JPH0680028B2 - プロスタサイクリン類及びこれらを含有する薬剤 - Google Patents

プロスタサイクリン類及びこれらを含有する薬剤

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JPH0680028B2
JPH0680028B2 JP20453985A JP20453985A JPH0680028B2 JP H0680028 B2 JPH0680028 B2 JP H0680028B2 JP 20453985 A JP20453985 A JP 20453985A JP 20453985 A JP20453985 A JP 20453985A JP H0680028 B2 JPH0680028 B2 JP H0680028B2
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【発明の詳細な説明】 技術分野 新規なプロスタサイクリン類およびそれを血小板凝集抑
制剤として使用する用途に関するものである。
従来技術 プロスタサイクリン(以下PGI2と記す。)は天然生理活
性物質として知られ、次式により示される構造を有し、 その化学名は(5Z,13E)−(9α,11α,15S)−6,9−エ
ポキシ−11,15−ジヒドロキシプロスタ−5,13−ジエン
酸である。PGI2は動脈壁中に存在し、強力な血小板凝集
抑制作用および末梢動脈平滑筋弛緩作用を有している
〔ネイチャー(Nature)、263,663(1976)〕。かかる
作用を示すPGI2は血小板凝集の亢進、さらには血栓性傾
向の増大により誘発される脳血栓、心筋梗塞、急性狭心
症の予防および治療に有用であり、動脈硬化性疾患の予
防および治療に応用できるものと期待され、いわゆる血
流改善薬としての開発が期待される。
またPGI2を含むプロスタグランジン類には、胃粘膜保護
作用および胃粘膜血流増加作用が知られており〔′83炎
症セミナー「プロスタグランジン」予稿集50ページ(日
本炎症学会主催)〕、かかる作用を示すPGI2は胃潰瘍に
代表される消化管潰瘍の予防および治療に応用できるも
のと期待される。
しかしながら、PGI2は非常に不安定な物質であり、この
ことは医薬品としての実用化に対し障害となっている。
かかる障害を解決すべくPGI2の6,9位炭素間の酸素原子
を炭素原子に置き換えた安定類縁体の研究が行われてき
た。OP−41483〔特開昭54−130543〕に代表される一般
式(III)で示されるカルバサイクリン系化合物〔特開
昭54−130543〕、化学式(IV)で示される9(O)−メ
タノ−Δ−PGI1〔特開昭56−32436〕はいずれも化学
的に安定なPGI2類縁化合物である。また9(O)−メタ
ノプロスタサイクリン(カルバサイクリン)の5位二重
結合を6(9α)位に移した9(O)−メタノ−Δ
6(9α)−PGI1(イソカルバサイクリン、化学式
(V))も化学的に十分安定であり、強力な生理活性を
有するPGI2類縁化合物として報告されている〔特開昭59
−137445〕。
発明の目的および概要 本発明者らは、室温においてほとんど分解が起らない安
定で且つ優れた薬理的性質を有するプロスタサイクリン
類の提供を目的として幅広い研究を行った結果、新規な
プロスタサイクリン類を創製し、該化合物が強力な血小
板凝集抑制作用、をもち、かつ毒性が低いことを見い出
し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は式(1) 〔式中、R1は−CO2R5基(基中、R5は水素原子、又は炭
素数1〜12の直鎖もしくは分枝鎖アルキル基を表わす)
を表わし、Aは i)−CH=CH−CH=CH− ii)−C≡C−CH2CH2− iii)−CH2CH2−C≡C− iv)−CH=N−O−CH2− v)−CH2CH2−NH−CH2であり、Bはトランス−CH=CH−又は−C≡C−基を表
わし、R2は炭素数3〜10の直鎖もしくは分枝鎖アルキル
基、又はシクロヘキシル基、又は炭素数3〜12の直鎖も
しくは分枝鎖アルケニル基、又は炭素数3〜8の直鎖も
しくは分枝鎖アルキニル基を表わし、R3は水素原子を表
わし、R4は水素原子、又はテトラヒドロピラニル基を表
わし、Aで表わされる置換基中の二重結合はE又はZ、
又はそれらの混合物であり、R2で表わされる置換基中の
不斉中心はR−配置又はS−配置、又はそれらの混合物
である。〕で表わされるプロスタサイクリン類に関す
る。またこれらプロスタサイクリン類又はその酸の非毒
性塩あるいはこれらのシクロデキストリン包接化合物を
有効成分とする血小板凝集抑制剤に関する R1は−CO2R5を表わし、ここでR5は水素原子、又は炭素
数1〜12の直鎖もしくは分枝鎖アルキル基である。炭素
数1〜12の直鎖もしくは分枝鎖アルキル基としては、例
えばメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、
n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチ
ル、iso−アミル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−
オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、
n−ドデシル等を挙げることができる。
R1としては、R5が炭素数1〜12の直鎖もしくは分枝鎖ア
ルキル基である−COOR5基、特にカルボキシル基、メト
キシカルボニル基又はエトキシカルボニル基が好まし
い。
Aは i)−CH=CH−CH=CH− ii)−C≡C−CH2CH2− iii)−CH2CH2−C≡C− iv)−CH=N−O−CH2− v)−CH2CH2−NH−CH2であり、Bはトランス−CH=CH−又は−C≡C−基を表
わす。R2は炭素数3〜10の直鎖もしくは分枝鎖アルキル
基、又はシクロヘキシル基、又は炭素数3〜12の直鎖も
しくは分枝鎖アルケニル基、又は炭素数3〜8の直鎖も
しくは分枝鎖アルキニル基を表わす。ここで炭素数3〜
10の直鎖もしくは分枝鎖アルキル基としてn−プロピ
ル、n−ブチル、n−ペンチル、1−メチルペンチル、
2−メチルペンチル、1,2−ジメチルペンチル、n−ヘ
キシル、1−メチルヘキシル、2−メチルヘキシル、1,
2−ジメチルヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、
n−ノニル、n−デシル等、好ましくはn−ペンチル、
1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1,2−ジメ
チルペンチル、n−ヘキシル、1−メチルヘキシル、2
−メチルヘキシル等を挙げることができる。
炭素数3〜12の直鎖もしくは分枝鎖アルケニル基として
は、例えばアリル、3−ブテニル、2−ブテニル、3−
メチル−2−ブテニル、4−ペンテニル、3−ペンテニ
ル、4−メチル−3−ペンテニル、2−ペンテニル、5
−ヘキセニル、4−ヘキセニル、3−メチル−4−ヘキ
セニル、5−メチル−2−ヘキセニル、2,5−ジメチル
−3−ヘキセニル、6−ヘプテニル、5−ヘプテニル、
2−エチル−5−ヘプテニル、2,6−ジメチル−5−ヘ
プテニル、7−オクテニル、8−ノネニル、9−デセニ
ル、10−ウンデセニル、11−ドデセニル等、好ましくは
3−ペンテニル、2,6−ジメチル−5−ヘプテニル等を
挙げることができる。炭素数3〜8の直鎖もしくは分枝
鎖アルキニル基としては、プロパルギル、2−ブチニ
ル、3−ブチニル、2−メチル−3−ブチニル、2−エ
チル−3−ブチニル、4−ペンチニル、3−ペンチニ
ル、1−エチル−3−ペンチニル、1−メチル−3−ペ
ンチニル、2−メチル−3−ペンチニル、1,2−ジメチ
ル−3−ペンチニル、1,1−ジメチル−3−ペンチニ
ル、2,2−ジメチル−3−ペンチニル、3−ヘキシニ
ル、1−メチル−3−ヘキシニル、2−メチル−3−ヘ
キシニル、1,2−ジメチル−3−ヘキシニル、1,1−ジメ
チル−3−ヘキシニル、2,2−ジメチル−3−ヘキシニ
ル、4−ヘプチニル、5−オクチニル等、好ましくは、
1−メチル−3−ペンチニル、1−メチル−3−ヘキシ
ニル、2−メチル−3−ヘキシニル等を挙げることがで
きる。
R3としては水素原子が挙げられる。
R4は水素原子、又はテトラヒドロピラニル基を表わす。
R4としては、このうち水素原子、2−テトラヒドロピラ
ニル基が特に好ましい。
本発明により提供されるプロスタサイクリン類の具体例
を以下に挙げる。
1)2,3,4,5−テトラデヒドロ−9(O)−メタノ−Δ
6(9α)−プロスタグランジンI1 2)2,3,4,5,18,18,19,19−オクタデヒドロ−16−メチ
ル−9(O)−メタノ−Δ6(9α)−プロスタグラン
ジンI1 3)4,4,5,5−テトラデヒドロ−9(O)−メタノ−Δ
6(9α)−プロスタグランジンI1 4)4,4,5,5,18,18,19,19−オクタデヒドロ−16−メチ
ル−9(O)−メタノ−Δ6(9α)−プロスタグラン
ジンI1 5)2,2,3,3−テトラデヒドロ−9(O)−メタノ−Δ
6(9α)−プロスタグランジンI1 6)2,2,3,3−テトラデヒドロ−16−メチル−9(O)
−メタノ−Δ6(9α)−プロスタグランジンI1 7)2,2,3,3−テトラデヒドロ−17−メチル−20−イソ
プロピリデン−9(O)−メタノ−Δ6(9α)−プロ
スタグランジンI1 8)2,2,3,3−テトラデヒドロ−16,17,18,19,20−ペン
タノル−15−シクロペンチル−9(O)−メタノ−Δ
6(9α)−プロスタグランジンI1 9)2,2,3,3−テトラデヒドロ−16,17,18,19,20−ペン
タノル−15−シクロヘキシル−9(O)−メタノ−Δ
6(9α)−プロスタグランジンI1 10)2,2,3,3,18,18,19,19−オクタデヒドロ−16−メチ
ル−9(O)−メタノ−Δ6(9α)−プロスタグラン
ジンI1 11)2,2,3,3,18,18,19,19−オクタデヒドロ−16,20−ジ
メチル−9(O)−メタノ−Δ6(9α)−プロスタグ
ランジンI1 12)4−アザ−3−オキサ−4,5−ジデヒドロ−9
(O)−メタノ−Δ6(9α)−プロスタグランジンI1 13)4−アザ−3−オキサ−4,5−ジデヒドロ−16,17,1
8,19,20−ペンタノル−15−シクロペンチル−9(O)
−メタノ−Δ6(9α)−プロスタグランジンI1 14)4−アザ−3−オキサ−4,5−ジデヒドロ−16,17,1
8,19,20−ペンタノル−15−シクロヘキシル−9(O)
−メタノ−Δ6(9α)−プロスタグランジンI1 15)4,5,18,18,19,19−ヘキサデヒドロ−4−アザ−3
−オキサ−16−メチル−9(O)−メタノ−Δ
6(9α)−プロスタグランジンI1 16)3−アザ−9(O)−メタノ−Δ6(9α)−プロ
スタグランジンI1 17)3−アザ−16−メチル−18,18,19,19−テトラデヒ
ドロ−9(O)−メタノ−Δ6(9α)−プロスタグラ
ンジンI1 18)2,3−ジノル−1,4−インター0−フェニレン−4−
オキサ−9(O)−メタノ−Δ6(9α)−プロスタグ
ランジンI1 19)2,3−ジノル−1,4−インタ−0−フェニレン−4−
オキサ−16−メチル−18,18,19,19−テトラデヒドロ−
9(O)−メタノ−Δ6(9α)−プロスタグランジン
I1 20)4,5−ジデヒドロ−5−シアノ−9(O)−メタノ
−Δ6(9α)−プロスタグランジンI1 21)4,5,18,18,19,19−ヘキサデヒドロ−5−シアノ−1
6−メチル−9(O)−メタノ−Δ6(9α)−プロス
タグランジンI1 22)(1)〜(21)のメチルエステル 23)(1)〜(21)のエチルエステル 24)(1)〜(21)のtert−ブチルエステル 25)(22)の11−tert−ブチルジメチルシリルエーテル 26)(23)の11−tert−ブチルジメチルシリルエーテル 27)(24)の11−tert−ブチルジメチルシリルエーテル 28)(25)の15−tert−ブチルジメチルシリルエーテル 29)(26)の15−tert−ブチルジメチルシリルエーテル 30)(27)の15−tert−ブチルジメチルシリルエーテル 31)(28)の11−(テトラヒドロ−2−ピラニル)エー
テル 32)(23)の11−(テトラヒドロ−2−ピラニル)エー
テル 33)(24)の11−(テトラヒドロ−2−ピラニル)エー
テル 34)(31)の15−(テトラヒドロ−2−ピラニル)エー
テル 35)(32)の15−(テトラヒドロ−2−ピラニル)エー
テル 36)(33)の15−(テトラヒドロ−2−ピラニル)エー
テル 37)(1)〜(21)のカルボン酸のナトリウム塩、アン
モニウム塩、カリウム塩 (薬 剤) 本発明化合物を血小板凝集抑制剤として臨床に応用する
に際し、有効な投与方法は経口あるいは非経口投与であ
り、1回量0.1μg〜100mgを、好ましくは1μg〜1mg
を1日1回又は数回投与することが望ましい。しかし正
確な投与量は患者の年齢、体重、症状、投与経路および
投与回数による。経口投与のための固形製剤としては錠
剤、丸剤、散剤および顆粒剤が含まれる。このような固
形製剤においては、ひとつ又はそれ以上の活性物質が、
少なくともひとつの不活性な希釈剤、例えば半消化性デ
ンプン、バレイショデンプン、アルギン酸、マンニット
あるいは乳糖と混合される。製剤は常法に従って希釈剤
以外の添加剤、例えばステアリン酸マグネシウムのよう
な滑沢剤を含有してもよい。経口投与のための液体製剤
は薬剤的に受容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、あるい
はエリキシル剤を含み、一般的に用いられる不活性な希
釈剤以外に補助剤、例えば浸潤剤、懸濁補助剤、甘味
剤、風味剤、芳香剤あるいは防腐剤を含む。またその外
に経口投与剤として、ひとつ又はそれ以上の活性物質と
希釈剤又は賦形剤を含むか又は含まないゼラチンのよう
な吸収される物質のカプセルも包含される。
直腸内投与のための固形剤としては、ひとつ又はそれ以
上の活性物質を含む少なくともひとつの不活性な基剤、
例えばカカオ脂、マクロゴールド、ウィチュプゾールか
ら成りそれ自体は公知の方法で処理される坐剤が含まれ
る。更に外用塗布剤としての飲コウ剤等が挙げられる。
非経口投与のための製品は、無菌の水性あるいは非水性
溶液剤又は乳濁剤を含有する。非水性の溶剤又は懸濁剤
としてはプロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、オリーブ油のような植物油、オレイン酸エチルのよ
うな注射しうる有機酸エステルがある。このような製剤
または防腐剤、浸潤剤、乳化剤、分散剤のような補助剤
を含むことができる。それらは例えばバクテリア保留フ
ィルターをとおす濾過、殺菌剤の配合あるいは照射によ
って無菌化される。また無菌の固形製剤を製造し、使用
直前に無菌の注射用溶媒に溶解して使用することができ
る。
(合成法) 一般式(I)で示される本発明化合物は、例えば(第45
回有機合成シンポジウム(有機合成化学協会主催)講演
要旨集51〜54ページ〕にその合成法とともに記載されて
おり既に公知な化合物(IV)を出発物質として、以下に
示すルートにより製造することができる。
〔式中、 はt−ブチルジメチルシリル基、THPはテトラヒドロ−
2−ピラニル基を表わす。〕一般式(I)において、A
が−CH=CH−CH=CH−であり、Bがトランス−CH=CH
−、R3が水素である化合物は、経路1に示す合成経路に
て製造される。
経路1 工程1−1は化合物(VI)を、塩基処理とした と反応せしめ、化合物(VII)を得る工程である。塩基
としては、水素化ナトリウムが特に好ましく、反応はエ
ーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類中、−78℃
〜−50℃、好ましくは−78℃〜30℃で行われる。
工程1−2は化合物(VII)を、テトラ−n−ブチルア
ンモニウム フルオライド又はセシウム フルオライド
等の弗素化合物で脱シリル化する工程である。反応は通
常テトラヒドロフラン、エチルエーテル等のエーテル類
中、0℃〜30℃で行われる。
工程1−3は、化合物(VIII)のヒドロキシメチル基を
酸化してアルデヒドとし、これに、(R8O)2P(O)CH2
C(O)−R2〔式中、R2は前記定義と同じ。R8は炭素数
1〜3のアルキル基を表す。〕を塩基処理して得られる
ウィティッヒ試薬と反応させることにより、化合物(I
X)を得る工程である。ヒドロキシメチル基の酸化に際
しては、一級アルコールをアルデヒドに酸化するアミン
−ピリジン三酸化イオウ複合体−ジメチルスルホキシド
の系を用いる酸化法が特に好ましく用いられる。反応は
通常10℃〜40℃の温度範囲で1分〜2時間程度行われ
る。酸化剤の量は原料化合物(XIII)に対して2〜100
当量と過剰に用いるのが好ましい。こうして得られたア
ルデヒドは精製することなしに次のウィティッヒ反応を
行うことが好ましい。ウィティッヒ反応で用いる塩基と
しては水素化ナトリウム、水素化カリウム又はカリウム
tert−ブトキシドが好ましく、ウィティッヒ試薬の量は
アルデヒドに対して1〜10当量、好ましくは1〜5当量
である。反応はテトラヒドロフラン、ジメトキシ等のエ
ーテル類中、−20℃〜50℃で行われる。
工程1−4は化合物(IX)を、還元して化合物(X)を
得る工程である。還元試薬としてはR1を還元しないもの
が好ましく、例えばナトリウムボロハイドライド、亜鉛
ボロハイドライド、ジフェニル錫ハイドライド又はリチ
ウム トリ−sec−ブチルボロハイドライドのようなト
リアルキルボロハイドライドおよび2,6−ジ−tert−ブ
チル−4−メチルフェノールによって修飾されたジ−is
o−ブチルアルミナムハイドライド、又は1,1−ビ−2−
ナフトールとエタノールのような低級アルコールによっ
て修飾されたリチウムアルミナムハイドライド等が挙げ
られる。反応溶媒としては、メタノール、エタノール等
の低級アルコール類、エチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサンのようなエーテル類、ベンゼン又はト
ルエンのような芳香族炭化水素類が挙げられる。還元試
薬の使用量は原料化合物であるα,β−不飽和カルボニ
ル化合物に対し、好ましくは0.5〜30等量、特に好まし
くは1〜10等量である。反応温度は−150℃〜80℃、好
ましくは、−100℃〜30℃である。
工程1−5は、化合物(X)の水酸基保護基を除去し
て、化合物(XI)を得る工程である。反応は酢酸、p−
トルエンスルホン酸のピリジニウム塩又は陽イオン交換
樹旨等を触媒とし、例えば水、テトラヒドロフラン、エ
チルエーテル、ジオキサン、アセトン、アセトニトリル
等を溶媒とすることにより好適に実施される。反応は通
常−78℃〜80℃で、10分〜3日間程度行われる。
一般式(I)において、Aが−C≡C−CH2CH2−であ
り、Bがトランス−CH=CH−、R3が水素である化合物
は、経路2に示す合成経路にて製造される。
経路2 工程2−1は化合物(VI)に、塩基処理した を反応せしめ、化合物(XII)を得る工程である。塩基
としてはn−ブチルリチウムが特に好ましい。反応はテ
トラヒドロフラン、エチルエーテル又はテトラヒドロフ
ラン−エチルエーテル混合溶媒中で行われ、反応温度は
−100℃〜50℃、特に好ましいのは−100℃で反応を開始
し、徐々に室温まで昇温することである。工程2−2は
化合物(XII)を、塩基処理し、化合物(XIII)を得る
工程である。塩基としてはn−ブチルリチウムが特に好
ましく、反応はエーテル、テトラヒドロフラン等のエー
テル類中、−100℃〜50℃、好ましくは−78℃〜30℃で
行われる。
工程2−3は化合物(XIII)に、n−ブチルリチウムを
作用させリチウム塩とし、次にジメチルアルミナムクロ
リド又はジエチルアルミナムクロリドを反応後、更にβ
−プロピオラクトンを反応せしめ化合物(XIV)を得る
工程である。n−ブチルリチウムとジメチルアルミナム
クロリド又はジエチルアルミナムクロリドとは当量であ
り、化合物(XIII)に対し、1〜50当量、好ましくは3
〜20当量用いられる。β−プロピオラクトン化合物(XI
II)に対し、1〜50当量用いられる。反応はエーテル、
テトラヒドロフラン等のエーテル類、又はトルエンの単
独又は混合溶媒中で、−100℃〜30℃、好ましくは−78
℃〜0℃で行われる。
工程2−4は化合物(XIV)を、ジアゾメタンのエーテ
ル溶液で処理し、メチルエステル化する工程である。
工程2−5は化合物(XV)を、工程1−2で用いたのと
同様な反応操作で脱シリカ化し、化合物(XVI)を得る
工程である。
工程2−6から2−8は、工程1−3から1−5と全く
同様の反応操作で実施される。
一般式(I)において、Aが−CH2CH2−C≡C−であ
り、Bがトランス−CH=CH−、R3が水素である化合物
は、経路3に示す合成経路にて製造される。
経路3 工程3−1は化合物(VI)を、水素化ホウ素ナトリウ
ム、ジイソブチルアルミナムハイドライド等で還元する
ことにより容易に達成される。反応はメタノール、エタ
ノール等のアルコール中、又はトルエン中、−78℃〜0
℃で行われる。
工程3−2は化合物(XX)を、臭素化して化合物(XX
I)を得る工程である。臭素化試薬としては、トリフェ
ニルホスフィン−四臭化炭素が好ましく、化合物(XX)
に対し、0.01〜0.1当量のトリエチルアミンを共存させ
ると更に好ましい。反応は通常ジクロロメタン中、−78
℃〜−20℃行われる。
工程3−3は化合物(XXI)に対し、系内においてテト
ラメチルエチレンジアミン存在下n−ブチルリチウムと
(CH33SiC≡C−CH3とから生成される(CH33SiC≡
C−CH2Liを反応せしめ、化合物(XXII)を得る工程で
ある。反応はエチルエーテル、テトラヒドロフラン中、
−100℃〜30℃、好ましくは−70℃〜0℃で行われる。
工程3−4は化合物(XXII)を、工程1−2と全く同様
の反応操作で脱シリル化する工程である。工程3−5は
化合物(XXIII)を、塩化で処理し続いて炭酸ガスを吹
き込み、化合物(XXIV)を得る工程である。塩基として
はn−ブチルリチウム、水素化ナトリウム等が特に好ま
しく、反応はエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の
エーテル類中、−100℃〜50℃、好ましくは−100℃〜−
20℃で行われる。
工程3−6は化合物(XXIV)から、工程2−4と全く同
様の反応操作で化合物(XXV)を得る工程である。
工程3−7から工程3−9は、工程1−3から工程1−
5と全く同様の反応操作で行われる。一般式(I)にお
いて、Aが−CH=N−O−CH2−であり、Bがトランス
−CH=CH−、R3が水素で化合物は、経路4に示す合成経
路にて製造される。
経路4 工程4−1は化合物(VI)を、塩基の存在下塩酸ヒドロ
キシルアミンを反応せしめ、化合物(XXIX)を得る工程
である。塩基としては炭酸ナトリウムが好ましく、反応
はメタノール、エタノール等のアルコール類中、−20℃
〜50℃、好ましくは−20℃〜30℃で行われる。工程4−
2は化合物(XXIX)に塩基処理し、次でXCH2R1〔式中、
R1は前記定義と同じ。
Xはハロゲン原子を表わす。〕を反応せしめ、化合物
(XXX)を得る工程である。塩基としては水素化ナトリ
ウムが好ましく、反応はトルエン中、−78℃〜150℃、
好ましくは30℃〜150℃で行われる。
工程4−3から、工程4−6は、工程2−5から工程2
−8まで同様の反応操作で行われる。一般式(I)にお
いて、Aが−CH2CH2−NH−CH2であり、Bがトランス−C
H=CH−、R3が水素原子である化合物は経路5に示す合
成経路にて製造される。
経路5 工程5−1および工程5−2は、工程3−1および工程
3−2と全く同じ反応操作で行われる。
工程5−3は化合物(XXI)を、クラウンエーテル存在
下、シアン化カリウムでシアノ化し、化合物(XXXV)を
得る工程である。クラウンエーテルとしては、18−クラ
ウン−6が特に好ましく、反応はアセトニトリル中、−
50℃〜80℃で、好ましく−20℃〜30℃で行われる。工程
5−4は化合物(XXXV)に、還元剤を反応せしめ化合物
(XXXVI)を得る工程である。還元剤としては系内にお
いてリチウム アルミナムハイドライドとアルミニウム
クロリドとを3対1の比率で反応させたものを用い
る。反応はエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエ
ーテル類中、−70℃〜30℃、好ましくは−20℃〜20℃で
行われる。
工程5−5は化合物(XXXVI)に、ピリジン存在下、無
水トリフルオロ酢酸を反応せしめ、化合物(XXXVII)を
得る工程である。反応はテトラヒドロフラン等のエーテ
ル類中、−20℃〜30℃で行われる。
工程5−6は、塩基存在下、化合物(XXXVII)にXCH2R1
〔式中、X,R1は前記定義と同じ。〕 を反応せしめ、化合物(XXXVIII)を得る工程である。
塩基として、粉末状の水酸化カリウムが用いられ、反応
はアセトン中、加熱還流下行われる。
工程5−7から工程5−10は、工程2−5から工程2−
8までと全く同様の反応操作で行われる。
工程5−11は化合物(XLII)を、水−メタノールの混合
溶媒中水酸化カリウムで処理し、化合物(XLIII)を得
る工程である。反応は0℃〜50℃で行われる。
一般式(I)において、Aが であり、Bがトランス−CH=CH−、R3我水素である化合
物は経路6に示す合成経路にて製造される。
経路6 工程6−1および工程6−2は、工程3−1および工程
3−2と全工同じ反応操作で行われる。
工程3−3は化合物(XXI)に、塩基の存在下、10−ヒ
ドロキシメチルフェノールを反応せしめ、化合物(XLI
V)を得る工程である。塩基としては水素化ナトリウム
が好ましく、反応はテトラヒドロフラン等のエーテル類
中、−30℃〜30℃で行われる。
工程6−4は化合物(XLIV)を酸化して、化合物(XL
V)にする工程である。酸化反応に際しては、トリエチ
ルアミン−三酸化イオン・ピリジン複合体−ジメチルス
ルホキシドの系を用いる酸化法が特に好ましく用いられ
る。反応温度は通常10℃〜40℃で用いられる酸化剤の量
は2〜100倍モルと過剰に用いるのが好ましい。
工程6−5は化合物(XLV)に、塩基性条件下硝酸銀を
反応せしめ、化合物(XLVI)を得る工程である。塩基と
しては水酸化カリウムが好ましく、反応はエタノール水
の混合溶媒中、−20℃〜20℃な行われる。
工程6−6は工程2−4と全く同様の反応操作で化合物
(XLVII)を得る工程である。
工程6−7から工程6−10は、工程2−5から工程2−
8と同様の反応操作で化合物(LI)を得る化合物であ
る。
一般式(I)においてAが であり、Bがトランス−CH=CH−、R3が水素である化合
物は,経路7に示す合成経路にて製造される。
経路7 工程7−1から工程7−3は、工程5−1から工程5−
3と全く同様の反応操作で行われる。工程7−4から工
程7−6は、工程1−2から工程1−4と全く同様の反
応操作で行われる。工程7−7は、化合物(LIV)に酸
触媒存在下、ジヒドロピランを反応させ化合物(LV)を
得る工程である。酸触媒としてはp−トルエンスルホン
酸、オキシ塩化リン等が用いられ、反応はジクロロメタ
ン中、−70℃〜50℃、好ましくは−20℃〜30℃で行われ
る。
工程7−8は化合物(LV)に、塩基存在下R1CH2CH2CHO
〔R1は前記定義と同じ。〕を反応せしめ化合物(LVI)
を得る工程である。塩基としてはリチウム ジイソプロ
ピルアミドが特に好ましく、反応はテトラヒドロフラン
等のエーテル類中、−150℃〜0℃、好ましくは−100℃
〜−50℃で行われる。
工程7−9は化合物(LVI)を塩基存在下、メタンスル
ホニル クロリドで処理し、化合物(LVII)を得る工程
である。塩基としてはトリエチルアミンが特に好まし
く、反応はジクロロメタン中、−20℃〜30℃で行われ
る。
工程7−10は、工程1−5と全く同様の反応操作で行わ
れる。
一般式(I)において、R1がCOOHである化合物は経路8
に示す合成経路にて製造される。
〔式中、A、B、R2、R3、R4、R5は前記定義に同じ。〕 経路8 工程8−1の加水分解反応は水酸化ナトリウム又は水酸
化カリウムを含む水、メタノール、又はエタノールの単
独又は混合溶媒中で、−10℃〜100℃で行われるか、あ
るいは、例えばリパーゼ等の酵素を用い、水又は水を含
む溶液中で−10℃〜60℃で行われる。生成した化合物
(LIX)は必要に応じて、塩生成反応に付され相当する
カルボン酸塩を与える。塩生成反応はそれ自体公知であ
り、カルボン酸とほぼ等量の水酸化カリウム、水酸化ナ
トリウムなどの塩基化合物、あるいはアンモニア、トリ
メチルアミン、モノエタノールアミン、モルホリンと通
常の方法で中和反応せしめることにより行われる。
一般式(I)において、R4が水素原子である化合物は経
路9に示す合成経路にて製造される。
〔式中、A、B、R1、R2、R3は前記定義に同じ。R4は水
素原子を除く前記定義の置換基。〕 経路9 工程9−1は、水酸基の保護基の除去工程である。水酸
基の保護基の除去は保護基が水酸基の酸素原子と共にア
セタール結合を形成する基の場合には、例えば酢酸、P
−トルエンスルホン酸のピリジニウム塩又は陽イオン交
換樹脂を触媒とし、例えば水、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン等を溶媒とし、−78℃〜80℃で行われる。また
保護基がトリ(炭素1〜7)炭化水素−シリル基の場合
には例えば酢酸、テトラ−n−ブチル−アンモニウム
フルオライド、セシウム フルオライド等の存在下、上
記の如く溶媒中、−78℃〜80℃で行われる、また保護基
がアシル基の場合には、例えば水酸化カリウム、水酸化
ナトリウム、水酸化カルシウムの水溶液もしくは水−ア
ルコール混合溶液、あるいは炭酸カリウム、炭酸ナトリ
ウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナ
トリウムエトキシド等を含むメタノール、エタノール等
を溶液で行われる。
以下実施例を挙げて本発明を説明するが、これらに限定
されるものではない。
参考例1 トリクロロメチルホスホン酸エチル149mg(0.66mmol)
をテトラフドロフラン4ml、エーテル6mlの混合溶媒に溶
かし、−100℃に冷却した。ここにn−ブチルリチウム
0.43mmol(1.54Mol溶液,0.66mmol)を滴下し、15分間撹
拌した後、原料アルデヒドVI228mg(0.60mmol)のエー
テル2ml溶液を加えた。反応液を同温度で30分間、0℃
で45分間撹拌し、水にあけ、エーテルで抽出し、無水硫
酸マグネシウムで乾燥後エーテルをげ減圧留去し残渣を
カラムクロマトグラフィーで精製し、目的のジクロロジ
エン239mg(収率89%)を得た。
NMR δ(CDCl3);6.50(s,1H),5.87(broad s,1H),
4.5〜4.6(m,1H),0.90(s,9H),0.03(s,6H). IR neat;1575,1255,895,837,775cm-1. 参考例2 ジクロロジエン973mg(2.18mmol)をTHF8mlに溶解
し、−78℃で冷却した。ここにn−ブチルリチウム3.27
ml(1.40Mol溶液,4.57mmol)を滴下し、同温度で2時間
撹拌後水にあけ、エーテルで抽出し乾燥後濃縮し、残渣
をカラムクロマトグラフィーで精製して目的のエンイン
800mg(収率98%)を得た。
NMR δ(CDCl3);6.07(broad s,1H),4.6〜4.8(m,1
H),2.90(s,1H),0.90(s,9H),0.05(s,6H). IR neat;2200,1255,838,775cm-1. 参考例3 エンイン265mg(0.70mmol)を5mlのトルエンに溶か
し、−50℃に冷却した。ここにn−ブチルリチウム3.0m
l(1.40Mol溶液,4.2mmol)を加え、15分後ジメチルアル
ミニウムクロリド トルエン溶液3.5ml(1.2Mol溶液、
4.2mmol)を加えた。−40℃で1.25時間撹拌後β−プロ
ピオラクトン453mg(6.3mmol)を加え、−30℃〜−40℃
で3時間反応させた後水にあけ1N塩酸で酸性にした後エ
ーテル抽出した。この溶液にジアゾメタンのエーテル溶
液を加えエステル化した溶媒を留去し、カラムクロマト
グラフィーで精製して目的のエステル137mg(収率42
%)を得た。
NMR δ(CDCl3);5.83(broad s,1H),4.5〜4.7(m,1
H),3.70(s,3H),2.5〜2.7(m,4H),0.90(s,9H),0.0
5(s,6H). IR neat;1740,1255,835cm-1. 参考例4 水素化ナトリウム21mg(0.53mmol)をTHF5mlに懸濁させ
ここに室温下、3−メトキシカルボニル−2−プロペニ
ルホスホン酸ジエチルを加え、30分間撹拌した。その後
原料アルデヒドVI100mgを加え1時間撹拌した。反応液
を水にあけ、エーテルで抽出した。乾燥、濃縮後カラム
クロマトグラフィーで精製してトリエン−エステル75
mg(収率61%)を得た。
NMR δ(CDCl3);5.6〜7.5(m,5H),4.5〜4.7(m,1
H),3.72(s,3H),0.90(s,9H),0.05(s,6H). IR neat;1720,1615,1260,1135,835cm-1. 参考例5 アルゴン雰囲気下、α,β−不飽和アリデヒド(2.03g,
5.3mmol)をトルエン(10ml)に溶解し、−78℃に冷
却、次いでジイソブチルアルミナム ハイドライドのト
ルエン溶液(1.76M,3.36mmol)を加え、30分間撹拌し
た。反応終了後メタノール(1ml)を加え、エチルエー
テルで希釈し、室温まで温度をあげ、飽和食塩水を加え
る。エチルエーテルで抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗
浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を減圧留去し
た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製
し、アルコール体(1.74g,85%)を無色油状物質とし
て得た。
IR(neat);3430,2950,835,cm-1. NMR δ(CDCl3);5.66(bs,1H),4.62(m,1H),4.12
(s,2H),3.00(m,1H),0.90(s,9H),0.05(s,6H). Mass m/z;298〔M+−84〕,241,223,85. 参考例6 アルゴン雰囲気下、アルコール体(517.1mg,1.35mmo
l)およびトリエチルアミン(15μl)をジクロロメタ
ン(7.1ml)に溶解し、−60℃に冷却した。次いでトリ
フェニルホスフィン(537mg,2.03mmol)および四臭化炭
素(679mg,2.03mmol)を加え、−60℃で4時間撹拌後、
飽和NaHCO3水溶液を加え、エチルエーテルで抽出した。
抽出液を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾
燥後、溶媒を留去した。得られた油状物質をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーで精製し、ブロム体(597.
1mg,99%)を得た。
IR(neat);3430,295cm-1. NMR δ(CDCl3);5.70(bs,1H),4.60(m,1H),4.00
(s,2H),3.00(m,1H),0.90(s,9H),0.05(s,6H). Mass m/z;362〔M++2−84〕,360〔M+−84〕,305,303,
281,263,85. 参考例7 ブロム体300mg(0.67mmol)と18−クラウン−6 267
mg(1.01mmol)とをアセトニトリル15mlに溶かし、室温
下ここに青酸カリウム68mg(1.01mmol)を加えた。1時
間撹拌した後炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、エーテ
ルで抽出した。乾燥、濃縮後カラムクロマトグラフィー
で精製してニトリル体 200mg(収率76%)を得た。
NMR δ(CDCl3);5.67((broad s,1H),4.5〜4.7
(m,1H),3.00(s,2H),0.90(s,9H),0.05(s,6H). IR(neat);2950,2600,1260,840,780cm-1. 参考例8 アルゴン雰囲気下、水素化アルミニウムリチウム32mg
(0.845mmol)をエーテル5mlに懸濁し、0℃でここに塩
化アルミニウム38mg(0.282mmol)のエーテル2ml溶液を
加えた。30分間撹拌後、ニトリル体200mg(0.512mmo
l)のエーテル5ml溶液を加えた。1時間撹拌し、反応液
を10%水酸化カリウム水溶液にあけ、エーテルで抽出
し、濃縮してアミン体を得た。このアミン体を10mlの
THFに溶解し、室温下ここにピリジン119mg(1.5mmol)
次いで無水トリフルオロ酢酸210mg(1.0mmol)を加え、
1時間撹拌した。この後、溶媒を留去し、濃縮残渣をカ
ラムクロマトグラフィーで精製してトリフルオロアセト
アミド体224mg(収率89%)を得た。
NMR δ(CDCl3);5.40((broad s,1H),4.5〜4.7
(m,1H),2.1〜2.5(m,4H),0.90(s,9H),0.05(s,6
H). 参考例9 アルゴン雰囲気下、アミド体 310mg(0.63mmol)を
アセトン10mlに溶かし、ここに水酸化カリウム55mg(0.
95mmol)を加え、さらにα−ブロモ酢酸tert−ブチル18
5mg(0.95mmol)を加え、4時間加熱還流した。冷却後
飽和塩化アンモニウム水溶液にあけ1%塩酸で中和し、
エーテルで抽出した。乾燥、濃縮後カラムクロマトグラ
フィーで精製してアミドエステル10 300mg(収率79
%)を得た。
NMR δ(CDCl3);5.36(broad s,1H),4.5〜4.7(m,1
H),2.1〜2.6(m,4H),1.50(s,9H),0.90(s,9H),0.0
5,(s,6H). IR(neat);1750,1700,1370,1140,840cm-1. 参考例10 エステル 210mg(0.45mmol)を5mlのTHFに溶かし、
0℃でここにテトラn−ブチルアンモニウムフルオライ
ド−THF溶液0.54ml(1M溶液,0.54mmol)を加え、7時間
撹拌した。この後反応液を炭酸水素ナトリウム水溶液に
あけ、エーテルで抽出し、乾燥、濃縮後カラムクロマト
グラフィーで精製しアルコール体11 122mg(収率77
%)を得た。
NMR δ(CDCl3);5.87(broad s,1H),4.5〜4.7(m,1
H),3.70(s,3H),260((broad s,4H). IR(neat);3400(broad),1730,1075,1030cm-1. 参考例11 参考例10と同じ操作により以下の化合物を合成した。
表1に収率及びスペクトルデータを示す。
参考例12 アルゴン雰囲気下、アルコール体11 60mg(0.172mmo
l)をトリエチルアミン0.8mlとジメチルスルホキシド
(DMSO)0.5mlに溶解した。ここに室温でSO3−ピリジン
複合体576mg(3.62mmol)のDMSO1.5ml溶液を加え、10分
間撹拌した。反応液を氷水にあけエーテルで抽出し、乾
燥後エーテルを留去して粗アルデヒド12を得た。
アルゴン雰囲気下、水素化ナトリウムをTHF4mlに懸濁
し、ここに室温で2−オキソヘプチルホスホン酸ジメチ
ルのTHF1mlを加えた。30分後前述の粗アルデヒドのTHF2
ml溶液を加え、40分間撹拌した。反応液を氷水にあけエ
ーテルで抽出し、乾燥、濃縮して粗生成物を得た。これ
を薄層クロマトグラフィーで精製してエノン13 55mg
(収率72%)を得た。
NMR δ(CDCl3);6.5〜6.8(m,1H),6.13(dd,1H,J=1
6Hz,J=2Hz),5.83(broad s,1H),4.5〜4.7(m,1H),
3.70(s,3H),2.60(s,4H). IR(neat);1740,1675,1625,1035cm-1. 参考例13 参考例12と同様の操作により以下の化合物を合成した。
表2に収率及びスペクトルデータを示す。
参考例14 アルゴン雰囲気下、1−(トリメチルシリル)−1−プ
ロピン(0.12ml,0.81mmol)をエチルエーテル1.0mlに溶
解し、−12℃でテトラメチルエチレンジアミン0.12ml、
n−ブチルリチウム0.58mlを加え、15分間撹拌した。後
−78℃でブロム体(119.2mg,0.27mmol)のエチルエー
テル溶液を加え、1時間撹拌した。飽和NH4Cl水溶液を
加え、エチルエーテルで抽出し、冷した1%HCl、水、
飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。溶媒留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーに付し、ジシリル体14を定量的に得た。
IR(neat);2930,2850,2160,1250cm-1. NMR δ(CDCl3);6.37(m,1H),4.68(m,1H),3.43〜
4.01(m,4H),0.92(s,9H),0.24(s,9H),0.01(s,6
H). 参考例15 アルゴン雰囲気下、ジシリル体14(288mg,0.61mmol)
を、THF16mlに溶解し氷冷下、テトラ−n−ブチルアン
モニウムフルオライド(3.1ml,3.1mmol)を加え、3時
間30分撹拌した。飽和NH4Cl水溶液を加え、エチルエー
テルで抽出し飽和NaHCO3水溶液、飽和食塩水で洗浄し
た。無水硫酸マグムシウムで乾燥後、溶媒留去し、得ら
れた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
し、脱シリルしたアセチレン体15(153mg、87.2%)を
得た。
IR(neat);3410,3310,2930,2120,1440,1260cm-1. NMR δ(CDCl3);5.32(m,1H),4.68(m,1H),2.73〜
3.18(m,1H),2.30(m,4H). Mass m/z;290,218,131,85,67. 参考例16 アルゴン雰囲気下、アセチレン体15(152mg,0.52mmol)
をTHF13mlに溶解し、−78℃でn−ブチルリチウム(0.9
8ml,1.56mmol)を加え、10分間撹拌した後炭酸ガスを吹
き込んだ。飽和NH4Clを加え、1N−塩酸でpH3〜4に調整
し、酢酸エチルで抽出後、水洗し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。乾燥留去後、得られたカルボン酸16を精
製することなくジアゾメタン処理し、メチルエステル体
17(110.4mg,61.0%)を無色油状物質として得た。
IR(neat);3430,2935,2865,2230,1715cm-1. NMR δ(CDCl3);5.43(m,1H),4.67(m,1H),3.80
(s,3H),3.03〜4.02(m,4H). Mass m/z;264,215,169,85,43. 参考例17 アルコール体17から参考例12と同様の操作により18を合
成した。表3に収率およびスペクトルデータを示す。
参考例18 α,β−不飽和アルデヒドVI(500mg,1.31mmol)をメタ
ノール(10ml)に溶解し、室温で塩酸ヒドロキシルアミ
ン(108mg,1.5mmol)の水溶液(0.15ml)を加えた。
−15℃に冷却し、更に炭酸ナトリウム(82mg,0.77mmo
l)の水溶液(0.25ml)を加えた。室温で3日間撹拌
後、エチルエーテルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で
洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、
油状物質を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーにて精製し、オキシム体19(519.7mg,100%)を
得た。
IR(neat);3340,2930,1628,836cm-1. NMR δ(CDCl3);7.72(s,1H),7.63(s,1H),5.83
(m,1H),0.90(s,9H),0.05(s,6H). Mass m/z;395(M+),311,254,236,159,85. 参考例19 アルゴン雰囲気下、水素化ナトリウム(65mg,1.57mmo
l)を無水トルエン(1ml)に懸濁し、氷冷下、オキシム
19(519.7mg,1.31mmol)のトルエン(5ml)溶液を加
え、次いでtert−ブチルブロモアセテート(320μl,1.9
8mmol)を加えた。反応液を100℃で2時間加熱撹拌後、
エチルエーテルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗
浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を留去し、油状
物質を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーにて精製し、tert−ブチルエステル20(647.2mg,97
%)を得た。
1R(neat);2940,1755,1628cm-1. NMR δ(CDCl3);8.10(s,1H),6.09(m,1H),4.73
(m,1H),3.79(s,2H),1.54(s,9H),0.96(s,9H),0.
07(s,6H). Mass m/z;509(M+),425,370,352,312,159,85. 参考例20 tert−ブチルエステル20(647.2mg,1.27mmol)から、参
考例10と全く同様の操作により、アルコール体21(386.
8mg,77%)を無色抽状物質として得た。
IR(neat);3470,2940,1750,1155cm-1. NMR δ(CDCl3);8.02(s,1H),6.01(m,1H),4.71
(m,1H),3.75(s,2H),1.53(s,9H). Mass m/z;395(M+),311,255,238,180,85,57. 参考例21 参考例12と同様の操作により、以下の化合物を合成し
た。
表4に収率およびスペクトルデータを示す。
参考例22 アルゴン雰囲気下、水素化ナトリウム(35mg,0.88mmo
l)の無水THF(1ml)懸濁液に、氷冷下で2−ヒドロキ
シベンジルアルコール(120mg,0.97mmol)の無水THF(3
ml)溶液を加え、30分間撹拌した。次いでブチル体
(261.2mg,0.59mmol)の無水THF(5ml)溶液を加え、60
℃で更に6時間撹拌した。反応終了後、エチルエーテル
で抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、ベンジルア
ルコール体23(198.0mg,69%)を無色油状物質として得
た。
IR(neat);3450,1600,1586,835cm-1. NMR δ(CDCl3);6.76〜7.46(m,4H),5.68(m,1H),
4.77(s,1H),4.69(s,1H),4.60(m,3H),0.92(s,9
H),0.06(s,6H). Mass m/z;404(M+),382,329,131,85. 参考例23 ベンジルアルコール体23(198.0mg,0.41mmol)から、参
考例12の酸化反応と同様の操作により粗製アリデヒド24
(203mg)を得た。こうして得られたアルデヒド24をエ
タノール(4ml)に溶解し、硝酸銀(390mg)の水溶液
(8ml)を加え、氷冷下で更に40%KOH水溶液(0.8ml)
を滴下し、0℃で20時間撹拌した。反応液を5N塩酸で注
意深く中和し、最終的にpH4〜5とし、酢酸エチルで抽
出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去
し、粗製カルボン酸25(131mg)を得た。粗製カルボン
25をエチルエタノール(3ml)に溶解し、氷冷下に
て、大過剰のジアゾメタン−エチルエーテル溶液を加え
た。反応終了後、蟻酸で過剰のジアゾメタンを分解した
後、直ちに飽和NaHCO3水溶液を加え、エチルエーテルで
抽出した。抽出液を水及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫
酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、エステル
26(105.6mg,50%)を得た。
IR(neat);2960,1730,1710,1596,1580,1250,1080cm-1. NMR δ(CDCl3);6.78〜7.92(m,4H),5.73(m,1H),
4.60(m,3H),3.88(s,3H),0.90(s,9H),0.05(s,6
H) Mass m/z;516(M+),432,375,364,223,159,131,85. 参考例24 エステル体26(75.2mg,0.15mmol)から、参考例10と全
く同様の操作により、アルコール体27(58.6mg,100%)
を無色油状物質として得た。
IR(neat);3450,1725,1710,1600,1580,1250,1080cm-1. NMR δ(CDCl3);6.83〜7.96(m,5H),5.78(m,1H),
4.50〜4.85(m,3H),3.92(s,3H). Mass m/z;402(M+),318,284,250,152,85 参考例25 アルコール体27より参考例12と同様の操作によりエノン
28を無色油状物質として得た(収率42%)。
IR(neat);2940,1728,1690,1662,1620,1600,1590,125
0,1080cm-1. NMR δ(CDCl3);6.05〜7.95(m,6H),5.75(m,1H),
4.62(m,3H),3.90(s,3H),1.20(d,J=7Hz,3H). Mass m/z;506(M+),475,422,404,352,270,85. 参考例26 シリルエーテル体(301mg,0.77mmol)から参考例10と
全く同様の操作によりアルコール体29(210.2mg,98.7
%)を無色油状物質として得た。
IR(neat);3450,2210,1640cm-1. NMR δ(CDCl3);5.63(m,2/7H),5.15(m,5/7H),4.5
9(m,1H),3.07(m,1H). Mass m/z;193(M+−84),158,85,41. 参考例27 アルコール体29から参考例12と全く同様の操作により
α,β−不飽和ケトン体30(108.4mg,81.0%)を得た。
IR(neat);2930,2860,2204,1695,1670,1630cm-1. NMR δ(CDCl3);6.49〜7.05(m,1H),5.90〜6.80(m,
1H),5.68(m,1/3H),5.21(m,2/3H),4.55(m,1H),3.
08(m,1H). Mass m/z;287(M+−84),243,188,85,41. 参考例28 α,β−不飽和ケトン体30(108mg,0.29mmol)をメタノ
ール6mlに溶解し−78℃で過剰の水素化ホウ素ナトリウ
ムを加え、−20℃で1時間撹拌した。アセトンを加え、
反応を停止させた後飽和NH4Cl水溶液を加えた。エチル
エーテルで抽出し、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、アルコー
ル体31(107.3mg,98.8%)を、無色油状物質として得
た。
IR(neat);3430,2920,2850,2205,1640cm-1. NMR δ(CDCl3);5.19(m,11/5H),4.84(m,4/5H),4.
26(m,1H),2.70(m,1H),1.48(m,1H). Mass m/z;271,227,175,85,67. 参考例29 アルコール体31(107mg,0.29mmol)をジクロロメタン2.
5mlに溶解し−17℃でジヒドロピラン(136μI,1.45mmo
l)と少量のP−トルエンスルホン酸を加え、20分間撹
拌した。後0℃にて5分間撹拌した。飽和NaHCO3水溶液
を加えエチルエーテルで抽出し、飽和食塩水で洗浄、無
水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られ
た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、
テトラヒドロピラニルエーテル体32(130.5mg,99.5%)
を無色油状物質として得た。
IR(neat);2950,2875,2225,1740,1640cm-1. NMR δ(CDCl3);5.48(m,11/5H),5.15(m,4/5H),4.
60(m,2H),3.04(m,1H). Mass m/z;355,271,227,175,85,67. 参考例30 アルゴン雰囲気下、リチウムジイソプロピルアミドのTH
F溶液に−78℃でジテトラヒドロピラニルエーテル体32
(130mg,0.28mmol)を加え、20分間撹拌し、これにメチ
ル−4−オキソブレート(325mg,2.8mmol)を加え−20
℃で15分間撹拌した。飽和NH4Cl水溶液を加え、エチル
エーテルで抽出し、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後、溶媒留去した。得られた残渣33は精製
することなく次の反応に用いた。
IR(neat);3450,2950,2850,2735,1735cm-1. 実施例1 α,β−不飽和テトン1350mg(0.113mmol)をメタノー
ル5mlに溶解し、−78℃に冷却した。ここに水素化ホウ
素ナトリウム4.7mg(0.124mmol)のメタノール2ml溶液
を加え、同温度で45分間−20℃で45分間撹拌した後アセ
トン1mlを加え、飽和塩化アンモニウム水にあけ酢酸エ
チルで抽出した。乾燥濃縮して粗アルコール3455mgを得
た。このアルコールを65%酢酸水溶液に溶かし、40℃で
2.5時間撹拌した。この後飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液にあけ酢酸エチルで抽出し、乾燥、濃縮して粗ジオー
ルを得た。これをカラムクロマcグラフィーにて精製し
て高極性成分として15α−ジオール体3516mg(収率39
%)を得た。
NMR δ(CDCl3);5.87(s,1H),5.4〜5.6(m,2H),3.5
6(s,3H),2.47(s,4H). IR(neat);3430(broad),1720,1200,1190,975cm-1. MS m/e;360(M+),342,298. 実施例2 実施例1と同様の操作により以下の化合物を合成した。
表5に収率及びスペクトルデータを示す。
実施例3 15α−ジオール3515mg(0.042mmol)を1mlのエタノール
に溶解し室温でここに5%水酸化カリウム水溶液0.2ml
を加えた。20分間撹拌後、1%塩酸で注意深く中和した
後酢酸エチルで抽出、乾燥、濃縮して粗生成物を得た。
これを中性シリカゲルキャピラリーカラムで精製して目
的のカルボン酸369mg(収率64%)を得た。
NMR δ(CDCl3);5.84(s,1H),5.4〜5.5(m,2H),4.4
7(dd,1H,J=8Hz,J=2Hz),0.8〜0.9(m,3H). IR(neat);3400(broad),1693,1085cm-1. MS m/e;328,284. 実施例4 実施例3と同様の操作により以下の化合物を合成した。
表6に収率及びスペクトルデータを示す。
実施例5 15α−ジオール3725mg(0.05mmol)を7%水酸化カリウ
ムメタノール溶液3mlに溶かし、ここに1mlの水を加え室
温で2時間撹拌した。この後メタノールを減圧留去し、
5%塩酸水にて中和した。この水溶液をMCLゲルCHP20P
を通す事によりゲル中にアミン酸を担持させ、水で洗浄
後エタノールで抽出し、溶媒を留去してアミン酸3815mg
(収率83%)を得た。
NMR δ(CDCl3);5.5〜5.6(m,3H),3.9〜4.0(m,2
H),0.8〜1.0(m,3H). IR(neat);3400(broad),1615,1380,1060cm-1. MS m/e;333,315,228. 実施例6 実施例5と同様の操作により以下に示す化合物を得た。
ここに収率及びスペクトルデータを示す。
収率 74% スペクトルデータ NMR δ(CDCl3);5.4〜5.7(m,3H),4.8〜5.0(m,2
H),1.74(s,3H),0.9〜1.0(m,3H). IR(neat);3400(broad),1580,1410,1090cm-1. MS m/e;362(M+1)+360(M−1)+. 実施例7 α,β−不飽和ケトン体18から実施例1と、全く同様の
方法により以下の化合物を合成した。
表7に収率およびスペクトルデータを示す。
実施例8 ジオール体40から実施例3と全く同様の操作により以下
のカルボン酸体41を合成した。
表8に収率およびスペクトルデータを示す。
実施例9 実施例1と全く同様の操作により以下の化合物を得た。
表9に収率およびスペクトルデータを示す。
実施例10 実施例3と全く同様の操作により以下の化合物を合成し
た。
表10に収率およびスペクトルデータを示す。
実施例11 α,β−不飽和ケトン28から、実施例1と同様の操作に
より、ジオール体43(収率55%)を無色油状物質として
得た。
IR(neat);3390,2930,1725,1600,1590,1250,1085cm-1. Mass m/z;406(M+−18),388,362,254,210,153,81. 実施例12 ジオール体43をエタノールに溶解し、室温で5%KOH水
溶液を加え、同温度で30分間撹拌した。反応終了後、5N
塩酸で注意深く中和し、最終的にpH3〜4とし、これを
酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸マギネシウム
で乾燥後溶媒を留去し、残渣を中性シリカゲルキャピラ
リーカラムにて精製し、カルボン酸体44(収率88%)を
得た。
IR(neat);3300,2920,1720,1600,1590,1455,1235cm-1. NMR δ(CDCl3);8.19(d,J=8.4Hz,1H),7.54(m,1
H),7.14(t,J=7.7Hz,1H),7.05(d,J=8.4Hz,1H),5.
81(s,1H),5.58(m,2H),4.83(s,2H),3.40〜4.20
(m,2H),3.18(m,1H),1.79(s,3H),0.99(d,J=7.3H
z,3/2H),0.96(d,J=7.3Hz,3/2H). Mass m/z;410(M+),392,348,330,321,295,211,133,8
1. 実施例13 ハイドロキシシアン体33をジクロロメタン2.5mlに溶解
し、氷冷下でトリエチルアミン0.47ml塩化メタンスルホ
ニルクロリド89μlを加え、室温で20分間撹拌した。飽
和食塩水を加え、エチルエーテルで抽出し、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥し溶媒留去した。得られた残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーに付し、低極性部分と
してシアノジエン体(Z)45(66mg,42.5%)、高極性
部分としてシアノジエン体(E)46(56mg,36.0%)を
無色油状物質として得た。
E体 IR(neat);2950,2850,2230,1735,1440cm-1. NMR δ(CDCl3);6.4〜7.0(m,1H),5.23〜5.70(m,1
H),4.85(m,1H),4.64(m,1H),3.70(s,3H),2.90
(m,1H). 実施例14 アルゴン雰囲気下、シアノジエン体45(66.1mg,0.12mmo
l)をTHF0.12ml、65%酢酸1.0mlを加え、50℃で55分間
撹拌した。飽和NaHCO2水溶液を加え、酢酸エチルで抽出
し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥
した。溶媒留去後得られた残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーに付し、高極性部分としてジオール体47
(9.0mg,19.4%)を無色油状物質として得た。
IR(neat);3360,2930,2860,1735cm-1. NMR δ(CDCl3);6.08〜6.19(m,2H),5.50〜5.61(m,
2H),3.71(s,3H),3.19(m,1H). Mass m/z;370,369,351,325,298,245,143,99,67. 実施例15 シアノジエン体46(56mg,0.1mmol)から実施例14と全く
同様の操作よりジオール体48(8.3mg,21.4%)を無色油
状物質として得た。
IR(neat);3350,2925,2850,2225,1735cm-1. NMR δ(CDCl3);6.09〜6.21(m,2H),5.62(m,2H),
3.71(s,3H),2.96(m,1H). Mass m/z;370,369,351,325,265,194,143,79,41. 実施例16 ジオール体47(8.0mg,0.02mmol)を、エタノール0.08ml
に溶解し、リン酸緩衝液pH8、0.72mlを加え、26℃でブ
タ肝エステラーゼ800μlを加え、2時間撹拌した。氷
冷下、0.5N−塩酸にて、pH4に調節し、酢酸エチルで抽
出した。飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで
乾燥後溶媒留去した。得られた残渣を中性シリカゲルキ
ャピラリーカラムで精製し、カルボン酸49(4.8mg,62.3
%)を得た。
IR(neat);3350,2940,2860,2225,1720cm-1. NMR δ(CDCl3);6.08〜6.19(m,2H),5.57〜5.62(m,
2H),3.76〜4.29(m,3H),3.17(m,1H). Mass m/z;355,337,311,284,231,143,99,43. 実施例17 ジオール体48(7.0mg,0.02mmol)から、実施例16と全く
同様の操作により、カルボン酸50(3.1mg,46.3%)を無
色油状物質として得た。
IR(neat);3350,2940,2860,2225,1720cm-1. NMR δ(CDCl3);6.02〜6.23(m,2H),5.63(m,2H),
3.71〜4.23(m,3H),2.98(m,1H). Mass m/e;355,337,311,284,194,143,91,41. (薬剤製造) 実施例17 エタノール5mlに溶解した2,3,4,5−テトラデヒドロ−9
(O)−メタノ−Δ6(9α)−プロスタグランジンI1
5mg、カルボキシメチルセルロースカルシウム0.2g、二
参加ケイ素20mg、ステアリン酸マグネシウム0.2g、マン
ニット5gを常法により混合乾燥後、マンニットを加え10
gとし、均一になるまでよく混合したのち常法により臼
杆を用いて直接打錠して1錠中に50μgの活性物質を含
む錠剤100錠を得た。
実施例18 2,2,3,3,18,18,19,19−オクタデヒドロ−16,20−ジメチ
ル−9(O)−メタノ−Δ6(9α)−プロスタグラン
ジンI1および4−アザ−3−オキサ−4,5−ジデヒドロ
−9(O)−メタノ−Δ6(9α)−プロスタグランジ
ンI1について、実施例17と同様の操作により1錠中に50
μgの活性物質を含む錠剤100錠を得た。
実施例19 3−アザ−16−メチル−18,18,19,19−テトラデヒドロ
−9(O)−メタノ−Δ6(9α)−プロスタグランジ
ンI2tertブチルエステルのα−シクロデキストリン包接
化合物70mg、カルボキシメチルセルロースカルシウム0.
2g、二酸化ケイ素20mg、ステアリン酸マグネシウム0.2g
および乾燥マンニットを加え10gとし均一になるまで混
合した後、常法により直接打錠して1錠中50μgの活性
物質を含む錠剤100錠を得た。
実施例20 4,5−ジデヒドロ−5−シアノ−9(O)−メタノ−Δ
6(9α)プロスタグランジンI1のαシクロデキストリ
ン包接化合物70mg、ステアリン酸マグネシウム0.23gお
よびラクトースを加え、2.3gとし、均一になるまで混合
した後、常法により、3号ゼラチンカプセル中に充填し
て1カプセル中に50μgの活性物質を含むカプセル100
個を得た。
実施例21 2,2,3,3−テトラデヒドロ−16,17,18,19,20−ペンタノ
ル−15−シクロペンチル−9(O)−メタノ−Δ
6(9α)−プロスタグランジンI1のαシクロデキスト
リン包接化合物14mgを蒸留水100mlに溶解し、溶液を常
法により殺菌消毒し、5ml容量のアンプルに1ml注入し
て、1アンプル中に10μgの活性物質を含む注射剤100
個を得た。
(生理活性) 実験例1−血小板凝集抑制作用− (実験方法) 2週間以上薬物歴のない健康成年男子(22〜34歳)から
早朝空腹時に採血した。3.8%クエン酸ナトリウム水溶
液を入れた注射筒を用いて50ml採血し、直ちに転倒撹拌
したのち、200Gで15分間遠心分離した。上清をPRP(血
小板多血症)として分離し、残渣を更に2000Gで15分間
遠心分離し、上清をPPP(乏血小板血症)として分取
し、実験に用いた。PRP250μlをキュベットに入れ、本
発明化合物の1%エタノール水溶液又は1%エタノール
水溶液5μlを添加し、37℃1分間インキュベーション
後、凝集誘発剤(ADP)を添加し、凝集の過程をアグリ
ゴメーター(Sienco社)により記録した。ADPの濃度と
して各々の血小板に対し、最大凝集を与えるADPの最小
濃度(2〜10μM)を用いた。血小板凝集抑制率は次式
によって算出した。
抑制率=(A−B/A)×100 A:溶媒添加時の最大凝集率(5%エタノール水溶液) B:本発明化合物添加時の最大凝集率 本発明化合物の血小板凝集抑制作用は、IC50値によって
表11に示す通りである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 69/734 229/14 251/50 255/31 C07D 295/18 C07F 7/18 Z 8018−4H (72)発明者 篠田 真樹 茨城県稲敷郡阿見町大字若栗字降木500番 地 三菱油化薬品株式会社研究所内 (72)発明者 石山 千代子 茨城県稲敷郡阿見町大字若栗字降木500番 地 三菱油化薬品株式会社研究所内 (72)発明者 林 良夫 茨城県稲敷郡阿見町大字若栗字降木500番 地 三菱油化薬品株式会社研究所内 (72)発明者 小栗 東明 茨城県稲敷郡阿見町大字若栗字降木500番 地 三菱油化薬品株式会社研究所内 (72)発明者 金山 敏司 茨城県稲敷郡阿見町大字若栗字降木500番 地 三菱油化薬品株式会社研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 〔式中、R1は−CO2R5基(基中、R5は水素原子、又は炭
    素数1〜12の直鎖もしくは分枝鎖アルキル基を表わす)
    を表わし、Aは i)−CH=CH−CH=CH− ii)−C≡C−CH2CH2− iii)−CH2CH2−C≡C− iv)−CH=N−O−CH2− v)−CH2CH2−NH−CH2であり、Bはトランス−CH=CH−又は−C≡C−基を表
    わし、R2は炭素数3〜10の直鎖もしくは分枝鎖アルキル
    基、又はシクロヘキシル基、又は炭素数3〜12の直鎖も
    しくは分枝鎖アルケニル基、又は炭素数3〜8の直鎖も
    しくは分枝鎖アルキニル基を表わし、R3は水素原子を表
    わし、R4は水素原子、又はテトラヒドロピラニル基を表
    わし、Aで表わされる置換基中の二重結合はE又はZ、
    又はそれらの混合物であり、R2で表わされる置換基中の
    不斉中心はR−配置又はS−配置、又はそれらの混合物
    である。〕で表わされるプロスタサイクリン類。
  2. 【請求項2】一般式(I) 〔式中、R1は−CO2R5基(基中、R5は水素原子、又は炭
    素数1〜12の直鎖もしくは分枝鎖アルキル基を表わす)
    を表わし、Aは i)−CH=CH−CH=CH− ii)−C≡C−CH2CH2− iii)−CH2CH2−C≡C− iv)−CH=N−O−CH2− v)−CH2CH2−NH−CH2であり、Bはトランス−CH=CH−又は−C≡C−基を表
    わし、R2は炭素数3〜10の直鎖もしくは分枝鎖アルキル
    基、又はシクロヘキシル基、又は炭素数3〜12の直鎖も
    しくは分枝鎖アルケニル基、又は炭素数3〜8の直鎖も
    しくは分枝鎖アルキニル基を表わし、R3は水素原子を表
    わし、R4は水素原子、又はテトラヒドロピラニル基を表
    わし、Aで表わされる置換基中の二重結合はE又はZ、
    又はそれらの混合物であり、R2で表わされる置換基中の
    不斉中心はR−配置又はS−配置、又はそれらの混合物
    である。〕で表わされるプロスタサイクリン類又はその
    酸の非毒性塩、あるいはこれらのシクロデキストリン包
    接化合物を有効成分とする血小板凝集抑制剤。
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