上記の実施例においては、走行予定路
を走行する際に、車両が不安定状態になると予測される
場合に、運転者に対して警報を発する構成に限定してい
るが、本発明に係る車両の限界判定装置の応用例はこれ
に限るものではない。
【0106】例えば、上記実施例装置において、走行予
定路を走行する際の理想ヨーレートやスロットル開度等
を求めたら、これらの限界を超えないように、適宜4輪
操舵システム,ECT,スロットル開度、電子制御式サ
スペンションシステム等を制御するようにしてもよい。
【0107】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、道路状況
の変化に伴って、車両の限界を判定するしきい値が変動
し、実際の車両運転に効果的に適合した限界判定を行う
ことができる。このため、走行状態または路面状態から
総合的に危険であると判断された場合にだけ不安定状態
であると判定される。
【0108】また、本発明に係る車両の限界判定装置に
おいては、走行予定路の状況を予め検出しているため、
実際に車両が危険な状態に陥る前に判定を行うことがで
きる。従って、車両が極めて危険な状態に陥る前に所定
の処置を実施することができる。
【0109】このように、本発明は、時々刻々と変化す
る道路状況に対応して車両の限界を精度良く判定し、危
険な状態が予測された際には、いち早くその状態を回避
するための処置を行うことが要求される車両の限界判定
装置に適するという特長を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両の限界判定装置の原理図であ
る。
【図2】本発明の一実施例である車両の限界判定装置を
適用した車両のシステム構成図である。
【図3】本実施例装置で実行する限界判定処理のメイン
ルーチンのフローチャートである。
【図4】本実施例装置で実行する限界判定処理のしきい
値演算ルーチンのフローチャートである。
【図5】本実施例装置のマイクロコンピュータに記憶さ
れている理想ヨーレートとカーブ半径Rとの関係を表す
グラフである。
【図6】本実施例装置のマイクロコンピュータに記憶さ
れていて演算に利用される補正安全係数K1 およびK2
とカーブ半径Rとの関係を表すグラフである。
【図7】本実施例装置のマイクロコンピュータに記憶さ
れている適正ステアリング切れ角とカーブ半径Rとの関
係を表すグラフである。
【図8】本実施例装置のマイクロコンピュータに記憶さ
れている適正スロットル開度とカーブ半径Rとの関係を
表すグラフである。
【図9】本実施例装置のマイクロコンピュータに記憶さ
れていて演算に利用される補正係数N1 の特性グラフで
ある。
【図10】本実施例装置のマイクロコンピュータに記憶
されていて演算に利用される補正係数N2 の特性グラフ
である。
【図11】本実施例装置のマイクロコンピュータに記憶
されていて演算に利用される補正係数N3 の特性グラフ
である。
【図12】本実施例装置のマイクロコンピュータに記憶
されていて演算に利用される補正係数N4 の特性グラフ
である。
【図13】本実施例装置で実行する限界判定処理の車両
走行状態推定ルーチンのフローチャート(その1)であ
る。
【図14】本実施例装置で実行する限界判定処理の車両
走行状態推定ルーチンのフローチャート(その2)であ
る。
【図15】本実施例装置のマイクロコンピュータに記憶
されていて演算に利用される係数GB0の特性グラフであ
る。
【図16】本実施例装置のマイクロコンピュータに記憶
されていて演算に利用される係数GB1の特性グラフであ
る。
【図17】本実施例装置のマイクロコンピュータに記憶
されていて演算に利用される係数Trの特性グラフであ
る。
【図18】車輪回転速度VFL, FR,VRL,VRR、補正
車輪回転速度V1 〜V4 、ヨートレートγ及びスリップ
角βの関係を示す説明図である。
【図19】本実施例装置のマイクロコンピュータに記憶
されていて最大スリップ率Xに対する第1評価値LX
変化特性を示すグラフである。
【図20】本実施例装置のマイクロコンピュータに記憶
されていて横方向の滑り量Yに対する第2評価値LY
変化特性を示すグラフである。
【図21】本実施例装置のマイクロコンピュータに記憶
されていて演算に利用される係数γ0 の特性ブラフであ
る。
【図22】本実施例装置のマイクロコンピュータに記憶
されていて演算に利用される係数aの特性グラフであ
る。
【図23】本実施例装置のマイクロコンピュータに記憶
されていて演算に利用される係数bの特性グラフであ
る。
【図24】本実施例装置のマイクロコンピュータに記憶
されていて車両重心位置垂直回りの滑り量Zに対する第
3評価値LZ の変化特性図を示すグラフである。
【図25】本実施例装置の動作を説明するために仮想し
た道路としきい値の関係を表すタイムチャートである。
【図26】本実施例装置の動作を説明するためのタイム
チャートである。
【符号の説明】
FW1,FW2 前輪 RW1,RW2 後輪 20 前輪操舵装置 30 グローバルポジショニングシステム(GPS) 40 電気制御装置 41 マイクロコンピュータ 43 前輪操舵角センサ 44a〜44d 車輪速センサ 45 ヨーレートセンサ 46 前後加速度センサ 47 横加速度センサ 48 電子制御式変速機システム 49 スロットル開度センサ 50 表示装置 51 表示制御回路 52 ランプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B62D 103:00 105:00 111:00 113:00 137:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の走行状態を走行状態検出手段で検
    出し、該走行状態検出手段により検出された検出値と所
    定のしきい値とを比較することにより、前記走行状態が
    基準走行状態よりも不安定状態であるか否かを車両状態
    判定手段で判定する車両の限界判定装置において、 予め道路情報を記憶した道路情報記憶手段と、 前記車両の現在の位置を検出する位置検出手段と、 前記道路情報記憶手段が記憶している道路情報と前記位
    置検出手段が検出する前記車両の位置とに基づいて前記
    車両の走行予定路を推定し、前記道路情報記憶手段から
    該走行予定路の道路状況を読み出す道路状況検索手段
    と、 該道路状況検索手段で検索された前記走行予定路の道路
    状況を基に、前記車両が前記走行予定路を前記基準走行
    状態で走行できる値に、前記しきい値を設定するしきい
    値設定手段とを有することを特徴とする車両の限界判定
    装置。
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